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学校帰りに立ち寄った百均で購入したライターと灰皿。 そしてカバンの中には…。 聡「なんかドキドキするな…」 親友から貰った数本のタバコ。 話を聞くと、知り合いの先輩が勧めてくれたらしい。 箱から一本取り出し、口にくわえる …本当にこんなことをしていいのだろうか? なかなか着火作業に移行できない。 これが良心の呵責というやつか。 聡「とりあえずジュースでも飲むか」 昂った気分を落ち着かせるため、台所へ行く。 冷蔵庫の中にはポカリと…ケーキがある。 聡「腹減ったし、食っちゃうか」 二個あったケーキを胃袋に収め、ジュースで喉を潤し部屋に戻る。 &nowiki(){* * * * *} 澪「ったく、テスト勉強くらい一人でやったらどうなんだ?」 律「ふえ〜ん、みおしゃんの意地悪ぅ…」 澪「ゆ、唯は今回こそ自分で頑張るって言ってたぞ(たぶん無理だろうけど…)」 律「うちの冷蔵庫の中にガトーショコラあるんだけど…」 澪「っ…、わかったよ。今回だけ特別だからな!」 律(計算通り♪) 澪という強力な武器を携えて律は帰宅した。 律「たっだいまー!」 澪「おじゃましまーす」 &nowiki(){* * * * *} 聡「やばい、姉ちゃんが帰ってきた…」 不意に聞こえてきた玄関の開放音に狼狽する。 もし、このまま俺の部屋に入ってきたら…。 でも、澪さんの声も聞こえた。 おそらく姉ちゃんの部屋でテスト勉強でもするのだろう。 ならば、よっぽどのことがない限りここに侵入してくることはないハズだ。 &nowiki(){* * * * *} 律「ない…。ガトーショコラがない!」 澪「嘘をついてまで私に頼るつもりだったのか?」 律「……」 澪「おい、律っ!」 律「あいつか…」 澪「…へ?」 刹那、律は猛然と走りだした。行先は聡の部屋…。 律「くぉらーっ!聡ぃーっ!!」 &nowiki(){* * * * *} 聡「えっ?な、なんで!?」 姉ちゃんが俺の名前を叫びながら階段を上がってくる。 なんかしたっけ? …しまった。さっき食べたケーキか。 だが、今はそれよりもここにあるタバコセット一式をなんとかしなければ。 どこかに隠さなきゃ。どこがいい…。 ベッドの下…。 バタンッ!! 律「聡っ!観念しなさい!!」 聡「ノ、ノックくらいしろよ!」 タッチの差で間に合わなかった。 ベッドの下に隠す瞬間をほんの一瞬ではあるが、姉ちゃんに目撃されてしまった。 律「ベッドの下に隠した物を返しな。食べ物の恨みは恐ろしいんだからね!」 聡「し、知らねーよ!なんの話だよ?」 律「しらばっくれようったってそうはいかないからね!そこをどけーい!!」 聡「やめろよっ!やめろって!!」 律「ガトーショコラ奪か…ん?」 聡「っ……」 律「…ねぇ聡。これなぁに?」 &nowiki(){* * * * *} 聡「そ、それは、その…」 律「こっち向いて」 抑揚のない律の声が重なる。 澪「おーい律。どうしたんだよ急に…」 パシンッ!! 澪「!?」 聡「……」 律「私がビンタした理由、わかるよね?」 澪「ち、ちょっと律!なにして…」 律「澪は黙ってて!」 澪「え?で、でも…」 澪は律の手に握られていた物に気がついた。 澪(タバコ…。嘘、聡くんが?) 律「あんたはそんな男じゃないって信じてたのに…。ハハッ、裏切られた気分だよ」 聡「……」 律「正直に答えて。これは自分で買ったの?」 聡「……」 律「それとも誰かから貰ったの?」 聡は黙して語ろうとはしなかった。 律「…黙ってないで」 澪「律…」 律「黙ってないで、なにか言いなさいよ!!」 パシンッ!! 律は再び聡の頬を張った。 律「あんたみたいな弟を持って、私は悲しいよ!!」 聡「……」 律「どうして?どうしてなの!?」 律の目元にうっすらと光る物が滲み出ていた。 もちろん澪がそれを見逃すことはなかった。 律「もう…、もう知らない!あんたなんか弟じゃないっ!!」 