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「まぁそう焦らず、今日の事を話そうよ。せっかく、あんなにいい歌を聞いた後なんだもん。いいでしょ?」
「いい歌って褒めてくれてありがとう。でも、僕は早く愛理の話が聞きたいんだ」
「うぅ~ん、私の話って大したことじゃないよ。舞ちゃんの事で、小耳に挟んだものだから」

 遠慮するように話してはいるが、小耳に挟んだ話題はかなり重要な予感がしてきた。
舞ちゃんの事なのに、愛理が話をしてくるのはおかしな気がしてならない。
でも、今はそんな些細なところを指摘している場合ではなく、舞ちゃんの話を聞かなければならないのだ。

「愛理、どんな話なの?」
「私が言うのは大きなお世話だろうけど、舞ちゃんとの約束。それ、守ってあげてね。ちっさーがお嫁さんにしてあげるって約束」
「・・・」
「舞ちゃん、その約束を信じてるんだよ。けなげにちっさーが守ってくれるって信じてる。なのに、裏切るのは酷いよ」

 僕を責めているのか、嘲笑っているのか判りづらい顔で愛理は言う。
愛理に言われるまですっかり僕が忘れていた思い出、その中に舞ちゃんと四年も前にした約束が蘇る。
そうだ、確かに僕は舞ちゃんにお嫁にもらってあげると約束をしたじゃないか。
あの時点では僕らは小学生だったわけで、小さかった時の弾みで言いました、といえなくもない。
それはお互いにいい思い出として話せるようになった場合で、今とは全然違う。
舞ちゃんはその約束を信じて、僕の事をずっと待っていてくれていたんだ。
なのに、僕が忘れていたからと無効にしてしまうのは人としてどうなんだろうか。

「ちさとのお嫁さん」

 舞ちゃんが将来になりたいものは、僕のお嫁さん。
今も変わらずに言ってくれる舞ちゃんの想いを無視するわけにはいかない。
ずっと、どんな時でも離れず、隣にいて、見守ってきてくれた人。
舞ちゃん、君はこんな奴なのに僕を好きでいてくれたんだね、今でも。
舞美ちゃん、僕がずっと憧れていた人。
その人が僕を男の子として認めてくれ、好きになってくれたと教えてくれた。
それはどんなに嬉しかったことか。
天にも舞い上がる想いを体験したのは、人生で初だったことを考えても、僕の気持ちに偽りはない。
それでも、同情なんかじゃなく舞ちゃんを想う気持ちがあるのも確かなんだ。
どうしたって僕らは家族同然にデビューまでを過ごしてきた中で、メンバーの誰であっても不幸にはしたくない。
辞めてしまっためぐにしても、僕は未だに幸せでいてほしいと願っている。
そんな僕が出す答え、きっと誰かは賛成して喜んでくれ、誰かは反対して怒るのだろう。
恋愛は甘いくせに苦い部分もあるものだろう。
そう、単純にただの恋愛ならどちらかを選べば済んだのかもしれないが、これは恋愛だけの問題じゃない。
これは目に見えない繋がりをもった僕らの絆の問題なのだ。
だから、僕の出す答えは決まっている。

「舞ちゃん、やっとみつけた。事務所にいるって聞いていたけど、誰もいない会議室を選ぶから探したよ」

 僕は愛理にこの前の質問の答えを話し終え、舞ちゃんを追いかけて事務所まで来ていた。
舞ちゃんは息を切らして走ってきた僕を、にっこりと微笑み、隣に座れと空いた席を叩いた。
僕は言われるがまま隣に座り、荒い息のまま話し出した。

「あのね、舞ちゃん。聞いてほしい事があるんだ。大事な話」
「うん、そうだろうね。ちさとがいつになく真剣な顔つきなんだもん。大事なんだろうね」
「とっても大事な話だ。舞ちゃん、今でも将来の夢は変わらない? 僕のお嫁さんになるって夢」
「当たり前じゃん」 即答で返す舞ちゃん。
「ありがとう。本当にありがとう。僕ね、ここにきてようやくわかった。舞ちゃん、君の事も大好きなんだってこと」

 僕が大好きだって初めて言ったからなんだろうな、舞ちゃんは目に涙を潤ませて微笑んだ。
今にも抱きついてばかりだった舞ちゃんをすんでのところで止め、僕は続きを話し出す。
ごめん、ここからが肝心なんだ。

「でも、僕は舞美ちゃんも大好きなんだ。もちろん、えりかちゃん、なっきぃ、愛理、栞菜も。中でも
 舞美ちゃんと舞ちゃんは特別な存在なんだ。愛理にね、どっちが好きかって言われた。正直、悩んだ」

 僕が真剣な顔つきで話す間に、舞ちゃんの顔からは笑顔が消え、神妙そうなものになった。
舞美ちゃんが好きと言った瞬間、顔つきが翳り、僕に恨みがましい目を向けた。
一瞬で天国と地獄を合わせるような事をしたんだ、当たり前といったら当たり前の反応だ。
ここで怯んでしまっては僕の悩んで出した答えを伝えることは出来ない。
さぁ、続けるんだ。

「僕はまだ二人のうちのどちらかを選ぶなんて出来そうにない。だって、どっちも大好きなんだもん。大馬鹿でしょ?」
「大馬鹿だね。今、舞って言っておかないと後悔させてやるようないい女になっちゃうよ。いいの?」
「うん。僕に舞美ちゃんも舞ちゃんも必要なんだもん。二人がいてくれて、僕は℃-uteでいられるんだもん」
「本当、大馬鹿だ。すごく遅いけど、舞の卒業祝いもらっておくね」

 そう言って、舞ちゃんが口付けをしてきた。
ちょっと遅いよね、卒業祝いだとしたら。
それでも、僕は抵抗することもなく、舞ちゃんのキスを受け入れ、僕の想いを込めて抱きしめた。





 このちっさーが日記だと思っている小説、これは誰にもまだ見せていません、一部を除いて。
これを見たのは私と覗き見をしたあなたたちだけです。
彼が決めた答えは、正解ではないかもしれません。
しかし、不正解でもありません。
私たちが決めることではなく、舞美ちゃんと舞ちゃんが決めれば良いことなのです。
私はこの終わりのいつ訪れるかしらない物語の登場人物として、最後まで見届けたいと思っています。
よろしかったら、皆さんにもそうしていただきたいのです。
その方が皆さんも楽しみがあっていいでしょう?
ただ、どんなお話を読んでいたかくらいは教えておいた方がいいでしょうね。
彼が大好きな曲にちなんで『僕らの輝き』、それが一番いい気がするんです。
『僕らの輝き』、次にお会いするとき、これはどんな輝きのある物語となっているでしょうか?
では、終わりのない物語の次のページを捲ってみましょう。
次にお話するのは・・・

未完

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