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318 名前:普通の女子高生[sage] 投稿日:2009/06/15(月) 23:10:37 ID:3+Di/zeu
あまり見かけない律×紬投下するぜ!



今日も授業終わり!あー、よく寝たなー。
よーし部活行くぜー!


律「おーっす!…ってあれ、ムギだけか。」
紬「うん、今日唯ちゃんは家族で外食ですって。
  梓ちゃんも、ご両親のライブがあるからって帰っちゃったわよ。」
律「澪は今日風邪で休みだったんだよな。二人じゃ練習にならないな。
  ムギ、どっかでお茶でもするか。」
紬「そうね。それなら、私の家に遊びに来る?」
律「えっ、マジで!?ムギんち行ってみたかったんだよ!」
紬「うふふ、歓迎するわ。」


    ◆


律 「…ナニコレ。」

私の身長の倍の高さはある真っ白な正門が、そこにはあった。
その先には、学校のプールより一回り小さい池。
池の真ん中には、間抜けな表情で口から水を垂れ流すライオンの石像がある。
シンガポールかよ。

そして、その奥のガレージ(っていうのかアレは?私の家より大きい…)
にはいかにも高級そうな車が1、2、3、4、5、…
ダメだ、片手じゃ足りなかった。


紬 「あの池はお父様の趣味なのよ。余り気にしないで。さあさあ、上がって上がって。」


…庭のマーライオンは序の口だったぜちくしょう。

玄関にどでかいシャンデリアが釣り下がってるわ、
だだっ広い廊下に大きな螺旋階段が突き抜けてるわ、
ていうか廊下どこまで続いてるんだよ。50メートル走ができるぞ。


斉藤「お帰りなさいませ、紬お嬢様。おや、お客様でございますか。」
紬 「ご苦労様、斉藤。こちらは、私の友人の田井中律さんよ。」
斉藤「私、琴吹家の執事の斉藤でございます。お荷物をお預かりしましょう、律様。」
律 「あ、え、いや、お、お構いなくっ、あとり、律様っていうのは
   や、やめてもらえませんでしょうかしら?」
律 (ダメだ、まともな日本語が喋れなくなる)

紬 「そんなに硬くならなくていいわよ、りっちゃん。
   斉藤、後で私の部屋に紅茶を持って来させて頂戴。今日はべノアがいいわ。」
斉藤「かしこまりました、お嬢様。」 


322 名前:普通の女子高生2[sage] 投稿日:2009/06/15(月) 23:13:35 ID:3+Di/zeu


…予想通り、ムギの部屋には白いグランドピアノが置いてある。
このテレビ何インチだ?学校の黒板より画面大きいんですけど。
もう、何かあんまり驚かなくなってきたな。


紬「何だか、気を遣わせてしまってごめんなさい。」
律「い、いや、ちょっとな。余りにも自分の知らない世界だったから…。」
紬「実はね、学校のお友達を家に招待したの、りっちゃんが初めてなんだ。」
律「え、そうなの?どうして?」
紬「高校に入るまでは、親に言われるままに習い事をしていたから、
  毎日のように先生がうちに来ていたのよ。」
律(毎日のように通っていた、じゃないんだな。やっぱりスケールが違う)
律「そっか、そういえば、ファーストフードに行ったこともないって言ってたもんな。」
紬「ええ。高校に入ってからは好きなことをしていいって言われていたから、
  そんな生活が嫌でしょうがない、とまでは思っていなかったんだけど、
  それでも中学校の帰り道にカフェで楽しそうにお話している子達を見ると
  うらやましかったな。」



いつもニコニコと笑っているムギが、少しだけ、ほんの少しだけ寂しそうな表情を浮かべた。


律「そうなんだな。私なんかさ、子供の頃、大金持ちの家に生まれたかったなー、
  欲しいものを好きなだけ買えるのになー、なんて思ってたけどね。」
紬「うふふ。お金持ちの家に生まれてしまったせいで、欲しいものが中々手に入らない、
  っていうこともあるのよ。私は高校に入って、やっと手に入れたんだけどね。」
律「へー。ムギの欲しかったものって何なんだ?」


紬「決まってるじゃない。りっちゃん…あなたよ。」



327 名前:普通の女子高生3[sage] 投稿日:2009/06/15(月) 23:19:16 ID:3+Di/zeu
律「…へ?」

心臓が止まりそうになった。ムギ、まさか…やっぱり!



紬「…りっちゃんだけじゃないわ。澪ちゃん、唯ちゃん、梓ちゃんもそう。
  合宿でお泊りしたり、お家に集まってパーティしたり、カフェでお茶したり。
  そんな普通の女子高生としての時間を過ごせるお友達が、私の欲しかったもの。」

な、何だ、びっくりした。
でも、いつも笑ってるだけで、余り自分のことを喋らないムギの口から
こんな言葉を聞けるなんて、なんか嬉しいな。


そういえば、あの時のお礼も言っておこう。

律「そういえばさ、ムギ。」
紬「なに?」
律「学園祭の前に、澪と私がケンカしちゃったことがあったじゃん。
  私が部活に顔出さなくて、さわちゃんが代わりのドラムを探すって言ったとき、
  私の代わりはいない、って言ってくれたんだよね?」
紬「ああ、あの時の事ね。うん、あの時はそんな話聞きたくなかったから。
  澪ちゃんから聞いたの?」
律「んーん。さわちゃんに聞いたんだよ。さわちゃん、実はカマかけてたらしくてな。」
紬「まあ、そうだったのね。」
律「ありがとな、ムギ。嬉しかったよ。」
紬「どういたしまして。それに、本心だもん。」


    ◆


律「今日はありがとう。紅茶、美味しかったよ。」
紬「いいのよ。また遊びに来てね。」
律「うん。…そうだ。また今度さ、みんなも呼んで、ムギん家でパーティやろうぜ。
  一ヶ月前に予約しておいてさ。」
紬「そうね。それに、りっちゃんや澪ちゃんのお家にも遊びに行ってみたいわ。」
律「そうだな。じゃ、ローテーションでお泊りパーティだ!」
紬「賛成♪」



終わりです
豪邸に驚きっぱなしのりっちゃんをギャグテイストで書きたかったんだが
けっきょくほのぼの友情路線に修正しました
もっとムギとの絡みも見たいよりっちゃん!!

出典
【けいおん!】田井中律は冷ピタ可愛い23【ドラム】

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  • 原作版でも、“りつむぎ”の良い話が描かれて、改めて「いいな~」と思える、この二人。むぎちゃんの台詞は、ギリシヤ神話の“マイダス王の手”の逸話を踏まえてのことと憶測致しますが(むぎちゃんなら古典的教養豊富と思われるので、強ち外れではないと思う)、本当に、軽音部の仲間達と出逢ったことにより、一番人間性が豊かになったのは、むぎちゃんではないかと。(腐女子脳も刺激されてしまった様ですが……苦笑) P.S.紅玉ももっと色々な“りつむぎ”が見たい&読みたいものデス(苦笑)。 -- (紅玉国光) 2009-09-13 18:07:59

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最終更新:2009年07月05日 00:49
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