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第三次ニコロワ大戦Ⅳ ――Miserable fate ◆cpYAzLvx8.




ふいに私の光景が暗転した。
そこには遊戯もつかさも、それ以外のデジモンやクソみたいなニコレンジャー達も誰も居ない。
ただ動かすことの出来ない視界が、まだ何も出来ない頭部でしかないとHALを再認識させる。
遊戯の言った、罰ゲームとは一体何だろう。
何を持って、私が神でないと証明する気なのだろうか。

そこへふいに、見知った顔が現れた。
有希が、みくるちゃんが、古泉君が、……愛しのキョンが現れた。
二度と会うことは無いかと思った、SOS団のみんながそこにいた。

「キョン、それにみんな!」
「おや、あそこから声が聞こえますね」

古泉君が私に顔を近づけ、そして遠ざけた。

「おやおや、よく見たらただのゴミですね」

え?
古泉君が何を言っているのか、私には分からなかった。
そして、目の前に現れた有希が、何をしていたかも分からなかった。
私の顔に鋭い痛みが走らなかったら、有希が私のことを踏みつけようとしたことには一生気がつけなかったに違いない。

「汚い雌豚め」
「ぎぃやああああ!!!!」

私は有希の蹴りから逃れようと必死に顔を動かす。
死に物狂いで動こうとしても、何も出来ずに有希に蹴られるままだった。

「許して、許してぇぇえええ!」
「その汚い顔を愛しの彼に晒すんじゃ無い、不快なんだよッ!」
「有希、私が誰だか分かってるの……?」
「うるさいんだよ、この腐ったツンデレ顔面お化けがッ!」

有希に思い切り蹴飛ばされ、古泉君が更にもう一度私の顔面を勢いのままに蹴り飛ばす。
まるでサッカーボールのように蹴りまわされ、それでも私は必死にそこから逃れようとした。
キョンに会いたかった、キョンなら私のことを許してくれる、キョンなら、キョンならきっと…………

「わっ、キョン君変なものがこっちへ来ましたぁぁぁ」

みくるちゃんがキョンの肩に抱きつき、私の顔を見てガタガタと震えている。
普段ならそれは萌え行動の鏡として褒め称えているのだが、今の私にとってはそのみくるちゃんの行動が酷く不快だ。
キョンにすがり、汚い目で私のことを見るみくるの表情に、私には悪魔が見えた。

「キョン、私よ、あんたならわかるでしょ!」
「……ああ、分かるさハルヒ」
「さすがキョン、さぁわt…」

私の助けは、突如迫った足が口を踏み砕いて終わった。
それが有希や古泉君で無く、キョンと気が付いたのは、キョン自身の声が聞こえたからだ。

「その口で、それ以上俺のことを呼ぶな。……ハルヒ、いやHAL」
「なんで、なんでキョンッ!」

信じられなかった、何故キョンが、なんでなんでなんでなんで???

「お前のやったことは全て聞いた、殺人に拷問に人食、さらに虐殺ショーだって?
 人類の業を一手に背負った悪行三昧を繰り広げたそうじゃないか。それも人食の中には古泉が含まれてるらしいじゃないか」
「そ、それがどうしたって言うのよ、私は神なのよッ!」

私は神だから許される行いだ。神が何をしようが神の勝手だ。
それをキョンは分かってない、だから口を続けるのだが。

「何が神だ、仲間を食ってまで浅ましく生き延び、あげくHALHAL動画だ?
 ふざけるのも大概にしろ。そんな糞ッタレな神様、こっちから願い下げだ」
「何よ、何で、何で分かんないのよッッッ!!!!!」

私がどれだけ叫んでも、それはキョンにどうしても届かない。
どうして?、なんで?なんで?

