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トランドラプリル

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オドリック錠

  • 商品名       オドリック錠
    • この添付文書の正式商品名            
  • 規格         1mg1錠
  • 一般名       トランドラプリル
  • 医薬品コード    2144011F2020
  • 薬価基準収載日   
  • 販売開始年月    
  • 薬効分類名     ACE阻害剤
  • 薬価        80

組成

オドリック錠1mg:
1錠中にトランドラプリル1mgを含有する。~
添加物として乳糖,部分アルファー化デンプン,硬化油,ポビドンを含有する。
**性状 [#bb18ba17]

オドリック錠1mg:
|販売名|外形|色・剤形|直径 (mm)|厚さ (mm)|重量 (g)|識別コード|

オドリック錠1mg (図略)(図略)(図略) 白色・裸錠 2.5 0.120 1 RU 203K

警告

禁忌

(次の患者には投与しないこと)
1.本剤の成分に対し,過敏症の既往歴のある患者
2.血管浮腫の既往歴のある患者(アンジオテンシン変換酵素阻害剤等の薬剤による血管浮腫,遺伝性血管浮腫,後天性血管浮腫,特発性血管浮腫等)[高度の呼吸困難を伴う血管浮腫を発現することがある。]
3.デキストラン硫酸セルロースを用いた吸着器によるアフェレーシスを施行中の患者[ショックを起こすことがある。「3.相互作用」の項参照]
4.アクリロニトリルメタリルスルホン酸ナトリウム膜(AN69)を用いた血液透析施行中の患者[アナフィラキシー様症状を発現することがある。「3.相互作用」の項参照]
5.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人[「6.妊婦,産婦,授乳婦等への投与」の項参照]
**効能又は効果/用法及び用量 [#ufaf2e8e]

効能・効果

効能又は効果
高血圧症
***用法・用量 [#bb784503]

用法及び用量
通常,成人にはトランドラプリルとして1〜2mgを1日1回経口投与する。なお,年齢,症状により適宜増減する。
ただし,重症高血圧症又は腎障害を伴う高血圧症の患者では0.5mgから投与を開始することが望ましい。
<用法及び用量に関連する使用上の注意>
クレアチニンクリアランスが30mL/分以下,又は血清クレアチニン値が3mg/dL以上の重篤な腎機能障害のある患者では,投与量を減らすか,又は投与間隔を延ばすなど経過を十分に観察しながら慎重に投与すること。[排泄の遅延により本剤の活性代謝物の血中濃度が上昇し,過度の血圧低下及び腎機能を悪化させるおそれがある。「1.慎重投与」,【薬物動態】の項参照]
**使用上の注意 [#s0d3f9a8]

慎重投与

(次の患者には慎重に投与すること)
1.両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者[「2.重要な基本的注意」の項参照]
2.高カリウム血症の患者[「2.重要な基本的注意」の項参照]
3.重篤な腎機能障害のある患者[<用法及び用量に関連する使用上の注意>の項参照]
4.重篤な肝障害のある患者[胆汁排泄能が低下しているため,活性代謝物の血中濃度が上昇するおそれがある。【薬物動態】の項参照]
5.高齢者[過度の降圧により脳梗塞等が起こるおそれがある。「5.高齢者への投与」の項参照]
***重要な基本的注意 [#x58d0139]

1.両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者においては,腎血流量の減少や糸球体ろ過圧の低下により急速に腎機能を悪化させるおそれがあるので,治療上やむを得ないと判断される場合を除き,使用は避けること。
2.高カリウム血症の患者においては,高カリウム血症を増悪させるおそれがあるので,治療上やむを得ないと判断される場合を除き,使用は避けること。
また,腎機能障害,コントロール不良の糖尿病等により血清カリウム値が高くなりやすい患者では,高カリウム血症が発現するおそれがあるので,血清カリウム値に注意すること。
3.本剤の投与により,特に次の患者では初回投与後一過性の急激な血圧低下を起こすおそれがあるので,投与は低用量より開始し,増量する場合は患者の状態を十分に観察しながら徐々に行うこと。
(1).重症の高血圧症患者
(2).血液透析中の患者
(3).利尿降圧剤投与中の患者(特に最近利尿降圧剤投与を開始した患者)
(4).厳重な減塩療法中の患者
4.降圧作用に基づくめまい,ふらつきがあらわれることがあるので,高所作業,自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。
5.手術前24時間は投与しないことが望ましい。
**相互作用 [#o6096340]

