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 お風呂から出ると、何気ない顔でベッドの上で携帯をいじる舞美ちゃんがいた。
白くて細長い脚をぶらぶらさせながら、鼻歌交じりでとても楽しそうだ。
その後姿をみつめ、自己嫌悪が波のように押し寄せてくる。
何であんな事をしちゃったかな、一時の気持ちよさの為に僕は消えない罪悪感を作ってしまった。
舞美ちゃんには絶対にオナニーの事は知られたくないな。

「ちっさー遅かったね。そんなにお風呂に入ってるとふやけちゃうよ」
「う、うん・・・そうだね・・・ちょっとふやけちゃってるかも」
「でしょ~いつ出てくるか心配しちゃった」

 僕がしばらく舞美ちゃんを眺めていたら、気配に気づいたのか振り返ってきた。
その顔をみてると、さっきまで僕がしていた事が思い出されて顔が沸騰しそうに熱い。

「もう今日はどうかしてるよ。今もキョロキョロしてるしさ」
「うん、疲れちゃったみたい」
「今日は忙しかったしね。ゆっくり休みなよ。明日もイベントあるんだし」
「わかったよ。舞美ちゃんも夜更かしはしないようにね」
「おやすみ~イベントは夏休み終わるまで続くんだし、頑張ろうね」
「うん」

 舞美ちゃんの事をいつまでもみているわけにはいかない。
またあんないやらしい気持ちになってしまうかもしれないなら、すぐにベッドに入って眠るのがいい。
こんなにも純粋な舞美ちゃんを僕は汚してしまったんだ。
シーツを頭まですっぽりと被り、反対を向いて寝てみたけどうまく眠れない。
お風呂の事もそうだし、今夜は舞美ちゃんを変に意識してしまって眠くならない。
息苦しくなった僕はいったんシーツから顔を出し、ちらっと隣のベッドの様子を窺ってみた。
おやすみと言ってからどれだけの時間が流れたのかわからないけど、舞美ちゃんも既に眠っているようだった。
部屋の中が暗くて寝顔がよく見られないのが残念でならない。
きっといい寝顔をして眠っているはずだ、舞美ちゃんはいつだってくよくよしないタイプの女の子だし。
やっぱり寝顔も可愛いんだろうな、舞美ちゃんは。
それとも間抜けな寝顔してたりするんだろうか?
今見に行ってしまえばもっと眠りにつけなくなりそうだって思ったのに、寝顔がみてみたくなった。
僕の予想通りならきっと可愛い寝顔をしているはずだから。

「そっと・・・そぉ~っとだ」

 僕は息を押し殺し、ベッドから音も立てずに起き上がると、忍者みたいに忍び足で舞美ちゃんに近づいた。
一歩足を踏み出すごとに、ちらちら舞美ちゃんの様子を確認しながら近づく。
馬鹿だよな、さっと行って帰ってきちゃえばいいのにこんなことをして、つくづく馬鹿だ。
でも、見たいものは見たいし、もうここまできたら眠れないんだし何したって一緒な気がする。
なら、見ておいたほうがいいに決まっている。
僕は舞美ちゃんのベッドの脇までたどり着くと、ほっとしたせいかついふぅ~なんて息を吐いてしまった。

「ん・・・ん~」

 しまった、と思い、僕は慌てて口元を手で塞いだ。
舞美ちゃんは寝返りを打ってこっちを向いただけみたいで、すやすやと寝息を立てている。
よかった、僕が起こしてしまったんじゃないかって心臓が止まるかと思った。
と、僕がほっとしたのもつかの間、突然声がかけられた。

「ちっさー、ベッドの前で何してるの?」
「うわあああああ」
「そんなに驚く事ないじゃん。今ので目が覚めちゃったよ、もう」
「舞美ちゃん寝てたんじゃなかったの?」
「寝ようと思ったんだけど、寝られないから横になってただけだよ。ちっさーは?」
「うん・・・舞美ちゃん、ぐっすり眠ってるのかなって気になってみにきたんだ」

 眠ってるのが気になったっていうより、寝顔が気になったんだとはいえなかった。

「ふぅ~ん、また悪戯しにきたのかと思っちゃった」
「ち、ち、違うよ。まさか寝ている相手にまでそんなことしないよ」
「だよね。さすがのいたずらっ子もそこまでしないよね。やっぱり何か悩みでもあるの?」

 ようやく暗闇になれてきて、舞美ちゃんの顔がはっきりとわかる。
僕の事を本当に心配していると目が訴えかけてきている。
力強くて引き込まれる。
また胸の高鳴りがして、僕は返事もしないでただみつめ返すことしか出来ない。
そんな舞美ちゃんであんな事をしたって、忘れかけていたのにぶり返してくる。

「もう本当に今日はずっと変だぞ。ほら、寂しかったんでしょ。一緒に寝てあげる」
「え!?」
「いいから、早く横にきなよ。せっかくちっさーも入れるくらい大きいんだしさ」

 舞美ちゃんはシーツをもちあげ、自分の隣に空いたスペースを叩いて来いと誘ってくる。
もうすごく嬉しいお誘いなのに、僕の心は複雑な気分でいっぱいだった。
あんなことをした僕が舞美ちゃんと一緒に寝ていいわけがない、そう思っているからだ。
一緒に寝たらまたあんな気持ちになる可能性が高いし、ただでさえ眠れないのにこれじゃ徹夜してしまいそうだ。

「もうウジウジしないの~」
「う、うわああああ」
「全く素直じゃないんだから。舞ちゃんならとっくに私のベッドにもぐりこんでたよ」

 僕は舞美ちゃんに腕を掴まれ、あれよあれよという間にベッドに引き込まれていた。
シーツを僕にもかけ、舞美ちゃんはえへへなんて笑いながら僕の頭を優しく撫でてくれた。
とても労わるような仕草をしたものだから、僕はもう表情でも感情を表せなくなっていた。
それくらい緊張していたのだ。

「ちっさーはまだ中学生になったばっかりなんだから、私やえりに甘えていいんだよ」
「う、うん・・・」
「よし、約束だぞ。困ったことがあったらいつでも相談に乗るから、包み隠さず話すこと。いい?」
「はい」
「今日みたいに話せないなら、甘えてくるのだっていいんだからね」

 僕を包み込むように抱いてくれた舞美ちゃんの体からまたあのいい匂いがしてきた。
だけど、不思議とエッチな気持ちにはならなかったし、おちんちんも固くならない。
それよりもこうして抱きしめてくれている事だけで癒された。
僕はずっと舞美ちゃんいこうして欲しかったんだ、それがはっきりとわかった。
この日、やっぱり眠ることができなかったけど、僕を抱きしめて穏やかそうに眠る舞美ちゃんの寝顔をみつめられて、
たまには甘えてしまおうかなとか考えていた。
舞ちゃんだってしているんだし、僕だってしてもいいよね。
だけど、僕の一旦収まった心を掻き乱すように、舞美ちゃんよりも先に僕が男の子だと気づいてしまった人が現れた。
その子とは最近になって前よりも話しをするようになった愛理だった。

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