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 コンサートは何回やっても緊張して、うまく出来るかなって不安になる。
うまくやろうとするよりも楽しんでやって、お客さんにも楽しんでもらう方が重要だとは思う。
お客さんだって緊張して下手っぴな歌を聞かされるよりは、上手い方がいいもんね。
どうしたって緊張するものは仕方ないから、ガチガチにならないように気をつけよう。
でも、今日は別の意味で緊張感がある。
何ていっても今日は舞美ちゃんに(強制的に)告白をすることになった日なのだから。
コンサート中はお客さんには女の子らしく振舞って、終了後は舞美ちゃんには男の子らしく振舞ってみよう。
「ちさと、今日はやけに嬉しそうだね。何だかこれからいい事があるみたいな顔してる」
「え!?いや、そうでもないよ・・・今日もファンの人たちに楽しんでもらえたらなって」
「絶対に違うね。そういう顔じゃなかった。はっきり言ったら?素直じゃない奴はこうしてやる」
「ま、待ってよ。何ですぐにプロレス技かけてくるかなぁ」

 舞ちゃんは本当に成長中だって、本人でもないのにすごく実感できる。
立つと肩とか同じくらいの位置にあるし、当然顔も近くなったから隙があるとキスばかりしてくる。
プロレスごっこでも、舞ちゃんがムキになると僕の圧勝っていうわけにもいかなくなった。
最近だと栞菜までプロレスごっこに加わって、二人で組んで僕に襲い掛かってくるからたまったものじゃない。
栞菜は僕が男の子だって気づいていないから、羽交い絞めにしてきて大きな胸がよく当たる。
舞ちゃんにはない胸の感触に、僕はドキドキしながらも慌てないようにごっこを続けるのに苦労している。
さすがの僕も思春期になり、メンバーにいけない想像しないようにと思っても見惚れることが多い。
えりかちゃんは細いからすらっとしたシルエットでみてて、カッコイイ。
ま、舞美ちゃんもスタイルがいいから、僕はいけない想像をしないようにするのが大変だ。
それに一回オナニーしてから、舞美ちゃんをみると全身から嫌な汗が噴き出てくる。

「何を考えてるかいいなさい」
「やめてくれよ~今日は勘弁して」
「舞に言えない事なの?それなら吐かせるまで技とかないからね」
「うぅ・・・ちょっと・・・苦しいって・・・」

 舞ちゃんは加減を知らないから、僕にかけてくる技の強さがどんどん増している。
ここで自白しないと、プロレスごっこ中に死んでしまって洒落にもならなそうだ。
だからって、舞美ちゃんにキスしますなんて言えないよ・・・舞ちゃんにだって。

「舞ちゃん、離してあげたら?ちっさー苦しそうだよ」
「あ、愛理。今はダメ。私に隠し事しようとしてるちさとから、自白させてる最中なんだから」

 愛理、何ていいタイミングでここに現れるんだよ。
まさかじゃなくて、僕を助けに来てくれたって考えていいんだよね、そうだよね。
でも、また今にも例の「ケッケッケ」と笑いそうな笑顔なんだよなぁ、どういうわけか。
やっぱり信用してよかったのかな、と不安になってきた僕をみて、愛理が舞ちゃんにまた「離してあげてよ」と言ってくれた。
さっきのはどういう笑いだったんだよ。

「あのね、ちっさーは今日舞美ちゃんにキスをする計画たててるの」

 はぁ!?
あ、あ、あのぉ今君は何て言ったの、愛理・・・
空耳でないなら、僕にははっきりと「舞美ちゃんにキスをする」と聞こえたんですが。
聞き間違いであってほしいんだけど、それはあくまで僕の希望なんだ。
ほら、僕の上で羽交い絞めにしている舞ちゃんの腕の力が緩くなってる。
つまり、聞き間違いじゃないのは確実なわけで、上にいる舞ちゃんの顔はきっと唖然としてる。
舞ちゃんが意味をわかってしまったら、その後は怒り狂う予感がしてしょうがない。
愛理、僕を助ける為に現れたんじゃないのかよぉ。
羽交い絞めにされている僕のトドメを指しにきたようなものじゃないか。

「今、何て言ったの?」
「だからね、ちっさーは舞美ちゃんにキスをするの。この前に私とちっさーが一緒の部屋になったことあったでしょ。
 その時に二人でゲームをしたんだよね?」

 愛理は僕と目があうとウィンクをしてきた。
何だって、僕にウィンクしてきたんだよ、そんな場合じゃないのはわかりきってるじゃないか。
ん?何も言わずに口だけを動かしているぞ、えぇと「私の話にあわせなさい」と読めるなぁ。
あ、あぁ~わかったよ、愛理。
よかった、僕を裏切ったわけじゃなかったんだね。

