「桃ちゃん編 9」(2008/10/06 (月) 23:39:46) の最新版変更点
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千聖のやつが私をからかったりした、それだけの理由で私は弟にキスをしていた。
キスなんて言っても一瞬で、軽く触れ合った程度のことだから可愛いものだと思う。
からかってきた千聖に自分が悪いことを気付かせられたら、との思いからチュウで注意をしてみたのだ。
口で言ってもきかない相手には丁度いい効果があったみたいで、唇を離した途端に驚きの声をあげた。
「ちょ、ちょ、ちょっと~桃ちゃんはいきなり何するんだよぉ~」
「あんたがキスした経験ないなんて馬鹿にするからですぅ~これでキスの経験ありになりましたぁ~」
「さっきまではなかったじゃないか。ズルイぞ。桃ちゃんの馬鹿」
頬を膨らませ、一人騒いでいる千聖はキスをしたことさえなさそうな子供にみえる。
でも、話の流れからして千聖はキスの経験が一度や二度どころか何度でもあるのだろうな。
あれだけ私を馬鹿にしたのだ、なくてはおかしい。
「ズルイも何もないです。隙ありだったあんたが悪いの」
「まさか、桃ちゃんにされるとは思わなかったな」
「まぁいいじゃん。こんな可愛い子にキスされたんだから、むしろ喜ぶべきだよ」
「相手が桃ちゃんだし、素直に喜べるかっていうと複雑だけど」
うわぁ~可愛くない奴。
こちらが冗談半分で言った言葉ですら、本音で切り返してくるなんて、うちのくまいちょー並みに空気読めない子だ。
まずは私が自分を可愛い子と表していたのだから、まずそこを突っ込むべきなのではないだろうか。
他のメンバーであれば、ここを真っ先に突っ込んでいたところだ。
こういうところを℃-uteのメンバーは鍛えるべきだと思うのだけど、そううまくはいかないらしい。
そこらへんの阿吽の呼吸は、さすがは四年以上も毎日のように顔をあわせているだけある。
「あんたね、そこは喜んだって嘘つくくらいじゃないと女の子とつきあえないぞ」
「平気だもん。桃ちゃんと違って、皆はそんなギャグ言わないよ」
「ギャグってね~あんた、私があれをギャグだと思ってたみたいに言わないでよね。本気なんだから」
「ぷっ、あれが本気とか。桃ちゃん、おっもしろぉ~い」
腹を抱えて笑いだす千聖に、思わず大人げなく怒りだす私。
確かに今の私をみたら、きっと彼とのことなんて想像だって出来ないだろう。
今でも私の中では消えることのない八人目のBerryz工房のメンバーとして存在する人。
そう、彼もまた千聖と同じで、女の子だと偽ってハロプロに加入してきた男の子だ。
名前は石村舞波。
とても勉強熱心で、趣味は読書と答えていた真面目でどこか硬いイメージをもっていた。
私よりも一つ年下なのにしっかりした子で、年上の私の勉強を逆に教えてくれていたくらいの秀才だった。
男の子のくせに小指をたててマイクを握るくせのある変わった面もある人でもあった。
立っていることを指摘した私に、「これ、癖なんだ。どうしても直せなくって」と苦笑いをしていたのが今でも印象的である。
芸能界をやめて普通の学生に戻る日も、この時にみせた苦笑いをしていた。
Berryz工房卒業の日も皆が泣いている中、「笑顔で卒業したいから」の言葉通りに涙のひとつも溢さなかった。
彼のいなくなった空洞を埋めるように、いつしか私も小指をたて始めていた。
それが元から私の癖であったかのように・・・
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千聖のやつが私をからかったりした、それだけの理由で私は弟にキスをしていた。
キスなんて言っても一瞬で、軽く触れ合った程度のことだから可愛いものだと思う。
からかってきた千聖に自分が悪いことを気付かせられたら、との思いからチュウで注意をしてみたのだ。
口で言ってもきかない相手には丁度いい効果があったみたいで、唇を離した途端に驚きの声をあげた。
「ちょ、ちょ、ちょっと~桃ちゃんはいきなり何するんだよぉ~」
「あんたがキスした経験ないなんて馬鹿にするからですぅ~これでキスの経験ありになりましたぁ~」
「さっきまではなかったじゃないか。ズルイぞ。桃ちゃんの馬鹿」
頬を膨らませ、一人騒いでいる千聖はキスをしたことさえなさそうな子供にみえる。
でも、話の流れからして千聖はキスの経験が一度や二度どころか何度でもあるのだろうな。
あれだけ私を馬鹿にしたのだ、なくてはおかしい。
「ズルイも何もないです。隙ありだったあんたが悪いの」
「まさか、桃ちゃんにされるとは思わなかったな」
「まぁいいじゃん。こんな可愛い子にキスされたんだから、むしろ喜ぶべきだよ」
「相手が桃ちゃんだし、素直に喜べるかっていうと複雑だけど」
うわぁ~可愛くない奴。
こちらが冗談半分で言った言葉ですら、本音で切り返してくるなんて、うちのくまいちょー並みに空気読めない子だ。
まずは私が自分を可愛い子と表していたのだから、まずそこを突っ込むべきなのではないだろうか。
他のメンバーであれば、ここを真っ先に突っ込んでいたところだ。
こういうところを℃-uteのメンバーは鍛えるべきだと思うのだけど、そううまくはいかないらしい。
そこらへんの阿吽の呼吸は、さすがは四年以上も毎日のように顔をあわせているだけある。
「あんたね、そこは喜んだって嘘つくくらいじゃないと女の子とつきあえないぞ」
「平気だもん。桃ちゃんと違って、皆はそんなギャグ言わないよ」
「ギャグってね~あんた、私があれをギャグだと思ってたみたいに言わないでよね。本気なんだから」
「ぷっ、あれが本気とか。桃ちゃん、おっもしろぉ~い」
腹を抱えて笑いだす千聖に、思わず大人げなく怒りだす私。
確かに今の私をみたら、きっと彼とのことなんて想像だって出来ないだろう。
今でも私の中では消えることのない八人目のBerryz工房のメンバーとして存在する人。
そう、彼もまた千聖と同じで、女の子だと偽ってハロプロに加入してきた男の子だ。
名前は石村舞波。
とても勉強熱心で、趣味は読書と答えていた真面目でどこか硬いイメージをもっていた。
私よりも一つ年下なのにしっかりした子で、年上の私の勉強を逆に教えてくれていたくらいの秀才だった。
男の子のくせに小指をたててマイクを握るくせのある変わった面もある人でもあった。
立っていることを指摘した私に、「これ、癖なんだ。どうしても直せなくって」と苦笑いをしていたのが今でも印象的である。
芸能界をやめて普通の学生に戻る日も、この時にみせた苦笑いをしていた。
Berryz工房卒業の日も皆が泣いている中、「笑顔で卒業したいから」の言葉通りに涙のひとつも溢さなかった。
彼のいなくなった空洞を埋めるように、いつしか私も小指をたて始めていた。
それが元から私の癖であったかのように・・・
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