クローン技術の利用と規制について

現在、聯合国であるリワマヒ国ではクローン技術の可否が問われています。
リワマヒ国と長く交流関係にある私たちキノウツン藩国にとっても、
この問題は無視できないものと言えます。

クローン技術で問題となるのが、
「知性(あるいは自我)を持ったクローンにはどのような権利があるのか」
という、知類の持つ権利がクローンにもあるか否かというものです。

人が新たな命を生み出す行為は、
倫理上、また社会生活を維持していく上でも許されるものではありません。
そのため、キノウツン藩国法ではいわゆる「クローン人間」を誕生させることを
固く禁止しています。
無闇に生み出され、使い捨てのように扱われる命があってはならないからです。

しかし、既にクローンとして誕生した人もいるかもしれません。
そうした人々に対し「お前は生まれてきてはいけなかったんだ」と差別し、
あるいは人が当然持つべき権利を奪ってしまうようなこともまた、
決して行ってはならないことです。

そこでキノウツン藩国では、
既に誕生したクローン人については、藩国民としての全ての権利を認め、
登録の義務はあるものの、一般的な社会生活を送ることを承認しています。
登録については戸籍と一部警察・医療機関のデータベースのみに記載されるものとし、
通常の生活を送る上でクローンであることが障害となる、
あるいは他者にわかってしまうということはありません。

「でもクローンということは、元となった人と同じ顔をしているんだろう?」
と思われる方もいらっしゃるかと思われますが、
人の顔は生育環境によって大きくその容貌を変えます。
全く同じ育て方ということが不可能な以上、
全く同じ顔の人物が2人いることはありません。
また指紋、声紋、網膜認証その他の個人の形質を利用した認証システムの利用については、
クローン登録の際に特殊溶剤(人体に害はありません)によってそれらの情報を変化させることにより、
重複してしまうことを避ける措置がされています。
DNA情報については流石に書き換えることはできませんが、
何かあった時には登録機関が調査を行える体制作りもできています。

しかし最も大切なことは、
「クローン技術をどう規制するか」ではなく、
「クローン技術とどう向き合っていくか」であるといえます。
現に医療機関におけるクローン技術を利用した医療行為は数多くの命を救えますし、
クローンにより畜産類の生産量を増やす研究も、
将来的には食糧問題を解決する大きな手助けとなるでしょう。

クローン技術は確かに便利なものですが、
「これ以上は踏み込んではいけない」という明確な基準がなければ、
人権も社会も、ひいてはNW全てに混乱をきたすことになりかねません。
そこで、キノウツン藩国ではそうした線引きを明確に行っています。



キノウツン藩国法におけるクローン技術規制の扱い


  • クローン技術を研究、あるいは利用することができるのは、国の許可を得た機関のみであり、それ以外の機関、個人が無断でクローン技術を研究することは固く禁じられている。
  • 違法な研究行為については、研究者自身はもちろん、その研究に対する出資者、協力者、また違法と知りながら研究を黙認した者についても罰が与えられる。
  • 許可は登録申請制であり、登録済み機関は国によって徹底して管理が行われ、定期的に監視官がチェックを行っている。
  • クローン技術が(研究段階でも)認められているのは、完全なクローンについてはヒト(もしくは知類)クローン「以外」のクローンに限定されており、完全なヒトクローン(いわゆるクローン人間)を生み出すことはその研究段階すらも禁止されている。
  • また、偶発的な事故により誕生してしまったという言い訳がされないよう、生命体としてのクローン誕生に欠かせない、胚細胞を一部でも使用したクローンは認められていない。人の細胞を利用するクローンについては、医療用の臓器培養としての体細胞クローンのみが認められている。
  • 違法に誕生したクローン人間については、登録管理制度が義務化されているものの、それ以外の権利は藩国民のものと一切の違いはない。
  • クローン人間の登録管理に携わる者は、誰がクローン人間であるか等の情報を裁判所の許可が下りている場合を除き他者に知らせてはならない。
  • クローン人間であることは一般生活上他者に知られることはないが、何らかの事情によりそれが知られてしまった場合、それを理由に差別を行うことを固く禁じる。