「41」(2008/08/11 (月) 17:13:07) の最新版変更点
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僕らのお仕事はコンサートや舞台ばかりとは限らず、今日みたいに事務所に来てやることもある。
どんなお仕事かというと、コンサートなどで販売する写真にそれぞれコメントをつけていく作業だ。
渡された写真の中から気に入ったものを選んで、『喜怒哀楽』をテーマにコメントをしなさいと言われている。
僕は悩みながらも四枚の写真を選び出し、それぞれにコメントをつけていっていた。
怒にはどんなコメントをつけようかと考えていると、舞美ちゃんが最近やたらといたずらをしてくるのが浮かんだ。
そういえば、何故か僕の悪戯に仕返ししようとやたらと絡んでくることが多くなったな。
今までは復讐するからと言いつつ忘れていたのに、最近になってどうも忘れずにやり返してくるから困った。
元を正せば、僕からいたずらをするのがいけないのだから、やめればいいのだけど、これが難しい。
好きな子に相手にしてほしいからと、構ってほしいとサインを送る行為なのだから、やめたらどうなるかわからない。
舞美ちゃん、僕の事を相手にしてくれるのかな。
相手にしてくれなくなったら寂しいよな、本当に。
でも、怒には舞美ちゃんからいたずらされるってコメントをしておいてやろうっと。
「ちっさー、君は何を書いているのかな? それはもしや生写真のコメントじゃないだろうね」
「ま、舞美ちゃん!! やめてよね。書くのは自由でしょ」
いつの間に僕の後ろにやってきたのか、舞美ちゃんが横から顔をひょっこりと現した。
コメントを書くのに夢中になっていたからなのか、全然気づかずにいた僕は驚き飛び上がった。
「自由とは言っても、これはどうなのかな。お姉さんが君のファンの人に怒られるでしょ。訂正しなさい」
「や、やだよ。せっかく書きあがったのに書き直すのは面倒だし、お断りします」
「あぁ~言ったな~訂正しないとどうなるか体で教えてあげようかな。こちょこちょこちょ」
「ぶはっ、や、やめろよ~卑怯だぞ。く、くすぐるなんて、や、やめろって」
舞美ちゃんは僕が拒否した途端、脇腹を両側からくすぐりをかけてきた。
あの細長い指で上半身をくすぐりをかけられては、逃げるしかないのだけど、それさえも許してもらえない。
前のめりになったりしながら、僕は必死に逃げようとするも、されたい放題になっている。
「あははは、やめろって。な、何をするだぁぁぁぁ~」
「何をするだってそれこそ何よ。もういえてないじゃん。カミカミクィーンならぬカミカミボーイだね」
「く、くすぐられてるからだい。は、早く離せよ。これじゃ次の写真がかけないだろう」
調子に乗ってきた舞美ちゃんは、僕が抵抗してもそれを許さずなかなかやめてくれない。
椅子から転がり落ちそうになっても、笑いながら、実に楽しそうにくすぐってくる。
そんなおふざけをしている僕らを見て、なっきぃが思わず注意をしてきた。
こういうリーダーっぽい役目は、名前ばかりの誰かさんよりもなっきぃがうまくやっている。
とはいっても、上司がいたり、リーダーの中のリーダーやら℃-uteにはいっぱいリーダーがいるんだけど。
「こら、二人とも。静かに。落ち着いて他の人たちが書けないでしょ。もう、みぃたんまで」
「はぁ~い」と、僕らはなっきぃ相手に返事をする。
同時に返事をした事が可笑しかったのはお互いそうみたいで、顔をみあわせて笑ってしまった。
大人に近づいても舞美ちゃんとこうして笑いあっていたいな。
いたずらしても許される関係を続けていたい。
今は愛理が言うどちらを選ばなければならない、そんな状況を忘れていたかった。
僕には舞美ちゃんも舞ちゃんも大事な人だから。
「あの二人、最近やけに悪戯してきたとかしてないとかで一緒にいるよね。何かあったのかな?」
注意をして落ち着いた中、なっきぃが他のメンバーの誰というわけでもなく話し出した。
それを聞き、えりかと愛理、舞は反応らしい反応はみせなかったが、二人の様子を目で追っていた。
えりかと愛理にはそれぞれ思い当たる節があり、事情を知らないなっきぃも気づいたのかと想像していた。
舞は二人とは違い、千聖と舞美がああしてふざけ合う姿に嫉妬をしていた。
「そう言われれば、そうかな。二人とも仲が良いよね。いいことじゃん、グループとして見たらさ」
千聖の味方とも言えないわけでも愛理は、何も返事をしないのも悪いと思いこう返した。
千聖本人からなっきぃも男の子だと知っていると言われたが、まさか恋の相手が舞美だとは知らないはずだ。
知っているからといって別にどうというわけではないが、舞にだけは知られない方が良いと考えていた。
(舞ちゃんはちっさーを好きなわけだし、舞美ちゃんを好きだって知ったら嫉妬するよね・・・)
ちらっと舞の様子をみてみると、ぶすっとした表情で千聖の横顔をみつめている。
ペンを走らせるのをやめ、頬杖をついて千聖の事ばかり眺める姿は、どこか寂しげにみえる。
やはり、舞は内心穏やかではないのだろう。
表情に内面の葛藤が表れ、どんな想いであのふざけあいを眺めていたか何となく想像できた。
舞のそういった心の動きをみてきた愛理にとっては、千聖はもとより舞美の気持ちがどうなのか知りたい。
舞美は千聖を好きなのかどうか、それも一人の異性としてみた場合に好きなのか知りたかった。
愛理は未だに笑顔を崩さない舞美をみつめ、その心の中を見抜いてしまいたかった。
