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628 名無しさん@お腹いっぱい。 sage New! 2009/06/10(水) 22:33:55 ID:ZpoA+ZHg
ふいに出てきた妄想をssにしたよ

澪視点
――――
 これは、過去の話。昔の話。

 小学校に入学したばかりの頃。
 小学生になってもまだ両親一緒でないと寝れないくらい親離れも出来きておらず、筋金
入りの超ド級人見知り少女だった私は、クラスの自己紹介の場で、うつむいてただ棒立ち
でいるというとても恥ずかしい体験をしてしまった。
 あぁ。今思い返しても枕を顔に押し付けてゴロゴロしたくなる程の恥ずかしさだ。なぜ何も
言わないんだ私よ。なぜそこで口篭る。

 ……まぁとにかく、環境の変化も相まってとにかく元気を無くしてしまっていた。(とは言っ
ても元々元気に遊ぶような子ではなく、部屋の隅で一人で折り紙をして遊ぶような極めて
無口な子だったのだが。)
 そんな私に声をかける子はちらほら居たがあまりに内気な反応に興味を削がれたのか、
他の友達のところへ行ってしまっていた。たった一人を除いては。

 そう、私の現在の幼馴染である、律だ。

 律はいつまでも私に付き纏った。嫌がる私を無理に遊びに誘った。二人きりの鬼ごっこ。
二人きりのかくれんぼ。二人きりの遊びはいつまでも続いた。
 こんなに楽しいことは無かった。あんなに大声を出したことも無かった。自分の新たな一
面を、出会ってたった数日の少女に発見されてしまったのだ。
 そして、気がつけば――私に生まれて初めての”友達”が出来ていた。




「……澪?まだ起きてる?」
「ん……」
 あぁ、真っ暗な部屋だったのでなんだか変なことを思い出してしまった。
 ここは律の家で、中学の頃から隔週で行われているお泊り会の真っ只中だ。私は律のベッド
の横に敷かれた布団で横になっている。

「今さ、わたしさ、澪と初めて会った頃の事思い出してたんだ」
 私と、同じだ。これは偶然?それとも……。
「澪さ、なんだかんだ言って結構明るくなったよな」
「……そうかもね」
「なんだよその反応ー。褒めてんだぞぉー?」
 そう言いながら律はベッドから身を乗り出してこっちの布団に入り込んできた。
「や、やめろ律!狭いし暑苦しい!」
「アァン、澪ちゃんのいけずぅ~」
 とかなんとか言いながら拒まない――拒めない私は甘いのだろうか。

 刹那、空気が静まり返る。それは律の一種のサインだ。
「な、澪」
 鼻の頭がぶつかりそうな程の至近距離で律が囁く。優しい声だ。
「ずっと一緒にいような。ずっと、ずっと」
 私たちがお泊り会をする時、決まって律は私の布団に無理やり入ってきて、永遠の約束を
求めてくる。それは、私を安心させる約束。心地よい束縛。
「な?」
 律は、甘えたような声を出しながらそっと指を絡ませてくる。拒まない。律はあれでいて、二人
きりになると甘えたがるのだ。ふふ。まるで猫みたいだ。
「ん……」
 そして私は、いつものように首を縦に動かし、目を閉じて眠りにつくのだ。


 私の大好きな親友の隣で。

出典
【けいおん!】田井中律は蒟蒻可愛い19【ドラム】

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