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今日も一番乗り!そう思いながら軽い足取りで部室に向かうとすでに扉の前で先客が私を待っていた。 律「あれ、和じゃん。どうしたんだ?」 和「どうしたじゃないでしょ、また必要書類出してないわよ」 そんなものは私の記憶から完璧に消去されていた。 律「え、そんなのあったっけ?」 私の反応に和はうなだれた、かと思うと多少怒りがこもっているように感じられる口調で言いよってきた。 和「あるからわざわざ来たんじゃない。ほら、締め切り今日までなんだから早く書いてよ」 律「あー、わかったわかった。じゃあ適当に座って待っててくれ」 私はあきれ顔の和を音楽室に招き入れた。 黙々と必要事項を書き込む私を静かに眺める和。 静寂というものがあまり得意でない私はこの状況を嫌い、口を開いた。 律「そういやこうやって和と二人きりになることってあんまりないよな」 和「そう言われればそうね」 いつもなら唯あたりが一緒にいるからな。そんなことを考えてると不意に和が質問してきた。 和「ところで、どうやって唯を口説き落としたの?」 律「口説き落とした?唯とは決してそんな関係じゃないぞ」 私のまったく的を射ていない答えに和は質問しなおした。 和「違う違う。唯ってホントは軽音部を辞めるつもりだったのは知ってるわよね。   唯って昔から『私にはできない』ってなると引いちゃうタイプだったのに、どうして心変わりしたのかな、と思ってて。   唯は『どうしてもって言われたから入った』とは言ってたけど、理由がそれだけとは思えなくて。   説得した本人に聞けばわかると思ったから聞いてみたの」 律「あ、そのことね」 私は走らせていたペンを止め、その時のことを回想した。 律「あの時はホント大変だったよ。澪とムギと必死に説得してさ。   それでも折れてくれなくて、もう無理かなって諦めかけたんだけど、最後に私たちの演奏聞いてくれて。   今考えたらメチャクチャ拙い演奏だったけど、そんな演奏に感動してくれてさ。   軽音部に入るって言ってくれたんだ。考えようによっては唯は私たちの最初のファンなのかもな」 和「ふーん、そんなことがあったんだ。唯が最初のファン、ね」 律「それにあれは私たちにとっても一つのターニングポイントだった気がするんだ」 和「と言うと?」 律「軽音部が廃部にならずに済んだってのはもちろんだけど、   音楽は人の心を動かすことができるんだ、ってのを身をもって経験できたんだからな」 和「じゃあ唯は結果的に大事な役割を担ってたんだ」 律「唯のおかげで軽音部を続けることができてるし、感動してくれる感動ってのをを味わわせてくれたし、   そういうことになるな。でも入ってくれてからのほうが大変だったかもしれないけどな」 和「アハハ。律たちの苦労が目に浮かぶわ。唯って独特の感性で動いてるような子だから。   でも、これなら唯もずっと続けられそうね、安心したわ」 幼馴染みの今まで見たことのない成長に少しばかり不安もあったのだろう。 和は唯が入部を決意するまでのいきさつを聞いて安堵の表情を見せている。 唯という話題で盛り上がっているところへ扉の開く音が割り込んできた。 唯「やほー、りっちゃん。あれ、和ちゃん、どうしたの?」 噂をすれば影がさすとはよく言ったものだ、唯が部活にやって来た。 和「忘れんぼの部長さんのところへ書類を催促しに来たのよ」 律「忘れんぼとはなんだよ。よし、書けた。これでいいだろ?」 私は『忘れんぼ』の部分に文句を言いながら書類を和に渡す。 和「えーと……、うん、大丈夫。これからは早めに提出しなさいよ」 律「はい、わかりました。今後気をつけます」 和「返事だけ立派ってことにならないようにね。それじゃ、部活頑張って」 音楽室を出るとき、和は振り返りもうひとつ注意を付け加えた。 和「あ、そうそう。ファンは大切にしてよね」 その言葉の意味を理解した私は、唯を見てから笑顔で答えた。 律「わかってるよ、まかせとけって。特にファン第一号はな」 >出典 >【けいおん!】田井中律は1234可愛い40【ドラム】 このSSの感想をどうぞ #comment_num2(below,log=コメント/ファンは大切に)

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