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653 名前:ある夕暮れ時の一コマ(駄文):2009/09/03(木) 20:33:59 ID:d3rvh8zd
今日も今日とて日が暮れる。設立当初はどーなることかと思ったあたし達軽音部も
ナントカカントカ形になる活動もできるようになり、放課後になれば練習半分、お茶
会半分の賑やかな時間を過ごし…そして、今日もまた日が暮れて。

「施錠、よーっし!」

音楽室の鍵をきちんと閉めて、あたしは深呼吸ひとつのあと思いっきり伸びをした。
文化祭の軽音部の発表会に向け、普段のお茶会モードをホンのすこーしだけ削っての
本格的…と思う練習が終わって、この気だるさ交じりの満足感を胸いっぱいに抱きし
める瞬間。

少し先を賑やかに歓談しながらギー太を背負ってぽてぽて歩く唯。唯の発言にいち
いち律儀にツッコミつつ、練習の余韻で目をキラキラさせている梓。

そんな二人を少しはなれたところから笑顔で見守るムギ。で、少しすまし顔で会話
を纏めつつ歩く澪。

夕暮れ時の真っ赤なお日様に照らされつつ、あたし達は家路につく。

もし、あの日。澪の手を引っ張って歩くことがなかったら。もし、あの日。澪の家
であのライブのDVDを見ていなければ…。ほんの少しだけでも何かが掛け間違っていた
ら…あたしは軽音部を率いることもなかっただろうし、この賑やかであったかな日々
の中にあたしの居場所を作ることもできなかっただろう。

素直に言うのはこっぱずかしい。でも少しだけ伝えたい言葉。

あたしの少し前ですまし顔のまま、梓と唯の間を歩く澪の背中に。こっそりと。

あたしは、ほんとうにこっそりと声をかけてみた。


『澪、ほんとにアリガト』


素直に口にするにはこっぱずかしい、でもありきたりな感謝の言葉。届く届かない
は関係ない。ただ言いたいから伝えてみたそんな言葉。

夕焼けに照らされまっかな空の下。あたしは仲間たちと家路をたどる。
いつか卒業した後も、きっとこの絆は断ち切れないと確信を胸に秘めたままで。



出展
【けいおん!】田井中律はくしゃみ可愛い83【ドラム】
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