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私は人間じゃないから(後編) ◆wC9C3Zbq2k




 空中でデーモンの放ったディバインバスターは博之以外の目にも届いていた。

「なんという邪悪な波動! これを看過するはもはや罪であるとしかいえぬ!」
「あっちの方角からでした! KASさんか博之さんが戦っているのかも」

 彦麿と遊戯。彼ら二人はあれがハルヒであれば永琳と古泉が近くにいるはずであり、暴れる謎の巨人も彼らが協力者だと信じている遊戯の説得であれば止めさせられるかもしれないと信じて危険を顧みずここまで歩いてきていた。
 マリオとルイージのあまりの速さに呆気に取られていたり、お目当てのコンビを見つけてからの対処を覚えの悪い彦麿と打ち合わせしていたりしているうちに遅れを取ってしまっていたわけでもあるが……。

「僕たちは非力だけど、それでも敵から逃げ続けてちゃいけないんだ! 月の頭脳とも称される人に真っ向から頭脳戦を挑むことになりそうな今、不謹慎かもしれないけど僕はワクワクしてる!」
「うむ。その意気だ少年。我々は武力においては不利かもしれぬ。だがそれを補って余りある勇気と知恵と団結心を持っている。そのことを奴らに見せつけようでないか」

 そして、二人は博之のもとへ辿り着く。
「なんということだ……」
「……おえっ」

 人が、立ったまま溶けかけていた。
 拒絶反応。異常な融合に体組織がついてこれなかったその結果。

「博之どの……なのだな?」
 首肯する異形の魔人。背中の漆黒の翼だけが変わらずそれが彼であることを示していた。途切れ途切れになるしわがれた声を遊戯たちは懸命に聞き取る。

「俺はもうここまでみたいやな。家に戻って最後の配信をするまで何をしてでも生き抜いたるって思ってたけど……無理。できるだけ人として恥ずかしくないよう頑張ってきたつもりやから、ジーコも水銀燈も俺を責めたりせんと思う。
というか先に行ったあいつらに俺を責める資格なんてないよな。考えてみたら……腹、立ってきた」
「博之さん……」
「悪魔に勝てるとはなぁ……人間の意地捨てたもんやないな。荷物はそこに落ちてるから持ってけ。今手に引っかかってる分は棺桶代わりに使わせてもらうから」
 遊戯が示された方向を見る。4枚中1枚は融合。そばのもう1枚は……ラーの翼神龍! その存在に目を見開く。あれがラーなら、残り2枚の裏返ったカードも全て神のカードなのかと。そのせいで反応が遅れた。

「進化の繭を装備。じゃーな」
「ちょ! それダメ!」
 止めきれなかった。博之の融解しつつある体が急速に白い糸で包まれ楕円形の繭が形作られてゆく。遊戯が膝をついた。

「何かこの繭のようなものに問題があるのか? 墓標としては堅牢そうであるし、立派だと思うのだが」
「たぶんそうならないとは思うんだけど、最悪巨大な蛾のモンスターになって出てきますよこれ!」
「なんと! 巷で噂のパピ☆ヨンというものであったか」
「……いや、パピヨンは蝶ですよ? それにどこの巷ですかそれ」

 彦麿の知識を訝しみながらも残りのDMカードを確認する。まずは青眼の白龍。
「じゃあこっちは?」
 また青眼の白龍。全世界に3枚しか存在しないはずの海馬のカードがここに2枚も揃ってしまった。予想とは違ったが大当たりにも程がある。
 色から判断してモンスターカードは全て使用可能。遊戯が手にしたこの4枚のDMカードだけでさっき出てきた城を破壊しつくすことすらできかねない。これなら誰が立ち塞がろうとも必ず渡り合える。遊戯は博之に深く感謝した。

「ところで遊戯よ、そのポケットの尻から出ている手紙のようなものは何だ?」
「んー? 何これぇ。いつのまに」

 折りたたまれた武藤遊戯様と書かれた手紙。いつどこでポケットに差し込まれたのだろうか。不審に思いながらも開けて読んでみる。

「誰からであった?」
 目を通し、遊戯は彦麿に告げた。
「……今はちょっと、言えません」

 マルクからの内通を誘う手紙。ばかばかしい。こんな殺人ゲームに無理やり呼びつけた張本人がいまさらどんな甘言を使ってこようと信じるはずがない。
 ……その余白に、作戦に応じ城の南部に位置する指定の場所まで来てもらえれば千年パズルはすぐにでも返却すると汚い文字で書かれてさえいなければ! 今度は主催者にまで捕らわれたというのか、あの馬鹿ファラオはっ!

