「律「バイハザ!」裏ファイル1 ~紬編~」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら
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この物語は表では語られなかった話にスポットライトを当てるものです。
もう 一つのバイハザ!へようこそ
--------------------------------------------------------
それはバイオハザード発生の翌日に遡る─────
紬邸
コンコン
紬「失礼しますわお父様。今度の合宿の件なんですけど出来れば一番大きな別荘を…」
父親の書斎を訪れた紬だったがそこには先に先客がおり何やら話込んでいる
紬父「すまんな紬、今取り込んでる最中だ。それにその手のことに関しては全て斎藤に任してあるだろう。彼にいいなさい」
紬「はい……。あっ、あの……」
紬父「まだ何かあるのか?」
紬「今日…何の日かご存知ですか?」
紬父「ん?あぁ、そう言えばお前の誕生日だったな。」
紬「!お父様…覚えててくださって…」
紬父「お前がわざわざ構って欲しそうにこんな所に来るからまさかとは思ったが。まさか本当にそうだとはな」ハッハッハ
紬「……」
紬父「おめでとう紬。」
紬「────ありがとうございます」
バタン……
書斎の扉を閉めもたれ掛かる。
紬「なんで…こんな…」
「……予定……したに……ました」
中から何かが聞こえる…また仕事の話だろうか。あの忌まわしい…。
「あぁ……うだ、明日この街で代4回目の実験を開始する。」
紬「!?」
耳を当てて聞き入る紬
「しかしいいのですか?娘さんは…」
「私もさすがにそこまで悪い親ではないさ。明日の朝紬と家内には少し外へ出ていてもらう。そう斎藤に計らわすさ」
「とてもそうは思えませんけどね…先ほどの会話だって…」
紬「っ!」
紬は耳を扉から離し一目散に駆ける
紬「(聞きたくない…お父様の声なんて…もうっ…)」
「娘には嘘はつきたくないからだ。ありのままの私を見てほしい。紬は良い子だ、だから親の私のようになって欲しくはないのだよ」
「親心……ですか」
ヒック……ヒック……
また、あんなことをするんですね……お父様は…しかも今度は…この街で…
紬「唯ちゃん…りっちゃん…澪ちゃん…梓ちゃん…」
このままじゃみんなが死んでしまう…。
紬「私がみんなを守らないと……!」
早速行動に移す
紬「斎藤!斎藤はいる?」
斎藤「はっ!ここに」
紬「今から言う材料を持って来て。ケーキをつくるわ」
斎藤「はっ!」
紬「ゴニョゴニョゴニョ」
斎藤「はっ?ゴニョゴニョゴニョ?何言ってるんですか紬様!日本語でお願いします!」
紬「ニュアンスでわかるでしょ……普通」
斎藤「すみません…私空気だけは未だに読めないもので…」
紬「他は何でも出来るのにね…」
斎藤「では、あれを持って来ます」
紬「えぇ、お願いね。後このことはお父様にはご内密に」
斎藤「はっ、御意のままに」
紬「これで最悪の事態は免れる…」
後はここをどう脱出するかだけど…。ここのヘリを使うにしても誰も運転出来る人がいない…
でも斎藤なら…。きっとわかってくれるわ…斎藤なら
それがお父様に歯向かうことだとしても
翌朝、バイオハザード当日
紬「よし…出来た」
寝ずに徹夜で作った対Tウイルスの抗体入りケーキ……
これを食べれば空気感染は避けられる…。
ケーキをいつも通りラッピングし学校へ行く準備をする。
部屋を出ると斎藤がいた。私の行動を察したのか複雑な表情をしていた。
斎藤「紬お嬢様、いくら空気が読めない私でもわかります…」
紬「斎藤…。」
斎藤「」ケーキに抗体ウイルス剤など入れても美味しくなりませんよ?
