代替身体の複製及びその遠隔操作の禁止について

藩国民の皆様にお知らせです。

私達キノウツン藩国では、
以前から藩国法により人クローンの作成及び研究を禁止しています。

しかしこの度他藩国内にて
1.身体の代替機能を果たす入れ子(以下、「義体」と呼称します)を作成し、
2.作成された義体に元となった人物の肉体・精神機能を(一時的あるいは永久的に)複製あるいは移動させ、
3.外部(元となった人物本人を含む)から遠隔操作を可能とする
という事例が確認されました。

これはこれまでのキノウツン藩国法と照らし合わせると
肉体自体の複製は行っていない点で法律上はグレーゾーンにあるといえます。

しかしながら、キノウツン藩国法で人クローンを禁止した目的は
「1人の人間としての人格を保護し」
「使い捨てのように扱われる生命が生まれないようにする」ことにあります。
そして今回報告された義体の遠隔操作事例では、
まさに自らの体を使い捨てのパーツのように扱うことが懸念されています。

そこで私達キノウツン藩国政府は、
この度上記の人クローンを禁止する法に追記する形で上記3例に関する法を適用いたします。

まず、

  • 義体の製造
  • 義体への肉体、精神機能の移動

については本政策の告知以後、
藩国政府(藩王・摂政クラス)の直接承認を必要とし、

  • 肉体、精神機能の複製(同一人物の人格が同時に2つ存在する状態にすること)
  • 複製した人格を搭載した義体の操作

については本政策の告知を以て禁止とさせていただきます。

義体の製造及び肉体・精神機能の「移動」について承認制にした理由には、
事故等により身体の自由を失った方に対しての医療的措置としての義体使用についてのみ、
限定的に許可をする必要性があるためです。
全てを十把一絡げに規制しその人の道を閉ざしてしまうことを、
キノウツン藩国は望みません。
ただしこれはあくまでも例外的な措置であり、
特別の事情がない限り原則的には人格の移動行為は禁止されることを
どうかご理解いただきますよう、お願い申しあげます。


また現在のキノウツン藩国民の皆様には
身体の一部またはほぼ全てを機械化している方々もいらっしゃいます。
そうした方々からすると今回の法改正は
機械化も禁止され、処罰対象になるのではと考えられたかと思いますが、
今回の法改正の規制対象の主眼は「人格の移動」にあります。

この世に生を受ける際に授かった肉体を捨てるばかりではなく
次から次へと肉体を使い捨てる行為は、
やがては「どうせ次の体がある」と自らの命を軽視することに繋がります。

この世に生きとし生ける者にとって、
命は何よりも大切な、かけがえのないものです。
私達の命は、私達の親から子、孫へ脈々と受け継がれる宝物です。

昨今、私達キノウツン藩国では多くの「新しい命」が生まれています。
そしてそれら新しい命を守ることができるのは、
他ならぬ私達、キノウツンの大人たちです。
子供たちは、親の背中を見て育ちます。
だからどうか、生まれ持った体を、命を大切にしてください。
子供たちにこの世で一番最初に持って生まれる、最も大事なものの存在を
その身を以て教えてあげてください。

藩国政府一同、
皆様のご理解とご協力を心よりお願い申し上げます。


(草稿:大法官・比野青狸)
(認可:藩王・キノウ=ツン、摂政・アシタスナオ、摂政・浅田)