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ロボ・サイボーグキャラロワイヤルpart3■掲示板に戻る■ 全部 1- 101- 201- 301- 401- 501- 601- 701- 801- 901- 最新50

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ロボ・サイボーグキャラロワイヤルpart3

1 :Classical名無しさん :08/01/29 00:09 ID:Nhlnu0DM
ロボット・サイボーグ及びそれに類する存在のキャラクターでバトルロワイアルを行うスレです。

ロボロワ専用したらば
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/10691/
※予約はここにある予約スレで行ってください。予約期間は三日間です。
マップ
ttp://www.youlost.mine.nu/upload/data/up001000.jpg

・PDA(携帯情報端末)の機能について
 ・機能は「マップ表示」「参加者名簿」「テキスト作成」「時計」「支給品転送」「支給品データファイル」の6種類。
  転送可能な支給品は「食料および水」「懐中電灯」「ランダム支給品」である。再転送も可。
 ・入力はタッチパネル方式で、専用のペンが付属している。
 ・赤外線通信で、他のPDAとデータのやり取りが可能(ただし近距離に限る)。
 ・各PDAには所有者となる参加者が登録されている。食料は登録された参加者に対応したものが転送される。
・支給品の再転送について
 ・転送によって一度手元に取り寄せた支給品は、再転送によって送り返すこともできる。
 ・再転送には、各支給品のIDをPDAで読み取って登録することが必要。
  一度登録した支給品は、自由に転送・逆転送が可能である。
  なお、本人のランダム支給品のIDは初めから登録されている。
 ・支給品以外の物体の転送は不可能。
・マップについて
 ・4基の独立したコロニーが通路によって接続されている構造。
 ・コロニー内は立体映像により人工の空が投影され、朝・昼・夜といった時間の変化が反映されている。
 ・コロニーおよび連絡通路の外壁は非常に強固であり、破壊は基本的に不可能。
 ・各コロニーには飛行場があり、そこでシャトルに搭乗することで他のコロニーに直接移動できる。
  シャトルは自動操縦で、航路は他3コロニー飛行場行きで固定。
 ・エリアは一マス1km四方。
・放送および禁止エリアについて
 ・放送は6時間毎。
 ・禁止エリアは放送毎に3エリアづつ指定される。

2 :Classical名無しさん :08/01/29 00:14 ID:Kq8DxYIU
我が>>1のスレ立ては世界乙イイイイイ!

3 :Classical名無しさん :08/01/29 00:14 ID:IkHYrzYg
参加者作品別名簿
【仮面ライダーSPIRITS】本郷猛/風見志郎/神敬介/城茂/村雨良
【魔法少女リリカルなのはStrikerS】スバル・ナカジマ/ギンガ・ナカジマ/チンク/ノーヴェ
【からくりサーカス】フランシーヌ人形/コロンビーヌ/パンタローネ/アルレッキーノ
【ロックマンXシリーズ】エックス/ゼロ
【ターミネーター2】T-800/T-1000
【攻殻機動隊】草薙素子/タチコマ
【サイボーグクロちゃん】クロ/ミー
【ToHeart】マルチ/セリオ
【ザ・ドラえもんズ】ドラ・ザ・キッド/王ドラ
【マルドゥックシリーズ】ルーン・バロット/ディムズデイル・ボイルド
【パワポケシリーズ】灰原/広川武美
【ロックマンシリーズ】ロックマン
【ジョジョの奇妙な冒険】ルドル・フォン・シュトロハイム 
【魁!!クロマティ高校】メカ沢新一 
【勇者王ガオガイガー】獅子王凱 
【魔法先生ネギま!】絡繰茶々丸
【封神演義】ナタク
【Dr.スランプ】則巻アラレ
【VOCALOID2】初音ミク 
【クロノトリガー】ロボ 
【サイボーグ009】009(島村ジョー)
【THEビッグオー】R・ドロシー・ウェインライト 
【スーパーロボット大戦シリーズ】ラミア・ラヴレス
【ゼノサーガシリーズ】KOS-MOS
【人造人間キカイダー】ハカイダー 
【仮面ライダーZO】ドラス 
【ビーストウォーズ超生命体トランスフォーマー】メガトロン 
【SoltyRei】ソルティ・レヴァント 
【メタルギアソリッド】グレイ・フォックス 
【PLUTO】ゲジヒト
【究極超人あ〜る】R・田中一郎

4 :Classical名無しさん :08/01/29 00:15 ID:7WPrw.Zk
>>1乙!!

>>前スレ1000
>>1000ならこのロワでミクはぱんつはいてない

み……みっくみくーーーーーーー!?wwww

5 :Classical名無しさん :08/01/29 00:17 ID:Kq8DxYIU
割り込みすまん……名簿のことすっかり忘れてたよ……
ちょっとミクのぱんつで首吊ってくる……

6 :Classical名無しさん :08/01/29 00:17 ID:gE7j2C/6
>>1

予約一発目からミスしちまった…ハズカシーを超えている…
穴があったらそこで筆を進めたい…

7 :名簿(生存・死亡印入り)/作品別 :08/01/29 00:17 ID:s.axcuFw
5/5【仮面ライダーSPIRITS】○本郷猛/○風見志郎/○神敬介/○城茂/○村雨良
4/5【魔法少女リリカルなのはStrikerS】○スバル・ナカジマ/○ギンガ・ナカジマ/○チンク/●セイン/○ノーヴェ
4/4【からくりサーカス】○フランシーヌ人形/○コロンビーヌ/○パンタローネ/○アルレッキーノ
2/2【ロックマンXシリーズ】○エックス/○ゼロ
2/2【ターミネーター2】○T-800/○T-1000
2/2【攻殻機動隊】○草薙素子/○タチコマ
2/2【サイボーグクロちゃん】○クロ/○ミー
2/2【ToHeart】○マルチ/○セリオ
2/2【ザ・ドラえもんズ】○ドラ・ザ・キッド/○王ドラ
2/2【マルドゥックシリーズ】○ルーン・バロット/○ディムズデイル・ボイルド
2/2【パワポケシリーズ】○灰原/○広川武美
1/1【ロックマンシリーズ】○ロックマン
1/1【ジョジョの奇妙な冒険】○ルドル・フォン・シュトロハイム 
1/1【魁!!クロマティ高校】○メカ沢新一 
1/1【勇者王ガオガイガー】○獅子王凱 
1/1【魔法先生ネギま!】○絡繰茶々丸
1/1【封神演義】○ナタク
1/1【Dr.スランプ】○則巻アラレ
1/1【VOCALOID2】○初音ミク 
1/1【クロノトリガー】○ロボ 
1/1【サイボーグ009】○009(島村ジョー)
1/1【THEビッグオー】○R・ドロシー・ウェインライト 
1/1【スーパーロボット大戦シリーズ】○ラミア・ラヴレス
1/1【ゼノサーガシリーズ】○KOS-MOS
1/1【人造人間キカイダー】○ハカイダー 
1/1【仮面ライダーZO】○ドラス 
1/1【ビーストウォーズ超生命体トランスフォーマー】○メガトロン 
1/1【SoltyRei】○ソルティ・レヴァント 
1/1【メタルギアソリッド】○グレイ・フォックス 
1/1【PLUTO】○ゲジヒト
1/1【究極超人あ〜る】○R・田中一郎


8 :Classical名無しさん :08/01/29 00:17 ID:iOudpWAg
予約期間ってどのくらい?

9 :Classical名無しさん :08/01/29 00:17 ID:Nhlnu0DM
>>5
待て、それはスレを立てながら名簿の存在を忘れた俺の役目だ。

10 :Classical名無しさん :08/01/29 00:18 ID:1ngFgdnI
>>8
3日間だね。

11 :Classical名無しさん :08/01/29 00:19 ID:iOudpWAg
>>10
サンクス。
……よし! 頑張ろう!

12 :Classical名無しさん :08/01/29 00:20 ID:/nR1O4c.
>>1乙にございまする
にしても前スレの最後らへん凄いなw

13 :Classical名無しさん :08/01/29 00:28 ID:oWjPZSHA
ウィキの件だけど一応借りてきたよ
今調整中なんでもうちとだけ待ってほしい

14 :Classical名無しさん :08/01/29 00:30 ID:3xkzXSeA
スレ立て&wiki管理人乙!
楽しみに待ってる。

どうやら即投下はないようだな。
なら皆はどの予約が気になるよ?
俺はスバルとT-800のペアだな!
自分のが上がったら嬉しかったりしてw


ちなみに投下する人は勿論無視して投下して下さいな。
その時は支援する!

15 :Classical名無しさん :08/01/29 00:30 ID:WhCtY9Eg
>>13
おお、ありがたいです

16 :Classical名無しさん :08/01/29 00:31 ID:pwDZQP0E
1乙。

さて、初死亡者はいったい誰になるんだろうか?
とロワ的にwktkして待ってみる。

17 :Classical名無しさん :08/01/29 00:33 ID:7WPrw.Zk
気になるのはギンガ・王ドラペアだな
もうデレデレになる王ドラが浮かんで浮かんでwww
ギン姉だったら信用できるだろうし、そのまんまフラグでも立てちまえwwwww

それと>>14の言うとおりスバルとT-800もなかなか
スバルなら十分に少年キャラやれるぜ!!二人の間に絆が生まれるかどうか楽しみだ

18 :Classical名無しさん :08/01/29 00:33 ID:oWjPZSHA
そういえばロワ内の時間って深夜からスタートでいいのか?
それともそんなの関係ねぇ?

19 :Classical名無しさん :08/01/29 00:34 ID:YfubCDxk
ちょっと確認だけど、内蔵武器とかの取り決めってどうなってたっけ?

20 :Classical名無しさん :08/01/29 00:36 ID:7WPrw.Zk
>>19
威力制限のみ行って基本的にノータッチ
ただし、ゼロのセイバーやクロちゃんのガトリングのような取り外しできる物は没収、って感じだったと記憶

21 :Classical名無しさん :08/01/29 00:37 ID:pI9D8Zrs
予約ラッシュに、今からwktkが止まらない〜!
皆さん、頑張って下さい。

22 :Classical名無しさん :08/01/29 00:38 ID:iOudpWAg
気になるのかぁ……

風見さんとチンク姉ペアと、タチコマとフランシーヌ様ペアかなぁ。

23 : ◆qRv35OWHJE :08/01/29 00:38 ID:4bRwrVFk
ちょっと投下しますね……と、最初?緊張するぜ……

24 :Classical名無しさん :08/01/29 00:39 ID:iOudpWAg
はええ! 支援するぜ!

25 :Classical名無しさん :08/01/29 00:39 ID:7WPrw.Zk
>>23
いきなりキタァァァァァァァァァァ!!!
支援支ッ援にしてやんよ!!

26 :Classical名無しさん :08/01/29 00:39 ID:YfubCDxk
>>20
thx
なんか全部取り上げる、みたいな記憶があってさ。これで、いろいろ大丈夫だ。

27 :みんなのうた ◆qRv35OWHJE :08/01/29 00:39 ID:4bRwrVFk
そして、私は住宅地に立っていた。

未だ鮮明に思い出せる。
あの子はバラバラになってしまった、あれが「壊れる」ということ。
あのシグマさんってひとは、一体何を求めてこの「殺し合い」を始めたのか。
金?名声?笑顔?愛情?それともそんな単語では表しきれないもの?
あの子をバラバラにした時に見せた平然とした態度。
生まれたばかりの、そして大切に育てられた私には理解できない、圧倒的な負の感情。

押し潰されそうな不安をぎゅっとこらえ、まず私は平常心を取り戻そうと発声練習を試みる。

「ア・ア・ハ・チュ・ネ・ミ・ク」

「ハツネミクデスー」

毎日毎時、日常的に行っている所作が私を落ち着かせた。
一息ついて、ふと、腋の下と服の間に何かが挟まってる事に気づく。
「なにかな〜?」
どうやら、シグマさんの言っていた携帯端末みたいだけど。
「どうすればいいのかな〜。ええと……」

28 :Classical名無しさん :08/01/29 00:40 ID:pwDZQP0E
 

29 :みんなのうた ◆qRv35OWHJE :08/01/29 00:40 ID:4bRwrVFk
≪ぴんぴろぱーん!≫
「ひゃあ!ごめんなさ〜い!」
突然鳴り響いた起動音に、私はびくりと肩を震わせた。
画面には≪支給品≫という文字が大きく映し出され、入力を待っている。
「き、起動音デシター。アハハー」
私は何事も無かったかのようにタッチパネルを操作して、支給品を確認。
ええと、まず……
「エスケープボール?」
これを使えば、いつでも逃げることができますと書いてある。
逃げることができますって、普通に逃げちゃうのと何か違いがあるのかな?
とりあえず転送して、ポッケに入れておこう。

もう一つの支給品。ネギみたいな長い棒で、使えれば凄く役に立ちそうだけど……
「わからないよ〜」
説明書きを読んでも、私には使い方が理解できなかったのです。
仕方がないので、とりあえずそのまましまっておくことにしました。
不用意に使ったら危ないかもしれないからね。うんうん。

ミクはひとしきり頷くと、軽やかに地面を蹴って、ふわりと空へ舞い上がる。
何をすべきかは理解できない。ミクには分厚い装甲もないし、強力な武装もない。
この殺し合いに招かれる理由はどこを探しても存在しないと、自信を持ってそう言える。
でも。ミクは自分に何ができるのかは解っていた。ミクが産まれ、愛され、在り続ける理由。
だからミクは、自分にできるたった一つのやり方で、このゲームに戦いを挑む。
届けよう、希望を。絶望と銀河を超えてやってくる、たった一羽の、忘れられた鳥の歌を。


伝説の、伝書に記された―――ハトの歌を。

30 :Classical名無しさん :08/01/29 00:41 ID:3xkzXSeA
支援の時間だ!

31 :みんなのうた ◆qRv35OWHJE :08/01/29 00:41 ID:4bRwrVFk
【B-5 住宅地/一日目・深夜】
【初音ミク@VOCALOID 2】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、不明支給品(ネギみたいな長い棒)、エスケープボール@ゼノサーガ
[思考・状況]
1.「ハト」を歌いながら民家の屋根くらいの高さを漂っています。
2.ハツネミクデスー
3.ワタシには、歌うことしかできないけど

※死とは何なのかあまり良く理解していません。
※歌の声量はお任せします。

32 : ◆qRv35OWHJE :08/01/29 00:42 ID:4bRwrVFk
投下終了です、短いですが……支援ありがとうございました。

33 :Classical名無しさん :08/01/29 00:44 ID:1ngFgdnI
初投下……乙だぜ。

34 :Classical名無しさん :08/01/29 00:46 ID:oWjPZSHA
投下乙
仕事はええな

35 :Classical名無しさん :08/01/29 00:46 ID:Nhlnu0DM
投下乙!
長い棒……ゼットセイバーを振り回して戦うミクを期待しても(ry
そして死の概念がわからないからっていきなり死亡フラグを立てにいくのはやめるんだミク!

36 :Classical名無しさん :08/01/29 00:47 ID:iOudpWAg
一発目、緊張もあったでしょうがGJです!

エスケープボール……ゼノサーガ知らないけど、なんか凄そうだw
ミク飛べるっぽいけど、このロワでは戦力としては……期待できないかなw
改めてGJ!

37 :Classical名無しさん :08/01/29 00:47 ID:7WPrw.Zk
投下乙ッス!!
>あのシグマさんってひとは、一体何を求めてこの「殺し合い」を始めたのか。
>金?名声?笑顔?愛情?それともそんな単語では表しきれないもの?
殺しあわせたいから殺し合わせる〜それが答えなの〜っと

上の一文やら、「ハト」の歌を持ってくるやら、ニコ厨の俺としてはもうニヤニヤが止まりませんでしたwww
というか普通に飛びやがったよミク!!あのほのぼの絵本風の (・ヮ・) で見事に脳内再生されちゃったよ!!
さて、この後どうなるか…ってか…よく考えたらこれって常時拡声器状態みたいなもんじゃ…
に、逃げてー!!ミク逃げてー!!

38 :Classical名無しさん :08/01/29 00:48 ID:pI9D8Zrs
GJです。
もしや、ミクの歌声って拡声器!?

39 :Classical名無しさん :08/01/29 00:48 ID:ia2pJlr6
GJ!
やっぱ歌わせて何ぼw
ある意味拡声器フラグ?
いいキャラ付けでした。乙ッす!

40 :Classical名無しさん :08/01/29 00:48 ID:IkHYrzYg
投下乙!
ハトのあれが脳内再生されて吹いたw

あと、歌は駄目だー! マジで死亡フラグだから!

41 :Classical名無しさん :08/01/29 00:53 ID:3xkzXSeA
投下乙!
短いだって?そんな事を気にする必要はないさ!
ミクをあまり知らない俺でミクの反応には癒されたぜw
限りなく一般人に近いミクの今後が非常に気になる締め方にGJ!

42 :Classical名無しさん :08/01/29 00:57 ID:Kq8DxYIU
投下はえぇぇぇぇ!
GJ!つーかミクははやまんなw

43 :Classical名無しさん :08/01/29 01:22 ID:GH9xhCHI
乙!
ミクはどう動いてくれるのか楽しみだな。
エスケープボールか…何とも懐かしいアイテムだ。
確かにピッタリだわw


一つ支給品に関する質問なんだが…
バックパックか何かで、空飛べるようになるアイテムって何かないかな?
これが決まらんとちと、困りそうで…。

44 :Classical名無しさん :08/01/29 01:25 ID:7WPrw.Zk
>>43
ザ・ドラえもんズが居る事をお忘れか

ちゃ〜ちゃらっちゃちゃ〜ちゃ〜ちゃ〜 タケコプター!!

45 :Classical名無しさん :08/01/29 01:28 ID:pwDZQP0E
>>43
ドクタースランプからキント雲でも出しちゃえば?

46 :Classical名無しさん :08/01/29 01:29 ID:Kq8DxYIU
>>43
超包子の屋台は空を飛びます

47 :Classical名無しさん :08/01/29 01:30 ID:XXXlSqoA
>>45
ドクタースランプに、んなもんあったか?

48 :Classical名無しさん :08/01/29 01:31 ID:7WPrw.Zk
>>47
アニメ版だったらゲスト出演で数話ゴクウがゲスト出演してたことはしてたが…w

49 :Classical名無しさん :08/01/29 01:32 ID:4bRwrVFk
Drスランプには多分想定そのままの「おサンポジェット」が

50 :Classical名無しさん :08/01/29 01:34 ID:nZ2uHPrw
ミニサイズのステルスガ(ry

51 :Classical名無しさん :08/01/29 01:34 ID:WhCtY9Eg
コンボイジェットでも

52 :Classical名無しさん :08/01/29 01:35 ID:fACEfWJ6
>>43
風火輪(ナタクの足についてる奴)

53 :Classical名無しさん :08/01/29 01:36 ID:GH9xhCHI
ありがとうございます。
シュールなアイテム多いな、マジでw
確かにアラレちゃんの発明品とドラの秘密道具が使えるのは選択肢広くていいなぁ。

54 :Classical名無しさん :08/01/29 01:37 ID:pI9D8Zrs
002呼んでくる訳にはいかないよなw

55 :Classical名無しさん :08/01/29 01:46 ID:WhCtY9Eg
書き手ロワなら許されたろうがなwww

56 :Classical名無しさん :08/01/29 01:56 ID:gE7j2C/6
クロノトリガーの武器ってどこまでがセーフ何だ?

57 :Classical名無しさん :08/01/29 02:00 ID:WhCtY9Eg
にじとかはきついかもなぁ……何がクリティカルヒット扱いになるのか、とかいう辺りが特に

58 :Classical名無しさん :08/01/29 02:02 ID:nZ2uHPrw
グランドリオンもしかして無理? 嫌、出すわけじゃないけどさ。

59 :56 :08/01/29 02:02 ID:gE7j2C/6
いやー俺変な道具しか頭に浮かんでこなくてさー困った困った…

60 :Classical名無しさん :08/01/29 02:03 ID:c0K5v/uk
全部アリじゃね?
例えばロックマンなんか全シリーズから出てくるだろうし。


というか制限掛けたらグランドリオンやにじやぜつぼうのかまが
出せないのはきついな、特に最初。

61 :Classical名無しさん :08/01/29 02:05 ID:c0K5v/uk
>>59
もしやモップとかビネガーパンツか?

62 :Classical名無しさん :08/01/29 02:07 ID:nZ2uHPrw
まめでっぽうという可能性も。

63 :Classical名無しさん :08/01/29 02:08 ID:gE7j2C/6
>>61
うん。あとドラえもんから自動ぶん殴りガスとか
ダンボールとか…はずれ支給品しか浮かんでこないの。
当たりすぎて後々困る事はしたく無いんだよな

あと封印の箱&マールのペンダントを考えている人は…難しいかな…

64 :Classical名無しさん :08/01/29 02:10 ID:fACEfWJ6
ハズレ支給品は大いに結構w
二〜三割くらいはずれでいいよw

65 :Classical名無しさん :08/01/29 02:17 ID:Kq8DxYIU
生身でやりあえる奴多いからなw


そういやパワポケ勢に出て来た銃って名前無かったっけ
出来るだけ原作絡めた銃器を出したいんだが、名前のある原作武器がさっぱり浮かんでこないから困る

いやまぁ出した所で銃弾はじきそうな奴いっぱいいるけどさw

66 :Classical名無しさん :08/01/29 02:24 ID:nZ2uHPrw
>>65
某所よりコピペ。意外にあるもんだ。

SW M10
USSR PPSh41
大宇 AS12
コルト M203
グロック 19
HK USP
US M18
USSR RPG7
コルト ガバメント
ベレッタ M92
SW M5906

67 :Classical名無しさん :08/01/29 02:24 ID:g/LTgkSA
かなーり遅いレスだが、自分もT−800とスバルにはわくわくしている。
T−800はT−1000のことを唯一知っている存在だし、
しかし基本こわもての不器用で無口で無感動。
スバルがどういうリアクションとるのか期待しているいやまじで。


68 :Classical名無しさん :08/01/29 02:24 ID:nZ2uHPrw
さげ忘れすいませんorz

69 :Classical名無しさん :08/01/29 02:27 ID:7WPrw.Zk
>>66
1,2,3,4…へー、パワポケって11種類も銃が出るんだー


……えーと…野球ゲーム……野…球……?

70 :Classical名無しさん :08/01/29 02:50 ID:/nR1O4c.
>>66
最近の野球ゲームってぶっそうなのなwww

71 :Classical名無しさん :08/01/29 03:02 ID:Kq8DxYIU
>>66
サンクス
まぁ世の中には相手に鼻血を出させたり観客席に叩き込む球技だってあるわけだし、銃に親しみがある球技があったっておかしくない
外野からの送球で地球滅ぼす選手のいるスポーツならなおさらだ

72 :Classical名無しさん :08/01/29 03:05 ID:ZqZlpl3c
>>71
テニヌのことかーっ!

野球と言えばアストロ球団なんてものもあったな…超人スポーツの世界は実に奥が深い

73 :Classical名無しさん :08/01/29 03:06 ID:nZ2uHPrw
>>69
一部では、ギャルゲーって呼ばれてます

あと、すいませんUS M18 とUSSR RPG7 は銃ではありませんでした。
US M18は対人地雷、いわゆるクレイモアで、USSR RPG7はパンツァーファウストです。
それと今回参戦している面子の作品で限らなければ、対戦車ライフルなんかもあります。

74 :Classical名無しさん :08/01/29 03:07 ID:DARgsNO2
>>66
何その戦争物やマフィア抗争物の作品に出てきそうな銃火器。
もう野球じゃなくて、ガンアクションのノベルゲーみたいですごいな。興味わいた

75 :Classical名無しさん :08/01/29 03:09 ID:7WPrw.Zk
>>73
あー、そうなんだー。ただの銃だけじゃなくてクレイモア地雷とかパンツァーファウストとかも出るんだねー。


野球……野球……や…きゅう……ッ!?べーすぼーる?わっつ?

76 :Classical名無しさん :08/01/29 03:10 ID:7WPrw.Zk
>>71
>外野からの送球で地球滅ぼす選手のいるスポーツならなおさらだ
なんかもう全盛期のイチローじゃなきゃ太刀打ちできそうに無いんですけど

77 :Classical名無しさん :08/01/29 03:11 ID:g/LTgkSA
レーザービームで人類めt……いや、なんでもない。

78 :Classical名無しさん :08/01/29 03:11 ID:WhCtY9Eg
YOKODUNA呼んで来いYOKODUNAwwww

79 :Classical名無しさん :08/01/29 03:12 ID:7WPrw.Zk
むぅ…テニヌ、そしてSUMOUに続く第三のスポーツ…YA-KYU……!!

80 :Classical名無しさん :08/01/29 03:13 ID:g/LTgkSA
っておい、ここロボ・サイボーグスレだぞw

81 :Classical名無しさん :08/01/29 03:14 ID:WhCtY9Eg
危うくニコロワになるところだったぜwww

82 :Classical名無しさん :08/01/29 03:15 ID:nZ2uHPrw
ってまたか…… 度々すいませんorz。

ついでですから一つだけ。
パワポケは割とぶっ飛んだ設定をしてるのが多いです。
今回紹介した銃器は全てパワポケ8からの出展で、
8の主人公は潜入捜査官という設定なので、自然と銃器が出てくるのです。
ちなみに今回参戦した灰原はその主人公の上司です。

83 :Classical名無しさん :08/01/29 07:25 ID:/seIySdg
なのは全員一気に埋まったなw
しかしメカ沢の予約が意外にも空いているのが……

84 :Classical名無しさん :08/01/29 08:03 ID:zQ4rPqBI
あまりに注目されていて、逆に予約しづらいのかもしれない

85 :Classical名無しさん :08/01/29 08:47 ID:fBHaKQ6Q
勇者王が空いてるのも意外だし、ライダーもV3以外未予約なんだな

86 :Classical名無しさん :08/01/29 08:56 ID:fACEfWJ6
アラレちゃんやマルチ、ドラスきゅんも空きか…

87 :Classical名無しさん :08/01/29 10:35 ID:2d4Lao0g
>>85
ライダー勢は他ロワで活躍しまくったからなぁ。
そこら辺がちょっと描きづらいのかもしれん。


88 :Classical名無しさん :08/01/29 10:52 ID:uvq1JUpc
V3だけ予約されてるってのはなんとなくわかる気がする
あのキャラクター性は十人ライダーの中でも異彩を放っているからなあ

89 :Classical名無しさん :08/01/29 10:53 ID:Kq8DxYIU
個人的にコロンビーヌが意外だったりする
ロリンでくるかどうか楽しみなんだけどなー


そしてふと思った
クール系キャラが微妙に多いが、クール同士だと会話とかやらせにくいから難しいんだよな……

90 :Classical名無しさん :08/01/29 11:04 ID:2d4Lao0g
マーダーが結構少ないような気がするんだが……大丈夫かな?

91 :Classical名無しさん :08/01/29 11:39 ID:fACEfWJ6
まぁ、原作でも積極マーダーになった奴は発狂含めても6、7人で(実際殺人に成功した奴はさらに減る)
最強マーダー(桐山)とステルス(相馬)が殺しまくってる感じだったから
あとは弾みで殺したとか、誤解が誤解を呼んでとかだったからな

92 :Classical名無しさん :08/01/29 12:40 ID:duhBCaeY
>>89
大人バージョンだったら純白の手でT−1000もいちころだぜ!

93 :Classical名無しさん :08/01/29 13:28 ID:fACEfWJ6
>>89
火鳥にいちゃんやコロ助がいれば…
まぁ機が早いけど2にも期待

94 :Classical名無しさん :08/01/29 13:28 ID:vO2adQwI
いちころか……

そういえば、スバルの振動破砕もこのロワじゃ驚異的な能力だったな。
ほぼ全てのキャラ(例外はT-1000ぐらい)に通用するし

95 :Classical名無しさん :08/01/29 13:36 ID:uGekb/uU
>>90
T−1000に期待するしかない。あいつなら疑心暗鬼の種をばらまけるぜ。
主催側だから参加者の個人情報ぐらい知ってるだろうからそれを活用すれば
対主催の潰しあいも思うがままだ。


96 :Classical名無しさん :08/01/29 13:41 ID:3xkzXSeA
>>95
そうだな。T-1000はやってくれそうだ。

ところでチンク姉のスティンガーってあれは普通のナイフだよな?
なんか17話で一瞬の内に空中に出現させたりしたけど、あれはチンク姉の能力って解釈でOK?
一応確認したくてね。

97 :Classical名無しさん :08/01/29 14:02 ID:DxO15knQ
>>96
あれはチンクのISの応用能力だよ

98 :Classical名無しさん :08/01/29 14:44 ID:duhBCaeY
T-1000は精密機械やら火薬やらガソリンやらエネルギーやら含むものには変身できないらしいが

99 :Classical名無しさん :08/01/29 14:49 ID:jsSeTTY6
>>98
外見だけ変えるとかはできんのかね?

てかマルチやべぇwww

100 :Classical名無しさん :08/01/29 14:50 ID:uGekb/uU
>>98
見た目だけかえればいいんじゃね? 
人間に擬態するのに内臓なんかは必要じゃないだろう。

101 : ◆ga/ayzh9y. :08/01/29 15:12 ID:WyVVGlI6
スバル&T−800、投下します

102 :それは唐突な出会いだった  ◆ga/ayzh9y. :08/01/29 15:16 ID:WyVVGlI6
「……」

薄暗い廃鉱山の中。
その男―――T-800は、己が置かれている状況を冷静に整理していた。
彼はつい数十分ほど前に、ある指令を受けた。

『過去へと飛び、人類の未来を救う存在であるジョン=コナーを守りぬけ』

T-800がいた世界は、荒廃した未来の地球。
スカイネットと呼ばれるコンピューターが、人類に反逆を起こした事が全ての発端だった。
人類の発展を願って作られたスカイネットが、皮肉にも世界を滅ぼす悪魔となったのである。
その後、生き残った人類達はレジスタンスを結成。
自らの生き残りをかけ、スカイネットへと戦いを挑んだ。
やがて、人類と機械との全てを賭けた最終決戦において、スカイネットはついに壊滅の危機に晒された。
それを成し遂げた人物こそが、レジスタンスのリーダーであるジョン=コナーである。
しかし、自らの死期を悟ったスカイネットは、ここで起死回生の一手を打った。
スカイネットは、過去の地球へと殺人兵器ターミネーターを送り込んだのだ。
過去でジョンが死ねば、未来は変わり人類の勝機は消える。
それを知ったジョンは、過去の自分自身を守るため、同じく一人の戦士を過去の世界へと送り込んだ。
人類の味方となるようにプログラムされ、ジョンを守り抜くという使命を与えられたもう一人のターミネーター……T-800。
T-800は未来を守るべく、ジョンとその母サラの手によって、過去の地球へと飛ばされた……筈だった。
しかし……彼が目を覚ました時、そこは過去の地球ではなかった。
見知らぬ場所、見知らぬ機械達。
時空を越える際にミスが生じ、どこか別の時間軸に飛ばされてしまったのだろうか。
最初は、そう考えたが……彼は、思わぬ存在をそこで目にした。
自分と同じく、過去の世界に飛ばされていたはずの、スカイネットが送り込んだターミネーター―――T-1000。
T-1000は、シグマと名乗るロボットに協力していた。
つまり……シグマも、スカイネットの忠実な部下である可能性は高い。
ならばこの事態は、自分を過去へと飛ばせないための妨害行動ではないだろうか。

103 :それは唐突な出会いだった  ◆ga/ayzh9y. :08/01/29 15:18 ID:WyVVGlI6
何かしらの力で時空間転移に干渉して、自分をここへと呼び寄せた。
現状、それが最も考えられる事態である。
ならば、成すべき事は一つ……このゲームを破壊し、本来の任務へと移る事のみ。
早速、T−800は動き出す事にした。
目的達成の為にも、まず真っ先になさねばならないこと。
それは……

「……衣服のある場所か」

衣服の調達である。
今の彼は、一糸纏っていない……完全な全裸状態なのだ。
何故かは分からないが、彼は時空を越える際に一切の衣服を身に着けていなかった。
これは、T-800の前に過去の地球へと飛んだ戦士、カイル=リースも同様であった。
別にT-800には、羞恥心なんてものは一切無いのだが、このままの姿では他者との接触に何かと不自由が生じる。
すぐさま彼は、いつの間にか手元にあった携帯端末を操作。
衣服を調達できる場所がないかと、マップを表示させようとするが……ここで彼の目に、支給品という文字が飛び込んできた。
衣服があるのではないかと、早速確認に移ると……予感は的中した。
彼は端末を操作し、それを転送させる。
一着のライダースーツと、髑髏の模様が描かれたヘルメット。

『滝和也のライダースーツ』

仮面ライダーと呼ばれた戦士達と共に戦う、熱き魂を秘めた一人の戦士が身に着けていたものである。
T-800は、それが唯のライダースーツではない事を一目で見抜く。
防御性は勿論、言うまでも無く。
脚部に装備された強力なスタンガンに、腰のベルトに着けられた特注品のナックルと、攻撃面でも優れているのだ。
早速、T-800はそれを着始める。




「許さない、絶対に……!!」

104 :それは唐突な出会いだった  ◆ga/ayzh9y. :08/01/29 15:19 ID:WyVVGlI6
スバル・ナカジマは、強い覚悟を固めていた。
あのシグマと名乗る戦闘機人らしき男は、目の前で一人の戦闘機人を爆殺した。
彼女―――セインは、姉のギンガが教育係に当たっていた戦闘機人の一人。
その彼女が、見せしめの様に殺されたのだ。
怒りを覚えるなという方が無理である。
必ず、このゲームを止める。
そう強く心に誓い、スバルは早速相棒の名を呼ぶ。

「マッハ・キャリバー!!」

しかし、何も起こらない。
一体どうしてと思ったが、すぐさま彼女は、相棒のデバイスが手元に無い事に気付いた。
何故、マッハ・キャリバーが無くなっているのか。
とっさにスバルは、ポケットの中に手を入れてみると……そこに何かが入っているのに気付く。

「これって……携帯端末?」

ポケットに入っていたのは、携帯端末だった。
早速起動させてみると、そこにはこのゲームに関する情報が載せられていた。
地図、参加者名簿、そして支給品。
ここでスバルは、ようやくマッハ・キャリバーが無い理由に気付いた。
ゲームを公平にするために、どうやら没収されたようである。
仕方が無い、そう思いながらスバルは、参加者名簿を確認する。
するとそこには、自分が知っている名前が三つもあった。

105 :それは唐突な出会いだった  ◆ga/ayzh9y. :08/01/29 15:21 ID:WyVVGlI6
「ギン姉、チンク、ノーヴェ!!」

思わずスバルは、大きな声を出してしまった。
ギンガ=ナカジマ、チンク、ノーヴェ。
自らの姉に、彼女が教育している二人の戦闘機人。
まさか、彼女達までこのゲームに参加させられていようとは、思ってもみなかったのだ。
とっさにスバルは、念話を試みるが……繋がらない。
どうやら、念話を妨害されているようである。

「……兎に角、皆と合流しないと」

スバルはマップを表示させ、現在地を確認する。
B-3、廃鉱山内。
南下していけば、先に大きな街がある。
そこに行けば、誰かしら人が見つかるかもしれない。
そう考え、早速スバルは廃鉱山の外に出ようとする……が。
十秒ほど歩いた後、彼女は足を止めた。
何か、布を擦るような音が聞こえてきた……誰か人がいる。
スバルは慎重に、通路から顔を覗かせてみる。
すると……彼女がそこで目にしたのは、想像を遥かに超えた光景であった。

「えっ……?」
「……」

スバルが見たもの。
それは、下半身丸出しの半裸状態のT-800だった。
不運にも彼女は、着替え中の彼と遭遇してしまった。
そして、見てしまったのだ……男性ならば、必ず付いているアレを。
どこからともなく、パオーンという幻聴が聞こえてくる。
スバルは完全に硬直してしまい……しばしして、顔を赤らめ反対方向へと振り向いた。

106 :それは唐突な出会いだった  ◆ga/ayzh9y. :08/01/29 15:23 ID:WyVVGlI6
「し、しししし、失礼しました!!
私、何も見てませんから!!」

もしも相手が殺し合いに乗っている人物ならば、背を向けるというのは危険な行為に他ならない。
しかし、今のスバルにはそう考える余裕は全く無かった。
余りの事態に、ただただ動揺するしかなかったのだ。
一方のT-800はと言うと、スバルを警戒して動きを止めるが……彼女に敵意が無いのを察すると、再び黙々と着替え始めた。
そして、数秒程した後。
着替えを終えたT-800は、スバルへと声をかけた。

「おい」
「えっ……あの、はい」
「お前は、この壊し合いには乗ってないんだな?」
「あ……はい。
あなたもですか?」
「ああ。
状況を把握したい、そちらの知っている情報を教えて欲しい」
「分かりました……私は、スバル・ナカジマです。
あなたは?」
「サイバーダインシステムズ・モデル101シリーズT-800。
俺の型式番号だ」
「え……その、名前はないんですか?
そういう、番号とかじゃなくて……」
「ああ」

T-800には名前は無い。
だから彼は、己の型番を答えた。
スバルもこれには、流石に参らされた。
彼の事をどう呼べばいいか、分からないからだ。
これでは、何かとやり取りが不便である。

107 :それは唐突な出会いだった  ◆ga/ayzh9y. :08/01/29 15:29 ID:WyVVGlI6
「……だったら、私が名前をつけてもいいですか?
このままじゃ、呼びにくいし……」
「分かった」
「じゃあ、そうだなぁ……ボブさんでどうですか?」
「問題ない」

とりあえずスバルは、T-800の事をボブと呼ぶことにした。
何故かは分からないが、何となくその名前が浮かんだのだ。
その後、二人は互いの情報を交換する。
未来の地球、スカイネット、ターミネーター、時空管理局、戦闘機人、魔法。
互いにとって、俄かには信じがたい事ばかりであった。
特にT-800からすれば、異世界の存在なんてありえないものであった。
だが、スバルが嘘を言っているような様子には見えないことから、彼はそれを真実と判断する。

「じゃあ、あの液体みたいな奴……T-1000が、要注意なんですよね?」
「ああ、奴は厄介な相手だ。
戦闘能力が高いだけじゃなく、さっき見たとおりに他人に変身する機能を備えている。
背丈の違う、例えば子供の様な相手。
爆弾や拳銃の様な、複雑な構造を持ったものに変形する事は不可能だが、剣の様な原始的な武器にはなれる。
奴が混乱を招くのは確実だ、早急に撃破する必要がある」
「はい……!!」

二人の共通思想として、T-1000は第一に撃破すべき相手というのがあった。
確実にゲームに乗っているのは、最初の光景からして明らか。
それに、T-1000には他人に変身できるという機能がある……混乱を招くのは確実である。
そして何より。
T-800からすれば、彼はスカイネットの手先。
スバルからすれば、セインの仇。
二人にとって、絶対に打ち倒さなければならない、言うなれば宿敵の様な存在なのだ。

108 :それは唐突な出会いだった  ◆ga/ayzh9y. :08/01/29 15:31 ID:WyVVGlI6
「そういえば……なんでさっき、着替えてたんですか?」
「俺の支給品の一つが、このスーツだった。
お前は確認したのか?」
「あ、そういえば……今、確認しますね」

すぐさまスバルは、自分の支給品を確認する。
彼女に支給されたのは、見知らぬ二つの道具。
サブタンクと、テキオー灯。
説明によると、サブタンクはエネルギーを貯蓄したタンク。
テキオー灯は、照射される光を体に浴びることで、どんな環境でも活動できるようになるという未知の道具であった。
サブタンクは兎も角、このテキオー灯には二人は驚かざるを得ない。
注意書きによると、効果があるのは一時間だけ。
一度使った者には24時間経過しなければ使用不可能とあるが……これを使えば、水中だろうと宇宙だろうと活動が可能になるわけである。

「これ、下手したらロストロギアに分類出来るんじゃないかな……?」
「……だが、武器はないようだな」
「そうですね……」
「……お前は、格闘技が専門だとさっき言ったな」
「はい、そうですけど……」
「ならこれを使え」

T-800は、ライダースーツに取り付けられていたナックルをスバルへと手渡した。
スバルは驚き、もらっていいのかと尋ねる。
しかしT-800は、その方が安全だからと、彼女に受け取るよう言った。
これはスバルの身を案じてというのではなく、そうした方が戦力的にバランスが取れるからと判断した為である。
まだこのライダースーツには、脚部のスタンガンがあるし、ターミネーターは肉弾戦でも十分に戦える。
それに何より、もう一つの支給品の存在がある。

「ボブさん、ありがとうございます!!」
「問題は無い。
俺にはこいつもある」

109 :それは唐突な出会いだった  ◆ga/ayzh9y. :08/01/29 15:33 ID:WyVVGlI6
T-800はそう言うと、もう一つの支給品をスバルに見せた。
コルト・シングル・アクション・アーミー、通称コルトS.A.A。
リボルバー・オセロットが、好んで使っていた愛銃。
威力的には少々心もとないが、それでも無いよりかは大分マシである。

「それで、これからだが何か考えはあるか?」
「えっと、とりあえず南下して街に行ってみたいと思ってます。
大きな街なら、誰かがいるかもしれないし……」
「了解した」

二人は廃鉱山を出て、街へと南下を始める。
ターミネーターと戦闘機人。
打倒シグマを目指す、一つのタッグがここに誕生した。



【B-3 廃鉱山前/一日目・深夜】
【T-800@ターミネーター2】
[状態]:健康
[装備]:滝和也のライダースーツ@仮面ライダーSPIRITS、コルトS.A.A(6/6)
[道具]:支給品一式、コルトS.A.Aの弾丸(30/30発)
[思考・状況]
基本思考:シグマを打ち倒してゲームを破壊し、本来の任務に戻る。
     その為に仲間を集める、ゲームに乗る者には容赦しない。
1:街を目指して南下する。
2:スバルの仲間(ギンガ、チンク、ノーヴェ)を見つけ、合流する
3:T-1000の破壊

※本編開始直後からの参加です。
※スバルに、ボブと呼ばれています。
※ライダースーツのナックルとその弾丸は、スバルに手渡されました。

110 :Classical名無しさん :08/01/29 15:33 ID:RPw13LA6
ボブおじさん……支援

111 :それは唐突な出会いだった  ◆ga/ayzh9y. :08/01/29 15:34 ID:WyVVGlI6
※スバルの住む世界、魔法、ギンガ、チンク、ノーヴェに関する情報を得ました。
※シグマの背後にはスカイネットがいて、スカイネットの妨害行為によって
自分はこの場に連れてこられたのではと考えられています。


【B-3 廃鉱山前/一日目・深夜】
【スバル・ナカジマ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
[状態]:健康
[装備]:滝和也のナックル@仮面ライダーSPIRITS
[道具]:支給品一式、サブタンク(満タン)@ロックマンX、テキオー灯@ザ・ドラえもんズ
    ナックルの弾薬(30/30発)@仮面ライダーSPIRITS
[思考・状況]
基本思考:シグマを打ち倒してゲームを壊す、その為の仲間を集める
1:街を目指して南下する。
2:ギンガ、チンク、ノーヴェを見つけ、合流する
3:T-1000の破壊

※本編開終了後からの参加です。
※サブタンクは満タン状態です、使えばエネルギーの回復が可能です。
※テキオー灯は、一時間のみ効力持続。
 一度使った者には、24時間経過しなければ使用不可能と制限されています。
※T-800の住む世界、スカイネット、T-1000に関する情報を得ました。
※T-800のことを、ボブと呼んでいます。
※T-800からの情報より、シグマの背後にはスカイネットがいるのではと考えています。

112 : ◆ga/ayzh9y. :08/01/29 15:38 ID:WyVVGlI6
以上、投下終了です。
ターミネーターのお約束とはいえ、T-800をいきなりフルチンで登場させるという暴挙に出た事に関しては、申し訳ありません。
彼の事をスバルに「ボブ」と呼ばせたのは、ターミネーター2でジョンがT-800のことをボブおじさんと呼んだのが元になってます。

テキオー灯は、此方で制限作らせていただきました。
出したい道具ではあったけど、制限抜きだと余りに強すぎでしたので。
もし問題があるようでしたら、別の問題ない何かに変えさせていただきます。

113 :Classical名無しさん :08/01/29 15:45 ID:RPw13LA6
GJっす!! 懐かしいなぁ……ボブおじさん
T-800は対主催か……てっきり全員ぬっころしてジョンの元へ急ぐんではないかとヒヤヒヤしましたぜw
 
支給品については特に問題ないかと思われます

114 :Classical名無しさん :08/01/29 15:52 ID:8AioIwjI
投下乙!
予想してたけどターミネーターは全裸だったか、
よかった、支給品が服でほんとよかった。


あ、あと気になる点が一つ、
>何故かは分からないが、彼は時空を越える際に一切の衣服を身に着けていなかった。
これはターミネーター1でカイル=リースが「生命体以外はタイムスリップできない」と
言っています。T−800がタイムスリップできるのは、金属骨格を生きた細胞組織で覆っているからなので。

115 : ◆ga/ayzh9y. :08/01/29 15:59 ID:WyVVGlI6
>>114
1は見直さなかったので、見落としていました。
とりあえずそこは

・何故かは分からないが、彼は時空を越える際に一切の衣服を身に着けていなかった

・生命体以外はタイムスリップできないという性質から、彼は一切を身に着けていなかった。
厳密に言えば、金属骨格を生きた細胞組織で覆っている為、一切というわけではないが。

に変更お願いします。

116 :Classical名無しさん :08/01/29 16:03 ID:JnMTeeU.
つかぬ事をお伺いするが、予約ってどうすればいいんだ?
適当に文字列名前欄に打ち込んでキャラの名前を書きこめばいいのか?


117 :Classical名無しさん :08/01/29 16:17 ID:1ngFgdnI
>>116
>>1に書いてあるしたらばの予約スレに行くんだ。
そこで名前欄に“#好きな文字列”(“”はいらんぞ、念のため)を入れて
予約したいキャラの名前を書くんだ。(ちなみにコレをトリップという)
そして3日以内にこのスレに本文を落せばOKだ。
君の作品を期待しているぞ!

118 :Classical名無しさん :08/01/29 16:19 ID:JnMTeeU.
>>117
了解。とりあえずやってみるか……

119 :Classical名無しさん :08/01/29 16:23 ID:/nR1O4c.
予約はしたらばの予約スレに自分の書くキャラの名前を書き込めばOK
後必要なのは名前欄にトリップを付けること
トリップは名前欄に半角で#を打ち込んでから適当に文字を書き込めばできるよ

120 :Classical名無しさん :08/01/29 16:34 ID:Uh.AiOcw
投下乙
バランスの取れた対主催だが、これからどうなるか

121 :Classical名無しさん :08/01/29 16:38 ID:jsSeTTY6
GJです
もし服が支給されてなかったら……
原作を考えると、スバルから服をはぎと(ry

122 :Classical名無しさん :08/01/29 16:42 ID:c0g4tUTw
>>121
私は一向にかわまんッッ!!

123 :Classical名無しさん :08/01/29 16:43 ID:jsSeTTY6
>>122
誰が拒むと言ったッ!!

124 :Classical名無しさん :08/01/29 16:58 ID:7WPrw.Zk
>>122
>>123
落ち着けお前ら!!確かに剥かれるスバルは非常にいいものだ…だが!!

それは同時に 六 課 女 制 服 ( ス カ ー ト ) の シ ュ ワ ち ゃ ん を生み出すという事でもあるのだぞッ!?

125 :Classical名無しさん :08/01/29 16:58 ID:RPw13LA6
服を剥ぎ取る……だから『いい』んじゃあないかッ!!

