SS > 短編-俺律 > HERO


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464 名前:HERO-1-[sage] 投稿日:2009/06/16(火) 03:22:29 ID:+bl2aDLA
律「うわっ!ちょ、泣くなよぉ・・・」
律「もう・・・しょうがないヤツだなぁ」
律「お前ってば、ホントそそっかしいよな~」

律「でも・・・私、お前のそういう所好きだぜ」

こんなに情けなくて弱い俺を見て、彼女はいつも微笑んでくれる。

律「な~んか、ほっとけなくてさ」
俺「え?そうかな・・・?」
律「だって、私の隣にいつもいたじゃん。そういうヤツがさ・・・」
俺「ああ、澪ちゃんの事か。懐かしいな」
律「澪のヤツ、後輩にも懐かれちゃって・・・校内じゃ人気者だよ」
俺「へ~、久しぶりに会いたいなぁ。可愛かったもんな」
律「ほお~、言ってくれるじゃない?私という人がいながら・・・」
俺「いや、あ、あの・・・そういう訳じゃ・・・」
律「どうせ私は女らしさもない・・・」
俺「そ、そんな事は・・・言って・・・」
律「澪みたいな美少女じゃないし・・・」
俺「だ、だから・・・そんな・・・」
律「特別可愛くもないしさ・・・」
俺「もう!悪かったって!」
律「へへへっ、冗談だよ♪」
俺「はぁ・・・?」
律「お前といるとホント楽しいよ。肩も凝らないし・・・ありがとな」
俺「お、おう・・・(汗)」

時に彼女は、俺のことを弄んだり、からかったりしてくる。
でも、その時の笑顔はまるで等身大の彼女を見てるかのようで・・・

──そう、それは澪ちゃんに向けられていた時と同じ笑顔にも見えた。

465 名前:HERO-2-[sage] 投稿日:2009/06/16(火) 03:24:24 ID:+bl2aDLA
思いあがり・・・?確かに普段の俺を見れば、そう言われても仕方がない。
気弱で臆病で優柔不断で・・・挙げればキリがないくらいのダメ人間だ。
彼女の優しさの前に完全に甘えきってるのも解ってる。

でも、そのせいで律が俺の前からいなくなってしまうのは・・・


今日は久々に律と一緒にデートに来ていた。

律「ぷは~!この映画、面白かったな~!」
俺「そうだな」
律「もう鳥肌立ちまくりだぜ~、しびれるよな?」
俺「はは、あの場面は凄かったよな」
律「そうそう、颯爽とヒーローが登場してさ!」
俺「う、うん・・・」
律「"ここぞ"って時に現われるんだもん!」
俺「そ、そうだっ・・・たな」

子供のような無邪気さで思ったことを述べていく律。

(ヒーロー、か・・・)

律「あ・・・あそこのクレープ屋・・・」
俺「お、いいな。食べるか?」
律「うん、食べようぜ!」
俺「じゃ、買ってくるよ。ちょっと待ってて」
律「おう!」

(アイツ、普段は男の子っぽく振る舞ってるけど・・・何だかんだ言って女の子なんだもんな)
(やっぱり、こういうヒーローものとか白馬の王子様とか・・・憧れるよな、そりゃ・・・)

店員「ご注文はどうなさいますか?」

列に並びながらあれこれと考えているうちに、俺の順番が回ってきてしまった。
困惑している俺を見て、販売スタッフが笑顔でこちらに目を向ける。

俺「あ、あの・・・」

(何が食べたいか聞くの忘れちゃった・・・ああ・・・バカだ、俺)

そう思って律のほうを向いた、その時だった。

今にも目を覆いたくなるような光景が、俺の視界に飛び込んできた。

466 名前:HERO-3-[sage] 投稿日:2009/06/16(火) 03:26:47 ID:+bl2aDLA
男1「おう、姉ちゃん。可愛い顔してんじゃねえか・・・」
律「お、おい!はなせ!やめろ!」
男2「ねえねえ?俺たちと一緒に遊ばな~い?」
律「誰がお前らなんかと・・・くっそ!はなせよ!」
男2「良いだろ?俺たち良い所知ってるんだ~」
律「やめろ!つってんだろ!このやろおおおお!」