併用禁忌

併用禁忌(併用しないこと)
|薬剤名等|臨床症状・措置方法|機序・危険因子|

デキストラン硫酸セルロースを用いた吸着器によるアフェレーシスの施行 LDLアフェレーシス ショックを起こすことがある。 陰性に荷電しているデキストラン硫酸セルロースによるブラジキニン産生の亢進とACE阻害剤によりブラジキニンの代謝が妨げられ蓄積すると考えられている。
アクリロニトリルメタリルスルホン酸ナトリウム膜を用いた透析 AN69 アナフィラキシー様症状を発現することがある。 多陰イオン体であるAN69により血中キニン系の代謝が亢進し,ブラジキニン産生の増大をもたらし,さらにACE阻害剤によりブラジキニンの代謝が妨げられ蓄積すると考えられている。

併用注意

併用注意(併用に注意すること)
|薬剤名等|臨床症状・措置方法|機序・危険因子|

カリウム保持性利尿剤 スピロノラクトン トリアムテレン等 カリウム補給剤 塩化カリウム 血清カリウム値が上昇することがあるので,血清カリウム値に注意すること。 本剤のアンジオテンシンII産生抑制によりアルドステロン分泌低下が起こり,血清カリウムの排泄を減少させると考えられている。(特に腎機能障害のある患者)
利尿降圧剤 トリクロルメチアジド ヒドロクロロチアジド等 初回投与後,一過性の急激な血圧低下を起こすおそれがあるので,用量を調節するなど注意すること。 利尿降圧剤により血漿レニン活性が上昇した状態となり,本剤併用によりレニン・アンジオテンシン系がブロックされる結果,急激な血圧低下を起こすと考えられている。
リチウム 炭酸リチウム リチウム中毒(振戦,消化器愁訴等)が報告されているので,血中のリチウム濃度に注意すること。 ACE阻害剤は腎でのナトリウム再吸収を抑制するため,競合的にリチウムの再吸収が促進されて,リチウムの血中濃度が上昇すると考えられている。
インドメタシン 他のACE阻害剤との併用により,その降圧作用が減弱するとの報告がある。 インドメタシンはプロスタグランジン産生を抑制するため,ACE阻害剤のプロスタグランジン合成促進作用による血圧低下作用を減弱させると考えられている。
カリジノゲナーゼ製剤 本剤との併用により過度の血圧低下が引き起こされる可能性がある。 本剤のキニン分解抑制作用とカリジノゲナーゼ製剤のキニン産生作用により,血中キニン濃度が増大し血管平滑筋の弛緩が増強される可能性がある。

その他の相互作用

副作用

副作用発現状況の概要

安全性解析対象510例中,副作用は51例(10.0%)に認められた。主な症状は,咳嗽30件(5.9%)であった。また,臨床検査値異常は37例(7.3%)に認められ,主なものは,ALT(GPT)上昇2.1%(10件/484例),CK(CPK)上昇1.8%(6件/333例),AST(GOT)上昇1.7%(8件/483例),LDH上昇1.0%(5件/482例)であった。(承認時)
(注)臨床効果及び安全性の解析対象例としては,第II相後期試験から継続投与された長期投与試験の症例を別症例として扱い,重複して集計した。
***重大な副作用 [#da1fb3cc]

