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このチート野郎!(大半の魔理沙使いの叫び)-後 ◆KJJLTUDBrA





アイスデビモンは目を見開いた。背後にたたずむ巫女の気配を感じて。
ゆらりと、彼女は自然体で立っている。少なくともその姿は、先ほどまで倒れていたようには見えなかった。
彼女がたたずむ後ろでレナが目を覚ます。
「……あれ、霊夢ちゃん起きたの。良かった……。あれ? 海馬さんは……」
アイスデビモンは、無理やり平静を装ったような声で、霊夢に訊いた。
「なぜ。なぜこのタイミングでぇ目を覚ますぅ。貴様らお得意の友情だとか愛だとか仇だとか言うつもりくぁ?
 ふざけるなよベイベロン! そんなものが世界を支配してたぁまるかぁ!」
「あら、私もそう思うわよ」
てっきり否定の言葉が来ると思っていたアイスデビモンは、それを聞いて逆に驚く。
霊夢はただ飄々とした表情をしたまま言葉を続ける。
「だって私はそんな理由で動かないもの。友情だとか愛だとか仇とか、そんなものはまったく私に影響を与えない」
「……貴様、ならばなぁぜ目覚めたぁ。貴様には関係ないのなら、こいつらを助けるためにうごくまぁい」
馬鹿ねえ、と彼女はあきれたような声を上げた。
「言ったでしょう。私はそんな理由で動かないって。だったら私の行動を決定するのは私自身ということになる」

そこまで言って胸を張る。
何かを誇るように。あるいは何かに宣誓するように。
「私は私の意思で目を覚ました。そこに理由なんてない。あえて言うならあんたを倒すためだけど……それですら私の理由よ」
「霊夢、……お前何か吹っ切れたな?」
海馬が笑みを浮かべる。それに霊夢も笑みを返した。
「ちょっと違うわね。忘れていたことを思い出した、っていうのが正しい」
にっこりと、彼女は笑う。
「私は誰の影響も受けないし、誰にも縛られない。確かに仲間が死ねば悲しいけれど、それは私を縛らない。
 あだ討ちでもなく、愛のためでもなく、友情のためでもなく、私は敵を倒し、異変を解決する。
 誰が死んでも、誰が生きても、私は私。ただ、それだけよ」
いい笑顔だ、と海馬は呟いた。
「な、ならば俺を倒すというのもぉ、貴様の意思だけだというのかぁ。その結果仲間が救われてもぉ?」
慌てたように言うアイスデビモン。理解できないものを目の前にして、彼の思考には若干の混乱があった。
律儀にも霊夢はそれに答えを返す。
「私は私の意思であんたを倒す。それの過程で誰かが助かっても、そんなの私の知ったことじゃない。
 あんたが悪でも正義でも関係ない。私はただ、あんたがむかつくという、本当にそれだけの理由であんたを倒す!」
アイスデビモンは絶句した。彼が敵対してきたものたちは、仲間だとか友情だとか、そんなものを重要視する者どもだった。
