ある日、私は親と弟と口喧嘩してしまった。完全に家の中では隔離した状態になってしまった。
はぁ…、、溜め息ばかりがでてなんかだるい。嫌になってくる。
時計を見るともう深夜1時30分だった。何やってんだか…。。
そんな時いきなり携帯が鳴り出した。
誰だろう…こんな時間から…。。 携帯を取ってみると澪からだった。
律「もしもし。」
澪「ぁ、律?ちょっとさ、外見て。」
カーテンを開けて外を見る…
律「ん〜何にもないよ…。」
澪「違うよ、空を見て。」
空を見るとそこには沢山の無数の星が散らばっていた。
律「うわぁ〜、すっげ〜!こんなに凄いの見るの久々だよ。」
澪「今からさ、星見に行かない?」
律「ぇ?もう見てるけど?」
澪「いやだからさ…一緒に見ない?あの踏切で!」
律「あの踏切…あっ、あそこか!行く行く!」
澪「よし、今すぐ行こう!」
電話を切って、直ぐ出かける体制へ。
親にばれると厄介だから窓から出てそのまま裏口へ出て自転車をかっ飛ばした。
夜風がとても気持ちがいい。さっきの口喧嘩のことなんかすっかり忘れていた。
律「あの踏切か…。。」
急に昔のことを思い出した。
幼澪「…ふぇぇぇ〜んっ、、ママ〜、パパ〜、、どこ〜。。」
幼律「だいじょうぶだよ。ぜったいなんとかなるって。」
私達はあの踏切の近くで夜な夜なさまよっていた。
幼律「ほらみおちゃん、星がきれいだよ〜。」
幼澪「ぇ…、、ぁ…。。わぁ…。」
そう、確かこの日もとても星が綺麗に散らばっていた。
幼律「だからだいじょうぶだよ。お星様が見守っているもん。」
幼澪「うん…。」
これ以上澪を心配かけないように澪の手を握ろうとしたとき…
律父「律〜〜!」
律母「あっ、あそこに…!」
律父「何やってんだ全く、、ほら帰るぞ。」
律母「澪ちゃんも送ってあげる。」
律父「おぃ、一応秋山さん家にも連絡しておけ。」
律母「ぇぇ…。」
結局なんだかんだで無事にお父さんとお母さんに合流することは出来たけど、あの時、澪の手を握ることが出来なくてとても心を痛くしたのを覚えている。
けど、あの時、もしお父さんたちに会えなかったら…。。
律「…帰ったらお父さんたちに謝ろ…。。」
そのまま自転車を飛ばして…見えた、あそこだ。周りは田んぼしかないあの踏切…。
律「よっしゃ、一番乗りぃぃ〜〜!」
自転車を止めて見渡す限り空には無数の星…。部屋から見た景色なんかよりも何倍も綺麗だ。
2分ぐらい遅れて澪が来た。
澪「おっ、律速いじゃ〜ん。」
律「いやいや、全然待ってないよ。」
澪「それにしても今日は凄いなぁ〜。」
律「そうだな…。そういえばあの日もこれぐれい凄かったよな。」
澪「あの日…?」
律「ほら、ここら辺をさまよって澪が…」
澪「は、恥ずかしいことを思い出させるな!///」
こうしていつもどおり澪とじゃれあっているとやっぱりなんか落ち着く。
そして星をずっと眺めていて沈黙の時間が続く。
澪「なぁ、律…。」
律「ん、何?」
澪「この先もずっと一緒だよな…?」
そうだ。私はあの時、澪の手を握ることが出来なかったんだ。
もしかしたら澪はあの時、私が手を握ろうとしたのを知っていたのかもしれない。
もしかしたらどこかで離れてしまうのかと不安になっていたのかもしれない。
そんなことない…。。
今度こそ私は澪の手を握った。
澪「…っ!///」
律「そりゃ勿論、ずっと一緒だぞ。」
数年前、果たせなかったことをようやく果たすことができた。
律「これからもずっと澪と軽音部やっていきたいもん。勿論、唯もムギも梓もみんなで一緒に…。」
澪「そうだな…。」
律「だから安心しろ。絶対に離れたりしない…。それに…。」
澪「それに?」
律「…い、いや、なんでもない!やっぱ…。」
澪「おい、何だよ〜、そこまで言ったら気になるだろ〜。」
律「いいじゃんもう、忘れろ、忘れろー!」
本当はここでお星様が見守っているからと言うところだったが、なんか恥ずかしくて言うのをやめた。
けど、やっぱ言っておけばよかったかな、とか思ったりしている。
律「私たちは絶対にずっと一緒だぜ、約束、ほらっ。」
いまどき高校生にもなって指切りなんてとか思ったけど、これ以上不安にならないために…。
そして小指と小指を結んで…
律「…よし、じゃ約束だからな!」
澪「うん!」
こうして語っているうちにもう夜が明けていた。
おわり。
出典
【けいおん!】田井中律は勘違い可愛い32【ドラム】
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- いいね〜 -- (聡の後輩) 2011-01-01 12:50:55
最終更新:2009年07月15日 20:31