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 今日、僕は愛理に無理やりに近い誘われ方で、愛理の家にお泊りに行くことになった。
中二の三人組が集まるのは実に久し振りで、内心では密かに楽しみにしていた。
りーちゃんとお泊りなんて、映画の撮影で一緒になった時以来な気がする。
もちろん、地方へコンサートへ行く時は同じホテルに泊まるけれど、かといって同じ部屋で寝たことはなかった。
僕は舞ちゃんやなっきぃと一緒になることが多く、りーちゃんはBerryz工房のメンバーや℃-uteがいる時は愛理が多い。
今日のことも愛理が中心になって誘ってこなければ、りーちゃんと同じ部屋で寝るなんてなかったと思う。
だから、こうして隣の布団にりーちゃんが寝ているのは不思議な気分だ。
すっぴん状態でも肌がつるつるのゆで卵みたいで、つい手を伸ばして触りたくなってしまう。
いかんいかん、僕は何を考えているんだろうな。
落ち着け、ここでりーちゃんの頬っぺたを触ったりしたら、愛理にからかわれる原因をつくるだけじゃないか。
僕を間に挟んで、それはそれは楽しそうに会話するりーちゃんをみていた。
手のひらに顎を乗せて、ふふっとかえへへ、と笑い声が混じらせながら、最近あったことやお仕事での話をしている。
本当に可愛いよな、りーちゃんは。

「千聖、さっきからずっと黙って私の顔をみてるけど、何かついてる?」
「え、いやぁ~りーちゃんは楽しそうに話すなって思ってさ」

 じっと顔をみていたのは可愛いからだよ、なんて言えるわけもなく、ありきたりな言葉を言っていた。
そんな僕の言葉を聞いて、本当かなぁ~と怪しんでいるのか、今度はりーちゃんが僕をみつめてきた。
吸い込まれそうな瞳が僕を捕らえてしまい、もう逃げられないような気持ちになる。

「ふふっ、誤魔化そうたって無理だよぉ~可愛いって思ったでしょ?」
「そうだぞぉ~りーちゃんは可愛いだろ。可愛いって言いなさい」と、続いて愛理まで可愛いと言わせようとしてくる。
「可愛いと思うけど、これはズルイぞ。りーちゃんからみつめられたら、誰だって可愛いって言うよ」

 可愛いと思う、と僕が言ったのを聞き逃さなかったりーちゃんは、これでは満足できないとばかりにはっきり言って、と要求してきた。

「それは・・・もう一回言わなきゃダメ?」
「うん。千聖がちゃんと言ってくれないとダメなの。ね」

 愛理の顔を窺うと、こくりと頷いて、こちらも言いなさいとのことらしい。
うぅ~ん、何で顔から火が出そうな状況で、りーちゃんに可愛いって言わなきゃダメなんだよ。
恥ずかしいなんてもんじゃないんだぞ、女の子に可愛いって言うのは。
意外と勇気を必要とする行為だってことを女の子もわかってほしいものだ。
僕は一度大きく深呼吸をすると、りーちゃんの方に向きなおり、決意が固まった段階で言うことに決めた。
今回はりーちゃんのあのくりくりとした瞳はみないよう気をつける。
見てしまったが最後、メデューサみたく動けなくさせられてしまう。

「りーちゃんは可愛いよ」

 よし言えた、自分をよくやったと褒められる頑張りだ。
なのに、りーちゃんはにっこりと笑って、やっぱり満足しきれていないようで「もう一回」と要求してきた。
しかも、今度は私の瞳を見てからね、と付け足してきた。
とんでもないよ、今のりーちゃんを見てしまったら、まともに可愛いなんて言える自信はない。

「ほら、早く。千聖~」

 僕の肩を揺すって早く早くとしつこい。
りーちゃんが揺すぶりだすと、反対側からは愛理が揺すって、早く早くと言ってくる。
もう何だって、女の子は可愛いと言ってほしいんだろうな。

「りーちゃん、勘弁して。一回言ったんだし、許してよ」
「だぁめ。千聖はもっと男らしく言うべきだよ。最近は大人しくなって、女の子みたいになりすぎだよ」
「ぼ、僕は℃-uteのメンバーなんだし当然じゃないか。ただでさえ男なんだから、女の子みたいになろうと努力はするよ」
「それはお仕事。今はプライベート。さ、もう一回」

 う・・・どうやら、僕はりーちゃんのお願いから逃げられることはできなさそうだ。
期待に瞳を輝かせるりーちゃんに、心臓がはちきれそうな中、可愛いとたった一言伝える決心をした。

「りーちゃん、とっても可愛いよ」
「うん、ありがとう。私も大好き」

 僕の首に腕を回して抱きついてきたりーちゃんの突然の行動に、どうすることも出来ず、僕は唖然とするばかりだった。

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