「……もうお前に話すことは無い、お前は神でもなんでもない。
 お前はハルヒですらない。俺達SOS団にお前みたいな糞ッタレは、必要ない」
「え?、ちょ、ちょっと待って、待って! お願いだから待ってぇぇぇええええ!!!」

私と話すのを止めたキョンが、皆を促して私の元から遠ざかろうとする。
それを引き止めるべくどれだけ叫んでも、キョンには届かない。振り返ろうとすらしない。

「キョン、お願い、お願い、私を私を……」

たすけて。

「死ね」


あ、
あ゛っ。
あっあっ。
あっあっあっ。
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア
アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア
アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア
アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア
アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア
アアアアアアアアアアアアアアAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA
AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa
aaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaiya





「嫌ぁぁぁああああああああああああああああああ!!!!!!!」


◆  ◆  ◆



「分かったか、それがお前の罪だ、邪悪野郎ッ!」
「ああ、キョン……なんで、なんで私を助けてくれないの……ああ…………」

罰ゲームから覚めたHALは、突如発狂して助けを求める何かに成り下がった。
目の焦点は合わず、ただキョンという人間に助けを求める哀れな何かでしかない。
HALに残されたものは、もう何もない。

「……なんで助けてもらえなかったのか、私には分かる」
「なんで、なんで、ねぇ教えて、なんで!」
「あなたはキョンって人に許して貰った? ごめんなさいって謝った?
 誰にも謝らないで助けて貰おうなんて、虫がよすぎるとは思わない」
「ああああああ、キョン、許して、許して私が悪かったから助けて、助けてぇぇぇええええええ!!!」
「今更謝っても遅いよ、遅すぎたんだよ。あなたがしたことはもう誰にも許してもらえない。
 もう、誰にもあなたは許される存在じゃなくなったの。
 だからね。



 ――――さよなら」





「嫌ぁぁぁぁあああああああッ!!!!!!!」



つかさの手中から零れ落ちたHALは、HALの肉片に落下し、埋もれて消えた。
ドロドロに溶けたそれに飲み込まれたHALは、そこに何も残さなかった。
そこにあるのは、ただの有機物の残骸だけだった。
神の存在も、復活も、決してありえない。
もうそこに神も、邪神でさえも想起するものは、誰も居ない。



「いやったぁぁぁああああああ! 俺達は死ななくていいんだ!」
「ぎぃやっはっはぁ! 厨二は死んだ(笑)、もういないwwwww」
「汚い肉片だなぁ(笑)」
「臭くて仕方が無いから、おまいら掃除しようぜ!」
「萌える……いや燃えないゴミに分別しとけよ!」

緊張の途切れたゆとり達が、有機物の残骸と化したHALを散々蹴飛ばし、どこからか持ってきたゴミ袋にそれを収納し、ゴミを捨てに行ってしまった。
そのおかしな光景を見てつかさも、遊戯も、日吉も、KASも、カービィもその場に腰を下ろして緊張の糸をほぐす。

「終わった……?」
「まだ、最後にやることが残ってるよ」

レナはHALのディパックと、傍らに放置されていたレイジングハートを回収し、最後のドラグーンパーツをカービィの元へ手渡す。
休む暇も無いカービィは、すぐさまドラグーンパーツを元に伝説のエアライド、ドラグーンの構築を行い始めた。

「それに、霊夢ちゃんが……」
「そうだ、おいレムー! レムー!!! しっかりしろ!!!」

しかし霊夢の返事は無かった。
無理をして号令に参加したまでは良かった。しかしそんなくだらないことですら致命傷へと早変わりする。
それほどに霊夢の傷は深く、果てしなかった。そのためもう、起き上がることはおろか呼吸を維持するのかさえ怪しかった。

「そんな! レムー死ぬな、死ぬんじゃねぇぇえええええ!!!」
「KASさん、このままでは本当に死んじゃいます、一刻も早く医務室へ」
「頼む、レムーを救ってくれ、頼むッ!」
「ああ分かってる、分かってるとも!」