彼にとってみれば、馬鹿馬鹿しいことこの上ないものだったが、確かに彼らはアイスデビモンの脅威だったのだ。
だが、この巫女は違う。今まで彼が出会った人間の中でもっとも異常な存在だ。
一体今まで、むかつくからという理由で彼や彼らに敵対したものがいただろうか。
本心はどうであれ、今まで彼が敵対してきた者たちは、彼を悪とし、それを理由として敵対してきた。
いずれにせよ、むかつくから、などとぶちまけたものはいない。
いや、むしろそこまでの自己中心的な考え方は、もはや悪役、外道のそれだろう。
少なくとも、まともな人間ではない。
そんな未知に対する恐れが、彼の口を動かしていた。
「おまえ……本当に人間か?」
「失礼ね。あんたに比べれば間違いなく普通の人間よ」
スタスタとアイスデビモンに近付く霊夢。いよいよ彼を殺そうというのだろう。
アイスデビモンまであと三歩というところで彼女は立ち止まった。
「そうだ海馬」
ふと思いついたように霊夢は言う。
「この部屋で暴れるのはまずい?」
「……そうだな。なるべく……ここの機材は傷つけて欲しくない」
海馬の返答に霊夢は満足げに頷いた。
「だったら、下に行けばいいわね」
「え、霊夢ちゃん?」
「霊夢?」
レナと海馬が怪訝な声を上げる。
そのとき、最後の剣が消えた。
「ぶぅぅぅぅううううるあああああぁぁぁぁぁああぁぁアアアアアッ!!」
もはや何を言っているのかわからないような叫び。それとともにアイスデビモンが跳ね起きる。
アイスデビモンは海馬に突き刺した銃剣を引き抜くと、思い切り後ろに振るった。
ずるりと海馬が崩れ落ちるが、彼にはそんなことを気に掛ける余裕はない。
踏み込みは神速。ダンという音がする。
左手の銃剣はまっすぐに突き、右手の銃剣は横に一閃。
後ろに逃げても横に逃げても、ガードをしても必ず相手を仕留める一撃。
殺られる前に殺る。そういう点で言えば、確かにその一撃は百点満点である。
だが、彼女を捕らえるためには、その程度では足りなかった。
気付けばアイスデビモンの鼻先、腕を振ってできた空間に彼女はいた。
アイスデビモンは驚愕し、すぐに理解する。
彼が腕を振るったとき、剣の軌道から外れる下をくぐって、霊夢は避けたのだ。そしてそのまま、彼の鼻先に移動した。
言葉にしてみれば簡単なことだが、果たしてそれを瞬時に判断し、実行できる人間がどれほどいるだろうか。
突きがくれば人は普通横に避けようとするだろうし、横薙ぎの一閃ならば後ろに避けようとするだろう。
上下の大きな移動による回避は、それによって生じる隙が大きすぎるため、滅多に用いられることはない。
上に跳べば足場がなくなるために敵の的になり、しゃがめば地の利が相手へと傾く。
しかし霊夢はそれを実行した。控えめに見ても彼女の判断力は先ほどより遥かに上昇している。
アイスデビモンは焦る。これでは羽によるガードも、銃剣によるガードも間に合わないと。
霊夢が叫ぶ。
「昇天脚!」

