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 カップに入った紅茶を飲んで少しは気分が落ち着いた僕は、このマンションまで来た事を整理していた。
強引に連れてこられたとはいえ、僕はエッチな事に期待していなかったかというと嘘になる。
いつかは初体験をしてみたいと思うけど、だからって焦っても仕方ない事じゃないか。
いくら愛理の好奇心に付き合っているからって、限度はないとこの先どんな事でもしてしまってもおかしくない。
なら、僕はここできっぱりと拒否する姿勢を持たないと、りぃちゃんの誘惑もあるんだ。
今の状態で緊張と興奮はピークだし、理性で抑えがきくうちに脱出しなくてはいけないんだ。
気持ちいいからするんだったら、オナニーと一緒じゃないか。
そんなのお互いにいいはずがないに決まっている。

「ちさととね、思い出話したりしてたんだよ。普段どんな話を愛理としてるかとかさ」
「ふぅん、りぃちゃんがちっさー好きって言っちゃったんだろうし、これからする事のお話でもしてればよかったのに」
「愛理、本当にするの?ちょっとやめようよ。僕は決心がついてないんし、こういうのはよくないよ」
「ちっさーは本番失敗しちゃってもいいの?りぃちゃんはちっさーが好きだし、平気だって言ってるよ」
「う、うん・・・私はちさとさえよければ・・・」

 乗り気なのは愛理だけじゃないか、りぃちゃんはいざってなったらしり込みするようにみえる。
やっぱり愛理だけが何かにとり憑かれたみたいに、大人のステップを踏もうとしている。
それには日頃の不満を発散するのが僕だけって事なのかもしれないな。
Buono!やって、℃-uteやって、とほとんど休みなしで学業と両立させているからか、愛理はメンバーで一番ストレスがあるんだと思う。
ストレスがあっても決して口に出したり、態度に出したりしない分、きっと無理してるんだ。
僕に興味があるわけでもないのに、やたらキスしたりエッチしようって誘うのもそれが原因かもしれない。
だって、愛理が僕たちメンバーやスタッフさんの前で愚痴をこぼしたり、文句を言う場面は見たことがない。
たまには休みが必要だよ、愛理には。

「僕、考えていたんだけど、愛理は無理しすぎなんだと思う。仕事が好きでも、最近の量は半端じゃないよ」
「な、何さ、いきなり。ちっさー、どうしちゃったの?」
「どうしちゃったのって言うわけじゃないよ。溜まったストレスをいつ吐きだしてるのか気になってさ」
「そりゃ~友達に会ったり、電話やメールしたりすればあっという間だよ。これは今する話じゃないじゃん」
「ううん、今しなきゃダメだよ。ストレス溜まってるなら、僕いつでも相手してあげる。でも、エッチは別だよ」
「ちっさーだって本当はしたいんでしょ?私を思ってるふりしないで、したいって言えばいいじゃん」
「したいけど、でもダメなんだ。したら、愛理は僕の知ってる愛理じゃなくなっちゃう気がする。りぃちゃんも」

 僕と愛理が話しこんでいるから、りぃちゃんがタイミングよく話しに入るタイミングを逃している。
向かいのソファーに座る愛理から目を離さないで、僕は自分の正直な気持ちや意見をぶつけた。
愛理はそんな僕の真剣な態度をみて、自分も真剣に話さないとダメなんだと気づいてくれた。

「私は私だし、したからって何も変わらないよ。ちっさーがちっさーなのと一緒」
「違うって。僕は愛理の全てを知ってるわけじゃないけど、愛理はそんな子じゃないよ」
「私、そんなに純情にみえるのかな。あのね、もう子供でもないんだよ。始まった決心はもう止まらないの」
「恋に恋してる女の子だったじゃないか。白馬の王子様に憧れるところあったしさ」
「そんなのインタビューではそういうよ。でも、私知ってるんだ。王子様なんていないって」
「違うよ、愛理。まだ出会うには早いだけなんだ。これから大人になっていい恋して、王子様はその時現れるって。
 僕ね、愛理の事ライバルだと思ってるけど、尊敬してるし好きだよ。もちろんりぃちゃんも」

