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ちょっと言葉さんで結界解除してくる(準備編) ◆irB6rw04uk




「彦麿さん……それに……みんな……」

私は定時放送を休憩のついでに木の陰で休みながら聞いていた。
そしてその内容は私を悲観の海に沈めるには十分過ぎるウエイトを有していた。

まず始めにピエロの笑い声から始まる定時放送……
もうこの声にもいささか慣れてき始めていた。
前置きもそこそこに死者の名を告げられ始める……

双海亜美

あっとつかさは声を漏らした。
初撃から弩級の砲火だ。
ギュッと自分のひざを両手で寄せて身を固める。
出来るだけ脳の記憶の部分だけにその名を刻み、そして他の部分に情報が回らないように……
とくに……悲しみの所に情報が行き過ぎないように……

海馬瀬人

ガンッ!
容赦ない砲撃が私の頭を貫く。
ものすごく痛くて、痛くて、逃げ出したい。早く終わって欲しい。
だからと言って私は逃げることも避けることも出来ない。
これは真実の砲撃なのだから……真っ向から受け止めるだけ。
逃げたところでなんになるっ。逃げたら何が起こった?
逃げたから私は殺したし、殺された。ねぇ? この意味分かってるよね? 自分?

ガンッ!  ガンッ!     ガンッ!

以上9名なのサ!

その言葉を聴いて私は口を一ミリも開けずに涙を流した。

おもい

おもいよ……私にとってこれはとっても「おもい」よ。
これが死んだ人のおもいなのか……

生きている以上、そして仲間が居る以上私はこのおもいを背負わなければならない。
いや、この表現は前の私だからだ。
今の私は「このおもいと共に生きなければならない」でしょ?

私は袖で乱暴に涙を拭くとグンと足に力を入れて立ち上がる。

彦麿の頼まれごと……今となっては遺言だが「結界を解いてくれ」このおもいはまだ生きている。
目的地まではもうすぐだ。
心は砲撃で削られてしまったけれど、体は回復している。
さあ、行こう。
見下した眼で見る主催者を壇上から引き釣り降ろして一方的な集団的暴行(フルボッコ)を加えるためのプロジェクトの一つを。



「ここ……だよね……」

私は今居るところはまさにC-3、目的地だ。
とても見晴らしのいい崖の上、そこに立つ私。

――ここが……終わりの場所であり、そして始まりの場所……もう一つの終わりの場所で、始まりの場所……



ここには記憶が多すぎる。
そしてこの『ち』に刻まれるもうひとつの出来事が今から生まれる。

「こんにちは。魅音ちゃん」
崖の上で倒れ落ちている死体、魅音がここには居る。
私は彼女に話しかけた。

「ありがとう……」
ごめんなさいの謝罪では無い感謝のありがとう。
昔の私は謝罪を口にしていただろう。
もしそう言ったら魅音ちゃんは困った顔をしただろうね?
でも魅音ちゃんはやさしいから苦笑いを浮かべながら「へへへ……べ、別にいいよ、あはははは……」って言うだろうね?

