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体は大人、頭脳はチンパン ◆0RbUzIT0To




部屋の中にいたのは、まだ幼い女の子と無惨に斬り殺された私と同年代らしき女性。
テーブルの上には何故かダンボールや筒のようなものが散乱しているし、
ビー玉も地面に転がっている。

「一体、何が――?」

私の事を泣きそうな顔で見ていた幼女に聞いてみる。
すると突然、それを合図にしたように幼女は大声で泣き始めた。

「ちょ、ちょっと待って、ね?」

必死にあやそうとするけど、効果はまるで無いみたいだ。
こんな時相棒なら……いや、スバルでも無理かな。
ヴィヴィオに対しても全然応対が出来てなかったし。
因みに私が保護したチンパンジーは後ろの方で「ぅうわぁ~、人が死によるぅ~」とか喚きながら震えてる。
……そりゃ、一般人ならその反応が妥当なのかもしれないけれど。
なんだか、無性に腹が立って仕方が無い。

とりあえず、泣いている女の子には悪いけれど部屋の中の様子を見せてもらおう。
その間に泣き止んでくれたら幸いだ。
……まずは、死んでいる女性を調べさせてもらう。
一応脈を取ってみるけど、当然そこには命の鼓動はない。
だけど体温がまだ残ってる事から考えて、命を失って然程時間は経ってないらしい。
凶器と思われる血のついた鋏を見てみる。
かなり巨大な鋏で、私でも扱いに苦労する代物だ。
こんなものを軽々扱えるのは強靭な肉体をした男性でないと無理だろう。
……幼い子でも、持ち上げるくらいは出来るかもしれないが。
テーブルの上にあるのはビー玉、筒、ダンボール。
これも支給品だろうか?どこからどう見てもハズレにしか見えない。

「ねぇ、何があったの?」

再び後ろを振り向いて聞いてみるけど、女の子はまだ泣いている。
まだ話を聞けるような状況じゃないみたいだ。
ついでに視界に入った中には、まだ震えているチンパンジーの姿がある。
……駄目だこりゃ。
内心、ため息をつくもののそうもいってられない。
ひとまず、まだ泣いている女の子の前に膝立ちになって(私に出来るだけの)優しい表情と声色で質問してみる。

「あなた、この人の知り合い?」

女の子は泣きながらもううん、と首を振る。

「そう、ここで初めてあったのね?
 それじゃあ、あなたが会った時、この人はもう?」

また、首を横に振る。
すると、この子がここに来た時には既にこの女性は死んでいたという事か。
まだ聞きたい事はあるけど、女の子はこの状況に混乱しているみたいだ。
これ以上の質問は無理だろう。

「……わかったわ、ごめんなさい色々と質問をしてしまって。
 怖かったかもしれないけど、もう大丈夫よ。
 私があなたと一緒にいてあげる。私があなたを守ってあげるから」

そう言って、私は女の子に手を差し伸べた。
女の子はそれでも泣いていたが、やがて泣くのを止めると私の手に向かって手を伸ばし――。

「嫌ぞ俺は」

声のした方向を見ると、そこには震えるのはやめたものの、
萎縮したように身を縮こまらせて体育座りをするチンパンジーがいた。

「俺は嫌ぞ、そんな奴と一緒におるん」
「あんた、何言ってんの?」

果たして、彼は何を言っているのだろうか。
嫌?この子と一緒にいるのが?どうして?

「どうしてよ、こんな子を放っておける訳ないでしょ?」
「嫌ゆうたら嫌ぞ、怖い」

怖い?

「あんた……いい加減にしないと!」

私がチンパンジーに向かって拳を振り上げ、今正に殴りかかろうとした瞬間。

「っ!」
「あっ、待ちなさい!」

女の子は巨大な鋏を手に取り引きずりながら、私の横をすり抜けて走り去ってゆく。
振り上げた拳を一旦下げて、走っていった女の子を追おうとするも。

「待て待て、待てって!」

チンパンジーが足を掴んできて離さない。
思わず私はバランスを崩してすっ転んでしまう。
こいつ……どうしてここまで私を邪魔しようとするのか!?

