律「バイハザ!」裏ファイル2.5 ~俺編~

注:ここに出てくる「俺」は作者ではなく、VIPでよく使われる人物名の「俺」であり、あくまで作者ではありませんのでご了承ください



その頃、隣街T市上空 。
一機のヘリが上空を旋回していた。

「悪いな、ここが限界だ。これ以上近寄ったら下手すりゃバックトゥーザフューチャーみたいに過去に飛ばされかねん」

「ここまでで十分だ。後は現地で足を確保する。」

「いいのか?仮にも警察が盗みなんてよ」

「ちゃんと後から返すさ。それに今は、」

ブォォォォォ

ヘリの扉が開けられ気圧差で激しい音が渦巻く。

「人命が最優先だ。」
ゴーグルをつけ背中にパラシュートを背負う。

俺「待ってろよ、澪」

俺「しかし悪かったなブラッド。こんなバカに付き合わせてよ」

ブラッド「全くだな。だがお前さんの気持ちもわからなくはない。クリスは立場的に動けないからな。」

俺「若いS.T.A.R.S.メンバーの独断とでも報告書は書いといてくれよ。じゃあそろそろ行くわ」

ブラッド「Good luckボーイ」

運転席から顔を覗かせ親指を立てるブラッドに俺も親指を立てて返した。そうして俺は雨の夜に飛び込んだ

バッ

ヒューーーー

俺「(おぅおぅ何も見えねーな見事に)」

ヘリからの落下傘じゃ距離が短いからそろそろか…。

バアアアアサァッ

飛ぶには最悪の状況だがなんとかパラシュートは開いてくれた。

俺「ぐっ……」

しかし雨と風を受けてパラシュートの向きが変わる。この高度じゃ向きも満足に返られない…このままじゃ目の前のビルに激突する……!

地面まで数m、このまま待っていては確実にぶつかる……

俺「うぉぉっ」

パラシュートを急いで外し勢いを止める為に四つん這いなりながら着地する。

ビルの手間3mと言うところで止まった。

俺「ふぅ…」

K市までおよそ約50Km。T市の民間人の避難は既に完了しているようだ
俺「誰もいねぇ」

俺「さて、足になりそうなもんは……っと」

丁度近くの駐輪場にバイクが止まっている。
俺「こいつはまたピーキーなチューニングされてんな」

それは所謂ヤン車であった。

俺「先端が出っぱって宇宙戦艦ヤ○トみたいになってんぞ…」

まあ仕方ない、これで我慢するかとそのバイクに股がる。

俺「おっ、偉い偉い。こうゆう災害と言うか事態にはキーはつけっぱなしにしなきゃいけないんだよな。見た目はヤン車だから根はいいやつなのかも。わりぃな、これ借りてくぜ!」

ドゥゥン…ブォォ~


K市学校近くの一軒家─────
和「さすがに街中にゾンビが溢れてるとなると梓を庇いながらむぎの家にいくのは至難の技ね…。」

学校から出て鍵の開いている家に入り梓を着替えさせて雨を凌いでるとこまではいいのだけれど…

梓「くぅ…くぅ…」

ベッドでぐっすりと寝ている梓を見る

和「さすがにここに一人で置いておくのは危険よね…」

梓「くぅ…くぅ…」

和「憂ちゃんといい梓といい…この妹キャラは破壊力ありすぎよ…」

やっぱり妹も悪くない

車を借りていくのが無難か…でも運転何かやったことないし…。
それにいくら応急措置はしたと言ってもあちこち骨折してる人間を連れ回すわけにも…。

和「袋小路か…不幸だわ…」

和「雨が止むのを待ってから移動するしかないわね」

こんな時誰かいればいいんだけど…

俺「そろそろ検問か」
ブラッドの話じゃ街全体はかなり頑丈な検問だとか言ってたな…。果たして突破出来るか否か…!

K市まで残り5K…

ブゥゥゥン!