紬「……」
この空気の読めなさは究極だ……
紬「斎藤、あなた知っているんでしょう?私が友達を逃がそうとしていることも…バイオハザードから生き残りを出してはいけないことも」
斎藤「紬お嬢様、私は空気が読めません。だからお嬢様が何をしたいのかも存じません。なのでお嬢様が考えていられることは杞憂です」
紬「斎藤…」
斎藤「ちなみに自分は夕方からどこへでも行けます。暇ですから」
紬「ありがとう…斎藤。じゃあ行ってくるわね」
斎藤「行ってらっしゃいませ、お嬢さ……ガハッ……グゥォ……」
紬「斎藤?」
斎藤「逃げ…てください…お嬢様…」
えっ…
斎藤「ぐ、オォォォォォ!」
紬「い、一体何が…」
紬父「ふん…任務を忘れ私情に走るのは若い者の悪い癖だな、お前もそうは思わんか?」
紬「お父様…何故」
紬父「私の使用人、特にお前の側近には少し工夫がしてあってな。紬、斎藤の首スジを見てみなさい」
言われるがままに紬は斎藤の首の後ろ、脊椎の辺りを見てみる…すると
紬「なに…これ…」
首の後ろに紫色の何かが蠢いている
紬父「通称ネメシス、Tウイルスの上を行くものだ」
斎藤「ウグォォォぉぉぉ……オジョ……ウサマ…にげてくださ…」
紬「斎藤!」
紬父「ほぉ…これは驚いた。このネメシスに抵抗出来るとはな。さすがは私が見込んで紬の側近にしただけはある。だがいつまで持つかな?」
斎藤「グワアアアアア!グォォォォォ…オジョウサマ…ハヤク…」
紬「斎藤……」
斎藤「オジョウサマにツカエタコノ10ネンカン……ホントウニタノシカッ……」
紬「斎藤……」
斎藤「ウォォォ!はあ…はあ……お友達を、守ってあげてください。紬お嬢様。何より、あなたの為に」
バタン…
前のめりに倒れ込む斎藤。
紬父「こいつは驚いた。最後には完璧に自我を取り戻すとはな。しかしネメシスの支配に逆らったが故に死んだか。思えば惜しい男を亡くしたな。しかし失敗作だなネメシスは。これからまだまだ調整せねば」
紬「……」
紬父「紬、学校へはいかなくていい。お母さんと一緒にパリの別荘へ行きなさい。私も後で行く」
紬「……ま何なんて……」
紬父「なんだ?つむ(ry」
紬「お父様何か死んでしまえ!」
グサッ……
紬父「なっ……んだ……と」
紬「はあ…はあ…はあ…」
護身用に持っていた短刀で、紬が父の心臓を突き刺した。
滴り落ちる血を見てようやく正気に戻った紬
紬「お父様…私…」
紬父「ふふ…ゴホッ…父が憎かったか、紬」
紬「ただ…私…夢中になって…」
紬父「私が死…んでもバイオハザードは…実行される…、所詮は本部が決めたことだ…。紬、父を憎め…そして私の様には…決してなるな」
紬「お父様…?」
紬父「必ず……生きて、……幸せに……」
ガクッ…ドン…
膝をつき力なく倒れる。あぁ、私は何てことをしてしまったんだろう
今頃気づいてもすべては遅かった
そう、既に時は動き初めている。
ナイフを拭き鞘に納める。
父の死体を机の下に移動させる。
斎藤の死体も一緒に…
幸いこの部屋には人がほとんど来ない…。
お父様が気に入っていた暖炉がある部屋…。
制服も新しいのに着替えないと、血がいっぱいついた
最後に何であんな優しいことを言ったのだろう。まるで昔のお父様みたいだった…
でも、やったことは許されることじゃない
私はみんなを守るためなら親だって殺すの…それぐらいみんなのことが大事
だからみんなも私を大切にしてほしいの
私はただ、愛されたかっただけなのかもしれない
この物語は表では語られなかった話にスポットライトを当てるものです。
もう 一つのバイハザ!へようこそ
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それはバイオハザード発生の翌日に遡る─────
紬邸
コンコン
紬「失礼しますわお父様。今度の合宿の件なんですけど出来れば一番大きな別荘を…」
父親の書斎を訪れた紬だったがそこには先に先客がおり何やら話込んでいる
紬父「すまんな紬、今取り込んでる最中だ。それにその手のことに関しては全て斎藤に任してあるだろう。彼にいいなさい」
紬「はい……。あっ、あの……」
紬父「まだ何かあるのか?」
紬「今日…何の日かご存知ですか?」
紬父「ん?あぁ、そう言えばお前の誕生日だったな。」
紬「!お父様…覚えててくださって…」
紬父「お前がわざわざ構って欲しそうにこんな所に来るからまさかとは思ったが。まさか本当にそうだとはな」ハッハッハ
紬「……」
紬父「おめでとう紬。」
紬「────ありがとうございます」
バタン……
書斎の扉を閉めもたれ掛かる。
紬「なんで…こんな…」
「……予定……したに……ました」
中から何かが聞こえる…また仕事の話だろうか。あの忌まわしい…。
「あぁ……うだ、明日この街で代4回目の実験を開始する。」
紬「!?」
耳を当てて聞き入る紬
「しかしいいのですか?娘さんは…」
「私もさすがにそこまで悪い親ではないさ。明日の朝紬と家内には少し外へ出ていてもらう。そう斎藤に計らわすさ」
「とてもそうは思えませんけどね…先ほどの会話だって…」
紬「っ!」
紬は耳を扉から離し一目散に駆ける
紬「(聞きたくない…お父様の声なんて…もうっ…)」
「娘には嘘はつきたくないからだ。ありのままの私を見てほしい。紬は良い子だ、だから親の私のようになって欲しくはないのだよ」
「親心……ですか」
ヒック……ヒック……
また、あんなことをするんですね……お父様は…しかも今度は…この街で…
紬「唯ちゃん…りっちゃん…澪ちゃん…梓ちゃん…」
このままじゃみんなが死んでしまう…。
紬「私がみんなを守らないと……!」
早速行動に移す
紬「斎藤!斎藤はいる?」
斎藤「はっ!ここに」
紬「今から言う材料を持って来て。ケーキをつくるわ」
斎藤「はっ!」
紬「ゴニョゴニョゴニョ」
斎藤「はっ?ゴニョゴニョゴニョ?何言ってるんですか紬様!日本語でお願いします!」
紬「ニュアンスでわかるでしょ……普通」
斎藤「すみません…私空気だけは未だに読めないもので…」
紬「他は何でも出来るのにね…」
斎藤「では、あれを持って来ます」
紬「えぇ、お願いね。後このことはお父様にはご内密に」
斎藤「はっ、御意のままに」
紬「これで最悪の事態は免れる…」
後はここをどう脱出するかだけど…。ここのヘリを使うにしても誰も運転出来る人がいない…
でも斎藤なら…。きっとわかってくれるわ…斎藤なら
それがお父様に歯向かうことだとしても
翌朝、バイオハザード当日
紬「よし…出来た」
寝ずに徹夜で作った対Tウイルスの抗体入りケーキ……
これを食べれば空気感染は避けられる…。
ケーキをいつも通りラッピングし学校へ行く準備をする。
部屋を出ると斎藤がいた。私の行動を察したのか複雑な表情をしていた。
斎藤「紬お嬢様、いくら空気が読めない私でもわかります…」
紬「斎藤…。」
斎藤「」ケーキに抗体ウイルス剤など入れても美味しくなりませんよ?
