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 ちっさーが私にキスした日、私を好きだって告白までされてしまった。
あの子が男の子だったことにも驚かされたけれど、それよりも私には衝撃的な言葉だった。

「ありがとう、舞美ちゃん。あ、あ、あのね・・・僕が舞美ちゃんを好きって言った気持ちは本当だよ」
「うん?あぁ~それなら私もちっさーの事好きだよ」
「ち、違うんだぁ。僕はね、男の子として舞美ちゃんが好きなんだ」
「え、えぇぇぇ~」

 あの時のやり取りが鮮明に頭に思い浮かび、年上なのにちっさーをみては顔を赤くしてしまう。
単純だな、私って。
ちっさーが男の子の時は全然意識したこともなかったのに、告白された途端見る目が変わってしまった。
それもあの子が輝いて見えたフットサルの光景が思い出されてくる。
ちっさー、フットサルとかファンクラブイベントでやった運動会では本当に楽しそうに体を動かしてたもんね。
あの時の顔も今にしてみれば、男の子がスポーツするイキイキしたものだった気がしてきて、妙な胸騒ぎがする。
何でだろう、あんまり男の子みてもドキドキしたことがない私がドキドキしてる。
だからってこれを恋っていうのも違うと思うし、えぇ~どうしよう・・・

「舞美、何をベッドの上で顔赤くしてるの?エッチな想像してたとか」

 隣のベッドで携帯をいじっていたえりがニヤニヤした顔でからかってきた。
えりはまだちっさーが男の子だって気づかず、℃-uteの活動をしている子だ。
私の他には誰が知っているのかわからないけれど、ちっさーが言いふらす事はないだろうから私だけなのかな。
だとしたら、秘密を共有しているってことなのかな。

「あ、やっぱりエッチな想像してるんじゃないの~このスケベ」
「ち、違うって~えりにもいえない秘密なの。だからね、ちょっと騒いじゃった」
「何それ~気になるじゃん。面白い事なら言ってよ」

 えりが悪戯の虫が騒ぎだしたって顔をして、ベッドから身を乗り出して顔を近づけてくる。
えりってば、こういう面白そうな話だけにはやけに嗅覚が鋭くなって嗅ぎ付けて来る。
女の子に限らず、人って面白そうな話に飢えているものなんだろうけれど。
えりは大事な友達でメンバーだけど、ちっさーが私だけに話してくれた秘密を明らかにするわけにはいかない。
あの子の勇気を踏みにじるわけにはいかないもんね、うん、絶対に内緒にしなきゃ。

「ダぁメ。いくらえりでもこれだけは話せないの」
「ちょっと~それってすごく気になる言い方じゃん。どういう話?」
「もう聞かないで。自分でもうっかり漏らしちゃいそうで怖いんだから。秘密なの」
「秘密にされると余計に気になる。よぉし、当てるから当たっていたら正解って言って」

 えりの悪い癖が始まった、ここまできたら当たるまでしつこくまくしたててくる。
私も相手にしなければいいのに、律儀にえりにそれは間違いとか言ってしまって、なかなか終わりに出来ない。
ここぞって時にはっきり話せるなっきぃが羨ましく思う。
私がリーダーなのにしっかりしないでどうするんだ、舞美。

「ごめん。本当に内緒にしなきゃいけないの。だから、もう聞かないで」
「なぁんだ~つまらないの。面白い話だと思ったのに」

 言えた、しっかり言えた。
私もたまにはやるんじゃん、そうだよ、リーダーなんだからしっかりしないとね。
それにしてもちっさーが男の子だったなんて、と私はハロプロキッズに合格した時の様子を思い出していた。
あれは私がまだ小学五年生だった時、ハロプロキッズとして小学生の女の子たちを大々的に募集したオーディションがあった。
そのオーディションに私は応募し、我ながら見事としか言いようがないんだけど、合格してしまった。
私を含めて十五人の女の子、いや、男の子が一人いたわけだから十四人の女の子が合格した。
右も左もわからない中、いきなり映画のお仕事をもらって、監督さんたちに会って誰がどんな役をするかミーティングした。
映画『仔犬ダンの物語』に私は桃子を虐める役をもらい、出演することになった。
思えば、あれから私のお仕事は始まったのだ。
その後、ZYXを経験して、Berryz工房に漏れて悔しい想いを抱いて、℃-uteを組むことになる。
皆、挫折を一緒になって経験した子たちだったから、絆はBerryz工房よりも強いものだって自信がある。
何があっても皆で一緒にやっていくんだ、って気持ちが芽生え、どんな困難も乗り越えようって決めた。
だから、ちっさーがあの日、私に告白してきた後、じっくり考えて一緒にやっていきたいと思った。
だって、ちっさーはちっさーだし、その一年前にはメンバーが一人抜ける悲しい出来事があったんだもん。
もう℃-uteから誰一人脱退するような事は起きてほしくないし、ファンの人たちだって悲しい想いをするはずだよ。
私はちっさーに対して男の子として意識はしてないはずだけど、秘密は絶対に守ってあげたいと誓った。

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