 愛理にもりぃちゃんにも笑顔を向け、僕の素直な気持ちを打ち明けた。
そう、キッズに入った時から僕は同じ歳の二人を意識しないわけにはいかなかったから、ずっと追ってきたんだ。
二人がユニットに入って唄って踊る姿をみてきた僕には、二人はいつもライバルだった。
同じグループでの活動を始めてからもその気持ちに変化はない。
だから、愛理が多少強引にキスしたいとか迫ってきても、僕は受け入れてきたんだ。
愛理の気持ちが少しでも軽くなるなら、僕でよければ相手をしてあげたいけど、今回だけは別だ。
エッチは飛躍しすぎている気がしてならない。
愛理、お願いだからいつもの僕の大好きな愛理に戻ってほしい。
りぃちゃんも僕を好きでいてくれるのはありがたいけど、いきなりエッチはどう考えたっていけない。

「好きなのは二人だけじゃないよ。舞美ちゃんは好きだし、舞ちゃん、えりかちゃん、なっきぃ、栞菜。
 Berryzのメンバーだって好きだ。ライバルである前に仲間じゃないか、キッズに入った時から」
「ちっさー・・・」
「いつか僕は愛理からソロパートを奪うくらいになるんだ。それまでは愛理には目標でいてもらわなくっちゃ。
 こんな事でストレス発散しなくても、僕は付き合うから」

 とうとう僕の目ともあわせてくれなくなった愛理は、俯いて膝をぎゅっと力を入れて握った。
綺麗な黒髪が垂れて、表情が全然みえないのに、きっと悲しそうな顔をしている気がする。
僕が説得できるのに使える台詞なんてこんなもんだし、これで精一杯だ。
これで説得できないなら、愛理に付き合うしかないよね。
僕は腹をくくり、愛理が次にかけてくれる言葉をひたすら待った。
その間に気づいたのだけど、りぃちゃんは僕の肩に頭を置くのをやめて、僕らの様子をじっくり眺めていた。
りぃちゃんを蚊帳の外にしちゃったのは申し訳ないな、と反省してみた。
せっかく好きだって言ってくれた相手を置き去りにしてこれは悪いな、男の子として。

「りぃちゃん、ごめんね。せっかくの楽しくなるはずだったチャンスを奪っちゃって」
「ううん、いいよ。ちさとが愛理だけじゃなく、皆の事を真剣に考えているってわかって嬉しかった」
「えへ、照れるなぁ。あははは」

 よかった、りぃちゃんは無理してる印象のない可愛い笑顔がみられたし。
あとは愛理がどういう返事をくれるかにもよるんだけど、どうかな。

「ちっさー、ありがとう。私もね、ちっさーとはいつかステージでデュエットしたい。
 私にはないところ、いっぱい知ってる。℃-uteのコンサートで二人で唄いたいね」

 目には大粒の涙をためて、愛理が顔をあげてこう言ってくれた。
それだけで僕は愛理と形だけじゃない本当の仲間としての意識や絆が生まれた気がした。
帰りがけ、僕は愛理とりぃちゃんをめいっぱいにハグして、マンションを立ち去った。
舞美ちゃんにふられたら、今度こそ相手してもらうんだからね、とか言われてしまい、これであれを渡されたというわけだ。
ピンク色の包みにくるまったコンドームを。
どうやらあの愛理パパとママの寝室からくすねてきたもので、僕は成り行き上もらってきてしまった。
愛理にはああ言ったくせに、舞美ちゃんにはエッチがしたいなんて大馬鹿者だ。





「ちっさー、あがったよ。今日も汗かいたんだし、早くお風呂に入っちゃいなよ」
「うん、そうする。一緒に寝ようって言ったのは舞美ちゃんなんだから、先に寝ないでね」
「はいはい、寝ないように気をつけます。さぁ、いっておいで」

 今夜は僕の理性が勝つか本能が勝つか、それ次第でだいぶ展開が変わってしまうだろう。
僕はお湯に浸かりながら、またオナニーでもして気を静めないとなのかなと思った。

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