平手打ちの体勢に入る律。 &nowiki(){* * * * *} 澪「待って律!!」 咄嗟に両者の間に割り込み、澪は律の腕を押さえた。 律「放して!放してよ澪っ!!」 澪「落ち着いて。ね、落ち着こうよ」 律「放し…ひぐっ、放してよぉ…」 溢れ出す感情を抑えきれなかったのか、とうとう律はその場に泣き崩れてしまった。 澪「あとは私に任せて。大丈夫、大丈夫だから」 律「みお…、みお…」 取り乱した律を慰めた澪は、呆けた表情をしている聡に視線を向けた。 澪「聡くん。お姉ちゃんの言ってること、わかるよね?」 聡「……」 澪「お姉ちゃんが泣いてる理由も、わかるよね?」 聡は黙っている。しかし、コクリと頷いた。 澪「私はね、聡くんがタバコに興味を持った理由なんて知らないよ。でもね…」 聡「……」 澪「なんの考えもなしに安易な理由で手を出すのは絶対に間違ってる」 聡「……」 澪「それで結局損をするのは誰だと思う?他ならぬ自分自身なんだよ」 聡「……」 澪「それだけじゃない。今律がこうやって泣いてるように、聡くんのお父さんやお母さんだって…」 聡「…ったんです」 澪「なぁに?話してごらん」 聡「断ることができなかったんです…。親友からの勧めだったから、俺、断れなくて…」 澪「そっか…」 聡「でも…、でも…。すごく怖くて。火をつけることができなくて…」 聡の偽らざる本音を、澪も、泣きじゃくっている律もしっかりと聞いていた。 聡「だから…グス、俺…」 澪「うん、わかった。よく話してくれたね」 律「……」 澪「誘惑に負けずに吸わなかったのは偉いよ。だってここの部屋、煙の匂いがしないもんね」 聡「……」 澪は聡の赤く腫れあがった頬に手を添える。 澪「ほっぺ、まだ痛む?」 聡「はい…」 澪「これはね、お姉ちゃんが感じている心の痛みなんだよ」 律「みお…」 澪「聡くんだって、今ここがすごく痛いでしょ?」 聡の胸板に手を置く澪。 涙を流し、ひたすら頷く聡。 澪「よし!それを聞いて安心したよ」 聡「本当に…、本当にゴメ…」 澪「待って。それはお姉ちゃんに言ってあげて」 澪は一歩下がり、聡は律を正面に見据えた。 律も涙を拭い、聡をしっかりと見つめる。 律「聡…」 聡「姉ちゃん…、俺…」 律「……」 聡「もう絶対…、こんなマネはしない!」 床に転がっていたタバコの箱を掴み、聡はそれを握りつぶしてゴミ箱に放り投げた。 聡「ゴメンなさい。ゴメンなさい、姉ちゃん…」 律「聡っ…」 律は、泣きながら謝罪の言葉を述べる弟をそっと抱き寄せた。 聡「ゴメンなさい…」 律「私こそ…グスッ、ゴメンね。あんなひどいこと言っちゃって…」 聡「約束するよ…。俺、もっと強くなるから…」 律「うん…、約束だぞ」 窓に映る景色は、徐々に夜の姿へと変わっていった。 &nowiki(){* * * * *} 律「ゴメンな。テスト勉強するとか言って、こんなことになっちゃってさ…」 澪「うぅん、気にしてないよ。また明日来るから」 律「聡…、大丈夫だよな?」 澪「まったく…。身内のお前が信じてあげなくてどうするんだ?」 律「そうだよね。私がしっかり支えてあげなきゃね」 澪「…でも、あれが思春期の難しさなんだよな。揺れやすくて壊れやすい心」 律「うん。だからもっと知りたくなった。聡の考えていることとかさ」 澪「それがいいと思う。もっともっと絆を深めるためにもね」 律「澪にも感謝してるよ。助けてくれてありがとな」 澪「ぷっ。なんかお前から感謝の言葉を言われると背中が痒くなる」 律「んなっ…。私は本気で…」 澪「あはははは、ゴメンゴメン。じゃあ、また明日な」 律「まったくぅ。じゃ、気をつけてな」 聡は今後も色々と悩むことがあるだろう。 そんな時に私が手を差し伸べて、少しでも力になれれば、と強く思う。 この香り…。今日の晩御飯はキャベツがたっぷり添えられたトンカツに違いない。 律「さーとしー!ごはんだぞー!!」 聡「待ってー!今行くー!!」 >出展 >【けいおん!】田井中律はスイカうめぇ37【ドラム】