今の言葉はどうだったかな?
「うん、どういたしまして」
ニコっと笑ってそう言ってくれる。

私は続けて今の現状を簡単に話していく。
首輪の解除に成功したこと、対主催と主催者それに第三勢力の三国志状態。
そして『結界のこと』

魅音は表情を一つも変えずにつかさの話を淡々と聞いた。

「ねぇ? 結界ってどこにあると思う?」
「…………………」

「………そっか、ありがとう。また会えるといいね」
「………………」


『結界の媒体がある所はどこでしょう?』


つかさは魅音との会話を切ると辺りを捜索し始める。
C-2、ここにあることは彦麿の間違っていなければ間違いない。
ただ、探すだけだった。

山頂内部と彦麿さんは言っていた。
内部?
どこかに入る場所でもあるのだろうか?
まずは茂みを探すが何も見つからず、次に崖の近くにやってきたときだった。

ヒントその一、私は崖から落ちた。でもその時助かった。どうして?』

崖の岩肌に何かで引っかきながら落ちていったように一直線のラインが刻まれていたのだ。
傷跡はまだ新しい、ここ数日の間に出来たものだとすぐに分かる。

『ヒントその二、崖から落ちた私が、次に居た所は落ちた所であるはずのここだった。なぜ?』

そのラインを辿っていくと崖下の地面に到達する。

――崖につけられた痕とはまた違う痕を発見する

地面にはまん丸の円に直径を引いたような半円を二つくっつけた形の痕がある。
丁度ロボットアニメの発射基地見たい……
きっと此処は開くのだろう。
開ける方法は……

『まだ分からないかな? 最後のヒント 私が被っていた帽子はいつ手に入れたでしょう?』

そして私は見つけた。岩肌につけられたライン上に何かボタンのようなものがあることに……
これしかない。

大事なものを守りたいと思ったら貴方ならどうする?
私なら肌身離さず持っていたいけど……えへへ、私っておっちょこちょいだから落としちゃうかも。
だから私は家の中の引き出しの中とか箱の中とか……何かの中に仕舞い込んじゃう。
鍵を掛けてね。

絶対に玄関の前とか外には保管しないよ。

そうだ、バトルロワイアルを遂行するために大切な大切な結界だ。
そんなものを参加者の目が触れる場所に置くだろうか? いや、置かない。

置けない!

隠すよね? 普通。自分以外誰も考え付かないような所とかに……
なぜこんなところにスイッチを作ったかは知らないけどこれなら十中八九このスイッチに気がつく者は居ない。
現に私は岩肌にラインが無ければ気づくことは無かっただろう。
これだったら誰もが気がつかない秘密の宝箱だ。

場所は分かった。しかし、私はそこに行く手段がない。
ラインが引いてあるみたいに何かで壁を引っかきながら降りるのだろうか?
そんなもの持ってないし、素手でやろうもんなら手が再起不能状態にまでなってしまうだろう。

私はふと、モンスターボールを持っていることを思い出し、ことのはをボールから出す。

「ことのは……さん?」

噂では怖い女の子だったが、まさにそんな感じの子だった。
なにやら鬱のオーラを纏っており、眼が死んだ魚のような色をしている。
制服を着ているところを見ると学生……なのだろうか? でもみwikiさんよりも胸がおっきい……


ことのはちゃんはじーっと私を見つめて少しムッとした顔をしている。
もしかして私嫌われているのかな?

「えっと……言葉さん?」
私の声に反応したかのように言葉さんは首を1度くらい上げた。
よかった……話は分かるみたいだ。

「ここからあのスイッチ見える?」
私は崖から身を乗り出してスイッチを指差す。
言葉さんは無言のままコクリと頷いた。
「このスイッチを押したいんだけど……どうにかできないかな?」
言葉さんは顎に手を掛けて少し考えているみたいだ。
そして何かが思いついたのだろう。顎から手を離して近くの石を拾い上げる。

言葉さんは投げつけるわけでもなく、初速度0の状態でその石を落とすと、見事スイッチに命中した。
この言葉さんって実はものすごくすごい人なんじゃ……

スイッチが押され、辺りには何か大きなものが動くような音が響き渡る。
まぁ、分かってるんだけどね? ほら、予想通りだよ。

先程見つけた地面の不振な痕……
その痕で作られた円が全て黒で塗りつぶされていて、黒い月のようだ。

いや、フタがあいて中身が見えた。
中は真っ暗で何が潜んでいるかまったく分からない。
でも、きっと……いや、絶対この中に結界の媒体がある。

「よし、行こう。言葉さん」

私はすぐにその穴に向けて山を降りる。
この痕をつけた人はこの崖を降りたのだろうけど私には無理だ……
山道を通って崖のしたまで行くしかない。

「…………言葉さん?」

私が駆け出しているのに言葉さんは崖のしたをじっと見ていて動こうとしない。
えっと……なんて声を掛ければいいのかな?
そんなことを思い始めた頃に言葉さんは小さく口を開いて言った。

「降りるの?」

あまり聞き取れなかったけど伝えたかった意味は『此処から降りてあそこに行きたいの?』だろう。
「そうだよ。早く結界を解きたいから急いで!」

そう私が少し強めに言うと言葉さんはとぼとぼと私のほうに歩いてきた。
な、なにか悪いこといったかな……

どんどん近づいてくる言葉さん、怖いよ……
そして私の吐息がかかるくらいまで接近してきた言葉さん……このとき私の思考は殆どスノーノイズ状態になっていた。

「え?」
突然の浮遊感。
地面から足が浮く。

そして毎秒9.8mで加速していく風……

ああ、なんでかな? 私は崖を飛び降りていた。いや落とされたが正解。
崖から降りるのも落とされるのもう慣れてますよ。

そして言葉さんは私を抱えたなら頭を下にして落ちる。

にやぁ

っと何が嬉しいのか悲しいのかトラウマになりえるに十分のレベルを備えた表情を浮かべている。
私は直感的に『落ちる回数は私が上だけど、言葉さんは落ちる才能が私よりもあるんだ』と理解する。

そんなこんなで地面はもうすぐだった。
言葉さん……何か策があっておちたんだよね?


