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千奈美編 5」(2008/11/15 (土) 08:26:36) の最新版変更点

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 花火大会のステージの後、秋のコンサート練習が続いたりしてなかなか舞美に連絡するのが億劫になっていた。 早く知らせたかったんだけど、ベリキューの撮影もあるからその時にしようとだいぶ怠け、とうとうベリキューも最後の撮影になってしまった。 幸い、最後は舞美たち℃-uteとの合同での撮影だったので助かった。 やっぱり大事な話は電話やメールなんかじゃなく、会って伝えたいものだしね。 なんて言うと、言い訳がましいかな。 とりあえず、千聖たちのことを報告できるいい機会だと思って、撮影に臨むことにしよう。  今日一日で三組の罰ゲーム分を撮り終える予定らしく、河原とお寺に分かれて撮影が開始された。 ちなみに私はみやと一緒の罰ゲームで、スタッフさんの話だと「三組の中で一番怖い」らしい。 その点でいうと、キャプテンと熊井ちゃんの罰ゲームは安全な『嫌いなものを食べる』で羨ましい。 私はその場にはいなかったんだけど、舞美たちの話だと熊井ちゃんがトマトを前にしてボロボロ泣いちゃったのだそうだ。 熊井ちゃんのトマト嫌いもここまでくると、もう好きになることはないだろうな。 誰でも嫌いな食べ物を無理に食べる人はいないし、ましてや不味いものなんてどんな状況でも食べたくないはずだ。 お寺で今撮影中の茉麻たちの食べるものをみていると、ますますキャプテンたちが恵まれてると思う。 まだ嫌いな食べ物であって食べものに変わりないし、我慢すれば何とかなる。 でも、私がみている中で作られたお味噌汁はグミやナタデココが具に入っていて、食べる気がちっともしてこない。 まぁ作った張本人が今、特製お味噌汁を食べさせられているのは笑える。  何がどうなって僕が食べることになったのか、もうわけがわからない。 まさか自分で食べることになるとは思ってもみなかったから、ほとんどの食材を全部鍋に入れてしまった。 こういう勢いに任せてやってしまうところは直したくなってくる。 調子に乗りすぎた僕がいけないとはいえ、さりげなく「千聖食べてみようか」ってネタを振る茉麻ちゃんは鬼だ。 愛理や舞ちゃんが隣なら、こんな展開にはならないのははっきりしている。 「あのぉ~これって何のコーナーですか?」  思わず僕は司会をしているサバンナの高橋さんにこう聞いていた。 台本には僕の名前なんて書かれていなかったから、本来なら撮影するはずないんだ。 だから、もしかしたら話だけで終わるかも、と僕が期待していたのをあっさり砕いてくれた。 「これは岡井ちゃんならできるぞのコーナーです。さぁ、やってもらいましょう」  あぁ~芸人さんが罰ゲームでも面白くしようってノリなのを忘れていた。 高橋さんは芸人なんだから、ここは面白くしようと僕にネタを振るのはわかりきっていた話だ。 なのに、芸能人になって六年も経つ僕はそこに気づけないなんて、とんでもない間抜けだ。 りーちゃんや桃ちゃんは自分が食べている分、僕に食べさせるのを喜んでいる。 隣の席のりーちゃんは「これも入れようよ」と言い出して、グミまでお椀の中に入れてきた。 青いものがプクプク浮いている恐ろしくまずそうなお味噌汁に、食べる前から僕は「まずっ」と心の声を吐きだしてしまった。  皆から一斉に食べる前に言うな、とツッコミが入り、仕切り直しになる。 スプーンに盛られた青いグミと茶色いお味噌汁の地獄のコラボレーション。 僕は恐る恐るスプーンを口に運び、ついに罰ゲームお味噌汁を味わうことになった。 「一気にいきましたね~」と、高橋さんが言ってくれたのも耳に入らない。 もう僕には舌が痺れるお味噌汁のせいで、舌どころか全身がやられてしまった。 僕は泣きながら、もう食べ物で悪戯をするのはやめよう、と誓った。 舞美ちゃん、砂糖ご飯をどんな思いで食べてたのかな、そんなことも同時に考えていた。 舞ちゃんの腕に抱きしめられながら・・・ [[←前のページ>千奈美編 4]]   [[次のページ→>千奈美編 6]]

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