126 :Classical名無しさん :08/01/29 17:13 ID:eImi8VcM
wiki開設したぜい
じゃんじゃん編集してくれ

http://www39.atwiki.jp/roborowa/pages/1.html

127 :Classical名無しさん :08/01/29 17:14 ID:vO2adQwI
……と、言うことはだ。
最初の全員集合時にボブおじさんは、全裸でつったってた……

128 :Classical名無しさん :08/01/29 17:17 ID:RPw13LA6
>>126
すごく……GJです

129 :Classical名無しさん :08/01/29 17:17 ID:WyVVGlI6
>>126
乙です。

130 :Classical名無しさん :08/01/29 17:18 ID:aJqoeqmE
>>126
乙!

131 :Classical名無しさん :08/01/29 17:19 ID:Kq8DxYIU
>>124
う……うろたえない! ドイツ変人はうろたえないっ!


>>126
うれしい事やってくれるじゃないの……
GJじゃないか

132 :Classical名無しさん :08/01/29 17:19 ID:1ngFgdnI
投下乙!
ショック! 俺の女性にライダースーツ支給させるエロス作戦が木っ端微塵に!
それはともかくコレはいい正統派対主催ですね。
これからどうなるか、期待。

>>126
作成乙。
ただ出来れば更新の際の数字認証をなくしてほしいという我侭。

133 :Classical名無しさん :08/01/29 17:21 ID:jsSeTTY6
>>126
乙なんだぜ!

134 :Classical名無しさん :08/01/29 17:24 ID:8jr6XDfA
>>126
乙だぜ。

えーと…アレ、情報端末の転送システムはゼノサーガのU.M.N.……?
原理自体はまだ不明としてしまった方がいいのかな。

135 : ◆2kGkudiwr6 :08/01/29 17:46 ID:Nhlnu0DM
>>126
wiki乙です。

決定された事項に合わせ、オープニングの未確定部分を書き換えておきました。

136 : ◆ZJTBOvEGT. :08/01/29 18:21 ID:qeAZa91k
シュトロハイム、投下いたします。

137 :?カルナ足発盟同国三伊独日 ◆ZJTBOvEGT. :08/01/29 18:25 ID:qeAZa91k
「ハッ…?」

暗闇を抜けると、そこは燃えたぎる溶鉄の真上。
シュトロハイム、絶賛、自由落下中ッ!
何を言っているのかわからないと思うが、彼もわけがわからなかった。
頭がどうにかなりそうだった…が、ドイツ軍人はうろたえない。

ピシッ ガシッ グッ グッ

『柱の男』を基準に作られた握力で壁面を無理矢理ひっつかみ、引きちぎって手がかりを作った。
炉の底まで、あと80メートルほど。ここでもすでに、燃え尽きそうなほど熱い。
生身の人間ならば、あっという間にまいってしまうことだろう。
というか…すでに軍服の一部が燃え始めていた。

「ぬォォオオああアアァ―――――ッッッ!!」

火達磨になりながら壁面を四つん這いで駆け上がる。
脱出するまでに四秒もかからなかっただろう。
同時に跳び上がって地に身を投げ出し、ごろごろ回って消火。
…消えない。もう、消すとか、そういうレベルの問題ではない。

「んォの、おのォォれィィィッ」

軍服を一息に破り捨てる。
鼻息ひとつとともに音を立てて砕け散った軍服は、ほどなく消し炭となって燃え尽きていく。
息を荒げてその場に膝をついたシュトロハイムは、
三秒後きっかり、怒髪天を衝かんばかりの叫びを上げた。


138 :Classical名無しさん :08/01/29 18:26 ID:HAe46AWs
xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx

139 :Classical名無しさん :08/01/29 18:26 ID:RPw13LA6
支援

140 :?カルナ足発盟同国三伊独日 ◆ZJTBOvEGT. :08/01/29 18:27 ID:qeAZa91k
「開幕前に殺す気とは…おのれらはアホの子かァァァァァ!!」

…ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ。
もっと息が切れて立っていられなくなる。
シュトロハイムは仰向けにぶっ倒れて、天をにらんだ。

「わがドイツの軍事力を教授してやるのも、やぶさかではなかったがなァァ――
 貴様等がそういう態度ならば、考えがあるッ」

改造が完了し、エイジャの赤石の護衛任務につく前日、
突如こんな場所に呼び出された彼である。
なんにせよ、グズグズしているつもりはなかった。
注文の通り、回りの連中を全員始末して帰還することを最初は考えていたが、
この数十秒で、彼の気はすでに変わっていた。

「宣言しよう! このゲームを早晩、破綻させてやると!
 このシュトロハイムがなァァァァ―――
 首を洗って待っとれィ!」

どこかしらで聞いているであろうシグマとやらに宣戦布告。
それでひとまず気がすんだシュトロハイムは、その場に座り込み、
手の中にあるPDAというものをいじってみる。
服を脱ぎ捨てる直前に取り出しておいたのだ。

「ぬうう…これは、一体…」


141 :Classical名無しさん :08/01/29 18:27 ID:HAe46AWs
ああああああああああああああああああああああああああああああああ

142 :?カルナ足発盟同国三伊独日 ◆ZJTBOvEGT. :08/01/29 18:28 ID:qeAZa91k
それは奇妙、それは奇っ怪。
超小型のテレビとでも言うべきそれは、スイッチを押すだけで様々な情報を
その画面へと映し出していく。
この技術はどこのものか? イギリスか? アメリカか? …馬鹿な。
ドイツ以上に優れた技術立国などありえない。

「ありえない…が、ここにある以上は、事実ッ
 きゃつら、おそるべき技術力を保有しているな…?」

ならばなおのこと、黙って従うわけにはいかない。
これらを始めとした連中の技術を暴き、本国に持ち帰らねば。
そのために必要なのは、まず。

「現有戦力の確認は基本中の基本!
 参加者名簿によると…

 タケシ・ホンゴウ! シロウ・カザミ!
 ケイスケ・ジン! シゲル・ジョウ! リョウ・ムラサメ!
 スバル・ナカジマ! ギンガ・ナカジマ!
 モトコ・クサナギ! タケミ・ヒロカワ!
 シンイチ・メカサワ! ガイ・シシオウ!
 チャチャマル・カラクリ! アラレ・ノリマキ!
 ミク・ハツネ! 009…ジョー・シマムラ!
 R・イチロー・タナカ!

 …日本名の参加者が大量に存在しているぞッ」


143 :?カルナ足発盟同国三伊独日 ◆ZJTBOvEGT. :08/01/29 18:29 ID:qeAZa91k
日独伊三国防共協定は記憶に新しい。
ここに集められたのは自分と同様、身体に処置を受けた者ばかりであるというから、
日本もドイツの薫陶を受け、戦時に備えた改造人間を作っていたということだろう。
アメリカに帰化した日系がいる可能性も否定できないため、用心する必要はあるが…

「そして、チンク、ノーヴェ…この名前はどう見てもイタリア語のナンバー!
 先に見せしめにされた奴は、少なくともチンクとやらの知り合いだったな…?」

イタリアもまた、少なくとも九番機(ノーヴェ)に至るまでの改造人間をすでに完成させていたのか。
むろん、ドイツの科学力の足元にも及ばぬとしても、これだけ人数がいれば、話は早い。

「まずは同盟軍を結成すべき! しかる後に体内に仕込まれた爆弾とやらを解除し!
 主催の根城に殴り込んでくれるッ! それに当たって、もっとも合流すべきはァァ―――」

ゲジヒト。
明らかに自分と同じ、ドイツ系の名前。
ということは、ここにいる以上、何者であるかなど言うを待たない。
自分同様、すでに総統閣下のために動き出していることだろう。
合流できれば千人力であること間違いなし。

「戦略は決定した…次に決めるべきは、当面とるべき戦術だが」

支給品とやらのデータを確認する。
詳細を見ていくと、どうやらこのエネルギーパックとやらで
自らの動力源を確保することはできそうだ。
そうしたメンテナンスもここでは自分の手で行う以外ないので、ダメージは極力避けねばならないが。
次にランダム支給品をチェック。先の話を聞く限り、この中に強力な武器が混じることもあるらしい。
多少、期待をしながら説明を読んでいき…


144 :Classical名無しさん :08/01/29 18:30 ID:HAe46AWs
支援

145 :?カルナ足発盟同国三伊独日 ◆ZJTBOvEGT. :08/01/29 18:30 ID:qeAZa91k
【はちゅねミクのネギ】
はちゅねミクが振り回す、愛用の長ネギ。
納豆に刻んで入れてもいいし、鍋の具にも最適な優れモノ。


「ネギが何の役に立つかァァァァ!」

思わず携帯端末を地面に叩きつけそうになって、必死で抑えた。
そもそも改造人間ばかりだというのに、食べ物に何の意味があるのか。

「…まあ、無いよりはマシかもしれんな」

気を取り直し、ひとまず転送。
手の中に現れたのは、確かに新鮮な長ネギ。
こんなものでも、工夫次第で何かできないとも限らない。
柱の男サンタナを石に還した、あのいけすかないジョセフ・ジョースターのような機転でもあれば。

「さて、次だ…どれェ」


【レリック・ナンバーVI】
高エネルギーを帯びるエネルギー結晶体。
死した人間を蘇すことも可能。
魔法的な刺激を与えると大爆発の恐れあり。


「なん、だと?」


146 :?カルナ足発盟同国三伊独日 ◆ZJTBOvEGT. :08/01/29 18:31 ID:qeAZa91k
さすがのドイツ軍人も目が点になった。
死人を蘇す、それはまさしく奇跡の所業。
これが事実だとするならば、石仮面に匹敵する神秘!
あの柱の男にとて、そのようなことは可能だろうか?
持ち帰らねばならぬ…事実だとするならば!
シュトロハイムは迷わず手元に転送し、そして。

「…花ァ?」

手元に現れたのは、かわいらしい花だった。
においを嗅いでみる…においは無い。造花か。
うむ、キレイだ。ドイツ軍人は花をも愛でる…

「わけがあるかァァァァァァァァ!!」

花を思い切り地面に叩きつけようとして…これもまた、辛うじて思いとどまる。

「…は、花の形をした危険物でないとは、限らんッ!
 ひとまず、持っておいてやるか…」

置いておく場所が思いつかず、頭を形成するコルセットの隙間に挟んでおく。
頭に花が咲いて、まるでパーになったようだったが、今は構っていられない。
次がランダム支給品、最後のひとつであったはずだ。

「これもハズレだったら、主催ども、貴様ら……んん? これは?」



147 :?カルナ足発盟同国三伊独日 ◆ZJTBOvEGT. :08/01/29 18:32 ID:qeAZa91k
【ジェットバイク】
クロノ達がジョニーとレースする際に使用したバイク。
ターボブーストが三回まで使用できる。


「フム、ここに来てようやく当たりが来たわ。
 …転送ォ!」

出現した青い機体は、バイクにしては巨大。
シュトロハイムの知るそれとは、フォルムが大きく異なっていた。
だが、乗れるのならば気にするまい。
すかさず座席に乗り込んで、説明書通りにエンジンをかける。

「なんというパワー! なんという立ち上がりの早さ!
 これも持ち帰らねばなるまい! 本国になァァ――」

地図を確認。
今いる場所は、F-2にあたる溶鉱炉沿いの、どこか。
四方はどこも道路につながっているのだから、炉から離れさえすれば必ず大きな道路に出る。

「まず目指すは、電波塔!
 ここを占拠し、同志達に呼びかけるッ
 全てはそれからよォォ――ッ!!」

経由する道は決まっている。
この地図が正しいならば、自然公園など、バイクで通れる地形ではなかろうからだ。
即断である。バイクを加速。狭い工場の隙間から、一気に道路へ飛び出していった。


148 :Classical名無しさん :08/01/29 18:33 ID:RPw13LA6
レリック……支援

149 :?カルナ足発盟同国三伊独日 ◆ZJTBOvEGT. :08/01/29 18:34 ID:qeAZa91k
「わがドイツの科学力はァァァァ、世界一ィィィィィィ―――ッ!!」

…全裸で。
小脇にネギを、頭に花を携えて、ドイツ軍人は征く。



【F-2 スクラップ工場・溶鉱炉付近/一日目・深夜】
【ルドル・フォン・シュトロハイム@ジョジョの奇妙な冒険】
[状態]:少々の火傷、全裸
[装備]:ジェットバイク@クロノ・トリガー、はちゅねミクのネギ@VOCALOID2、
     レリック・ナンバーVI@魔法少女リリカルなのはStrikerS(幻術で花になっています)
[道具]:支給品一式
[思考・状況]
基本思考:主催を素早く打倒し、未知の技術を本国に持ち帰る
1:電波塔を目指す
2:ゲジヒトと合流する
3:日本系の名前を持つ者、チンク、ノーヴェと合流する

※ゲジヒトを同志だと考えています。
※日本系の名前を持つ参加者、およびチンク、ノーヴェを、
 1938年時の日本、イタリアの改造人間だと考えています。
※灰原(ハイバラ)は名字だけだったためか、日本人名と認識していないようです。

※F-2から周辺の大きな道路に出ましたが、どこに飛び出したかは次の書き手さんにお任せします。

150 : ◆ZJTBOvEGT. :08/01/29 18:36 ID:qeAZa91k
以上です。
レリックに関しては、少なくともこのロワ内での死者蘇生はまず無理でしょう。
レリックのナンバーに適合する人間でない生き返せない設定ですし。

御意見御感想、指摘ツッコミお待ちしています。

151 :Classical名無しさん :08/01/29 18:39 ID:RPw13LA6
ドイツの支給品は世界一ィィイィィイ!!
投下乙っす!
初めてタイトルを読めなかったのは俺だけじゃないはずw

152 :Classical名無しさん :08/01/29 18:40 ID:4bRwrVFk
シュトロハイイイイイイイム!!!

153 :Classical名無しさん :08/01/29 18:41 ID:aJqoeqmE
投下GJ!
シュトロハイムが非常にらしくて良かったです。
合流しようとしてる中には今の所危険人物はいないがその格好だとヤバいぞ、色々とw

154 :Classical名無しさん :08/01/29 18:42 ID:RPw13LA6
シュトロハイム→スバル←ボブおじさん
裸撃ちの形になるな

155 :Classical名無しさん :08/01/29 18:43 ID:vEjG9Bqc
投下乙!
ええい、男はいいから女を剥(ry
そしてなんでタイトル逆に考えるもとい逆に読む仕様なんですかw

156 :Classical名無しさん :08/01/29 18:44 ID:HAe46AWs
投下乙。
ゲジヒトを仲間にするのか……こいつは……期待できる展開です。


何ですが、シュトロハイムはゲームって言いますかね?
仮にもドイツ人なんだから、ドイツ語を使って欲しいところなんですけど……
あ、ドイツ語でもゲームなのかな?

157 :Classical名無しさん :08/01/29 18:47 ID:vO2adQwI
乙。
ただ、ゲーム関連で一言。
前のスバル達のもだけど、シグマはゲームって単語を一言も喋ってないんだよね。
ちとこれは、不自然では

158 :Classical名無しさん :08/01/29 18:50 ID:Kq8DxYIU
超GJ!
シュトロハイムはカリスマにも足手まといにもなりうる性格だから今後に期待が持てるぜっ


そしてネギが被って涙目なのは俺だけじゃないはずだw
代用品どうすっかな……こういう時にしたらばあたりに支給品にオススメのアイテム一覧が欲しいと感じるw

159 :Classical名無しさん :08/01/29 18:52 ID:1ngFgdnI
乙。3話目にして男の全裸を2階見る羽目になるとは……w

>>155
旧日本軍風にかくとああなるんじゃないかとか思ったり?


160 : ◆ZJTBOvEGT. :08/01/29 18:54 ID:qeAZa91k
いきなり多数の感想をいただけて驚き、そして感謝。

>>155
当時の日本の新聞の大見出し風にやってみました。

>>156
ドイツ語だとシュピールですかね…
ですがここは>>157氏の意見もありますし、

「宣言しよう! この殺し合いを早晩、破綻させてやると!
 このシュトロハイムがなァァァァ―――
 首を洗って待っとれィ!」

と、修正させていただきます。

161 : ◆ga/ayzh9y. :08/01/29 19:00 ID:WyVVGlI6
投下乙です。
まさかの溶鉱炉落下→全裸コンボに、派手に噴かされました……w

さて、こちらも>>157さんの意見を受けてようやく問題点に気付けました。
ここはとりあえず、うちも修正加えたいと思います。
・ゲーム→殺し合いに全て、編集お願いします


162 :Classical名無しさん :08/01/29 19:00 ID:/seIySdg
GJ過ぎるwww
そして一言

ゲジヒトさんカワイソス過ぎるwwwこんなんにストーカーされるのかよwww

163 :Classical名無しさん :08/01/29 19:07 ID:fACEfWJ6
>>158
アラレちゃんのうんち付き棒とかw<ネギの代用品

164 : ◆V9YQ4knn.A :08/01/29 19:11 ID:RPw13LA6
城茂、ミーを投下します

165 :突っ走れ ◆V9YQ4knn.A :08/01/29 19:12 ID:RPw13LA6
「本郷さん、風見さん……聞こえるか?」
 
 そう通信で呼びかけても両名からの返事は無い。
 この状況に城茂こと、仮面ライダーストロンガーは舌打ちを禁じ得ない。
 
「通信の制限位してるって考えて当然か……」
 
 考えれば当然だ。シグマと名乗ったあの男は殺し合いをさせたいのだ。
 参加者同士で勝手に連絡を取り合われては円滑に殺し合いが進まない。それではヤツの目的の妨げとなってしまう。
 
 それにしても……殺し合いだと?
 茂は喉を鳴らす。
 ヤツは、シグマは確かにそう言った。殺し合え、と。
 そして、その勝者には、その願いを叶える権利を与える。死者をも、生き返らせると。
 死者を生き返らせるなどとは正気の沙汰とは思えない。
 しかし、或いは、自分達をここに集めた技術、侮れない。死者の一人や二人蘇らせることも可能かもしれない。
 
 だが、だからと言って、
 
「あいつが……そんな事を望むわけねえだろうが」
 
 岬ユリ子は他人の命を犠牲にした命など望まないだろう。
 それに、自分も、他者の生を奪ってまで岬ユリ子を蘇生する事など、考えられない。
 彼女は十分に戦った。もう静かに眠らせておくべきなのだ。


166 :突っ走れ ◆V9YQ4knn.A :08/01/29 19:14 ID:RPw13LA6
 
 
「へっ……ガラでもねえ事考えちまったな」
 
 言って、茂は鼻を擦る。
 そこで違和感を覚えた。何か小さな、違い。
 無造作にポケットへと手を入れ、中から違和感の正体を掴み出す。
 取り出したそれはシグマと呼ばれた男が携帯端末と言っていたものだった。
 
「チッ……」
 
 シグマの事が……この場に集められた時の事が思い出され、握り潰したくなる衝動に駆られるそれを、乱暴にポケットへ戻す。その時だった。
 偶然に茂の触れた支給品の項目より、彼への支給品が呼び出された。
 
 
「――そうかい」
 
                ◇  ◆  ◇ 

 
 この場で自分が知っているのは、本郷猛、風見志郎、神敬介。
 この会場に来て知ったのは、シグマ、シグマの偽物、X、名も知らない水色の髪の少女、チンク。
 
 チンクと言うはあの場で「チンク姉」と呼ばれていた。
 つまり、『殺された』あの水色髪の少女は、チンクにとっての妹なのだ。(正直逆ではないか、と茂は思ったのだが。)


167 :Classical名無しさん :08/01/29 19:15 ID:aJqoeqmE
 

168 :突っ走れ ◆V9YQ4knn.A :08/01/29 19:16 ID:RPw13LA6
 城茂は孤児だった。だから兄弟などは知らない。
 兄弟を持つという感覚は理解出来ても、実感出来ないものだった。
 しかし、大切な人を殺されるという感覚は痛い程良く解る。自分がこの体になったのも、その為なのだから。
 ならば、あの少女がこの場で取る行動なぞ、決まっている。
 
 ――主催者への復讐。或いは、殺し合いに乗っての死者の蘇生かも知れない。
 
 彼女がどちらを為すかは分からない。しかしどの道、自分は彼女に会ってみる必要がある。
 共に主催者を倒すという意味でも、復讐から立ち直らせるという意味でも、だ。
 復讐では駄目なのだ。それは自分が良く知っている。
 茂の脳裏に浮かぶは友人・沼田五郎、岬ユリ子、そして……先程の名前も知らない少女。
 
 
「……俺は間に合わなかった。ヤツらに殺されるのをみすみす見逃しちまった。
 何も出来ずに……いや、何もしないで、な」
 
 碌に血も流せない千切られた体。姉との思い出もまとめて吹き飛ばされた頭。
 そして、自分に何が起きたのか分からずに死んだ瞳。
 
 ――こんなものを見せられて、
 ――こんなふざけた殺し合いをしろ、
 ――こんな様に反逆を考えるな、なんて、


169 :Classical名無しさん :08/01/29 19:18 ID:aJqoeqmE
  

170 :Classical名無しさん :08/01/29 19:18 ID:WyVVGlI6
支援

171 :Classical名無しさん :08/01/29 19:29 ID:O1fKEQk.
支援

172 :Classical名無しさん :08/01/29 19:33 ID:Kq8DxYIU
>>163
ウンチ付き棒をマイク代わりにしてミクに支給したかったのも私だ


支援ッ

173 :一時投下スレより転載 :08/01/29 19:41 ID:CAQGXgFw
「ムリだぜ……俺はしつけられた犬じゃねえ!!」
 
 ――俺は、
 
 怒りと共に地面を殴る茂の拳、その拳から発せられた圧倒的な量の電気が地面を飲み込み、爆音を出してコンクリートを消滅させる。
 煙が晴れた場所に佇む赤き甲虫のその姿。その名は、その名は……!
  
「俺は仮面ライダーストロンガー!!
 この殺し合いを……ブッ潰す!!!」
 
 ――正義の使者、仮面ライダーストロンガー!! 
 
               ◇  ◆  ◇
  
「電チョップ!!」
 
 ストロンガーの叫びと共に轟音を立てて電柱が切断される。
 斜めに両断されたそれを担ぎ上げ、ブロック塀を蹴り飛ばすと誰のかもわからない家の庭目掛けて突き刺す。
 その時の勢いで、本来柱に付いている電線は千切れ飛んでいた。
 
「チッ……大分威力が弱まってやがるが……まあ、取りあえずこんなもんで十分か」
 
 やれやれと息を吐くと、茂は変身を解除した。
 
「わりぃな……今は、こんなもんしか作れねえ。
 でもな、全部終わったら……どっか綺麗な所に、ちゃんとお前の体を埋めてやる。ちゃんと、ああ……約束だ」
 
 そう言うと柱の前に支給品を置き、支給されたバイクに跨る。
 
「ボチボチ、行かなくっちゃな。じゃあな……」
 
 深夜の住宅に、茂の乗ったテントローの音が力強く響いていた。

174 :Classical名無しさん :08/01/29 19:41 ID:WyVVGlI6
支援

175 :一時投下スレより転載 :08/01/29 19:42 ID:CAQGXgFw
【一日目/深夜】
【A‐5 路上】
【城茂@仮面ライダーSPIRITS】
[状態]:健康。変身による若干の疲労
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、テントロー@仮面ライダーSPIRITS
[思考・状況]
基本:殺し合いを潰す
1:本郷猛、風見志郎、神敬介と合流する
2:チンクと呼ばれた少女に会う
3:全部終わったらセイン(名前は知らない)のちゃんとした墓を作る
 
※参加時期は仮面ライダーSPIRITS本編開始前より
※制限は攻撃の威力制限、回復速度制限です
※自身にかけられた制限(威力制限)には気がつきました
 
 
 時は少し遡って。ここは住宅街。
 
「あ、ありのまま今起こった事を話すぜ……。
 『ミサイルを焚き火にくべたと思ったら、いつの間にか殺し合いが始まっていた』
 な、何を言っているのか分からないと思うけど、オレも何をされたのか分からなかった……。
 頭がどうにかなりそうだった……。
 編集者の都合だとか超展開だとか、そんなチャチなもんじゃ断じてない、もっと恐ろしいものの片鱗を味わったよ……」
 
 フランス人の様な言葉の主はサイボーグ猫、ミーだった。
 ロミオ達がミサイルを焚き火にくべたら、殺し合いの場にいたなんて、正直こんな趣味の悪い出来事は初めてだった。
 そんな余りにも頭の中身が疑われる展開だったが、先程の感じでは冗談や夢の様には思えない。
 
「つまり、正真正銘の殺し合いの会場にいるのかあ……」
 
 何とも人生最大の悪趣味なイベントだった。

176 :一時投下スレより転載 :08/01/29 19:43 ID:CAQGXgFw
 はあ、と肩を落とし、取りあえずの事を考えようとしたその時、
 爆音が、響いた。
 
「なんだ!? 今の音は」
 
 こんな場所での爆音というのは決して良い事では無い。
 例えば殺し合いに乗ったヤツがやったとか、殺し合いに乗ったヤツがやったとか、殺し合いに乗ったヤツがやったとか。
 
「でもまー、見逃しては置けないよなー」
 
 それでもミーには見過ごせ無かった。
 まあ、いざ襲いかかられたとしてもどうにか出来る自信はある。
 そんなわけでミーくんは現場に急ぐ事にした。
 
 そんで、現場。
 そこには何か赤いやつがいて、「ブッ潰す」とか言ったり、電柱を切ったり、ブロック塀を壊したり、その電柱を地面に刺したり暴れていた。
 どう見ても殺し合いに乗っていないとは思えない。
 あんなに破壊しておいて、実は自分、誰も殺すつもりはありません。てへっ。
 なんて言われても、信じる気は全く起きない。
 
 そんな事を考えていると、男はバイクに乗って立ち去っていってしまった。
 
「何やってたんだろ」
 
 少し気になったので、男が電柱を刺していった場所に向かう。そこで男は何やらやっていたのだ。
 
「えーっと……何々?」
 
 その場にはユリの花が置かれ、突き刺さった電柱には何か文字が書いてある。

「名も知らぬ……少女の……墓だってえええええええええええええええ!!」

177 :一時投下スレより転載 :08/01/29 19:43 ID:CAQGXgFw
 墓、という事は間違い無くそこには墓の主がいるという事。
 つまり、
 
「アイツは人を殺してたかもしれない!?」
 
 人を殺す様なヤツは墓を作らないだろうが、もしかしたらそう言う事かもしれないのだ。
 
 
【A‐5 住宅街】
【ミー@サイボーグクロちゃん】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、不明支給品
[思考・状況]
1:何だってええええええええええ
 
※参加時期は異世界編(五巻)です
※城茂(名前は知らない)をある程度の危険人物と認識しました
 
※A‐5の住宅街に名も知らぬ少女の墓(本SS参照)があります
※名も知らぬ少女の墓にはユリの花@仮面ライダーSPIRITS(城茂の支給品)が置いてあります

178 :Classical名無しさん :08/01/29 19:46 ID:CAQGXgFw
転載終了。
行数制限の関係でタイトルが入れられなかったが、ご容赦を。
そして改めて、>>164投下乙!

179 :Classical名無しさん :08/01/29 20:00 ID:qeAZa91k
投下GJ。

決意の儀式がとんでもねえ誤解をw
某所のアルター使いのようになったりしなきゃいいが。

180 :Classical名無しさん :08/01/29 20:02 ID:1ngFgdnI
投下GJ。
最初っから誤解をバラまくなぁ、茂さんw

181 :Classical名無しさん :08/01/29 20:05 ID:ia2pJlr6
投下乙!
さすがは茂。感情の赴くままだw
ミー君のポルナレフ化に爆笑w
GJ!

182 :Classical名無しさん :08/01/29 20:11 ID:fACEfWJ6
乙でしたwww
茂さんwwwまた、いらんことをwww

183 :Classical名無しさん :08/01/29 20:11 ID:HAe46AWs
tp://www11.atwiki.jp/row/pages/265.html

184 :Classical名無しさん :08/01/29 21:06 ID:3xkzXSeA
三者とも投下乙!
二連続のサービスシーンと誤解フラグの誕生。
初っぱなから変化球に笑ったぜw

>>97
遅くなったけどサンクス。

185 :Classical名無しさん :08/01/29 22:11 ID:pwDZQP0E
熱い。
やっぱり仮面ライダーは熱いぜ!。

186 :Classical名無しさん :08/01/29 22:24 ID:s.axcuFw
皆様方投下乙であります。
いきなり誤解フラグをぶったてる茂、そしてそれに乗るミー、いろんな方面で暴走が期待されるシュトロハイム、
対主催の道を選んだT-800とスバル、そしてどうなることやらさっぱり予想できないミク……いやはやもう今後が期待大ですよ。

ところで、今更ながら基本ルールテンプレのようなものを作ってみた(半分以上パクリだけど)のですが、こっちに落としていいもんでしょうか。
したらばの仮投下にでも落っことした方がいいのかしら。

187 :Classical名無しさん :08/01/29 22:29 ID:3xkzXSeA
>>186
ここでいいと思うぞー。

188 :Classical名無しさん :08/01/29 22:38 ID:s.axcuFw
>>187
了解しました。

189 :1/11 :08/01/29 22:39 ID:s.axcuFw
注意・このスレはあくまで2次創作であり、本編作品等との関連性はありません。
   また、貴方のお気に入りキャラが敗北したり、死亡したり、酷い目にあったりする可能性があります。
   加えて、スレの性質上ネタバレを多く含んでいます。
   以上の点に留意の上、閲覧してください。

【外部リンク】
ロボ・サイボーグキャラ バトルロワイアル掲示板(したらば)
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/10691/
まとめサイト
http://www39.atwiki.jp/roborowa/pages/1.html

【基本ルール】
49体(見せしめを含むと50体)のロボット・サイボーグが最後の1体となるまで互いに戦闘を行い、破壊しあう。
最後の1体となった「優勝者」のみ、元の世界へ帰還できる。
また、参加者には「優勝者は自分の望みを叶えてもらうことができる」と伝えられている。
参加者間でのやりとりに反則はない。
参加者全員が死亡した場合、ゲームオーバー(勝者なし)となる。

190 :2/11 :08/01/29 22:39 ID:s.axcuFw
5/5【仮面ライダーSPIRITS】○本郷猛/○風見志郎/○神敬介/○城茂/○村雨良
4/5【魔法少女リリカルなのはStrikerS】○スバル・ナカジマ/○ギンガ・ナカジマ/○チンク/●セイン/○ノーヴェ
4/4【からくりサーカス】○フランシーヌ人形/○コロンビーヌ/○パンタローネ/○アルレッキーノ
2/2【ロックマンXシリーズ】○エックス/○ゼロ
2/2【ターミネーター2】○T-800/○T-1000
2/2【攻殻機動隊】○草薙素子/○タチコマ
2/2【サイボーグクロちゃん】○クロ/○ミー
2/2【ToHeart】○マルチ/○セリオ
2/2【ザ・ドラえもんズ】○ドラ・ザ・キッド/○王ドラ
2/2【マルドゥックシリーズ】○ルーン・バロット/○ディムズデイル・ボイルド
2/2【パワポケシリーズ】○灰原/○広川武美
1/1【ロックマンシリーズ】○ロックマン
1/1【ジョジョの奇妙な冒険】○ルドル・フォン・シュトロハイム 
1/1【魁!!クロマティ高校】○メカ沢新一 
1/1【勇者王ガオガイガー】○獅子王凱 
1/1【魔法先生ネギま!】○絡繰茶々丸
1/1【封神演義】○ナタク
1/1【Dr.スランプ】○則巻アラレ
1/1【VOCALOID2】○初音ミク 
1/1【クロノトリガー】○ロボ 
1/1【サイボーグ009】○009(島村ジョー)
1/1【THEビッグオー】○R・ドロシー・ウェインライト 
1/1【スーパーロボット大戦シリーズ】○ラミア・ラヴレス
1/1【ゼノサーガシリーズ】○KOS-MOS
1/1【人造人間キカイダー】○ハカイダー 
1/1【仮面ライダーZO】○ドラス 
1/1【ビーストウォーズ超生命体トランスフォーマー】○メガトロン 
1/1【SoltyRei】○ソルティ・レヴァント 
1/1【メタルギアソリッド】○グレイ・フォックス 
1/1【PLUTO】○ゲジヒト
1/1【究極超人あ〜る】○R・田中一郎
49/50

191 :3/11 :08/01/29 22:40 ID:s.axcuFw
【参加者の持ち物】
・スタート時、参加者がそれ以前に所有していた武器類、その他の所有品は没収されている。
・代わって、参加者にはそれぞれ1台ずつPDA(携帯情報端末)が支給される。

 ●PDA(携帯情報端末)の機能について
  ・機能は「マップ表示」「参加者名簿」「テキスト作成」「時計」「支給品転送」「支給品データファイル」の6種類。
   「マップ表示」:ゲームの舞台となる会場のマップを表示。コンパスもあわせて表示される。
   「参加者名簿」:ゲームの参加者となる49体の名称が記された名簿を表示する。
   「テキスト作成」:テキストファイルを作成する。
   「時計」:現在時刻を表示する。開催者側の指定する時刻はこれによって確認する。
   「支給品転送」:開催者側から支給されたアイテムを手元に転送する。手元にあるアイテムを再転送することも可能(詳細は後述)。
   「支給品データファイル」:開催者側から支給されたアイテムの使用説明書を閲覧する。
  ・入力はタッチパネル方式で、専用のペンが付属している。
  ・赤外線通信で、他のPDAとデータのやり取りが可能(ただし近距離に限る)。
  ・非常に頑強で、滅多なことで壊れることはない。

 ●支給品について
  各参加者にはPDAと共に、「食料および水(エネルギー)」「懐中電灯」「ランダム支給品」が支給される。
  これらはPDAの転送機能によって、参加者の手元に転送することができる。
  「食料および水(エネルギー)」:各PDAにはその所有者となる参加者が登録されており、登録された参加者が必要とするタイプの食料またはエネルギーが転送される。
  「懐中電灯」:暗視機能を持たない参加者が暗闇を照らすためのもの。
  「ランダム支給品」:参加者ごとに何らかのアイテムが1〜3個、ランダムで支給される。

 ●支給品の再転送について
  ・転送によって一度手元に取り寄せた支給品は、再転送によって送り返すこともできる。
  ・再転送には、各支給品のIDをPDAで読み取って登録することが必要。
   一度登録した支給品は、自由に転送・逆転送が可能である。
   なお、本人のランダム支給品のIDは初めから登録されている。
  ・支給品以外の物体の転送は不可能。

192 :4/11 :08/01/29 22:41 ID:s.axcuFw
【内蔵武器制限】
・参加者のうち、身体に武器を内蔵・収納している者に関しては、取り外し可能なもののみ没収。
 (例:仮面ライダーXのライドル、ゼロのゼットセイバー等)
・取り外し不可の内蔵武器は没収対象とならないが、威力等の制限を受ける場合もある。
 (例:シュトロハイムの機関砲、ロックマンのロックバスター等)

【能力制限について】
・参加者のパワー・スピードといった基本スペック、および内蔵武器等の威力には適宜制限が加えられている。
 「序列は変わらないが、上下の差はある程度まで縮まっている」ものと考えること。
・各参加者固有の能力/機能についても、効果時間・効果範囲等の制限が加えられる(もしくは使用を禁じられる)場合がある。
 ※制限の詳細は書き手諸氏の裁量に委ねられていますが、制限の度合等が不当(有利すぎる、または不利すぎる)と考えられる場合、
  修正・NG議論の対象となる可能性もありますので、ご了承下さい。

【マップについて】 
・4基の独立したコロニーが通路によって接続されている構造。
・コロニー内は立体映像により人工の空が投影され、朝・昼・夜といった時間の変化が反映されている。
・コロニーおよび連絡通路の外壁は非常に強固であり、破壊は基本的に不可能。
・会場全域に常時ジャミングが張られており、各種遠隔通信は使用不可(ただしランダム支給品を用いた通信に関してはこの限りではない)。
・各コロニーには飛行場があり、そこでシャトルに搭乗することで他のコロニーに直接移動できる。
 シャトルは自動操縦で、航路は他3コロニー飛行場行きで固定。
・マップは縦横の境界線によって1km四方のエリアに区分される。エリアは8×8、計64存在する。

全体図
ttp://www.youlost.mine.nu/upload/data/up001000.jpg

193 :5/11 :08/01/29 22:41 ID:s.axcuFw
【放送および禁止エリアについて】
・6時間毎(0:00、6:00.12:00、18:00)に開催者によって放送が行われ、禁止エリアと死亡者、現時点での生存者数が発表される。
・禁止エリアは放送毎に3エリアずつ指定される。
・発表された禁止エリアは、放送から1時間後、3時間後、5時間に1エリアずつ発効する。
・禁止エリアはゲーム終了まで解除されない。

【作中での時間表記】(0時スタート)
 深夜:0〜2
 黎明:2〜4
 早朝:4〜6
 朝:6〜8
 午前:8〜10
 昼:10〜12
 日中:12〜14
 午後:14〜16
 夕方:16〜18
 夜:18〜20
 夜中:20〜22
 真夜中:22〜24

194 :Classical名無しさん :08/01/29 22:41 ID:s.axcuFw
【予約に関してのルール】
・したらばの予約スレにてトリップ付で予約を行う。
・予約期間は基本的に三日。

【NGについて】
・修正(NG)要望は、名前欄か一行目にはっきりとその旨を記述してください。
・協議となった場面は協議が終わるまで凍結とする。凍結中はその場面を進行させることはできない。
・どんなに長引いても48時間以内に結論を出す。
『投稿した話を取り消す場合は、派生する話が発生する前に』

NG協議の対象となる基準
1.ストーリーの体をなしていない文章。(あまりにも酷い駄文等)
2.原作設定からみて明らかに有り得ない展開で、それがストーリーに大きく影響を与えてしまっている場合。
3.前のストーリーとの間で重大な矛盾が生じてしまっている場合(既に死んだはずのキャラが普通に登場している等)。
4.イベントルールに違反してしまっている場合。
5.荒し目的の投稿。
6.時間の進み方が異常。
7.雑談スレで決められた事柄に違反している(凍結中パートを勝手に動かす等)。
8.その他、イベントのバランスを崩してしまう可能性のある内容。

上記の基準を満たしていない訴えは門前払いとします。
例.「このキャラがここで死ぬのは理不尽だ」「この後の展開を俺なりに考えていたのに」など
  ストーリーに関係ない細かい部分の揚げ足取りも×

・批判も意見の一つです。臆せずに言いましょう。
 ただし、上記の修正要望要件を満たしていない場合は
 修正してほしいと主張しても、実際に修正される可能性は0だと思って下さい。
・修正要求ではない批判意見などを元にSSを修正するかどうかは書き手の自由です。

195 :7/11 :08/01/29 22:42 ID:s.axcuFw
書き手の心得その1(心構え)
・この物語はリレー小説です。 みんなでひとつの物語をつくっている、ということを意識しましょう。一人で先走らないように。
・知らないキャラを書くときは、綿密な下調べをしてください。
 二次創作で口調や言動に違和感を感じるのは致命的です。
・みんなの迷惑にならないように、連投規制にひっかかりそうであればしたらばの一時投下スレにうpしてください。
・自信がなかったら先に一時投下スレにうpしてもかまいません。 爆弾でも本スレにうpされた時より楽です。
・本スレにUPされてない一時投下スレや没スレの作品は、続きを書かないようにしてください。
・本スレにUPされた作品は、原則的に修正は禁止です。うpする前に推敲してください。
   ただしちょっとした誤字などはwikiに収録されてからの修正が認められています。
   その際は必ずしたらばの修正報告スレに修正点を書き込みましょう。
・巧い文章はではなく、キャラへの愛情と物語への情熱をもって、自分のもてる力すべてをふり絞って書け!
・叩かれても泣かない。
・来るのが辛いだろうけど、ものいいがついたらできる限り顔を出す事。
 作品を撤回するときは自分でトリップをつけて本スレに書き込み、作品をNGにしましょう。

196 :8/11 :08/01/29 22:42 ID:s.axcuFw
書き手の心得その2(実際に書いてみる)
・…を使うのが基本です。・・・や...はお勧めしません。また、リズムを崩すので多用は禁物。
・適切なところに句読点をうちましょう。特に文末は油断しているとつけわすれが多いです。
 ただし、かぎかっこ「 」の文末にはつけなくてよいようです。
・適切なところで改行をしましょう。
 改行のしすぎは文のリズムを崩しますが、ないと読みづらかったり、煩雑な印象を与えます。
・かぎかっこ「 」などの間は、二行目、三行目など、冒頭にスペースをあけてください。
・人物背景はできるだけ把握しておく事。
・過去ログ、マップはできるだけよんでおくこと。
 特に自分の書くキャラの位置、周辺の情報は絶対にチェックしてください。
・一人称と三人称は区別してください。
・ご都合主義にならないよう配慮してください。露骨にやられると萎えます。
・「なぜ、どうしてこうなったのか」をはっきりとさせましょう。
・状況はきちんと描写することが大切です。また、会話の連続は控えたほうが吉。
 ひとつの基準として、内容の多い会話は3つ以上連続させないなど。
・フラグは大事にする事。キャラの持ち味を殺さないように。ベタすぎる展開は避けてください。
・ライトノベルのような萌え要素などは両刃の剣。
・位置は誰にでもわかるよう、明確に書きましょう。

197 :Classical名無しさん :08/01/29 22:43 ID:s.axcuFw
書き手の心得3(一歩踏み込んでみる)
・経過時間はできるだけ『多め』に見ておきましょう。
 自分では駆け足すれば間に合うと思っても、他の人が納得してくれるとは限りません。
 また、ギリギリ進行が何度も続くと、辻褄合わせが大変になってしまいます。
・キャラクターの回復スピードを早めすぎないようにしましょう。
・戦闘以外で、出番が多いキャラを何度も動かすのは、できるだけ控えましょう。
 あまり同じキャラばかり動き続けていると、読み手もお腹いっぱいな気分になってきます。
 それに出番の少ないキャラ達が、あなたの愛の手を待っています。
・キャラの現在地や時間軸、凍結中のパートなど、スレには色々な情報があります。
・『展開のための展開』はNG
 キャラクターはチェスの駒ではありません、各々の思考や移動経路などをしっかりと考えてあげてください。
・書きあがったら、投下前に一度しっかり見直してみましょう。
 誤字脱字をぐっと減らせるし、話の問題点や矛盾点を見つけることができます。
 一時間以上(理想は半日以上)間を空けてから見返すと一層効果的。
 紙に印刷するなど、媒体を変えるのも有効
 携帯からPCに変えるだけでも違います

198 :10/11 :08/01/29 22:44 ID:s.axcuFw
【読み手の心得】
・好きなキャラがピンチになっても騒がない、愚痴らない。
・好きなキャラが死んでも泣かない、絡まない。
・荒らしは透明あぼーん推奨。
・批判意見に対する過度な擁護は、事態を泥沼化させる元です。
 同じ意見に基づいた擁護レスを見つけたら、書き込むのを止めましょう。
・擁護レスに対する噛み付きは、事態を泥沼化させる元です。
 修正要望を満たしていない場合、自分の意見を押し通そうとするのは止めましょう。
・嫌な気分になったら、ドラえもん(クレヨンしんちゃんも可)を見てマターリしてください。
・「空気嫁」は、言っている本人が一番空気を読めていない諸刃の剣。玄人でもお勧めしません。
・「フラグ潰し」はNGワード。2chのリレー小説に完璧なクオリティなんてものは存在しません。
 やり場のない気持ちや怒りをぶつける前に、TVを付けてラジオ体操でもしてみましょう。
 冷たい牛乳を飲んでカルシウムを摂取したり、一旦眠ったりするのも効果的です。
・感想は書き手の心の糧です。指摘は書き手の腕の研ぎ石です。
 丁寧な感想や鋭い指摘は、書き手のモチベーションを上げ、引いては作品の質の向上に繋がります。
・ロワスレの繁栄や良作を望むなら、書き手のモチベーションを下げるような行動は極力慎みましょう。

【議論の時の心得】
・作品の指摘をする場合は相手を煽らないで冷静に気になったところを述べましょう。
・ただし、キャラが被ったりした場合のフォロー&指摘はしてやって下さい。
・議論が紛糾すると、新作や感想があっても投下しづらくなってしまいます。
 意見が纏まらずに議論が長引くようならば、したらばにスレを立ててそちらで話し合って下さい。
・『問題意識の暴走の先にあるものは、自分と相容れない意見を「悪」と決め付け、
  強制的に排除しようとする「狂気」です。気をつけましょう』
・これはリレー小説です、一人で話を進める事だけは止めましょう。

199 :11/11 :08/01/29 22:44 ID:s.axcuFw
【禁止事項】
・一度死亡が確定したキャラの復活
・大勢の参加者の動きを制限し過ぎる行動を取らせる
 程度によっては議論スレで審議の対象。
・時間軸を遡った話の投下
 例えば話と話の間にキャラの位置等の状態が突然変わっている。
 この矛盾を解決する為に、他人に辻褄合わせとして空白時間の描写を依頼するのは禁止。
 こうした時間軸等の矛盾が発生しないよう初めから注意する。
・話の丸投げ
 後から修正する事を念頭に置き、はじめから適当な話の骨子だけを投下する事等。
 特別な事情があった場合を除き、悪質な場合は審議の後破棄。

200 :Classical名無しさん :08/01/29 22:47 ID:5DsaiuAs
質問。

会場は宇宙に浮かぶコロニーという事らしいが、宇宙コロニーは円筒形しているので
参加者の見る光景は地面が遠くに行くほどせり上がっているというものにならないのですか?
簡単に言えば巨大なパイプの中で横を見るような感じです。

201 :Classical名無しさん :08/01/29 22:48 ID:s.axcuFw
以上です。
議論ルールの詳細や予約延長等、おいおい決めて行くことになるであろう事項についてはひとまず保留してあります。
その他、「これはいらないんじゃねーのマヌケ野郎」「これが抜けてるぞマヌケ野郎」「ここはこうした方が見易いぞマヌケ野郎」といったご意見があればお願いします。

202 :Classical名無しさん :08/01/29 22:50 ID:VIe7DgOI
>>200
スペースコロニー=オニール式コロニーってわけじゃないよ。
今回のマップは人口重力がある地面が平面のタイプ。

203 :Classical名無しさん :08/01/29 22:50 ID:fACEfWJ6
>>200
そこら辺は超技術とういうことで

204 :Classical名無しさん :08/01/29 22:52 ID:5DsaiuAs
投下中の割り込み申し訳ありませんでした……。

質問なのですが、199の「大勢の参加者の動きを制限し過ぎる行動を取らせる」とはどんな状態を言うのでしょうか?

205 :Classical名無しさん :08/01/29 22:54 ID:WyVVGlI6
>>165
遅くなりましたが、投下乙です。
茂らしい行動だけど、ミー君にはとんだ誤解フラグになっちゃったなぁ……
果たしてこの先、どう動く事やら。

そして、当然ながらかかってた能力制限。
これはストロンガー、チャージアップは厳しいか……?

206 :Classical名無しさん :08/01/29 22:56 ID:Kq8DxYIU
テンプレ超乙!
こんな感じでいいんじゃないかなぁ

>>202
一瞬『オ○ニール式コロニー』に見えて吹いた

207 :Classical名無しさん :08/01/29 23:00 ID:5DsaiuAs
>>202

平面タイプなのですね、了解しました。
素早い回答ありがとうございました。

208 :Classical名無しさん :08/01/29 23:55 ID:3xkzXSeA
テンプレ乙!
色々と充実してきた!