「ど、どろわっ!」
見事なサマーソルトが炸裂し、いつものような奇声をあげながら、彼は打ち上げられた。
空中で羽を羽ばたかせ、受身をとる。
「Kiss☆Summer! 何しやがるぅッ!!」
急降下し、霊夢に向けて銃剣を振るう。
霊夢はそれを見もしない。目を瞑りぶつぶつと何かを唱えている。
「これで、おぉわり──」
アイスデビモンの攻撃より一瞬速く、レイジングハートの石突が床を叩く。

──「天石門別命」

「──ダァアアアアァァア!?」
霊夢を中心に、床に穴が開いた。
す、っと霊夢はその穴の中へ落ちてゆく。空を切るアイスデビモンの一撃。
空中で急に止まれるはずもなく、アイスデビモンも穴へと落ちてゆく。
そして2人の姿が見えなくなった頃になって、穴は幻のように消え去った。
残された海馬とレナは唖然としている。
彼らが消えてしばらくすると、ゴンゴンという小さな音が海馬とレナの耳に届いた。
どうやらどこかで戦闘しているらしい。
「あ、あの海馬さん。それは……」
先ほどまでは霊夢やアイスデビモンの陰になって見えなかった海馬の様子が、レナの視界に入る。
海馬は自分の腹を見下ろすと、自嘲気味に笑った。
「少し、無理をしすぎただけだ。発動のタイミングが少し遅れた結果に過ぎん」
彼の腹からは血がどくどくと流れていく。
アイスデビモンの攻撃だったから傷口が冷却されたのか、傷のわりに出血は少なかったが、十分に致命傷だった。
レナは海馬の元に近付くと、その手を取った。
「海馬さん……」
悲しげな表情で呟くレナ。
「そんな顔をするな、レナ。俺たちは最善を尽くした。霊夢も目を覚ました。これ以上何を望むんだ?」
「で、でも本当なら私が囮で……でも海馬さんの方にあいつが向かって……」
泣きそうな顔のレナを、海馬が手を広げて静止する。
「これは俺の責任だ。……おまえに背負ってもらう必要はない」
「……さっきの放送で、妹ちゃんも、萃香ちゃんも、閣下ちゃんも死んだって!
 この上あなたまで、あなたまでみんなのもとからいなくなるんですか!?」
「すまない……だが……」
海馬の言葉の中にぜぇぜぇという音が混じり始める。おそらく血が足りていないのだろう。
それを痛ましげに見つめるレナ。
海馬はなおも何かを言おうとし、ふとディスプレイに目をやった。
そこには海馬が開いた記憶のないウィンドウがあった。
レナの手を振り払うと、地面に爪を立て、上体を無理やり起こす。
「か、海馬さん!? どうしたんですか?」
レナの言葉を無視して海馬は立ち上がろうとする。だが、その指は壁を滑るだけで、足に力が入らない。
「あと……あと少し……だ。なのに、……俺は……」
悔しげに海馬は呟く。しかし、力なくたれたその腕を掴むものがいた。
「……レナ……」
「あそこまで行きたいんでしょ? だったら手を貸します」
ああ、と海馬がうなずくと、ぐいと持ち上げられる。
よろよろと、コンピュータの前まで移動し、海馬はその前の椅子に腰を下ろした。
「ところで、これはなんなのかな? 私には良くわからないんだけど」
海馬とレナが見つめるディスプレイには、様々な文字が流れている。海馬がキーボードを操作すると、その流れが少し変わった。
「これは、……最後のピースだ。……この船の真の能力を発揮するためのピース……だ。
 この船の武装は……おかしいが、それを実行するには……どうにも出力が足りない」
息も絶え絶えに話す海馬。しかしその指先は前にも増した速さで動いている。
「それだけが疑問だったが……どうやら物理的なプロテクトが……かかっていたようだ。
 あいつらが何か……やらかして、……それで解除されたのだろう」
レナがなんとも言えないような顔をしているのを視界の隅で捕らえ、海馬は笑った。
「だから……そんな顔をするな、……と言っただろう……」
「で、でも海馬さんは……」
海馬はディスプレイをまっすぐ見つめたまま言う。
「さっき……霊夢が言っていたことを……聞いていたか……?」
「……はい。聞いてましたけど……」
なぜ今そんなことを聞くんだろう、と彼女は眉をひそめた。
「あいつは……言っていただろう? 『仲間が死ねば悲しいけれど、それは私を縛らない』……と。
 俺たちは……そうあるべきだ。仲間が死ぬのは……悲しい。……けれど、それに……執着すれば、……ただの呪いだ」
目が霞んできたのか、海馬は何度か瞬きをする。
「死んだ人間は、……生きた……人間になにも……与えない。ならば、それに……縛られては……ならん。
 ……いいか、レナ……誰かの死を悼むのは……いい。だが、……それを引きずるなよ……」
タン、と海馬はエンターキーを叩くと、椅子から滑り落ちた。
彼の側頭部から、コトンとCPUの形状をした何かが落ちる。
「海馬さん!」
「いいか、……レナ。レイジングハート……が帰ってきたら、こいつの……中にプレゼントを……用意した、と伝えろ。
 その……ファイルの……中に、俺が見つけたもの……と、俺からの……メッセージが……ある……」
その目は焦点が合っていない。おそらくもう見えないのだろう。
だが彼は、レナがそこにいることを知っていた。だから、彼は懸命に口を動かした。
「いいか……レナ……伝えて……くれ……」
「うん。伝える、伝えるよ! だから、だから……!」
涙ながらにレナが答える。ああ、と海馬はため息を付いた。
「ならば……安心……だ……これで……俺は……」
急速に消えてゆく命の炎。それを感じてレナは海馬の手を握り締めた。
「ああ、……ブルーアイズ……に……もう……一度……会いたかった…………な……」