――言葉に策などなかった。
有ったのはことのはのスキルだけである。

空中でくるっと反転するとその足で地面に着地する。
崖の上から落ちたと言う位置エネルギーを……しかも人間二人分を足だけで吸収することなど人間では無理だ。
だけど、『えいえんに』そのスキル(技)さえ有れば高低差など彼女にとっては何の苦にもならない。

その時はまだ言葉さんが一般的な高校生だと認識していた私。
クラクラとするその頭で考え出した結論は『言葉さんはすごくてやばい』と言うことだった。


その後すぐにフタは閉まってしまった。
たぶん山道を通ってここに向かっていたら途中でタイムオーバーだっただろう。
言葉さんには感謝をしなければいけない。

辺りは薄暗く、デイパックにはもう何も入っていないので明かりになるようなものは無い。
自分の眼で必死に薄闇を見ながら進む。

言葉さんも……見えてないんだよね? でも何でそんなにスタスタ歩けるのだろう?


少し歩くと何かが見え始める。
日本家屋的な建物、廃墟といってもいいほどボロボロに廃れているが……
……これって……神社だよね?

二つの神社が向かい合うように建てられている。
神社が2つも同じところにあるだけで異様な雰囲気を作り出しているのに、そのどちらとも壊されているとなればどこと無く恐怖を感じる。

私が巫女の仕事をした神社とは違うみたいだ。
言葉さんも見覚えが無いのだろう。ただ無言でその神社を物不思議そうに眺めているだけだ。

地図で現在位置を確認する。
落ちてそんなに歩いては居ないはずだ。
まだC-2の中に居るはず……だったらこの神社が……結界の媒介。

結界を解かなければ見えていたお城の中に入ることは出来ない。
でも、私には結界なんて見えないし、壊し方も知らない。
どうすればこの結界を壊すことが出来るのだろう?

こんなときに彦麿さんが居れば……

待って、この任務を出したのは彦麿さんじゃない?
だったら私に結界を壊すことが出来るから頼んだんだよね?

きっと出来る……そうだ……出来るんだ。

私はぐっと拳を握って神社に近づく。

まず一つ目の神社の中をのぞく。

………っ!!

神社の中には薄気味悪い像があり、思わず息を呑んだ。

その像はバラバラに砕けており、何かの思惑が見え隠れしている。
これも結界の何かなのかな?

観音像? の近くの壁に古手神社と書かれている。
この神社は古手神社というらしいね。

まだまだ、情報が少ないので2つめの神社に向かうことにした。
こちらの神社も破損がひどく、荒れていて、名前は博麗神社と言うらしい。

古手と博麗……どちらも聞いた事が無い神社だ。

博麗? 霊夢ちゃんの苗字は確か博麗……
今更だけど霊夢ちゃんは巫女の格好をしていた。
もしかしてこの神社は霊夢ちゃんの神社?

あーもう、わかんなくなっちゃうよ。
私は頭を抱えて少し考えた後、今までの情報をまとめることにする。

  • 古手神社と博麗神社
  • どちらの神社もすごく荒れている
  • 古手神社の中に壊れた観音像?