「そうか、それならそれでよい。己を信じまっすぐに生きる。遊戯、お主はそれができる男だ。わしが心配するほどのことでもない」
 彦麿の反応はあまりに甘かった。いや違う、信頼されている。彦麿のその態度に遊戯は救いを見た気がした。
 どれだけ見た目がうさんくさくとも、彼は間違いなく人々の心の闇にはびこる魑魅魍魎を祓うという陰陽師なのだ。今も多くのことを見抜いた上で助言をくれているに違いない。そう感じた。

「ありがとうございます。……決めました。僕は彼らの誘いに決して乗ったりしない」
「ほう」
「犠牲は覚悟の上です。彼も僕の決断を信じてくれると思います」

 千年パズルとの決別を覚悟する。それが遊戯の出した答えだった。
 古泉に捕まっているなら詐術で取り戻せたかもしれないが、あの笑い声が不快な魔術師、本人が来るとは思えないがもしかするとその分身―――の手に渡ってしまったのなら素直に従うふりを見せたところでも返してもらえるとは思えない。
 こんな反吐の出るようなゲームの主催者を信用しろというほうが無茶なのだ。
 それに、彼だってよく貸しているだけのぼくの体を使って命懸けのデュエルをしていた。お互い様だ。少し我慢していてもらおう。そう、彼の肉体はもうはるか昔に滅びていてすでに人間なんかじゃないただの霊魂なんだから。
 今は生きている仲間をこそ優先すべきとき。みんなと違って撃たれようと斬られようと、最後に奪回しさえすれば組み直すだけで彼は蘇ってくれるはずだ。行かなかっただけで粉砕されるということさえなければ、必ずチャンスは巡ってくる。

「逸る気持ちは失敗の元ともいう。わかっているであろうが何事も慎重にな」
「はいっ!」 

 パズルが古泉の元にないのならば作戦を実行する必要もない。永琳が説得できそうだというのもまだ彼女をこちらに引き込める確証がない今はただの危険な推論だ。
「神人はこの近くには見当たりません。危険な集団もどこにいるかわからないし……これからどうしますか?」
「私は船の仲間と合流するつもりだ。その千年パズルというものを奪い返す機会がなくなったのであれば、結界の分析に時間を費やさねばならない。首輪を見事解除してくれた彼らの助けを借りれば順調に進むだろう」
「なら僕は、もう少しここで博之さんが目覚めるのを待ってみます。……6ターンほど」
「ありがとう。彼をよろしく頼む」

 ターン数に突っ込まず、彦麿は船へと歩き出していった。遊戯は廃れた道の脇で魔人の復活を待つ。
 彼はもしかすると既に永遠の眠りについてしまっているのかもしれない。もしくは完全究極態の蛾となって天空を舞い始める可能性もある。それとも、遥かな強さの高みへと昇った魔神として目覚めてくれるのだろうか。
 または……融合相手に精神を乗っ取られ邪悪な姿へと中で変貌しているのか。最後の想像だけはあってほしくなかった。
 なんにせよそれがわかるのはもう少し先のことだ。何が起こっても自分には最強と名高いDMカードが3枚持手元にある。
 遊戯は繭の傍に座り、この世界へ連れてこられてからは初めてかもしれない―――心穏やかな独りでの休息をとった。

【チューモン@デジタルモンスター 死亡】


【D-2 平地/二日目・日中】
【矢部野彦麿@新・豪血寺一族-煩悩解放-レッツゴー!陰陽師】
[状態]:全身に打撲によるダメージ(痛みは引きました)
[装備]:孔明ブロック(大)@スーパーマリオワールド
[道具]:支給品一式、ネギ@ロイツマ、長門の首輪、コイン*2@スーパーマリオワールド
[思考・状況]
基本.主催を含む悪霊退散
1.船組の安否を確かめ、結界分析への協力を要請。
2.亜美やKASも心配なので誰かに探しに行かせたい
3.アリスは……大丈夫とは思うがやはり心配だな
4.つかさの体調が心配。
5.琴姫の意思を継いで、悪霊を退散させる。
6.悪霊退散の為の修行を積む
7.猿の物の怪を改めて退散する


