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 えりかちゃんの悪戯から少し時間が経った頃、℃-uteの最年少の舞ちゃんが小学校を卒業する日がやってきた。
舞ちゃんが四月に中学生になると、℃-uteはちょっぴり大人のグループに近づく。
まだ大人というには早いし、Berryz工房に比べたらまだまだメンバーは見た目が子供っぽい娘が多い。
僕や舞ちゃん、歳は一つ上だけど童顔で背の低いなっきぃが子供っぽいメンバーだろう。
同じ歳の愛理や栞菜は顔つきもそうだけど、表情もどことなく大人っぽさや色っぽさを感じさせるようになった。
二人とも成長が早いもんな、でも、舞ちゃんのここのところの成長の早さには驚かされる一方だ。
とうとう身長では僕を追い抜き、このまま成長すれば愛理や舞美ちゃん並みにはなる可能性がある。
僕もまだまだ身長が伸びてくれないと困るよ、本当にさ。

「ちさとのつむじがそのうちに見えちゃいそうだね、舞が成長していったらさ」
「やだなぁ、舞ちゃんよりも大きくなりたいのに。先に成長されたら悲しいよ」
「あはは、大丈夫だって。舞はちさとが小さくても好きだから。嫌いになるなんてないよ」
「ありがとう。そうはいっても、僕もえりかちゃんと並ぶくらいに大きくはなりたいんだよね」
「そうしたら、私たちはお似合いのカップルかもね」

 舞ちゃんとはここのところ、あんまり話せていなかったから丁度話が出来てよかった。
卒業式に向けて、学校も忙しくなっているのにそんな素振りはみせないで頑張っているんだから偉いよな。
って、去年は僕と愛理も同じ立場だったんだよな。
僕と愛理はデビュー直後だった事もあって、イベントで忙しい時期だったし、両立が大変だったっけ。
それでも、中学の制服を着て、後輩たちに見送られるのはなかなかの感動する体験だった。
今年は舞ちゃんが体験するんだと思うと、何故か僕が目頭が熱くなってくる。

「ちさと、何泣きそうな顔してるの?」
「舞ちゃんが小学校を卒業するんだなって考えていたら、僕まで一緒に卒業する気分になっちゃってさ」
「ちさとは去年に卒業したでしょ~今年は私なの」
「わかってるよ、それくらいさ」
「もう馬鹿。ちさとったら泣き虫なんだから。私はそうやって思ってくれるちさとの気持ちが嬉しいよ」
「舞ちゃ・・・」

 僕が舞ちゃんと言い切ることはなく、舞ちゃんから唇を塞がれてしまった。
久々のキスは脳を麻痺させるような強烈さがあった。
もう躊躇もしないで舞ちゃんは舌を入れてきて、僕はそれに抵抗するような真似はしたくなかった。
僕からも舞ちゃんの舌の動きにあわせ、一緒に舌を動かしていた。
どうしたんだろうな、いくら何でも感覚が麻痺しすぎな気がしてしようがない。
あんなに舞美ちゃんを好きだって言っていた僕の純粋な気持ちはどこに飛んでいってしまったんだ?
前の僕ならもっと罪悪感や拒否反応をしてもよさそうなものだったのに、今では自分からも舌を絡めている。
舞美ちゃんを汚すまいと思うあまりに、えりかちゃんでいけない事をして、その本人からあんな事をされたからかな?
ううん、そんなんじゃない。
僕がきっと男の子になりすぎて、エッチに興味を持っているせいなんだ。
だから、相手が舞美ちゃんじゃなくてもおちんちんは勃つし、触られたりすれば気持ちよくなるんだろう。
こんなんじゃ舞美ちゃんに申し訳なくて、あの告白を取り消したくもなってしまう。
ごめんね、舞美ちゃん、僕は君に好きになってもらう資格なんてない最低の人間なんだ。

「ちさと、今日は激しいね。いつもよりもキスにも積極的だし」
「いけなかったかな?」

 僕は顔をあげられず、俯きながら舞ちゃんの話に答える。
それに舞ちゃんにも申し訳なくて、俯くしか心を和らげる方法がなかった。

「ねぇ、ちさとは私とキスより先の事をしたいって思う?」
「どうしてさ」
「私だって中学生になるんだし、ちょっとくらいならエッチな事も我慢するよ。だから、ね」
「舞ちゃん、あの、それは」
「馬鹿、いつまでも子供扱いしないでって前にも言ったじゃん。ちさとはそこらへんわかってよ」
「子供扱いっていわれても、僕だって子供だしまだ早いよ。無理にしなくてもいいんじゃないかな」
「無理じゃないよ、ほら、触ってみてよ。こうしてさ」

 舞ちゃんは僕の手首を掴み、これまたいきなり自分の胸を触らせてきた。
決して膨らみがあるとはいえない胸から、心臓の鼓動が伝わってきて、ドキドキしてしまった。
舞ちゃんも動揺しているのが鼓動からわかるから、僕まで緊張してしまったのであって、興奮したからじゃない。
たぶん。
舞ちゃんの視線が僕の視線とぶつかり、物言わぬ目が何かを強く訴えかけてくる。
僕にどうしろって言うんだよ、舞ちゃん。
そんな目で僕をみないでよ、舞美ちゃんを好きなのに、舞ちゃんまで好きになんてなれない。

「ちさとぉ」

 ダメだ、僕の意識が飛んでしまって、舞ちゃんの言いなりになりそうになった瞬間、栞菜から声がかかった。

「舞ちゃん、あっちで舞美ちゃんたちが呼んでたよ」
「か、栞ちゃん。うん、わかった。ちさと、今日は仕方ないけど、次は期待してるから」

 舞ちゃんは栞菜に言われた通り、呼ばれた方まで走っていった。
舞ちゃんには悪いけど、舞美ちゃんたちが呼んでくれて助かったとほっとしていた。
たぶん、次を期待されるまでもなく、さっきもあのままいっていたら危険な気がしていたから、丁度よかった。
もうちょっとだけ時間がほしいんだ、そうすれば僕にも踏ん切りがつきそうなんだ。
僕が胸をおさえ、深呼吸をしているところへ、栞菜がやってきて、笑いかけてきた。
少しその笑顔が何かを企んでいるようにみえたから、僕としては話をすぐに切り上げたくなった。
こういう時に限って、僕の嫌な予感は見事に的中する。

「ちっさー、舞ちゃんには邪魔だったから悪いけど、あっちにいってもらったの」
「そうだったんだ。僕に何か用?」
「察しがいいね。あのね、ちっさーにしか頼めない事なんだけど、きいてくれるよね?」

 僕にしか頼めないよりも、僕なら断る権利はないんだからとでも言いたげな顔をしている。
今まで僕が男の子だからといって、脅す子は何人もいたけれど、栞菜はそれとは違った脅し方をしてきた。
この脅し方は効果的で、男の子だとバラされるよりも一部の人には絶大な影響を与える。

「舞ちゃんに舞美ちゃんが好きな事をバラされたくないよね。三人の関係をこじらせたくないでしょ。
 ちっさーには今度、Berryz工房との合同コンサート中は休憩時間とかホテルにいる間、りぃちゃんと一緒にいて」

 これが僕に課せられた栞菜からの指令だった。

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