「お前、なんであいつ追おうとするんぞ」
「当たり前でしょ、まだこの塔の中にあの人を殺した殺人犯がいるかもしれないんだから守らないと。
 それよりさっさとこの手離しなさいよ!」

掴まれた足を振り回すものの、チンパンジーは決して放さない。
どこにこんな力があるんだか……!

「ッセイ!」
「ぬおっ!」

苛々していた私は捕まれていなかった足の方でチンパンジーを思い切り蹴る。
怯んだチンパンジーは私を掴んでいた手を思わず離す、よし。
もう一度走り出そうと立ち上がるけれど、今度は別の理由で走り出せない事に気づいた。
……スカートが、いつの間にか脱がされている。

「俺は相当、小指でやる」

わきわき、と左手を動かしながら右手でスカートを握ってるチンパンジー。
一体、いつの間に脱がしたのか。
転んだ時か、こいつを蹴った時か、それとも他に隙があったのか。
理由はわからないが、この格好では走り出せない。
……なるほど、引き止めるにはいい方法かもしれないわ。
でも……。

「…………」
「……ごめん、俺が悪かった!」

「ッセイ!!!」

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

「……もう追えないわね」

気の済むまでにボコボコにしたチンパンジーからスカートを取り返し、
あの女性が死んでいた所とは別の部屋に移動して、中に入ってこない扉越しにいるチンパンジーに向けて声をかける。
勿論、私が入れないのだけれど。
着替えなんてどんな緊急事態でも見られたくない。

「おう、もう下についとるかもの」

チンパンジーは元気なくそう答える。
……やりすぎたかもしれないが、自業自得だ。
女性のスカートを脱がすだなんて何を考えているのか。
そこまでして、私をあの子の所にいかせたくなかったのは何故なのか。

「あんた、何であの子を毛嫌いするのよ。
 普通に考えればあの時、保護してあげるのが当然じゃないの?」
「……バカが」
「ハァ!?」

スカートを履き終えた私は扉を開けてそこにいるチンパンジーを見る。
チンパンジーは私に向けて冷ややかな目を送ってる。
……まるで私が悪い事をしているみたいな目だ。

「普通に考えりゃあいつがあの女殺したに決まってんだろ。
 人殺しと一緒にいたいなんて誰が思うかよ」
「あんな小さな子に人殺しが出来る訳ないでしょ!?」
「本当にそうか?」

「俺、ちらっと見ただけだが凶器はあのでっけぇ鋏だろ?あの幼女が持ってった」

恐らく、そうだろう。
血がべっとりとついてあったし遺体の状況から考えてそう判断するのが妥当だ。

「あれ、確かに重そうだけど子供でも頑張れば持てる。
 勿論人も刺せるだろうが」
「……そりゃそうだけど」
「大体、あの鋏持ってったとかどう考えても怪しいだろうが」

確かに、チンパンジーが考えるみたいに子供でも持てるだろう。
上から体重をかけるように刺せば、子供でも簡単に人が殺せるかもしれない。
……そういえば、あの部屋にはビー玉が転がっていた。
あれを拾おうとして体を屈めれば、子供でも上から鋏で刺せただろう。
それに、チンパンジーの言うように子供が挟を持っていったのも不可解だ。
何故、あんな巨大な凶器を持ち去ったのか。

「……でも、どうして殺したりするのよ。
 意味が、無い……」
「バカかお前、今俺達がいるのは殺し合いの場だろうが。
 だったら、そこに理由なんてねーだろ」
「あんな小さな子供が殺し合いに乗ってる訳が無いでしょ!?」
「子供子供ってうっさいのお!」

「あんなぁ、子供子供って言うけど、子供は純粋じゃないぞ。
 俺だって猪子祭りの時とか大人騙して小遣い稼ごうとしとったし……パクりも……ああうん、いや、違うぞ、嘘ぞ」
「……そりゃ、あんたの性根が腐ってるだけでしょ」

