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 私のお兄ちゃんは動物が好きで、中でも犬が大好きだ。
うちにも犬が二匹いて、二匹を連れて散歩に行くのがお兄ちゃんの楽しみでもある。
今日もほら、お兄ちゃんがパインとリップに縄をつけて散歩に行こうと準備をしている。

「よし、おいで。では、いってきます」
「車には気をつけてね」
「うん、気をつけるよ。パインたちに何かあったら大変だしね。パイン、リップ、いくよ」

 パインとリップよりも嬉しそうに笑って、お兄ちゃんは二匹を連れて家を飛び出した。
あれでは二匹が散歩を楽しみにしているのか、お兄ちゃんが楽しみにしているのかわからない。
本当にパインたちが大好きなんだね、お兄ちゃんは。
私はお兄ちゃんを見送った後、リビングに戻って寝転がろうとソファに飛び込んだ。
いたっ・・・
その瞬間、私の体に硬いものが当たり、思わずソファから離れてみると、ゲーム機がおいてある。

「もう、お兄ちゃんったら。ちゃんと片付けていってよね」

 お兄ちゃんは外で遊ぶのが大好きだけど、決して家の中で遊ばないわけでもない。
ゲームをしてよく遊んでいるし、キッズに入ったばかりの頃は桃太郎電鉄でしょっちゅう遊んでいた。
今はポケモンで遊んでいるみたい。
そういえば、ゲームをしながら「ピカチュウ、10まんボルト」なんて叫んでいたっけ。
夢中になりすぎて、自分がゲームの主人公になりきってるみたい。
その場面を思い出していたら、面白くって私はつい笑ってしまった。

 出かけてから30分経ってもお兄ちゃんが帰ってくる様子がなく、私は少し心配になる。
今日はいつもよりも張り切っている様子だったから、無理してないかな。
もうちょっとして帰ってこなかったら、家の外で待ってみよう。
そこへ

「ただいまぁ~」

と、出かけたときと同じ元気な声が響いた。

「おかえり。随分遅かったね。心配したんだよ」

 二匹はぜぇぜぇ言いながらも、お兄ちゃんに笑顔を向けられると「ワン」と鳴いて返事をする。
疲れていても、まだまだ元気はあるみたいでよかった。
お兄ちゃんのことだから、散歩しているうちに夢中になって遠回りをしてきたのかもしれない。
うん、きっとそうに違いない。

「よしよし、いい子だ。時間になったら、餌をあげるからね」

 犬よりも野性的で困っちゃう。
運動するのが好きとはいえ、℃-uteの活動もしてるのだし、無理はしないでほしいな。
そんな心配もあんなに元気な姿をみせられたら、どこかへ飛んでいってしまう。
リビングにお兄ちゃんは戻ると、家の中でも二匹とじゃれあい始めた。

「こらこら、あんまり舐めるなって。うはははは」

 すごく楽しそう。
本当、元気すぎるくらいに元気だな。

「よぉし、そんなに元気なら特訓の成果を試してみるか」

 廊下からちらっと覗きながら様子をみると、お兄ちゃんが何やらパインに話しかけていた。
特訓の成果を家の中で試すっていうけど、一体何をさせる気なのだろう。
パインから離れて、『待て』と手で合図を送り、自分は二、三歩後に下がっていく。
下がり終えたところで、お兄ちゃんは人差し指を立てて、一言叫んだ。

「パイン、いけ~10まんボルトぉ~」

 ・・・いったい、何を言い出すんだろう。
私の聞き間違いでなければ、お兄ちゃんはさっきピカチュウに呼びかけていたのと同じ言葉をかけていたはずだ。
みれば、パインも訳がわからない顔で、お兄ちゃんをじっとみつめているばかりだ。

「まだまだ特訓が足りないのかな~いつもよりも運動させたはずなんだけどなぁ。うぅ~ん」

 本気でパインが10まんボルトを出せない理由がわからないらしい。
パインを持ち上げ、体を隅々まで観察して、何が原因か調べるつもりなのかな。

「おっかしいな~ピカチュウなら10まんボルトを出すんだ。パインはどこがダメなんだろうな」

 小学生の私でも知っているよ、お兄ちゃん。
犬は哺乳類で、ピカチュウは空想の動物なんだってこと。
床に下ろされ走り回るパインを眺め、まだまだ特訓が必要かなと呟いている。
それを無駄だなんて私には言えない。
だって、あんまりにも面白かったから。
中学生にもなって、夢を信じているお兄ちゃんをこれからもよろしくお願いします。

PS:舞ちゃんにこのことを教えたら、面白そう

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