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&bold(){560 名前:ss「ランクイン」:2009/08/28(金) 20:45:46 ID:XZ2Q899G} 「もしもーし…」 私が電話で声を発する前に臆病な声が耳に入る。 「はいはい、何さ 澪?」 「見てた?」 何が、と茶化したかったけど止めた。 「うん、見てたよ。スマップ流石だなー」 ありゃ、結果的に茶化してるじゃん。何してんの私。 「いや、そうじゃなくてだな…」 「分かってるって。その下だろ?」 「"下"とか言うなよ。律達が獲得したランクなのにさ」 呆れた溜息が聞こえる。私もそれに合わせて空笑いする。 「いやー、流石に氷川きよしやAKBの壁はでっかいよなー。梓でも無理なんだしな」 「で、でもだな。放送終わってるのにその順位ってのは…やっぱ凄いよ」 「そうかー?澪や唯なら普通に放送後でもあの順位だと思うよ」 「そ、そんな事ないって!私なんか特に衝動的なもんだって」 少し、静寂になった。 何故かタイミングよく(悪く)、夜道を車すら走ってくれない。 虚しいじゃないか。 何を言おうかな、と考えてたら澪の声が耳に入った。 「――悔しい?」 何を聞くか。 「当然だろ。一生懸命歌ったんだからな」 思わず拳に力が入る。抱いた枕もぎゅっとウエストが引き締まる。 「私は、律のもムギのも梓のも  1位だよ。タイで。」 「そこは幼馴染の私のが半馬身差で勝利とかさー」 「今は同じ軽音部だろ。えこ贔屓は無しだ」 ふん、と腕を組む澪が想像出来る。 「そうかい。 ありがと」 「ま、明日はパーティーだな。今回のホストは私と唯だ」 「へっ。あ、いやいいよ別に!」 「『お祭りごとってのは事あるごとにやらないと損なんだぞ?』」 ………なんで覚えてるのさ。 「律の言葉はたまぁに重みがあるんだよ。ちゃんと覚えとかないとな」 「たまにですか。  それじゃ、明日は楽しみにしてるよ」 「ああ。―と言っても、そんな派手なのは無理だけどな」 「花火打ち上げる感じのは?」 「無理だって」 「分かってるよ。 じゃ、また明日」 「正直、律は泣いてるかと思った」 「そんなワケないだろー。切るぞっ」 そこで電話を切った。 澪と、一緒が良かったな。やっぱし。 くしゃくしゃに包んだティッシュは、放物線を描いてゴミ箱にインした。 >出展 >【けいおん!】田井中律の可愛さ果てし79【ドラム】 このSSの感想をどうぞ #comment_num2(below,log=コメント/ランクイン)

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