「ゲームに負けたら、罰ゲームをしようってことになって、私がちっさーにステージ上で舞美ちゃんにキスして驚かせてみてっていったの」

 愛理が後で説明してくれた事によると、どうせバレるんだから悪戯ですってした方がいいそうだ。
「皆で舞美ちゃんの驚いた顔をじっくり見ちゃおうよ」なんて誘い、「面白そう」と言わせて納得させた。
あの舞ちゃんも悪戯ってことならいいよ、と笑ってキスすることを許してくれた。

「ふふっ、ちっさーは私にも大事な人なんだから当たり前でしょ。まだキスしかしてないんだし」
「そ、そうだね・・・とりあえずはありがとう。舞ちゃんも納得してくれてよかったよ」
「舞ちゃんは大人っぽくみえて、まだまだ悪戯好きだからね。ああ言えばいいのかなって思ったの」
「すごいな、僕なんかより舞ちゃんといる時間短いのに簡単に納得させちゃうんだから」
「それはちっさーが頭使わないからでしょ。舞ちゃんを騙すつもりなら、うまくやらなきゃダメだよ」

 最後にはダメだしまでされて、僕たちは昼公演のステージに立った。
順調にコンサートは進み、いよいよ『YES!しあわせ』となったのだけど、僕はキスができなかった。
これには自分でもせっかくのチャンスを棒に振った後悔が残った。
しかも、昼公演が終わって愛理に「ちっさー、しっかり」なんてまたもダメだしされる始末。
わかってはいても、あの舞美ちゃんの顔を前にしたら難しいんだ。
鏡に映った自分の顔をみつめ、笑顔の練習を繰り返してみる。
やれる、やれる、やれる、やれる、やるんだ。
夜公演になり、また『YES!しあわせ』の順番になり、僕らは唄って踊り始める。
曲は進み、えりかちゃんが歌うパートの『キスしてるわ』に入り、僕と舞美ちゃんはステージの後ろに移動する。
次に舞ちゃん、その次に栞菜が唄う『キスしてる瞬間』に曲が進む。
さぁいよいよだ、僕が憧れの舞美ちゃんにキスをする瞬間は今だ。
舞美ちゃんが目を瞑り、僕の顔に近づいてくる。
舞美ちゃんってキスする時、こんな顔をするんだって思ったら、ついニヤけてしまった。
可愛い顔をしてるよな、キスの顔も。
好きだよ、舞美ちゃん。
僕はキスされるとは思ってもいない舞美ちゃんの唇に、ついに自分の唇を重ね合わせた。
ほんの一瞬だったけれど、僕は舞美ちゃんとキスをした、それだけでとっても幸せな気持ちになれた。
唇が触れ合った後の舞美ちゃんの照れ臭そうに顔をそらすところで、僕は胸がキュンとなってしまった。
舞ちゃんや愛理ともしたけれど、やっぱり僕の一番は舞美ちゃんなんだって確信した。

「ちっさー、リハーサルとお昼と違うことしたでしょ~もぉ照れるじゃん」
「うん、キスしちゃった。えへへ」
「キスしちゃったじゃないでしょ~あれDVDになっちゃうんだからね。この悪戯っ子め」
「悪戯なんかじゃないよ。ほ、本気でしたかったからしたんだ」
「本気で悪戯したってこと?ちっさーは子供なんだから、ってまだ子供か。とにかくああゆうのは禁止ね」
「本当に悪戯じゃないんだって。わ、私・・・ううん、僕は舞美ちゃんが好きなんだ」
「もぉ~僕とか言っちゃって。ちっさーは男の子っぽいんだから。女の子なんだし、『私』でしょ」
「だ、だって僕は・・・実は・・・」
「えぇい、悪戯っ子にはこうしてやるぞ。コチョコチョコチョ」
「ちょ、ちょ、ちょっと・・・あっはっはっは」

 舞美ちゃんも調子に乗ったのか、僕を押さえつけてくすぐりをかけてきた。
舞ちゃんと違って加減はしてくれるけど、体は舞美ちゃんが大きいしあんまり意味がない。
だけど、舞美ちゃんがこんなことをしてくれるのは嬉しい。
舞美ちゃんが抱きついてきたっていうのに、栞菜にはある柔らかさがないのは何でだろう。
後ろから抱きつくみたいに体中をくすぐってきて、その手がいきなり僕のアソコをくすぐってきた。
もう突然のことだったから、僕は何も抵抗することが出来なかった。
そんな時に限って、おちんちんの馬鹿野郎は固く大きくなっていた。
僕の失敗、それは自分がもう思春期の男だって自覚してなかったことだ。

「ち、ちっさー。何、固いもの隠してるんだ。これは何なんだよぉ~」
「待って待って、そんなに強く握ったら潰れちゃうよ」
「だって取れないんだもん。ん~隠してるとよくないぞ。相談しなさいって言ったじゃない」
「いたたたた・・・ちぎれちゃうよ~」
「え、え?何でそんなに痛がってるの?もぉ~絶対に取っちゃうんだから」
「ごめんごめん、言うよ。だから、もうやめて・・・僕、男の子なんだよ」
「え?」

 舞美ちゃんについにバレてしまった瞬間だった。

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