KASはゆとりと霊夢に付き添い、医務室向かって走り出す。
HALは滅び、ニコニコ動画バトルロワイヤルは終了した。
だが、すべてが終わったわけでは、無い。

「遊戯君はつかさちゃんを支えて医務室へ連れて行ってあげて、日吉君とカービィはn……

 きゃあ!?」



レナの指示が、突如滞る。
ふいに皆の体が軽くなり、ボロボロに砕けた床を離れた。
そして、嫌な予感と共に思い切り床へとその身を打ちつけた。
それで済むはずも無く、崩れた瓦礫が回りに降りかかり、大パニックを起こす。

既にクッパ城は限界に達していた。飛行石を奪われ自由落下を始めていた所へ、HALのすさまじい砲撃がクッパ城中を蹂躙しつくし、更に崩壊は加速する。
そうして落下し続けていった結果、戦いが終わる頃には既に地面すれすれの所まで落下していたのだ。
それがついに力を失い、地面へと思い切り激突した。
何故力を失ったのか、何故あれだけの破壊の中で自由落下を辛うじて保ち続けられたのか?

それは突如目の前に現れた、ノヴァが全てを物語っていた。

「ニコニコ動画バトルロワイヤル、完全不遂行状態を確認。
 コレヨリニコニコ動画バトルロワイヤルヲ、破壊シマス」
「ノヴァ!」

カービィが反応する。
レナはノヴァの台詞を反芻していた。
ノヴァは破壊を宣言した、バトルロワイヤルが遂行できないから、破壊する。
それはすなわち……。

「みんな、今すぐハルバードに避難してッ! ノヴァは私達を皆殺しにする気よッ!」
「な、なんだってー!?」
「ぼくが、みんなのかわりにノヴァを止めるッ!」

カービィはドラグーンに跨り、飛翔した。
ノヴァの拳がレナを、重傷で搬送中だった霊夢の元へ襲い掛かる。
だが、ドラグーンの一撃がノヴァの拳の軌道を逸らし、間一髪救出を成功させる。

「悔しいけど傷ついた私達じゃどうしようもない、ここはカービィに任せてみんなはハルハードへ!」

レナもまたカービィに背を向け、崩れ落ちた城の間に停泊していたハルバードへと駆け出す。
カービィはノヴァの攻撃をドラグーンで巧みに逸らし、誰もが逃げられる時間を稼いでいた。
レナ自身も胴に深い傷を負っていて、傷ついたニコレンジャーの例に違わない。
だから失血でふらつき、思うように早く進むことが出来ない。
だからその分だけカービィの負担になることであって、何も出来ないレナにとってそれが悔しかった。

ふらふらになりながらもハルバードに到着したニコレンジャーたちは、ゆとりに先導されてコックピットへと向かう。

「マスターキーを早く見つけてください、USBメモリの形をしているんですッ!」
「マスターキーってこれか!?」
「そうです、これでハルバードが動きます、私達は助かるんです!」

KASはディパックから取り出したUSBをゆとりに指示された場所へと差し込む。
それでハルバードの全機能が復帰し、いつでも飛行可能な状態へと移行した。

「さぁ、このボタンを押して早く脱出しましょう!!!」
「駄目ッ!」

ボタンを押そうとしたゆとりの行動を、レナが阻害する。

「何でです! ノヴァもそうですけどこの世界そのものも崩壊寸前です、いつ巻き込まれても仕方が無いぐらいやばいんですよ!!!」
「カービィが戦ってるから、私達の仲間があそこで戦ってるから、私は待つッ!」
「…………好きにしてくださいよ、でも私達は絶対に死にたくないから、やばくなったら押しますからね!」

ゆとりもレナの気勢に押されたのか、レナの主張を呑んで待つ。
全ては終わりつつあった。画竜点睛たるノヴァが、最後の最後に残った。
誰もが傷つき、疲れきっていた。
それでも、大切な仲間と最高のハッピーエンドを笑いあいたいから、待ち続ける。
だから、きっとまた会えると、レナはそう思った。