【海馬瀬人@遊☆戯☆王デュエルモンスターズ 死亡】
【残り17名】


【E-2 Nice boat.・ブリッジ/二日目・日中】
【竜宮レナ@ひぐらしのなく頃に】
[状態]:悲しみ、健康
[装備]:リアルメガバスター(145/300)@デッドライジング、メタルブレードのチップ、サイレンサー付き拳銃(1/6)@サイレンサーを付けた時とry 、鉈@ひぐらしのなく頃に
[道具]:支給品一式*13(食料3・水2消費)、日本酒(残り半分)テニスボール*2、オミトロン@現実?、モモンの実*5@ポケットモンスター、鉄パイプ、本『弾幕講座』、アイテム2号のチップ@ロックマン2、
暗視ゴーグル@現実、デジヴァイス@デジモンアドベンチャー、初音ミク@現実、オボンの実*4@ポケットモンスター、ポケモンフーズニ日分(四食分消費)@ポケットモンスター、
ほんやくコンニャク(1/4)(半分で八時間)@ドラえもん、テレパしい@ドラえもん(残り2粒)、五寸釘@現実、フタエノ極意書@ニコニコRPG、雛見沢症候群治療セット1日分(C-120、注射器、注射針)@ひぐらしのなく頃に、
桃太郎印のきびだんご(24/25)、ウルトラスーパー電池(残り30%)@ドラえもん、くうき砲@ドラえもん、ゼットソーハードインパルス@現実、ハイポーション×2、北米版パッチ、
DMカード@遊戯王DM(青眼の白龍・マジックシリンダー・攻撃誘導アーマー(使用可)・光の護封剣(次の日中まで使用不可))、ロールバスター@ロックマンシリーズ(損傷有)、十得ナイフ@現実、
毒針@ドラゴンクエストシリーズ、ナイフとフォーク×2、包丁、首輪の機械部品、包帯、ことのは(妖精の剣)@ヤンデレブラック、オクタン(HP1)@ポケットモンスター、MASTER ARTIST01~10@THE IDOLM@STER、
壊れたオセロ@現実、ノートパソコン(バッテリーほぼ満タン)@現実、RPG-7(残弾4)@GTASA、富竹のカメラ@ひぐらしのなく頃に、スタンガン@ひぐらしのなく頃に、ピッキング用針金、
盗賊の棺桶@勇者の代わりにバラモス倒し(ry、フィルム、ピーピーマックス*2@ポケットモンスター、Fooさんの笛@ニコニコ動画(γ)、 宝石みたいな物@呪いの館、
ウィンチェスター M1895/Winchester M1895(狙撃銃、残弾1)@現実、無限刃@るろうに剣心(フタエノキワミ アッー!)、 きしめん@Nursery Rhyme、
たいやき(残りHP50%)@ポケモン金コイキングだけでクリアに挑戦、SIG P210(残弾1)@MADLAX、鬼狩柳桜@ひぐらしのなく頃に、 10円玉@現実?、札束(1円札百枚)、琴姫の髪、iPod@現実(【残り16時間】)
[思考・状況]
1.少数派による運命の打開
2.先ほどから近くで起きてる戦闘の激化が気になる。
3.クラちゃんは一応信用しておく。
4.博之に関してはKASに一任……大丈夫かな?
5.圭一、ティアナの思いを継いで、対主催思考の仲間を探す。
6.ハルヒはしばらく泳がしておき、計略を為ったと見せかけておく。
7.罪滅しをする。
※八意永琳が何か知っていると思っています。
※時期は大体罪滅し編後半、学校占領直前です。
※雛見沢症候群は完治しました。
※身体能力が向上しています。それによってレナパンが使えるようになりました。
※158話で感じた違和感の正体が、ハルヒに自分達の情報を教えたと推理しました。
 また、ハルヒ達の計画を大まかながら把握しています。
※船内地図を把握しています。
※ジェバンニ@デスノート?は海馬の死体の横に落ちています。
※オクタンはきあいのはちまきの効果で生き残りました。