よりアクセルを早める…。

検問───────

アンブレラ社員A「こちら中央通り、異常なし」

アンブレラ社員B「そりゃあこんなどしゃ降りの中わざわざ危険な地区に突っ込んでくる輩なんかいねーだろうよ。そうだな、いたら…だって本当はクレイジ~♪だな」

アンブレラ社員A「それでも見張らないと行けないのは現場の辛いところだよな~」

アンブレラ社員C「お、おい!何だあれは!」

社員が指を差した先には…

俺「嵐~と共に~やってぇ~来た~誰だ、誰だ、悪~を蹴散らす嵐のお~と~こ~」

アンブレラ社員A「なんだあいつは!猛スピードで突っ込んできやがる!」

アンブレラ社員B「ppppppp…なにぃ戦闘力5000だとぉぉぉ!?」

アンブレラ社員C「つ、突っ込んで来るぞぉぉぉぉぉぉ!」

┣゛┣゛┣゛┣゛┣゛┣゛┣゛┣゛┣゛┣゛
俺「(思ってたより低いバリケードで助かったぜ、これなら!)」

門を超えるためには…!

門の前にある乗用車に目をつけそこにアクセルを全開で突っ込む!

アンブレラ社員A「バカめ!ハンドル操作を誤ったな!車に突っ込んでしねぇ!」

アンブレラ社員B「い、いや違う!あれは!」

俺「押し通ぉぉーる!!」

アンブレラ社員C「こいやぁぁぁぁ!」

その乗用車の更に前にある縁石に上手くタイヤを合わせる…。

斜行した縁石にタイヤが上手く乗りそのスピードも相まって飛び上がるヤマト、いやバイク
更に乗用車の上に乗りスピードの勢いを利用してバイクを力一杯上に引き上げる!

するとバイクは宙を舞い…

アンブレラ社員A「俺の車を踏み台にした!?」

ドスン!!!

バリケードの向こう側へと着地成功!

俺「いやっほ~っ!」
アンブレラ社員B「やろぉ!」

カチャッ

アンブレラ社員C「やめとけ、矢の無駄だ」

アンブレラ社員B「いや拳銃なんだが…」

アンブレラ社員A「こちら中央通り!バイクで突っ込んで来た暴走族らしき男にバリケードを突破されました!オーバー」

ガガガ

『構わん、放っておけ。そんなガキが死のうと関係はない。だが次はないぞ?』

アンブレラ社員A「は、はいぃぃぃ」


和「雨…止まないわね。このままずっとこうしてるわけにも行かないし…」

あれから何時たったろうか。唯達は無事でいるだろうか…

気になることが多すぎる。

和「仕方ない…何とか車を…」

そう思い和が玄関を出ようとした時だった

『パララララパラリララ~♪』

和「えっ…何の音かしら…」

玄関を出て大通りを見る

『パララララパラリララ~♪』

和「まさか…暴走族?いえまさかね…そんなバカな暴走族いるわけないわ…。いやもう寧ろ暴走族なら尊敬するレベルよ」

和は音がする方を眺める。小さかった影姿が段々…

生きてるやつがいればこの音に反応して何かしら対応があるはず…。

『パララララパラリララ~♪』

さっきとは違い出来るだけ低速で走る。
目標は澪達のところだが他の要救助者を見捨てるほど俺は非、人道的ではない

俺「ん…あれは…」

遠くの一軒家の軒先に人影が見える…。

俺「生存者か!」

しかも見た感じ女の子っぽい……激熱……!

近づくにつれ段々と露になるその姿…。

おっとメガネっ子じゃねーか!ウホッ!更に制服着てるってことはJKか!なんたる僥幸!!!
神よ私は全力で貴方を支援します!!!

ん…でも待てよ、右手持ってんのあれ刀じゃねーか?