◆  ◆  ◆



ぼくの体は、もう今にもばらばらになりそうだった。
ドラグーンを操縦するのも片手では難しいし、目の調子も全然良くない。
ノヴァの攻撃を、どれだけ避けたかも分からない。
でも、まわりに誰も居なくなって、ぼくを待ってる声がふいに聞こえた。
ちらとハルバードの方向を見て、ぼくはノヴァの正面へと向き直った。
そして、勢いよくノヴァの中へ入った。
ノヴァの中の防衛システムが襲ってくるが、そんなものに構ってはいられなかった。
もう、その身が朽ち果ててしまわないかが心配で、操縦なんて出来やしなかった。

ぼくの視界がますます狭まる。ノヴァの心臓は見えない。

ぼくの足の感覚が無くなる、やっとノヴァの心臓が見えた。

ぼくの最後の腕がふきとぶ、ノヴァのハートへとまっすぐに飛ぶドラグーンが見えた。


ぼくに最後見えたのは、まぶしいまぶしい光だけ。
そこになにかひらひらとしたものが見えたような気がしたが、あれはいったいなんだったんだろう?



◆  ◆  ◆


「レナさん! もうだめです、ノヴァのエネルギーがやばいペースで増大しています。
 自爆です、自爆ですよおおおおお!!!!」
「う、うわぁぁあああああああ!」

レナは、執行した。
みんなを救うためにはそれしかないと分かっていても。
カービィを見捨てて、ハルバードは飛び立った。
コックピットの光景が暗転し、強い衝撃がハルバードを襲う。

「うっ……うっ…………」

レナは泣いていた。自分の無力さを呪い、泣いた。
最高のハッピーエンド目指して最後まで打開を諦めなかった。
でも、

――私は、カービィを救えなかった。


「ちょ、レナさん、医療室もピンチです!
 霊夢さんが、マジで死にそうなんです、やばいんですよおおおおお!!!」

悲しみの余韻を付く暇も無くゆとり達がコックピットルームに殺到する。
聞けば霊夢がやばいらしく、とにかく来てくれの一点張り。

「分かった、すぐ行くよ!」

涙を拭いて、レナは医療室へとすぐさま駆けつける。
だが、そこから聞こえる怒声は、仲間の命が新たに失わせようとする何かがいるとしか思えなかった。
それは、HALの残した呪いなのか。



「おいレムー、レムー、しっかりしろおおお!!!」
「慢性的に血液が足りてません! 誰か輸血できる方はいらっしゃいませんかあああ!」
「俺の血を使え!俺の血でレムーを助けてくれ!」
「KASさん、あんたも貧血で死にそうなのに血を抜けるわけが無いでしょうがぁ!」
「頼むよ、頼むからレムーを救ってくれぇええええ!!!!!」
「呼吸に続いて再び心臓も停止しました、もうやばい、やばいです!」
「早く電気ショックをかけろ! なんとしても死なすんじゃないッ!」

壮絶な戦場医療の現場がそこにはあった。
霊夢だけではない、KASもふんじばられて医療班の手当てを受けざるを得ない。
手足を失い、KIだけで保ってきた日吉も命に関わる重傷で今は無理やり眠らされている。
手足の骨をズタズタにされ、爪を失った激痛が響くつかさも危険だ。
比較的傷の浅い遊戯も頭骨から失われた血量はかなりのものにのぼり、立っているのが精一杯だ。
医療室へとやってきたレナも、すぐさまその傷を見て入院決定といわんばかりに医療班の間を盥回しだ。

圧倒的に人手が足りないため、満足な治療を施すことが出来ない。
それでも今は、みなの善意で霊夢に医療班のスタッフほぼすべてが回されている。
みんなは霊夢の生を願った、しかしそこへ訪れるのは何もかもが絶望ばかり。

「電気ショック完了しました、反応ありません」
「馬鹿野郎! 一回で駄目なら二度でも三度でもやれぇ!」
「やってます、でも駄目です」
「駄目なんていうんじゃねぇええええ!!!」
「不味い不味い、もう本当に不味いですよぉ!?」
「日吉さんの容態が急変しています、主治医はこっちも見てやってください」
「今それどころじゃねえんだよおおお!」
「レムー、レムー! 死ぬなぁああああ! 俺を置いて死ぬなぁぁああああ!!!」






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