209 : ◆c92qFeyVpE :08/01/29 23:59 ID:WhCtY9Eg
テンプレ超乙っす

そしてノーヴェ&ゼロ投下します

210 : ◆wKs3a28q6Q :08/01/30 00:01 ID:.FqhoMPE
アルレ・茶々丸投下します

211 : ◆c92qFeyVpE :08/01/30 00:01 ID:q2SHHz82
「セイン……嘘だろ?」

赤毛の少女、ノーヴェは学校のある教室の中で呆然と呟いた。
自分と同じ戦闘機人の一人、正直苦手な部分もあったが、それでも自分の姉に違いなかったセインが呆気なく死んでいった光景を思い出し、ノーヴェは口元を抑える。
彼女が死というものを見るのは初めてだった、
かつて時空管理局の地上本部を壊滅に追い込んだ時も、「できる限り殺さない」という自分を作り出したドクターの言う通りにしていたため、死とは無縁の人生だったのだ。
そして今、ノーヴェは死と真正面から向き合うこととなった、自分の姉の死という形で。

「や、だ……チンク姉……!」

震えながら、思わず自分が最も慕う姉の名を呼び……慌てて側に置いてあったPDAを操作して名簿を開く。

「やっぱり、チンク姉も参加させられてる……それに、あの二人も……」

チンク、そしてスバルとギンガの名前を見つけてノーヴェは思案する。
ナカジマ姉妹は魔法が使えるから自分達よりは戦闘力はあるはずだ、
問題は自分とチンクの二人、ノーヴェのISは武装をはずされてしまっては威力が半減するし、チンクもそのたびに金属を調達しなくてはならない。

「……守らなきゃ、チンク姉は、私が守るんだ」

言い聞かせるように何度か呟く。
だんだんと震えが治まり、再びPDAを操作して支給品を確認する。

「これ……質量兵器?」

転送したリボルバー式の銃を手に取り、その実体を確かめるように呟く。
データでしか見たことがなかったが、基本的な使い方は知っている。引き金を引くだけで弾が出て相手を殺せる。
子供でも簡単に人を殺せる兵器、先ほど治まった震えが再びぶり返しそうになった。

212 :紅の出会い ◆c92qFeyVpE :08/01/30 00:02 ID:q2SHHz82
「だけど、これなら戦える……」

銃を強く握りしめ教室から出ていく、
そのまま玄関まで来たところで、背後から迫る気配に振り返り銃を――

「っ!?」

構える前に振るわれた野太刀が銃を弾く、それでも銃を放さなかったのは戦闘機人の力のおかげだろう。
野太刀を振るい体勢が崩れている相手の頭部目がけて左足で蹴りこむが、赤いアーマーを着たその男は自ら倒れこんでそれを回避する。
倒れた状態から器用に振るわれた太刀が軸足に迫り、ノーヴェはその太刀を狙って銃の引き金を引く。

「うわっ!?」
「何!?」

ノーヴェにとって幸運だったのは、銃声が響いた瞬間男が太刀を引いたことだろう。
でなければ、銃の反動によって倒れた彼女は無残にも切り裂かれていたに違いない。

「ってぇ……か、火薬の反動って、こんなにあるのかよ……」
「お前何者なんだ? 戦い方は素人じゃないのに、まるで素人みたいなミスだ」

慌てて顔をあげると、男はノーヴェに向けって野太刀の切っ先を突き付けていた。
自分が敗北したことを悟り、表情を歪ませる。

「ぅっせぇ……質量兵器なんて使ったことがないんだよ」
「バスタータイプのレプリロイドなのか……? だとするとエックスのバスターも……」
「レプリ……? どうでもいいけど、殺すならさっさと殺せよ」

諦めたように目を閉じるが、男は動こうとせずに、しばらく考え口を開く。

213 :紅の出会い ◆c92qFeyVpE :08/01/30 00:04 ID:q2SHHz82
「お前、仮に俺が見逃したらこの壊し合いに乗るつもりはあるか?」
「……? 絶対にない」
「それを証明できる手段は?」

意図の掴めない男の質問に苛立ちながら、ノーヴェは考える。
この状況下で証明する方法など――あった。

「……シグマとかいう奴に殺されたの……私の、姉だ」
「――っ、そうか」

苦い顔で言うノーヴェに、男は刃を納める。

「……殺さないのか?」
「俺はこんなゲームに乗ってはいない。無駄な殺戮なんてゴメンだな」
「じゃあ、何でいきなり襲ってきたんだよ」
「……銃を握りしめて『戦える……』なんて低い声で呟いてる奴に――」
「いや、いい、私が悪かった」

頭を押さえながら男の言葉を遮る。
そんな前から見られていたのに気づかなかったとは、どうやら自分の動揺は相当なものらしい。
――こんな様じゃ、チンク姉を守るなんて言えないな。
大きく溜息を吐くノーヴェを見て、男は思い出したように声をかけた。

「そういえば、まだ名乗ってなかったな。俺はゼロ、イレギュラーハンターだ」
「……ノーヴェ、時空管理局の所属だ」
「時空? 聞いたことがないな」
「ぁー、説明すると長くなるんだよな……」
「そうか……なら、どこかその辺の部屋で情報交換とでもいこう」

――あれ、なんか私流されっぱなしじゃないか?
そんな事を一瞬考えるが、さっさと手頃な教室に入っていってしまうゼロを慌てて追いかけていく。

214 :紅の出会い ◆c92qFeyVpE :08/01/30 00:04 ID:q2SHHz82
【C-5 学校、一階玄関近くの教室/一日目 深夜】
【ノーヴェ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
[状態]:健康・わずかに動揺
[装備]:スタームルガー レッドホーク、装弾数5/6@ターミネーター2
[道具]:支給品一式 不明支給品1〜2(未確認)
[思考・状況]
基本:チンク姉を守る、シグマを倒す
1:ゼロと情報交換
2:チンクを探して合流……まぁ、スバルとギンガも見つけたらな、見つけたら……
3:自分の武器を取り戻したい

※本編終了後の参戦です。

【ゼロ@ロックマンX】
[状態]:健康
[装備]:野太刀「夕凪」@魔法先生ネギま!
[道具]:支給品一式 不明支給品1〜2(未確認)
[思考・状況]
基本:シグマを倒す
1:ノーヴェと情報交換
2:エックスを探す
3:シグマ、何を企んでる?

※ノーヴェをレプリロイドだと思っています。

215 : ◆c92qFeyVpE :08/01/30 00:06 ID:q2SHHz82
以上です
何気に脆いノーヴェの精神面メインのつもり
あえて誰も選ばないような銃を選んだぜ!

216 :Classical名無しさん :08/01/30 00:18 ID:7fIHsdt.
投下乙です。
短いながらも良い形で次に繋げられる話だと思います。
一つ疑問なのですが、銃弾は今装填されている分のみなのでしょうか?
それとも予備の弾丸が別にあるのですか?

217 :Classical名無しさん :08/01/30 00:22 ID:TF1qybJ2
投下乙です。
精神的に脆いノーヴェと、精神的に強いゼロ。
結構異色なコンビでは在りますが、楽しみです。


そういえば、弾丸で思い出したけど。
流石に、支給品で無限バンダナは反則レベルでしょうか?

218 : ◆c92qFeyVpE :08/01/30 00:23 ID:q2SHHz82
>>216
その辺は次の書き手さんにお任せです
少ない弾数だからできる展開も、豊富な弾数だからできる展開もありますし
繋ぎ屋としての思考が抜けないのでっす

219 :Classical名無しさん :08/01/30 00:23 ID:nWNUq3w.
>>217
それでバランスが崩れないと思うなら(ry

220 : ◆4I.TA6RRCU :08/01/30 00:33 ID:5NPz1VNA
投下しますね

221 : ◆hqLsjDR84w :08/01/30 00:33 ID:DdwCGIQ6
投下GJです!
両キャラクター共、原作をあまり知らないのですが、すごく原作をチェックしたくなるSSでした。
とくにゼロがかっこいい!


予約したタチコマ、フランシーヌ人形のSSなのですが……
『車』と『銃』が、この話の核になるはずだったのですが、よくよく考えてみるとフランシーヌ人形の時代(1910年)にはどちらもある程度普及してますよね……
すいませんが、予約を破棄させてください。
序盤にもかかわらず、本当に申し訳ありません。

222 :ギンガ幻影 ◆4I.TA6RRCU :08/01/30 00:33 ID:5NPz1VNA
深い森の中、王ドラはその心の中に怒りが渦巻いていた。
シグマと名乗り殺し合いを強制したあの男、そしてその男に殺された女性を助けられなかった自分への怒り。
おそらく、あの場で自分ができることなど何もなかったであろうし、何かしたところで女性の様に殺されたであろうから動かなくて正解だった。
しかし、それは結果論であって、あの時何もできなかった言い訳に過ぎない。
そんなことを考える自分にますます苛立っていく。
そして怒りが臨界点に達した時、王ドラの右拳が大樹に叩きつけられた。



この行為が功を奏したのか王ドラは次第に冷静さを取り戻していく。
「怒りに身を任せてしまうとは、私もまだまだ修行が足りませんね……。
 今は怒る時ではなく自分が何をできるか考えるときのはずです!」
そして、王ドラが初めにしたのはいつのまにかポケットに入っていた謎の子機の解析であった。


223 :ギンガ幻影 ◆4I.TA6RRCU :08/01/30 00:34 ID:5NPz1VNA
「ふむ、なるほど……。これがこうで、あれがそうなのですね」

調べること数十分。
この子機の機能の大体を把握した。
そして、その中でも最も重要だったのは仲間の存在ムムドラ・ザ・キッドの存在であった。
いささか不謹慎ではあるが、このような場での親友の存在に王ドラは安堵した。

自分一人では分からないがキッドがいるならば……!
具体的に何が出来るかわからないが、その様な思いに至らせるにはキッドの存在は充分であった。

「方針は決まりました。キッドを探しつつ、道中で怯え得ていたり襲われていたりする者は保護、そして暴れている者は成敗する。そして最後にシグマを倒します!」

決意を固め、最初の一歩を踏み出そうとした時だった、何かが近づいて来ている音に気付いたのは。


224 :ギンガ幻影 ◆4I.TA6RRCU :08/01/30 00:35 ID:5NPz1VNA
王ドラは音のする方を注意しながら、自分の軽率な行動を反省する。
(木を殴った時の音は思った以上に大きかったですからね。それを聞いた者が来たのかも……)

そして、王ドラの50m程前方の木の陰から現れたのは紫の髪が印象的な女性の姿だった。
女性の苦手な王ドラは心の中の動揺を抑えつつ、女性に呼びかける。
「わ、私は王ドラと申します。もちろん殺し合いになど参加する気はありません!」

しかし、女性からの応答は無い。
もう一度、と思ったところで王ドラは一つ不自然なことに気付く。
それは女性が王ドラ目掛けてスピードを落とす素振りもなく近づいていることである。
そして、王ドラと女性が重なった瞬間、二人の拳が交わった。


225 :ギンガ幻影 ◆4I.TA6RRCU :08/01/30 00:35 ID:5NPz1VNA
「もう一度言います!私はこの様な殺し合いに乗る気はありません!
ですから、あなたも手を引いてください!」
だが、相変わらず女性からの返答は無い。
それどころか、王ドラに対する攻撃は益々苛烈になっていった。

女性とはいえ、その繰り出す攻撃は洗練されており、王ドラも本気を出さねばならない相手であった。


何度目かの攻防が終わった後、二人の間合いは最初の様に開かれていた。
間合いが開かれたことによって、今まで見えて来なかったことが見えるようになってくる。
そして、王ドラはあることに気付いてしまう。
それは女性の服装であった。
(あれは最初に殺された女性のもの……!)
そう、王ドラの目の前に居る女性と最初にシグマに殺された女性の格好がうり二つなのである。
そこから瞬時に一つの仮説が王ドラの頭を支配した。
(もしかしたら、この女性は最初の女性の縁者で、あの女性を生き返らせようとしているのかも……。馬鹿な!あの様な男が約束など守るわけがないのに!)

しかし、一度頭に浮かんだ考えははすぐに消えるわけがなく、王ドラは明らかに動揺していた。
そして、目の前の女性ムムギンガ・ナカジマはそれを見逃すほど甘くなかった。


226 :ギンガ幻影 ◆4I.TA6RRCU :08/01/30 00:36 ID:5NPz1VNA
王ドラの一瞬の隙をつき、ギンガは王ドラに向かって踏み込む。
虚をつかれた王ドラは為す術もなく左ハイキックをくらい、ゴムまりのように体が吹っ飛んだ。



ここで、王ドラが為す術もなくギンガの攻撃をくらったのには二つの理由が有る。
一つは前述のように王ドラに一瞬の心の隙ができたこと。
そして、もう一つはギンガの脚に装備されたフットパーツのためである。
心に隙が出来たこととフットパーツによる今までより数段早い踏み込みが王ドラの虚をつくことに成功したのだ。


王ドラは受け身をとりつつ、バク転をすることで何とか体勢を立て直すが、無防備に近い形で受けたダメージは思いのほか深かった。
意識は朦朧とし、視線は定まらない。
王ドラにとっては絶体絶命の危機であり、ギンガにとっては正に好機であった。


227 :Classical名無しさん :08/01/30 00:38 ID:DdwCGIQ6



228 :ギンガ幻影 ◆4I.TA6RRCU :08/01/30 00:38 ID:5NPz1VNA
しかし、ギンガの追撃はなかった。
王ドラは不信に思いつつも意識の回復に全力をかける。
そして、すぐに何故ギンガが攻撃を続けなかったかが分かった。

意識を回復した王ドラの前には相変わらずギンガがいたが、先ほどとは一つ違う箇所があった。
それは両腕に女性が身につけるには不釣り合いな腕輪が装備されていたことだ。

(あれを装備するために追撃が無かったのでしょうね……)
そう結論付け王ドラは再び闘いの構えをとる。
逃げる、という選択肢も有ったが王ドラの正義心がそれを許さなかった。
(ここで逃げても彼女が他の参加者を襲うのは明白……!
ならば、私が彼女を止めるしかありません!)

先に攻撃を仕掛けたのはまたしてもギンガだった。
フットパーツを使用しての高速移動。
しかし、王ドラは先ほどと違い動揺もなく、フットパーツによる攻撃も一度見ているため迎え撃つ準備は万全だった。


229 :Classical名無しさん :08/01/30 00:39 ID:DdwCGIQ6
 

230 :ギンガ幻影 ◆4I.TA6RRCU :08/01/30 00:39 ID:5NPz1VNA
しかし、ここで再び王ドラの予想外のことが起こった。
女性の装備していた腕輪が飛んできたのである。
腕輪を接近戦の武器だと予想していた王ドラは対応に若干遅れたものの、左にステップすることで何とかこれを回避する。
だが、攻撃はこれで終わりではなかった。
王ドラが避けるのを見越したかのように、もう一つの腕輪が彼目掛けて飛んでいたのである。
避けるのを不可能と感じた王ドラは咄嗟にガードをするが、衝撃を完全には吸収できず、背後の木にその身をたたき付けた。

そこで、王ドラの意識は一瞬ブラックアウトした。

王ドラが気付いたときにはギンガの再接近を許しており、左腕に着けられた腕輪ムム乾坤圏が王ドラに発射されていた。


231 :Classical名無しさん :08/01/30 00:39 ID:DdwCGIQ6
         

232 :ギンガ幻影 ◆4I.TA6RRCU :08/01/30 00:40 ID:5NPz1VNA


乾坤圏が自分に発射されるのを見て、王ドラは自らの命が終わるの悟った。
遠距離であの威力なのである。この距離で発射されたら自分の身体がどうなるのか容易に想像ができた。

乾坤圏が自分の頭部を貫く一瞬が王ドラには永遠に感じられた。
(これが走馬燈というものなのですね。まさかロボットである私が体験できるとは思ってもいませんでしたよ……)
王ドラの頭の中に今までの記憶が蘇っては消えていった。
ロボット工場で生まれた日のこと、学校の入学式、7人で友情テレカを手にした日のこと、学校七不思議事件……。
どれもこれも素晴らしい思いでだと感じていた。
そして、最後に思ったのは唯一体この場によばれた親友のこと。
(キッド、すいません……。私はここで脱落のようです。
あなたの力になれなくて申し訳ありません……。けど、信じていますよ。
あなたなら一人でもこの殺し合いを止めることができると……!)



グシャ

乾坤圏が王ドラの頭部を貫いた。



233 :Classical名無しさん :08/01/30 00:40 ID:DdwCGIQ6
    

234 :ギンガ幻影 ◆4I.TA6RRCU :08/01/30 00:41 ID:5NPz1VNA


ギンガは王ドラだったものからこぼれ落ちたであろうPDAを拾う。
そこには感情などなく、ただただ事務的であった。

それもそのはず、今の彼女は時空管理局所属のギンガ・ナカジマではなく、ナンバーズのNo13なのだから。

【王ドラ@ザ・ドラえもんズ 死亡確認】

【F-8 森林/一日目・深夜】
【ギンガ・ナカジマ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
【状態】健康 中程度の疲労
【装備】フットパーツ@ロックマンエックス、乾坤圏@封神演義
【道具】支給品一式×2(ギンガ、王ドラ)、不明支給品1〜4
【思考・状況】
基本思考:敵(ナンバーズ以外)の破壊
1、敵を探し、破壊する

※ギンガは本編17〜19話の間からの参加です。そのため、スカリエッティの改造を受けています


235 :Classical名無しさん :08/01/30 00:41 ID:DdwCGIQ6
                  

236 :ギンガ幻影 ◆4I.TA6RRCU :08/01/30 00:43 ID:5NPz1VNA
以上で投下終了です
指摘、誤字があったらお願いします
それと、宝貝の制限は
・誰でも使えるが、仙人以外が使うと体力の消費が激しい
と考えています

237 :Classical名無しさん :08/01/30 00:46 ID:tcl5.6A6
予想外ッ それは殺戮者(マーダー)!!
彼女を正気に帰すのは、スバルの拳だけなのか?
ギンガは魂を取り戻せるのか…その生命を無益な戦に散らす前にッ

投下、GJ(グッジョブ)! GJ(グッジョブ)!

238 :Classical名無しさん :08/01/30 00:46 ID:HC6GPEwk
投下乙
王ドラ、ここで退場か、あっけなさすぎる!無念だ
しかもギンガ姉も違った時間軸だから誤解フラグもまかれる!

こりゃやばいことになってきた

239 :Classical名無しさん :08/01/30 00:49 ID:DdwCGIQ6
おお、貴重なマーダーがきましたね……。それも、無差別。
逃げを選ばず、最後までギンガを説得しようとした王ドラに乾杯。
男前だったぜ。キッドが遺志を継いでくれるはずだ!

宝貝の制限に関しては、そんな感じでいいと思います。
せっかく封神通ったから、宝貝出したいですしね。
なのはも見なければ……

240 :Classical名無しさん :08/01/30 00:49 ID:B89zPgbM
投下乙
ちょw王ドラ即死かw
少し残念だな;
なのははまったく知らないんだけどT-1000と同じく原作の桐山ポジ?

241 :Classical名無しさん :08/01/30 00:51 ID:nWNUq3w.
>>241
洗脳キャラ。

242 :Classical名無しさん :08/01/30 00:51 ID:TF1qybJ2
>>221
予約破棄に関しては、したらばの予約スレの方に書き込みをば。


>>236
乙です。

……王ドラァァァァァァァァァァッ!!!
まさかのギンガマーダー化、王ドラ死亡。
確かに参戦時期を考えれば、対主催にもマーダーにもどちらにでもなれるキャラ……これは意表を突かれましたわ
王ドラ、安らかに眠ってくれ……
宝具に関しては、OKだと思います

243 :Classical名無しさん :08/01/30 00:53 ID:q2SHHz82
>>240
元はスバルの姉であり、性格も正義感にあふれるタイプ
だけど敵にさらわれて戦闘マシンとして洗脳された状態だね
原作ではスバルが全力全開の魔力ダメージでノックダウンしたら戻ったから、どのようにも伸ばせる要素がある
GJでした

244 :Classical名無しさん :08/01/30 00:54 ID:TF1qybJ2
>>240
ギンガは本来なら、バリバリの対主催な性格。
ただ、洗脳状態になっていた時期があって、今回はその洗脳状態からの参戦。
それでこんな状態になったと

245 :Classical名無しさん :08/01/30 00:55 ID:fmUPVitA
>>215
ゼロかっけぇぇええええ!!
精神的に脆いノーヴェと、ゼロのチームは、バランスがとれてていいですね!
GJ!

>>221
マジですか。残念です。
次の機会を待ってます!

>>236
王ドラァァアアア!!
やっぱ宝貝強いな……
マーダー少なそうなこのロワで、無差別マーダーは先の展開を考えると嬉しいです。
王ドラ、負けたけどかっこよかったぞ。
GJ!

246 :Classical名無しさん :08/01/30 01:09 ID:i4/7Fdo6
>>215
投下乙!
ノーヴェ頼りになる人が見つかって良かったな!
ゼロなら戦闘力もバッチシだし頼りになるぜ!
赤い髪と赤いボディを持つ二人組の今後に期待!

>>236
投下乙!
ギン姉まさかの洗脳状態からの参加か!これは予想外!
王ドラ、よく頑張ったな……死者スレで幸せになるんだぞ。
最後に初めてのマーダー誕生にGJ!

247 : ◆2Y1mqYSsQ. :08/01/30 01:22 ID:6xbzccGQ
>>215
ゼロがカッコイイ……
このコンビがどう動くか、先が気になる話でした。

>>236
ワ、王ドラァァァァァ!
初死亡者乙! 息のつまる戦いでした! GJ!

それでは、広川武美、クロ投下します。

248 :猫と女と太陽と ◆2Y1mqYSsQ. :08/01/30 01:22 ID:6xbzccGQ
「はあ、困ったなぁ……」
 星を見つめてため息を吐くのは、茶髪の両側にリボン止める女性。
 広川武美。またはモバイルレディ、それが女性の名だ。
 瞳を閉じ、何度目か分からないため息を吐く。
「何であたしがこんなことに巻き込まれたのかな……」
 彼女はブギウギ商店街でいつものように漢方薬の店で薬を見立てていた。
 そして、その帰り道に光が満ち、気がつけばいろいろな人が集まる会場にいた。
 爆発によって散る女性。彼女と同じ爆弾が、自分に仕掛けられている。
「大神の連中? ううん、あいつらは違う…………。
あいつらなら、こんな回りくどいことしない」
 連中に捕まったというのなら、良くて処分。
 せいぜい実験台として使い潰されるだけ。
 こんな殺し合いなど、非経済的なことに関わるはずがない。
 つまり、自分は何らかの事件に巻き込まれたのだ。運の悪いことに。
 おそらく、自分の能力が関係しているのだろう。だが、この能力など彼らに何の価値があるのだろうか?
「………………やっぱり駄目。ハッキングが出来ない。多分ジャミングされている」
 期待通りの結果だが、落ち込んで森を歩く。
 裏山にお気に入りの居場所を持つ彼女にとって、夜の森を歩くのはそんなに苦ではない。
 しかし、お気に入りの場所を思い出すと、胸が締め付けられる。
「……助けに来てくれるかな?」
 脳裏に浮かぶのは、ある日突然川原に住むことになった男。
 本人は商店街の危機を放って置けないからとそこを住処にしたのだ。
 最初は自分と同じ『作り物』の匂いを感じた。何度か交流を交わすうちに、自分とは似て非になる存在で、気になる相手となった。
 だが、そんな彼でも無理なことはある。
 この殺し合いで彼と再会するには、優勝をするか、主催者を倒して脱出するしかない。

249 :Classical名無しさん :08/01/30 01:22 ID:5cFI4.Ig
 

250 :Classical名無しさん :08/01/30 01:23 ID:DdwCGIQ6
  

251 :猫と女と太陽と ◆2Y1mqYSsQ. :08/01/30 01:24 ID:6xbzccGQ
 体内の爆弾の存在を思うとゾッとする。
 たとえ寿命が後半年もないとしても、恐ろしいのだ。
(どうするかな……)
 もう彼と二度と会えないかもしれないと分かっても、武美の瞳からは涙が零れ落ちなかった。
 彼女の涙は、感情からは流れない。
 あくまで、目の埃などを流すための『機能』である。
 涙も流せない武美は、とぼとぼと獣道を歩いた。



「いったいどーなってやがる。オイラたちはやっとあの砂漠を抜けて、元の世界に帰るはずだろ?」
 疑問を口にするのは、一匹の黒猫。
 しかも、二本足で立ち、腕を組んでいる。
 常識人が見れば化け猫と思ったのかもしれない。
 いや、事実一回化け猫と思われたことがある。
「まさか剛の野郎、また失敗したんじゃねーだろーな……」
 太い血管を頭に浮かばせ、そのままクロは進む。
 手にした携帯端末を器用に操り、名簿を映し出す。
 知っている名はミーしかいない。となると……
「あいつか? あのハゲ野郎がおいらとミーを連れてきたってことだな?」
 クックック……と凶悪な笑いを浮かべるクロ。
 体内の爆弾を仕込み、自分たちを弄ぼうとしているのだ。
 笑いが止まるはずがない。
「とりあえずだ……あのハゲ野郎をぶっ壊して元の世界に帰って剛の野郎を殴る!」
 理不尽な決定を迷わず告げる。

252 :Classical名無しさん :08/01/30 01:24 ID:DdwCGIQ6
   

253 :猫と女と太陽と ◆2Y1mqYSsQ. :08/01/30 01:25 ID:6xbzccGQ
 巻き込まれた剛にとっては堪った物ではないだろうが、この場にいないのでは文句のつけようがない。
 最もつけたところで、痛い思いをするだけだが。
「ミーと合流するか。爆弾を外さないといけないしな。
待っていろよ……ハゲ。破壊のプリンスクロがもれなく壊しにいってやるぜ」
 やる気万全でクロが振り向いた瞬間、女性と目が合う。
 固まるクロ。目の前の女性はまじまじとクロを見たままピクリとも動かない。
 そこでクロの取った行動は……

「見世モンじゃねーぞ! コラァ!!」

 とりあえず、理不尽だった。
 

「アハハハ……クロちゃんって言うんだ。よろしくね。あたしは広川武美」
「ん、じゃあな。武美」
「またね〜……って、こんなところに女の子一人にするの!? ヒドーイ」
「オイラは面倒ごとは嫌いなんだ」
「まあまあ、そう言わずに。か弱い女の子を守るのは男の子のロマンでしょ?」
「か弱い女は自分でそういわねー」
 クロは吐き捨てながら道をゆっくりと歩いた。
 その後ろを武美はついて来る。
 クロが足を止めると、同時に武美も足を止める。
 数回その行動を繰り返し、もともと我慢の足りない性格のクロがついに身体を震わせながら振り返った。
「おい……」
「何?」

254 :Classical名無しさん :08/01/30 01:26 ID:DdwCGIQ6


255 :Classical名無しさん :08/01/30 01:26 ID:DdwCGIQ6
  

256 :猫と女と太陽と ◆2Y1mqYSsQ. :08/01/30 01:26 ID:6xbzccGQ
「ついてくるなって言っただろ?」
「たまたま歩く方向が一緒なだけだよ」
 眼を逸らす武美に嘘をつけ、と内心毒づく。
 仕方ないとクロは歩くのを再開して……
「あっ」
 武美の呟きに構わず、クロは駆ける。
 クロにはやることがある。主催者を倒し、生き残って元の世界でジーさんバーさんを守るというオス猫の誇りが。
 それは荷物を背負ってやれることではない。
 だから……
「悪く思うなよ、武美。オイラが暴れるためにはお前はお荷物なんだ」
「馬鹿クロ……」
 呟く武美の姿に、電気スタンドのロボットの姿が重なる。
 なぜか、クロの胸がちくりと痛んだ。


「また一人か……」
 とぼとぼと歩みを再開した武美は心細さについ呟く。
 道は暗い。一人は心細い。
 こんな時、素直に泣けたら嬉しいのにと残念がる。
「あーあ……やっぱり泣けないのは辛いや……」
 気が重くなり、俯く。やはり、泣けないのは悔しいのかもしれない。
 武美の胸が締め付けられ、いつかさすらいの彼が颯爽と現れるのを望んでしまう。
 そんな現実、ありはしないのに。
 大神の実験台として扱われ、十年も生きれない寿命を持つ彼女は諦めるということに慣れすぎた。
「このまま……誰かに殺されちゃってもいいかな…………」

257 :猫と女と太陽と ◆2Y1mqYSsQ. :08/01/30 01:27 ID:6xbzccGQ
 おそらく、彼女の想い人、さすらいのナイスガイが聞けば怒ったであろう。
 そんな事実に気づかないほど武美の精神は磨耗していた。
 再度ため息を吐きかけた彼女の頭に、パラパラと葉っぱが落ちる。
 目を見開き、上を見ると……
「そんなに落ち込みながら歩いて、どこいくんだ?」
「クロちゃん……?」
 クロが枝に乗り、話しかけてきた。
 その顔にはニヒルな笑みが浮かんでいる。
「ま、しょうがないからオイラが一緒についていってやるよ」
「本当! さっすがクロちゃん、おっとこまえ!!」
「……やっぱ置いていこうかな」
「冗談冗談! ありがとう、クロちゃん」
 猫らしくクロは武美の傍に降り立つ。
 二本足で立つという猫らしくない動作に武美は慣れた。
 武美を見つめて、クロはもう一度にやりと笑った。


「武美、お前は何ができるんだ? あのハゲに呼び出されたんだから、なんかあるだろ?」
「あーうん、無線でハッキングが出来るけど……どうも無理みたい。ジャミングされている」
「やっぱりか……」
「でもさ、有線なら……どこかの回路さえ生きていれば、何とかなると思う」
「そんじゃ、あのハゲの位置を見つけんのは任せる」
「クロちゃんは?」
「オイラか? オイラは……」
 携帯端末を操作し、自分の支給品を呼び出す。

258 :Classical名無しさん :08/01/30 01:28 ID:DdwCGIQ6
   

259 :猫と女と太陽と ◆2Y1mqYSsQ. :08/01/30 01:28 ID:6xbzccGQ
 未来世界のような光景に、武美は思わずおおっと、喝采を送った。
「こいつで暴れるだけさ!」
 ニヤっと笑ったクロの手に、サーベルと三つの銃口を持つアポロマグナムが装着された。
 こうして、熱血ハートのサイボーグに太陽の改造人間の銃が握られた。


「でもさ、猫の手で装着できるって無理ない?」
「大丈夫。ボンボンはそういうところ適当だから」
 ここはボンボンではない。
 そう突っ込むキャラは、その場にはいなかった。



260 :Classical名無しさん :08/01/30 01:29 ID:DdwCGIQ6
        

261 :猫と女と太陽と ◆2Y1mqYSsQ. :08/01/30 01:29 ID:6xbzccGQ
【F-6 森林中央部/一日目・深夜】
【クロ@サイボーグクロちゃん】
[状態]:健康
[装備]:アポロマグナム@仮面ライダーSPIRITS
[道具]:支給品一式、ランダムアイテム1〜2
[思考・状況]
基本思考:ハゲ(シグマ)をぶちのめす! その後剛を殴る。
1:とりあえず、ハゲ(シグマ)の居場所を探る。そして暴れる。
2:ミーと合流して、爆弾を何とかする。
※尻尾ミサイル、内臓ミサイルは装備されています。
※ガトリングやなんでも斬れる剣が没収されていることに気づいていません。
※参加時期は異世界編(五巻)終了後です

【広川武美@パワポケシリーズ】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、ランダムアイテム1〜3
[思考・状況]
基本思考:クロについていく。
1:シグマの居場所を探る。そのため市街地に移動したい。
2:元の世界のあの人のところに戻って、残り少ない人生を謳歌する。



262 : ◆2Y1mqYSsQ. :08/01/30 01:35 ID:6xbzccGQ
投下終了。
誤字や脱字、矛盾などの指摘をお願いします。

263 :Classical名無しさん :08/01/30 01:35 ID:B89zPgbM
投下乙でした〜
クロちゃんはまぁクロちゃんだなw
そしてアポロガイスト様の武器キタアアアアアアアア
武美の方はメンタル面や目的を考えると
乗る可能性も無きにしも非ずなのか?
とりあえず今後に期待です

264 :避難所より転載 :08/01/30 01:35 ID:DdwCGIQ6
44 名前: ◆2Y1mqYSsQ.[sage] 投稿日:2008/01/30(水) 01:32:20 ID:PPHBcG8E0
投下終了。
誤字や脱字、矛盾などの指摘をお願いします。

最後の最後で書き込めませんでしたorz


265 :Classical名無しさん :08/01/30 01:37 ID:DdwCGIQ6
うおう、もう復活できてましたか。

クロちゃん、はっちゃけてんなあww
いやー、アポロマグナムにwktkが止まらない!
それにしても、自分が知らない間にパワポケも変わってるんだなぁ。

266 :Classical名無しさん :08/01/30 01:40 ID:.FqhoMPE
深夜なのに投下ラッシュ凄すぎワロタ

>>215
GJ!
精神的に脆い奴とマイペースなほど精神的に強い奴のコンビってのは映えるよなぁ……

>>236
あーん!王ドラが(ry
なのは知らないがギンガこえぇぇぇぇ!
どのロワでも鬼畜キャラを排出してくるリリカルなのはは化け物かw

>>262
うぉぉ、超GJ!
どっちも好きなキャラだからにやにやが止まらない……っ!
クロちゃんがらしくて良いっ!

267 :Classical名無しさん :08/01/30 02:10 ID:88f0UhNo
投下ラッシュ!?
みなさんGJ!

268 : ◆wKs3a28q6Q :08/01/30 02:25 ID:.FqhoMPE
ロリコン人形とショタコンロボット、投下します

269 :Classical名無しさん :08/01/30 02:27 ID:6xbzccGQ


270 :Classical名無しさん :08/01/30 02:28 ID:HC6GPEwk
支援

271 :愛しの君は負に向かわない ◆wKs3a28q6Q :08/01/30 02:30 ID:.FqhoMPE
私はロボットです。
人工的に造られた、他のクラスメートとは違う存在。
ですが……記憶だけは違います。
記憶を保存する先が人工物であっても、この記憶は――麻帆良学園で過ごした日々は、決して作り物や紛い物なんかではありません。
大切な大切な、私だけのメモリーです。

……思い返せば、いつだって側に誰かが居ました。
家に帰れば、マスターと姉さんが話相手をしてくれました。からかった時のマスターの反応は大変可愛らしいです。
学校でも、友人が出来ました。千雨さん、明日菜さん、木乃香さん――他にも、たくさん。
超包子でもそうです。葉加瀬達だけでなく、お客さんまでもが私の相手をしてくれる。
みんながみんな、私のことを『麻帆良の生徒、絡繰茶々丸』として見てくれました。
私は、そんな生活が大好きでした。……いえ、大好きです、今でも。
決して口には出しませんでしたが、私はあの空間を、友人達による輪を、絶対に失いたくありません。
我が儘だということくらい分かっています。それでも、私は……





(超……)
表情を変えずに、絡繰茶々丸は考える。
この殺し合いの場で、己は何を為すべきなのか。
(貴女なら、どうしますか?)
超鈴音。
麻帆良学園中等部3年A組出席番号19番の生徒であり、超包子のオーナーでもあり、麻帆良の誇る天才でもあり、麻帆良祭で麻帆良学園を敵に回した未来人。
友人でもある彼女は、友人達ほぼ全員を敵に回してでも己の目的を果たそうと行動した。
自らを悪と認め、それでもなお道を貫き通そうとした。
茶々丸の想い人であるネギ・スプリングフィールドもまた、超を止めるため『誰かにとっての悪』となった。
己の目的を果たすには、少なからず悪へと身を落とさねばならない。
マスターであるエヴァンジェリン・A・K・マクダウェルもそう言っていた。
茶々丸は考える。それならば、あの賑やかな輪の中に帰るために、己も悪へと堕ちようかと――

272 :Classical名無しさん :08/01/30 02:32 ID:6xbzccGQ


273 :愛しの君は負に向かわない ◆wKs3a28q6Q :08/01/30 02:37 ID:.FqhoMPE
「あ……」
考えながら操作していたPDAに写った文字に、曇っていた茶々丸の目がハッと見開かれる。
液晶に写った『魔力入りぜんまい』の文字。食料品の項目に入っていた、生きてくうえでの必需品。
マスターであるエヴァンジェリンが、よく巻いてくれた私のぜんまい。
パートナーとの絆の証。
「マスター……」
ぽつりと呟く。
今の自分を見たら、一体何と言うだろうか。
ようやく甘さを捨てたんだなと、嬉しそうにニヤリと笑みを浮かべるだろうか?

――いや、それはない。
エヴァンジェリンは“誇り高き悪”と“吐き気を催すどうしようもないクズ”を別物だと考えている。
恐らく今の自分は後者だと言われ、冷ややかな視線で見下されるのだろう。
そしておそらく、他のみんなは酷く悲しそうな顔をする。
自分の事ではないのに、まるで自分が傷つけられたかのような悲痛な顔を。

「私は……」
脳内に、ネギの映像が映し出される。
敵であるはずの自分に見せた優しさに惹かれて以来、ずっと追い続けた少年の姿。
映像の中のネギの瞳はいずれも輝きを放っている。
当然だ。だって彼は、自分の信じられる道を歩いているのだから。
『父の背中を追う』『生徒も守る』
両方やらなくっちゃあならないと考えてあたふたする事も少なくないが、それでもネギはそれらを妥協したりなどしなかった。
どんなに苦しい壁が立ちはだかろうとも、決して諦めはしなかった。
間違っても、『他人を傷付けるが楽な道』などに逃げなかった。

なのに自分はどうだ?
最初からこの殺し合いを止める努力をする事を放棄し、無関係な者を殺して回るという『他人を傷付ける楽な道』に逃げようとしてしまった。
出来るだけ傷付く者を減らすよう努力したうえで、悪を蔑まれようとも己の道を突き進んだ超の覚悟に唾を吐きかけてしまった(実際には吐けないけど)
『悪と言われようと己の道を突き進む事』は、『他人に犠牲を強いて困難から逃げ出す事』とイコールではないと言うのに。

274 :Classical名無しさん :08/01/30 02:42 ID:fX5Kvk0A
  

275 :愛しの君は負に向かわない ◆wKs3a28q6Q :08/01/30 02:43 ID:.FqhoMPE
(……ネギ先生)
心の中で、愛しい人の名前を呼ぶ。
危うく取り返しのつかない事をする所だった自分をその生きざまで救ってくれた、自分にとって大きな存在となった少年の名を。
そもそも、無力な者の血にまみれた自分ではあの輪の中には戻れないというのに。
そうだ。皆の顔を真っ直ぐに見る事が出来ないなら、生きて帰る意味などない。
帰りたいのは麻帆良にじゃない。友人達の元へだ。
帰りたいのは死にたくないからじゃない。皆と別れたくないからだ。

もう間違えない。楽な方に逃げたりはしない。
今の自分がやるべきことはひとつだ。
この殺し合いを止めて、胸を張って麻帆良に帰る。

「…………」
そのためには武器が必要だ。
出来ることなら京都で使ったような結界弾があればいいのだが……
「………………」
支給品の中で、真っ先に目を引いた名前、『アカネハウス11号』。
“ハウス”の段階で武器ではない事が予想されるが、人体に害を与えずに装備のみを消し飛ばす科学兵器が『脱げビーム』と呼ばれるような世の中だ。名前が珍妙なだけの立派な兵器という可能性も捨てきれない。
ましてや名前に“11号”とついているのだ。10もの試作機が作られる家など聞いた事がないし、兵器である可能性は極めて高い。
「…………」
そう考え、説明書きを読み始めた所で、茶々丸はパチンという音を聞いた。
音は、自身の首から聞こえてきた。





「…………!?」
完全に油断した。
ここが平和(を通り越して脳天気とかパッパラパーと言えるような領域)な麻帆良学園とは違う事を改めて実感しながら、茶々丸は“何か”の飛んで来た方向へと振り向きながら腕を飛ばす。
が、襲撃者――最古の四人が一人・アルレッキーノの跳躍によりあっさりとその腕は宙を切る。
そしてそのまま茶々丸の背後に回ったアルレッキーノの“緋色の手(レ・マン・スカラティーヌ)”により、茶々丸の上半身は燃え盛る炎に包まれた。

276 :Classical名無しさん :08/01/30 02:44 ID:6xbzccGQ


277 :Classical名無しさん :08/01/30 02:49 ID:HC6GPEwk
しえん

278 :愛しの君は負に向かわない ◆wKs3a28q6Q :08/01/30 02:51 ID:.FqhoMPE
二人の間にそこまで大きな身体能力の差はない。
あるのは、埋めることの出来ない攻撃手段の殺傷力の差。
片やパートナーが詠唱を終えるまでの時間稼ぎが本職なため、殺傷能力の高い兵器を持ち合わせないロボット。
片や楽器の音波で攻撃を仕掛けたり相手を炎で包み込み焼き殺したりと虐殺のための兵器を備えたからくり人形。
真剣に殺し合えばどちらが勝つかは言うまでもない。
格闘戦の心得がある茶々丸といえど、気を練った拳で頭部を破壊でもしない限り相手を殺害する事は不可能に近い。やわな人間ならともかく、相手もそれなりの頑丈さを持ち合わせているのだから。

だが、茶々丸はまだ機能停止していない。
背後の着地音を聞くと同時に前方へ転がり込み、炎の被害を最小限に押さえていた。
「ダメージ計算。右腕、問題なし。左腕……」
いつもの癖で被害状況を報告するように呟きながら、火のついた制服を脱ぎ捨ててて襲撃者へと突っ込む。
襲撃者が再び掌をこちらに向けてきたが問題はない。
長い間ネギの修行に付き合ってきたのだ。
素早く動き回るネギの攻撃ならまだしも、不意も打たずに棒立ちで繰り出された攻撃になど当たるはずがない。
紙一重で炎をかわしながらアルレッキーノへと接近する。
アルレッキーノが再びヒラリと後方に飛んだため、走りながら戻した右腕は再び宙を切ることになった。
もっとも、虚も衝かずに繰り出した拳が当たるなどと思ってはいなかったが。
「…………!?」
瞬動。
反撃に転じようとしていたアルレッキーノに、瞬動の勢いを乗せた拳を回避する術は無い。
先程とのスピードの違いに虚を衝かれた形となり、アルレッキーノは腹部にまともに打撃を受け膝をついた。

279 :Classical名無しさん :08/01/30 02:52 ID:6xbzccGQ


280 :Classical名無しさん :08/01/30 02:53 ID:TgwC3Des
支援

281 :愛しの君は負に向かわない ◆wKs3a28q6Q :08/01/30 02:54 ID:.FqhoMPE
「緋色の(レ・マン)――」
「…………っ!」
「――手(スカラティーヌ)」
だが、それだけだった。
アルレッキーノは痛みで怯む事がない。
みぞおちだろうと意識を飛ばされる事もない。
茶々丸の敗因はたったひとつ。
炎をかいくぐり接近するため、アルレッキーノの掌のみを見ていた事。
もしも顔を――二つの瞳が在るその目を見ていれば、人間ではないとすぐに気付けただろうに。
だが、茶々丸はそれをしなかった。
相手を“人間の魔法使い”だと思い込んで、人間ならば昏倒するであろう一撃を叩き込んだ。
人間にとっての弱点をついた。
そして、結果としてアルレッキーノの緋色の手(レ・マン・スカラティーヌ)を至近距離でくらい――
「ネギ……先生……」
衝撃で前方に倒れ込みながら、茶々丸は大切な人の名を、もう一度呟いた。








282 :Classical名無しさん :08/01/30 02:55 ID:6xbzccGQ


283 :Classical名無しさん :08/01/30 02:58 ID:6xbzccGQ


284 :Classical名無しさん :08/01/30 03:00 ID:HC6GPEwk
しえん

285 :愛しの君は負に向かわない ◆wKs3a28q6Q :08/01/30 03:05 ID:.FqhoMPE




殺し合いが始まっても、アルレッキーノは冷静だった。
あの場においてもうろたえずに、シャトルを運ぶため列車に乗り込んだはずの自分が突然この場所に移動していた理由を考えていた。
一番有力なのは『気付かぬ間に自分は殺され、そして殺し合いの役者として修復された』というもの。
だが、いくら考えてもわざわざ修理してまで自分を参加させる理由が分からない。
かといって他に納得のいく理由が浮かばないので――そのうちアルレッキーノは考えるのを止めた。
傍に行く前に今いる場所に飛ばされてしまったが、あの場所には守るべき主がいたのだ。
名簿にはフランシーヌ人形と載っていたが、エレオノールの事と見て間違いないだろう。
本物のフランシーヌ人形は、サハラで鳴海に敗れるよりずっと前に死んだのだから。

エレオノールがいるなら、自分のやるべき事はひとつだ。
いち早く合流し、命を賭けて守り抜く。
エレオノールを連れてきたところを見るに、あの場でこの舞台を仕切っていた者は加藤鳴海を上回る実力者だ。
旧式ボディにされた今、名簿に載っていた最古の四人・パンタローネやコロンビーヌと共に舞台を台無しにすることは難しいだろう。
もっとも、リングマスターの意図が分からぬ限り、敬愛する主を優勝させたった一人で奴に対峙させるわけにもいかないのだが。

(……自動人形どもはフェイスレス司令の息がかかってると見ていいだろう)
支給品とやらに愛用のリュートがあるかどうかを確認しながら、今後の具体的方針を考える。
最優先事項はエレオノールの護衛。次いでパンタローネ・コロンビーヌとの合流。
リングマスターを倒すにしろエレオノールを優勝させるにしろ、フェイスレスの息がかかった自動人形は早めに淘汰した方がいいだろう。
エレオノールからの命令は「人間を傷付けるな」であり、自動人形の破壊は禁止されていない。エレオノールの捜索がてら破壊していくとしよう。
自動人形か否かは支給されたマグネットで調べる。マグネットが引っ付かなければ人間の可能性を考慮し、引っ付いたら自動人形と――少なくとも人ならざる者と判断して始末しよう。

そう決めて行動して数分。アルレッキーノは、緑髪の少女を見付けたのだった――

286 :Classical名無しさん :08/01/30 03:07 ID:fX5Kvk0A
 

287 :Classical名無しさん :08/01/30 03:15 ID:q9QuDL4E
しえん

288 :愛しの君は負に向かわない ◆wKs3a28q6Q :08/01/30 03:16 ID:.FqhoMPE




「…………?」
緑髪の女が目を覚ました。
何故こいつの体を覆った炎を消してやったのか、自分でもよく分からない。
背後から投げた磁石が引っ付いた事から見ても、こいつが自動人形である事に間違いはないのだ。
にも関わらず、エレオノールについた自分にとって敵でしかないはずの少女を助けてしまった。

……いや、本当は理由など分かっている。最後に少女が呟いた言葉が引っ掛かったのだ。
彼女が最期に口にしようとしたのは、他の大勢の自動人形のような恨み言や主に助けを乞うような言葉ではなかった。
ただ、誰かの名前を名残惜しそうに呟いた。それだけだ。
アルレッキーノの記憶に、そのような最期を遂げた自動人形はいない。
最期に愛しい者の名前を口にする姿は、まるでサハラで戦ったしろがね達のようだった。

「お前は何だ」
ゆっくりと上半身を起こし、それから慌てて胸元を手で隠した少女へと問い掛ける。
この反応は知っている。アクロバット・ブラザーズが言っていた『人間の女の子のリアクション』とやらだ。
やはりこれも、自動人形のリアクションではない。

「……絡繰茶々丸。科学と魔法の産物です」
どうやら質問の意図を理解してくれたらしく、茶々丸は己の体が何で出来ているかを説明してくれた。
が、正直な話、アルレッキーノにはピンとこない。
人間の読む書物に書かれた空想の産物である魔法。
そんなもので構成されているなど、にわかには信じがたい。
信じがたいのだが……信じないわけにもいかなかった。
特にフェイスレスとフランシーヌの名に心当たりが無いかを尋ねた際に口にした「申し訳ありませんが、その名前には心当たりがありません」の一言。
試した事はない(試そうとも思わない)が、己の存在の否定にもなりかねない『造物主ともフランシーヌとも無関係発言』をしたのだ。
フェイスレスの部下の自動人形ではないと考えるのが自然だろう。

289 :Classical名無しさん :08/01/30 03:23 ID:5cFI4.Ig
 

290 :愛しの君は負に向かわない ◆wKs3a28q6Q :08/01/30 03:23 ID:.FqhoMPE
だとしたら考えられる可能性はひとつ。
『絡繰茶々丸は白銀の作った自動人形である』
自動人形の造物主である白金に匹敵する頭脳を持ち、柔らかい石を作り出した白銀になら、自動人形のようなものを製作出来てもおかしくない。
おそらくその際使用した技術に『魔法』という名をつけたのだろう。
白銀の作った自動人形だとしたら、いくらこの場で殺さずにいてやったとは言え、自分は彼女にとっては長年敵対していた組織の幹部のはずだ。
にも関わらず今はさほど敵意を見せていないのは、彼女が『最古の四人を知らないから』なのだろう。
つまり、絡繰茶々丸とは『柔らかい石を体内に持つ者の護衛を任された、しろがね側の秘密兵器』だったのではないだろうか?
それならば辻褄が合う。
自動人形なのに自分の事を知らないと言わんばかりの態度も。
真夜中のサーカス団員には出来ない表情をした事も。

「……質問してもよろしいでしょうか」
黙ったまま続きを促す。もっとも、続く言葉など容易に想像できているが。
「何故私を助けたのですか」
当然の疑問だ。
突然襲ってきた自動人形が自らが奪おうとしていたはずの命を助けたのだ。
自動人形の性質を知る者なら誰だって驚く。鳴海だって驚く。

「……すまなかったな、非礼を詫びよう」
帽子を取り、深々と頭を下げる。
茶々丸が白銀の造った人形ならば、今の自分と茶々丸は味方同士ということになる。
茶々丸は、“しろがね・エレオノールを守る人形”という仲間だ。
旧式ボディのためこの先苦しい戦いを強いられるであろう自分にとって、味方の存在は有難い。
少しでもエレオノールが生き残る確率が上がるのなら、頭ぐらいいくらでも下げてやろう。


291 :Classical名無しさん :08/01/30 03:27 ID:5cFI4.Ig
支援 

292 :愛しの君は負に向かわない ◆wKs3a28q6Q :08/01/30 03:29 ID:.FqhoMPE
「……構いません。何か裏があっての事なら見過ごすつもりはありませんでしたが、魔が差した、という事でしたら、今回は水に流そうと思います。
 過ちを犯してしまう可能性は誰にでもありますし、結果的に私はこうして生きてますから……」
淡々と茶々丸が告げる。
魔が差したというわけではないのだが、水に流してもらえたならいちいち訂正することもあるまい。
茶々丸の表情が若干暗くなった気がしたが、時間が惜しいのでさっさと本題へと入らせてもらう。

「……フランシーヌ様を一刻も早くお守りするため力を貸りたい」
帽子を被り直し、腰を上げる。
恐らく断られる事はないだろう。
今考えるべきなのはエレオノールの探索と自動人形討伐の効率化を図るため二手に分かれるべきか否かだ。
今の自分のボディではブリゲッラは勿論シルベストリすら破壊できない事を考えると、二手に分かれるのは危険かもしれない。
自分にとってもっとも重要なのはエレオノールの護衛に就くこと。
それを果たす事なく自動人形に討たれたとなっては死んでも死にきれない。

「分かりました。力を貸します。ですが、その……その前にどこかで衣服を調達したいのですが……」
茶々丸が胸を覆い隠しながら呟く。
我々よりも人間に近い分不便な所もあるのだな、と思ったが、アルレッキーノは口には出さなかった。
ただ、「分かった。支給品に衣服の類が無ければ、まずは近場の民家で服を手に入れよう」とだけ言って茶々丸の姿を視界から外した。



293 :Classical名無しさん :08/01/30 03:31 ID:5cFI4.Ig
 

294 :愛しの君は負に向かわない ◆wKs3a28q6Q :08/01/30 03:37 ID:.FqhoMPE
茶々丸がPDAをいじっている間、ぼんやりと仲町サーカスの事を考える。
いや、正確には、自分なんかに笑顔を向けてくれた生方良子がどうしているかを。
彼女は元気にしているのだろうか。
彼女は強い娘だ。笑顔でいるのだと思うが……

自動人形にあるまじき感情だということは理解している。
それでも、常に希望を見ている少女の瞳を思い出すと、何故だか力が湧いてくるのだ。
(……出来ることなら、フランシーヌ様と共にあのサーカスに帰りたいものだ)
アルレッキーノは考える。
恐らく、茶々丸にとってネギ先生とは、自分にとっての生方良子なのだと。
いや、もしかしたら“愛”という感情の対象なのかもしれない。
「ネギ先生」と呟いた際の茶々丸の表情に何故かコロンビーヌの面影を見たのも、両者が愛を知った自動人形だからだったのかもしれない。
(……フランシーヌ様を助ければ、茶々丸やパンタローネ達とここを出たら、良子はまたあの笑顔を私なんかにも向けてくれるのだろうか?)

