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コンコン

律「さーとしー?ちょっと部屋入るぞー?」

ガチャ

聡「ん?何か用?」
律「暇だからマンガ読みにきただけー」
聡「またかよ。好きなんだな、少年マンガが」
律「さーてと、今日はどれを読もっかなぁ?」
聡「どうせ今日も『遊○王』だろ?」
律「ピンポーン!もうあの世界観にどっぷりハマっちゃってさ」
聡「まぁ姉ちゃんらしいっちゃらしいけど」
律「俺のターン!ドロー!!…ってか?あはははは!」

本棚から当該作品を二、三冊抜き取る。
いつものように聡のベッドを占拠し、うつ伏せの体勢になって続きを読み始めた。

律(やっぱこのハラハラドキドキ感はたまんねーな)


……………
………


律(ん…。やば、寝ちゃった…)

我に返り周囲を見渡す。
…聡がいない。
たぶんトイレに行ったんだろう。
…でも、この重苦しい空気は何?

ユラ…

律「っ!!誰だっ!?」

私の背後に佇んでいたのは…。

律「さと…し?」
?「……」

いや、違う!こいつは聡じゃない!
右手に握られたステッキらしき物体。
万有引力の法則を嘲笑うかの如く逆立った髪。
そして額には凶悪な光を放つ第三の瞳…。

?「…やっとお目覚めかい?姉上様」
律「お、お前はいったい何者なんだ!?」
?「おいおい、実の弟を忘れるなんて、姉上様も人が悪いぜ」
律「質問に答えろ!誰かと聞いてるんだ!」

ハジ…

律「…え?」
恥「俺の名は田井中恥。以後お見知りおきを」
律「…さ、聡はどこ!?」
恥「聡ぃ?…あぁ、俺の主人格様のことか」
律「主人格…?何を素っ頓狂なことを」
恥「簡単な話だ。奴と俺の人格が入れ替わった。それだけのことさ」
律「そんな…。じゃあ聡は…」
恥「さぁてな。奴の居場所なんか知ったこっちゃねぇよ」

にわかには信じられない話だった。
この男(田井中恥とやら)の目的がさっぱりわからない。
唯一確かなことは…。
この男が身に纏っているものは、「狂気」という名のベール…。
聡とは似ても似つかない。

恥「そんなに主人格様に会いたいのかい?」

呆然とした私の体に、微かな希望を含んだ言葉が突き刺さる。

律「当然よ!もったいぶらないでさっさと聡を返せ!!」
恥「くくく…。美しい姉弟愛だねぇ」
律「いいから早くっ!!」
恥「いいだろう。だが、タダで返すワケにはいかねぇなぁ」
律「…その条件は?」

ヤミノゲーム…

律「…闇のゲーム?」
恥「そう。俺と姉上様は共に『百年アイテム』に選ばれし者だ」
律「百年アイテム?」
恥「ならば百年アイテムを持つ者同士、闇のゲームで白黒をつけるしかないってことだ」
律「待て!百年アイテムってなんなんだよ!?」
恥「俺が今握っているこれがそうだ。通称『百年ロッド』」

あのステッキはそういう代物だったのか。
しかし、まだ理解し難いことがある。

律「あんたはともかく、私がその百年アイテムとやらに選ばれたって?はっ、寝言は寝て言え!」
恥「なら、自分の首に触れてみな」

指摘されるまで一切気付かなかった。
いや、多少の違和感は感じていた。
だが、津波のように押し寄せる非現実的な情報が、その違和感を凌駕していたのだ。

律「これは…?」
恥「それは『百年タウク』。姉上様が所有する百年アイテムさ」
律「い、いつの間にこんな…」
恥「これでわかっただろう?闇のゲームから逃れる術はないんだよ」
律「ふざけんなっ!こんなオカルトグッズ、今すぐ外して…」

あれ…。外れない…?

恥「無駄だ。言っただろう?逃れる術などない、と」
律「なんで?どうしてっ!?」
恥「くくく…。いいねぇ、その恐怖に満ちた顔は。もっと見せてくれよぉぉぉ!!」

つまりこいつの土俵で戦わなきゃいけないってことか。
肉弾戦なら負けない自信はある。
でも、目の前にいる男は現代科学の域を超越した存在。
まともにぶつかったところで軽くあしらわれるのは、火を見るより明らかだ。
では、どうすればいい?
…わからない。
対処法なんて持ち合わせてない。
…怖い。どうしようもなく怖い。

ワタシ、ココデシヌノカナ…?

