恋と友情(律side)

「恋と友情(律side)」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

恋と友情(律side)」(2009/07/04 (土) 00:45:42) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

&bold(){408 俺律 -律side-(1/2) [sage] Date:2009/06/14(日) 01:30:47 ID:7E221XLh Be:} 頭がボーっとする。 学園祭の前に風邪を引くなんて、私らしくない失態だ。 ただ寝てるだけの時間は退屈だけど、熱のせいで何も考えられない。 …いや、何も考えたくない、が正しいか。 階段を上がってくる足音が聞こえる。 この足音は澪…じゃない。 私が足音で判別できる、もう一人の人間。 コンコン 俺「律、入るぞ。」 律「あんたかよ。何しに来たの?」 小学生の頃からの幼馴染で、中学の時のバンドメンバー。 私の数少ない”男友達”の一人だ。 俺「病人の部屋にギターの練習しに来るヤツはいねえよ。ほら、ポカリ飲め。」 律「…ありがと。」 このタイミングでコイツがお見舞いに来るなんて。 こんなドロドロした気持ちになってる私を、コイツには見られたくない。 俺「で、どうしたんだ?」 律「ん…何が?」 俺「澪と何かあったんだろ?」 律「な、何でわかるんだよ!?」 …何でコイツはこういうところだけ鋭いんだ。 他の事はてんで鈍感なバカの癖に。 俺「で、何があったんだよ。」 律「澪が、クラスの女子と仲良くしてるのが気に入らなくてさ、   ちょっかいをかけても、いつもみたいなノリで返してくれなくなって、   なんか私だけが空回りしてて、バカみたいでさ…。」 俺「全く、何やってんだよ高校生にもなって…」 律「私だってそんなこと分かってるよ!!」 思わず叫んでしまう。やっぱ私、最低だ。 何でこんなに素直になれないんだろう。コイツにも、澪にも。 俺「あー、悪かった。でもさ、ホントは嬉しいんだろ?」 律「…何が。」 俺「澪に新しい友達が出来たことだよ。それに…」 律「…それに?」 俺「それでも、澪にとって一番大切な友達が律であることは変わらない。   それを一番分かってるのは、お前なんじゃないのか?」 &bold(){411 俺律 -律side-(2/2) [sage] Date:2009/06/14(日) 01:32:47 ID:7E221XLh Be:} …何で、何で全部分かってくれるんだよ。 コイツも澪も、素直になれないはずの私を、素直にしてくれる。 コイツの穏やかな声の前じゃ、嘘もつけない。強がりも言えない。 …ダメだ、顔を見たときから、ずっと我慢してたのに。 自然と、涙が、零れてくる。 律「………そう…だよな。…それ、なのに、私、   澪に、ひどいこと…言っちゃって…っ」 俺「泣くなよ。澪だったら絶対分かってくれるから。」 律「…っ、ごめん…」 俺「ほら、鼻かめよ。澪はまだ来てないんだろ?   澪が来るまでに泣き止んどかないと、また心配させちまうぞ?」 律「うん……ありがとう。もう大丈夫。」 俺「そっか、よかった。でも、さっきノックしたのが俺じゃなくて   澪だったら、今頃澪の前で泣き喚いてたかもな(笑)」 律「ふふっ、それはないって分かってたよ。澪だったら足音で分かるもん。」 本当は、あんたの足音も分かるんだけどね。 悔しいから、絶対に言ってやらない。 俺「…そっか。そうだったな。」 律「…話聞いてくれてありがと。助かったよ。」 俺「いいっていいって。それより早く風邪治して、澪とちゃんと仲直りして、   学園祭の練習、頑張れよ。」 律「うん、あんたもね。今年もあんたの高校と同じ日になっちゃったんだよな。」 俺「そうだな。俺のギターを聞かせられなくて残念だよ」 律「それは私のセリフだよ。私のドラム、あの頃より断然上手くなってるんだからな。」 俺「ほー、それはそれは、聞ける日が楽しみだな。」 律「約束、忘れてないだろうな?私たちとあんたのバンドは…」 俺「いつかフジロックで対バンする、だろ?」 律「ちゃんと分かってんじゃん。私たちの前で変な演奏するなよ」 俺「言ってろ。…じゃ、そろそろ帰るな。お大事に。」 律「うん、ありがと。」 …本当は、もう少しそばにいて欲しい。その一言がどうしても言えない。 澪になら………”友達”になら、言えるんだけどな。 また、一人になった部屋。何の声も音もしない、しーんとした部屋。 ボーっとしてると、アイツの優しさを思い出して、また涙が止まらなくなった。 アイツが持ってきてくれたポカリで、水分補給しなきゃ。 いつかのフジロックの時までには、私の気持ちに気付いてくれるかな。 [[俺side>恋と友情(俺side)]] 【けいおん!】田井中律は病ンデレ可愛い22【ドラム】 http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1244864092/ #comment_num2()