まさか…

家の前で止まる俺…。

和「こんなとこで何やってんのよ、俺」

俺「んだよ和かよ!!期待して損したぜ…。てかそれはこっちのセリフだって~の」

和「話はともかく中で聞くわ。あなたびしょ濡れじゃない、風邪ひくわよ」

俺「お、おぉ。」

俺はバイクを降りて和に招かれるまま家の中に入る

和「はいこれタオル、後上は脱いで。脱水して乾かしておくから。代わりにこれ着なさい」

俺「おぉ…すまねぇな」

一通り着替えなども終わり梓のいる部屋で落ち着く

俺「この子は?」

一目散にベッドで寝ている美少女に目が行く。

妹キャラ、ツインテール、 ちっちゃい

俺「なんだこの反則キャラ…ぐっ…体が耐えられんっ…」

和「先に言っておくわね、触ったら殺すから」

俺「サーイエッサー!」

俺「冗談はさておき、民間人か?」

和「私の友達よ」

俺「……酷い怪我だな」
和「T103型にやられたのよ…」

俺「そんな厄介なやつもいるのか…。しかしよく生きてたな。S.T.A.R.S.隊員…いやクリスさんやジルさん、バリーのおっさんでも無事じゃすまないだろう…」

和「多分目標設定にされてなかったからでしょうね。私も戦ったけど明らかに殺す気じゃなかった。」

俺「和がS.T.A.R.S.隊員だとわからなかったのか…他に目標がいるのか」

和「最もさっきのいざこざで敵と認識されたでしょうけどね」

俺「で、この子どうするんだ?」

和「あなたが来てるってことはメンバーが来てるってことよね?」
俺「いや実は…」

和「単独潜行ですって!?」

俺「実はそうなんです…」

和「あんたって人は…」

俺「…お前はいいよ、のんきに学校行ってたまに顔出せばいいんだから。こっちは穴に火ついてんだよ!前の三回の失態で日本の信用もなくなりつつある…今回だって上の圧力で出動出来ずにいるんだ…。だから俺がこうやって一人で来たわけ」

和「……。言い返すこともできないわ。事実だしね。でも正直助かったわ本当に困ってた所なの」

俺「どうゆう意味だ?」

和「この子を…梓を守ってあげてほしいの」

俺「この子を?」

和「私はどうしても唯達の元へ行かないと駄目なの」

俺「し、しかし…俺には澪が…」

和「澪にはもう相手がいるから言い寄るだけ無駄よ。でもこの子はドフリー言いたいこと…わかるわよね?」

俺「ごくり…っ」

和「起きた時にあなたが命がけで守っていた…とわかれば…」

俺「もっと!」

和「つり橋効果って知ってるわよね?危険な場所は心が高揚するから一緒にいる異性を意識しやすい…無事ここを切り抜けた暁には…」

俺「ぬぉぉぉぉ!」
そ、そんな釣り針に…つ、つ、釣られるか…クマー!
恐らく釣られない輩は存在しないだろう

俺「(た、確かに澪が可愛いと決まったわけじゃない…。黒髪ストレートを逃すのは惜しいが…っ。この子も文句なしに可愛いしな…いやしかし…)」

和「あなたがどうしてもと言うなら私が残っても構わないけど…」

俺「ちっ、しかたねぇな!お前がそこまで言うなら残ってやらあ!(目の前のフラグ優先!命令、フラグを大事に!)」

和「助かるわ、ありがとう(計画通り…)」

和「あ、でも、寝込みを襲うなんて真似したら殺すわよ」

俺「そ、そんなことしませんって」

和「知ってるわ。だから頼んだのよ。でもまあ本人が望んだ場合は……好きにしなさい」

俺「あぁ。気をつけな。澪によろしく頼む」

和「えぇ。」

俺「あ、これ持ってけ。Tウイルス抗体剤。定期で射ってる俺らと違ってそろそろ切れるだろ?それと連絡の為の無線機な。携帯は電波障害がかけられてて繋」

和「本当にすまないわね。ありがたくもらっておくわ」

俺から二本の注射器を受け取ると一つは自分の射ち込み一つはポシェットへ入れる。

和「くれぐれも梓のこと頼んだわよ。脱出の算段が出来次第迎えに来るわ」

俺「あぁ。また連絡してくれ」

ガチャリ…

出ていく和を見送りさっきの部屋へと戻る。

俺「さて…二人っきりになったわけだが」

梓「くぅ…くぅ…」

俺「みゃ、脈拍計らないとな!」

ゆっくりと梓の手を取り脈拍を計る。

俺「……よし、正常だ。問題なし」

ドックンドックンドックンドックンッ!

俺「俺の方が問題あるっての……」

梓「くぅ……」

俺「はあ…」

俺「(やっぱり無理だな…妹キャラは。頑張ってはみたんだけど…。どうしてもそう言う気になれない…あいつのことを思い出したら)」

でも、絶対に守ってみせる。
俺の命に代えても

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最終更新:2009年07月14日 23:34
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