※Nice boat.の動力は飛行石(大)です。
※コンピュータ内に海馬の残した何らかのファイル(飛行石関連その他)とメッセージがあります。


○ ● ○ ● ○ ● ○ ● ○ ●

霊夢とアイスデビモンが落下した先は、巨大な倉庫だった。
「貴様ぁ! なめてるんじゃねぇぞぉおおお!」
着地するや否や、アイスデビモンは右手で四本の銃剣を放った。
常人では反応すらできないような速度で、的確に急所を狙った一撃が霊夢へと迫る。
だが、彼女は常人ではなかった。
「……なにぃ」
アイスデビモンが思わずこぼした。
霊夢は放たれた弾幕を尽く交わしていた。それもほんの一歩横にずれただけで。
「甘いわね、化け物。確かに速ければ避けにくいけど、その程度の弾幕じゃ、弾幕ごっこをするには薄すぎるわ」
ギリギリと歯を食いしばるアイスデビモン。
「いいわ。あなたに教えてあげる。本当の弾幕ごっこを」
「ヴァアアァアアアアアァアアアアアァァァアアァァッ!!」
奇声とともに彼の両の手から放たれる無数の銃剣。それが一斉に霊夢の元へと宙を駆ける。
霊夢は瞬き一つせずにその弾幕を見極める。
一番薄いところはどこか、どこが一番安全な道か。
それらを瞬時に判断し、彼女は動く。それはまるで踊っているかのようにも見え、弾の方が彼女を避けているようにも見えた。
そして、弾幕の向こうからやってくるもののことも、彼女は把握していた。
何を言っているのかわからない奇声と共に、アイスデビモンの銃剣が振り下ろされる。
彼女はその銃剣の先にレイジングハートを当て、その柄に沿って滑らせた。
弾幕のあとの必殺の一撃だったのか、アイスデビモンはその動きに対応できず、体が泳ぐ。
がら空きの胴体。
そこを彼女が見逃すはずがない。
炸裂するアミュレット。
アイスデビモンは大きく吹っ飛んだ。
勢い良く壁にぶつかり、止まる。
唸りながら上体を起こしたアイスデビモンだが、そこにあった光景を見て絶句した。
彼の前方数メートル先には博麗霊夢が宙に浮いている。
そして、その周りには無数の光の弾が浮いているのだ。その数は優に三十を超える。
さらにその周囲を回るように飛ぶ白黒の玉が2つ。
彼女の手には何枚かの御札が握られている。
「さあ、今度は私の番よ。せいぜい楽しませて頂戴ね!」


(俺が、俺が押されているだとぉ!)
アイスデビモンは今しがた自分がいた場所で炸裂した光弾の音を聞きながら内心で叫んだ。
先ほどから戦闘は霊夢が有利に進んでいる。膨大な量のホーミング弾がアイスデビモンの動きを制限するのだ。
もちろん彼も反撃していないわけではない。時折隙を見ては銃剣を放っているが、そんな弾幕にもならないような攻撃が彼女に当たるはずもない。
(くそっ、こぉのホーミング弾め!)
アイスデビモンはごろごろと転がりながら、迫る弾幕を避ける。
霊夢の弾幕は三種類だった。
一つはレイジングハートを用いて放つ大量の追尾式の光弾。これは少し横に移動すれば避けられる。
二つ目は時折霊夢自身が放つ博麗アミュレットである。これは光弾よりも追尾性が高く、ギリギリまでひきつけないと避けきれない。
そして最後が陰陽玉であり、これは周囲を跳ね回る弾である。これの軌道はほとんどランダムであり、上記二つを避けたとしても、
この弾に当たることが多々ある。
アイスデビモンにとって不幸中の幸いは、一発一発の威力が低いので、多少の被弾はたいしたことがないことである。
とはいえ、こんな大量の弾幕を何度も受ければ削り殺されるのは目に見えている。
(やはりここはぁ、被弾覚悟の突撃かぁ!)
そう決意すると、アイスデビモンは壁際でくるりと振り返る。
「とぉおおおおおっ!!」
壁を蹴り、飛ぶアイスデビモン。いくらか弾がかするがそれを無視し、その加速のまま銃剣を二本とも振り上げる。
「だから、甘いといってるのよ」
アイスデビモンは目の前数メートル先に霊夢の右手があるのに気付いた。
そこには当然のように御札が握られている。
アイスデビモンは瞬時に目の前で銃剣をクロスさせる。
霊夢が放ったのはアミュレットはアミュレットでも、ただのアミュレットではない。
某所では座布団などとよばれた万能弾が、それの正体である。
敵の弾幕をがりがり食い尽くすその弾は、アイスデビモンの銃剣のガードの上からも有効だった。
なすすべもなく吹き飛ばされたアイスデビモンは、倉庫の壁をぶち抜いた。
(くっ、ここは……?)
アイスデビモンが飛ばされたのは、無数のパイプが綺麗に並んでいる場所だった。
(ここは、機関室……? いや、ここにいてはぁ、狙い撃ちだぁ。さっさと外にぃ、でなければぁ)
慌てて穴から外に出るアイスデビモン。前方数十メートル先に霊夢の姿を確認し、気を引き締めたアイスデビモンは、そこで違和感を感じた。
(影?)
アイスデビモンの前に青い影が出来ていたのだ。それはすなわち後ろに光源があることがを示している。
なんとなく嫌な予感がして、彼は敵が目の前にいるというのに後ろを振り返った。
「な、な、な、なんでこれがここにあるぅううう!?」
心底驚いたアイスデビモンの叫び。
一瞬呆けていた彼は、後ろから迫る弾幕の音に我に返り、横様に飛ぶと、どこかへ向けて一目散に駆け始めた。