【武藤遊戯@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ】
[状態]:軽度の精神疲労、全身に傷と火傷(手当て済み)、それでもまだ闇AIBO、マーガリンに対する殺意
[装備]:小型爆弾
[道具]:支給品一式、睡眠薬一包み、
【DMカード】使用可:青眼の白龍*2、ラーの翼神竜(遊戯、海馬のみ) 使用不可:融合(次の日中まで)
[思考・状況]
基本行動方針:自分に危害を加える者は容赦なく殺す
1.魔人博之の復活を待つ。危険な存在になっていれば退治する。
2.マルクの指定した場所ヘは向かわず因縁の敵、古泉を探し出して殺す
3.千年パズルが主催の手に渡っているという情報をある程度信用し、ひとまず奪還作戦を中断。古泉たちがまだパズルを持っていたとすれば偽物でないかと疑う。
4.どうにかして永琳だけを引き離し、ブレそうなところを突いて手駒にしたい
5.彦麿さんはいい人だし海馬を含む船の仲間は首輪を解除してくれた。城組と船組は信頼できそう。
6.つかさのことは千年パズルを取り返せたらもう一人の僕に任せよう
7.ゲームを終わらせ、主催者を倒す
8.あの夢についての情報を得る

※千年パズルの本物はまだ永琳たちの手元です。主催には渡っていません

※闇AIBO  ニコニコの闇AIBOタグで見られる、腹黒AIBO。
AIBOの持ち味である優しさが欠損して、笑顔で毒舌を言ってくれます。
ルールとマナーを守らずに楽しくデュエルしますが、過度の僕ルールは制限されるかも。
※古泉に命令された内容は『可能な限りの範囲で撹乱された所を突き、騙すなりして城組の誰かを こちら側に引き込むか離反させる(撹乱できた人的証拠を持ってくる)』です。


【永井博之@永井先生】
[状態]:der変態っ!(生物学的な意味で)、魔人ピロ(色不明)、翼が生えた
[装備]:なし
[道具]:【DMカード】 次の日中まで使用不可:進化の繭
[思考・状況]
1.みっともない死に方かもしれんが、上出来やろ……
X.少数派による運命の打開
X.城に行き、ハルヒ達の事を皆に話す。
X.ハルヒ達をいつか絶対に倒す
X.水銀燈の入ったディパックとクロスミラージュを取り戻したい
X.水銀燈の右足を見つけたい
X.生還し、水銀燈を直して再会する。

※デーモンと悪魔合体しました。荒業すぎたようで拒絶反応で体が自己崩壊し始めましたが……
※進化の繭に包まれ肉体が再構成を始めました。彼はプチモスではないのでグレートモスにはならないかもしれません

※ローザミスティカの力を得て魔人覚醒をしました。身体能力は遥かに向上、そしてどうやら水銀燈の力は行使出来る様です。しかし、まだ魔人の能力を行使出来るか不明です。
※水銀燈の見てきた全ての記憶・感情を得ました
※水銀燈の能力のおかげで翼が生えています。イメージ的にはローゼンメイデン2期、アニメ本編の最終回の真紅みたいな感じです。
※塔組の推理メモ、塔の『バグ』について纏めた紙の内容を完璧に覚えています



「ええい! 天海春閣下はどこへ運ばれたというのだ!」

 ピエモンはピンクの痛車で舗装路を移動しながらやさぐれていた。殺されたはずの場所にはもう閣下の遺体はなく、近隣を探して回ろうにも暴れまわる神人はジアースでも出さないと手に負える存在ではないから近づこうにも近づけない。
 こんなことなら偵察員のように自分も気付かれず動けるようにしておくべきだった。価値があるうちに魔法をかけて人形として保管しておかねば生贄として役に立たなくなるというのに!

 人気のない場所まで飛ばし、車を止めて無線を繋ぐ。まだ混乱状態が続いているのか、クッパ城への連絡は未だにつかない。連絡はハッキングとは関係の薄い場所なのでおそらくは係の者がいないだけだ。嘆かわしい。城内の指揮系統があまりに乱れている。

「こんなことではマルクの思うままだ! 誰かいないのか!」
 一人きりの車内でのけぞりながら叫ぶ。だが正気に返れば痛車であることを含めて傍目には間違いなく奇行。誰も見ていなかったことにピエモンは安堵しため息をついた。