紬「……」
この空気の読めなさは究極だ……
紬「斎藤、あなた知っているんでしょう?私が友達を逃がそうとしていることも…バイオハザードから生き残りを出してはいけないことも」
斎藤「紬お嬢様、私は空気が読めません。だからお嬢様が何をしたいのかも存じません。なのでお嬢様が考えていられることは杞憂です」
紬「斎藤…」
斎藤「ちなみに自分は夕方からどこへでも行けます。暇ですから」
紬「ありがとう…斎藤。じゃあ行ってくるわね」
斎藤「行ってらっしゃいませ、お嬢さ……ガハッ……グゥォ……」
紬「斎藤?」
斎藤「逃げ…てください…お嬢様…」
えっ…
斎藤「ぐ、オォォォォォ!」
紬「い、一体何が…」
紬父「ふん…任務を忘れ私情に走るのは若い者の悪い癖だな、お前もそうは思わんか?」
紬「お父様…何故」
紬父「私の使用人、特にお前の側近には少し工夫がしてあってな。紬、斎藤の首スジを見てみなさい」
言われるがままに紬は斎藤の首の後ろ、脊椎の辺りを見てみる…すると
紬「なに…これ…」
首の後ろに紫色の何かが蠢いている
紬父「通称ネメシス、Tウイルスの上を行くものだ」
斎藤「ウグォォォぉぉぉ……オジョ……ウサマ…にげてくださ…」
紬「斎藤!」
紬父「ほぉ…これは驚いた。このネメシスに抵抗出来るとはな。さすがは私が見込んで紬の側近にしただけはある。だがいつまで持つかな?」
斎藤「グワアアアアア!グォォォォォ…オジョウサマ…ハヤク…」
紬「斎藤……」
斎藤「オジョウサマにツカエタコノ10ネンカン……ホントウニタノシカッ……」
紬「斎藤……」
斎藤「ウォォォ!はあ…はあ……お友達を、守ってあげてください。紬お嬢様。何より、あなたの為に」
バタン…
前のめりに倒れ込む斎藤。
紬父「こいつは驚いた。最後には完璧に自我を取り戻すとはな。しかしネメシスの支配に逆らったが故に死んだか。思えば惜しい男を亡くしたな。しかし失敗作だなネメシスは。これからまだまだ調整せねば」
紬「……」
紬父「紬、学校へはいかなくていい。お母さんと一緒にパリの別荘へ行きなさい。私も後で行く」
紬「……ま何なんて……」
紬父「なんだ?つむ(ry」
紬「お父様何か死んでしまえ!」
グサッ……
紬父「なっ……んだ……と」
紬「はあ…はあ…はあ…」
護身用に持っていた短刀で、紬が父の心臓を突き刺した。
滴り落ちる血を見てようやく正気に戻った紬
紬「お父様…私…」
紬父「ふふ…ゴホッ…父が憎かったか、紬」
紬「ただ…私…夢中になって…」
紬父「私が死…んでもバイオハザードは…実行される…、所詮は本部が決めたことだ…。紬、父を憎め…そして私の様には…決してなるな」
紬「お父様…?」
紬父「必ず……生きて、……幸せに……」
ガクッ…ドン…
膝をつき力なく倒れる。あぁ、私は何てことをしてしまったんだろう
今頃気づいてもすべては遅かった
そう、既に時は動き初めている。
ナイフを拭き鞘に納める。
父の死体を机の下に移動させる。
斎藤の死体も一緒に…
幸いこの部屋には人がほとんど来ない…。
お父様が気に入っていた暖炉がある部屋…。
制服も新しいのに着替えないと、血がいっぱいついた
最後に何であんな優しいことを言ったのだろう。まるで昔のお父様みたいだった…
でも、やったことは許されることじゃない
私はみんなを守るためなら親だって殺すの…それぐらいみんなのことが大事
だからみんなも私を大切にしてほしいの
私はただ、愛されたかっただけなのかもしれない
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