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&bold(){602 名前:SS「夜のなかで」[sage] 投稿日:2009/07/15(水) 20:17:27 ID:A6q07tbM}
深く伸びた闇夜の空に、花火が咲いては消えていく。
空気は重々しくも瞬くように振動し、そしてまた再び繰り返される。
今も、そしてその次も。
・・・
お腹に響くような轟音が、あたりを包んでいく。
ひとつ、また一つと2人の頭上には大きな光の花が輝く。
律「あーあ。もう夏も終わりだなー。」
澪「そうだな。」
律「スイカも食べたし、合宿も楽しかったし、今年の夏は最高だったよなぁ。澪。」
澪「・・・律。あのさ」
律「なんだーみおー。しおらしくしてー」
澪「・・・・・・」
律「ん?どうしたんだよ澪。何も言わないんじゃわかんないだろー。もしかしてセンチメンタルってやつかしらぁ?」
澪「そんなんじゃないよ、そんなんじゃ・・・」
律「・・・・・・」
夜空の花火はヒュルリと昇り音をたて、どこまでもとどろき響いていく。
澪「・・・あのさ、・・・律。」
律「なんだよ澪、やけに・・・真面目だな」
澪「うん。律。
あのさ、私正直に言って、この夏が終わったら、なんだか何かが終わっちゃうような気がしてたんだ。」
律「・・・・・・、」
澪「私たちの、けいおん部の。
それが何かはわからないけど、でも何か今までのことが色々と変わってしまうような気がしてた。」
律「・・・・・・うん。」
澪「けどさ、けどな、今日ここに来てなんかさ、気が付いたんだ。
二人でこうしている限り、昔となーんにも変わらないし、私も律もこうして、ずーっと一緒なのかな、って。」
律「・・・・・・」
二人の間の沈黙を埋めるかのように、花火がまた一つ轟く。
律「・・・みお。」
澪「なんだ?律」
律「私、澪のこと好きだよ。今までもずっとずっと好きだったから。
こんなコトまともに・・・面と向かって言うのも恥ずかしーんだけどさ。へへっ
でもさ、私も、なんかたぶんずっと、ずーっとこれからも、こうしていられるといいなって思う。あはは」
澪「・・・ふふっ」
律「・・・・・・へへっ」
うつむいて恥ずかしがる律を横目でチラリと見つめる澪。
それに呼応してチラリと見つめ返して、またうつむく律。
まだ誰しもが、その花火が終わる刻を、知ろうとはしていなかった。
皆が一つの花火の散る様も、咲く様も見つめていた。
彼女達の夜は、まだずっと続いていく。
>出典
>【けいおん!】田井中律はポロシャツ可愛い41【ドラム】
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