あんな子供が人殺しを出来る訳が出来ない。
普通なら、むしろ人の助けを求めるはずだ。

「大体、あいつの顔とか見たか?血が服や頬にもついてただろ」
「それは……」

あの遺体に触れた時についたんじゃないか、と言おうとして気づいた。
あそこまで泣いていた少女が、遺体に触れようとするだろうか?
転んでしまって血が付着した? ……それも不自然な気がする。
確かに言われれば返り血にしか見えない、けど。
私には、あんな小さな子が人殺しをするだなんてどうしても思えない。
だって、あんな小さな子が……。

「ま、俺はどうでもいいけどな、当面の危険はなくなったわけだし」
「……どうでもいいって」
「もうしんどいって、俺もう無理、動けん」
「…………」

まあ、今更あの子を追いかけても追いつけないし。
あの部屋にあった支給品と思われるものを調べないといけない。

「わかったわ、それじゃあ私が戻ってくるまで少し休憩。
 それが終わったら、この塔を降りるからね」

それにしてもこのチンパンジー、変な所で頭が回るというか。
私が心で思ってても、どこかで否定していた事までズバズバと言ってきた。
もしかして、相当芯が図太いだけでバカではないのか……?
……いや、それはないか。


【E-4 塔内部・小部屋/一日目・早朝】
【ティアナ=ランスター@魔法少女リリカルなのはStrikers】
[状態]:健康
[装備]:鉈@ひぐらしのなく頃に
[道具]:支給品一式
[思考・状況]
1:部屋の中の支給品(キョンの妹)、及び塔内部の危険を調査
2:塔の周囲に危険がないか確認する
3:殺し合いに乗っていない人達を集める
4:その後、どうにか殺しあわずに済む方法は無いかを考える
5:人殺しはしたくない
※キョンの妹の危険性には気づいているが、それでも信じたくない

【永井浩二@永井先生】
[状態]:基本的に健康だがニコチン不足
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、強制脱出装置@遊戯王(次の0時まで使用不可)、他未確認支給品
[思考・状況]
1:今下に下りても大丈夫なのか不安
2:煙草欲しい
3:死にたくはない
※キョンの妹を警戒

※支給品一式*2、空気砲@ドラえもん、ダンボール@メタルギアシリーズ(畳まれている)、ビー玉(30個ほど)@ピタゴラスイッチは、
小部屋内のテーブルの上に置かれたままです。

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

「はぁっ、はぁっ……」

カンカンカン、と階段を下りて動悸を抑えるようにゆっくり息をする。
作戦は失敗だ、やっぱり状況が悪かったとしか言いようがない。
あの女は騙せるかと思えたが、まさかあんな駄目人間みたいな男に見透かされるとは思わなかった。

「やっぱり、この血がいけないのかな」

服と頬に飛び散った血は、それだけで目立つ。
これではどう言い訳しても無駄。
私は殺人者ですと言って回ってるようなものだ。

「とにかく、あいつらから逃げなきゃ……それと、服とかを探そう」

そして、私の事を守ってくれるようなお人好しの人を探す。
私はまだ激しく鳴ってる動悸を胸を押さえて止めようとしながら、
塔の入り口の扉をゆっくりと開いた。

【E-4 塔入り口/一日目・早朝】
【キョンの妹@涼宮ハルヒの憂鬱&愛しの兄が振り向かない】
[状態]:かなりの疲労、および若干の混乱
[装備]:庭師の鋏@ローゼンメイデン(血で汚れている)
[道具]:なし
[思考・状況]
1:外に出て変えの服を探す、頬の血も洗い流したい
2:誰かに取り入り、漁夫の利を狙う
3:最終的には優勝し、キョンと結ばれる
※彼女の服、及び頬には、返り血がついています



sm53:ロシアガールでJOJOまで 時系列順 sm55:愛しの彼が見つからない
sm53:ロシアガールでJOJOまで 投下順 sm55:愛しの彼が見つからない
sm51:ピタゴラ…… ティアナ=ランスター sm87:メタル・ギア・ティアナ
sm51:ピタゴラ…… 永井浩二 sm87:メタル・ギア・ティアナ
sm51:ピタゴラ…… キョンの妹 sm69:行く先は



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