ここまで書き出して私は再び頭を抱える。
そもそも結界というものが良く分からない……
やっぱり私には……無理なのかな……


私はこの難問に半分諦めを感じたときだった。

トントンと私は肩を叩かれる。
びくっ! として慌てて振り返ると言葉さんが虚ろな眼の状態で立っていた。

「どうしたの?」
と私が問うと、言葉さんは小さな声で答える。

「少し……分かった」
「え! それ本当!?」
言葉さんはコクリとうなずくと古手神社の方向に歩き始める。
私は急いで後を追った。

言葉さんは木の掲示板のようなところで足を止める。
それには何か文字が書かれている。
ずらずらと長い文章で書かれていて少し分かり辛いな……

数分かけてその文をよみ、私なりに理解したことを先程のまとめた紙に追記する。

オヤシロ様について
  • オヤシロ様は古手神社の神
  • 鬼ヶ淵から現れた鬼と人間の調停者
  • 村と外界の交流を禁じる神

書いたことで分かるだろう。
ここに書かれている文章はオヤシロ様の伝説だ。

言葉さんに今度は博麗神社に連れてこられ、同じような文章が書かれた板を発見する。

博麗大結界について
  • 幻想郷を覆う大結界である
  • 幻想郷と外の世界を隔てる結界

今度は結界について書かれている。
結界と書かれていることに私は喜びを感じずには居られない。

だけど、幻想郷という単語がどうも引っかかる。
この神社は古手神社のように異次元から持ってこられたものだとしよう。
だったら異次元で働いていた結界だから此処では効果が違うのではないだろうか?


―――……

違うよね……
だって首輪と結界はリンクしているんだから。
神社を結界の発生媒体にしているくらいだ。幻想郷というのは犯罪者だらけの刑務所みたいな世界ではないだろう。
霊夢ちゃんもそんなところから来たようには見えない。

だったら首輪なんて必要ない。
首輪のシステムを担う結界なんて必要ない。そうでしょ?

たとえ結界のもともとの能力を利用して首輪を作ったのならなぜ『博麗神社』を使用したのか?
こっちには結界のスペシャリストと結界そのものの持ち主が居るのに……

首輪が私達にとって未知の技術を用いたのならば結界も未知……それが出来なくても、参加者にとって理解し辛い結界を用意するべきだ。

飽くまで仮説だけど、博麗大結界自体がこの会場に張り巡らされている結界ではない。


「そういうこと……かな?」
「……ぇぇ」
言葉さんは消えそうな声で肯定してくれた。
「でも……此処から全然わかんないよ」

結界の種類がいくら分かっても解除方法など検討もつかない。

「……それも……少しなら……」
私はポカーンとした眼で言葉さんをみる。
一見私と年はそう違いそうに無いのに……

そんなことはお構いなしに言葉さんは言葉を搾り出すように話し出す。

「神社が二つ……一つは調停、一つは断絶」
「――相互に排斥してる?」
言葉さんは頷く。
「でも……結界の力は零になることは無い……余剰力が生まれます」
「二つの結界が交じり合って違う結界が出来るってこと?」

言葉さんは少し考えたあと少し顔をしかめながら頷く、どうやら少し違うようだ。

「神社が壊れているのは……調整のため……壊れれば結界の波長が乱れる」

「うーん……結論的に言えば神社を壊せばいいってこと?」
言葉さんは首を横に振る。
「たとえ灰になっても……神社の神通力が流れ続けるから結界は壊せない
 結界を壊すには……違う結界を張ってぶつける……」

あ?
彦麿さん……貴方本当に私にこの結界を壊せると思ってたの?
すでに私の手の届かない場所に行っている気がしてならないのだけど?
私の脳裏には胡散臭い笑いを浮かべる彦麿さんの顔しか浮かばない。
もし私を見ていたら何かコメントしてみてほしいな。

ふと言葉さんの視線を感じ、意識を戻す。まだ話したい事があったらしい。
「出来れば……西洋魔法……」
「せ、西洋魔法? 私全然詳しくないよ?」

あ、言葉さんの眼が一瞬変わったような気がした……
「黒魔術なら……得意……」


【C‐3/二日目・夜】
【柊つかさ@らき☆すた】
[状態]:全身に打撲、手のひらを怪我、罪を認める、熱がある、筋肉痛
[装備]:ロールバスター@ロックマンシリーズ(損傷有)くうき砲@ドラえもん
[道具]:ことのは(妖精の剣)@ヤンデレブラック
[思考・状況]
第一行動方針:結界を解除する準備をする
第二行動方針:もう一人の遊戯に会ったら謝罪する。
第三行動方針:死んでしまった皆の分も頑張って生きる。
第四行動方針:春香の最期が気になる。
第五行動方針:魅音を殺したことをレナに伝える。
第六行動方針:ハルヒ達のことが気になる。

※ヤンマーニBGM+SIGP210によるヤンマーニモードは、肉体、精神に膨大な疲労を残します。
※ヤンマーニBGM+SIGP210による覚醒中のみ、鬼狩柳桜が抜けました。
 他の人にも抜けますが、本来の抜く方法ではないためか、BGM終了後、人知れず鞘に戻っています。



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