俺は言葉を失った。頭が真っ白になった。

(どうしよう・・・律が・・・だけど、怖い・・・逃げたい・・・逃げたくない・・・このままじゃ・・・)

今まで、ずっと俺の隣にいてくれていたのは律だった。

大事なドラムの練習があるにも関わらず、風邪を引いた俺を毎日看病してくれた律。
部活で帰りが遅くなる俺の為に、家で夕飯を作って待っててくれていた律。

そして、今にも心が折れそうなときに俺の手を握って支えてくれた律。

律「だれか・・・ぐすっ・・・助けて・・・」

(自分の気持ちに素直にならなきゃ・・・!)

俺「やめろ!」

俺は一目散に不良グループのいる所へ駆けて行った。

男1「なんだお前?見かけねえ顔だな・・・」
男2「邪魔する気か、おい・・・カスはすっこんでろ!」
男1「お前こいつのカレシか?」

俺「お前らなんかに名を名乗る必要はない・・・今すぐ、その子を離せ」

男2「んだと?オラァ!格好つけやがって!」
男1「いっぺんシメてやろうか・・・」
男2「おりゃああああああ」

許さない、絶対に。俺のたった一人のかけがえのない存在を痛めつけた奴等を。

俺「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」

俺の怒りは爆発した。

467 名前:HERO-4-[sage] 投稿日:2009/06/16(火) 03:29:37 ID:+bl2aDLA
数分後。目覚めると、俺は天を仰いでいた。

律「しっかりしろ!おい!○○!」

(ああ、そっか・・・不良に絡まれてる律を助けようとして・・・俺・・・)

俺「くそっ!あいつ等はどこだ!」
律「やめて・・・!もう良いよ・・・」
俺「え、り、律・・・?」
律「もう・・・大丈夫だから・・・さ・・・」
俺「律、ケガないか?」
律「うん、平気。ケガはないよ・・・それより、○○のほうが・・・ぐすっ」
俺「俺はいいよ・・・律が無事なら・・・よかった・・・」
律「なに言ってんだよ!私なんかの為に・・・あんな、デカい男二人に向かってくなんて・・・」
俺「ははは・・・律のためなら・・・これぐらい・・・ぐあっ!いてててて・・・」
律「や、やめて・・・ぐすっ・・・うぅ・・・うっ・・・もうこれ以上・・・」
俺「律・・・泣かないでくれよ・・・律の笑顔が見たい・・・」
律「バカ!・・・もう、○○が傷つくところ・・・見たくないよ・・・うぐっ・・・うっ・・・」

初めて見る律の泣き顔。そして、優しく握った暖かな手。
律は今、たった一人の臆病者のために涙を流してくれている。

俺「律・・・」
律「ぐすっ・・・なに?」
俺「どこかに行っちゃうんじゃないか・・・って」
律「ぐすっ・・・ぐすっ・・・なに言ってんのさ・・・ぐすん」
俺「こんな情けない俺を放って・・・律が・・・どっかに・・・」
律「どこにも・・・行かないよぉ・・・ぐす・・・ここにいるから・・・!」
俺「そう・・・だよな・・・ごめん・・・」
律「うぅっ・・・ひっ、ひっ・・・ぐすっ・・・うううぅ・・・」
俺「ふう・・・」

ガクッ・・・

律「・・・!おい、○○!おい!しっかりしろ!おい!」

律「うわああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」


(ねえ、律・・・君だけのヒーローに俺はなれたのかな?)

出典
【けいおん!】田井中律は冷ピタ可愛い23【ドラム】
ツールボックス

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