SS > 短編-けいおん!メンバー > オールキャラ > 私と友と弟と


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「じゃあ姉ちゃん、行ってくる!」

「うん。聡、頑張れよ~!お前は私の弟なんだ!自信持って行け!」

「おう…やるぞー!」

今日は私の弟、聡の高校受験。

聡は意外と、頭がいい。

だから、駅まで徒歩22分、更に電車で30分という、ちょっと遠いけどハイレベルな学校を第一志望校に選んだ。

やっぱ、受かって欲しいなー…。

「でも、聡なら受かるよな、絶対!」


とは言ったものの、やっぱり姉としては心配で、聡が家を出てから10分ほど部屋の中をうろうろしていた。

「…受かる!受かる!アイツは受かる!だって、私の弟じゃないか!」

そう自分に言い聞かせる。

でも、やっぱり…。

「だぁー!考えても仕方ない!!お菓子でも食べて落ち着こう!」

確か、戸棚にこの前ムギからもらったお菓子があったはず。よし、行ってみるか。

リビングの扉をあける。しかし、その瞬間、戸棚のお菓子の事は完全に頭から抜けて行った。

なぜなら、テーブルの上に本当は今ここにあってはならないものがあったからだ。

「…!聡…!あのバカ…!」

聡が今日受ける高校の受験票だ。忘れて行ったに違いない…!

「…届けに行くか!時間は…ギリギリ大丈夫か?よし!」

私は急いで玄関の扉を開けた。

自転車…は、今は母さんが使ってるんだっけ。

「仕方ない!走ろう!」

私は、とにかく走った。電車に乗られたら、改札に入られたら最後、間に合わないから。

こんなミスで、弟の人生を台無しにするわけにはいかない!

とにかく、がむしゃらに走った。でも…

「はぁ、はぁ、はぁ…畜生!間に合わない!
 ごめんな、聡…姉ちゃんの力不足だ…」

もうすぐ、聡の乗る電車が出てしまう。

もう、諦めようか。

その時だった。

キキィ

「あれ?律。どうしたんだ?今日って確か…聡くんの受験の日じゃなかったのか?」

澪が自転車に乗って現れた。服装を見ると、どこかで作詞でもするつもりだったのだろう。

「み…澪!た…大変…!」

「ど、どうしたんだよ律!?そんなに慌てて!」

「聡が…受験票忘れて…届けようとしたんだけど…間に合わなくて…」

息が切れて断片的になってしまったが、伝わっただろうか。

「…なんだ、そんなことか。」

澪のこの台詞に、少しカチンときた。

「なんだとはなんだよ!聡の受験なんだぞ!」

「いや、ごめんごめん。そういう意味で言ったんじゃないよ。」

「…え?」

「私の自転車で送って行くって意味。後ろに乗って!○○駅だろ?」

「でも、もう間に合わな…」

「律!間に合うかどうかは、私が決める!!だから早く!」

「あ…ああ!恩にきるよ!」

何も考えず、自転車の後ろに乗り込んだ。

「飛ばすから…しっかりつかまってなよ!」

そう言い放つと、澪は自転車を走らせた。

私はずっと澪の背中にしがみついていた。


そんな澪の背中は

とても大きく見えて

頼り甲斐があって

どこか安心した…。

やっぱり、小さいころからそうだけど

この背中は安心するな…


5分後。

「お、駅が見えてきたぞ。」

やっぱ、自転車は速いな。走るとかなりかかる距離が、自転車じゃ一瞬だ。

今度、私専用の自転車を買ってもらうよう母親に交渉してみるか。

「律、あれ…聡くんじゃないか?」

「え?…あ、聡!」

聡は改札口を通る5秒前だった。

それを見て、私はすぐに自転車から飛び降りた。

「聡ッ!」

「…あれ?姉ちゃん?どうしたの?」

よかった…間にあった…!

「どうしたじゃないだろ!このバカ!」

「まぁまぁ、律。お前はケンカするためにここに来たんじゃないだろ?」

「あ、澪さん。おはようございます。どうしたんですか?」

「ほら、渡さないと、ここまで自転車をこいだ私の苦労はどうなる?」

「う…わかったよ。
 ほら、聡…これ。受験票。リビングのテーブルの上にあったぞ。」

聡にテーブルの上にあったものを渡す。これで、ようやく目的を果たせた…

「姉ちゃん…サンキュー!助かったよ!」

「よかったな、律」

「ああ!」

あえて言葉には出さないが、本当に良かった…。

「澪さんも自転車走らせてくれたんですよね。ありがとうございました!」

「気にしなくていいよ、聡くん。入試頑張ってね」

「もう忘れ物はないよな?今度こそ行ってこい!」

「ああ、それじゃ…行ってきます!」

そう言うと、今度こそ聡は改札に入っていった。

「なぁ、澪。ホントにアイツ、大丈夫かな?」

「大丈夫だって。律、お前の弟だろ?」

「だな!…あ、そうだ。」

「今度はどうしたんだ?」

「澪。一ついいか?」

「ん?」

「なんで私と聡のためにあそこまで必死になれたんだ?」

「必死?」

「ほら、『もう間に合わない』って諦めかけた時に私を大声で怒鳴って、更には聡のために全速力で自転車までこいでくれたじゃん。」

「ああ、そのこと?
 なんか…ほっとけなくてさ。」

「ほっとけない…?」

「私たち3人、小さいころから結構一緒に遊んできただろ?
 だから…私の弟でもあるんだよ。聡くんは。」

「みおしゃん…」

この時、なんか嬉しくなった。

聡のこと、そんな風に思ってくれてたなんて…

「それじゃ、これから歌詞作りに付き合ってもらうからな、律!」

「ああ!任せとけ!」

そう言って、私は再び澪の自転車の後ろに乗り込む。

…そういや、最近聡と澪と私と3人で遊ぶ機会が少なくなってきたな。今度、みんなで遊園地にでも行くか。

こうして、聡の高校受験の日は慌ただしく過ぎて行った。

後日、聡が合格通知を持って澪のところにあいさつに行ったのは、また別のお話。

fin


~おまけ~

聡に受験票を渡した後、自転車に乗って歌詞作りに向かう律と澪。

「そうだ、澪!いっそのことさ、聡と義理の姉弟になっちゃえよ!」

「え!?///ど、どういう意味だ!?///」

「私と結婚すれば、聡は澪の義理の弟になるけど?」

「す、するわけないし、日本じゃ同性結婚できないだろ!///」

「照れてるってことは、満更でもない…ってことかな?澪ちゃん?」ニヤニヤ

「うーるーさーい!!///今すぐ自転車から降りろ、律!」

「わわわ、ゴメン!ゴメンよぉ!」


最後まで見て下さった方、ありがとうございました!ユウスケでした。

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  • ええ話や -- (聡の後輩) 2010-12-29 00:50:59
  • ご指摘ありがとうございます!修正しておきました。前回といい今回といい…漢字の勉強をしないといけないですね(笑) -- (ユウスケ) 2010-03-28 16:04:13
  • りっちゃん…恐ろしい子…! 「姓」じゃなくて「性」ですがw まぁ頑張ってください^^ -- (pw) 2010-03-28 03:15:52
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