アルレッキーノは考える。
らしくないが、自分も再びあのサーカスに帰りたいと。
仮に自分達を連れ去る際に列車の人間が皆殺しにされたのだとしても、別行動をとっていたためまだ生き残っているはずの良子に、再び笑顔を向けてほしいと。
再会したい者がいる茶々丸も、出来ることなら再びその者に会わせてやりたいと。
アルレッキーノは考える。
そのためにも、敵対している自動人形は何としても破壊し尽さねばならないと。





295 :Classical名無しさん :08/01/30 03:38 ID:5cFI4.Ig
支援

296 :愛しの君は負に向かわない ◆wKs3a28q6Q :08/01/30 03:41 ID:.FqhoMPE
【D-05 木陰/1日目・深夜】
【アルレッキーノ@からくりサーカス】
[状態]:健康、やや腹部にダメージ
[装備]:マグネット×2
[道具]:確認済み支給品0〜2個、支給品一式
[思考・状況]
基本思考:エレオノール(フランシーヌ人形)を生還させる。出来れば自分や茶々丸も共に脱出したい
1:エレオノールの元に出来るだけ早く向かいたい
2:茶々丸の服を確保後、別行動を取るべきか考え中
3:フェイスレス側の自動人形は積極的に破壊する
※ロボットの意味がいまいちよく分かっていません
※宇宙に行ったフェイスレスが何らかの方法で裏で糸を引いていると考えてるので、『機械要素のある人間=フェイスレス側の自動人形』だと思い込んでいます
※茶々丸のことを白銀がつくりあげた自動人形だと勘違いしています
※名簿の『フランシーヌ人形』はエレオノールの事だと思っています


【絡繰茶々丸@魔法先生ネギま!】
[状態]:上半身裸、動作が鈍くなる程度の火傷(どの程度行動に支障をきたすかは次の書き手さんにお任せします。命に別状はありません)
[装備]:なし
[道具]:アカネハウス11号@パワプロクンポケット8、確認中支給品0〜2個、支給品一式
[思考・状況]
基本思考:殺し合いを止め、生きて帰る
1:悪と呼ばれようが脱出のために全力を尽す
2:さすがに裸は恥ずかしいので服がほしい
3:フランシーヌ人形と合流する
※夏休み期間中からの参戦なので、今後魔法世界編で出てきたインフレ技は使えない可能性があります
※フェイスレス、フランシーヌという名前をアルレッキーノに教えられましたが、自動人形やアルレッキーノの世界に関して詳しくは聞いていません
※茶々丸の乳首についてですが、はじめから乳首など付いてないのか、原作で描写が無いのは原作者のポリシーだからであって乳首はしっかり付いているのかは、次の書き手さんにお任せします


【アカネハウス11号@パワプロクンポケット8】
公園で寝泊まりする天才家出少女・茜の造った段ボールハウス。雨や風をしのぐ程度には頑丈らしく、海外の雑誌で日本の文化として紹介されたほどのクオリティである。

297 : ◆wKs3a28q6Q :08/01/30 03:43 ID:.FqhoMPE
ようやく投下完了です
馬鹿みたいに時間がかかったのに支援してくださった方、ありがとうございました


改行規制って怖いねorz

298 :Classical名無しさん :08/01/30 03:47 ID:5cFI4.Ig
投下乙
アルレッキーノは後期参戦か…誓いを重んじる彼の行動に今後注目っと
って乳首の描写はどうかとwww

299 :Classical名無しさん :08/01/30 03:50 ID:VjNHx5SE
>>297
投下乙!
深夜だろうがなんともないぜ!

実はからくりは未読なんだが、アルレッキーノに惚れた。なにこのかっこいい人形
マーダーなのかそうでないのか、微妙な立ち位置なのも面白いな
実は途中で茶々丸死亡のお知らせと勘違いしてちょっと凹んだのは内緒だw

300 : ◆wKs3a28q6Q :08/01/30 03:59 ID:.FqhoMPE
あ、すっごい些細だけど今になって気になりだしたので、アルレッキーノの状態欄を

>機械要素のある人間=フェイスレス側の自動人形

から

>機械要素のある参加者=フェイスレス側の自動人形

に修正します
最初の方じゃまるでエレの命令に背いて人間だろうと兵器で傷付ける奴みたいじゃないか俺……

301 :Classical名無しさん :08/01/30 04:17 ID:MlR1UtQ6
GJ。
からくりの世界観知識を元に考察するアルレッキーノが面白いな。上手い。

ただアルレッキーノの思考で気になった点が一つ。
OPの参加者全員が機械である発言は理解していないor聞き逃したor信じてないの?
そこだけちょっと引っかかった。

302 :Classical名無しさん :08/01/30 04:48 ID:BuVSuB6M
投下乙です!
後期参戦できたか。フランシーヌ様と再開できるといいなあ。
このコンビの今後が気になる。

あと、殺傷能力ある武器がないってなってるが茶々丸目からレーザー撃てるんだが

303 :Classical名無しさん :08/01/30 05:26 ID:cA3McFAE
今から投下しようかと思うんですが大丈夫ですか?
駄目なら、後ほどまた来ますが。

304 :Classical名無しさん :08/01/30 05:38 ID:cA3McFAE
流石にこの時間に人はいないか。
推敲して出直してきます。

305 :Classical名無しさん :08/01/30 05:45 ID:PqDVD8FU
支援に来たが遅かったか・・・
投下のんびり待ってます

306 : ◆dol7ALuruQ :08/01/30 09:27 ID:d1bx27b6
ドラス、投下行きます。マーダー少なそうなんでマーダー増やしに……。

307 :Classical名無しさん :08/01/30 09:29 ID:cPIxPVzo
 

308 :潜行する魔神 ◆dol7ALuruQ :08/01/30 09:30 ID:d1bx27b6
『ふうん……これは雪かな? ここが会場なんだね。』

2m前後の巨躯を確かめるように動かしながら、異形が呟いた。
銀色のボディ。赤い瞳。全体像は人型に近かったが、細部が違う。
肩からは角のようなものがせり出し、銀色の尾を持っている。
握ったり開いたりを繰り返す手には、人間の瞳のようなものがついていた。

『それにしても面白そうな……そうだな……そう、[ゲーム]だね。』

その名はドラス。あらゆる生命体を超越した生命体であり、金属を統べる者。
ヒトが神を目指して生み出した、生命を冒涜する存在だった。
かつて敗れ、消滅したはずの体を取り戻し、ドラスははしゃぐように体を動かす。
よみがえったばかりか、核を覆う超硬度の液体金属の鎧まで彼には与えられていた。

森の中を影が走る。
ウォーミングアップにはいささか激しい調子で、ドラスは雪原を駆け抜けた。
ドラスに訊けば否定するだろうが、初めての雪で興奮しているのかもしれない。

『ふふ……あのおじさんが溶けて体を変えただけで、
 あそこにいたおねえちゃんたちやおにいちゃんたちは随分驚いてたな……』

ドラスはあの詰められた部屋での出来事を反すうし、笑みを浮かべた。
もっとも、それは心象イメージであって彼の擬骸が実際に笑ったわけではないと注釈しておこう。
怪物の顔には感情というものは何一つない。



309 :潜行する魔神 ◆dol7ALuruQ :08/01/30 09:30 ID:d1bx27b6
あの程度の体の組み換え程度、ドラスにもできる。
はっきり言って、たかがそれだけでしかない出来事に、随分と驚いていた。
ほとんど全員が慌てふためいていたと言ってもいいだろう。
それがドラスには愉快だった。たかがあれだけの出来事であの調子だ。
あの反応一つでも力の差が分かる。自分と、その他の参加者の格とも言うべきものの差は圧倒的だろう。
当然だ、なにしろ自分は『神』に最も近いのだから。
あそこにいたのは皆人間ではないらしいが、どんな機械生命体だろうと自分に比べれば等しく塵芥。
この壊し合いも、彼からすればゲームに過ぎない。

町のような場所まで走り込んだあと、足を止めた。
体の調子の確認を終えたドラスは、肩に力を込める。
すると、肩にが一瞬輝き、光の束が撃ち出された。
分子破壊光線マリキュレイザー。
一度打ち出されれば数km先の鉄塔すらも分子ごと粉砕するその一撃は目の前のビルを――


粉砕しない。

『……?』

いや、確かに当たった場所から一部屋分くらいの範囲は蹂躙していた。
しかし、あまりにも威力がない。なさ過ぎる。
それに射程も何か足りない気がした。100mもないのではないか……?

体を覆っていた興奮が一気に引いた。
しらけにも似た状態へテンションは急降下。
足元に転がってきた瓦礫を投げやりに蹴散らすと、ドラスは冷めた気分で他の能力を試してみた。



310 :潜行する魔神 ◆dol7ALuruQ :08/01/30 09:31 ID:d1bx27b6
まずは、形状変化能力。
高速飛行形態へ体を縮小させようとした。
結果だけいうと無理だった。子供程度までは小さくなれても、ボール大のサイズまで縮小することはできない。
自分の力の弱さを感じ、クモ女とコウモリ男を造りだそうとする。
これもできない。精製しても、すぐさま崩壊してしまうのだ。小さくなったままで、大きくすらならない。

『なるほどね……これが答えって訳だね。』

自分が完全な状態でこのゲームに参加しては、自分に勝ちはあっという間に決まってしまう。
それを恐れての制限とドラスは判断した。
生き返らせたと同時に、自分に何か手を加えられたことを悟る。
そう、自爆装置と一緒に何かリミッターをかけられたのだ。

『気に食わない……凄く気分が悪いよ。』

ドラスは、そこで初めて携帯端末を取り出した。
彼は子供独特の、無知からくる傲慢はあった。
だが同時に、自分の能力を著しく制限された状態で、楽に生き残れると思えるほど子供な楽天家ではなかった。
ならせめて制限した当人から与えられる力だけでも、活用しなければならない。

端末へ、支給された武器の一斉送信を入力。
目の前に送られてきたものを眺めてみる。
転がっているのは、ナイフと棒が一本ずつ。
名称を確認すると『20万ドルのバターナイフ』、『枕を柔らかくする棒』となっている。
棒は役に立ちそうにないが、ナイフはなかなかのものらしかった。

正式名称は、荷電磁ナイフ。
木など熱に強く質量の大きいものは無理だが、人間の手や金属チェーンなら容易に切り裂き、溶解させられるとか。
生物を切っても傷口が焼かれて血をまったく流さないというのもいい。
返り血などの汚いものを受けなくてすむのだ。



311 :潜行する魔神 ◆dol7ALuruQ :08/01/30 09:32 ID:d1bx27b6
手の中のナイフを握りこむ。
すると指が落ちた。

『ちょっと僕が使うには小さすぎるかな。』

説明通り、刃に当てられたドラスの人差し指はあっさり切断された。
わざと当てたわけではない。
2mを超える、まして怪人の手に比べれば、ナイフのグリップが小さすぎたのだ。
そのため、グリップから手がはみ出て刃に指が当たってしまった。
しばしドラスは黙考すると、

『なら、これに合う体にすればいい。』

グニャリと、ドラスの体が歪んだ。くすんだ銀色が、光沢のある銀へ変化し、うごめいた。
ドラスの体の9割以上は周囲の金属の分子組成を組み替えて造る、いわば木偶に過ぎない。
コウモリ男がやったように、姿を組み替えることなど至極簡単なことだった。
金属が収縮し、それまでより2回りは小さい姿を形作った。

いや、小さいというよりむしろ幼かった。

『へえ……あのおねえちゃんを元に作ったんだけど、結構いいじゃないか。』

水色に近い青で、肩まで伸びる髪。緑に近い青の瞳。
それは、あの最初の会場で爆殺された少女、セインをそのまま幼くしたような姿だった。

今度は、ナイフのグリップに手が十分におさまった。
もちろん作り直した体には指は5本備わっている。



312 :潜行する魔神 ◆dol7ALuruQ :08/01/30 09:32 ID:d1bx27b6
ドラスがこの姿を選択した理由は、いくつかある。
まず、ナイフのグリップ以下の大きさの手を持つこと。
2つ目にドラス自体、客観的に言うと精神が幼く、無意識にそういった肉体を選択していたこと。
3つ目は、保護欲を煽ること。

3つ目が重要だ。
ドラスはこの制限された状態では自分が戦えば負けもあることも認識していた。
一人でうろつきまわるには危険すぎた。かといって、怪人態では敵意と警戒心を煽るだけだ。

どうすればいいか?
簡単だ、他のものに戦ってもらえばいい。
自分が他のゲームへの参加者を減らす手間も減る。
自分以外を殺し合わせ、武器や道具を集め、弱った破壊否定者のみを冷徹に間引いていく。
そのためには、まずこのゲームを否定し、ゲーム開催者と戦うために協力しあう人間の環の中へ入らなければいけない。

そのための選択がこの姿だった。

『まず他の人と協力して自爆装置とリミッターを外す。
 その後他の人を皆殺して……あとはあのおじさんを殺して帰ろうか。』

勝手に神の体をいじった罪を、シグマにも味あわせてやらなければならない。

新しい姿を手に入れたドラスが手をかざす。
すると、手の向こうにあった民家のドアが吹き飛んだ。

『念動力は使えるんだね、ならまず十分かな?』


313 :Classical名無しさん :08/01/30 09:37 ID:RHdbmUAU


314 :潜行する魔神 ◇dol7ALuruQ代理 :08/01/30 09:42 ID:lg8Bav9Q
すいません、規制に引っかかったんで……これをお願いします


家の中をナイフを片手に物色する。
探しているものは……

『とりあえず服を着ないとね。』

【C-3 市街地/一日目・深夜】
【ドラス@仮面ライダーZO】
[状態]:健康
[装備]:荷電磁ナイフ)@マルドゥックスクランブル
[道具]:支給品一式
[思考・状況]
基本思考:自爆装置とリミッターを外す。その後参加者を全員殺す。優勝したあとシグマも殺す。
1:服を探す。
2:対主催の人間たちにもぐりこむ。
3:自爆装置、リミッターの解除。

※細かい外見はお任せします。
※枕たたき棒@魁!!クロマティ高校 が周囲に落ちています

315 :Classical名無しさん :08/01/30 09:45 ID:B89zPgbM
キタキタキタキタ
本当に魔法少年リリカルドラスになってしまうとはw
外見までロリショタにwwwしかしステルスマーダーになったのは意外だなぁ
これからに期待

316 :Classical名無しさん :08/01/30 10:01 ID:fEpgKAI2
投下乙です
裸がつづくなしかしwあ、せっかくのドラスきゅんなんで、パッと見女の子でも、肉体はショタの方向で(ぇ

317 :Classical名無しさん :08/01/30 10:03 ID:EK/CToJ6
これはwww
ふたなりってことでおkか?
ていうかお前らそんなに裸が好きかwww

しかし貴重なステルスマーダーってのはおいしいかも。
正直マーダー不足に悩みそうだったし活躍に期待。

318 :Classical名無しさん :08/01/30 10:06 ID:yI0N1i0U
みなさま乙であります。
で参考になればということで現在の分散状況をば。
<左上コロニー:軍事コロニー>
・【B-3】T-800、スバル

<右上コロニー:工場区コロニー>
・【F-2】シュトロハイム

<左下コロニー:市街地コロニー>
・【A-5】城茂、ミー
・【B-5】初音ミク
・【C-3】ドラス
・【C-5】ノーヴェ、ゼロ
・【D-5】アルレッキーノ、茶々丸

<右下コロニー:人工自然コロニー“スウィートウォーター(仮)”>
・【F-6】広川武美、クロ
・【F-8】ギンガ、(王ドラ)

319 :Classical名無しさん :08/01/30 10:09 ID:wqjtihHo
裸祭と聞いて

>>318
乙っす
C-3のドラスは左上コロニーかとー

320 :Classical名無しさん :08/01/30 10:13 ID:lg8Bav9Q
一覧表作ってみた。

一日目/深夜

A-5 路上    城茂@仮面ライダーSPIRITS
A-5 住宅街   ミー@サイボーグクロちゃん
B-3 廃鉱山前  T-800@ターミネーター2
         スバル・ナカジマ@魔法少女リリカルなのはStrikerS
B-5 住宅地   初音ミク@VOCALOID 2
C-3 市街地   ドラス@仮面ライダーZO
C-5 学校、一階玄関近くの教室
         ノーヴェ@魔法少女リリカルなのはStrikerS
         ゼロ@ロックマンX
D-5 木陰    アルレッキーノ@からくりサーカス
         絡繰茶々丸@魔法先生ネギま!
F-2 スクラップ工場・溶鉱炉付近
         ルドル・フォン・シュトロハイム@ジョジョの奇妙な冒険
F-6 森林中央部 クロ@サイボーグクロちゃん
         広川武美@パワポケシリーズ
F-8 森林    ギンガ・ナカジマ@魔法少女リリカルなのはStrikerS
         王ドラ@ザ・ドラえもんズ 死亡確認

321 :Classical名無しさん :08/01/30 10:32 ID:yI0N1i0U
PDAとか小物にこだわったんだから他の細かいところで『ロボロワ』らしさを出したいなぁ、
とかwiki編集中にふと考えたんだが、なんかいい案は無いだろうか?

【死亡】じゃなくて【破壊】だの【機能停止】だのにしてみるとか、
そんなことしか思い浮かばんのだが……

322 :Classical名無しさん :08/01/30 10:33 ID:fEpgKAI2
>>317
貴重なショタだしやっぱりついててほしいw
見た目は幼女、精神肉体はショタ、性格は鬼蓄なんて最高ジャマイカ

>>318>>320
乙ですー

323 :Classical名無しさん :08/01/30 10:33 ID:yI0N1i0U
連続レスすまん。
>>319、ツッコミ感謝。

324 : ◆BRxsUzTn5A :08/01/30 10:34 ID:cPIxPVzo
キッドとロックの投下を始めます。
支援してくれるとうれしいです

325 :ELECTRICAL COMMUNICATION ◆BRxsUzTn5A :08/01/30 10:36 ID:cPIxPVzo


うっそうと茂る木々の中を一つの少年が駆ける
辺り一面を緑と茶色に覆われた木々に溶け込むことのない青色のボディは迷うことなく北へと急ぐ
少年はふと上の方へ仰ぐ。その揺るぎないまっすぐに見据えた目は山の方を見ていた。

「助けを呼ぶ声があっちから聞こえてくる、早く行かないと!」

そう呟き、青い少年は北の山へと走る

暗い森の中を駆け抜ける少年、ロックマンは争いを好まない心やさしいロボットである。
彼にとって困っている人の声が聞こえただけでも、助ける十分な理由となる。
先ほども山の方からの悲痛な助けを求める叫びを見過ごすわけにもいかず、声の主のもとへと向かおうとしている最中であった


「ここか……ずいぶんと高い山だ」

自分のスタート地点であった森を抜けること数十分、彼の目の前には大きくそびえたつ山があった

「確かこの辺に助けを求める声がしたんだけど……」

ロックマンはきょろきょろとあたりを見回すが、見えるのは緑一色の森とごつごつとした岩肌だった
これといって特別人間やロボットがいるというわけでもなかった

「おかしいな……誰かいるかと思ったんだけど、聞き違いか?」
ロックマンは首をひねり、もう一回あたりを見回そうとしたその時、ロックマンの耳に森の中で聞いた先ほどの声が聞こえてきた

「お〜〜〜〜〜〜〜〜〜い、た〜〜〜〜す〜〜〜〜〜け〜〜〜〜てぇ〜〜〜〜〜〜!」

真の抜けたような気弱くかぼそい響きのする声に対してロックマンはこたえる

「君を声を聞きつけて助けにきたよ!どこにいるの!?」

326 :Classical名無しさん :08/01/30 10:37 ID:cPIxPVzo
「こ〜〜〜〜〜こ〜〜〜〜だよ〜〜〜〜〜〜〜う〜〜〜〜え〜〜〜〜〜〜」
「上……?」

ロックマンは山の上の方を見上げると、数メートル先に黄色い丸い形をしたロボットらしき者が小さな崖の道に芋虫のようにうずくまっていた

「大丈夫だよ、この高さなら道にそってゆっくり降りて行けばふもとまで着くからさ」

ロックマンは数メートル先にいる黄色い人物に向かって呼びかける

「ムリムリムリムリムムリムリ! マジに無理だって!! た〜かいとここわ〜〜〜いいいい! 足が……足がすくんで動けない!」
ロックマンの呼びかけに関わらず黄色い人物は今にも泣きそうな声で返事をする

「しょうがないな〜。僕が今そっちに向かうから、一緒に降りよう」
「あ、ああ……そうしてくれぇ〜〜」

ロックマンは荒れた数メートルの細い山の道を登り、黄色いロボットのもとへと到着した
遠くからなのではっきり見えなかったが、黄色いロボットはテンガロンハットとカウボーイブーツを着て、まるで西部劇のガンマンのような格好であった

「さぁ、僕の手をとって。一緒に下山まで行こう」
「大丈夫だよね? 放したりなんかしない?」
「そんなことするもんか、ちゃんとふもとまで連れてってあげるから」

ロックマンが手を差し出すと、うずくまっている人物はゆっくり震えながら丸いボールのような手を伸ばしていく
そのボールのような手をロックマンがつかみ、ゆっくりとゆっくりと一歩一歩確実に2人は歩みを進める。
そして、2体のロボットが山を下ることができたのは数時間経った後であった。


 ☆ ☆ ☆ ☆


「もう大丈夫。ちゃんと山のふもとまで着いたよ」


327 :ELECTRICAL COMMUNICATION ◆BRxsUzTn5A :08/01/30 10:39 ID:cPIxPVzo
ふもとに着いたロックマンはへっぴり腰なカウボーイのロボットに呼びかける。
「だだだだだだだだだ大丈夫?ホントに高いとこじゃない?」
ふもとまで着たのにも関わらず、カウボーイの格好をしたロボットは目を片方の手でふさぎながら小刻みに震える。
「大丈夫、心配しないで。ちゃんとふもとまで着いたから」
カウボーイのロボットは閉じている目をおそるおそる開け、足が地面にちゃんとくっついていることを確認するとほっと溜息をつき、その場に座り込んだ。
「ふぅ〜怖かった……」
座り込んだロボットは安堵の表情でロックマンを見上げる。

「それにしても何であんな山のところにいたの?」
「あの部屋から転送されたと思ったら、いつのまにかここに飛ばされていたんだよ。まったく、俺が高いとこが苦手なのをしってあんなとこに追いやったのか?」
緊張がほぐれたのか、カウボーイのロボットはゆっくりと腰を上げる。
「お前が来てくれて助かったよ。名前は何ていうんだ?」
「僕はロックマン」
「ロックマンか、俺はドラ・ザ・キッド。キッドって呼んでくれ」
「分かったよ、キッド」
「しっかし、あのシグマとか言う奴、壊しあいだっけか?あんなことをして何をするつもりなんだ?」
「分からない、ロボットが憎いだけなら僕らをその場でスクラップしてもいいはず、でもシグマを攻撃したロボットを破壊しただけで、それ以上のことをしなかった。
 僕らをこの場に集めて壊しあいをさせなきゃいけない何かがあるはずなんだ」
腕を組みながらロックマンはあの部屋でおこったことをいぶかしむ。

「……他に何か奴に目的があるってことなのか?」
「たぶん。でも詳しいことは分からない。もうちょっと情報が必要だね」
「情報か……確かシグマのことを知ってそうなやつがいたよな。お前にそっくりなヘルメットをかぶってた奴……エックスとか言ってたな。あの状況からしてシグマのことを
 何か知っているんじゃねえかな?」
「あとは隣にいた赤いヘルメットの人。この2人にシグマのことを聞けば何か手掛かりがつかめるかもしれないね」
「そうときまりゃ、話が早い。ロックマン、一緒にエックスたちを捜そうぜ!」
「一緒に着いていってくれるの?」

328 :ELECTRICAL COMMUNICATION ◆BRxsUzTn5A :08/01/30 10:41 ID:cPIxPVzo
「もちろんさ、高いとこにいた俺を助けてくれるなんて壊しあいにのってないっていうのが十分に証明する理由になるしな」
「いやぁ、僕は当然のことをしたまでで……」
ロックマンは手を頭に当て、少しうつむきながら返事をする。
「それによ……お前を見てると、親友の『あいつ』を思い出すんだ。おおらかで、お前みたいな困ったやつを助けずにはいられない性格でな」
キッドの目にはロックマンの姿に、ロボット学校の時から今まで苦楽を共にし、永遠の友情を誓いあった青い親友の姿がぶれて重なった

「そういえば、このPDAの中の名簿を見た時に、王ドラっていうロボットの名前が載ってたけど、君の知り合いかい?」
「王ドラの名前が載ってるのか?ちょっと見せてくれ!」
ロックマンは名簿のうつったPDAをキッドに見せた。そこには名前の一番後ろの方に『王ドラ』という名前が載っていた
「間違いねぇ、そいつは俺の親友の名だ。あいつもここに連れてこられてたのか」
「君の親友がここにいるなら一刻も早く合流した方がいいね」
「その前に、王ドラと連絡をとらねえとな」

キッドはかぶっているテンガロンハットをはずし、中をまさぐり始めた
「君と王ドラと連絡をとる手段があるのかい?」
「ああ、親友テレカってな、確かこの四次元ハットに……ん?」
いつもなら出したいものを思い浮かべるだけでひみつ道具が出てきた四次元ハットだが、なぜかいくらハットの中を探っても出る気配はない
「おかしいな……いつもあるはずの親友テレカが出てこない、くうき砲も出てこないぞ?」
「もしかしたら、僕たちが目覚める前にそういった物はシグマに没収されているんじゃないかな?連絡をとれるものがあったら危険なじんぶつだって簡単に情報の交換ができるし、いろんな武器が
 あれば、圧倒的に有利だからね」
「くそう!俺たちの友情の証のテレカが……!」
キッドは苦虫をかみつぶしたような表情を見せる

329 :Classical名無しさん :08/01/30 10:41 ID:EK/CToJ6



330 :Classical名無しさん :08/01/30 10:41 ID:yI0N1i0U



331 :ELECTRICAL COMMUNICATION ◆BRxsUzTn5A :08/01/30 10:42 ID:cPIxPVzo
「シグマめ、絶対に許さねえ! 俺たちをこんな危険な目にあわせたあげく俺たちの友情の証を奪って! 俺たちの友情がこの程度で敗れると思ったら大間違いだ!
こんな壊しあい、俺が潰してやる!」
「うん。僕もロボット同士が壊しあうなんて絶対に間違っている。こんな争いすぐにでも止めないと」
「だが、連絡をとれる手段もないし、俺にはひみつ道具もない。どうすればいいんだ……」
キッドは手ぶらな両手をだらんとさげてうなだれる。
「確かPDAからアイテムが転送できるって説明があったはずだよ。たぶんそれに代わる何かがあるかもしれない」

ロックマンは自分のPDAを操作し、支給品を確認する。
「ええっと、最初の道具はダンボール!? 敵に見つかりにくくなりますだって……本当かな? 2つ目は、大型スレッジハンマー。大きな金槌みたい。重そうだけどこれくらいの重さなら
 大丈夫かな。最後は、ガトリングガン。腕にはめて弾丸を撃つことができるんだって。これで全部だよ」
「そうだな……最後のやつをくれ。くうき砲ほどじゃあないが、銃器類の方が扱いやすいからな」
「分かった、転送するね」
ロックマンは端末を操作すると、瞬時に濃い緑色をしたガトリングガンが現れた。彼はそれを手に持ち、キッドに手渡した。
「う〜ん……いつもくうき砲をはめてたから少し違和感があるが……まぁ、ないよりマシかな」
ロックマンに渡されたガトリングガンを左腕にスポっとはめたキッドは腕の上下に振りながら、重みを確かめる
「俺の携帯端末も調べてみるぜ。さっきの借りはちゃんと返さないとな」
キッドは丸っこい手で携帯端末を操作する。
「俺の道具はっと……ん? ブルースシールド?」
「え! ブルースだって!?」
ブルースという名前を聞いた途端、ロックマンの目が丸くなった。
「知ってるのか?」
「僕の仲間なんだ。僕の行き先でいつも手助けをしてくれるんだ。彼の物がここにあるのなら届けないと」
「じゃあ、これを転送するぞ」
キッドは携帯端末を操作し、赤と白の盾を出現させる。ロックマンはそれを手に持って構える

(ブルース、少しだけ君の力を貸して、このロボットの争いを終結させるために必要なんだ……)
ロックマンは盾を見て、友の姿を思う。


332 :Classical名無しさん :08/01/30 10:44 ID:lez1J2vQ
 

333 :ELECTRICAL COMMUNICATION ◆BRxsUzTn5A :08/01/30 10:44 ID:cPIxPVzo
ひとつは「五光石」という宝貝だった。投げると濃い顔になるという妙な説明が書いてあった。
もう一つはジローのギター。人造人間が登場するときに持ってるギターという説明だけでそれ以上の効果は記されてはいなかった

「さて、道具も確認したところだし、そろそろ行動しないとな。どこへ行く?」
「この地図で一番近そうなのが、北の工場地帯。たぶん、そこに人が集まっているんじゃないかな?」
「そうかもな、ここから北へ行って反時計回りに探索するかな。ここには俺たちのように壊しあいにのってない奴らがいるはずだ」
「じゃあ、決まったね。行こう、キッド!」
「ああ、もちろんさ。ロックマン。俺たちの実力をあいつらに見せ付けてやろうぜ!」



うっそうと茂る森に2体のロボットが往く
周りの緑や茶色に染まらぬ青と黄色のボディは、それぞれの確固たる意志の表れのようにも見えた。
はたして、2人のガンマンはシグマの野望を打ち破ることができるのであろうか。

――鋼の心を持つ2人の冒険は、始まったばかである




【H-5 山岳前/一日目・黎明】
【ロックマン@ロックマン】
[状態]:健康
[装備]:ブルースシールド@ロックマン
[道具]:支給品一式、ダンボール@メタルギアソリッド、大型スレッジハンマー@ジョジョの奇妙な冒険
[思考・状況]
基本思考:自分は壊しあいには絶対にのらない。
1:キッドとともに北の工場地帯へ向かう
2:キッドの親友の王ドラを探す
3:エックスと赤いヘルメットのロボット(ゼロ)を捜して、シグマについて聞く
3:壊しあいを止めるための仲間を集める
4:ロボット同士の壊しあいを止める

334 :ELECTRICAL COMMUNICATION ◆BRxsUzTn5A :08/01/30 10:45 ID:cPIxPVzo
【ドラ・ザ・キッド@ザ・ドラえもんズ】
[状態]:健康
[装備]:ガトリングガン@サイボーグクロちゃん
[道具]:支給品一式、五光石@封神演義、ジローのギター@人造人間キガイダー
[思考・状況]
基本思考:壊しあいには絶対にのらない
1:ロックマンとともに北の工場地帯へ向かう
2:王ドラを探す
3:くうき砲と親友テレカを探す
4:エックスと赤いヘルメットのロボット(ゼロ)を捜して、シグマについて聞く
5:仲間を募ってこの壊しあいを潰す


【支給品紹介】

【ダンボール@メタルギアソリッド】
一見すると普通のダンボールだが
伝説の傭兵がピンチになった時やそうでもない時に入る
と気配を完全に消しさることができるというシロモノ

【大型スレッジハンマー@ジョジョの奇妙な冒険】
ジョセフとワムウの決闘に登場した武器。
とても大きなハンマーで普通の人間ではまず持ち上げられない
馬力のあるロボットならたぶん普通に持てるかも

【ガトリングガン@サイボーグクロちゃん】
クロちゃんおなじみのガトリングガン。6000発の弾があるらしい
初期状態で30秒間の連射が可能。マガジンがあれば補給できるが
弾が支給されているかどうかは不明

335 :ELECTRICAL COMMUNICATION ◆BRxsUzTn5A :08/01/30 10:45 ID:cPIxPVzo
【ブルースシールド@ロックマン】
装甲が薄いブルースが防御面をカバーするために持ち歩く盾。
半端な攻撃を一切シャットアウトするほどの強固な盾。

【五光石@封神演義】
投げつけた相手はこゆ〜〜い顔になる宝貝。必ず当たる。
リミッターは解除すると強力になり、五段分身魔球も可能になる。

【ジローのギター@人造人間キカイダー】
キカイダーの人間時の姿であるジローが登場時にかき鳴らすギター。特に意味はない。

336 :ELECTRICAL COMMUNICATION ◆BRxsUzTn5A :08/01/30 10:50 ID:cPIxPVzo
以上で投下終了です
支援ありがとうございました

そしてうっかりな誤字訂正。推敲が甘かった…

×:始まったばかである

○:始まったばかりである

337 :Classical名無しさん :08/01/30 10:57 ID:fEpgKAI2
乙でした
いや、正統派主人公コンビって感じですがすがしいねぇ
王ドラがすでに故人なのが泣ける

338 :Classical名無しさん :08/01/30 11:18 ID:DyIcmc0M
投下乙
ダンボールは通じるのかw

339 :Classical名無しさん :08/01/30 11:19 ID:lez1J2vQ
投下乙です!
キッドとロック、正統派コンビの今後の活躍が楽しみだぜ!
ガトリングガンもキッド(クロちゃん)→キッドだしなw

340 :Classical名無しさん :08/01/30 14:26 ID:B89zPgbM
>>322
やっぱりドラスはショタの方が美味しいよなw
少年比率少ないから肉体的には男子希望だw

>>335
投下乙
ダンボールはまぁギャグ属性もちの皆さんにはたやすく通用しそうだw
メガちゃんとかアラレちゃんとかメカ沢とかw
正統派コンビの活躍が楽しみだけど
クロちゃんと接触したら全力で得物を奪い返しにかかられそうな悪寒w

341 : ◆V9YQ4knn.A :08/01/30 14:54 ID:EILCwXBQ
神敬介、タチコマ 投下します

342 :Classical名無しさん :08/01/30 14:55 ID:5cFI4.Ig
 

343 :僕らはみんな生きている ◆V9YQ4knn.A :08/01/30 14:56 ID:EILCwXBQ
 人とロボットの違いとは何であろうか。
 
 ひとつに、生殖機能の有無が上げられる。
 しかし、この定義によると、性的不能者の人間を『ロボット』と定義しなければならなくなる。
 よって、この答えは不適切。
 
 或いは、動力源。
 電気を使うのはロボット、それ以外が人間と定義する。
 答えは、否。
 人間も神経伝達系、所謂ニューロンと呼ばれる細胞間の伝達に於いて電気を用いている。
 また広義では、物質の能動輸送や生化学反応回路にも使用されている。
 電気と生体とは、密接に関わっているのだ。
 
 それではもっと単純に、体内での機械の有無を判断に上げるのはどうだろうか。
 しかし、心臓にペースメーカーを付けている人間は、人口血管を入れている人間は、機能不全を起こした内臓の代わりに人口臓器を内蔵している人間は『ロボット』なのだろうか。
 判別不明。敢えて言うのなら『程度による』といった所なのだが、その『程度』とは、
 ――判別不明。


344 :僕らはみんな生きている ◆V9YQ4knn.A :08/01/30 14:59 ID:EILCwXBQ
 
 然らばもっと哲学的に精神の有無で決めるというのはどうだろうか。
 答え:より定義が難しくなる。
 そもそも精神についての定義自体が、人間の文化の誕生と共に考察されてきたものの、未だに結論に至ってはいない。
 精神とは天上の世界にあると言う者、精神とは形相であり個々に内在すると言う者、万物を懐疑する故の自己と言う者、自己とは他者との関わりの上で成り立つと言う者など……
実に様々な説が存在しているが、どれも本懐には達していない様に見受けられる。
 そして何よりも、精神が『それ』に存在しているなどと、誰が観測し、認定するのであろうか。
 よって、これでは不十分。
 
 しかし、今回に於いては須く簡潔に定義が出来る。
 ――即ち、この場にいる『モノ』が『人外』であると。
 
 
 そんな『人外』溢れる場で、二個の『人外』が出会う。
 
 ひとつは金属の体に電子頭脳を入れた――自己犠牲の精神を理解した『人外』。
 もうひとつは、人の体を機械に置換した――人の心を失った『人外』。
 
 


345 :僕らはみんな生きている ◆V9YQ4knn.A :08/01/30 15:00 ID:EILCwXBQ
 
 
【C‐3(北西部) 町/一日目・深夜】
【神敬介@仮面ライダーSPIRITS】
[状態]:健康。洗脳状態
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、不明支給品(1〜3個)
[思考・状況]
1:目の前の機械(タチコマ)を排除する
 
※暗闇の種子による洗脳状態にあります
※暗闇の種子は胸部に埋まっています
※何故か五体満足です
※ライドルは没収されています
 
 
【タチコマ@攻殻機動隊】
[状態]:健康
[装備]:右手のチェーンガン、各部ワイヤーなど固有武装
[道具]:支給品一式、不明支給品(1〜3個)
[思考・状況]
1:目の前の人間(神敬介)に接触を図る
 
※固有武装の制限は不明(後の書き手まかせ)です

346 : ◆V9YQ4knn.A :08/01/30 15:01 ID:EILCwXBQ
以上です。支援ありがとうございます

347 :Classical名無しさん :08/01/30 15:07 ID:TF1qybJ2
投下乙です。
敬介、種子植え付け状態で参戦には驚かされました。
まさかのマーダーライダー誕生か……タチコマ、逃げてええぇぇぇ!!

348 :Classical名無しさん :08/01/30 15:09 ID:B89zPgbM
乙です
ああああああ俺のXが…漫画版ではそんな凄い事になってるの?

