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&bold(){735 名前:セロリ[sage] 投稿日:2009/06/28(日) 18:44:11 ID:4CdpOjCF} 「だから!ここはもう少し抑え目にしてさ!」 「なんだよ!私がそんなに目立ちたがり屋でお邪魔だって言うのかよ!」 「そんなこと言ってないでしょ!あー、もう馬鹿律!」 肩からベースを外し音楽室を出ていく澪。その様子を見ることなく私は下を向いていた。 「りっちゃん……」 心配そうに唯が話しかけてくれた。 「……ゴメン」 「私に謝ったってしょうがないよ。その言葉は澪ちゃんにとっておいてあげて」 「うん……」 「私たちで良かったら話聴くよ」 私たちはいつもティータイムで囲む机に一人欠けた状態で座った。 そして音楽室に流れる重い空気を破るため、私は話し出した。 「唯たちはもうわかってると思うけどさ、澪と私って正反対みたいな性格してるだろ。  澪はああ見えてかなり繊細。それに比べて私は、勢いで行っちゃえって性格じゃん?  だからさ、考え方が違うってことがよくあるんだ。それが演奏にも出ちゃってさ、  私はちょっとぐらいずれてても勢いで行こうぜ、って思うけど、澪はできるだけ完璧な演奏を求めるんだ。  私と澪って二人揃ってリズム隊っていわれるパートだから、考え方にズレがあっちゃいけないんだろうけどさ。  私ってそんな毎日真面目に練習してるわけじゃないから、澪にも積もるものがあったんだろうな。  そんなのわかりきってることなのに、あんな言い方しちゃって。ホント何やってんだろ、私?」   唯たちは何も言わず私の話を聴いてくれていたが、突然聞こえた扉の開く音に初めて声を出した。 「あ、澪ちゃん」 唯の言葉に私は扉のほうへ顔を向けた。そこには澪がうつむいたまま立っていた。 「澪……」 二人の間を流れる沈黙に唯が突然入り込んできた。 「あ、私たち用事思い出したからちょっと出てくね」 唯たちのわかりやすいウソが逆にありがたかった。これは二人で何とかしないといけない問題だ。 澪の横を通り過ぎ、澪から見えない位置で私へ向けて親指を立てる唯。頑張れってことか、わかってるよ、そんなこと。 何も言わず私の目の前の席に座る澪。お互い何か言わなきゃいけないことはわかってるが、きっかけが掴めない。 ついに耐えきれず私から話し出した。 「ゴメン……言い過ぎた。あのあと唯たちに気持ちを話してて思ったんだ。  やっぱ私は澪と演奏するのが好きなんだ。だからこれからはちゃんと練習するし、澪の理想に少しでも近づきたいと思う」 私の言葉が終わると再び沈黙が音楽室を包んだ。しばらくして澪が口を開いた。 「私のほうこそゴメン。あんなに感情的になっちゃって」 そのあと澪が続けた言葉は私が全く予想していない内容だった。 「律は今までのままでいいよ。いや、もちろん練習はちゃんとしてほしいけどさ、  そこで律の気持ちを押さえつけちゃうと、律が律じゃなくなっちゃう気がするんだ。  私はドラマ―なら誰でもいいわけじゃない。律っていうドラマーと一緒にやっていきたいんだ」 思いがけない澪の言葉に真っ赤になる私の顔。その顔を見られまいと私は音楽室を出ていく口実を必死で考えた。 「じゃ、じゃあそろそろ唯たちの用事も終わっただろうから、私呼んでくる。そしたらまた練習頑張ろう」 音楽室を出ていく私の背中に澪が優しい声で語りかけた。 「うん、一緒に頑張ろう、私の相方」 ※モチーフ曲 「セロリ」/作詞:山崎まさよし >出典 >【けいおん!】田井中律は前髪可愛い30【ドラム】