学校帰りに立ち寄った百均で購入したライターと灰皿。 そしてカバンの中には…。 聡「なんかドキドキするな…」 親友から貰った数本のタバコ。 話を聞くと、知り合いの先輩が勧めてくれたらしい。 箱から一本取り出し、口にくわえる …本当にこんなことをしていいのだろうか? なかなか着火作業に移行できない。 これが良心の呵責というやつか。 聡「とりあえずジュースでも飲むか」 昂った気分を落ち着かせるため、台所へ行く。 冷蔵庫の中にはポカリと…ケーキがある。 聡「腹減ったし、食っちゃうか」 二個あったケーキを胃袋に収め、ジュースで喉を潤し部屋に戻る。 &nowiki(){* * * * *} 澪「ったく、テスト勉強くらい一人でやったらどうなんだ?」 律「ふえ〜ん、みおしゃんの意地悪ぅ…」 澪「ゆ、唯は今回こそ自分で頑張るって言ってたぞ(たぶん無理だろうけど…)」 律「うちの冷蔵庫の中にガトーショコラあるんだけど…」 澪「っ…、わかったよ。今回だけ特別だからな!」 律(計算通り♪) 澪という強力な武器を携えて律は帰宅した。 律「たっだいまー!」 澪「おじゃましまーす」 &nowiki(){* * * * *} 聡「やばい、姉ちゃんが帰ってきた…」 不意に聞こえてきた玄関の開放音に狼狽する。 もし、このまま俺の部屋に入ってきたら…。 でも、澪さんの声も聞こえた。 おそらく姉ちゃんの部屋でテスト勉強でもするのだろう。 ならば、よっぽどのことがない限りここに侵入してくることはないハズだ。 &nowiki(){* * * * *} 律「ない…。ガトーショコラがない!」 澪「嘘をついてまで私に頼るつもりだったのか?」 律「……」 澪「おい、律っ!」 律「あいつか…」 澪「…へ?」 刹那、律は猛然と走りだした。行先は聡の部屋…。 律「くぉらーっ!聡ぃーっ!!」 &nowiki(){* * * * *} 聡「えっ?な、なんで!?」 姉ちゃんが俺の名前を叫びながら階段を上がってくる。 なんかしたっけ? …しまった。さっき食べたケーキか。 だが、今はそれよりもここにあるタバコセット一式をなんとかしなければ。 どこかに隠さなきゃ。どこがいい…。 ベッドの下…。 バタンッ!! 律「聡っ!観念しなさい!!」 聡「ノ、ノックくらいしろよ!」 タッチの差で間に合わなかった。 ベッドの下に隠す瞬間をほんの一瞬ではあるが、姉ちゃんに目撃されてしまった。 律「ベッドの下に隠した物を返しな。食べ物の恨みは恐ろしいんだからね!」 聡「し、知らねーよ!なんの話だよ?」 律「しらばっくれようったってそうはいかないからね!そこをどけーい!!」 聡「やめろよっ!やめろって!!」 律「ガトーショコラ奪か…ん?」 聡「っ……」 律「…ねぇ聡。これなぁに?」 &nowiki(){* * * * *} 聡「そ、それは、その…」 律「こっち向いて」 抑揚のない律の声が重なる。 澪「おーい律。どうしたんだよ急に…」 パシンッ!! 澪「!?」 聡「……」 律「私がビンタした理由、わかるよね?」 澪「ち、ちょっと律!なにして…」 律「澪は黙ってて!」 澪「え?で、でも…」 澪は律の手に握られていた物に気がついた。 澪(タバコ…。嘘、聡くんが?) 律「あんたはそんな男じゃないって信じてたのに…。ハハッ、裏切られた気分だよ」 聡「……」 律「正直に答えて。これは自分で買ったの?」 聡「……」 律「それとも誰かから貰ったの?」 聡は黙して語ろうとはしなかった。 律「…黙ってないで」 澪「律…」 律「黙ってないで、なにか言いなさいよ!!」 パシンッ!! 律は再び聡の頬を張った。 律「あんたみたいな弟を持って、私は悲しいよ!!」 聡「……」 律「どうして?どうしてなの!?」 律の目元にうっすらと光る物が滲み出ていた。 もちろん澪がそれを見逃すことはなかった。 律「もう…、もう知らない!あんたなんか弟じゃないっ!!」 平手打ちの体勢に入る律。 &nowiki(){* * * * *} 澪「待って律!!」 咄嗟に両者の間に割り込み、澪は律の腕を押さえた。 律「放して!