「ねえレイジングハート」
逃げるアイスデビモンを追いながら、霊夢はレイジングハートに尋ねた。
「なんかあいつ、私達をどこかに誘ってるように見えない?」
『私はどうにかして逃げようとしているように思えます。彼が向かっているのは後部甲板ですし』
釈然としない表情をする霊夢。
「まあいいわ。今までどおり削り殺す。いいわね?」
『Yes, my master!』
ひゅんひゅんと、大量の光弾がアイスデビモンに迫る。彼はそれに被弾してもかまわず駆けてゆく。
そんな彼が、階段にたどり着いた。すぐさま上へと上り始める。
「逃がさないわ!」
速度を上げる霊夢。
幾度か階段の角を曲がり、長い廊下を抜けて甲板の入り口へと到着する。
いや、甲板の入り口まであと少しというところで、霊夢は立ち止まった。
長い廊下の先、甲板の端にアイスデビモンが見えたからであり、その手にありったけの銃剣が握られていたからである。
「こぉれならばぁ──」
両手を振りかぶり、アイスデビモンは銃剣を放つ。
「──避けられまい!!」
なるほど、と霊夢は思った。膨大な量の弾幕で作った、点ではなく面の攻撃。確かにそれならドット避けは出来ないだろう。
それに、ここは廊下だ。横に避けることは出来ず、前後に移動するなら、大きく移動するはめになる。
『どうしますか、レイム。回避方法は前後のいずれかです。ですが、大きな移動となりますので、敵の追跡の継続は不可能かと』
「ばかねえレイジングハート」
霊夢は笑った。その手には一つの白黒の玉、陰陽玉が握られている。
「ピンチな時はスペルカード。これは幻想郷のルールの一つよ?」

──宝符『陰陽宝玉』

握った陰陽玉が巨大化し、霊夢の背丈ほどにもなる。それが迫る弾幕を飲み込みながら飛んでゆく。
響く悲鳴。
「ぬぁああんじゃそりゃあああああああああああああああああああ!!!」
そうして、後部甲板のフェンスが吹き飛んだ。

○ ● ○ ● ○ ● ○ ● ○ ●

「あいつ……」
ひとりでに帰ってきた陰陽玉をキャッチし、霊夢は苦い顔をした。
その裾には大きな穴が開き、その遥か後方には銃剣が刺さっている。
陰陽宝玉が放たれる瞬間、アイスデビモンは第二波の攻撃を行っていたのだ。
それは最初に投げた面の攻撃より早く霊夢に届き、その裾を貫いた。
それに引っ張られる形で陰陽宝玉は軌道を変えることになったのである。
「逃がしたわね、間違いなく」
『撃墜確認、できません』
「……私も本気じゃなかったけれど、あいつも同じだったようね」
裾の穴を見ながら難しい顔をして、霊夢は黙り込んだ。
「ねえ、やっぱり海馬は……」
『あの傷では間違いなくもう生きていません』
ふむ。と霊夢は口に手を当てる。
「……どっちにしても、戻らなきゃならないわね。レナを残しているんだし」
『はい。戻りましょう』
霊夢は踵を返して歩き出した。