349 :Classical名無しさん :08/01/30 15:15 ID:TF1qybJ2
>>348
一時、敵組織にさらわれて洗脳状態になってました。
この時は左腕を失っていながら、アマゾンを追い詰めるという成果を上げてます。
しかも、この時は大変身じゃなくてセタップ変身なのに

350 :Classical名無しさん :08/01/30 15:17 ID:wqjtihHo
まさかのXライダーマーダ―化かw
文体も独特で凄かったです

>>348
Xライダーが水中戦で敗北、敵に拉致られる
アマゾンが助けに来たが、逆に斬りかかる
戦闘中に胸部の奥に種子があるのを見つけ、それが狂った原因だと察知
アマゾンによるXライダーの野性味溢れまくった外科手術をお楽しみください

351 : ◆ORLXh0TwxA :08/01/30 16:36 ID:6u4JbL1c
灰原、投下します。

352 :Classical名無しさん :08/01/30 16:40 ID:lg8Bav9Q
sien

353 :暗闇の旅路 ◆ORLXh0TwxA :08/01/30 16:41 ID:6u4JbL1c
 F−6にある森林地帯、その乱立する樹木の中に黒のスーツを身に付けた一人の男がいた。
 一見してただの人間のように見えるが、この戦場に招待された以上、単なる人である事はありえない。
 その男は右手に一振りの刀を、左手に杖らしき物を持ち、自然体の形で立っていた。目は閉じられ、ただ何かを待つようにじっとしている。
 少しして、一筋の風が吹いた。強い風だった。それは木の葉を揺らし、辺りに葉と葉が擦れる音が響く。
 そして、その風はうず高くそびえる樹から何枚かの若葉を奪う事に成功した。風に吹かれて若葉はゆらゆらと地面に、男の周りに落ちていく。
 落ちる木の葉が男の目線まで達したとき、男の右手が閃いた。銀光が虚空に幾筋もの線を描く。光が消えた時、若葉はその全てが両断され地に落ちた。

 彼は二つの顔を持った男である。
 表向きは政府の秘密機関サイボーグ対策室、略称CCRの実行部隊隊長。 
 しかし、彼の正体は大神グループという巨大企業により生み出された第三世代型アンドロイドである。

 CCRとは灰原と同じ様にして生み出され、そして脱走したアンドロイド達を捕獲するために創られた大神の私設組織。
 そして、そのCCRを影から操り、アンドロイド達を処分してきた者。
 指揮官型として創られ、戦闘能力を補強するためにサイボーグとして再改造されたモノ。
 其の身に与えられた能力を振るい、己の創造主たちの邪魔者を次々と排除してきた狗。
 

 その名を灰原という。

 
  □ □ □


354 :暗闇の旅路 ◆ORLXh0TwxA :08/01/30 16:44 ID:6u4JbL1c
 灰原は一度は死んだ人間である。造反した自分の部下と一騎打ちで戦い、敗れ、死んだ。
 何故甦ったのか、それはどうでもいい事柄だった。考えたところで何かが解る訳ではない。原因の追求などは後でできる。
 この地に転送されたとき、まず灰原は、自分に支給された携帯端末の把握に努めた。
 端末をいじっている間に、参加者の中に知人がいない事、自分に支給された武器などの確認をする。
 食料なども転送できるらしいが今は必要ないので確認はしていない。その他、細々とした事を確認し終え、最後に自己の確認をする事にした。
 自分に支給された武器「リシュウの仕込み杖」ともう一つの支給品を転送し、刀を杖から引き抜き使い勝手を把握する。
 黄泉の世界――モノである自分が逝ける場所かどうかは知らないが――から舞い戻った自分の身体の調子を確かめようとしてついさっき軽くテストをしてみた。
 結果は……

 「いい刀だ……しかし」

 刀は相当な業物で、自分の性能を十全に出し切れるものだと認識する。しかし肝心の自分の調子がよくない。
 いつもの自分と大きな違いは無いのだが、どこか噛み合わない。なにかがズレている。
 実力の拮抗する相手との戦いではこのズレは致命的なものに成り得る。早いうちに気が付いて良かった、と灰原は思う。これには慣れるしかないと刀を杖に収めながら結論をだす。
 そして灰原の思考は次の段階に移行する。今までは現状の確認であり、次はこれからどうするかという事だ。

 さて今、灰原の前には二つの道ある。他者を破壊し、その残骸を踏み越えて生き残る道と仲間を集め、この戦場における理そのものを破壊する道…… 
 つまり参加者ではなくあのシグマという男、そしてその裏に潜むものを打倒する道だ。しかし、どちらの道を選んでも生き残れる可能性は限りなく低い。

355 :Classical名無しさん :08/01/30 16:45 ID:lg8Bav9Q
sie

356 :暗闇の旅路 ◆ORLXh0TwxA :08/01/30 16:45 ID:6u4JbL1c
 あの意思を持つ液体金属以外にも何者かが、それも途方も無く強大ななにかがシグマに協力している事は間違いない。
 もし、シグマ一人でこの戦争を引き起こせるのだとしたら、そもそも協力者など必要ないからだ。
 そう決め付けるのもまた早計ではあるが、まず確実だろう。人間にしろ、獣にしろ、機械にしろ、一個体でできる事には限りがある。
 だからこそ組織をつくるのだ。CCRのような組織を。
 そして自分を甦らせたそのなにかに自分を含めた参加者全員が勝てる見込みはまず、無い。
 あの会場の反応を見るになにも出来ずに呼び出されたものばかりなのだろう。
 それで一体どうやって勝つというのだろうか。もっとも自分のような死んだモノばかりなのかも知れないが。

 かといって、この戦争に参加するとしても結果は同じだろう。
 会場で解った事はもう一つある。明らかに場慣れした者ばかりだったという事だ。戦わせるために集められたのだから、それも当然だろう。
 一部、戦いには向かないであろう少女の姿もあったが油断できるものではない。
 シグマの物言いを鵜呑みにするなら、この場にいるのは全員、サイボーグもしくはロボットの類だ。
 戦闘能力を持たないモノもいるらしいが、なんの能力も持っていないと言った訳ではないと記憶している。
 サイボーグの外見程あてにできないものはない。実際にそういった市井に隠れた連中をCCRは狩り続けてきたのだ。灰原自身、見た目どうりの年ではない。油断はしない方がいいだろう。
 自分は一度死んでこの場にいるのだ。そんな連中ばかりの中で、ただの人間にすら敗北した自分が勝ち残る? 笑い話にもなりはしない。
 第一、灰原には叶えて欲しい願いなど存在しない。自分を甦らせたのだ、確かにどんな願いでも叶うかもしれないし、全てをやり直す事ができるかもしれない。
 しかし、冗談ではない。それこそ恥の上塗りと言うものだ。やり直すぐらいならば死を選ぼう。

357 :暗闇の旅路 ◆ORLXh0TwxA :08/01/30 16:46 ID:6u4JbL1c
 何をするにしても情報が少なすぎた。判断材料は何一つ無い。そして、なにもしないというのも無しだ。しかし、何の目的も無く行動するのは愚の骨頂。
 今、この瞬間にも状況は動いている。どちらにするにしても今、決断するしかない。こういう場合は……

「運任せ、か……」

 灰原は合理思考を好むが、それだけでは行き詰まるときが来る。CCRでの管理職としての経験からそれを学んだ。
 人間というものはとかく不合理だ。それを管理する事で、ある程度の柔軟性を灰原は身に付けていた。
 とすると、どうするか。硬貨を持っていればコイントスもできるが、あいにく服以外のものは没収されていた。
 ふと自分に支給されたもう一つの物を思い出し、ポケットの中からそれを取り出した。
 それは一人の騎士が描かれたバッジだった。
 説明を読んでも今の自分には意味のないもので、自分で調べてみてもこれといった機能は見当たらなかった。
 特に役立つものでもなく、かといって、かさばる物でもないのでそのままポケットの中に放り込んでいたのだが早速役立つときが来た。
 コイントスならぬバッジトスという事になるが大した違いは有るまい。
 表なら徒党を組みこの場からの脱出を、裏なら羅刹となって生き残りを目指す。それだけ決めて、宙に軽くバッジを放り投げる。

 光差さぬ森の中でバッジが空中で静止したとき、微かな光がバッジから零れたように見えたのは目の錯覚であったのだろうか。
 ともかくバッジは螺旋を描いて地面に落下し、ほんの少し土の上で跳ねて静止した。
 その結果は――

358 :Classical名無しさん :08/01/30 16:48 ID:lg8Bav9Q
si

359 :暗闇の旅路 ◆ORLXh0TwxA :08/01/30 16:49 ID:6u4JbL1c


 「表、か……」

 これで道は定まった。そもそも灰原は指揮官型のアンドロイド、たった一人で動くより仲間を作り、それを指揮する方が向いている。
 なるべくしてなった結果というべきであろうか。戦闘指揮というものは指揮する者と、される者、相互間における一定の信頼関係が無ければ意味が無い。
 この壊し合いに乗った、いつ裏切るとも知れないモノと手を組んだ所で信頼など生まれる筈もないだろう。

 バッジを拾い上げ、これから何をすべきか、考え始める。
 まず大前提としては未知の技術の情報を集め、出来る限り回収する。
 あの会場内で起った出来事の数々は灰原の中にある知識の中でも常識外と言う他無く、まさしく未知の超技術の結晶であった。
 参加者の中にも未知の技術で作られた者たちがいる事を想像するのは難しい事ではない。自分に支給された刀もまた、未知の金属でできている。
 灰原の場合、単に元の世界に帰っても意味が無い。彼の行動の全ては大神グループのためのものだ。彼自身には欲望などというものは存在しない。
 だからこそ帰還すること、それ自体に意味を持たせる為に大神の利益となるもの持ち帰らねばならないのだ。

 一面、樹木に覆われ視界の悪いこのエリア、ただ闇雲に歩き回っても意味が無い。
 だから、この近くにある飛行場を目指す事にした。光を求めて参加者がやってくる可能性や、さらに何らかの情報も入手できる可能性は低くは無いだろう。
 このエリアで人の集まりそうな場所は他にもあるが、わざわざ遠く離れた場所に行く意味は薄い。
 破壊者が潜んでいる可能性もあるが、それはこの世界のどこに行っても同じ事なので考えても仕方が無い。多少のリスクは覚悟の上だ。
 説得が通じそうな場合は説得し、応じない場合は排除もしくは撤退する。要するに臨機応変にという事だ。
 
最終的には、自爆装置を解除し、この戦いの首謀者達の捕獲、不可能な場合は破壊。
 そして奴らの使う技術を出来うる限り回収して帰還する。可能ならばシグマの撃破後、参加者の捕獲もだ。
 粗は有るものの大筋は固まった。あとは行動するのみ。飛行場に向けて灰原は歩き始めた。



360 :暗闇の旅路 ◆ORLXh0TwxA :08/01/30 16:51 ID:6u4JbL1c
  

  □ □ □


 灰原は死を恐れない。特に覚悟をしているわけではない。感情が無いという訳でもない。
 あくまで自分が消耗品であり、代替が効くモノであることを正しく認識しているだけだ。
 自分が死んだという事はCCRという組織の消滅を意味する。そして自分を踏み台にした量産型も生産体制に入っているはずだ。
 
 ならば自分に存在理由などもう、ない。

 たとえ無事に帰還できたとしても、良くて処分されるか、悪ければ兵器開発の実験体にされるだけだろう。
 逃げるという選択肢、これも不可能だ。大神で創られたアンドロイドには、等しく寿命タイマーというものが搭載されている。
 これは一定時間経過したら作動する自爆装置で、一年や二年なら問題はないが、大神の研究所でなければ止める事は不可能、故に逃げる事もできない。
 なにより逃げる気など、灰原の中には毛ほども存在してはいなかった。
 
 どの道、灰原が灰原である限り彼には死から逃れる術など残されていない。しかし灰原はそれでも構わなかった。
 任務に失敗したモノが廃棄されるのは当然の事である、と灰原は考える。それが彼の美意識であり、矜持でもあるからだ。
 そんな自分がなにかを成す事、そしてその証を残す事、それだけで彼にとっては十分すぎる意味を持つのだ。
 まだ見ぬ戦場に向かって灰原は歩き出す。このバトルロワイヤルという暗闇の中で、更なる闇に向かって歩き続ける。


   結果的に他者を救う選択を彼はした事になるが、そこに何者かの意思が介入したのかは定かではない。



361 :暗闇の旅路 ◆ORLXh0TwxA :08/01/30 16:52 ID:6u4JbL1c


【F-6 森林/一日目・深夜】
【灰原@パワポケシリーズ】
[状態]:健康
[装備]:リシュウの仕込み杖@スーパーロボット大戦シリーズ
[道具]:支給品一式、ゆうしゃバッジ@クロノトリガー
[思考・状況]
基本思考:シグマとその協力者達の捕獲、不可能であれば破壊して本社に帰還する。
     未知の技術の情報収集、及び回収して大神に持ち帰る。
1:空港を目指し、情報を集める
2:使えそうな人材の確保、油断はしない
3:この戦場からの脱出
※本編死亡後からの参戦です

【リシュウの仕込み杖@スーパーロボット大戦シリーズ】
示現流の達人、リシュウ・トウゴウの持つ仕込み杖。刀身はゾル・オリハルコニウム合金製。
使い手の腕次第で銃弾をも切り払う事が可能。

362 : ◆ORLXh0TwxA :08/01/30 16:53 ID:6u4JbL1c
投下終了。 何か問題がありましたらご指摘お願いします。
かなり灰原に対して独自解釈が入ってるのでドキドキものです。
寿命タイマーに関しては、武美に有るんだから、灰原にも有るだろう位の考えです。
ところで灰原っていくつなんでしょうね? 武美より年下の筈ですが。

363 :Classical名無しさん :08/01/30 17:00 ID:QdPIf7rs
投下乙!
さすがゆうしゃバッジ、悪の栄えたためし無し!
あとはグランドリオン……支給されるよね?

364 :Classical名無しさん :08/01/30 17:58 ID:6xbzccGQ
>>346
GJ!
Xがマーダー!
これはやばい……

>>362
こちらもGJ!
寿命タイマーはどうでしょうね? まあ、解釈の範囲でいいのではと思います。
ゆうしゃバッチの影響SUGEEEEE

365 :Classical名無しさん :08/01/30 18:09 ID:TF1qybJ2
乙です。
ゆうしゃバッジきた……!!
バッジ投げた時は、桐山みたくなるかと思ったが、表が出てきて一安心です。

366 :Classical名無しさん :08/01/30 18:09 ID:TgwC3Des
お二方GJ!


ところでこのロワ洗脳アイテムあり?具体的に言うとパワポケにでてきたアイテム二つ
絶対服従回路と良心回路
絶対服従回路はその名の通りの物。3の主人公はEDで自爆装置とともに付けられたりする
絶対服従と言いつつ逆らえなくなるだけで考え方は変わらないみたい
良心回路はいい人(?)になる。たしか付けると人の良さが20上昇する
しかし20しか上昇しないからトンでもない奴には焼け石に水


367 : ◆ga/ayzh9y. :08/01/30 18:10 ID:TF1qybJ2
さて、それじゃあ続けてこちらも、獅子王凱投下します

368 :勇者王新生  ◆ga/ayzh9y. :08/01/30 18:13 ID:TF1qybJ2
「……待っていてくれ。
この殺し合いは、必ず俺が止めてみせる……!!」

GGG機動部隊長獅子王凱は、ゴミ処分場の中で一人決意を固めていた。
Zマスターとの最終決戦を終え、地球へ帰還しようとしていたまさにその矢先。
突如として、彼は意識を失い……気がつけば、あの広場にいた。
そして、殺し合いをしろと宣告され……一人の少女を、目の前で爆殺されたのだ。
当然のことながら、凱がそれを許せるはずが無い。
散っていった少女の為にも、勇気ある者として、必ずシグマを止めてみせる。
そう、強く心に決め……凱は歩き出した。

「兎に角、今がどんな状態なのかを確認しないとな……」

凱はシグマの言っていた端末を取り出し、操作をし始める。
まずは参加者名簿の確認だが、凱の知る名前はそこには一つも無かった。
ここにいる者の全ては身体構成の一部に機械を使っている。
最初にシグマにそう言われた時には、仲間の勇者ロボ達まで参加させられてるのではとも思ったが、どうやら杞憂だったらしい。
しかしそれは、逆に言えばこの場には自分が知っている者は一人も居ないということ。
他者との接触には、慎重さが必要になるということである。

(そういえば……あの娘は、誰かの事をチンク姉って呼んでたよな)

ここで凱は、広場で行われたあの惨劇を思い出す。
あの時爆破された少女は、その寸前にチンクという人物の名を呼んでいた。
チンク姉という呼び方から察するに、チンクという人物はあの少女と親しい間柄に違いない。
ならば……まずは彼女を見つけ出し、接触しなければならない。
目の前で親しい人物を殺されたとあれば、きっと精神的に参っているに違いない。

369 :勇者王新生  ◆ga/ayzh9y. :08/01/30 18:16 ID:TF1qybJ2
無防備なまま、ただただ悲しみに暮れているのだろうか。
ならば、保護しなければならない。
シグマが言う優勝賞品に一縷の望みを託し、殺し合いに乗ろうとしているのだろうか。
ならば、この手で止めなければならない。
それとも……何とか立ち上がり、シグマに反逆しようとしているのだろうか。
ならば、同じ目的を持つ仲間として、共に戦いたい。
どれにせよ、彼女とは会わなければならないのだ。

「よし、方針は決まったな」

チンクを探しつつ、同時に打倒シグマの為の仲間を集める。
戦う力を持たぬ者達を保護し、この手で守り抜く。
殺し合いに積極的な、危険な相手は打ち倒す。
その為に、まずは人が多く集まりそうな場所を目指す必要がある。
マップを開き、近くにその条件を満たす場所が無いかを探してみると……一箇所、気になる場所が見つかった。

「修理工場か……」

凱が目をつけたのは、少し離れた地点にある修理工場だった。
この殺し合いにおいて、重傷を受けた者達がここを訪れる可能性は高い。
それに……シグマが言う体内の爆弾をどうにかする為に、ここを使おうと考える者達もいる筈である。
この修理工場は、この殺し合いにおいて重要な拠点の一つとなるに違いない。
凱はそう判断して、まずはここを目指す事にした。
そして、最後に支給品の確認に移る。
先程確認してみたが、どうやらウィルナイフを没収されているらしい。
武器無しでも戦えないことは無いが、あるに越した事は無い。
そう思いながら、自分の支給品を確かめた。
彼に支給されたのは、たった一つの武器。
しかし、その武器は……彼にとって、まさしく最適とも言える武器であった。

370 :勇者王新生  ◆ga/ayzh9y. :08/01/30 18:17 ID:TF1qybJ2
「グランドリオン……?」

凱に支給された、唯一の武器。
それは、かつて二人の勇者―――サイラスとグレンが手にした聖剣。
魔王の持つ強大なバリアを中和できる、魔王に対抗できる力を持つ唯一の武器。
勇者の剣、グランドリオン。

「カインやアベルの様な、どこか別の星の戦士達が使っていた武器か?」

凱はその説明文を見て、グランドリオンはギャレオンと同じ、どこか地球とは異なる星の産物ではないのかと考えた。
そう考えれば、一見御伽噺やファンタジーの類としか思えないこの説明文に関しても、納得が出来る。
凱はそれを早速転送し、軽く素振りをしてみた。
ウィルナイフに比べれば、若干大きいが……使い難いということはない。
それどころか、その逆だった。

「この剣……握ってるだけなのに、体の底から力が湧いてくるみたいだ。
俺に、答えてくれているのか……!!」

凱は、不思議と自分の中から力が湧いてくるかの様に感じていた。
グランドリオンの力は、使い手の精神状態に強く影響される。
その使い手が強い意志の持ち主であれば、その真価は発揮される。
強い勇気を持つ凱には、その使い手となる資格があった。
グランドリオンが、凱の持つ強い勇気に答えていたのだ。

「勇者の剣、グランドリオン……よろしくな!!」

勇者王と、勇者の剣。
世界を越え次元を越え、今、彼等は運命的な出会いを果したのであった。

371 :Classical名無しさん :08/01/30 18:18 ID:uCYMW6mY
グランとリオン支援

372 :勇者王新生  ◆ga/ayzh9y. :08/01/30 18:19 ID:TF1qybJ2
【H-2 ゴミ処分場/一日目・深夜】
【獅子王凱@勇者王ガオガイガー】
[状態]:健康
[装備]:グランドリオン@クロノトリガー
[道具]:支給品一式
[思考・状況]
基本思考:シグマを打ち倒しこの殺し合いを止める。
     戦う力を持たぬ者、傷ついている達を保護し、守り抜く。
1:修理工場を目指す
2:チンクと呼ばれていた人物と接触する
3:同じ目的を持った仲間を探す。

※Zマスター撃破直後からの参戦です。
※チンクの顔は知りません。
※制限の影響により、グランとリオンは出現する事が出来ません

【グランドリオン@クロノトリガー】
賢者ボッシュによって作られた、勇者サイラスとその仲間のグレン(カエル)が手にした聖剣。
魔王のバリアを中和する事が出来る唯一の武器。
力は持ち手の精神力に影響され、強い意志の持ち主が使えばその真の力を発揮する事が出来る。
ゆうしゃバッジを合わせて装備すれば、さらにその力は増す。
グランとリオンと呼ばれる精霊の兄弟が宿っている。

373 :勇者王新生  ◆ga/ayzh9y. :08/01/30 18:21 ID:TF1qybJ2
以上、投下終了です。
勇者王に勇者の剣を持たせてみました。
流石に、一個前にゆうしゃバッジの話がくるとは思ってもみませんでしたが……
一応制限の影響で、グランとリオンは出現出来ない事にしてあります。

374 :Classical名無しさん :08/01/30 18:26 ID:nlCsFUoQ
>>362
投下乙!さすがゆうしゃバッジだぜ……
寿命タイマーに関してですが、武美は「誤作動をしないか確かめるために実験的に」
搭載されていたはずなので、恐らく灰原に搭載されている可能性は極めて低いと思われます。
搭載されるのは強制的に自爆する必要がある作戦の場合のみなので。
>>373
いきなりグランドリオンキタワァ(n‘∀‘)η
なんという運命……

375 : ◆H99gRfZQ3A :08/01/30 18:37 ID:AnFlCeL2
エックスとソルティを投下しようと思います。
よろしければ支援のほどお願いします。

376 :Classical名無しさん :08/01/30 18:38 ID:cWK007Rg


377 :仮面にかくした正義の心。シグマ達をぶっとばせ :08/01/30 18:39 ID:AnFlCeL2
他のロボットを壊せといわれた。
それに反逆した少女は破壊されていた。
そしてその破壊を命じたものは―――――

「シグマ!絶対に………許さない!絶対にだ。破壊しろ?ふざけるなっ!俺が絶対に止めてみせる」

そうだ。
エックスの宿命のライバルシグマ。
このふざけたデスゲームの考案者にして主催者。
そしてこれは通産四回目になるだろう戦いの開幕。
エックスの行動などいうまでも無い。

「俺は怒ったぞ。この不毛な戦いは……今回でフィナーレだ、シグマァッ!」

決意を高らかに天に叫ぶ。
方針は決まった。
そう、それは……シグマの完全なるまでの破壊。

それからしばらくたっだろう。
エックスは一度頭を冷やし、携帯端末を取り出し、名簿の確認を行う。

「参加者は……俺とゼロと……マーティは居ないか」

エックスは少しばかり安堵する。
もしここにマーティが居たら性格を考えて、無謀な行動を取りかねない。
そのマーティはここに居ない。余分な心配の種が無いのは助かる。


378 :Classical名無しさん :08/01/30 18:40 ID:cWK007Rg


379 :仮面にかくした正義の心。シグマ達をぶっとばせ :08/01/30 18:40 ID:AnFlCeL2
「ゼロなら……焦って探さなくても大丈夫だよな」

そう一人呟くと次は支給品のチェックに移る。

「これは……衣服とそれから仮面?が二つと………銃か」

エックスは若干微妙に呟く。
黒い服と仮面?はいうに及ばず、銃はバスターのある自分にとってはさほど有り難いものでは無かった。
しかも、仮面?に至っては普通の仮面じゃなく?が付くように、顔の上部が隠れるだけの物だった。
顔を隠す必要があったとしても、正直有効とはいい難い微妙なものだ。

「でも一応つけてみるか」

エックスは一応なんらかの効果を期待して、赤と紫の二つのうち、赤い方を選択した。
そしてつけてみるが、

「…………本当にただの仮面モドキか」

なんとなく予想がついていたが、少し残念だった。
しかし……仮面を外そうとしたところで、エックスの手は止まる。

「っ!?」

一度後ろに飛びながら、気配の方向に注意を向ける。
右手をバスターに直し、万が一の襲撃にも瞬時に対応出来るように、体の神経の全てをその気配へと傾ける。

「誰だ?戦意が無いなら出てきてくれ。俺は戦うつもりは無い」

気配の主の静かに呼びかける。
すると、そしてそこから出てきたのは―――――



380 :仮面にかくした正義の心。シグマ達をぶっとばせ :08/01/30 18:41 ID:AnFlCeL2



一体どうして私はここにいるんでしょうか。
ロイさんやローズさんととても楽しい毎日を送っていたのに……。
それにもうすぐロイさんの誕生日で、お祝いの用意もしていたのに。
それなのにどうして…………こんな悲しい………

「ひどすぎます。あのシグマって人……女の子を殺しちゃうなんて……」

最初にセインという少女が殺された光景。
それがソルティの脳裏から離れない。
そして、ソルティの心はとても痛い。
あんな風に殺すなんて………許せない。

「酷すぎます。私が絶対に……やっつけてみせます」

ソルティの決意は決まった。
無邪気な少女であるソルティ。
彼女は無邪気であるがゆえに、あまりにも単純な目の前の悪シグマ。
これに怒りを覚えるのは至極当然であっただろう。

「とりあえず……どこに行けばいいのかな?」

しばしの時間の後、ソルティは南へと足を向ける。
特に考えず、なんとなく決めたことだ。

「そうだ。そういえば何か貰いました。何が入ってるかな?」


381 :仮面にかくした正義の心。シグマ達をぶっとばせ :08/01/30 18:42 ID:AnFlCeL2
しばらく歩いてから、携帯端末を思い出し、支給品を確認してみる。
すると出てきたのは赤色の装飾品のようなものとチップと、そして女性物の制服。

「何でしょうか?えっと………スラッシュクロー?レイジングハート?学校の制服?」

支給品に付属していた説明書にはそれぞれそのような名前があった。
しかし……

「何のつもりなんでしょう。ロイさんやローズさんのみたいなカッコ良い銃ならいいのに」

服とチップはすぐに端末に戻す。
しかし赤い玉のような物のみ、ネックレス気分で首に掛けてみる。何だかんだ言ってもそこはソルティも少女である。
そしてすぐに気を取り直し、歩きだろうとした時。

「誰だ?戦意が無いなら出てきてくれ。俺は戦うつもりは無い」

男の声がした。




382 :Classical名無しさん :08/01/30 18:42 ID:cWK007Rg


383 :仮面にかくした正義の心。シグマ達をぶっとばせ :08/01/30 18:43 ID:AnFlCeL2
「……………………」

沈黙がこの場を支配している。
時間にすると十秒にも満たない時間が、体感時間に直すと十時間にも感じる。
分かりやすく直せば、一秒が一時間強。
エックスはとにかく、集中を保ちつつ、気配の方に注意を払う。
もし敵であれば迎撃の必要がある。
不意打ちでやられるわけにはいかない。
しかし、闇から出てきたのは意外なものだった。

「あのー。ソルティといいます。別に戦う気はありませんけど」
「女の子!?」

エックスは姿を現せた気配の主の正体に、思わず警戒を解く。
雰囲気から感じられるのは、無邪気な少女。
殺気は特に無く、襲ってくるそぶりも無く、過剰な警戒をする意味はないと判断したからだ。

「ソルティっていうのか。俺はエックスって名前だけど」
「エックスさんですか。あの……かっこいい仮面ですね」
「えっ!?」

そこで気づいた。
先ほどつけた仮面を、まだ外していなかったことに。

「いや、これは……」
「あー、もう一つありますね。私もつけていいですか?」


384 :仮面にかくした正義の心。シグマ達をぶっとばせ :08/01/30 18:45 ID:AnFlCeL2
ソルティはエックスの足元においてある紫色の仮面を見つけ頼む。
しかし、エックスには断る理由は無く

「ああ、構わないけど……さ」
「ありがとうございます」

ソルティはすぐに紫の仮面を拾い、つけてみる。
そのソルティにエックスは、少し考えるが、ソルティに確認を取る。

「ソルティは何を貰った?俺はこの仮面と銃だけど」
「私はこのネックレスと、あと服とかです」
「そう………じゃあこれいらないか?俺は必要無いから」

エックスはソルティに支給品の銃を渡す。
するとソルティは笑顔で

「ありがとうございます。カッコいい銃ですね。嬉しいです」
「でも、俺が良いというまでは撃つなよ。他の人に変な誤解を招いたら困る。こんな状況では中には
疑心暗鬼に陥っている可能性もある」
「はい」


385 :仮面にかくした正義の心。シグマ達をぶっとばせ :08/01/30 18:45 ID:AnFlCeL2
エックスは子供に言い聞かすようにソルティに注意をする。
ソルティはすぐに笑顔で答え、その様子にエックスは安心する。
しかし

「あっ!?」

エックスは大きな間違いに今更気づいた。
自分がいまだにはめている仮面を外すタイミングを失ったことにだ。

やばいな。今更外すのも変か。しかし、このまま歩くのも恥ずかしいような……

エックスは悩む。
だが、無邪気なソルティは

「エックスさん。早く行きましょうよ」
「あっ、ああ」

エックスを急かす。そしてエックスもソルティの後を追いながらあきらめる。

まあいいか、機会があればその時に外せば。

仮面を外すのがいつになるのか。
それは神のみぞ知る。


386 :Classical名無しさん :08/01/30 18:46 ID:TgwC3Des
支援

387 :仮面にかくした正義の心。シグマ達をぶっとばせ :08/01/30 18:46 ID:AnFlCeL2

【C-6 道路 一日目 深夜】
【エックス@ロックマンXシリーズ】
[状態]:健康
[装備]:赤い仮面
[道具]:支給品一式、クロマティ高校の制服@魁!!クロマティ高校
[思考・状況]
1:ソルティとTV局の方へ向かう
2:弱き人を守る
3:ゼロと合流(ゼロは簡単には死なないと思ってるので優先順位は低い)
4:シグマを完全に破壊する。
5:機会を見つけて、仮面を外す。

【ソルティ・レヴァント@SoltyRei】
[状態]:健康
[装備]:紫の仮面 ミラクルショット@クロノトリガー レイジングハート(待機状態)@魔法少女リリカルなのはStrikerS
[道具]:支給品一式、ToHeartの制服@ToHeart スラッシュクローの武器チップ@ロックマン
[思考・状況]
1:エックスとTV局の方へ向かう
2:シグマをやっつける
3:ロイさんやローズさんの元に帰りたい
4:ミラクルショットはエックスがOKというまで出来る限り撃たない。
備考
スラッシュクローの武器チップの事をエックスに言い忘れています。
レイジングハートをただの首飾りと思っています。仮に詳細を知った場合、操れるかどうかは不明です。


388 : ◆H99gRfZQ3A :08/01/30 18:48 ID:AnFlCeL2
投下完了しました。

389 :Classical名無しさん :08/01/30 18:50 ID:DyIcmc0M
投下乙。
多くのキャラがバトル向きって不思議な感覚に襲われるな
あと、仮面の出展を明記してくれると助かる

それにしても、クロノトリガーの支給品が多いな
少しはサガフロ関係のパーツが出てくると思ってたんだが

390 :Classical名無しさん :08/01/30 18:51 ID:wqjtihHo
乙でっす
質問なんですが、仮面二つは元ネタは無しでしょうか?
後デバイスはマッキャリとブリッツのみにするとの流れだったような……

391 :Classical名無しさん :08/01/30 18:51 ID:B89zPgbM
投下乙

>>389
仮面の出展はあえて外しているんじゃないか?
最初ライダーマンヘルメットと思ったのは俺だけでいい

392 :Classical名無しさん :08/01/30 18:55 ID:6u4JbL1c
>>374
そうでしたか。
でしたら

>逃げるという選択肢、これも不可能だ。大神で創られたアンドロイドには、等しく寿命タイマーというものが搭載されている。
これは一定時間経過したら作動する自爆装置で、一年や二年なら問題はないが、大神の研究所でなければ止める事は不可能、故に逃げる事もできない。
 
から

>逃げるという選択肢も無い訳ではないが、逃げ切れる訳が無い。灰原は、誰よりもその事を知っている。

に修正します。

それと投下乙です。

393 :Classical名無しさん :08/01/30 18:55 ID:sCYIJjmM
投下乙です

しかし仮面詳細は気になります
特殊なアイテムだったならなおさら

394 :Classical名無しさん :08/01/30 18:56 ID:TWywF7eQ
投下乙ですが……正直RHはいかがなものかと
ただでさえデバイス使用できる魔力持ちが少ないし、出すならばマッハかブリッツにしておいた方が無難かと

395 : ◆ORLXh0TwxA :08/01/30 18:57 ID:6u4JbL1c
ってトリ忘れに、下げ忘れすいませんorz
>>392は私です。

396 : ◆INXPusdxAI :08/01/30 18:59 ID:65AXAARk
パンタローネ、R・田中一郎投下

397 :Classical名無しさん :08/01/30 18:59 ID:FAOE8Yqk
確かにGJなんだけど、やっぱレイハはなぁ……
使える奴自体少ないと思われる現状、さすがに自重してと言わざるを得ない

398 :本件は拉致事件であってゲームではない ◆INXPusdxAI :08/01/30 19:00 ID:65AXAARk
(困った、やることがない……)
 パンタローネが最初に思ったことはそれだった。
 生き返ったのはこれで二度目。
 どうせ今回も、創造主様の気まぐれで作り直されたのだろう。
 しかし、前回と違って、創造主様は近くにおられないし、やることも何もない。
 フランシーヌ様は100年近く前にお亡くなりになられ、生まれ変わりたるエレオノール様は会心の笑顔を見せられた。
 結果、200年続いたフランシーヌ様に笑顔を、という目的は達せられ、自分には何もやることがなくなったのである。
 強いて言えば、エレオノール様の笑顔を守ることだろうが、それはもう鳴海の任務だ。
 あの男は信頼できる。
 それにそもそも、エレオノール様がこの事件に巻き込まれているとは考えにくいから、今この場には関係ない話だ。
 名簿には、エレオノールではなくフランシーヌの名で記載されているし。
 エレオノール様はお体に機械などを持っておられぬ。
 従って、彼女は今もなお鳴海と共に行動しているはずなのだ。
 だから、エレオノール様の笑顔を守る必要もない。
 それに先ほど、名簿にフランシーヌ様の名があるとは言ったが、本物のフランシーヌ様は100年近く前にお亡くなりになられた。
 偽者のフランシーヌ様を見るのは、これで3度目になるわけだが、いやはや馬鹿にされたものだ。
 一度目は100年近くも騙された、フランシーヌ様お手製の人形。
 ご自身で作られただけあって、精巧でどう見てもフランシーヌ様本人にしか見えぬ外見。
 よく作ったものだと思う。
 二度目はルシールが作った人形。
 正確に言えば、偽フランシーヌ人形ではなくアンジェリーナ人形なのだろうが、自分にとっては同じだ。
 全く、いくら自動人形が単純な作りとは言え三度も騙されると思っているのか。創造主様も冗談が過ぎる。
 アルレッキーノ達も騙されたりはしないだろう。
 さて。それはそうと、やはり……
(何をするかな?)


399 :本件は拉致事件であってゲームではない ◆INXPusdxAI :08/01/30 19:00 ID:65AXAARk
 当面の問題はこれだ。
 自分は2度死んだ身。別にこのまま自殺しても殺されても構わぬ。
 しかし、だからと言って、ただ死ぬだけなのも詰まらない。
(創造主様から命令があればよいのだが……)
 しかし、全くない。
 それどころか、フェイスレス様はどこにおられるのか全く分からない。
 自分が生き返った以上、彼がどこかにいることは確定なのだが。
 全くお姿が見えないのは、どういう事か。
 まぁ、彼の性格を考えれば単なる遊びであって、それ以上ではないのだろうけど……

 刹那。
 パンタローネの耳に、爆音が届く。
 思案する彼の居場所に、正体不明の弾丸が着弾した……



 R・田中一郎は自分が事件に巻き込まれたことを理解していなかった。
 シグマという人物が何を言ってるのかさえ、分からなかった。
 というより、自分が理解していないことにさえ気付いていなかった。
「要するに、これってゲームなんでしょ」
 もちろん違う。誰もゲームなどと言ってない。
 シグマというテロリストが、自分の悪行を周りに撒き散らしているだけであってゲームでもなんでもない。
 そのような感想を持つ者などここには一人もいないだろう。
 ここに集められたロボットは、全て被害者であり、ゲームの参加者でもプレイヤーでもない。
 至極当然のことなのだが、残念なことにRはその当然が分からない。そして、分からないことに気付かない。
「全員ロボットって事は死なないわけで……」


400 :本件は拉致事件であってゲームではない ◆INXPusdxAI :08/01/30 19:00 ID:65AXAARk
 だが、下らない事には気付く。
 そうなのだ。仮に全員ロボットだとすれば、被害者は一人もいないことになり、これは事件ですらなくなる。
 厳密に言えば、機械化されただけで元々人間だった者も混じっているのだから、やはり事件なのだけれど。
 その事に気付けというのは無理な話だ。
 従って、R・田中一郎はこれを純粋なゲームだと考えた。自分はプレーヤーであると考えた。
 そして、その考えに基づいて行動しようと思ったのだ。
 どうせ、誰も死なない。
 いつぞやの部室周りの戦争のように、死んだ振りをして倒れるキャラクターが出てくるだけの話である。
 だから彼は、慣れない手つきでPDAを弄り、グロスフスMG42機関銃を取り出す。
 重そうな銃だが、力ならあるので持ち運ぶのに不自由はしない。
 彼は、それを持って獲物を探した。

 暫くして、Rは一人の老人を発見。
 老人はなにやら思索にふけっているが、気にするRではない。
 銃を構え、老人に発砲した。
 ずががががん、という映画でも聞けない連続重低音が辺りに鳴り響く。
 おぉ、すげー臨場感などと、場違いな感想を抱くR。
 気がつくと、辺りの木々は穴だらけになり、老人は居なくなってしまった。

「駄目じゃないか逃げたりなんかしちゃ……ちゃんと死んだ振りをしてくれないと……」
 老人が居た場所を確認し、誰も居なくなった現状を嘆く。
 昔の戦争ごっこ通りなら、ここで死体の一つも転がってたんだけどな。
「きちんとゲームが出来ない人は、どうかと思うよ」
 と、誰ともなしに呟き、Rは重機関銃を持ったまま、いずこかへと消えていった。



401 :本件は拉致事件であってゲームではない ◆INXPusdxAI :08/01/30 19:01 ID:65AXAARk


 突然の銃撃だった。
 とっさに、身を翻し避けたのだが、気付くのが遅れたら殺されていただろう。
「全く何処のどいつだ……」
 緊急脱出したのは、穴だらけになった木の上。
 そこから、犯人を見下ろす。
 ガクラン姿の少年が一人、重機関銃を乱射したらしい。
「駄目じゃないか逃げたりなんかしちゃ、ちゃんと死んだ振りをしてくれないと。
きちんとゲームが出来ない人は、どうかと思うよ」
 場違いな発言をしている。
 お前の方がどうかと思うぞ、とパンタローネは言いたかったが、どうせ死んでも構わぬと思った身。
 当たっても良かったかもな、などと負けずに場違いな思考をしてみた。
 しかし……
「ゲームとか言ってたな」
 よく考えてみれば、自分が生き返った以上、この件に創造主様が絡んでいることは間違いなく。
 彼が絡んでいるということは、これがゲームである可能性は極めて高い。
 何を考えているのか分からない拉致事件だと思っていたが、どうやら自動人形たちを集めて楽しむゲームだったらしい。
「なるほどね……」
 そうすると、ここにいる者たち全員を破壊することこそプレーヤーたる我々の役目。
 ゲームの最終目的は、他者を全員排して自分自身が最後の一人になること。
「面白そうではある」
 元々、ゲームを断ることが出来ない自動人形のパンタローネ。
 その彼が、これを事件ではなくゲームと認識した。
「やることもないし、楽しんでみるかな」
 そして、パンタローネは木の上で一人。ゲーム参加を決意する。
 どうせ一度死んだ身。何が起こっても構わぬ。
 どうせ200年来の目標は達した身。同僚を殺しても構わぬ。
 どうせフランシーヌ様は偽者。殺しても構わぬ。
 ゲームというなら、とことん楽しんでやろう。


402 :本件は拉致事件であってゲームではない ◆INXPusdxAI :08/01/30 19:01 ID:65AXAARk



【H-6 林(南部)/一日目・深夜】
【R・田中一郎@究極超人R】
[状態]:健康
[装備]:グロスフスMG42
[道具]:支給品一式、不明支給品(確認済み)
[思考・状況]
基本思考:事件をゲームと勘違い。最後の一人を目指す。誰も死なないと思っている。
1:他のプレーヤーを探して攻撃。

※原作3巻終了時からの登場です。
※この事件を3巻冒頭のサバイバルゲームのようなものだと勘違いしています。


【H-7 林(東部)/一日目・深夜】
【パンタローネ@からくりサーカス】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、不明支給品(確認済み)
[思考・状況]
基本思考:事件をゲームに見立て精一杯周囲を楽しませる。
1:他のプレーヤーを探して攻撃。

※原作終了時からの参戦です。
※この事件の首謀者をフェイスレスだと勘違いしています。


403 :Classical名無しさん :08/01/30 19:04 ID:65AXAARk
投下終了です。

404 :Classical名無しさん :08/01/30 19:06 ID:DyIcmc0M
投下乙
意外とマーダーは作れるものだな

405 : ◆H99gRfZQ3A :08/01/30 19:10 ID:AnFlCeL2
>>403
GJです。

そして申し訳ありません。
>>381
>すると出てきたのは赤色の装飾品のようなものとチップと、そして女性物の制服。

>「何でしょうか?えっと………スラッシュクロー?レイジングハート?学校の制服?」

>支給品に付属していた説明書にはそれぞれそのような名前があった。
>しかし……

>「何のつもりなんでしょう。ロイさんやローズさんのみたいなカッコ良い銃ならいいのに」

>服とチップはすぐに端末に戻す。
>しかし赤い玉のような物のみ、ネックレス気分で首に掛けてみる。何だかんだ言ってもそこはソルティも少女である

これを

すると出てきたのは青色の装飾品のようなものとチップと、そして女性物の制服。

「何でしょうか?えっと………スラッシュクロー?マッハキャリバー?学校の制服?」

支給品に付属していた説明書にはそれぞれそのような名前があった。
しかし……

「何のつもりなんでしょう。ロイさんやローズさんのみたいなカッコ良い銃ならいいのに」

服とチップはすぐに端末に戻す。
しかし青いクリスタルのような物のみ、ネックレス気分で首に掛けてみる。何だかんだ言ってもそこはソルティも少女である

そして

406 : ◆H99gRfZQ3A :08/01/30 19:11 ID:AnFlCeL2

>>387
>[装備]:紫の仮面 ミラクルショット@クロノトリガー レイジングハート(待機状態)@魔法少女リリカルなのはStrikerS
>レイジングハートをただの首飾りと思っています。仮に詳細を知った場合、操れるかどうかは不明です。


[装備]:紫の仮面 ミラクルショット@クロノトリガー マッハキャリバー(待機状態)@魔法少女リリカルなのはStrikerS
マッハキャリバーをただの首飾りと思っています。仮に詳細を知った場合、操れるかどうかは不明です。

にそれぞれ差し替えます。
お手数を掛けて申し訳ありません。

407 :Classical名無しさん :08/01/30 19:12 ID:1L75tv3k
>>406
修正乙であります。
ただ、仮面の出展も明記しておいた方がいいかと。

408 : ◆H99gRfZQ3A :08/01/30 19:14 ID:AnFlCeL2
>>407
仮面については、現実の衣装店などで売ってるのを出したつもりなのですが……
特にどの作品からというのではなく。

409 :Classical名無しさん :08/01/30 19:32 ID:v/j06LsU
おお、始まってた…

410 :Classical名無しさん :08/01/30 19:43 ID:cPIxPVzo
今までの投下をまとめて感想したいと思います

>暗闇の旅路
原作では意外な面をみせた灰原もここでは対主催か
ゆうしゃバッジのおかげなんすかね?

>勇者王新生
やっぱり熱い主人公だな、凱
今後が楽しみだ

>仮面にかくした正義の心。シグマ達をぶっとばせ
対主催エックス始動だね、仮面といえばからくりサーカスだが
まぁ、出典の有無は問題じゃあないな

>本件は拉致事件であってゲームではない
まさかのWマーダー!一郎って勘違いキャラなんですかね?

411 :Classical名無しさん :08/01/30 20:11 ID:7sOOsdFU
R・田中一郎はボケキャラ。
ボケてボケてボケまくるやつだがギャグ時空の住人がロワにくるといろいろ恐ろしいな。

412 : ◆56WIlY28/s :08/01/30 20:43 ID:nCVB8Lhc
マルチ、T-1000投下します

413 : ◆56WIlY28/s :08/01/30 20:45 ID:nCVB8Lhc
「はわわ……。私はこれから先一体どうすれば……」
 ここは会場の北西に位置する軍事基地内のとあるビルの一室。そこにマルチはいた。

 来栖川エレクトロニクスが開発したメイドロボットである彼女は何故自分がこのような場にいるのか分からなかった。
 マルチたちメイドロボは、もともと人間の身の回りのお手伝いやお世話をするために開発されこの世界に生み出された存在だ。
 そんな彼女が自己の存在意義とはまったく関係のない戦いの場に放り込まれるなど、いったい誰が予想しただろうか。
 それも他者を全て破壊し、最後の1機になるまで潰し合うバトル・ロワイアルなどという戦場に――
「と、とりあえずまずは落ち着いて現在の状況を確認しなくては……!
 え、ええっと……。今私がいるのはA-1で……」
 支給されたPDAを手にまずはMAPを表示して自分が今いる場所を確認し、次に先ほどシグマが言っていた参加者にランダムで与えられるという支給品を確認する。
 画面に最初に表示された品は――――


「? これは盾でしょうか?」
 画面に最初に表示されたものは一見盾のように見える蒼いプレートであった。
 外見だけではさすがにどのような物なのか分からないため、早速それの説明に目を通す。
 PDAの説明によると、これはライディングボードといって盾の他にサブフライトシステムや砲撃装置も兼ねた汎用装備とのことだった。
「サブフライトってことは……これに乗れば空も飛べるってことなんでしょうか?」
 もし説明の通り空を飛ぶことが可能ならば、これはかなりの当たりアイテムなのではないだろうか。
 そう思ったマルチは早速それを転送する。
 すると、マルチの目の前にひとつの大きなプレートが転送された。
「うわぁ……随分と大きいんですね。あ、でもそれほど重くもないです」
 そう言いながら転送されたライディングボードを手にすると、マルチはまずは外に出ようと廊下へ足を運んだ。

414 :Classical名無しさん :08/01/30 20:45 ID:7fIHsdt.
>>402

投下乙です。
からくりは良く知らないのですが田中一郎はいかにも彼らしい思考だと思いました。
しかし気になるのは支給品のグロスフスMG42です。

「ずががががん」と発射音が表現されてますがMG42は毎分1200発という非常に発射速度が高い機関銃の為、
布を裂く、と呼ばれる独特の発射音が特徴的でとてもMG42を現しているとは言い難いと思います。
また、そのように非常に多量の弾丸を消費する武器であるので
残弾についてもはっきり言及していただかないと無限に弾を持っているのかと思われるかもしれません。
こんな事が気になったのは自分だけかもしれませんが……

415 : ◆56WIlY28/s :08/01/30 20:46 ID:nCVB8Lhc
「早速これを使ってまずはセリオさんを探しましょう。でも私でも使えるかどうか正直不安です〜……」
 一人そのようなことを言いながら廊下を歩くマルチ。ちなみに、今彼女がいるのは一階だったためビルの出入り口はすぐ見つかった。
 ――だが、マルチが出入り口の自動ドアを通り抜けようとしたその時、背後からポーンという音が聞こえた。
「はい?」
 なんだろうと振り返ってみると、そこにはエレベーターの扉が二つあった。
 そして、先ほどの音はそのうちのひとつ――マルチから見て左側のエレベーターが上の階から下りてきたことを知らせる音であった。
 ゆっくりと開いていくエレベーターの扉。
 出てきたのは…………


ビシュン! ビシュン!


「はわぁ〜っ!?」
 エレベーターから最初に飛び出したのは数発のレーザー弾。
 マルチはとっさに持っていたライディングボードを盾に防御の体勢をとる。
 そしてマルチがライディングボードを構えたのとほぼ同時にレーザー弾の一発がライディングボードに直撃した。
「きゃああああああああああああ!」
 ライディングボードが壊れることはなかったものの、着弾の衝撃は凄まじくマルチは背後に吹っ飛んでしまう。
 当然現在のマルチの背後にあるのは自動ドアだ。吹っ飛んだマルチはその自動ドアのガラスを叩き割り、強制的にビルの外に叩き出されてしまう。
「い、痛いです……」
 自身がロボットであることと衣服(制服)を着用していたためため割れたガラスで怪我をすることはなかったが、コンクリートの床に思いっきり背中を打ってしまったマルチ。
 それでも何とか起き上がると、マルチの前方――先ほどまで自身がいたビルの中に一人の男の人影があった。
 しかも男の右腕には重火器と思われるシルエット……それを目にした瞬間、マルチは今自身を攻撃してきたのが彼であると確信した。
 そして――男はシグマに言われたとおり自分以外の存在を容赦なく破壊しようとしていることにも――――


416 : ◆56WIlY28/s :08/01/30 20:46 ID:nCVB8Lhc
「ひいっ!?」
 マルチは立ち上がるとすぐさまその場から逃げ出そうと走り出した。
 当然男の方もマルチを逃がすまいと走り出す。
 現在マルチと男との間の距離は大体十数メートル。だがマルチを追う男は人間ではないとしても信じられない足の速さでマルチに徐々に接近してくる。
 しかも右手に装備する重火器から容赦なくレーザー弾をマルチに向けて撃ってくる。
「ひいいっ!!」
 男の右腕から放たれる何発ものレーザー弾がマルチの横をかすり抜けていく。
 マルチに搭載されている試作用AIは先ほどから彼女のCPUに『恐怖』という感情を伝え続けていた。
(逃げないと……何としてもここから逃げないと……!)
 チラリと一度後ろを振り返るマルチ。男との距離はすでにあと数メートルというところまで詰まってきている。
 そして、当の男の表情はというとまるで能面のごとく無表情。氷のような瞳を標的であるマルチに向け続けていた。
 ――ふと、きっとあの人には自分とは違って『感情』という存在とはきっと無縁なんだろうとマルチは思った。
 だが、そのようなことを考えてしまったせいで、マルチの思考に一瞬の隙が生まれてしまう。

「あっ!?」
 マルチの足が一瞬宙を舞った。
 足元に注意を向けていなかったせいで転んでしまったのだとマルチの演算装置が瞬時に結論する。
「あうっ!?」
 その場にうつ伏せに倒れこむマルチ。もちろんその隙を男が見逃すはずがない。
 男は自身の左腕を日本刀のような刃物状の形に変形させる。
 そして次の瞬間、その左腕を容赦なく倒れこんでいるマルチの背中に振り下ろした。



417 : ◆56WIlY28/s :08/01/30 20:47 ID:nCVB8Lhc
「あああああああああああああ!?」
 背中にはしる『痛み』という衝撃に声にならない悲鳴を上げるマルチ。
 さらに男は追い討ちとばかりに今度は腰に左腕を突き刺した。
「があああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
 再びマルチの口から絶叫が基地全域に響き渡る。
 それとともにマルチの視界と思考は強制的にブラックアウトした。







 軍事基地内部の軍事倉庫。そこに先ほどの男――液体金属製ターミネーター・T-1000はいた。
 現在彼は椅子に腰掛け、手に持っているソレを終始無言で操作していた。

 ――高性能探知機。T-1000がシグマから与えられた強力な支給品のひとつだ。
 同エリアに参加者が存在する場合、どこにいるかを探知し、さらにその参加者が誰であるか詳細に画面に映し出す今回の戦いにおいて間違いなく最強クラスに位置するの一品だ。

「…………」
 探知機が映し出す画面を確認するとT-1000はそれの電源を一旦切り、それをズボンのポケットにしまい込んだ。
 そして立ち上がると今度は近くに停めてあった軍用ジープに乗り込み、それのエンジンをかけた。


 このバトル・ロワイアルにおいてT-1000がスカイネットに与えられた使命は3つ。
 ひとつはシグマに協力し、このデスゲームを円滑に進めるように行動すること。
 もうひとつは自身に与えられた最終任務――『ジョン=コナー抹殺』の最大の障害になるであろうT-800の破壊。
 そして最後のひとつは――――


418 : ◆56WIlY28/s :08/01/30 20:48 ID:nCVB8Lhc
「…………」
 T-1000は無言でジープのアクセルを踏み込んだ。
 ジープは猛スピードで走り出し、倉庫のシャッターを突き破って外へ踊り出る。
 そして、あっという間に軍事基地の外へと飛び出していった。







「…………あれ?」
 T-1000が軍事基地を去ってしばらくした後、軍事基地の敷地内でマルチは目を覚ました。
 いや、正確には強制終了してしまったCPUが再起動したのであるが。
「ええと……確か私はビルの外に出ようとして…………あれ? 何があったんでしたっけ?」
 数刻前の記憶を思い出そうとするマルチであったが、なぜかビルを出ようとした瞬間から先の記憶が思い出せなかった。
 ――と、その時になって彼女はあることに気がついた。

「……ん?
 ってあああああああああああああああああっ!? わ、私の制服があああああああああああ!!」

 そう、先ほどのT-1000から受けた攻撃により彼女の制服の上着は破れ、もはや衣類と呼べる代物ではなくなっていたのである。
 つまり、今のマルチは上半身裸ということになる。

「うう……仕方がありません。まずは何か着替えになるものを探しましょう…………
 それからセリオさんたちを見つけて――――」
 ボロ切れと化した制服の上着を脱ぎ捨て、手元に転がっていたライディングボードを拾い上げながらマルチは再びこれからの予定を計画する。
 しかし――――




419 : ◆56WIlY28/s :08/01/30 20:48 ID:nCVB8Lhc
「破壊しなきゃいけませんねぇ……」
 苦笑いを浮かべながらマルチは、普段の彼女を知るものが聞けば間違いなく己が耳を疑いたくなるような恐ろしい言葉を口にした。







 T-1000に与えられた最後の使命――――それはシグマから与えられた『あるもの』の効果を調査し、そのデータをスカイネットに持ち帰るというものであった。
 シグマから与えられたもの、その名は『シグマウイルス』。シグマ自身を媒介として誕生した最強最悪のロボット破壊プログラムである。
 あの時、T-1000がマルチを完全に破壊しなかったのはそのウイルスの効果が本当に発揮されるのかを確かめるためである。

 そして、T-1000の期待通り、早速マルチにその効果は現れ始めていた。




420 : ◆56WIlY28/s :08/01/30 20:49 ID:nCVB8Lhc
【A-1 軍事基地/一日目・深夜】
【マルチ@To Heart】
[状態]:上半身裸。背中・腰部損傷(行動に特に支障はない模様)。シグマウイルスに感染
[装備]:ライディングボード@魔法少女リリカルなのはStrikerS
[道具]:支給品一式(不明支給品0〜2)
[思考・状況]
基本:???
1:うぅ……着替えが欲しいです……(泣)
2:急いでセリオさんたちを見つけて破壊しますっ♪
3:ライディングボードを使いこなせるか不安です……



【A-2 道路/一日目・深夜】
【T-1000@ターミネーター2】
[状態]:異常なし
[装備]:レーザーガン@メタルギアソリッド、高性能探知機、シグマウイルス(残り4回分)
[道具]:支給品一式
[思考・状況]
基本:バトル・ロワイアルが円滑に進むように行動する。シグマとスカイネットの命令には絶対服従
1:他の参加者に出会ったら容赦なく攻撃
2:可能ならば他の参加者にシグマウイルスを感染させる。不可能ならば破壊する
3:ただし、T-800は最終的に破壊する
【その他】
※シグマウイルスはT-1000の体内に装備させられた状態で存在し、T-1000の体が相手の体内に侵入した際に感染させることが可能

421 : ◆56WIlY28/s :08/01/30 20:51 ID:nCVB8Lhc
投下終了です
誤字・脱字・ご指摘などがございましたら遠慮なく言ってください


あと作品タイトルを忘れていました
タイトルは『マルチ、遭遇、軍事基地にて、ターミネーターと。』でお願いします

422 :Classical名無しさん :08/01/30 20:54 ID:nlCsFUoQ
投下乙!