放してよ澪っ!!」 澪「落ち着いて。ね、落ち着こうよ」 律「放し…ひぐっ、放してよぉ…」 溢れ出す感情を抑えきれなかったのか、とうとう律はその場に泣き崩れてしまった。 澪「あとは私に任せて。大丈夫、大丈夫だから」 律「みお…、みお…」 取り乱した律を慰めた澪は、呆けた表情をしている聡に視線を向けた。 澪「聡くん。お姉ちゃんの言ってること、わかるよね?」 聡「……」 澪「お姉ちゃんが泣いてる理由も、わかるよね?」 聡は黙っている。しかし、コクリと頷いた。 澪「私はね、聡くんがタバコに興味を持った理由なんて知らないよ。でもね…」 聡「……」 澪「なんの考えもなしに安易な理由で手を出すのは絶対に間違ってる」 聡「……」 澪「それで結局損をするのは誰だと思う?他ならぬ自分自身なんだよ」 聡「……」 澪「それだけじゃない。今律がこうやって泣いてるように、聡くんのお父さんやお母さんだって…」 聡「…ったんです」 澪「なぁに?話してごらん」 聡「断ることができなかったんです…。親友からの勧めだったから、俺、断れなくて…」 澪「そっか…」 聡「でも…、でも…。すごく怖くて。火をつけることができなくて…」 聡の偽らざる本音を、澪も、泣きじゃくっている律もしっかりと聞いていた。 聡「だから…グス、俺…」 澪「うん、わかった。よく話してくれたね」 律「……」 澪「誘惑に負けずに吸わなかったのは偉いよ。だってここの部屋、煙の匂いがしないもんね」 聡「……」 澪は聡の赤く腫れあがった頬に手を添える。 澪「ほっぺ、まだ痛む?」 聡「はい…」 澪「これはね、お姉ちゃんが感じている心の痛みなんだよ」 律「みお…」 澪「聡くんだって、今ここがすごく痛いでしょ?」 聡の胸板に手を置く澪。 涙を流し、ひたすら頷く聡。 澪「よし!それを聞いて安心したよ」 聡「本当に…、本当にゴメ…」 澪「待って。それはお姉ちゃんに言ってあげて」 澪は一歩下がり、聡は律を正面に見据えた。 律も涙を拭い、聡をしっかりと見つめる。 律「聡…」 聡「姉ちゃん…、俺…」 律「……」 聡「もう絶対…、こんなマネはしない!」 床に転がっていたタバコの箱を掴み、聡はそれを握りつぶしてゴミ箱に放り投げた。 聡「ゴメンなさい。ゴメンなさい、姉ちゃん…」 律「聡っ…」 律は、泣きながら謝罪の言葉を述べる弟をそっと抱き寄せた。 聡「ゴメンなさい…」 律「私こそ…グスッ、ゴメンね。あんなひどいこと言っちゃって…」 聡「約束するよ…。俺、もっと強くなるから…」 律「うん…、約束だぞ」 窓に映る景色は、徐々に夜の姿へと変わっていった。 &nowiki(){* * * * *} 律「ゴメンな。テスト勉強するとか言って、こんなことになっちゃってさ…」 澪「うぅん、気にしてないよ。また明日来るから」 律「聡…、大丈夫だよな?」 澪「まったく…。身内のお前が信じてあげなくてどうするんだ?」 律「そうだよね。私がしっかり支えてあげなきゃね」 澪「…でも、あれが思春期の難しさなんだよな。揺れやすくて壊れやすい心」 律「うん。だからもっと知りたくなった。聡の考えていることとかさ」 澪「それがいいと思う。もっともっと絆を深めるためにもね」 律「澪にも感謝してるよ。助けてくれてありがとな」 澪「ぷっ。なんかお前から感謝の言葉を言われると背中が痒くなる」 律「んなっ…。私は本気で…」 澪「あはははは、ゴメンゴメン。じゃあ、また明日な」 律「まったくぅ。じゃ、気をつけてな」 聡は今後も色々と悩むことがあるだろう。 そんな時に私が手を差し伸べて、少しでも力になれれば、と強く思う。 この香り…。今日の晩御飯はキャベツがたっぷり添えられたトンカツに違いない。 律「さーとしー!ごはんだぞー!!」 聡「待ってー!今行くー!!」 >出展 >【けいおん!】田井中律はスイカうめぇ37【ドラム】 #comment_num2(below,log=コメント/ダメ!ゼッタイ!)

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