僕らのお仕事はコンサートや舞台ばかりとは限らず、今日みたいに事務所に来てやることもある。
どんなお仕事かというと、コンサートなどで販売する写真にそれぞれコメントをつけていく作業だ。
渡された写真の中から気に入ったものを選んで、『喜怒哀楽』をテーマにコメントをしなさいと言われている。
僕は悩みながらも四枚の写真を選び出し、それぞれにコメントをつけていっていた。
怒にはどんなコメントをつけようかと考えていると、舞美ちゃんが最近やたらといたずらをしてくるのが浮かんだ。
そういえば、何故か僕の悪戯に仕返ししようとやたらと絡んでくることが多くなったな。
今までは復讐するからと言いつつ忘れていたのに、最近になってどうも忘れずにやり返してくるから困った。
元を正せば、僕からいたずらをするのがいけないのだから、やめればいいのだけど、これが難しい。
好きな子に相手にしてほしいからと、構ってほしいとサインを送る行為なのだから、やめたらどうなるかわからない。
舞美ちゃん、僕の事を相手にしてくれるのかな。
相手にしてくれなくなったら寂しいよな、本当に。
でも、怒には舞美ちゃんからいたずらされるってコメントをしておいてやろうっと。
「ちっさー、君は何を書いているのかな? それはもしや生写真のコメントじゃないだろうね」
「ま、舞美ちゃん!! やめてよね。書くのは自由でしょ」
いつの間に僕の後ろにやってきたのか、舞美ちゃんが横から顔をひょっこりと現した。
コメントを書くのに夢中になっていたからなのか、全然気づかずにいた僕は驚き飛び上がった。
「自由とは言っても、これはどうなのかな。お姉さんが君のファンの人に怒られるでしょ。訂正しなさい」
「や、やだよ。せっかく書きあがったのに書き直すのは面倒だし、お断りします」
「あぁ~言ったな~訂正しないとどうなるか体で教えてあげようかな。こちょこちょこちょ」
「ぶはっ、や、やめろよ~卑怯だぞ。く、くすぐるなんて、や、やめろって」
舞美ちゃんは僕が拒否した途端、脇腹を両側からくすぐりをかけてきた。
あの細長い指で上半身をくすぐりをかけられては、逃げるしかないのだけど、それさえも許してもらえない。
前のめりになったりしながら、僕は必死に逃げようとするも、されたい放題になっている。
「あははは、やめろって。な、何をするだぁぁぁぁ~」
「何をするだってそれこそ何よ。もういえてないじゃん。カミカミクィーンならぬカミカミボーイだね」
「く、くすぐられてるからだい。は、早く離せよ。これじゃ次の写真がかけないだろう」
調子に乗ってきた舞美ちゃんは、僕が抵抗してもそれを許さずなかなかやめてくれない。
椅子から転がり落ちそうになっても、笑いながら、実に楽しそうにくすぐってくる。
そんなおふざけをしている僕らを見て、なっきぃが思わず注意をしてきた。
こういうリーダーっぽい役目は、名前ばかりの誰かさんよりもなっきぃがうまくやっている。
とはいっても、上司がいたり、リーダーの中のリーダーやら℃-uteにはいっぱいリーダーがいるんだけど。
「こら、二人とも。静かに。落ち着いて他の人たちが書けないでしょ。もう、みぃたんまで」
「はぁ~い」と、僕らはなっきぃ相手に返事をする。
同時に返事をした事が可笑しかったのはお互いそうみたいで、顔をみあわせて笑ってしまった。
大人に近づいても舞美ちゃんとこうして笑いあっていたいな。
いたずらしても許される関係を続けていたい。
今は愛理が言うどちらを選ばなければならない、そんな状況を忘れていたかった。
僕には舞美ちゃんも舞ちゃんも大事な人だから。
「あの二人、最近やけに悪戯してきたとかしてないとかで一緒にいるよね。何かあったのかな?」
注意をして落ち着いた中、なっきぃが他のメンバーの誰というわけでもなく話し出した。
それを聞き、えりかと愛理、舞は反応らしい反応はみせなかったが、二人の様子を目で追っていた。
えりかと愛理にはそれぞれ思い当たる節があり、事情を知らないなっきぃも気づいたのかと想像していた。
舞は二人とは違い、千聖と舞美がああしてふざけ合う姿に嫉妬をしていた。
「そう言われれば、そうかな。二人とも仲が良いよね。いいことじゃん、グループとして見たらさ」
千聖の味方とも言えないわけでも愛理は、何も返事をしないのも悪いと思いこう返した。
千聖本人からなっきぃも男の子だと知っていると言われたが、まさか恋の相手が舞美だとは知らないはずだ。
知っているからといって別にどうというわけではないが、舞にだけは知られない方が良いと考えていた。
(舞ちゃんはちっさーを好きなわけだし、舞美ちゃんを好きだって知ったら嫉妬するよね・・・)
ちらっと舞の様子をみてみると、ぶすっとした表情で千聖の横顔をみつめている。
ペンを走らせるのをやめ、頬杖をついて千聖の事ばかり眺める姿は、どこか寂しげにみえる。
やはり、舞は内心穏やかではないのだろう。
表情に内面の葛藤が表れ、どんな想いであのふざけあいを眺めていたか何となく想像できた。
舞のそういった心の動きをみてきた愛理にとっては、千聖はもとより舞美の気持ちがどうなのか知りたい。
舞美は千聖を好きなのかどうか、それも一人の異性としてみた場合に好きなのか知りたかった。
愛理は未だに笑顔を崩さない舞美をみつめ、その心の中を見抜いてしまいたかった。
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