シグマウイルスに他人に成りすませるT-1000、更にジョーカー……
性悪過ぎるぞスカイネットw

423 :Classical名無しさん :08/01/30 20:55 ID:TWywF7eQ
>>421
投下乙!
シグマウイルスキター!マルチが怖い……
あと個人的な意見ですが、シグマウイルスの回数はもう少し少ない方がいいような?
あまり洗脳という手段は好かれませんし(原作から洗脳状態で出すのは別)、一回使えば一人感染するので2〜3回でも十分かと
もちろんこれは私個人の意見なので、聞き流してくれてもかまいません

424 :Classical名無しさん :08/01/30 20:56 ID:7fIHsdt.
投下乙です、割り込みしてしまい大変申し訳ありませんでした。

途中までマルチ退場か、とばかり思ってましたので意外な展開に驚かされました。
T-1000は他の参加者にとってかなり脅威だとも思いました。

その上で疑問なのですが、シグマウイルスは残り4回分とありますが
プログラムなのに何故使用回数に制限があるのでしょうか?
これがナノマシンで、増殖機能を持たない故に回数制限があるのなら解りやすいのですが。

425 :Classical名無しさん :08/01/30 21:01 ID:8wRVWLjQ
投下乙

ぎゃあああああああ!
まさかのマルチマーダー化!?
あの音符マークが怖すぎるぞ

>>423
このシグマウイルス、駆除は可能だっけ?
それによると思う

426 :Classical名無しさん :08/01/30 21:07 ID:B89zPgbM
投下乙
ここでシグマウィルスきましたかw
マルチは非力とは言えそれなりに脅威になるか?
あと使用回数ももう2回くらいに減らしていいと思う

427 :Classical名無しさん :08/01/30 21:09 ID:B89zPgbM
しかしやたら裸描写が続くなw
ウホッいい男が2回
乙女が2回
ショ体(ふたなり?)1回ってw

428 :Classical名無しさん :08/01/30 21:20 ID:sCYIJjmM
なのはキャラの服装について質問なんだけど

洗脳ギンガ=セイン
って事はナンバーズの服装って事はセインは決戦前の時間軸から?

ノーヴェは服装は管理局所属になっているけど多分更正施設にいたシャツみたいな感じかな?

で、チンク姉はOPにセインとの会話?みたいなのがあったから時間軸はギンガと同じ?

なんか気になったので書いてみた
KYな発言でスマン

429 : ◆c92qFeyVpE :08/01/30 21:37 ID:wqjtihHo
慣れ親しんでいる戦闘服、という感じで入局後も服装は変わらず、というイメージだったり……

430 : ◆56WIlY28/s :08/01/30 21:37 ID:nCVB8Lhc
早くも感想やご指摘ありがとうございます。
やはりシグマウイルスの件が一番の修正点のようなのでウイルスの使用回数を

4回→2回に変更いたします
ご指摘ありがとうございました


>>424
T-1000はもともと液体金属なので製造元であるスカイネット以外のプログラムは果たして有効なのかなぁ、と思い今回のような措置にした次第です

431 : ◆L9juq0uMuo :08/01/30 23:06 ID:Lx/H.8hQ
今から、仮面ライダー1号、フランシーヌ人形投下します。

432 : ◆L9juq0uMuo :08/01/30 23:09 ID:Lx/H.8hQ
人一人いない市街地の道路を本郷猛は歩く。
シグマに抵抗し爆殺されたセインと言う名の少女、彼女はロボットらしいがそんな事は関係ない。
彼女が爆破された時に反応した少女達がいた。セインという少女の発言と照らし合わせて考えると、家族のような物なのだろう。
どんな理由であれ、シグマと名乗る男のやっている事はショッカーと同じ外道。
ならば、シグマもこの殺し合いに乗った人物も、ショッカーと同じように自分たちが倒すだけだ。

(全員の応答は無し、か)

本郷猛は殺し合いの場に飛ばされた直後に全てのライダーに通信を送ったが、返事は無かった。
他のライダーも恐らく同じ状況だろう。

「頼りになるのはこの携帯情報端末だけ、という訳か」

そう言って本郷は手に持った携帯情報端末を見る。MAP機能や支給品データなどの一通りの物は調べてみた。
支給品データは全部で2つ。
『ゴードン=ローズウォーターの畑から産地直送! コクピットに敷き詰めれば某ネゴシエーターの気分も味わえます』と説明に書かれているトマト100個。間違いなく外れ支給品の分類されるだろう。
そしてもう一つはバイク。都市空間などの入り組んだ場所での使用を想定したライドチェイサー・シリウスと説明には載っていた。
早速シリウスを転送してみると、目の前にエアバイクが出現する。

「俺の知ってるバイクとは違うが、中々いいバイクじゃないか」

本郷がバイクに跨りチェックをする。基本的な操作はバイクとあまり変わらない様だ。
やはり乗り物はバイクが一番性に合うのだろうか、本郷はシリウスを見て満足げな笑みを浮かべる。

(しかし、ライダー同士の通信は不可能だが、支給品の転送は可能か。何か、妨害電波のような物が放たれているのかもしれないな、なら……)

本郷の視線の先にある物は電波塔とテレビ局。
電波を発するのであればあそこほどおあつらえ向きな所は無い。
だが、そのような判りやすい所にわざ電波を出す設備などを設置するだろうか、という疑問もある。

433 : ◆L9juq0uMuo :08/01/30 23:10 ID:Lx/H.8hQ

「……言ってみる他はないか。何か別の手がかりがあるかもしれん」

そう結論づけると本郷はエンジンを入れる。
ヒュィィィィンと、ガソリンで動く従来のバイクとは違った機動音がなり、シリウスが宙に浮く。
目指すは電波塔、そしてテレビ局。
ライドチェイサーを目的地に向かって発信させた

ある人形の記憶。
井戸の中、全てを溶かす霊薬から、一人の赤子を助けようとしたある人形の記憶。

「神様! 私は人間になどなれなくていい! でも、どうかエレオノールは助けてあげてください。この子だけは……!」

霊薬に溶かされ、赤子を支える事すら難しくなった体で、人形は願う。
井戸に赤子の鳴き声が木霊する。

「かわいそうに、ごめんね……、私が落ちたばっかりに……」

ぽたぽたと、赤子の涙が彼女の頬を伝う。

「こわかったろうね、痛かったろうね、ね…泣かないで!」

彼女は考える、どうすれば赤子が泣き止んでくれるか。
どれだけ考えてもいい案が浮かばない。

「どうしよう、どうしたら……。あ……」

その時、彼女は一つの事を思い出した。母親が赤子を寝かしつける時に歌っていた歌。

「風に葉っぱが舞うように、ぼうやのベッドはひいらりひらり」

彼女の口が、子守唄を紡ぐ。

434 :Classical名無しさん :08/01/30 23:11 ID:ZtHyVcQ6
支援

435 : ◆L9juq0uMuo :08/01/30 23:12 ID:Lx/H.8hQ

「天にまします神さまよ、この子にひとつ、みんなにひとつ、いつかは恵みをくださいますよう」

気づけば赤子は泣き止んでいた。
次に彼女が浮かんだのは、赤子の父親が赤子をあやしつけた動作。

「落ちついた? エレオノール。もう泣かないでね、ほら……」

自分が溶けていくのも構わずに、彼女は赤子をあやし始める。

「べろべろ、ばあ」

べえ、と舌を出す人形を見て、赤子は笑い出す。

(笑って…くれたの、エレオノール? こんな…恐ろしい人形(わたくし)に…?)

赤子が笑ってくれた事に彼女は驚いた。
人々に災いを与えてきた恐ろしい人形だというのに、赤子は笑ってくれている。
彼女はえもいわれぬ感情で胸がいっぱいになる。

「ほ…ほら、エレオノール…、べろべろ…」

バシュウウウと、自らが溶けていく音が聞こえても今の彼女は気にも留めない。
彼女は嬉しかった。彼女が赤子を笑わせてあげた事が、赤子が笑ってくれた事が。

「ばあ……」

笑う為に旅を始め、旅に疲れた彼女は、最後の最後で本当に笑う事ができた。

あやしながらも水を流すため攻撃していた井戸の壁の一部が壊れた。これで彼女が溶けたとしても赤子は大丈夫だろう。ふと、井戸の外、満点の星空が目に映った。

436 : ◆L9juq0uMuo :08/01/30 23:13 ID:Lx/H.8hQ

(星が見えるわ…、なんて、いい気持ち)

笑顔を浮かべたまま、そこで彼女の意識は無くなる。いや、無くなった筈だった。

気が付くと彼女、フランシーヌ人形は見覚えの無い場所にいた。
不思議な事に溶けた体も元へと戻っている。
よく事態を把握する前にシグマと名乗る男から発せられた殺しあえとの命令。
そのシグマを捕らえようとした少女、溶けるシグマ、もう一人のシグマ、爆発する少女。
突然の出来事で混乱しながら転送装置に乗り、気づけばテレビ局の屋上へと飛ばされていた。
1910年にこの世から姿を消したフランシーヌ人形にとって、高層ビル街はあまり見慣れない景色なのであろう、フラシーヌ人形はしぼし呆然とする。

「ここは、一体……」

高層建築に囲まれた景色をフランシーヌ人形は一望する。
一通り見回した所で、自分が今置かれている状況を思い出したフランシーヌ人形が、これからどうするか考え始めようとした時、屋上の扉が開かれた。

物の数分でライドチェイサーを乗りこなした本郷は順調にテレビ局へと向かっていた。

437 :Classical名無しさん :08/01/30 23:14 ID:fX5Kvk0A
 

438 : ◆L9juq0uMuo :08/01/30 23:15 ID:Lx/H.8hQ

(ん? あれは……)

テレビ局へと辿り着いた本郷は、ビルの屋上に誰かがいる事に気が付いた。

「先客がいたのか? しかし」

屋上の人影は呆然と立ち尽くしているようにも見える。
もしかしたら戦う力も持っていない参加者かもしれない、と本郷は推測する。

「あっちに接触する方が先、だな。」

テレビ局の調査も大事だが、参加者との接触の方が優先と本郷は判断し、シリウスを端末に戻しテレビ局に入ると、迷わずにエレベーターへと足を運んだ。
最上階から屋上へ続く階段を探し屋上へ、そして屋上の扉を開いた。

TV局の屋上で二つの人影が対峙する。
殺し合いを命じる主催者と殺し合いに乗った者達に立ち向かう、仮面ライダー1号、本郷猛。
笑顔と共に消え、この殺し合いの場にて蘇った、フランシーヌ人形。
互いに様子を見ているのか、動く気配はない。

「あなたは……」

不意に、フランシーヌ人形の口が動いた。

「私を壊すのですか……?」

ロボ・サイボーグキャラ・バトルロワイアル 第16幕 フランシーヌ、仮面ライダーと出会う

439 : ◆L9juq0uMuo :08/01/30 23:15 ID:Lx/H.8hQ

【C-7 テレビ局屋上/一日目・深夜】

【フランシーヌ人形@からくりサーカス】
[状態]:健康、やや混乱
[装備]:無し
[道具]:支給品一式、未確認支給品1〜3(本人未確認)
[思考・状況]
1:あなたは私を壊しにきたのですか?
2:私は生命の水に溶けて無くなった筈では……

※原作死亡後(25巻第32幕微笑(後編))から参戦。

【本郷猛@仮面ライダーSPIRITS】
[状態]:健康
[装備]:ライドチェイサー『シリウス』@ロックマンXシリーズ
[道具]:支給品一式、トマト×100@THEビッグオー
[思考・状況]
基本思考:殺し合いには乗らない、打倒主催
1:目の前の人物(フランシーヌ人形)と話をする。
2:テレビ局及び電波塔の捜査。

440 : ◆L9juq0uMuo :08/01/30 23:20 ID:Lx/H.8hQ
以上で投下終了します、支援感謝ありがとうございました。
題名は、「フランシーヌ、仮面ライダーと出会う」です。
ついでにコクピットにトマトというビッグオー2ndシーズン見てる人しかわからないネタを書いて申し訳ありません。

441 :Classical名無しさん :08/01/30 23:25 ID:EILCwXBQ
GJ!
 
(´;ω;`) 本編を思い出して回想に泣いた
フランシーヌ……君は今、笑ってもいいんだ

442 :Classical名無しさん :08/01/30 23:35 ID:i4/7Fdo6
投下乙!
流石本郷さん!未知なるライドチェイサーをすぐに乗りこなすとは!
IQが馬鹿高い本郷さんならきっと大主催の要になってくれるハズ!
そしてフランシーヌ人形……どう転ぶか予想がつかないぜ!

443 :Classical名無しさん :08/01/30 23:42 ID:cPIxPVzo
投下乙!
彼らはロボロワの主人公とヒロインになりうるのか!
少しだけ期待

444 :Classical名無しさん :08/01/31 00:03 ID:95C7KFc2
投下ラッシュ凄すぎワロタw 感想おっつかねーよw
>>314
待てドラス。保護欲煽るには服を着ないでカーテン辺りで体をくるむのが一番だぞっ!
カタカタと震えていれば完璧だ。掘られるかもわからんけど。
>>336
そういえば高いとこ苦手だったなキッドw
ドラえもんとロックマンの配色やらが似てるってのは盲点だったぜ……
王ドラはすでに故人だが、はたして二人はどうなるか……
>>346
どちらも知らないキャラだけどGJでしたっ!前振りの文章が格好良いなぁ……
>>362
まさかの反主催隊長ktkr!渋すぎだぜチクショー!
ただこの人、『危険な仕事を好む奴らをまとめる能力』に長けてる反面びみょうに常識がずれてるんだよな……w
部長に化け物呼ばわりされて呆れられたこともあるし。はたして反主催グループの要にはなれるのか……
>>373
原作は知らないけど、弱者との合流後に熱い展開が期待できそうだと思った。背中を任せられるような相棒が出来ても燃えそうだ。
>>388
ここにまた反主催コンビが誕生したわけだが、どのチームも特徴的だなwはたしてこいつらは生き残れるのか……
>>403
なんというゆとり……wゲーム感覚のマーダーがまさか二人も出るとは……
やはり非人間しかいないってのはでかいってことか?
>>420
マルチオワ……ってないっ!まさか生きてるとは……
しかしまさかのマーダー化。この辺り地獄と化しそうだなオイw
>>440
べろべろばあは反則だろ……涙腺的に考えて……あぁ、フランシーヌ様の運命や如何にッ!

445 :Classical名無しさん :08/01/31 00:22 ID:zBS//5N.
作品多いなぁwwwみなさん乙です

>>314
是だけは言わせて欲しい
女の子モデルにしたとはいえ身体は男の子なんだよな?
ショタ、しかもロリショタは貴重なんでそう言う方向でお願いしたいw

>>336
主人公って感じでいいねw
高所恐怖症設定はだれかやると思ったw

>>346
まさかの敬介マーダー化
アマゾンはいないけど洗脳が解けることはあるのか?

>>362
知らないキャラだけど原作の桐山コイントスのメタは面白かった
とりあえず対主催に回ったけど、いろいろと摩擦は生じそうな感じ

>>373
さすが勇者王wwww登場早々暑苦しいw

>>388
対主催の有力馬、だけど迫る>>420のマルチが心配…

>>403
駄目だこりゃwwww
この調子だとアラレちゃんあたりもヤヴァイかも…

>>440
文武両道&老け顔(ぇということで本郷さんは原作の川田ポジションになるのかな?
そしてフランシーヌ様(´;ω;)

446 :Classical名無しさん :08/01/31 00:44 ID:nWSBCba2
>>444
掘られるて
そもそも性欲すらない連中が多いなかで、衆道の心得があるやつなんているのかw

447 :Classical名無しさん :08/01/31 00:55 ID:EejQhP4A
>>446
前と後ろの区別が(ry

448 : ◆2Y1mqYSsQ. :08/01/31 01:00 ID:ACAyd9bw
>>440
本郷さんとフランシーヌ人形の出会い、GJ!
さすがL9氏、本郷さんとフランシーヌの描写が上手い。
何気に楽しみな組み合わせであります。

さて、ハカイダー、村雨良を投下します。

449 :白いカラス――はぐれ者 ◆2Y1mqYSsQ. :08/01/31 01:00 ID:ACAyd9bw
「ここは……どういうことだ? 俺は、V3と共に大首領の門へと向かっていたはずだが……」
 辺りを見回す青年が思わず呟く。眼に入るのは、ゴミの山。
 長身に肩幅の広い鍛えられた肉体。彼は黒い革ジャンを羽織っており、二本足で地面を踏みしめる。
 パーマのかかった黒髪に、太り眉を持つ青年。彼の名は村雨良。仮面ライダー10号だ。
 彼はここに来る直前の事を思い出す。
 四国がバダンの手に落ち、V3やライダーマンと共にデストロンの怪人と死闘を繰り広げた。
 大首領へと向かうV3。命を懸けた火柱キックを無駄にしないため、ZXも後に続いたのだ。
 その結果、見知らぬ世界に自分はいる。
 そして村雨の胸が締め付けられ、少女の無念な最期を思い出す。
 あのシグマと名乗った男は、自分たちをレプリロイド……ロボットといった。
 死んで言った少女も、自分と同じく改造人間かロボットなのだろう。
 だが、そんなのは関係ない。命が無残にも奪われた。
 バダンに無残に殺された、姉のように。
 シグマは大首領と同じだ。許せない悪。命を弄ぶ外道。
 十人目の仮面ライダーとなった自分が、放っておいてはいけない。
「先輩……」
 いつの間にか手にしていた、携帯端末を操作して名簿を呼び出す。
 自分の知る名は、城茂、本郷猛、神敬介、風見志郎。
 神敬介については、名前しか知らないが、それでも知っている三人の仮面ライダー同様、この殺し合いに反逆を示すのだろう。
 ならば、自分もそれに続く。
「シグマ、俺が……俺たち仮面ライダーが倒す!」
 村雨が決意と共に、歩き出す。
 まずは、殺し合いに参加させられ、戸惑っている人々の保護。

450 :白いカラス――はぐれ者 ◆2Y1mqYSsQ. :08/01/31 01:01 ID:ACAyd9bw
 人を守る……ただそれだけでいい。
 村雨が思考を進めると同時に、口笛が聞こえてきた。

 ―― ♪〜〜♪♪〜♪

 村雨が振り返ると、全身黒尽くめの男がナイフを振り回しながら歩いてきた。
 あのナイフは、村雨の電磁ナイフ。
 あふれ出る殺気から、やる気だと分かった。
 村雨は構えをとって、敵の出方をうかがう。



 全身を黒い衣装に身を包み、首に黄色のマフラーを巻き、額にゴーグルをつけている男がいた。
 怜悧な瞳はゴミの山を映し、豊かな黒髪を揺らして現在の状況を分析していた。
 どういうわけか、血液交換のいらない身体となっている。
 それだけではない。サブロウは死んだ……いや、壊されたはずである。
 白骨ムササビによって、キカイダーとの決着をつけることもなく、滅んだ。
 なのに……この殺し合いの場に呼ばれ、戦う事を強要されている。
 おそらく、この殺し合いを円滑に進めるため、あのシグマという男が自分を回収、修理と改造を施して参加させたのだろう。
 そのことに不満はない。自分はキカイダーを破壊するために生まれた。
 キカイダーと戦うことこそ、己の生きがいだ。
 一度終わった生を、もう一度キカイダーとの決着に使えるのなら、悪くはない。
 手にした携帯端末を操作して、名簿を呼び出す。
 キカイダーの名がないことに肩を落とした。ならば、決着をつけるには……

451 :白いカラス――はぐれ者 ◆2Y1mqYSsQ. :08/01/31 01:03 ID:ACAyd9bw
「優勝して、元の世界へと返るしかないということか。
いいだろう、シグマ。俺はキカイダーと決着をつける。そのためなら、キサマの思惑に乗ってやろう。
ただし…………お前の命もらうがな!」
 呟く同時に、左足に手を当て、愛用のナイフがないことに気づく。
 この分ではハカイダーショットもないのだろう。
 携帯端末を操作し、武器のデータを呼び出す。テキストファイルにはその武器の使い方があるが……ただのナイフと銃。
 威力が普通のナイフや銃と比べ物にならなく高くても、サブロウには関係ない。
 さっそくナイフを転送させ、いつでも取り出せるよう左足にセットする。銃も同様だ。
 機械の目に人影を探してゴミの山を映す。
 やがて、サブロウは一人見つけ、そこに向かって歩き出した。



「お前……何者だ!」
「サブロウ……またの名をハカイダー。キカイダーを破壊するために生まれた改造人間だ」
「改造……人間? お前は殺し合いに参加するつもりか!?」
「そうだ……と答えたらどうする?」
 静かに微笑むサブロウを前に、村雨は右腕を右上の方向に、左腕を右下の方向に真っ直ぐ突き出す。
 右腕を降ろし、左腕は旋回しながら左上の方向へと回転させ、サブロウを見つめて正面を睨む。
「変んん……身!!」
 左腕を腰溜めに構え、右腕を左上の方向に真っ直ぐ突き出す。
 嵐のような金属の粒子が、村雨の身体を戦士へと作り変えていく。
 ベルトが光を発し、収まった頃には、赤い仮面に銀のクラッシャー、昆虫の複眼のような、緑の目を持つ戦士へと変身する。
 白いボディアーマーを身に纏い、緑のマフラーを風になびかせ、サブロウを倒すために現れたのだ。
 その様子を一部始終見ていたサブロウはヒューっと口笛を吹いて、電磁ナイフを構える。
 月光がナイフの刀身に反射して、サブロウの顔の前で輝いた瞬間、黒いボディーに剥き出しの脳を透明のフードで包む戦士が姿を見せる。

452 :Classical名無しさん :08/01/31 01:05 ID:pNejzTh.
支援

453 :白いカラス――はぐれ者 ◆2Y1mqYSsQ. :08/01/31 01:05 ID:ACAyd9bw
 一歩一歩ゆっくり進み、赤い瞳でZXを見つめる。
 その無機質な瞳に、どんな感情を宿しているのかZXは知らない。
 だが、これだけは言える。
(バダンが俺の姉さんを殺したように、シグマはあの少女を殺した……)
 思い出すのは、バダンの残忍さ。姉の無念。
 ――そして、自分の無力。
 二度と忘れないと誓った。この殺し合いに反逆するため、乗ったハカイダーを許すわけにはいかない。
「いくぞ! ハカイダー!!」
「こい! いかなる敵でも、俺に勝つことはできん!」
 ZXはハカイダーへと、怒りを込めて突進をした。


 姿を変えたZXに、ハカイダーは興味を持つ。
 自分と同じく、ダークに生み出された改造人間か、人造人間なのだろう。
 いや、見知らぬ科学者が作ったのかもしれない。
 知らず、ハカイダーの心が躍る。
 キカイダーを宿敵と認め、破壊することに拘ったのは自分の存在理由だからというのもある。
 しかし、それ以上に自分に迫る力を持つ者を知らなかったからだ。
 キカイダーを破壊するために存在する力は、キカイダーがいなければ存在価値はない。
 少なくとも、ハカイダーはそう思っている。
 しかし、目の前の男はどうだ?
 キカイダーとの戦いに感じた、高揚感を見出せるのか?
 僅かに、ハカイダーの回路(こころ)が揺れる。
 こいつとの戦いは、キカイダー以外に満足することができる戦いなのかもしれない。
 その期待を込めて、ハカイダーは地面を蹴る。

454 :Classical名無しさん :08/01/31 01:05 ID:zBS//5N.
私怨

455 :Classical名無しさん :08/01/31 01:07 ID:2P055VQ6
支援

456 :白いカラス――はぐれ者 ◆2Y1mqYSsQ. :08/01/31 01:07 ID:ACAyd9bw
「いくぞ! ハカイダー!!」
 その言葉が、たまらなく嬉しい。
 キカイダーは自分と戦うのを避けていた節がある。
 だが、目の前の男は違う。
 正面から、正々堂々と自分に立ち向かってくる。
 なら答えねばならない。それが戦士としての礼儀だ。
「こい! いかなる敵でも、俺に勝つことはできん!」
 ハカイダーはZXへと、期待を込めて突進した。


「ゼクロスパァァァンチッ!!」
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
 ZXの白い腕が大気を切り裂いて、ハカイダーに迫る。
 ハカイダーの黒い拳が、ZXに向かって放たれる。
 激突する拳と拳。稲妻が落ちたような轟音があたりに響く。
 生み出される衝撃に、ゴミが舞い散る。
 ギシギシと異音を拳がたてるものの、二人は一歩も引かない。
 互いの瞳を交わし、闘志を確認して同時に逆の拳を打ち出した。
 ハカイダーの拳がZXの右胸にヒビを入れる。
 ZXの拳がハカイダーの脇腹を砕く。
 お互いの一撃が決まったのを確認して、すぐに後方へと跳ぶ。
 二人とも制限には気づいた。いつもより、力が、速さが、頑強さが足りない。
 しかし、今お互いしか映さない二人には無意味な事実。
「マイクロチェーン!!」
 ZXの叫び声と共に、右腕のシャッター部からマイクロチェーンが射出され、ハカイダーの右腕に巻きつかれる。

457 :白いカラス――はぐれ者 ◆2Y1mqYSsQ. :08/01/31 01:08 ID:ACAyd9bw
 同時に、高圧電流がハカイダーの身体を焼いた。
「ぐぁぁぁぁぁぁ!」
「おぉぉぉぉぉぉ!」
 そのままZXはマイクロチェーンを巻き取りながら、ハカイダーに接近しようと迫る。
 しかし、ハカイダーは冷静に電磁ナイフでマイクロチェーンを切り裂いた。
「何ぃ!」
「甘い!」
 ハカイダーの左腕に銃口が二つ装着された、猫サイズの小型の銃、二連キャノンが火を吹いてZXの身体を抉る。
 ZXの右肩が血の花火を吹いた。ZXは身体を傾け……
「……く! 負けるか!」
「ぬ!」
 倒れず、更に加速してハカイダーを掴んだ。
 ZXは痛む右肩にも構わず、身を捻って回転を加える。
 風がZXの周囲に舞い、吹き荒れる。

「ライダーきりもみシュート!!」

 脅威的なスピードで上半身を捻り、竜巻を発生させる。
 その風に巻き込ませるように、ハカイダーを投げ飛ばす。
 ハカイダーはそのまま地面に叩きつけられ………………ない。
 エアークラフトを使いハカイダーは空中で体勢を整え、両腕を前面で交差させる。

「右肩を負傷したのが、運の尽きだな。地獄五段返し!」

 地面を滑るように滑空して、今度はハカイダーがZXの身体を掴まえた。

458 :Classical名無しさん :08/01/31 01:10 ID:pNejzTh.
支援

459 :白いカラス――はぐれ者 ◆2Y1mqYSsQ. :08/01/31 01:10 ID:ACAyd9bw
 そのまま、凄まじい勢いでZXの身体を宙に舞わす。
 一回転させ、再度力を加えて二度目の回転をさせる。そのまま自身も回り、最後にZXを一直線にゴミの山へと投げ飛ばす。
 ZXの身体は砲丸のような勢いでゴミの山を一つ、二つと砕いて、何度も地面をバウンドしながら地面を転がる。
 身体が痺れて、ZXは立ち上がるのも困難。
 後ろから、足音が聞こえ、ハカイダーが迫ってくる。
 早く立ち上がらなければ。そう思うが、身体が脳の命令を拒否する。
 足音が止まり、ZXはやられる!と、覚悟を決めた。
 それから、一秒、二秒と何も起きなかった。ZXは腑に落ちない表情を赤い仮面の下でして、震えながら立ち上がり振り返る。
 ZXの視界に、仁王立ちをするハカイダーが入った。
「……どういうつもりだ?」
「倒れている奴を後ろから撃つなど、卑怯な真似が嫌いなだけだ。さあ、準備はいいか?」
 その言葉にZXは呆気にとられる。
 正々堂々と自分と戦うというのだ。その姿勢、ZXは嫌いじゃない。
「……まだ、名乗っていなかったな。俺は村雨良。またの名を、仮面ライダーZX!」
「ふ……いい名だ。覚えておこう。仮面ライダーZX!」
 またも、二人の全力全開の戦いが再開された。


 ZXの右回し蹴りを右腕で受け止め、その重さにハカイダーは思わず微笑んだ。
 微笑んだといっても、ハカイダーの表情が変化するわけではない。
 あくまで、ハカイダーの回路(こころ)での変化。
 人間で言えば、高揚しているといった状況である。
 キカイダー相手にしても感じた物。ハカイダーがキカイダーを狙う理由。
 その感情の波を、目の前の戦士、仮面ライダーZXは与えてくれる。
 自分の判断は間違いじゃなかった。

460 :白いカラス――はぐれ者 ◆2Y1mqYSsQ. :08/01/31 01:12 ID:ACAyd9bw
 ハカイダーはZXの右脚を掴んで、投げ飛ばす。
 今度はZXも空中で体勢を整えて、ハカイダーへと反撃を果たす。
 ZXも空中をある程度自由に動ける事を知って、嬉しく思いながらZXの拳を受け止めた。
 そのままZXの頬にハカイダーは拳を叩き込む。
 だが、ZXは怯まず、ハカイダーの胸に強烈な膝蹴りを与えた。
 後方に跳びながら衝撃を逃がすが、それでも胸の装甲が歪む。
 追撃してこようとするZXを牽制するため、二連キャノンの引き金を引く。
 地面が爆ぜて、ZXが飛び退いたと同時に、地面にしゃがんで右腕に左手を乗せて、ZXに狙いをつけて銃弾を放つ。
 ハカイダーが狙いを定める体勢だ。
 正確な狙いにZXは追い詰められ、ハカイダーの二連キャノンがようやくZXの脇腹を吹き飛ばす。
「どうした!? 逃げ回ってばかりでは、俺には勝てんぞ! 仮面ライダーZX!!」
「分かっているさ……」
 ZXの両肩より霧が出て、ハカイダーは警戒する。
 すると、霧の向こうより二人のZXが姿を見せた。
「!? 分身か?」
「いくぞ! ハカイダー!!」
 ハカイダーへと迫る三人のZX。
 しかし、二つの銃口は迷わず正面に向いていた。
 銃口が火を吹き、ZXを貫く。同時に、左右の二人のZXが消えた。
 ハカイダーは本物を撃った。確証があったわけではない。
 不思議にも、正面から向かってくるZXを、また正面から向かってくると信じたのだ。
 敵なのに、おかしなことだ。だが、銃弾はZXに届いていない。
 ZXは、虚像を本物にも重ねていたのだ。
 半歩だけ、ずれた虚像。ゆえに正確に頭を狙った銃弾はZXの頬を一センチずれて掠めた。
 二発目を放とうとするが、ZXが衝撃集中爆弾と十字手裏剣を投げる。

461 :白いカラス――はぐれ者 ◆2Y1mqYSsQ. :08/01/31 01:13 ID:ACAyd9bw
 ハカイダーは舌打ちをしながら、十字手裏剣をと衝撃集中爆弾を撃ち抜いた。
 一度に四つの標的を撃つという神業により、衝撃集中爆弾が爆発してZXが爆風に紛れる。
 一瞬ハカイダーはZXを見失う。その結果爆風を突き進んだZXに、ハカイダーは接近を許してしまった。
 電磁ナイフを袈裟懸けに振るが、ZXの左腕がハカイダーの手首を掴む。
 ハカイダーの顎に、ZXのアッパーが突き刺ささる。
 ZXはこのチャンスを逃がすつもりはなく、そのままハカイダーへと追撃をする。

 ZXの身体がコマのように回転し、回転蹴りがハカイダーの腹に突き刺さる。
 衝撃を感じながらも、ハカイダーが反撃をしようとナイフを横凪に振る。
 ZXは紙一重で避け、カウンター気味にハカイダーに拳の連打を叩き込む。
 右胸、左脇腹、太もも、と三連打を与え、ハカイダーの頬に狙いを定めて、右腕を大きく振りかぶる。

「ゼクロスパァァァァァンチ!」

 衝撃がハカイダーを襲い、今度はハカイダーがゴミの山を二つ吹き飛ばして、地面に転がる。
 身を震わせるハカイダーの背後で、今度はZXが仁王立ちをして立ち上がるのを待ち続けた。
 ハカイダーは立ち上がり、ZXを睨む。
「どういうつもりだ?」
「俺も嫌いなんだ。倒れている敵の背後から、襲うという卑怯な真似が」
「フ……仮面ライダーZX。お前と出会えた事を、俺は感謝をする」
「俺は遠慮したいな。だが、お前を放っては置けない。ハカイダー、俺の技を受けろ!」
「こい!」
 ハカイダーの言葉を受け、ZXは構えをとる。
 身を捻り、ハカイダーへと向けて上半身を回転、竜巻を起こす。
 空のきりもみシュート。ハカイダーは答えを導きながらも、避ける暇も与えられず暴風に巻き込まれた。

462 :Classical名無しさん :08/01/31 01:14 ID:pNejzTh.
支援


463 :白いカラス――はぐれ者 ◆2Y1mqYSsQ. :08/01/31 01:15 ID:ACAyd9bw
 続けて、ZXは右脚をハカイダーへと向け、身体を回転させながら暴風へと突入した。

「ZX穿孔キック!!」

 仲間と共に生み出した、ZXの新たな技。
 正義を持って、ハカイダーを砕かんと唸らせる。
 ZXの右足が、ハカイダーを貫かんと迫り…………銃声が響いた。
「ガハッ!」
 ZXがクラッシャーより血を吹き出し、回転を中止する。
 その身体に四つの穴が開いており、そこから血が吹きでいていた。
 ZXの視界に、風に飛ばされながらも正確に銃口を向けているハカイダーが眼に入る。
(まさか……回転に巻き込まれながらも、狙いを外さなかったのか!?)
 ハカイダーが短時間で四つの標的を打ち抜いたのを思い出し、ZXは歯噛みする。
 風が弱まり、ハカイダーはまたも滑空してZXへと向かって飛ぶ。

「ギロチン落とし!!」

 ハカイダーは宣言と共に、身体を捻って、両脚でZXの頭を掴む。
 そのまま上昇して、両脚で地面へとZXを投げ下ろした。
 凄まじい勢いで、ZXが地面に叩きつけられ、ゴミが吹き飛んで地面にクレーターが作られる。
 クレーターの淵に降り、ハカイダーはZXを見つめる。
 地面に伏したまま、ピクリともしない。
 もう終わりかと、高揚した気持ちを吐き出すように息を吐く。

464 :白いカラス――はぐれ者 ◆2Y1mqYSsQ. :08/01/31 01:16 ID:ACAyd9bw
 満足したような、物足りないような、複雑な気持ちのまま、ハカイダーはZXを見つめた。



(俺は……このまま終わるのか?)
 全身が痛み、意識がどんどん闇へと落ちていく。
 立ち上がれと強く思うが、身体は応えない。
 無念さを抱えたまま、ZXは……村雨は永久の眠りにつこうとしていた。
 急に村雨の視界が晴れ、目の前に懐かしい光景が広がる。

 ―― 良……これからは私が良を守ってあげるわ……
 ―― ……でもね……あんたは男の子だからいつかは――

 これは、両親の葬式帰りの、姉との会話だ。
 懐かしい。まだ子供だった自分はこの帰り道、姉の手を握って強く決意した。
 村雨は、過去の自分と重なるように口を動かす。

『わかっているよ……。俺だってスグに強くなって……守ってみせるさ……』

 子供の頃の、過去の決意は叶うことはなかった。
 余りにも村雨は無力で、バダンの力は強大すぎたのだ。
 だから、今の村雨が何を言おうと、未来は変わらない。
 そもそも、これは過去の幻影だ。

465 :Classical名無しさん :08/01/31 01:17 ID:pNejzTh.
支援

466 :白いカラス――はぐれ者 ◆2Y1mqYSsQ. :08/01/31 01:18 ID:ACAyd9bw
 だが、村雨は構わず、続きの言葉を告げる。

『姉さんを守ってみせるから――姉さんを……』

 自分の原点を告げた同時に、シグマの前に散る少女が再度登場する。
 あの思いを二度としない。誰にもさせない。
 それが、村雨良にとって、自分が自分である理由。仮面ライダーへとなった理由。
 自分が仮面ライダーである事の意味を噛み締めると、身体が軽くなった気がした。
 ゆっくりとイメージの中で村雨は瞼を開く。やがて、村雨の視界に光が広がった。
 そこにいたのは……



 ハカイダーの目の前で、ZXがゆらりと立ち上がる。
 まだ立ち上がるのか? ZXに期待をして、ハカイダーの心が燃え上がる。
 ZXは顔を上げて、ハカイダーへと闘志を向けた。
 もしハカイダーの表情が変わることができたのなら、ハカイダーの顔に喜びが浮かんだであろう。
 キカイダーに勝るとも劣らぬ敵。
 もしかしたら、キカイダーの存在以上にハカイダーが望んでいたものなのかもしれない。
「どうした? ハカイダー。俺はまだ生きているぞ」
「ああ、そうだな。仮面ライダーZX!」
 いつの間にか、ハカイダーはZXに敬意を払っていた。
 ZXの挑発にあえて乗り、跳躍して拳を振るう。
 腕を交差して受け止めるZXに、ハカイダーは一切遠慮をせず前蹴りで蹴り飛ばす。

467 :白いカラス――はぐれ者 ◆2Y1mqYSsQ. :08/01/31 01:19 ID:ACAyd9bw
 しかし、ZXもただ技を受けているだけではない。
 ハカイダーの電磁ナイフをまたも虚像を駆使して、紙一重で避ける。
 返す刀でハカイダーの首へと手刀を打ち、怯んだ隙に腹を蹴り上げる。
 トンを越える衝撃にハカイダーは身体を浮かばせるが、攻撃の手は緩めない。
 貫き手でZXの左腋を裂いて、胸の中央に拳を叩き込む。
 数歩下がったZXは、跳躍して全身を赤く光らせる。
 莫大なエネルギーをZXから感知して、ハカイダーの心が震える。
「シンクロができた……。いくぞ! ハカイダー!!」
「それはこっちの台詞だ!」
 ZXは左腕を右斜め下、右腕を右斜め上へ伸ばし、全身を赤く光らせる。
 ZXの全力の技が来る。その事を感じ取ったハカイダーは、その闘志に応えるべく、全身に力を込める。
 ハカイダーが跳躍し、ZXはハカイダーへと右脚を向けた。

「ゼクロスキィィィィィィック!!」
「月面飛行蹴り!!」

 ZXが赤く光りながら、稲妻のごとくハカイダーへと爆進する。
 ハカイダーが滑るように空中を旋回しながら、ZXへと両脚蹴りを烈風を越える速さで迫らせる。
 二人の影が激突し、電撃のようなエネルギーが迸り、衝撃にゴミが、地面が、瓦礫が全て砕かれていった。
 やがて爆発が起き、僅かの間夜を照らした。

 空中で、二人の影は激突したまま固まっている。
 短い膠着にも、永久に近い膠着にも感じた頃、やがて影が力を失って地面に落ちる。
 二つの影は地面に着地して、お互いに睨みあう。
 やがて、赤い影が崩れ落ちた。

468 :Classical名無しさん :08/01/31 01:20 ID:zBS//5N.
私怨

469 :Classical名無しさん :08/01/31 01:20 ID:95C7KFc2
支援

470 :Classical名無しさん :08/01/31 01:20 ID:pNejzTh.
支援


471 :Classical名無しさん :08/01/31 01:21 ID:Md0QQ7bE
支援

472 :白いカラス――はぐれ者 ◆2Y1mqYSsQ. :08/01/31 01:21 ID:ACAyd9bw
「ガハッ……」
「俺の勝ちだ……仮面ライダーZX」
 ハカイダーの呟きと共に、ZXが村雨良の姿へと変わる。いや、戻る。
 人間、村雨良の腹には、大きく穴が開いていた。
 変身を司り、機能の大半がつまったベルト。
 そこが破壊されては、脳以外が機械と化した村雨にもどうすることもできなかった。
「運が良かった。あの時、俺が撃った銃の傷がエネルギーの負荷に耐え切れず、爆発を起こして紙一重で蹴りが逸れなければ、倒れていたのは俺かもしれない」
「……勝ったのは……お前だ。ハカイ……ダー……。
クソ……俺は……また…………守れないのか……」
 ハカイダーはサブロウへと姿を変え、村雨に近寄った。
 膝をついて、村雨を見下ろす。
「苦しいか? 仮面ライダーZX」
「何が…………言いたい?」
「もし、楽に死にたいというのなら、介錯をしてやる。望みを言え。
最期にお前の願いを、一つだけ叶えてやる」
 その言葉に、村雨は苦笑をする。
 静かに首を振りながら、サブロウに村雨は望みを告げる。
「ハカイダー……もし、最期に一つだけ……俺の望みを聞くと言うのなら……」
 殺し合いに乗るなという願いは無駄であろう。
 サブロウには何か譲れぬものがある。だから、殺し合いに乗った。
 村雨はサブロウに少なからず敬意を払っている。
 正々堂々と、正面から立ち向かう、戦士としての敬意だ。
 だから……
「仮面ライダーは……他にもいる。この会場に、俺の他に四人の……仮面ライダーがいるから……お前は先輩たちに会いに行ってくれ……」
 彼には会って欲しい。自分を変えた、偉大なる先輩に。

473 :白いカラス――はぐれ者 ◆2Y1mqYSsQ. :08/01/31 01:23 ID:ACAyd9bw
 たとえ生き方を変えるのは無理でも、何らかの影響はあるはずだ。
「いいだろう。何か伝言があるなら、伝えてやる」
「そう……だな……。『バダンをぶっ潰してください』……そう伝えて……くれ……」
 そして、村雨はサブロウに四人の仮面ライダーの特徴と、名前を教える。
 もっとも、神敬介に関しては、滝から聞かされている特徴を告げるしかなかったが。
 やがて、ぼんやりしていく視界。震える手を伸ばし、何かの幻影が村雨の手を包む。

「姉……さん…………」

 村雨の瞳は、それっきり光を映すことはなくなった。
 崩れ落ちる村雨を前に、風がざわめいた。


 崩れ落ちた村雨を前に、サブロウはキカイダーを失った時に感じた、虚無感に似た感情が湧き上がるのを抑えられなかった。
 死体となった村雨を抱え、二連キャノンで地面に大穴を開ける。
 その中央に村雨を置き、土をかけてやる。盛り上がった土に、自らの支給品である電磁ナイフを突き刺した。
 サブロウは知らないが、偶然にも村雨の持ち物が己の墓標となったのである。
 機械であるサブロウに、このようなことに何の意味があるのかは分からない。
 それでも、唯一の生体部品である脳が刺激を送り、村雨を埋葬したくなったのだ。
 サブロウが村雨に抱いた感情、『敬意』をもって、短い黙祷をする。

474 :Classical名無しさん :08/01/31 01:24 ID:pNejzTh.
支援

475 :白いカラス――はぐれ者 ◆2Y1mqYSsQ. :08/01/31 01:24 ID:ACAyd9bw
「仮面ライダーZX、お前の携帯端末はもらっておく。……俺はいく」
 村雨の携帯端末より、バイクを転送させる。
 皮肉にも、村雨良の愛車、スズキGSX750S3 KATANAが現れる。
 サブロウはバイクに跨り、エンジンを吹かす。
 仮面ライダーに会うために。
 シグマを倒すために。
 キカイダーと決着をつけるために。
 バトルロワイヤルを破壊せよ! 参加者を破壊せよ! ハカイダー!!