&bold(){735 名前:セロリ[sage] 投稿日:2009/06/28(日) 18:44:11 ID:4CdpOjCF} 「だから!ここはもう少し抑え目にしてさ!」 「なんだよ!私がそんなに目立ちたがり屋でお邪魔だって言うのかよ!」 「そんなこと言ってないでしょ!あー、もう馬鹿律!」 肩からベースを外し音楽室を出ていく澪。その様子を見ることなく私は下を向いていた。 「りっちゃん……」 心配そうに唯が話しかけてくれた。 「……ゴメン」 「私に謝ったってしょうがないよ。その言葉は澪ちゃんにとっておいてあげて」 「うん……」 「私たちで良かったら話聴くよ」 私たちはいつもティータイムで囲む机に一人欠けた状態で座った。 そして音楽室に流れる重い空気を破るため、私は話し出した。 「唯たちはもうわかってると思うけどさ、澪と私って正反対みたいな性格してるだろ。  澪はああ見えてかなり繊細。それに比べて私は、勢いで行っちゃえって性格じゃん?  だからさ、考え方が違うってことがよくあるんだ。それが演奏にも出ちゃってさ、  私はちょっとぐらいずれてても勢いで行こうぜ、って思うけど、澪はできるだけ完璧な演奏を求めるんだ。  私と澪って二人揃ってリズム隊っていわれるパートだから、考え方にズレがあっちゃいけないんだろうけどさ。  私ってそんな毎日真面目に練習してるわけじゃないから、澪にも積もるものがあったんだろうな。  そんなのわかりきってることなのに、あんな言い方しちゃって。ホント何やってんだろ、私?」   唯たちは何も言わず私の話を聴いてくれていたが、突然聞こえた扉の開く音に初めて声を出した。 「あ、澪ちゃん」 唯の言葉に私は扉のほうへ顔を向けた。そこには澪がうつむいたまま立っていた。 「澪……」 二人の間を流れる沈黙に唯が突然入り込んできた。 「あ、私たち用事思い出したからちょっと出てくね」 唯たちのわかりやすいウソが逆にありがたかった。これは二人で何とかしないといけない問題だ。 澪の横を通り過ぎ、澪から見えない位置で私へ向けて親指を立てる唯。頑張れってことか、わかってるよ、そんなこと。 何も言わず私の目の前の席に座る澪。お互い何か言わなきゃいけないことはわかってるが、きっかけが掴めない。 ついに耐えきれず私から話し出した。 「ゴメン……言い過ぎた。あのあと唯たちに気持ちを話してて思ったんだ。  やっぱ私は澪と演奏するのが好きなんだ。だからこれからはちゃんと練習するし、澪の理想に少しでも近づきたいと思う」 私の言葉が終わると再び沈黙が音楽室を包んだ。しばらくして澪が口を開いた。 「私のほうこそゴメン。あんなに感情的になっちゃって」 そのあと澪が続けた言葉は私が全く予想していない内容だった。 「律は今までのままでいいよ。いや、もちろん練習はちゃんとしてほしいけどさ、  そこで律の気持ちを押さえつけちゃうと、律が律じゃなくなっちゃう気がするんだ。  私はドラマ―なら誰でもいいわけじゃない。律っていうドラマーと一緒にやっていきたいんだ」 思いがけない澪の言葉に真っ赤になる私の顔。その顔を見られまいと私は音楽室を出ていく口実を必死で考えた。 「じゃ、じゃあそろそろ唯たちの用事も終わっただろうから、私呼んでくる。そしたらまた練習頑張ろう」 音楽室を出ていく私の背中に澪が優しい声で語りかけた。 「うん、一緒に頑張ろう、私の相方」 ※モチーフ曲 「セロリ」/作詞:山崎まさよし >出典 >【けいおん!】田井中律は前髪可愛い30【ドラム】 このSSの感想をどうぞ #comment_num2(below,log=コメント/セロリ -律side-)

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