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 梨沙子が千聖を値踏みする目でじっと見ている間、千聖は自分がそんな目で見られているとは知らずに落ち着かずにいた。
クラスでも美人でふくよかな胸を持つ彼女は、男子たちの間では注目の的である。
その彼女の家に、普段から特別仲が良いわけでもない自分が呼ばれた理由がわからないのがむず痒い。
梨沙子は勉強を見てあげる、などと言いだして自分を家まで誘ってきたが本当だろうか。
自分だって決して勉強が出来ると言えるレベルではない梨沙子が、千聖に勉強を教える意味はあるのか。
彼の胸中に渦巻く疑問は大きくなるばかりで、はっきりとした答えを見出せないまま時が過ぎていく。
しかし、梨沙子への疑問も彼の性格故に「まぁいいか」の一言で片づけられてしまった。
千聖の場合、このまま考え続けたとしても結局梨沙子が自分の貞操を狙っているとは考えつかなかったのは確実である。
知らぬが仏とも言えるが、それは梨沙子にしても同じことが言えた。

 勉強を教える口実で呼び出したのは、我ながら実によく出来たと感心する。
隣に座ることでお互いの肌と肌が触れ合う距離になるから、どんな鈍感な男でも意識せざるをえない。
女には興味がありませんよ、って顔をしていても私の隣に座ったからには絶対に逃がさないんだから。
もしも、隣に座っても反応がないなんてことになったら、自慢のこの胸をさりげなく押しつけ、否応にも意識させてやる。
男子が素知らぬ顔をして、私の胸ばかり見ていることはとっくに気づいているのだ。
千聖だって男なんだから、腕に胸が当たれば興奮してきて高鳴る衝動を抑えられなくなるはずだ。
確証があるわけじゃないけど、経験を済ませた女の子たちの話を聞いても、これはいい作戦だと思う。
でも、私に自分から男の子に自然と胸を押し付けるなんてことが出来るか心配だ。

 考えているうちに全身から汗が噴き出てきて、千聖をそわそわさせるはずが自分がそわそわしだした。
まずい、緊張して落ち着かなくなると何故だかアソコを触りたくなってくる。
スカートの裾をギュッと握りしめ、指先に神経を集中させて触るな、と命じる。
千聖にはあんなはしたないことをする私を見られたくなんかない。
お調子者のこいつに見られてたりしたら、きっと学校中の噂になって登校できなくなっちゃう。
なのに、緊張すればするほどに手は腿をしっかり掴み、スカートの内側へと侵入していく。
やめて、お願い・・・私の体よ、止まって・・・

「りーちゃん、どうしたの? さっきから気持ち悪そうな顔しているよ」

 突然、千聖から声をかけられて驚いて私はとっさに手を背中へと回した。
危なかったと思うと同時によかった、と心からそう思ってしまった。
千聖が声をかけてくれなければ、私は今頃アソコへと伸びていた手が動いていただろう。
まさかこんなところで千聖から助けられることになるとは、敵から塩を送られた気分に近い。

「何でもないの。心配いらないから。さっさとノートを開いて勉強の準備して」
「はぁ~い。心配いらないならいいんだけどさ」

 平静さを装い、千聖の横に座布団を敷いて座り、ようやく勉強に入ろうとしていた。
この後の自分の運命がどうなるかも知らずに呑気な千聖に、勉強は勉強でも体で覚える保健体育の勉強なんだよ、と心の中で呟きながら。

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