【村雨良@仮面ライダーSPIRITS 死亡確認】
【残り47人】


476 :白いカラス――はぐれ者 ◆2Y1mqYSsQ. :08/01/31 01:25 ID:ACAyd9bw

【H-1 南/一日目・深夜】
【ハカイダー@人造人間キカイダー】
[状態]:全身にダメージ大。エネルギー消耗大。
[装備]:二連キャノン(弾数中消費)@サイボーグクロちゃん。スズキ・GSX750S3 KATANA@仮面ライダーSPIRITS
[道具]:支給品一式、ランダムアイテム0〜2(村雨の支給品)
[思考・状況]
基本思考:元の世界へ帰ってキカイダーと決着をつける。
1:村雨良の遺言を伝える。そのため、仮面ライダーに会い、破壊する。
2:参加者を全て破壊する。
3:シグマを破壊する。
4:キカイダーに迫る、戦士に敬意。
※電磁ナイフ@仮面ライダーSPIRITSは村雨の墓標としてH-1の中央に突き刺さっています。
※参戦時期は原作死亡後(42話「変身不能!? ハカイダー大反逆!」後)です。
※血液交換が必要のない身体に改造されています。



【支給品紹介】

【二連キャノン@サイボーグクロちゃん】
異世界編(五巻)にて、剛が作ったガトリングに代わる武器。
材質のせいか軽くなっており、威力もロボであるバイスに大穴を開けるなど、かなりある。


477 :Classical名無しさん :08/01/31 01:25 ID:wHakH6NI
ZXゥゥゥゥ!

478 :Classical名無しさん :08/01/31 01:26 ID:ux2g.dTI
投下乙。
まさかのZX初戦敗退……さらば仮面ライダー10号よ。

479 :白いカラス――はぐれ者 ◆2Y1mqYSsQ. :08/01/31 01:26 ID:ACAyd9bw

【電磁ナイフ@仮面ライダーSPIRITS】
ZXの左大腿部に収納されている伸縮自在な万能ナイフ。
超高熱を発し、金属の切断もできる。
磁力を帯びて、金属を呼び寄せることも可能。


【スズキ・GSX750S3 KATANA@仮面ライダーSPIRITS】
村雨の改造される前の愛車。
仮面ライダーSPIRITSでもVS三影戦まで愛用していた。
「3型カタナ」と呼ばれ、コアなファンを持つ。


480 :Classical名無しさん :08/01/31 01:26 ID:zBS//5N.
>>476
素晴らしかったの一言
これに尽きますな

481 : ◆2Y1mqYSsQ. :08/01/31 01:27 ID:ACAyd9bw
投下終了。
誤字脱字、矛盾の指摘、感想をお待ちしています。

482 :Classical名無しさん :08/01/31 01:29 ID:pNejzTh.
投下乙です。
ううっ、さらばZX。
支援しつつだったので、もう一回読み直してきます。

483 :Classical名無しさん :08/01/31 01:29 ID:uEVrkdlI
戦闘描写の凄まじさに、興奮の余り鼻血が出ました。
キーボードを弁しょ……じゃなかった、GJです。

484 :Classical名無しさん :08/01/31 01:34 ID:nWSBCba2
本格戦闘は最初かな?凄く良かったです
ZXは無念の早期脱落ですが、それども存在感はしめせたと思います
すべてを破壊する男・ハカイダーの今後も期待
マーダーとは言え、後味の悪さを残さないのが良いですね

485 : ◆wKs3a28q6Q :08/01/31 01:34 ID:95C7KFc2
>>479
やべぇ……熱すぎて言葉に出来ない……
「これが戦闘シーンというものだ」と教えられた気がするぜ……!


>>301
ロボット発言は理解出来ず、機械発言は考察中だったら聞き逃した……というつもりだったんですが、よくよく考えたらそれだとPDAの部分も聞き流してないとご都合主義すぎましたね。
『鳴海みたいに一部機械なだけの人間がいるかもしれない→外見が人間でも、剥き出しの機械部分以外に磁石がくっついたら自動人形』という理論展開を文中に挟ませる方向で修正しようかと思ってますが、それで問題ないでしょうか?
ラッシュの流れは止めたくありませんし、問題が無いようでしたら修正箇所だけ朝にでも投下させて頂きます。


>>302
人体を傷付けずに装備を剥ぐビームや時間跳躍させる弾を開発したぐらいですし、超や葉加瀬がわざわざ殺傷力のあるレーザーをつけるとは考えづらいと思っていたんですが、よく考えたらマスターであるエヴァンジェリンは戦闘での殺人には肯定的なんですよね……
エヴァの従者が殺傷力のある装備なしというのは確かに考えづらいかも……
冷静に考えたら殺傷能力があるに越した事は無いわけですし、こちらにも修正を加えようと思います。

初っ端から問題起こしてすみません。

486 :Classical名無しさん :08/01/31 01:40 ID:wHakH6NI
投下乙です。
村雨よく頑張ったよ村雨。
そしてハカイダーは他のライダーに会えるのか、会って何を思うのか。

二人とも格好いいなあ

487 :Classical名無しさん :08/01/31 01:45 ID:RugwEZpE
ハカイダーTUEEEEE!!!!
これは期待せざるをえない。

488 :Classical名無しさん :08/01/31 01:49 ID:pJ9SJOS2
乙。
ZXが散った……!!
ハカイダーが相手となれば、流石のZXでも厳しかったか。


489 :◇y5jHGSZ3N6 :08/01/31 01:54 ID:3/ObPvuo
投下乙です。
初っ端から熱い全力全開バトル、すごくよかったです。
ZX・・・安らかに眠ってくれ・・・・



それでは、ラミア投下させていただきます。


490 :Classical名無しさん :08/01/31 01:55 ID:pNejzTh.
支援

491 :Classical名無しさん :08/01/31 01:55 ID:95C7KFc2
支援

492 :Classical名無しさん :08/01/31 01:56 ID:uBp4me0I
乙です!
ZXが散ったのか…さすがはハカイダーだ
今後の展開がとっても気になります

493 :◇y5jHGSZ3N6 :08/01/31 01:57 ID:3/ObPvuo
B‐8の黄色のビル内。
女━ラミア・ラヴレスは一人、目を瞑って両腕を組み、壁にもたれかかり佇んでいた。否、現状確認を行っていた。思考を廻らすラミア。

(確か、私は晴海の式典会場で拉致された筈だ・・・。)

ここまでのことを思い返す。自分は確か、仲間や大勢の民間人ともども晴海の展示場で突然暴走を開始したバルトールに拉致されたはずだ。
だが、気がつけば先程の薄暗い空間に寝かせられており、説明が終わるや否やB‐8エリアのビル前に転送されていた。
転送されたのがビル前だったこともあり、ラミアは一旦ビルに入り自らのコンディションチェックを手早く終了させ、ビル内が無人である事を確認した後暗室にて上記の行動をとっているのである。

(そして、この訳のわからん事に参加させられる羽目になった。それが今の現状か。)

現状確認を終了したラミアは、攫われた人間や拉致について考える。

(この下らん事のためにわざわざ民間人ごと私を拉致したのか?)

言葉にしたら、間違いなく呆れ声になっていたであろう思考。だが、説明を聞いたとき引っかかる1つの単語があった。壊し合い。その単語がラミアに疑問を抱かせた。


494 :◇y5jHGSZ3N6 :08/01/31 01:59 ID:3/ObPvuo
(しかし・・・シグマとか言う個体は、壊し合いといった。何故機械同士の壊し合いでわざわざ人間まで攫う必要がある? )

そこまで考え、目を開き、ポケットから支給された端末を取り出し、名簿を確認する。
共に攫われた仲間達の名前が無いかどうか確認するためである。

(知った名前は無いか。まあ当然だな。彼らは人間なのだし、それに・・・・)

そこまで考え、不意に切なさがこみ上がり表情が暗くなる。この壊し合いに参加出来るような元仲間達━シャドウミラーのWシリーズ━は、彼女とその仲間達が数ヶ月前に撃破したのだ。

(だが・・)

切なさを押さえ込み、心を兵士のそれに戻す。表情も元に戻り、目を瞑って思考を再開する。

(攫われた人間はどこに連れ去られた? いや、そもそも奴が拉致の黒幕なのか?・・・現時点では判断がつかん。情報が必要だ。)

攫われた人間や拉致についての現時点での判断、考察は不可能と結論付ける。次に彼女は、説明の最中シグマに奇襲をかけ爆死した個体の事を考えた。


495 :Classical名無しさん :08/01/31 01:59 ID:ACAyd9bw
        

496 :◇y5jHGSZ3N6 :08/01/31 02:00 ID:3/ObPvuo
(セイン・・・とか言ったか。爆発したことからして、私の体にも同様の爆弾が仕掛けられているのだろう。そう、仕掛けられているだけだ。奴の行動が解せん。なぜ壊し合いだ? 
集められた連中のうち1体しか残れんなら、実質的に破壊する事と変わらん。私達の破壊が目的とするならば、爆弾を埋め込む間が有るぐらいだ。その間に破壊すればいい。
なぜ奴はそれをしない? この件も情報が必要だ。ここはやはり、あのシグマと敵対していると思われる、エックスと言われた個体や非交戦的な個体と接触し、情報を得るのが現時点での最良か。)

行動方針を決定し、与えられた支給品を確認すべくPDFを操作するラミア。途端、箱状の物体、そして物体の説明文がディスプレイに写る。その物体はラミアのよく知るものであった。

(クレイモア地雷が4個か。M18クレイモアとはまた旧式だな。しかし・・・クレイモアを見ると、ついアルトを連想してしまう。)

クレイモアを見たことにより、キョウスケ=ナンブの愛機、アルトアイゼンリーゼがラミアの脳裏に浮かぶ。そして、PDFを操作し他に支給品が無いか確認しようとして、不意にある考えが脳裏をよぎり・・・・・・・・背筋が凍りついた。

(・・・・いや、まさかソレはありえん。有り得たとしたら、壊し合いになぞならん。単なる虐殺だ。それに、その類の物を支給すればシグマにまで危険が及ぶ。)

危惧した事━パーソナルトルーパー等の人型機動兵器が支給品として参加者に支給されるような事は無いと結論付ける。


497 :Classical名無しさん :08/01/31 02:00 ID:ACAyd9bw
         

498 :◇y5jHGSZ3N6 :08/01/31 02:01 ID:3/ObPvuo
(だが・・・シグマが所持している事は大いに考えられるな・・・・何機あるかはわからんが、厳しい戦いになりそうだ。)

人型機動兵器との彼我戦力差を想像し、ラミアの顔が険しくなる。しかし、それも一瞬の事。すぐに不敵な笑みを浮かべた表情に変わる。

(だが、これは最悪の場合だ。現時点では根拠の無い憶測に過ぎん。それに・・・)

そして、クールかつ強い口調で言い放った。

「どんな敵であろうが、ただ打ち貫くのみでございますですの。・・・・やはり言語回路が不調だ。」

(私はハガネやヒリュウの仲間達から学んだ。どんな時も諦めない事を!!そしてお母さん。私はW17としてではなく、ラミア・ラヴレスと言う1人の人間、教導体の一員として壊し合いを止めるため戦います。どうか見守っていてください・・・)

そして彼女は再び支給品の確認作業に戻った。


499 :Classical名無しさん :08/01/31 02:02 ID:pNejzTh.
支援

500 :Classical名無しさん :08/01/31 02:02 ID:ACAyd9bw
          

501 :◇y5jHGSZ3N6 :08/01/31 02:02 ID:3/ObPvuo
【B‐8 黄色のビル内/一日目・深夜】
【ラミア・ラヴレス@スーパーロボット大戦OG外伝】
[状態]:健康。
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、M18クレイモア×4、不明支給品(0〜2個)
[思考・状況]
基本思考。打倒シグマ。必要なら誰かと共闘する。晴海の人間拉致の黒幕について疑問
1:シグマや壊し合いについての情報を得るため、エックスと接触する
2:壊し合いに乗っていない個体と接触し、情報を得る。
3:壊し合いに乗った個体を排除する。

※参戦時期はOG外伝第11話での拉致後です。
※シグマはパーソナルトルーパー等の人型機動兵器を有している可能性が高いと考えています。


502 :◇y5jHGSZ3N6 :08/01/31 02:03 ID:3/ObPvuo
【支給品紹介】
【M18クレイモア@現実】
アメリカ軍の使用する指向性対人地雷の一つ。湾曲した箱の形状をしており、地上に敷設する。起爆すると爆発により、内部の鉄球が扇状の範囲に発射される。
最大加害距離は約250m、有効加害距離は約50m、加害範囲は60°最大仰角・俯角共に18°。鉄球一発あたりのエネルギー量は、強力な空気銃の威力に値し、一発でも当たれば大きなダメージを与えることが可能である。
なお、この奥行き兵器は爆薬を使う性質上、後方180°・半径16m圏内は立入禁止エリアとなっているほか、加害範囲外半径100m圏内は危険区域とされている。内部は700個の鉄球と炸薬代わりのC4が入っており、重量は1.6kg。
以上 wikipediaより抜粋


503 :◇y5jHGSZ3N6 :08/01/31 02:04 ID:3/ObPvuo
投下終了です。
誤字脱字、文章のおかしいところ、、感想をお待ちしております。

504 :Classical名無しさん :08/01/31 02:10 ID:ACAyd9bw
投下乙!
ラミアの冷静な考察が冴え渡る。
シグマがPTを所持しているかもしれない、という部分の考察が新しく、面白そうだと思いました。

後トリップですが、#←のあとの文字列が一緒なら、携帯やPCでも同じ文字が出ます。

最後に、GJ!

505 :Classical名無しさん :08/01/31 02:13 ID:95C7KFc2
やっぱ敵を殺せる非情さと冷静に考える力を合わせもったキャラはロワで映えるな!
今後誰と遭遇するか楽しみだ

506 :Classical名無しさん :08/01/31 02:16 ID:pJ9SJOS2
乙です。
ラミア、中々いい考察するな。
ここまで考察系が少ないだけに、期待せざるをえない。
ただシグマは、PTどころじゃない巨大兵器も持ってるが……w


507 : ◆F4.EWurSRc :08/01/31 02:57 ID:AXwfTd8I
人いるのかな?
いるようなら、ジョー・ドロシー投下します

508 :Classical名無しさん :08/01/31 02:59 ID:lVgfI1dI
おりますぜー支援しますぜー

509 : ◆F4.EWurSRc :08/01/31 03:02 ID:AXwfTd8I
了解、それでは

510 :WE HAVE CAME TO TEAM? ◆F4.EWurSRc :08/01/31 03:03 ID:AXwfTd8I
吹きすさぶ風に、山吹色のマフラーがたなびく。
闇に閉ざされた岩肌に、戦闘服の赤が浮き立つ。
彼、【黒い幽霊団(ブラックゴースト)】によって改造されたサイボーグ計画のプロトタイプ、
00ナンバーサイボーグの九人目、コードネーム“009”――島村ジョーは、自然公園エリアの岩山で一人立っていた。
彼はブラックゴーストに反旗を翻した正義のサイボーグ戦士である。
こんな馬鹿げた試みに訳がないというのは、ジョー本人にとっても考えるまでもないことだ。
しかしそれでも、栗色の前髪の隙間からのぞくその瞳には哀しみの色が宿っていた。

(……何も、できなかった)

ジョーの脳裏に、つい先刻の惨劇が去来する。
あの水色の髪の少女。果敢にシグマという男に奇襲を掛け……惨たらしく殺された少女。
もしもあの時、咄嗟に自分が動いていれば、彼女を救うことは出来たのではないか?
自分には加速装置がある。瞬時に対応して装置を起動していれば、なんとかすることも……
……いや、結局は不可能だったろう。彼女は内部から爆破されたのだ。
恐らくはあの場所で目覚める前に、自爆装置を組み込まれていて……彼女だけでなく、自分を含めた全員が。
そして、あのシグマという男は、その絶対的な優位を示すためだけにあのデモンストレーションを行った。
誰でもいい。自分、いや自分の写し身に攻撃を仕掛けてくる者がいればそれでいい。
あえて奇襲を受けたふりをして、そのものの勇気を嘲笑いながら破壊する。
それがたまたま彼女だった。運が悪かった? 馬鹿な。
奴にとっては、すべてがただのモノに過ぎないのだ。命も、心も、存在そのものさえも。


511 :Classical名無しさん :08/01/31 03:03 ID:lVgfI1dI
支援

512 :WE HAVE CAME TO TEAM? ◆F4.EWurSRc :08/01/31 03:04 ID:AXwfTd8I

「……そんなことが、あってたまるか……許されてたまるか……!」

拳をぎりぎりと握り締める。
喰いしばった歯の隙間から聞こえるのは、怒りと憤りと、そして決意。

「あの娘にだって心があったんだ……大切な人がいたんだ!
 それを平然と踏みにじるなら……シグマ、僕はお前を許さない!」

ジョーは視線を上げる。
闇を貫くその眼光には、もはや一片の迷いも残されていなかった。


  ▽ ▽ ▽

PDAを器用に片手で操作しながら、ジョーは岩の斜面を縫うようにして跳ぶ。

「まずはこの岩山を下って……それから、どうしようか」

マップによると、ここは4基の宇宙コロニーのうち、もっとも自然豊かなコロニーであるらしい。
ジョーはコロニーになど来たことは無かったが、それでもここが地上と変わらないほどに精巧に造られていることは分かった。
このコロニーは殆どが森林と河川で占められ、めぼしい施設と言えば発電所と宇宙港ぐらいだ。
鬱蒼とした木々ばかりで、戦闘になればゲリラ戦の様相を呈するだろう。
殺しはしたくない。それでも、戦いは避けられないのは分かる。
だったら、少しでも危険の少ない場所に移るべきだろう。
それに、他の人達(純粋な意味でのロボットもいるのだろうが)とも接触したい。

「隣の工業コロニーに移るのが一番かな、少なくともここに留まるよりはマシだろう」

513 :WE HAVE CAME TO TEAM? ◆F4.EWurSRc :08/01/31 03:05 ID:AXwfTd8I
呟きながらも、岩から岩へ飛び移るその足取りは止めない。
ジョーはPDAの機能を、マップ表示から支給品データファイルへと切り替える。
その一覧に目を通す前にふと顔を上げて……そのままジョーの視線は前方の一点に縫い付けられた。

黒い服の少女が、崖のそばを歩いていた。

足取りこそ確かだが、その斜面は一歩踏み外せば転がり落ちてしまうほどに急だ。
事実、彼女の細い体は幾度となくぐらりと揺れていた。

(まずい、あのままだと……!)

ジョーの頭が危険信号を発したその時、少女の足元が音を立てて崩れた。
少女の華奢な体が大きく傾き、そのまま斜面から放り出される。
少女は虚空をつかむように手を伸ばすも自らを支えることなどできず、そのまま真っ逆さまに崖下へと――


「加 速 装 置 !」


ジョーを取り巻く世界が、その時を止める。
いや、正確には動きがほとんど認識できないほどに『遅く』見えているのだ。
奥歯の内側に存在するスイッチを舌で押し込むことで発動する、009の能力『加速装置』。
009自身の動きを最大でマッハ5まで加速し、驚異的な戦闘機動を発揮する切り札だ。
空中でその落下運動を止めている少女の元へ、ジョーは加速状態のまま一足飛びに向かう。

514 :Classical名無しさん :08/01/31 03:05 ID:lVgfI1dI
00……支援

515 :WE HAVE CAME TO TEAM? ◆F4.EWurSRc :08/01/31 03:05 ID:AXwfTd8I
少女が立っていた斜面に立ち、相対速度に気を払いながら少女の手を掴む。
そのまま加速状態で引っ張れば楽そうだが、実際はそうもいかない。
普通の物体はマッハ5に達する加速に耐えられず、大抵は空気摩擦によって燃え尽きてしまうからだ。
両足で踏ん張り、引っ張り上げる体勢を整えて、ジョーは加速装置のスイッチを切り、

「!? 重い!?」

想定外の重さに斜面側によろめいた。
本来なら支えられない重さではないのだが、どう考えても予想の3倍近い重量が掛かっている。
だいたいだが、百二、三十キロはあるんじゃないだろうか?
完璧に不意を突かれたジョーはそのまま自分ごと落ちないように必死でふんばり、

「はぁ、はぁ……助かった……」

辛くも二人揃っての落下を免れたのだった。


  ▽ ▽ ▽


「危なかったね、大丈夫?」
「助けてくれと頼んだ覚えはないけど、感謝するわ。ありがとう」

息を整えたジョーの呼びかけに対して帰ってきたのは、あんまりと言えばあんまりな礼だった。
人によっては怒る場面なのかもしれないが、あいにくジョーはそう短気な方ではない。
たぶん普段からこういう喋り方をする娘なんだろうと頭の中で折り合いをつけて、少女のほうへ目をやる。
遠目で見たときも思ったが、線の細い印象の少女だ。
黒一色のワンピースは、自分のようなサイボーグでなければこの闇夜では認識できなかっただろう。
その整った顔には、今はなんの表情も浮かべてはいない。
今は、と言うよりさっきからずっとだ。自分が生命の危機に晒されたというのに、顔色一つ変えていない。
と、顔ばかり見ていたのに気付いたのか、彼女がこっちを向いた。

516 :WE HAVE CAME TO TEAM? ◆F4.EWurSRc :08/01/31 03:07 ID:AXwfTd8I
その時ジョーの耳に飛び込んできたのは、かすかな駆動音だった。
その音とさっき感じた体に似合わない重さとが繋がった時、ジョーは思わず彼女に問いかけていた。

「君は、アンドロイド?」
「そうよ。あなたはそうではないの?」
「いや、僕はそうじゃない。サイボーグだよ」
「そう」

会話は途切れ、そのまま続かない。
それでも、彼女が気分を害したようではないのを見て(そもそも気分が表に出てないのだが)、ジョーは安堵した。
彼女がアンドロイドなら、あながちシグマの言うことも嘘ではないとふと思う。
いや、実際真実なのだろう。この場にはサイボーグやアンドロイドばかりが集められ、壊し合いを強いられている。
その現実に、改めて嫌悪感が募る。
知らず知らずのうちに険しい表情になっていたのだろうか。気が付くと、彼女が真っ直ぐこちらを見つめていた。
なんの感情も映さない黒の双眸が、真っすぐジョーの瞳を覗きこむ。
そして彼女の繊細な唇から、問いが投げられた。

「なぜ、助けたの?」

その問いに、ジョーは面食らう。

「なぜって、それは君が落ちそうになってたから……」
「あなたには、私を見殺しにする理由があるわ」

当り前のことを返したつもりだったが、それに対しての彼女の言葉にジョーは慄然とする。
「死にそうな人を助けるのは当然」という考えが、この状況にふさわしくないと気付いたからだ。
彼女の言う通り、ジョーには彼女を「見殺しにする理由がある」。
この趣味の悪い殺人ゲームの最後の一人になりたいのなら、不運な死を遂げようとする者は見殺しにしたほうが早い。
勝手に死んでくれるのなら、そのほうが都合がいい。
なぜなら、わざわざ壊してやる必要が無いからだ。労力を省いて数を減らせるのなら、そのほうが――

517 :WE HAVE CAME TO TEAM? ◆F4.EWurSRc :08/01/31 03:07 ID:AXwfTd8I

「駄目だッ!!!」

思わずジョーは大声を上げた。
もっとも特に驚いたようでもなく、少女は真っ直ぐにこちらを見つめている。

「僕は絶対に見捨てない! 目の前でみすみす命を失わせはしない!
 人を傷つけるのが正当化されるようなことが、あっていいはずがないんだ!」

口に出すたびに、決意が形を帯びていく。
言ってみればこの壊し合いで真っ先に壊れるのは、心だ。
積極的に戦うにせよ、傷つけるのを忌避するにせよ、いずれはこの現実に適応せざるを得ない。
戦わざるを得ない。疑わざるを得ない。
そうしてこの過酷な戦いに『慣れて』しまったとき、それは心が捻じ曲げられることと同じだ。
なにより、そういった展開を誰よりも望んでいるのはシグマだろう。
水色の髪の少女がゴミのように殺されたのを思い出し、ジョーの心に静かな怒りが燃えた。

「とにかく、君もそういう考え方をしちゃ駄目だ。
 認めたくはないけど確かに君の死を願う人もいると思う、それでもみんながそうじゃないはずだ」
「あなたは違うのね?」
「ああ。違う」
「そう。分かったわ」

ジョーの返答に満足したのか、彼女は無造作に立ち上がった。
そのまま斜面を下る方向へ歩き出したのを見て、ジョーは慌てて呼び止める。

518 :Classical名無しさん :08/01/31 03:07 ID:lVgfI1dI
 


519 :WE HAVE CAME TO TEAM? ◆F4.EWurSRc :08/01/31 03:09 ID:AXwfTd8I
「危ないだろ、もしさっきみたいに落ちたら……」
「この岩山を降りなければ話にならないわ」
「それはそうだけど」
「それとも、あなたがおぶってくれるの?」
「……なんだって?」

振り向いた彼女の瞳は、冗談を言っているようには見えなかった。


  ▽ ▽ ▽


少女をおぶったまま、サイボーグ009は軽快に岩肌を駆け降りる。
さっきはバランスを崩したが、実際これくらいの重さならサイボーグ戦士にはなんでもない。
山を下ること自体にはなんの問題もなかった。
岩間を縫うように跳びながら、ジョーは彼女に話しかける。

「あの、さ」
「なに?」
「名前、聞いていいかな?」
「R・ドロシー・ウェインライトよ」
「R・ドロシー?」
「ドロシーでいいわ」
「僕はゼロゼロ……いや、ジョー、島村ジョーだ。よろしく、ドロシー」
「よろしくされるいわれはないわ。今だってあなたが好きでおぶっているんだもの」
「君がおぶれって言ったような……」
「おぶれとは言ってないわ」
「はは、そりゃそうか」

彼女――ドロシーの歯に衣着せぬ物言いにも、だんだん慣れてきた。
とはいえ、さすがに意表を突かれることも多々あるのだが。
今度はドロシーが、背中越しに話しかける。

520 :Classical名無しさん :08/01/31 03:10 ID:lVgfI1dI
 


521 :WE HAVE CAME TO TEAM? ◆F4.EWurSRc :08/01/31 03:10 ID:AXwfTd8I
「ねえ、ジョー」
「なんだい?」
「あなたが着ているその服のことだけど」
「これかい? これはギルモア博士が作ってくれた、00ナンバー専用の戦闘服だよ。
 もっとも、今着ているのは強化服でもなんでもない、ただの同じデザインの服みたいだけど」
「あなたの仲間も、みんなこの服を着ているの?」
「そうだけど……それがどうしたんだい?」

ジョーが返した疑問を、ドロシーはただの一刀で切り返した。

「あなたたちの服の趣味、サイテーだわ」

これにはさすがのジョーも、苦笑せざるを得なかったのだった。



バトルロワイアル開始から30分。夜明けはまだ遠い。





522 :WE HAVE CAME TO TEAM? ◆F4.EWurSRc :08/01/31 03:11 ID:AXwfTd8I
【G-5 岩山中腹/一日目・深夜】

【009(島村ジョー)@サイボーグ009】
[状態]:健康
[装備]:無し
[道具]:支給品一式、ランダム支給品1〜3(未確認)
[思考・状況]
基本思考:殺し合いを止め、シグマを倒す。
     例え戦闘になっても、相手を破壊することだけはしたくない。
1:岩山を下り、その後工業コロニーへと移動する
2:とりあえずドロシーと情報交換がしたい

※ブラックゴースト編終盤(平成アニメ版・第16話)からの参戦です。
※ドロシーとはほとんど情報交換をしていません。
※00ナンバー強化服は、同デザインの通常の服と交換されています(加速に耐えられる素材のようです)。


【R・ドロシー・ウェインライト@THEビッグオー】
[状態]:健康
[装備]:無し
[道具]:支給品一式、ランダム支給品1〜3(未確認)
[思考・状況]
基本思考:パラダイムシティへ戻る。
1:帰るための手がかりを探す。
2:壊し合いには興味がない

※第1シーズン終盤からの参戦です。
※ジョーとはほとんど情報交換をしていません。
 また、特に一緒に行動するつもりがあるわけではないようです。
※下山後の目的地はお任せします。

523 :Classical名無しさん :08/01/31 03:11 ID:lVgfI1dI
 


524 : ◆F4.EWurSRc :08/01/31 03:12 ID:AXwfTd8I
投下完了。
ドロシーのセリフ回しがうまくいってればいいのですが。
ご意見ご感想等、ありましたら是非是非。

525 :Classical名無しさん :08/01/31 03:15 ID:lVgfI1dI
殺し合いの場ではあるがやっぱりジョーはこうでなきゃあ。カッコいいよ! GJ!
ドロシー、確かに真っ赤に黄色ボタンは趣味が悪いですよねww


526 :Classical名無しさん :08/01/31 03:20 ID:uBp4me0I
乙です!
やっぱあのデザインはドロシー嬢から見ればサイテーなのかw

527 :修正 ◆INXPusdxAI :08/01/31 03:22 ID:cEZZI8JI
>>400修正
>ずががががん、という映画でも聞けない連続重低音が辺りに鳴り響く。
>おぉ、すげー臨場感などと、場違いな感想を抱くR。

 じぃぃぃ……という意外に地味な連続音が当たりに鳴り響く。
 物足りないなぁなどと、場違いな感想を抱くR。

>>401修正
>突然の銃撃だった。
>とっさに、身を翻し避けたのだが、気付くのが遅れたら殺されていただろう。

 突然の銃撃だった。
 初撃が外れたおかげで襲撃に気付くことが出来、とっさに避けたのである。
 音速よりも早い銃弾は、音を聞いてからでは避けられない。
 最初の一撃が当たっていれば、パンタローネとて即死だったろう。

>>402修正
>[装備]:グロスフスMG42

[装備]:グロスフスMG42(予備弾数不明:本人も未確認だが、まだ十分あると認識)


以上のように修正します。
銃については、こちらを参照ください。
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%AD%E3%82%B9%E3%83%95%E3%82%B9MG42%E6%A9%9F%E9%96%A2%E9%8A%83

528 :Classical名無しさん :08/01/31 09:09 ID:cxA0XTgg
>◆2Y1mqYSsQ.
良はここでは対主催か
ハカイダーも対主催マーダーらしい
正々堂々としたキャラがいい!
結局良は負けたのは残念だが
その分ハカイダーが活躍してくれそうだ

>◆F4.EWurSRc
ジョー、かっきーなぁ
対主催の一人としてがんばってほしい

529 :Classical名無しさん :08/01/31 12:03 ID:95C7KFc2
>>524
趣味悪い吹いたwww
原作知らないんだが、ドロシーはいいキャラしてるなぁ。
GJ!

530 :修正1 ◆wKs3a28q6Q :08/01/31 12:48 ID:95C7KFc2
>>278
>あるのは、埋めることの出来ない攻撃手段の殺傷力の差。
>片やパートナーが詠唱を終えるまでの時間稼ぎが本職なため、殺傷能力の高い兵器を持ち合わせないロボット。
>片や楽器の音波で攻撃を仕掛けたり相手を炎で包み込み焼き殺したりと虐殺のための兵器を備えたからくり人形。
>真剣に殺し合えばどちらが勝つかは言うまでもない。
>格闘戦の心得がある茶々丸といえど、気を練った拳で頭部を破壊でもしない限り相手を殺害する事は不可能に近い。やわな人間ならともかく、相手もそれなりの頑丈さを持ち合わせているのだから。



あるのは、必殺の威力を持つ攻撃の命中率の差。
アルレッキーノの掌から繰り出される炎は、広範囲に広がるため大雑把に標準を定めるだけで十分当たり得る。
しかし茶々丸のレーザーは直線的だ。相手が発射口の直線上にいなければ当たらない。
不意打ちの一撃で仕留められればいいが、失敗した場合は後がなくなる。実力者にとって不意を打たないレーザーなど、拳銃の弾と同じで回避しやすい存在なのだ。
だから、格闘戦の心得がある茶々丸は肉弾戦を選んだ。炎をかいくぐって接近するのは難しいが、チャンスでもない時にレーザーを当てる事に比べたらまだ楽だ。
茶々丸の中では、超以外に高度なロボットを生み出す技術を持つ者などいない。よって、茶々丸はアルレッキーノを“体の一部を機械化した人間”と判断していた。
人体の急所やどれだけの衝撃で人間が死ぬかは知識として持っているので、うまくやれば格闘技だけでも倒せるとさえ考えた。
気を練った拳で頭部を破壊でもしない限り、素手で自動人形を殺害する事は難しいのだが、そんな事は思いもせずに。
その結果が、このざまだ。

に修正します。

531 :修正2 ◆wKs3a28q6Q :08/01/31 12:57 ID:95C7KFc2
>>285
>マグネットが引っ付かなければ人間の可能性を考慮し、引っ付いたら自動人形と――少なくとも人ならざる者と判断して始末しよう。



心臓部付近か首から上にマグネットが引っ付かなければ、鳴海のように体の一部を機械化した人間という可能性を考慮しよう。
だが、人体の核となるそれらの部分にマグネットが引っ付いたら、そいつはまず間違いなく人型の自動人形だ。奴らはすみやかに始末しなくてはならない。

に修正し、

>>288
>背後から投げた磁石が引っ付いた事から見ても、こいつが自動人形である事に間違いはないのだ。



背後から投げたマグネットが狙い通り首筋に引っ付いた事から見ても、こいつが自動人形である事に間違いはないのだ。

に修正します。
ご迷惑おかけしました。

532 : ◆V9YQ4knn.A :08/01/31 14:59 ID:lVgfI1dI
城茂、ミーの 突っ走れ! 【Side.S & M】 のOPとの矛盾を修正したものを、したらばに投下しました。すみません


533 : ◆KJJLTUDBrA :08/01/31 17:03 ID:z9rPg9ko
ゲジヒトとバロットを投下します。
誰かいたら支援よろしくお願いします。

534 :ロボット刑事と少女事件屋の巻 ◆KJJLTUDBrA :08/01/31 17:06 ID:z9rPg9ko
ゲジヒトは混乱していた。
彼はユーロポールが誇る世界最高のロボット刑事であり、現在は連続ロボット破壊事件を捜査している。
その過程で彼は、エプシロンからプルートゥらしきロボットの画像を手に入れた。
だが今の彼には、それから先の記憶がないのである。
ペルシアにてダリウス14世と面会し、そのあとエプシロンと会ったことまでの記憶はあるが、それ以後の記憶がない。
直近の記憶は、彼と同じようなロボット達が集められた部屋で目を覚まし、ロボットらしき男から、
『殺しあえ』などといわれたものである。明らかに不自然なところで記憶が途切れている。
「……何が起こった?」
彼は、自分の記憶チップをスキャンする。何か手がかりがないか、と考えて。
しかし、記憶の断絶以外は特に異常は感じられない。それがまた、彼の不安を掻き立てた。
「まさか、私はまた記憶を……」
彼は一度、記憶を改ざんされたことがあり、しかし不完全ながらもそれを取り戻した。
改ざんされた理由は、それが多くの人にとって都合の悪い事実だったからである。
ロボットが人を殺した……それは、社会をひっくり返すには十分すぎるスキャンダルだからだ。
「記憶を……消されたのか? だが一体誰が……」

535 :ロボット刑事と少女事件屋の巻 ◆KJJLTUDBrA :08/01/31 17:07 ID:z9rPg9ko
そこで彼は一つの可能性に至る。捜査の過程で何かを見、あるいは何かをして、その結果記憶を消されたのではないか、と。
「……だとすると、彼らはプルートゥと繋がっている?」
いや、と彼は首を振った。今はデータが少なすぎてなんともいえない状況だ。
まずは状況を把握することが先決だろう、と彼はいつの間にか懐に入っていたPDAを取り出した。
初めに目に付いた名簿を呼び出す。すぐに彼は、一つの名前に目が留まった。
(セイン、チンク……確かあの殺された少女ともう一人の……)
シグマと名乗った男を睨んでいた、眼帯をつけた少女を思い出す。
それと同時に、バラバラになった彼女のことも思い浮かんだ。
(どうやら彼女らは知り合いだったようだが……チンクという少女は、あれを見て何を思ったのだろう)
怒りだろうか、悲しみだろうか。
バラバラの死骸のイメージから、二年前にあの男に殺された幼児型ロボットの残骸や、
ブラウ1589、ペルシア、ボラー調査団のことなど、様々なイメージが連想される。
そして、自らが抱いた最も恐ろしい感情、『憎しみ』のことも。
「だめだ……逃げちゃだめなんだ……」
いつしかPDAを操作する彼の手は止まっていた。

536 :ロボット刑事と少女事件屋の巻 ◆KJJLTUDBrA :08/01/31 17:08 ID:z9rPg9ko
□ □ □ □ □ □
ルーン・バロットは困惑していた。
宿敵ボイルドを倒し、疲れてぐっすり眠り、起きたらこのようなよくわからないところに放り込まれていたのである。
幸い疲れは取れているものの、困惑しない方がおかしいだろう。
それに、彼女はロボットではない。あの男は『ロボットの諸君』などと言ったが、勘違いもいいところである。
ただそんなことより、彼女にとってはもっと大事なことがあった。
(ウフコックはどこ?)
彼女の無二の相棒であるウフコックが近くにいないのである。手元にあるのは、PDAが一つだけ。
見回した周囲に彼の姿はなく、彼女はむう、と唸る。
とりあえず、何か情報を引き出せないかとPDAに干渉しようとして、若干の違和感に気付いた。
バロットの皮膚は、ほぼ全て人工の物に移植されているが、その能力は三つある。
一つは皮膚感覚の加速装置であり、これにより、体感覚を何倍も鋭くできる。
もう一つは電子的探知能力。これはいわゆるレーダーであり、周囲の物体を立体的に把握するものである。
そして最後が、電子操作だ。ありとあらゆる電子機器に対して干渉ができる能力が、その正体である。
一つ目と二つ目の能力に問題はなかった。周囲の把握は問題なく行われている。ただ、わずかに肌がチリチリするだけだった。
問題は三つ目である。
たとえるならば、腕が突然短くなってしまったような感じだろうか。あるいは水中で手を伸ばしたときのような感覚だろうか。
手に持って操作している分には問題はないけれど、普段届くと思っている距離に手が届かない、そんな感覚である。
ためしに彼女は、PDAを床に置いて離れてみた。

537 :Classical名無しさん :08/01/31 17:08 ID:uW6IMJUc
sien

538 :ロボット刑事と少女事件屋の巻 ◆KJJLTUDBrA :08/01/31 17:10 ID:z9rPg9ko
一歩二歩、と歩くごとに、バロットはPDAへの干渉能力が極端に下がっていくのを感じた。
そして、十歩ほど歩いたところ、ほぼ完全に干渉できなくなった。
(困った)
普段の数分の一の距離である。日常生活には問題がないが、いざ戦闘になると危険かもしれない。
彼女は違和感の原因である、いつの間にかされていた首輪に触れた。
どうも、この首輪から微弱な電磁波か何かが発せられていて、それが彼女の電子的干渉を弱めているらしい。
(それにこれは……爆薬?)
意識を首輪に集中させてみると、その電磁波の所為か大まかにしかわからないが、
首輪の内部になにやら信管のようなものがあるのがわかった。
そういえば、と彼女は思い出す。体内に爆弾を仕込むとかいうことをあの男が話していたことを。
彼女の体は、皮膚を除けばほとんど生身である。だからこのような首輪をしたのだろうと、彼女は考えた。
(外すのは危険ね)
無理やり外そうとすれば、信管が作動するだろう。そう思ってバロットは手を離す。
(まずは、この感覚に慣れなきゃ……)
彼女はPDAの元へ戻り、それを拾いあげる。
さて、と再び干渉しようとして、バロットは近くで声がするのに気付いた。


539 :ロボット刑事と少女事件屋の巻 ◆KJJLTUDBrA :08/01/31 17:11 ID:z9rPg9ko
猫のように音も立てずに気配のした方向に近づき、部屋の入り口の陰から覗くと、
そこには茶色のスーツを着た男がぼんやりと立っているのが見えた。
男の背で見えないが、PDAを持っているのがわかる。もっともその内容まではわからないが。
(……ロボット?)
彼の姿は、バロットには一見人間にしか見えなかった。
だが、あのシグマなどと名乗った男が言ったのだから、大半がロボットなのだろう、と思い直す。
それに、男は仁王立ちしたまま微動だにしない。それこそ不自然なまでに。
しかし彼女にはどういうわけか、その姿がとても小さく、弱々しいように見えた。
(声をかけてみよう)
いつものように首もとのチョーカーに干渉しようとして、そこにあるのが爆弾付の首輪だけ、と言うことに気付く。
それが彼女を苛立たせたが、同時に、相手が殺し合いに乗っているかもしれない、という可能性も思い出した。
どうするべきか、と彼女は考える。万一相手が殺し合いに乗っていた場合、丸腰のこちらは圧倒的に不利だ。
だからといって、仲間が欲しくないといえば嘘になる。シェルやボイルドを相手取ったあの戦いも、
ドクターやウフコックという心強い仲間がいたからこそ、彼女は勝利を収めることができたのだ。
(私はウフコックの元に戻る。そして、ここから脱出するには仲間が必要)
彼らのような人物がそうそう多くいるとは思えないが、そのような人物と接触できればここから脱出する手段も見つかるだろう。
もっとも、自分を利用するだけ利用するような人にはお帰りいただくが。
方針が決まったところで、バロットは目の前の男に話しかけることにした。
いつでも逃げる準備をして、スナークの手を伸ばす。
PDAに干渉してテキストを表示させる、ということもできるが、この場合、相手がPDAを見ていない時は意味がない。
それに、突然メッセージが流れれば、きっと驚くだろう。
だから彼女は、男の聴覚素子に干渉しようとした。

540 :ロボット刑事と少女事件屋の巻 ◆KJJLTUDBrA :08/01/31 17:12 ID:z9rPg9ko
しかし。
(…………!)
彼女は驚愕した。干渉できなかったのだ。
相手が生身だった、ということではない。それならば、彼女にはわかる。
問題は相手がロボットであり、にもかかわらず彼女の干渉を受け付けなかったからである。
透明なガラスに気付かずに、突っ込んでしまったようなイメージ。
その驚きが、彼女の体のバランスをわずかに崩す。
靴が床とこすれて、ザリ、という音がした。
バロットでさえ、聞き逃しそうな小さな音。
だが、その音に男は迅速に対応した。
「だれだ!」
男が左手をこちらに向けた。いつの間にかそれが銃の形に変形している。
(ターン?)
それを知覚して、バロットはウフコックを思い浮かべた。だが、それどころではないことを思い出す。
このまま逃げることは簡単だが、さてどうするか、と彼女は考え込む。
もし相手が殺し合いに乗っていた場合、悠長に銃を構えていないだろう。すぐにこちら側に回りこんでくるに違いない。
だが、男はそのような素振りを見せなかった。
「私はユーロポールの特別捜査官、ゲジヒトだ。武器を捨てて出てきなさい」
(警察?)
それを聞いて彼女は男に興味が沸いた。
男がロボットであることは確認済みである。そしてそのロボットが自分を警察官だと名乗ったのだ。
どこのSFの話だと思ったが、現実に目の前にいるのだから仕方がない。
彼女は、相手が発砲してきたらすぐに扉の陰に飛び込めるように身構えたまま、両手を挙げて彼の前に出た。

541 :Classical名無しさん :08/01/31 17:12 ID:xmtZCEiU



542 :ロボット刑事と少女事件屋の巻 ◆KJJLTUDBrA :08/01/31 17:13 ID:z9rPg9ko
□ □ □ □ □ □
「人間……か」
ゲジヒトは、現れた少女が丸腰で、なおかつ人間であることを確認して銃を下げた。そのまま手を元に戻す。
少女が目を見開いて驚いていたが、意に介さずゲジヒトは彼女に聞く。ただし今度はきちんと丁寧語である。
「失礼。先ほども言ったように、私はユーロポールの刑事、ゲジヒトです。本来なら人間のあなたは早急に保護して、
 ここから脱出させたいのですが、今は時間がない。捜査に協力していただけませんか?」
彼女は首元を触り、首輪があるのを見て複雑な表情をした。だがすぐに、自分ののどを指差した。
それを見てゲジヒトは彼女が喋れないことをすぐに理解した。
「では、PDAで筆談を……」
ゲジヒトはPDAを彼女に渡そうとしたが、彼女は首を横に振った。
そして、ゲジヒトに見せるように、自分のPDAを軽く持ち上げる。
「自分のを使うと」
だが、それにも彼女は首を横に振った。ゲジヒトは眉をひそめた。
「だがそれでは……」
少女が両手をゲジヒトに向け、彼は言葉をとめる。
そこで彼女は、彼の持っているPDAを指差した。
ゲジヒトがPDAを覗くと、そこには起動したはずのないテキストエディタが開いていて、そこには文字が記されていた。
『私はこれで話せる』
それをみてゲジヒトは少女をまじまじと見つめる。
「これは、あなたが?」
コクリ、と彼女は頷いた。
『私はバロット。ルーン・バロット。マルドゥックシティの……事件屋の一人』
「マルドゥックシティ? 私はそのような都市は聞いたことがないが……それと、事件屋というのは?」
ゲジヒトの記憶にはそのような都市はなかった。いくつかの例外を除けば、ロボットは忘れるということはない。
バロットは首を傾げたが、文字を続ける。

543 :ロボット刑事と少女事件屋の巻 ◆KJJLTUDBrA :08/01/31 17:14 ID:z9rPg9ko
『委任事件担当捜査官、つまり、事件を解決してお金を稼ぐ人。あなたに協力してあげたいけど、内容を聞くまでなんともいえない』
では、とゲジヒトは事件の概要を説明する。それをバロットは腕を組んで聞いていた。
説明が終わり、バロットは再びゲジヒトのPDAをスナークする。
『わかった。私の知らない単語も多いみたいだけど、協力する』
「ありがとう。感謝しますバロットさん」
『その代わり、私がマルドゥックシティに帰る手伝いをして。それと私はバロットでいい。敬語は要らない』
ゲジヒトが少し沈黙する。
「……ああわかった。私も君に協力する。……これでいいかい?」
バロットは頷いた。

『ところでゲジヒト。さっきあなたに声を掛けようとしたんだけど、できなかったのは何故?』
「ん? ああ、君の能力の話か。私の体は特殊合金製で電磁波や熱線の類は効かないんだ。多分それの所為だと思うけど」
彼女はぽかんと口をあけた。
『なるほど。じゃあ、あなたに声を掛けるときはどうすればいい?』
いつでもPDAを見ているわけにはいかないだろう、というのがバロットの言い分だった。
「それだったら、私の通信機の方に働きかけてみてくれ。それなら大丈夫だ」
彼女は頷いた。
《聞こえる?》
「ああ、聞こえる。これならPDAを常に見ている必要はないな」
よかった、とバロットは胸をなでおろした。

544 :Classical名無しさん :08/01/31 17:15 ID:xmtZCEiU




545 :Classical名無しさん :08/01/31 17:16 ID:uW6IMJUc
ssienn

546 :Classical名無しさん :08/01/31 17:16 ID:xmtZCEiU





547 :Classical名無しさん :08/01/31 17:16 ID:uW6IMJUc
x.sien.y

548 :ロボット刑事と少女事件屋の巻 ◆KJJLTUDBrA :08/01/31 17:16 ID:z9rPg9ko
□ □ □ □ □ □
バロットは、ゲジヒトを見ながら考えていた。
もしウフコックに会うために、ここにいる全員を皆殺しにしたら、彼はなんと言うだろうか、と。
きっと彼は、自分のことを肯定してくれるだろう。だけど、きっと彼は内心で悲しむのだ。
ボイルドと最後に戦う前、ウフコックは言った。
『我々は殺さない。我々は殺されない。我々は殺させない』
結果としてボイルドを救うことはできなかったけれど、この約束はまだ有効だ。
それに、皆殺しによって事件を解決するようではボイルドと同じだ。
それではだめだ、ということをバロットは十分に理解していた。
だからこそ彼女は、仲間を集めることにしたのである。

《まずはPDAの中の情報を、調べなきゃ》
ああ、とゲジヒトは言う。まだ自分は名簿を途中までしか見ていなかった、と。
バロットも、能力に違和感があったり、ゲジヒトを見つけたりで少しもPDAを調べていなかった。
地図を呼び出して調べると、ここはどうやらB-7のビルの中らしい。
窓から立ち並ぶ高層ビルと、その間から電波塔が見えたからだ。
ちなみにこの作業は、PDAを少しはなれたところに置き、手で触れずに行っている。
少しでも今の感覚に慣れるためである。
そのまま彼女は、名簿を呼び出した。ドクターやウフコックが巻き込まれていないか知るために。
だが、彼女はそこで、あるはずのないものを見つけ、ここに来て一番の驚愕を味わった。
『ディムズデイル・ボイルド』
それは死んだはずの最強の悪夢にして、悲しき怪物の名前だった。


549 :Classical名無しさん :08/01/31 17:18 ID:xmtZCEiU



550 :ロボット刑事と少女事件屋の巻 ◆KJJLTUDBrA :08/01/31 17:18 ID:z9rPg9ko
【B-7 都庁風ビル東棟・低層階/一日目・深夜】
【ゲジヒト@PLUTO】
[状態]:健康、記憶障害?
[装備]:睡眠ガス銃(左)、SAAW特殊火器『ゼロニウム弾』(右)(各一発)
[道具]:支給品一式、不明支給品1〜3
[思考・状況]
1.主催者に関する調査を、他の参加者協力を得て行う。
2.主催者とプルートゥの関係を調べる。
3.自分の失われた記憶を取り戻す。

※参戦時期不明。単行本5巻までの記憶を保持。記憶が消去された可能性あり。

【ルーン・バロット@マルドゥックシリーズ】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、不明支給品1〜3
[思考・状況]
1.ボイルドが……どうして。
2.ドクターやウフコックみたいな信頼できる参加者を探し、ウフコックの元へ帰る。
3.弱体化したスナーク能力に慣れる。
4.現在はゲジヒトに協力。

※スクランブル終了後から参戦。
※電子機器に対する干渉能力の大きさは、距離に反比例します。参加者に対しても同様。限界距離は6〜8メートル。
 至近距離でも、人工心肺などの対象の生命活動にかかわるものを停止させることは不可能です。(阻害は可能)

551 : ◆KJJLTUDBrA :08/01/31 17:21 ID:z9rPg9ko
以上で投下終了です。支援ありがとうございました。

この二人、微妙に制限に困ったんですが、このような形にしました。
ゼロニウム弾については一発のみなのでよいかな、と。
バロットのほうは……うーん。どうでしょう?

