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 キャプテンに信じてもらえるよう、私は証拠を掴もうとベリキューの収録で一緒になるときは千聖といるように心がけた。
前から言われていたことではあったけど、私たち初の番組『ベリキュー』は9月いっぱいで終わることが決まっている。
番組の収録が終わってしまうと、もうほとんど会う機会は減ってしまう。
そうなると、千聖が男である証拠を掴むことが出来なくなり、キャプテンには永遠に信じてもらえないままだ。
変に意地になってるのは自分でもわかっていても、引くに引けなくなってしまった面がある。
こういう面は直していかないといけないとは思ってもいる。

 スタジオでの収録も休憩が入り、千聖が一人になった瞬間を狙って声をかけてみた。
いつも℃-uteのメンバーといることが多いから、今を逃したらお正月のハロコンまで話しかけられなかったかもしれないのだ。

「最近、ちさとによく絡んでくるけど、何かあった?」
「何もないって。気にするなよ。かれこれ六年もの間、一緒にやってきた仲間だろう。仲良くなろうと思ったらダメかい?」
「ダメってことないし、むしろ大歓迎だけど。ただ、今まであんまり話したことなかったから何でだろうって」
「細かいことは言いっこなし。仲良くなるのに理由はいらないだろう。ね」

 誰にでも人懐っこい笑顔をみせる千聖が、珍しく私が仲良くしようよと声をかけたら不思議がっていた。
舞美に限らずたいての友達はそう声をかければ、すぐにでも仲良くしてくれたのにおかしいな。
千聖が変に警戒しているような気がするし、これはなかなか時間がかかるかもしれない。
焦ってもいいことはないし、ここはじっくりと攻めるのがいいだろう。

「まぁ~千奈美ちゃんが仲良くしてくれるって言うなら、それは大歓迎だからいいよ」
「いいぞ~それでこそ千聖だ。仲が良ければ、何でも話せる。元気ですか~」
「変なテンション。そんなに意味もなく笑ってると、安倍さんになっちゃうよ」
「あははは、それ失礼だよ。私は意味なく笑ったりしないから」

 千聖と二人きりで笑いあうなんてどれくらい前になるのかさっぱりわからない。
下手をすれば、初めてかもしれない。
それくらい、私たちは今まで縁が薄かったわけで、そう考えたら今回舞美がいたからこそ繋がりが出来たんだ。
ここで私は思わず、あっと声に出して叫んでいた。

「どうかした?」
「そうだった。肝心なことを忘れてた。いかんいかん。千奈美の馬鹿馬鹿。頭を冷やせ」
「いきなり叫んだと思ったら、何を思い出したの? 全然話についていけないんだけどさ」

 そうだった、私は肝心なことを忘れていた。
舞美に自分から千聖と愛理の関係を調べるはずだったのだ。
キャプテンに千聖が男だって証明するよりも大事な役目が私にはある。

「あ、あのさ~最近遊園地とか行きたいってなったら誰を誘う?」
「突然だね。遊園地かぁ~」
「ほら、この子と仲良くなりたいって気分で誘うなら誰かと思ってさ。ほら、今度行くときは千奈美さんも連れてってなんて」
「いいよ、行くなら一緒に行こうよ。今度行くなら約束した愛理なんだけどね」
「へぇ~そうかそうか。愛理か」

 やっぱり出たか、愛理。
千聖の表情からとくに女の子として意識してる様子はなさそうだから、舞美の思い違いなのかな。
舞美から最近は愛理と仲が良いと聞いていたから驚かなかったものの、愛理の名前とは意外な気がした。
私はてっきり舞ちゃんの名前が出てくるとばかり思っていたからだ。
中学生になって、少しずつ二人の関係も変わってきてるってことなのかもしれない。

「千奈美ちゃんもせっかくなんだし、遊ぶ時は誘うからよろしくね」
「う、うん。誘ってくれたら、たとえ火の中、水の中、行くからジャンジャンメールちょうだい」
「火の中では遊ばないって。さすがにそんな場所探してもないよ」

 会話にも笑い声が混じってきて、これはいい雰囲気なのではなかろうか。
よし、ここは思い切って千聖がどれだけ舞美を好きなのか聞いてみよう。
これからする質問で舞美と答えたなら、愛理よりも好きってことになるのだから、舞美にチャンスはある。

「えぇ~と、千聖って皆とも仲良いじゃん。んでね、聞きたいのだけど、自分がベリキューのメンバーとデートするなら誰と行きたい?」
「え、えぇ~!?」

 この質問をした途端、誰かを思い浮かべたらしく、顔を真っ赤にして俯いてしまった。
どうやら好きな相手は確実にベリキューの中にいるらしい。

「そ、それはどうしても言わないとダメかな?」
「いいから早く言えって。たとえばの話じゃんか。ね、ほら、誰?」
「ま・・・舞美ちゃん」

 これを聞いた瞬間、自分のことみたいに嬉しくなって飛び上がりたくなった。
この後も、舞美のことを質問していった私は、いつしかキャプテンに千聖が男の子である証拠を掴むのはどうでもよくなっていた。
それよりも舞美と千聖がうまくいってくれることが大事だったから。

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