 コン コン

 窓ガラスが叩かれる。
「(見られていたのかっ!)」
 石ころ帽子を脱ぎ、ピエモンに何かを伝えようとしているイビルモンがそこにいた。

「ご言いつけ通り、武藤遊戯におてまみを渡してきましキャハハッ!」
「手紙だと? どういった用件の手紙だ」
「やーですようむぅ。遊戯くんを呼び出して寝返ってもらおうってマルクさん言ったじゃないでちかームヘヘヘッ! ぐゎんばって説得しちゃいますよぉーっ!」
 クルモンでもないくせにどこかの34歳児のような甲高い声を出し、あろうことかマルクへの活動報告をピエモンで済ますイビルモン。叱責して蹴り飛ばしたいところだがマルクの動向がわかったのは正直ありがたかったので衝動を抑えこむ。

「報告ありがとう。私が代わりにそこに向かおう。城から南へ行けばよいのだな?」
「はいなのれす!」
「それから……念のために尋ねるが、死亡した天海春香の行方を知らないか?」

 ピエモンがそう言うと、イビルモンはニタっと笑った。
「城の近く。地図のねー、このへんに埋葬されてましゅたよぉお~。チャイナ! チャイナ!って感じで。美人れすよねー脂身春香しゃんって人。しかも語感が美味しそう!」
「あー、いいから黙ってろ」

 イビルモンを置き去りに、示された場所へ他の参加者に気付かれても仕方のないスピードで急ぐ。その速さはまさにピンクの弾丸。メンテナンス班の言ったとおりこの痛車は性能面では申し分ない働きを見せてくれていた。帰ったら職人の無駄遣いだと誉めてやらないといけない。

「ここですかっ!!」
 あった。盛り土の下から出てきたのは間違いなく絶命した天海春香の身体。さっそく人形にするために白く大きな布に魔力を通わせ包みこむ。
「そぉれ」
 布をめくればあら不思議、天海春香はかわいいお人形に……なっていなかった。
 何故だろう。もう一度同じように布に自らの魔力を通わせ強く願いながら覆い被せる。
 ……やっぱり元の死体のまま。人形には変わってくれない。ピエモンはそれが主催である自分にまで課せられた能力制限のせいであることに気付かない。

「何故だッ!!」
 もうすぐ時間切れ。その単語が頭をよぎる。何故力を振るえないかはわからないが、生贄は文字通り生きているものを捧げなければいけない。形だけでも蘇生に近いことが可能であるいま人形にしておかなければ計画は全て終わってしまうのだ。

 九度目の試行のおち、ピエモンはゆっくりと膝をついた。
「ふん。そこまで安らかに眠りたければそうするがいい」
 律儀に見栄えよく埋め直して土を盛る。決してツンデレではなく、テスト前日に大掃除をしてしまう、そんな血液型A型にありがちな行為の一種である。

 ピエモンは次にやるべき事を考える。
 神になる道が途絶えた以上、できることはマルクの暴走をやりたがっていることを潰していく形で妨害しながらバトルロワイアルを正常な形で再開すること。ただしまた全員眠らせて首輪を付け直すくらいしないと奴の企みは阻止できそうにない。

 だからまずは武藤遊戯だ。マルクが単独で呼び出すほどの相手、この局面で鍵となる存在なことは間違いない。
 場合によっては千年リングが彼を選び面白くしてくれるかもしれないが、マルクが望む結末に近づけさせないためにはそんなことでもない限り情報を引き出せるだけ引き出して殺しておくべきだろう。所詮は不安要素なのだ

 おびき出された遊戯を殺すため、彼は城から南へ行った場所の庭園で待ち続けた。
 遊戯がここへは来ないと知っているものは、ここにはいない。

【残り18名】
【D-1 城の近く/二日目・日中】
【ピエモン@デジモンアドベンチャー】
[状態]:健康
[装備]:トランプソード
[道具]:千年リング、アシストフィギュア×3
[思考・状況]
基本:ノヴァを手に入れるため、なんとしてもバトロワを完遂させる。
1:ここへ来る武藤遊戯を、知っていることを洗いざらい吐かせてから殺す
2:生贄確保を諦め、対主催とマーダーの同士討ちが起こるよう画策する
3:電脳戦の方はマルクとコイヅカに任せる。
4:バトロワが完遂できなかった場合マルクが裏切ると予想。今の惨状を改善し、まともなロワが再開できるよう努力する。
5:神になるのは諦めた。生贄が足りないんですよ皆さん……



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