1.血管浮腫:呼吸困難を伴う顔面,舌,声門,喉頭の腫脹を症状とする血管浮腫があらわれることがあるので,異常が認められた場合には,直ちに投与を中止し,エピネフリン注射,気道確保等の適切な処置を行うこと。
他のアンジオテンシン変換酵素阻害剤で,腸管の血管浮腫(症状:腹痛,嘔気,嘔吐,下痢等)があらわれることが報告されているので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には,直ちに投与を中止し,適切な処置を行うこと。
2.腎機能障害の増悪:腎機能障害の急性増悪があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には,投与を中止するなど,適切な処置を行うこと。特に,腎機能障害のある患者では,定期的に腎機能検査を行うなど,観察を十分に行い,異常が認められた場合には,投与を中止し,適切な処置を行うこと。
3.高カリウム血症:重篤な高カリウム血症があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には,直ちに適切な処置を行うこと。
4.横紋筋融解症:筋肉痛,脱力感,CK(CPK)上昇,血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがあるので,異常が認められた場合には,投与を中止し,適切な処置を行うこと。また,横紋筋融解症による急性腎不全の発症に注意すること。
5.肝機能障害,黄疸:AST(GOT),ALT(GPT),γ−GTPの上昇等を伴う肝機能障害,黄疸があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には,投与を中止するなど,適切な処置を行うこと。
6.膵炎:膵炎があらわれることがあるので,異常が認められた場合には,投与を中止するなど,適切な処置を行うこと。
***その他の副作用 [#o407e30c]

|発現部位等|5%以上又は頻度不明|0.1〜5%未満|

血液 血小板減少注2) 貧血,白血球減少
腎臓 BUN,クレアチニンの上昇
過敏症注1) 蕁麻疹注2) 発疹,そう痒
精神神経系 眠気注2) 頭痛,めまい
循環器 意識障害注2) 動悸
消化器 腹痛注2),嘔吐注2) 嘔気,腹部不快感,腹部膨満感,下痢,便秘
肝臓 AST(GOT),ALT(GPT),Al−P,LDH等の上昇
呼吸器 乾性の咳嗽 嗄声,息切れ,咽頭部刺激感等
その他 ほてり注2) けん怠感,血清カリウムの上昇,尿酸の上昇,CK(CPK)の上昇

注1)このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。
注2)頻度不明

注意

高齢者への投与

高齢者では一般に過度の降圧は好ましくないとされている(脳梗塞等が起こるおそれがある)ので,低用量(例えば0.5mg/日)から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
なお,国内で実施された臨床試験において,65歳以上の高齢者での副作用は,116例中9例にみられた。
***妊産婦等への投与 [#r8eb4884]

妊婦,産婦,授乳婦等への投与
1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。[妊娠中期及び末期にアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与された高血圧症の患者で羊水過少症,胎児・新生児の死亡,新生児の低血圧,腎不全,高カリウム血症,頭蓋の形成不全及び羊水過少症によると推測される四肢の拘縮,頭蓋顔面の変形等があらわれたとの報告がある。]
2.授乳中の婦人に投与することを避け,やむを得ず投与する場合には,授乳を中止させること。[動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが認められている。]
***乳小児等への投与 [#h3d7a4b3]

小児等への投与
小児に対する安全性は確立していない。[使用経験がない。]
***その他の注意 [#k86e0e5d]

***過量投与 過量投与にみられる主な症状は過度の血圧低下である。これに対しては生理食塩液の静脈内投与等適切な処置を行うこと。

適用上の注意

薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により,硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し,更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]

その他の注意

インスリン又は経口血糖降下剤の投与中にアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与することにより,低血糖が起こりやすいとの報告がある。

臨床検査値への影響

薬効・薬理

1.アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害作用16)17)18)19)
(1).トランドラプリラートは,in vitroにおいて,ウサギ肺抽出ACEに対して強い阻害作用を示す。また,ラット摘出血管のアンジオテンシンIによる収縮を用量依存的に抑制する。
(2).ラットへの経口投与及びイヌへの静脈内投与で外因性のアンジオテンシンIによる昇圧反応を抑制し,ブラジキニンによる降圧反応を増強する。
(3).自然発症高血圧ラット(SHR)において,組織ACEを持続的に抑制する。特に大動脈のACEが持続的に抑制され,降圧作用と相関する。
2.降圧作用18)19)
(1).SHRに経口投与することにより,末しょう血管抵抗を減少させ,心拍数,心拍出量には影響を及ぼさずに強く持続的な降圧作用を示す。
(2).2腎1クリップGoldblatt型腎性高血圧(2K1C)ラットにおいて,1mg/kgの低用量で有意な降圧効果が認められ,その効果は24時間持続する。
(3).SHR,2K1Cラット及びイヌへの連続投与において,著明で安定した降圧効果が認められる。休薬後の血圧の回復は緩徐である。
(4).SHRにおいて,ヒドロクロロチアジドとの併用により降圧効果の増強が認められる。
3.降圧作用の持続性(トラフ/ピーク比)20):本態性高血圧症患者に本剤1mgあるいは2mgを二重盲検法にて1日1回2週間経口投与し,携帯型自動血圧測定(ABPM)によって求められたトラフ/ピーク比(T/P比)は,75〜100%であった(国外データ)。
4.その他の作用21)22)23):
(1).イヌにおいて有意なNa利尿作用を示す。
また,糖尿病性腎症ラットにおいて,尿タンパクの漏出を減少させ,BUNを低下させる。
(2).SHRにおいて,心肥大,血管肥厚を著明に抑制する。
**体内動態 [#bcc4b805]

