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 慌てて誰かを探している千聖と桃は、デパートなどでよくみかける迷子にそっくりな気がして面白い。
きょろ~きょろり、とあたりを見回してはいるのに、みつからないのはちょっぴり可哀そうでもある。
出て行ってあげたいけど、黙っていようね、と熊井ちゃんに言われては名乗りでられるはずもない。
結局、私と熊井ちゃんは別の場所に移動して、二人きりで話しをすることになった。

「で、熊井ちゃんはいつ千聖が男の子だって知ったの?」
「う~ん。一か月いた間、千聖が何度かお風呂に入るのを嫌がったことがあったの」

 映画の撮影で熊井ちゃんと梨沙子と千聖は一か月もの間、家を離れて一緒に過ごした時期がある。
その時、三人ともまだ小さかったから常に何でもやっていた、と聞いた。
学校の勉強に遅れないようにと課題をやり、休憩時間には遊んだという。
当然、お風呂も一緒だったとは聞いたけど、そうなると梨沙子にもバレていてもおかしくないわけか。
千聖が男の子だと知っているのは一体どれだけいるのだろう!?

「梨沙子は鈍いから気づいてないっぽいけど、千聖ったらね、お股に挟んでぎこちなく歩くんだよ。ちょこちょこって」

 熊井ちゃんの頭の中には当時の映像が鮮明に蘇っているのかもしれない。
私を置き去りにして、一人大爆笑の渦の中にいる。
熊井ちゃんは笑いのツボが人と違い、誰も笑わないところで自分だけずっと笑っていることがある。
逆に皆が笑っているときに一人だけ笑っていないこともたびたびある。
このネタは熊井ちゃんの笑いのツボをかなり刺激してしまったらしく、涙が溢れて息がぜぃぜぃ言っている。

「本当にあれは面白かったな~それで本人に確認したら、『うん、そうだよ』って認めてさ」

 呼吸が整いだし、ようやく先に話を進めてくれた。
熊井ちゃんの大笑いしてる姿に注目して流しそうになったけど、あなたさりげなく梨沙子に失礼よ。
熊井ちゃん、あなたも結構鈍感でしょう。

「あんまり言うといじめっぽいから、うちが黙ってるねって言って終わったんだ」

 でも、事務所の人に言わないといけないことだったのかなと今でも思う、と胸の内まで明らかにしてくれた。
嘘が嫌いな熊井ちゃんだから、下手をすれば言ってしまって事務所も承知だったかと思ったけど、そこはそうしなかったみたい。
でなければ、今頃千聖はいないわけだし、熊井ちゃんには感謝しないといけないな。
ああいうムードメーカーがいなくなると、どこにいってもきっと寂しくなってしまうから。
千聖は℃-uteになくてはならない存在なのだ。

「千聖、髪伸ばしなよ。あんた、伸ばしたらきっと美人になるよ」
「え~そうかな。似合わない気がするよ。今までだって、ずっとショートなんだもん」
「いいの。いいから伸ばしな。よく似合うから」

 私の趣味、それは漫画を読むこと。
とくに私がこよなく愛するのは少年サンデーに連載中の『名探偵コナン』だ。
メガネに短パン姿で、ちょっと生意気なところはあるけれど、子供らしい面もみせるコナン君が大好きだ。
そう、私は工藤新一ではなく、はたまた服部平次でもなく、怪盗キッドでもなく、江戸川コナンが大好きなのだ。
コナン君をみていると、こちらまでハラハラさせられることが多い。
彼って冒険好きで顧みないことが少ないから、つい保護者的な目線で物語を読んでしまう。
そういう時、自分でも私ってやっぱり母親が向いているのかな、と思うのだ。
女は守ってあげたい対象があると強くなるって言うでしょ。
たとえ、それが千聖と約束を交わしていなくても。
私だけのコナン君は千聖だから、秘密は最後まで守ってあげるとゆいたい。

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