SS > 短編-アニメ補完SS > 第11話 > 昼練習後


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5限目終了後…

「りっちゃん、授業中もずっとああやってたわね…」

机の上で腕組みをして伏したまま動かない律を見ながら
少し離れた席の紬と、そばに立っている唯が言葉を交わす。

「そだね…もしかしたら本当に調子悪いのかも…」
「うーん、だとしたらむしろいいんだけど……昨日のこともあるし…」
「昨日って、みんなで楽器屋さんに行った時?」
「えっ?…あ、うん……それもあるかな…」
「変だよね、あの時は全然普通だったのに」
「そ、そうね」

昨日の律の態度に何も違和感を覚えなかったらしい唯の言葉に
紬は困惑したが、こんなことは当事者たりえない自分の口から
説明するようなことではないだろうと、ひとまず唯に合わせた。

そして、そのまましばらく律の方を眺めていた二人だったが、
唯が不意に表情を強ばらせて口を開いた。

「私、励ましに行ってくる!」
「ええ!?」
「友達が落ち込んでるんだもん、元気づけなきゃ!」

紬が制止する間もなく、律の所へ颯爽と歩き出した唯。
律の席の真横で小さくガッツポーズを作るとこう言った。

「ファイトであります!りっちゃん隊員!!」
「ん――…」

そんな唯に対して、顔を上げることもなく気のない返事を返す律。
それにめげず、さらに熱のこもった口調でまくしたてる唯。

「我々は、りっちゃん隊員なら必ずや――」
「ごめん、唯。ちょっと一人にしといて…」

唯の渾身の励ましの言葉は、律の、
怪訝そうとも苦しそうともとれる応答に遮られてしまった。

「……ごめん……」

唯はそう一言だけ言うと、今にも泣きそうな顔のまま
紬の席の方へと戻っていった。

「うぅ…私、りっちゃん余計に怒らせちゃったかも……」
「大丈夫、そんなことないわ…りっちゃんも本当は判ってくれてると思う。
 …とりあえず今は、そっとしておいてあげましょう」
「うん……」

結局、律が顔を上げることのないまま6限目の始業チャイムが鳴る。
離れた場所から心配そうに見つめる唯たちには判らなかったが、
先ほどよりほんの少し、小さく、律の肩が揺れていた。

出典
【けいおん!】田井中律は><可愛い27【ドラム】
ツールボックス

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