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ニアミス・ハピネス ◆wC9C3Zbq2k




 人が、落ちていた。
薄暗い中でも事切れているとはっきりとわかる変わり果てた姿で。

(・・・・・・どうしたものか。ここまできて穢れを拾ってしまった)

 YOKODUNAが山頂を目指したのは日の出とともに神事を行うため。
兵と腕試しをするのはそれからでもよいと思い道なき道を猛進してきたのだ。
そのせいか誰とも遭遇せずにここまできたのに、山頂まであと一息のところでこれだ。
「死」を直視してしまった以上神事は諦めるべきなのだろう。
 NIPPON-JINではないから自信はないが、先達ならそうしたろうから。

 SUMOUの起源は豊穣を祈り神社で行われた奉納儀式の一種であり、
“神様と勝負していると仮定し、一人で動いて上手に負けること”を最上とした。
 そこに彼らが世界最強となる理由があった。
あらゆる勝負事において、上手に負けることは普通に相手に勝てる実力がないと難しいのだ。
神の力を超えようと何世紀もの間研鑽を積んだ集団こそが、彼らの本質なのである。
よって神に対する畏敬は連綿と受け継がれている。失礼があってはならない。

(とまあ、その前に。こいつも墜落死とはいえ戦死者だ。埋葬してやるか)
 戦って死んだのであれば自分が手にかけた者でなくとも弔うべきだろう。
ただ、どこに埋めるか。人一人分の深さだけ穴を掘るのは案外難しい。
SHIKO-FUMIでは浅く巨大なクレーターを作ってしまいかねない。
困った末に、かばんの支給品とやらに何か入っていないか確かめることにした。
時間はかかるがスコップでもあればましな穴が掘れるだろう。

 ところが、支給品によって青年の墓穴はすぐに掘ることができた。
狭い範囲の岩盤を瞬時に振動破砕で貫く『ドリラー印のドリルアーム』が入っていたのだ。
きっと武器なのだろうが、RIKISHIの誇るべき武器はその腕と巨体が全て。
こういった機会がなければずっとかばんの中に入っていたままだったろう。

 完全に彼を埋めたのち、これも支給品として入っていた木刀を墓標代わりに突き立てる。
「同じことをしに行く奴に言われたくないかもしれんが、安らかに眠ってくれ」
そうして彼は歩き出した。まずは汚れた体を拭くため、水場を捜して・・・・・・

【B-2 黎明 山頂そば】
【YOKODUNA@世界最強の国技】
[状態]:健康。遺体を扱ったせいで上半身に血が付着
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、ドリルアーム@THE IDOLM@STER 他不明支給品1
[思考・状況]
1:強者とTORIKUMIを行い、勝利する(相手の生死は問わない)
2:弱者には手を出さないが、向かってくる相手には容赦しない

【白石みのる@らき☆すた 埋葬】


 山頂の春香はいつまでも眠れなかった。
 毛布もない環境で私服のまま野宿などできないという事もあったけれど。
―――亜美の最期の姿が、どうしてもお芝居には思えなくなってきて。

 きっと今ごろは白石さんもロケバスの座席あたりでぐっすり眠っているに違いない。
それとも不意打ちで脱落させられた悔しさからずっとモニターを注視しているだろうか。
「プロデューサーさん……私どうすればいいんでしょう?」
 怖かった。もしも本当にあの人が崖から落ちて死んでしまっていたらどうしよう。
不安を打ち消すために、少しでも楽観視できるような材料が欲しかった。
(夜が明けたら、確かめに行かなくちゃ。絶対)

 直後、春香のいる山頂のすぐ下から轟音が響く。
それを「墓を掘るためのドリルが大地を砕く音」だと気付けというのは酷な話だろう。
彼女はそれを殺し屋役の参加者による示威行為だと解釈した。妥当な推理である。
(どどど、どうしよぉ~? 脱落なんてまだ絶対したくないのに!)

 呼吸すら殺して数分待ち、危険はなさそうだと判断してからそっと崖下を覗き込む。
静かだ。だが、あの轟音を出した誰かは必ずこの山頂近くにいる。
番組的には面白くないかもしれないが、ここで春香ができる事は逃げ切ることだけだ。
大音量はすなわち警告。ペイント弾でも浴びればそこで春香の出番はおしまいになる。
 だってこれは、芸能人多数参加の壮大なドッキリ企画でないとおかしいのだから。

 春香は急いでディパックの中身を確かめもせずに全部1つにまとめる。
もし善意の参加者に会ったとき、荷物が二人分あれば無用な疑いを招く。
目立つためには誰であろうと騙して生き続けないといけないのだから、用心は当然だ。
そしてもうそろそろ逃げないとまずいと駆け出し、彼女は―――派手に躓いた。

 転んでゆく先にあったのは、少し前に白石を突き落とした “崖”
人気が落ちることを何より怖れたアイドルは、本人が落ちることで幕を閉じ……

(あはっ……これって因果応報ってやつなのかな。騙し討ちとかするから)
(何もないところで転ぶ癖、こんなことになるんだったら直せばよかったなぁ……)
(プロデューサーさん、私の事怒ってくれるかな? それとももう関心すら?)
 後悔が走馬灯のように駆けていく。が、すぐに妙なことに気付いた。
まだ地面に着かない。それどころか妙に周囲が明るく、浮遊感まである。
下を見ると、足を伸ばせば届きそうな位置に地面があった。

「よいしょ♪」
 無事崖下に着地。原理はわからないが助かったのだろうか。
こんな仕掛けがあったのなら白石は疑いようもなく無事だろう。現に死体も落ちていない。
となると気になるのは崖から落ちた件で死亡者認定され脱落させられることだが……。
「誰も、いないかな?」
辺りにスタッフは見当たらない。参加者らしき人影もない。
見渡してもあったのは小さな砂山に刺さっていた木刀だけだ。早速貰っておく。

 逃げるなら今のうちだと理性が告げる。春香は下山し南へと向かうことにした。

 そのとき春香がもう少し注意深ければ気付くことができていただろう。
落下がゆっくりだったのはディパックの中の何かが輝いていたのが原因なことに。
砂山の周りだけ土の色が違い、僅かに乾燥した血が地表にも残っていたことに。

 そしてその砂山の下には、自分の殺した 白石みのる が眠っていたことに。

【C-3 早朝 山岳】
【天海春香@THE IDOLM@STER】
[状態]:健康。
[装備]:洞爺湖の木刀@銀魂
[道具]:支給品一式、飛行石のペンダント@天空の城ラピュタ 他不明支給品4
[思考・状況]
1.南(できれば町)に行って目立つ行動を起こす
2.トップアイドルになる為、イメージを一新する
3.その為には人を殺す事も騙す事もする
※春香はこの殺し合いをTVか何かの企画だと思っています。



sm34:Distinction 時系列順 sm39:ぽよまよ ~口先の魔術師~
sm34:Distinction 投下順 sm36:海☆馬☆王
sm25:ニコニコ最強の国技SUMOU YOKODUNA sm56:TAMASHIIのルフラン
sm03:崖っぷち 天海春香 sm56:TAMASHIIのルフラン



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