&bold(){408 俺律 -律side-(1/2) [sage] Date:2009/06/14(日) 01:30:47 ID:7E221XLh Be:} 頭がボーっとする。 学園祭の前に風邪を引くなんて、私らしくない失態だ。 ただ寝てるだけの時間は退屈だけど、熱のせいで何も考えられない。 …いや、何も考えたくない、が正しいか。 階段を上がってくる足音が聞こえる。 この足音は澪…じゃない。 私が足音で判別できる、もう一人の人間。 コンコン 俺「律、入るぞ。」 律「あんたかよ。何しに来たの?」 小学生の頃からの幼馴染で、中学の時のバンドメンバー。 私の数少ない”男友達”の一人だ。 俺「病人の部屋にギターの練習しに来るヤツはいねえよ。ほら、ポカリ飲め。」 律「…ありがと。」 このタイミングでコイツがお見舞いに来るなんて。 こんなドロドロした気持ちになってる私を、コイツには見られたくない。 俺「で、どうしたんだ?」 律「ん…何が?」 俺「澪と何かあったんだろ?」 律「な、何でわかるんだよ!?」 …何でコイツはこういうところだけ鋭いんだ。 他の事はてんで鈍感なバカの癖に。 俺「で、何があったんだよ。」 律「澪が、クラスの女子と仲良くしてるのが気に入らなくてさ、   ちょっかいをかけても、いつもみたいなノリで返してくれなくなって、   なんか私だけが空回りしてて、バカみたいでさ…。」 俺「全く、何やってんだよ高校生にもなって…」 律「私だってそんなこと分かってるよ!!」 思わず叫んでしまう。やっぱ私、最低だ。 何でこんなに素直になれないんだろう。コイツにも、澪にも。 俺「あー、悪かった。でもさ、ホントは嬉しいんだろ?」 律「…何が。」 俺「澪に新しい友達が出来たことだよ。それに…」 律「…それに?」 俺「それでも、澪にとって一番大切な友達が律であることは変わらない。   それを一番分かってるのは、お前なんじゃないのか?」 &bold(){411 俺律 -律side-(2/2) [sage] Date:2009/06/14(日) 01:32:47 ID:7E221XLh Be:} …何で、何で全部分かってくれるんだよ。 コイツも澪も、素直になれないはずの私を、素直にしてくれる。 コイツの穏やかな声の前じゃ、嘘もつけない。強がりも言えない。 …ダメだ、顔を見たときから、ずっと我慢してたのに。 自然と、涙が、零れてくる。 律「………そう…だよな。…それ、なのに、私、   澪に、ひどいこと…言っちゃって…っ」 俺「泣くなよ。澪だったら絶対分かってくれるから。」 律「…っ、ごめん…」 俺「ほら、鼻かめよ。澪はまだ来てないんだろ?   澪が来るまでに泣き止んどかないと、また心配させちまうぞ?」 律「うん……ありがとう。もう大丈夫。」 俺「そっか、よかった。でも、さっきノックしたのが俺じゃなくて   澪だったら、今頃澪の前で泣き喚いてたかもな(笑)」 律「ふふっ、それはないって分かってたよ。澪だったら足音で分かるもん。」 本当は、あんたの足音も分かるんだけどね。 悔しいから、絶対に言ってやらない。 俺「…そっか。そうだったな。」 律「…話聞いてくれてありがと。助かったよ。」 俺「いいっていいって。それより早く風邪治して、澪とちゃんと仲直りして、   学園祭の練習、頑張れよ。」 律「うん、あんたもね。今年もあんたの高校と同じ日になっちゃったんだよな。」 俺「そうだな。俺のギターを聞かせられなくて残念だよ」 律「それは私のセリフだよ。私のドラム、あの頃より断然上手くなってるんだからな。」 俺「ほー、それはそれは、聞ける日が楽しみだな。」 律「約束、忘れてないだろうな?私たちとあんたのバンドは…」 俺「いつかフジロックで対バンする、だろ?」 律「ちゃんと分かってんじゃん。私たちの前で変な演奏するなよ」 俺「言ってろ。…じゃ、そろそろ帰るな。お大事に。」 律「うん、ありがと。」 …本当は、もう少しそばにいて欲しい。その一言がどうしても言えない。 澪になら………”友達”になら、言えるんだけどな。 また、一人になった部屋。何の声も音もしない、しーんとした部屋。 ボーっとしてると、アイツの優しさを思い出して、また涙が止まらなくなった。 アイツが持ってきてくれたポカリで、水分補給しなきゃ。 いつかのフジロックの時までには、私の気持ちに気付いてくれるかな。 [[俺side>恋と友情(俺side)]] >出典 >【けいおん!】田井中律は病ンデレ可愛い22【ドラム】

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示:
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。