1.血漿中濃度:
(1).単回投与1):
健康成人各6名に本剤0.5,1,2及び4mgを単回経口投与したとき,速やかに吸収され,活性体であるトランドラプリラートに加水分解された。
||トランドラプリル|トランドラプリラート|

tmax(h) 0.8〜1.1 2.8〜6.8
t1/2I※(h) 1.3〜2.5 5.8〜29.6
t1/2II※※(h) 1.3〜2.5 96.7〜187.7
Cmax(ng/mL) 0.53〜6.28 0.83〜9.94
AUC(ng・h/mL) 0.92〜9.36 22.84〜85.83※※※

※I相:tmax〜12h ※※II相:12〜168h ※※※:AUC0−24h
(注)本剤の4mg単回投与は承認外用量である。
血漿中トランドラプリラート濃度の推移
(図略)
(2).反復投与2):
健康成人各8名における本剤1mgを1日1回,7日間反復経口投与したときの薬物動態パラメータを次に示す。

トランドラプリル トランドラプリル トランドラプリラート トランドラプリラート
単回投与 連続投与7日目 単回投与 連続投与7日目
tmax(h) 1.3 1.3 4.6 3.9
t1/2(h) 0.5 0.9 67.0 18.0
Cmax(ng/mL) 1.39 1.68 1.17 3.33
AUC0−24h(ng・h/mL) 1.96 2.32 21.50 49.57

投与3日目以降のトランドラプリラートの投与直前値はほぼ一定であった。
(3).腎機能障害患者3)4):腎機能障害患者9例における本剤1mgを1日1回,7日間反復経口投与したときの薬物動態パラメータを次に示す。

トランドラプリル トランドラプリル トランドラプリラート トランドラプリラート
単回投与 連続投与7日目 単回投与 連続投与7日目
tmax(h) 1.8 2.2 11.3 5.6
t1/2(h) 3.3 3.3 45.0 16.6
Cmax(ng/mL) 1.89 1.54 2.48 6.69
AUC0−24h(ng・h/mL) 6.34 6.00 44.35 106.61

2.尿中排泄・代謝1):健康成人男子各6名に本剤0.5,1,2mgを単回経口投与したとき,投与24時間までの尿中総排泄率は,7.3〜16.3%と低く,主としてトランドラプリラートとして排泄された。
(参考)5):サルにおいて,トランドラプリル(40μg/kg)を単回静脈内投与し排泄について検討した。投与8時間後までに尿中に59.4%,胆汁中に40.6%が排泄された(トランドラプリルとトランドラプリラートの合計)。
臨床成績
6)7)8)9)10)11)12)13)14)15)
軽症・中等症本態性高血圧症患者を対象とした二重盲検比較試験(単独療法)の結果,本剤の有効性が認められた。また,二重盲検比較試験及び一般臨床試験では,総計492例で降圧効果が評価され,試験成績は,次のとおりであった。

対象 例数 ‘下降’以上の例数(降圧率)
軽症・中等症本態性高血圧(単独療法) 337 242(71.8%)
軽症・中等症本態性高血圧(併用療法) 89 72(80.9%)
重症高血圧症 30 25(83.3%)
腎障害を伴う高血圧症 36 23(63.9%)
492 362(73.6%)

会社名

販:日本新薬
製:アベンティスファーマ


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