【E-2 Nice boat.・後部甲板/二日目・日中】
【博麗霊夢@東方project】
[状態]:チート巫女、バリアジャケットの腋・袖・腹部分破損、魔力消費小(かなり回復)、血霧の巫女
[装備]:レイジングハート@魔法少女リリカルなのはシリーズ、巫女風バリアジャケット@巫女みこナース、KASの帽子、博麗アミュレット(80/200)、陰陽玉*2@東方project、
[道具]:支給品一式*5(パンは一個だけ・水は一式分)、フリップフラップ@ニコニコキッチン、首輪、ドリル@ミスタードリラー、メモ用紙(10/10)、魔理沙の帽子、
気合の鉢巻き@ポケットモンスター、クマ吉の手錠@ギャグマンガ日和、全自動卵割機@サザエさん、億千万の思い出@現実、
キーボードクラッシャーの音声(の入ったiPod)@キーボードクラッシャー、萃香の角*2、ワルサーカンプピストル@現実(1/1)(26.6mm信号弾残り6発)
[思考・状況]
1.ブリッジに帰還。
2.ヴァンデモンは見つけたら殺す。
3.もう私は迷わない!
4.先ほどから近くで起きてる戦闘の激化が気になる。
5.怪しい人には無理のない程度に接触、無害なら適当に交渉
6.今回の事件の解決(主催者の打倒)
7.クロスミラージュを調べたい。
8.つかさが自分にとって敵か知りたい。洩矢諏訪子の帽子が気になる。
※クロミラの事を変態だと認識しました。
※船橋前の通路には霊夢の張った結界があります。
 物理的な効果はありませんが、船内でのみ、霊夢はそこを何かが通ったことを知ることができます。
※霊夢はカイバーマンたちと情報交換をしました。霊夢は大方把握しています。
※Niceboat.後方甲板にはまだ何かがあるみたいです。
※萃香側の情報を大まかに把握しました。
※制限は解除されていません。


○ ● ○ ● ○ ● ○ ● ○ ●

「ハァ、……ハァッ…………」
アイスデビモンは陰陽玉の直撃を受けた左腕を押さえながら、駆けていた。
「確かに俺は本気じゃなかったがぁ、あれほどのダメージをぉ受けるとはなぁ」
彼は歯を食いしばったまま、のどの奥から唸るように言う。
侮っていて手痛いしっぺ返しを受けたのだ。屈辱以外の何物でもあるまい。
「しかし、神父装備でも叶わぬとはぁ、これはいよいよ本気を出すべきかぁ?
 いや、その前にアレの連絡が先か。城を飛ばすための動力と同じものががどうしてあんなところに……」
ひとまず彼は本部に連絡することにした。


【D-2 川辺/二日目・日中】
【アイスデビモン@若本】
[状態]:大激怒、左腕負傷、ステルス解除、神父装備
[装備]:エネミーコントローラー型首輪起爆装置、透明マント、石ころ帽子、高性能首輪探知機、銃剣(105本)
[道具]:連絡機器
[思考・状況]
1、まずは本部に、連絡を……。しっかし何でアレがあそこに……。
2、城でこそこそしてた奴らがゲームをぶち壊さないか見張る。
  ぶち壊したら、もしくはぶち壊そうとしていると確信できたなら、何らかの対応をとる。
3、オールハイルピィエタァァァニア! ぶるぁあ! 不満なぞぉ! 漏らしてるじゃねぇえ!

※ステルスアイテムの機能はニコニコ流星郡の沈静化に伴い復帰出来ます。
※アイスデビモンの幹部権限念話時報により周辺のデジモンにNiceboat.への
集合命令が下されました。ただし戦闘の巻き添えで数が減ってる可能性があります。
また念話時報はしばらく使えません。
※下っ端デジモンはどこかへ逃げました。
※Nice boat.内に飛行石があることを確認しました。

【残り17名】



sm211:このチート野郎!(大半の魔理沙使いの叫び)-前 時系列順 sm208:今日の私はかわいいのよ!
sm211:このチート野郎!(大半の魔理沙使いの叫び)-前 投下順 sm212:ジョグレス進化!今、心を一つに(プロデュースbyくそひろ) ~王様涙目編~
sm211:このチート野郎!(大半の魔理沙使いの叫び)-前 博麗霊夢 sm215:当方に迎撃の用意あり
sm211:このチート野郎!(大半の魔理沙使いの叫び)-前 海馬瀬人 死亡
sm211:このチート野郎!(大半の魔理沙使いの叫び)-前 竜宮レナ sm215:当方に迎撃の用意あり
sm211:このチート野郎!(大半の魔理沙使いの叫び)-前 クラモンD sm215:当方に迎撃の用意あり
sm211:このチート野郎!(大半の魔理沙使いの叫び)-前 アイスデビモン sm220:えーりんと闇AIBOに死ぬほど言葉攻めされて涙目なピエモンB(前編)



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