生まれて初めて腰を抜かし、その場にへたりこんでしまった。
…ははっ、我ながら情けないな。

恥「さてと。お喋りはこの辺にして、さっさと闇のゲームを始めようぜぇ」
律「…一つだけ教えろ」
恥「いいだろう、答えてやるさ」
律「私がその百年アイテムに選ばれた理由についてだ」

奴の口から放たれた言葉に、私は愕然とした。

恥「姉上様は『秋山澪』という女を知ってるだろう?」
律「?!」
恥「実はそいつも百年アイテムに選ばれし者でね」
律「澪が?澪が選ばれし者!?」
恥「そいつが持ってる百年パズルには『名も無きファラオ』の魂が宿っているのさ」
律「名も無き…ファラオ…」
恥「そして我ら田井中家は、百年アイテムを守護する墓守の一族なんだよ」

私と澪。
どこにでもいるようなただの幼馴染だとばかり思っていた。
でも、今の説明で全てがわかった。
澪…。
ずっと昔から続いていた運命だったんだね。
今までも…。そしてこれからも…。
聡…?
あんた、ひょっとしてこの事実を伝えるために…?

恥「さぁ、時間稼ぎはもう終わりだ。闇のゲームを始め…」
律「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

怖くて仕方がないのに、私は両の足でしっかりと立ち上がることができた。
だって、こんなところで終わるワケにはいかないじゃない。
唯が、ムギが、梓が。
そして聡が、澪が、私を待ってるんだから。

恥「バ、バカな…。姉上様には立ち上がる気力すらなかったハズ…」
律「見くびってもらっちゃ困るんだよ…。覚悟しな」
恥(?!姉上様の闘気に百年タウクが呼応している…だと?)
恥「ぁ…、ありえないぃぃぃ!」
律「私の邪魔をする者は誰であろうと(前述の五人とその関係者以外)…、潰す」

ジャリ…

恥「く、くるなぁぁぁっ!!!」
律「聡の内面に巣食う悪しき人格よ…」
恥「やめろぉぉぉ。や、やめてくれぇぇぇ!」
律「消えてなくなれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

百年タウクから四方八方に光線が溢れる。

恥「うおぉぉぉぉぉ!!!な、なぜだぁぁぁぁぁ!?」
律「あんたも見ただろう?眩き光の咆哮(おたけび)を…」
恥「くぁwせdrftgyふじこlp…」

大爆笑間違いなしの顔芸を披露しながら、田井中恥の存在は完全に消滅した…。
しかし、特大の技を繰り出した代償は大きく…。

律「やば…、眩暈が。もう立てないや」

体力の限界を迎え、うつ伏せに倒れこむ。
百年タウクから溢れ出す光はやがて私自身をも包み込んで…。

サトシ…
ミオ…


……………
………


…ェチャン。ネエチャン。

声が聞こえる…。

聡「おい姉ちゃん!起きろよ!!」
律「ほえ…」
聡「起きろってば!!」

ガバッ!

律「おわー寝てた!今何時!?」
聡「25時」
律「何で起こしてくれなかったの!?」
聡「何回も起こしたぞ」

夢…だったんだ…。

聡「俺、そろそろ寝るから」
律「あ、あぁ、悪い悪い!じゃ私は部屋に戻るからな」
聡「んじゃ、おやすみー」

ちょっと待って。
何か言い忘れてる気がする…。

律「…ねぇ、聡?」
聡「まだ何かあるの?眠いんだけど…」
律「明日もここにきていい?」
聡「マンガ読みながら寝るんだろ?だったらお断r」
律「うぅん。大事な話があるんだよ。とっても大事な話が…」
聡「……」
律「お願い」
聡「…わかったよ。でも説教とかはゴメンだからな!」
律「そんなんじゃないよ。私はそんなキャラじゃないだろ?」
聡「確かに。姉ちゃんはズバッと一言放って終わらせるタイプだしな」
律「ぷっ。わかってんじゃねーか」
聡「じゃあ、また明日ここで」
律「おぅ。長居して悪かったな。おやすみー」
聡「うん、おやすみー」

パタン


奴は…、田井中恥は私に教えてくれたんだ。
あいつの正体は、聡の中に芽生えたもう一人の聡、『闇の聡』なんだ。
痛み、苦しみ、怒り、妬み…。
それらが凝縮された結果、あいつが生まれたんだろう。
聡は私に似て気が強いけど、悩みの一つや二つ抱えてるんだろうな…。
何かと多感な年頃だし。
だったら私がやるべきことはただ一つ。
姉としてかわいい弟の相談に乗ってあげることだよね。
現実世界に田井中恥を生み出さないためにも…。
そして私自身が今より一歩成長するためにも…。

あとは…。

律「古より続く、私と澪の運命…か」

澪にこの話を聞かせたらどんな反応を見せてくれるんだろ?
…まぁ、想像に難くないか。

出典
【けいおん!】田井中律はドスコイ可愛い34【ドラム】
ツールボックス

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