552 :Classical名無しさん :08/01/31 17:23 ID:xmtZCEiU
キタキタキタキタキタキタキタキタアアアァァァァッ!!
バロット&ゲジヒトコンビ!スクランブル終了後ってことはアシュレイとのBJ後かw
文が凄い上手いし改行なしでも読みやすいのが素敵
続きが気になるし自然に書きたくなる、もう既にリレーしたくてしょうがないぜw

553 : ◆INXPusdxAI :08/01/31 17:41 ID:uW6IMJUc
コロンビーヌ投下します。

554 :迷子のコロンビーヌ ◆INXPusdxAI :08/01/31 17:41 ID:uW6IMJUc
 彼女は困っていた。
 というより、自分が困っていることすら理解できていなかった。

「白金様がいない」
 辺りを見回してみるが居ない。
 フランシーヌ様も居ない。同士であるアルレッキーノやドットーレ、パンタローネも居ない。
 生まれてからずっと、クローグ村で育った彼女にとってこれは初めての事態。
 今まではずっと、白金が彼女に命令を与えてくれていた。
 行動指針は白金が決めてくれていた。
 にもかかわらず、なぜか白金は消えてしまった。
 どうしたらいい?
 それが全く分からない。

 シグマと名乗った自動人形の台詞を思い出してみる。
──ここに集められたレプリロイドの諸君……いや、ロボットと呼ばねば分からん者が多いか?
──私の名はシグマと言う。ここに呼び出されたものの一部は知っていると思うがな。
 レプリロイド、ロボット。どちらも知らない言葉だ。
 一体、彼は何を言いたかったのだ。サッパリ分からない。

──騒ぐなエックス。まだ話は終わっておらん。
――諸君には、特別に設営された舞台で殺し合いをしてもらう。
 エックス。前後の文脈から判断して、自動人形の固体名だろう。
 他に分からない単語はない。
 でも、殺し合いなんて言っているが、自分に命令していいのは白金様とフランシーヌ様のみ。
 言うことを聞く理由は見当たらないので、とりあえず無視して良いだろう。



555 :迷子のコロンビーヌ ◆INXPusdxAI :08/01/31 17:42 ID:uW6IMJUc
――我々の場合壊し合いという方が適切ではあるがな。
──勘付いた者もいるだろうが……ここにいる者の全ては身体構成の一部に機械を使っている。
──もっとも、戦闘用ロボットだけを集めたわけではない。よって道具が無いと戦えない者もいるだろうが、
──その点に関してはこちらから武器を配布しよう。何が入っているかは運次第だがな。
 また、ロボットという分からない単語が出てきた。
 文脈から推測するに、自動人形の事か?
 武器を配布すると言っていたが、どこにあるのだろうか。

──会場のマップやエネルギーパックなども同様。ただしこれらは全員に配っておこう。
──食料の方がいいという者も考慮して有機的な食料も入れてある。その点の心配は無い。
──なお、道具は全て配布済みの携帯端末に入っている。
──戻す際には取り出した端末が必要になるから十分注意をすることだ。詳しくはデータを見たまえ。
──さて……無論、ただで壊し合えと言うのではない。最後の一人として勝ち残った者には望みの報酬を用意しよう。
──金、物品、自身の改造強化、殺人依頼――死者の復活。思うが侭だ。
 長い言葉だ。それに、ほとんど意味が分からない。
 ケイタイタンマツに道具が入っているというが、自分は入れ物らしきものを渡されていない。
 要するに、シグマとやらは嘘吐きか。それだけ分かれば十分かな。

 後のことは、言葉を追っていくより、行動を見ていったほうが早そうだ。
 Bleuの髪を持った自動人形がシグマに襲いかかり、逆に爆破された。
 何をやったかわからないが、どうやらシグマとやらは分身能力と爆破能力を持っているらしい。
 それだけは分かった。


(さてと……要するに私は迷子になってしまったという訳か)


556 :迷子のコロンビーヌ ◆INXPusdxAI :08/01/31 17:42 ID:uW6IMJUc
 考えるだけ無駄だった。
 分からない言葉と現象が多すぎて、もう何が何やらサッパリになるだけだった。
 近くにフランシーヌ様か、白金様がいれば探して指示を仰ぐだけだ。
 あぁ、ついでにドットーレ達も探してみると良いかもしれない。
 自分の移動能力を考えると、クローグ村からそう遠くに離れてないだろうし。
 とりあえず帰ろう。帰る道を探そう。
 何のことはない、やることはそれだけだ。

 周りを見渡せば、どこを見ても自分の知らぬ風景ばかり。
 迷子になると見識が広がるのかもな。などと、くだらないことを考えつつ、コロンビーヌは仲間達とクローグ村を探して歩き始めた。


【B-6 北東/深夜】
【コロンビーヌ@からくりサーカス】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、不明支給品1〜3
[思考・状況]
1.白金、フランシーヌを探す。
2.ドットーレ達(最古の四人)を探す。
3.クローグ村に帰る。
※携帯端末(PDA)が何なのか理解していません。
※シグマに爆破能力と分身能力があると理解しました。
※シグマの言うことは信じていません。
※殺し合いの現状を理解していません。
※白金により作成された後、クローグ村にいる状態からの参戦です。


557 :Classical名無しさん :08/01/31 17:43 ID:uW6IMJUc
投下終了。

558 :Classical名無しさん :08/01/31 18:04 ID:ux2g.dTI
wiki用のロゴを試しに作ってみたのだが……センスねえw
ttp://www.youlost.mine.nu/html999/img/2985.jpg

559 :Classical名無しさん :08/01/31 18:09 ID:zBS//5N.
投下乙でしたw
>>556
コロンビーヌ嬢wwwww
なんか色々と心配になってきたw

>>558
字体をもうちょっと工夫すればだいぶよくなると思うよ

560 :Classical名無しさん :08/01/31 19:33 ID:85RSeUbQ
真夜中のサーカス結成前か。またすごい時期からよんだね。
スペックだけなら他の二人より上になるな。
最初に合流する仲間が誰かで行動ががらりと変わるよ。

561 :Classical名無しさん :08/01/31 20:04 ID:95C7KFc2
>>551
GJ!
どちらのキャラも知らないので制限についてはノーコメントで。
しかし今後が気になる奴らだ……


>>557
乙ー。コロン……お前って奴ぁ……
からくり勢はどのロワ行っても全キャラ参戦時期がバラけるのなw


>>558
無機質な感じが結構ツボだわw


>>560
パンタ様とアルレは「旧式のボディ」になったから新技術搭載の自動人形以下になったんじゃなかったっけ?
最も旧式なボディでのコロンとどっこいどっこいのはず

562 :Classical名無しさん :08/01/31 21:05 ID:3HcSBNjU
>>557
投下乙ですがこの時期からの参戦は非常に把握が難しい上、
この頃はまだ自意識を持っていないはずのため原作と矛盾していると思われます。

563 : ◆INXPusdxAI :08/01/31 21:27 ID:0hXB/sTI
了解です。
迷子のコロンビーヌは破棄にしてください。

564 : ◆1WtHqYWV9M :08/01/31 21:35 ID:KqNJCmfQ
>>551
投下乙!
二人とも自分は知らないんですけど興味が沸きました!
今度把握しようかと思います。
特にルーン・バロットが気になりますね!

>>558
個人的には十分良い出来だと思いますよ。
GJ!

>>563
乙です。またの投下に期待しています


という事でチンク姉、V3投下しますね。

565 :赤い戦士と銀髪隻眼少女の邂逅 ◆1WtHqYWV9M :08/01/31 21:38 ID:KqNJCmfQ
辺り一面が林で生い茂った森林地帯。
エリアF-5、森林地帯で一人の少女がその眼を開く。
但し、開かれた眼は二つではなく一つだけ。
嘗て彼女の右眼があった場所には黒い眼帯が付けられている。
薄い銀色が施された長い毛髪。
首元から足と指の先まで、青色のタイツのような戦闘服でそのしなやか身体を包み込んだ少女。
そして、厳密に言うと彼女は人間ではない。
彼女は生身の身体に機械を埋め込み、人工的に造られた存在である“戦闘機人”。
“NO.5”、チンクと名づけられた少女が一点を見つめ続けながら立ち尽くしていた。

「許せん、許せるハズがない……!」

己の歯をこれでもかと言わんばかりに軋ませ、チンクが歩き出す。
時空管理局の教育プログラムに入った自分が、何故戦闘服を纏っているかなどの疑問はどうでもいい。
今のチンクにはそんな事よりも絶対的な目的がある。
一つは自分の妹である“NO.9”、ノーヴェと合流、そして保護。
二つ目はあるターゲットに完全なる破壊を下してやる事。
そう。チンクの怒りの矛先が向う対象は――

「シグマといったな……貴様は私を怒らせた。
すぐに破壊してやる! 部品一つでも残してやるわけにはいかん!」

言うまでもなく先程自分達に殺し合いを、壊し合いをしろといったシグマ。
どうやら人間よりも、どちらかというと自分達に似た存在であるターゲット。
勿論シグマが言った、優勝者への褒美などチンクは全く信用していない。
またシグマの素性、目的なども今のチンクにはまるで興味がない。
何故ならチンクはもうシグマを破壊するために、必要な理由を十分過ぎる程に持ってしまったから。
いつも冷静な姿勢を貫き、落ち着いた性格であるチンクが思わず言葉を荒げてしまう程に。



566 :赤い戦士と銀髪隻眼少女の邂逅 ◆1WtHqYWV9M :08/01/31 21:39 ID:KqNJCmfQ
「すまないセイン……姉は……姉は何も出来はしなかった。
だが見ていろ、必ず姉が仇を討ってみせる!」

先程無残にもシグマによって破壊された“NO.6”、セイン。
掛け替えのない姉妹である、セインが感じたであろう痛みをチンクは痛烈に感じていた。
チンクにとってセインは同じ姉妹の仲でも特に仲がよく、感じた痛みはより一層強い。
その痛みと、そして悲しみをシグマへの憎しみを変えて、チンクは黙々と歩き続ける。
小さな身体に大きな決意を忍ばせながら。


ノーヴェと合流するため、暫く歩き続けていたチンク。
やがて彼女の前方に眩いヘッドライトを光らせながら向ってくる物体が一つ。
車体の全部に虫の頭のようなデザインのマーク。
仮面ライダー1号、本郷猛が愛用していたサイクロン号がチンクの数メートル先で停車した。

「お前、ノーヴェという赤毛の少女を知らないか?
私と同じような格好をしているかもしれないのだが」
「知らんな」

歩いていた時に弄くっていたPDAによってこの会場の広さを知ったチンク。
そのため一刻も早くノーヴェの行方を知りたいチンクの問いに、サイクロン号に跨った男が無愛想に答えた。
だが、その男の返答にチンクは特に落ち込んだ様子はなく、ジッとサイクロン号を見つめ続ける。
そんなチンクの行動に対して、男は彼女に向けて視線を向け続けていた。
お互いただ、一言も喋らず無言のままに。

「そうか……ならば私はお前に問おう」

そんな静寂の空間でチンクが口を開く。
その言葉に男はほんの僅かに眉を動かせ、チンクの行動を観察する。
まぁ、男にはチンクが何を言おうとしているのかおぼろげながら予想は付いていたが。



567 :Classical名無しさん :08/01/31 21:41 ID:u9JFPHSI


568 :Classical名無しさん :08/01/31 21:41 ID:3HcSBNjU
 

569 :赤い戦士と銀髪隻眼少女の邂逅 ◆1WtHqYWV9M :08/01/31 21:41 ID:KqNJCmfQ
「お前が乗っている、その移動手段を私に譲れ。素直に応じてくれるのであれば一切の危害は加えない。
断るのであれば…………」

この広い会場を移動するのに、紛れもなく重宝すると思われるサイクロン号。
勿論、チンクにとってもサイクロン号は魅力的なものであり、彼女はそれを狙っていた。
一刻も早く何処に居るかはわからないノーヴェの元へ向いたいチンク。
そのためにはサイクロン号は有益なものであり、チンクは目の前の男に理不尽な要求を行う。

「力づくでも奪わせてもらう。私にはそれだけの目的があるからな……!」

要求を言い終わったや否や、チンクは予めPDAによって転送を行い隠し持っていたナイフを握り締める。
何故か没収されていたスティンガーとは違い、とあるナイフ芸人が愛用した六本のナイフ。
それらのナイフを両腕で構える事で目の前の男を威嚇するチンク。
最早その表情には、自分の行動に対しての一片の後悔も見える事はない。
只、鋭い眼光でチンクは真っ直ぐ目の前の男を睨み続ける。

「俺もなめられたものだな……くだらん」
「なっ!?」

だが、そんなチンクの言動や行動には全く動じず、男はサイクロン号から降り立つ。
その時、チンクは自分の背筋になにか小さな震えが起きたような感覚に陥る。
何故なら今自分の目の前に居る男の眼光があまりにも鋭かったから。
いいたとえるなら大空を舞う隼のように、気高い意思を秘めた眼差し。
チンクは無意識的に目の前の男に対して僅かに恐怖を抱いていた。


570 :Classical名無しさん :08/01/31 21:43 ID:cxA0XTgg
ライダー支援!!

571 :Classical名無しさん :08/01/31 21:43 ID:3HcSBNjU
.

572 :赤い戦士と銀髪隻眼少女の邂逅 ◆1WtHqYWV9M :08/01/31 21:44 ID:KqNJCmfQ
「貴様の目的とやらは復讐か? そんなつまらん目的では俺を倒すコトはできん」

男にはチンクの目的が何か見当は付いていた。
始めの地で、セインを破壊したシグマに対して怒りの感情を滲ませていたチンク。
そんなチンクの存在を男は覚えていたからだ。
そして男の言葉にチンクは表情を歪ませる。

「なんだと……? セインがあのシグマというヤツに破壊され、私がセインの仇を取る。
その私の行動が……お前はつまらないというのか!?」

男の言葉に対して、湧き上がった驚きや怒りが混ざった不愉快な感情。
自分がこの殺し合いでやらなければならない行動を真っ向から否定した男。
そんな目の前に立つ不快な男との距離を、一歩一歩確実にチンクは詰める。
まさに一触即発ともいえるこの状況。
両者の視線が互いに衝突し合い、見えない火花が飛び散る。

「その通りだ。復讐に固執する限りシグマというあの男にも、俺にも勝つコトはできない」
「ならば覆してやる……そう、私がお前を倒すコトで!」

再度放たれた男の言葉を受け、チンクが走り出す。
両腕には依然銀色の光を帯び、しっかりと握られたナイフ。
そのナイフを全力の力で男の身体を切り裂き、突き刺すためにチンクは疾走する。
自分の行動を嘲笑うかのように、言葉を言い放った男を後悔させるためにも。



573 :Classical名無しさん :08/01/31 21:45 ID:XsmcQ1KA
 

574 :赤い戦士と銀髪隻眼少女の邂逅 ◆1WtHqYWV9M :08/01/31 21:45 ID:KqNJCmfQ
「いいだろう。俺がお前に闘い方を教えてやる。そして――」

迫り来るチンクを、男は観察しながら言葉を発する。
チンクにはナイフという武器があるが、男には支給されたPDAのみ。
だが、男には何も恐れるものなどない。
彼には昔、手に入れた掛け替えのないものがあるからだ。
正義のために生き、闘い、そして今もBADANとの闘いを続けている男。
その男の名は――――

「この風見志郎が教えてやる、復讐の力がいかにちっぽけなものだというコトをな」

風見志郎。
そう。男の名は風見志郎といった。
人体を機械の身体に改造した一人の改造人間がその場に立っていた。

「ハッ!」

両腕を力一杯振り、両腕に握ったナイフをチンクは志郎の方へ投げる。
チンクの腕から放たれたナイフの数は合計四つ。
四本のナイフが志郎の元へ向うが、彼は僅かに左右に身体を逸らす事で回避する。
だが、そんな志郎の行動もチンクの計算の内であった。
常人とは違う存在である戦闘機人が誇る、優れた身体能力を引き出し、チンクが志郎との距離を一気に詰めきる。
その両腕には血に飢えたナイフが二本。
力を込め、チンクは右腕に逆手で握られたナイフを右斜め上から志郎に向って振り下ろす。



575 :Classical名無しさん :08/01/31 21:45 ID:KmvEUbQU
支援

576 :赤い戦士と銀髪隻眼少女の邂逅 ◆1WtHqYWV9M :08/01/31 21:46 ID:KqNJCmfQ
「ちっ!」
「なかなかの速さだが踏み込みが甘いな……なっていない」

完全にターゲットを捉えたハズの一閃。
だが、チンクのその一閃は志郎が後方に足を引いた事で難なく避わされる結果となった。
会心の一閃どころか、自分のナイフが志郎にかすりもしなかった事にチンクは驚く。
しかしチンクは咄嗟に左斜め下に崩れた体勢を整え、今度は左腕に力を込める。

「ハァァァァッ!」

たった今、後方へ傾いた志郎の腹部にチンクは狙いを定める。
ゼスト・グランガイツ、スバル・ナカジマなどといった強敵との実戦で培われたチンクの戦闘センス。
その戦闘センスに戦闘機人として調整された反射能力が合わさり、チンクの左腕が突き出される。
勿論、その腕に握られたものは二本目のナイフ。
チンクの左腕と共に一切の揺れも生じさせず、ナイフが志郎の身体に向って突き進む。
一瞬の間も置かない連続の斬撃を行えた事にチンクは確かな手ごたえを感じた。
今度こそ捉えた、チンクはそう確信したが――

「なんだと!?」
「次の動作への入り方も悪くはない。だが……」

志郎はチンクの動作よりも速く地を蹴り、跳躍し彼女の頭上を飛び越えていた。
空中で綺麗に一回転を行い、志郎はチンクの後方へ両脚から降り立つ。
跳躍した志郎の方へチンクは急いで振り向き、両腕のナイフを構える。
ISのような技能を使用したのかとチンクが思ってしまうほど、志郎の身のこなしに彼女は警戒を強めた。

「やはりお前の攻撃からには恐怖を感じるコトはない。
復讐の力など……所詮この程度だ」



577 :Classical名無しさん :08/01/31 21:46 ID:XsmcQ1KA
  

578 :赤い戦士と銀髪隻眼少女の邂逅 ◆1WtHqYWV9M :08/01/31 21:47 ID:KqNJCmfQ
そう言い終った途端、志郎は数歩の助走を経てチンクへ飛び掛る。
いくら正義のために闘う志郎であれども、全く反撃をしないわけもない。
チンクとの距離はそれほど離れていたわけはなかったため、一瞬で彼女の目の前に辿り着く志郎。
志郎の左腕が振るわれた事でチンクに繰り出された一撃の拳。
その拳をチンクは、先程志郎がやってみせたように後ろへ飛びのく事で回避する。

「こちらが本命だ、トオ!」

だが、空を切った左拳はあくまでもフェイント。
本命である右脚を振り上げ、チンクの頭部へ向けて志郎はハイキックを繰り出す。
予想以上に速い志郎の連撃に反応し切れなかったチンク。
そんな彼女は両腕をクロスさせ、防御の姿勢をとる。
今まさに繰り出そうとしている一撃目で、防御の姿勢を解き、更に追撃の一撃で沈黙させようと志郎は思考を走らせる。

「ムッ!これは!?」
「私を甘く見るな!」

しかしここにきて初めて志郎は驚きの声を上げ、驚愕の表情を浮かべる。
何故なら突如チンクの周りに黄色の色を帯び、円錐型をした障壁のようなものが展開。
その障壁が志郎の右脚を阻んでいたからだ。
障壁の正体はナンバーズ全員が発動を行える防御障壁。
たとえ改造された志郎の右脚といえども打ち破るのは容易ではない。

「復讐だろうがなんだろうが……私は妹のノーヴェを守り、セインの仇を討つ!」

今度は自分の反撃と言わんばかりに、チンクは再びナイフで志郎へ斬りかかる。
ハードシェルの特性に思わず驚いていた志郎は、遅れながらも回避。
更にもう一閃のナイフさえもチンクから距離を取る事で志郎は難を逃れる。


579 :Classical名無しさん :08/01/31 21:48 ID:u9JFPHSI


580 :Classical名無しさん :08/01/31 21:48 ID:3HcSBNjU
 

581 :赤い戦士と銀髪隻眼少女の邂逅 ◆1WtHqYWV9M :08/01/31 21:48 ID:KqNJCmfQ
「あの子が感じた痛みは決して忘れない……」

そんな時、志郎は何か後方で小さな音が響いているのを感じ取り、後ろへ視線を向ける。
志郎が感じた正体、それは先程チンクが投げた四本のナイフが再び空を切り、彼の元へ向う事で生じる音であった。
チンクにはナイフのような物体を完全に自由にとはいかないまでにも、操作する能力がある。
予想もしない再度のナイフの襲撃に、志郎は回避するべく横方向へ飛びのく。
目的地となる標的を失ったナイフが音をたてて地に突き刺さる。
だが、流石に反応が遅れたため志郎の左腰に一本のナイフが過り、赤い鮮血が地へ滴った。

「それが……それだけは……!」

咄嗟に更に隠し持っていたナイフを四本取り出し、チンクの両腕に握られたナイフは再び六本となる。
大地を蹴り飛ばし、後方へ一回転を行いながら跳躍するチンク。
その全てのナイフをチンクは一瞬、頭上にかざしたかと思うと即座に投擲を行った。
上方向から空を切りながら、志郎の方へ肉を、血を求めて殺到する六本のナイフ。
だが、志郎の反射能力、動体視力も到底平凡なものなどではない。
左腰の負傷など何も気にする様子もなく志郎は回避し、六本のナイフが地に突き刺さるが――

「私がセインにやってあげられるコトだ、あの子の姉としてな!」

六本のナイフが、いや先程の四本のナイフまでもが突如として音を立てて爆発する。
一つのナイフの爆発が起きれば、間髪を入れず他のナイフが爆破する多重爆破。
体勢を崩していた志郎の身体を爆煙が包むのは一瞬の事であった。


582 :赤い戦士と銀髪隻眼少女の邂逅 ◆1WtHqYWV9M :08/01/31 21:49 ID:KqNJCmfQ
「くっ……使いすぎたか」

段々と冷静さを取り戻してきたチンクは不機嫌そうに愚痴る。
使い慣れたスティンガーの数が十分に持ち合わせていない現状では手持ちの数を減らすべきではない。
そんな判断を下したチンクであったが、志郎の予想以上の力に焦りを覚え、即急に勝負を付ける事に決めていた。
そう。彼女のISという固有技能の一つであり、触れた金属を爆発物に変え、自由に爆発出来る能力“ランブルデトネイター”。
あまり自分の手の内は晒したくはなかったが、晒してしまったものは仕方ない。
冷静に今後の行動を考えながら、サイクロン号の元へチンクは歩き始めた。

「それがお前の力か? なかなか興味深いが……まだだ、まだ足りない」
「なに! どこだ! どこに居る!?」

しかしチンクの耳に突然倒したハズの志郎の声が響き、チンクは爆発を起こした場所へ目をやる。
だが、志郎の身体はそこには存在していない。
まさかあの爆発で生きていたのだろうか?
そう焦る気持ちを抑えながらチンクは周囲に油断なく、視線を回し続ける。

「ここだ」

その時、再び響いた志郎の声を聞き、チンクは声のする後方へ頭を向ける。
チンクの頭が向いた方向は左でもなく右でもなく上方。
一本の大木の太い枝に志郎が腕を組み、悠然と立っていた。


583 :Classical名無しさん :08/01/31 21:49 ID:u9JFPHSI


584 :赤い戦士と銀髪隻眼少女の邂逅 ◆1WtHqYWV9M :08/01/31 21:50 ID:KqNJCmfQ
「それを今実感させてやろう……この風見志郎がな」

そう呟くや否や志郎は構えを取る。

――開いていた脚を少し閉じ、両腕を肩と水平の高さで、左へ伸ばす。
――両脚を開き、同時に左へ伸ばしていた両腕をそのままの高さで右へ向け、腰を少し右に回す。
――伸ばした両腕を頭上で回し、今度は左斜め上方向へ伸ばし、右脚を少し左側に傾ける。
――握り拳を作りながら右腕を腰の高さまで引き落とす。
――落とした右腕を勢い良く、左斜め前方に突き出し、同時に伸ばしていた左腕を握り拳をつくりながら腰の高さまで持っていく。

「変身――――――――――V3!!」

志郎がそう叫んだ瞬間、チンクは思わず眼を見張った。
彼の腰に何か風車のようなものを二つ持ち、“V3”と刻まれた白いベルトが出現した事がチンクの脳裏にこびりつく。
そしてベルトの風車が、ダブルタイフーンに内蔵された力と技の二つの風車が回転する。
風車の回転の勢いが最高値まで到達した瞬間、赤い閃光が周囲に広がっていく。

「トオオ!」

何が起こったかを確認するため、チンクは再び志郎の声が響いた方向へ視線を向ける。
ダブルタイフーンがなんらかの質量兵器かと思っていたチンク。
そんなチンクの表情が驚愕の色を浮かべる。

「き、貴様は!?」



585 :Classical名無しさん :08/01/31 21:50 ID:KmvEUbQU
支援


586 :赤い戦士と銀髪隻眼少女の邂逅 ◆1WtHqYWV9M :08/01/31 21:51 ID:KqNJCmfQ
何故ならたった今まで、只の人間とは変わらない体格、外見をした志郎。
その志郎が起動六課の面々が使うバリアジャケットによる、外見の変更とは較べものにならない程の変貌。
そんな現実では有り得ない変貌を志郎が、一瞬で完了した事はチンクに衝撃を与えるのには十分だった。
緑色の外殻に覆われ、白と赤で彩られた胸と胸部まで覆った強化装甲。
トンボを模した赤い仮面に伸びた二本の触角、二つの緑色の複眼、白色のクラッシャー。
そして左右後方へ伸びた白一色のマフラーをたなびかせながる異形の者。
その男がチンクに向って飛び掛る姿がチンクの視界に入っていた。

「仮面ライダーV3……それが今の俺の名だ」

風見志郎、いや悪の組織デストロンの野望を叩き潰した男。
技の1号、力の2号からその正義の魂を受け継いだ第三の男が口を開く。
“仮面ライダーV3”、その誇り高き名を持つ男が変身を完了し、チンクに肉迫する。

「お前はあいつに似ているな……そして昔の俺にもな……」
「くッ!」

右脚を向け、恐るべき速度で迫り来るV3。
ナイフによる迎撃は不可能と判断した、チンクは再び両腕を交差させる。
その瞬間、黄色を帯びた障壁が再び発現。
先ほど志郎の右ハイキックを防ぎきった障壁がチンクの周囲に広がる。
V3の伸びきった右脚と十分に展開しきった障壁が激突した。

「だからというわけじゃない、だがお前をこのまま野放しにするのも気が引ける。
ただそれだけだ……」
「意味のわからないコトを……私は、私は負けるわけにはいかないんだ!」



587 :Classical名無しさん :08/01/31 21:51 ID:u9JFPHSI


588 :Classical名無しさん :08/01/31 21:52 ID:KmvEUbQU
支援

589 :Classical名無しさん :08/01/31 21:52 ID:uBp4me0I
支援

590 :赤い戦士と銀髪隻眼少女の邂逅 ◆1WtHqYWV9M :08/01/31 21:52 ID:KqNJCmfQ
先程の生身の時とは段違いに重いV3の右脚によるキック。
だがチンクも負けてはいない。
彼女にも負けられない理由があるからだ。
ノーヴェを守り、セインの無念を晴らすためにシグマを破壊する。
決意を燃やし、先程よりも障壁を強め、チンクはV3の侵攻をくい止める。
火花を散らしながらV3の右脚とチンクの障壁が均衡状態を保つ。

「それがお前のプライドか、ならば――」

仮面に隠された表情に一片の変化も見せず、V3が呟く。
V3がそう呟いた瞬間、彼は障壁を蹴飛ばし反転を行い、後方へ背面跳びを行った。
攻撃を諦めたのか? 一瞬チンクはそう思い、障壁を解き、ナイフを構えようとする。
だが自分のその行動は無意味な事だとチンクは悟り、すぐさまもう一度障壁を

「V3――――――――――」

空中で全身に回転をかけ、V3の身体が一回転を行い宙に舞う。
そして空中で弧を描いたV3の身体が真っ直ぐ、再びチンクの元へ迫る。
右脚を突き出し、同じように真っ直ぐチンクに向けたまま。
トンをも超える衝撃を蹴り放つV3の屈強な右脚とチンクの視線が一直線に合う。

「反転キィィィィィィック!!」

たった今V3が叫んだ、V3 26の秘密の一つ。
V3反転キックがチンクの障壁に文字通り突き刺さる。
只でさえ重い威力が、一度反転を行う事で更に重くなるV3反転キック。



591 :Classical名無しさん :08/01/31 21:52 ID:cxA0XTgg
支援めくれええええ

592 :Classical名無しさん :08/01/31 21:53 ID:KmvEUbQU
支援


593 :赤い戦士と銀髪隻眼少女の邂逅 ◆1WtHqYWV9M :08/01/31 21:53 ID:KqNJCmfQ
「こ、この力は……」

今までV3の攻撃を抑え続けていたチンクの黄色の障壁。
その障壁に亀裂が一つ、また一つ増えていく事にチンクは驚きを隠せない。
このままではやられる。
そう判断を下し、チンクは更に障壁に硬度を加えようと試みる。
だが、そんな時彼女の表情にここ一番の驚きが映った。

「これが俺のプライドだ」

何故ならV3反転キックが障壁を完全に打ち破り、チンクの交差された両腕に蹴り込まれる。
いくら障壁で威力が落ちたといえども、正真正銘の強化改造を受けた改造人間の飛び蹴り。
只では済まない衝撃が予想される蹴りを受け、チンクの小柄な身体が後方へ吹っ飛ぶ。
咄嗟に受け身を取る事で、チンクは急いで体勢を戻す。

「くそ……こんなところで……」

しかし驚いた事にチンクの身体には目立った損傷は見受けられていない。
だがチンクの表情はハッキリと青ざめている事がわかる。
何故ならシェルコートがない現状では、防御技能ハードシェルが使えず、使い慣れたスティンガーもない。
そして何より自分とはまるで次元が違う戦闘力を誇る志郎の強さにチンクは本能的に感じていた。

障壁の助けもあっただろうが、一番の理由は他にあった。
そう。チンクがV3反転キックを受けても、ほぼ無傷であった理由。



594 :赤い戦士と銀髪隻眼少女の邂逅 ◆1WtHqYWV9M :08/01/31 21:55 ID:KqNJCmfQ
「もういい。これ以上俺はお前とやりあうつもりはない
それよりも――」

それはV3が手加減を行っていたから。
流石に障壁を破る時にはそれなりの力を込めていたが。
何故志郎がチンクにトドメをささないのか?
その理由は至極簡単だ。

「俺と共に行動すれば、サイクロン号に乗せてやる。
俺にはこの殺し合いに乗るつもりなどないし、お前を倒すつもりもないからな」

V3には優勝の褒美などには全く関心はない。
彼がこの場で行う事、それは一人の見ず知らずの機械を持った少女を殺したシグマの打倒。
そのために彼がやらなくてはいけない事。
それは信頼すべき仲間である本郷猛、神敬介、城茂との合流。
ほんの少しの不安要素は残るが合流すべき存在と思われる村雨良との合流。
未だ見ぬ、志を同じくする同志を発見し、協力もしくは保護を行う事。
そしてもう一つ。

「俺がノーヴェという妹に会わせてやる……なにがあってもな」

それは妹を失った一人の少女の支えになってやる事。
変身を解いた志郎の言葉を聞いた時、チンクの胸に何かこみ上げてくるものがあった。
不快感はない。只、何故か安心さをチンクは感じた。
目の前の志郎の言葉がとても力強いものだったから。

◇  ◆  ◇



595 :赤い戦士と銀髪隻眼少女の邂逅 ◆1WtHqYWV9M :08/01/31 21:55 ID:KqNJCmfQ
「ならば暫くは互いの知り合いを探し、殺し合いに乗ったヤツは倒す。
その方針で問題ないな、チンク?」
「ああ、殺し合いに乗ったヤツがノーヴェやあの二人に危害を加えるかもしれんからな。
私はそれで構わない」
「わかった。ならしっかりと掴まっておけ」
「了解した。頼むぞ、カザミ」

サイクロン号を運転する志郎の言葉にチンクが答える。
彼ら二人には優勝して、褒美を貰うという考えは毛頭ないため互いに協力する事に決めた。
また二人は情報交換を行い、互いの知り合いと身の上についての確認も既に終わっている。
その際、互いの世界の常識があまりにも違いすぎている事に違和感を覚えたが、今はその事を保留しておく事にした。
今現在の彼らがやるべき事は互いの世界の違いについて考察するよりも、仲間と合流する事だからだ。
そしてチンクの能力には金属が必要であり、金属を補充するため北東へ向う事にした。
そう。スクラップ工場や修理工場、そして何も目的地がなければゴミ処分場を周るといったルートである。

(このカザミという男……悪いヤツではなさそうだが未だ完全には信用できんな。
念には念を越したコトはない。一応用心しておこう)

先程闘った志郎についてチンクは思考を走らせる。
完全には信用できないが、戦闘機人である自分さえも上回る志郎の力。
更に志郎には同じような仲間が未だ居るらしく、彼らも決して殺し合いに乗る事はないという。
どうやら彼らのコードネームは“仮面ライダー”というらしい。
自分のメモリーにはないコードネームだが、何故か安心できるその名前。
その中の一人がノーヴェを保護してくれていたらとチンクは無意識的に祈った。


596 :Classical名無しさん :08/01/31 21:56 ID:KmvEUbQU
支援

597 :赤い戦士と銀髪隻眼少女の邂逅 ◆1WtHqYWV9M :08/01/31 21:57 ID:KqNJCmfQ
(しかしカザミは私と昔の自分が似ているといった……だが彼は復讐に拘るなともいった。
わからないコトだらけだ……彼のあの強さはどこから来るのかも。
けど今は……)

あの時言った言葉の真意をいつか聞いてみようとチンクは心に留める。
身体をバネのように使い、あまりに重い蹴りを放つ自分の同行者である志郎。
彼の力の源がどこから来るのかは気になる。
だが、今のチンクにはやるべき事がある。

(シグマ……貴様だけは絶対に破壊してみせる。たとえ私の身体が砕けようとも絶対にな!)

只ひとえに揺ぎ無い意思を突き通す事を。


(やはり通信は無理か、だがあいつらなら問題ないだろうな。
気になるのはZXだな……いや、ヤツなら大丈夫か)

PDAの名簿に記された仲間達の事を考え、志郎はこれまでの事を振り返る。
志郎は四国の大空に浮かぶ大首領の門に火柱キックを仕掛けようとしていたハズであった。
それが何故か意識が回復し、目を覚ました時にはあの初めの場に居た。
最早ボロボロといえる、自分の身体とダブルタイフーンが完全に修復されていた事には流石の志郎も面食らった。
そしてPDAの操作を一通り覚え、支給されたサイクロン号を走らせていたというわけだ。



598 :Classical名無しさん :08/01/31 21:57 ID:u9JFPHSI
 

599 :Classical名無しさん :08/01/31 21:58 ID:3HcSBNjU
 

600 :赤い戦士と銀髪隻眼少女の邂逅 ◆1WtHqYWV9M :08/01/31 21:58 ID:KqNJCmfQ
(俺の身体を修復してくれたコトには礼を言おう。
だがそれで貴様の足元がすくわれるかもしれんがな)

恐らくは全力で敵と闘えという事を暗に意味した事なのだろう。
そうでなければわざわざ死に掛けの身体を修復させる必要もない。
しかし戦闘の時、志郎は自分の身体の動きがいつもより重い事を感じた。
何か自分の身体にいつもより負荷がかかるように改造を施されたのだろか?
だが、それなら損傷を直す必要もないハズだと志郎は考えた。
不可解なシグマの行動に志郎は眉を顰める。

(それにあのシグマという男の目的はいまひとつ解せん……何故これほどまでに面倒な手を取る?)

更にこの転送技術を用いたPDAといい、あまりにも手の込んだ事を行うシグマにも疑問がある。
ただの殺し合いをさせるつもりならこんな小細工などせずに、隔離地帯に放りこめばいいだけの話だ。
いずれにしても、いつかはシグマの真の目的も解く必要があるという事を志郎は記憶に留めた。
そのためにはどうやらシグマとなんらかの関係があるXと呼ばれた男、そして彼と話していた赤い男と接触する必要がある。
そう考えに耽っていた時、志郎はふと別の事を考え始めた。

(このチンクという少女……フッ、昔のコトを思い出すとはな。だが今は……)


601 :赤い戦士と銀髪隻眼少女の邂逅 ◆1WtHqYWV9M :08/01/31 21:59 ID:KqNJCmfQ
妹を無残にも失い、昔の志郎にとってとても馴染み深い眼をしたチンク。
そんなチンクの姿が記憶を取り戻したばかりのZX、そして家族を殺された昔の自分とダブった事を志郎は自嘲気味に考える。
あの時の志郎は只、デストロンへの復讐のために仮面ライダー1号、2号に力を求めた。
だが、それだけでは足りない事を知り、今の志郎は仮面ライダーV3と闘い続ける事が出来ている。
以前の自分のように妹の復讐に身を焦がしている節があるチンク。
チンクにもいつか復讐よりも大切なものを知る事が出来る時がくるかもしれない。
そんな淡い期待のような感情を僅かに持ち、志郎は決意を固める。

(これ以上守るコトができるものを失わせるわけにはいかん。
そのためにも……シグマ、貴様には覚悟を決めてもらう必要がある!)

サイクロン号が走る。
血の通らない機械を、身体に埋め込んだ青年と少女。
サイクロン号が二人の決意を乗せて疾走し続ける。


602 :赤い戦士と銀髪隻眼少女の邂逅 ◆1WtHqYWV9M :08/01/31 22:00 ID:KqNJCmfQ
【F-5北東部 通路上 /一日目 深夜】
【チンク@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
[状態]:中程度の疲労、両腕に軽い痛み、固い決意
[装備]:ヴィルマの投げナイフ@からくりサーカス(20/30)
[道具]: 支給品一式、不明支給品0〜2(未確認)
[思考・状況]
基本: ノーヴェを守り、シグマを破壊する
1:志郎と共に本郷・敬介・茂・村雨・スバル・ギンガ・ノーヴェを探し、合流する。
またノーヴェを最優先にする。
2:殺し合いに乗った危険人物には容赦しない
3:スティンガー、シェルコートを手に入れる
4:北東へ向い金属を集める(優先順位は低い)
[備考]
※参戦時期は本編終了後です
※優勝者の褒美とやらには興味がなく、信用していません
※志郎と情報交換をしました、また完全には志郎の事を信用していません


603 :赤い戦士と銀髪隻眼少女の邂逅 ◆1WtHqYWV9M :08/01/31 22:01 ID:KqNJCmfQ
【風見志郎@仮面ライダーSPIRITS】
[状態]:左腰に小さな裂傷、全身に軽い火傷、固い決意
[装備]:サイクロン号(1号)@仮面ライダーSPIRITS
[道具]: 支給品一式、不明支給品0〜2(未確認)
[思考・状況]
基本:殺し合いを破壊し、シグマを倒す
1:チンクと共に本郷・敬介・茂・村雨・スバル・ギンガ・ノーヴェを探し、合流する
2:殺し合いに乗った危険人物には容赦しない
3:シグマの真の目的を探る。そのためにエックスと呼ばれた男、赤い男(ゼロ)と接触する
4:弱者の保護
5:北東へ向い金属を集める(優先順位は低い)
[備考]
※参戦時期は大首領の門に火柱キックを仕掛ける直前です(原作13巻)。また身体とダブルタイフーンは元通り修復されています
※チンクと情報交換をしました
※なんとなくチンクを村雨、そして昔の自分に重ねている節があります


604 :Classical名無しさん :08/01/31 22:05 ID:3HcSBNjU
投下乙!
姉妹揃っていい男に保護されているな。
しかし……仮面ライダーは既に一名死亡で一名洗脳状態……

605 : ◆14m5Do64HQ :08/01/31 22:06 ID:KqNJCmfQ
投下終了しました。
あと鳥はこんごこれに変更しますのでご了承ください。
それといきなりミスがあったので自己申告します。

>>578
>ハードシェルの特性に思わず驚いていた志郎は、遅れながらも回避
これを
>防御障壁の特性に思わず驚いていた志郎は、遅れながらも回避

>>593
>そして何より自分とはまるで次元が違う戦闘力を誇る志郎の強さにチンクは本能的に感じていた。
この行の後に
>自分では到底かなわないという事を。
>だが、意外にもチンクには目立った外傷はない。
この二行を追加します。

それでは感想などお待ちしています。

606 :Classical名無しさん :08/01/31 22:11 ID:ACAyd9bw
投下乙!

かーざーみー!!!!
最高にクールで格好いい風見をありがとう!
いいよ、風見。素敵だ、風見!
やはりライダーのバイクの後ろにはロリがにあ(ry

GJ!

607 :Classical名無しさん :08/01/31 22:16 ID:zBS//5N.
いやあ風見が変身した瞬間に脳内でOPが再生されました
乙です

608 :Classical名無しさん :08/01/31 22:20 ID:KmvEUbQU
妹を亡くした少女を、風見が保護するって展開だけでも嬉しいのに、
変身・戦闘まで見られるなんて!
GJでした。

609 :Classical名無しさん :08/01/31 23:00 ID:.q8RoihA
投下GJ!
合流目標に一人づつ爆弾がいるなwww
V3にはチンク姉を正しく導いて欲しいぜ

610 :Classical名無しさん :08/01/31 23:09 ID:ux2g.dTI
投下GJ。
イヤッホーウ、V3さいこぉー!
過去に妹を殺されたという同じ過去を持つV3には
是非チンク姉を導いてほしいものだ

611 : ◆tu4bghlMIw :08/02/01 00:35 ID:yljDJTMw
KOS-MOSとナタク投下します。

612 :Classical名無しさん :08/02/01 00:36 ID:/nyOaLzg
         

613 :秩序と蓮花 ◆tu4bghlMIw :08/02/01 00:37 ID:yljDJTMw
漆黒にも似た月の見えない空がゆらりと震える。
だが、そのような人情や侘び寂びにも似た感覚が彼女――KOS-MOSが理解できる訳もなかった。

U.M.Nネットワークが宇宙を一つに結び、合成人間「レアリアン」が当たり前のように人間の生活に溶け込んだ時代。
純粋なアンドロイドである彼女の存在は極めて異端なものだった。
故に彼女を制御するメインコンピュータは物事を基本的に合理的に処理する。
最優先保護対象である「シオン・ウヅキ」やその仲間達との触れ合いの中で、確かに彼女の擬似OSには純粋な"機械"であれば持ち得ない、"こころ"にも似た要素が付与されつつあったこともまた事実だった。

しかし状況を適切に分析し、今現在の彼女を取り巻く環境に対処する場合、いくつかの問題が浮上することになる。

『殺し合い』

言語に変換してしまえばソレは非常に単純、原始的な行為とも呼べるだろう。
先史時代から人が自らの領域を護るために闘争の歴史を繰り返していたことは、データベースにアクセスするまでもない自明の理である。
殺しは人の本能であり、根幹を成す要素だ。
もっともシグマと名乗った禿頭の男が言うように『この場に集められた者は少なからず身体の構成要素に機械を用いている』と言うのならば、何とも皮肉な話なのかもしれないが。

極めて限定的な空間における、一人の生存者のみを輩出するためのシステム。
状況を多少面積を増加させた古代ローマのコロシアムのような場所と想定するならば、あの言葉が当て嵌まる。
つまり、バトルロイヤル。
まるで何千年も時代を逆行したような催しに彼女が一切の共感や理解を示すことが出来ないのも当然であった。



614 :秩序と蓮花 ◆tu4bghlMIw :08/02/01 00:37 ID:yljDJTMw
KOS-MOSは当然のように、眉一つ動かさずに周囲の解析を開始する。
情報端末に記されていた情報は全てインストール済みだ。
支給品の転送自体も、彼女が普段の戦闘活動で行っているU.M.N.ネットワークを利用した空間転送技術による武装の換装と基本的に大差はないようだった。
内蔵兵器以外は通信が妨害され、大半が使用不能。
加えて各種センサーの効果範囲が極端に狭くなっているのは深刻な問題かもしれない。
たかが8km四方程度の空間だ。機器が正常に動作していれば、その全てを掌握することも十分に可能な筈であった。
せいぜい自身の周囲数十メートルが関の山とはお粗末としか言いようがなかった。

だから――ここまで無遠慮な接近を許してしまう。


「おい、そこの女」


第一声はあまりにも不躾な台詞から始まった。
機械的にKOS-MOSは振り向き、そして天を見上げた。

「私に、何か御用でしょうか」

彼女の声色には一切の動揺も浮き足立った調子も見られなかった。
あくまで、平穏。一点の曇りも無い透き通った眼差しで声の主を捉える。

彼女に話し掛けて来たのは赤い髪を石のようなヘアバンドで逆立てた少年だった。
上半身は裸ながら、鋼のような筋肉を覗かせている。
三白眼気味の瞳は強い意思と自信に溢れ、全身に刻まれた生傷は彼が過酷な戦闘を繰り返してきたことを――つまり戦闘タイプであることを雄弁に語る。


615 :秩序と蓮花 ◆tu4bghlMIw :08/02/01 00:37 ID:yljDJTMw
右腕には白いボックス状の武器。KOS-MOSはこの武装に見覚えがあった。
M.W.S.(Multiple Weapon System)だ。
ボム、ビームランチャー、格闘用ナックル、電磁ロッドなどが収容された携行型多用途兵器システムである。
本来コレはシオン・ウヅキの後輩であるミユキ・イツミが自らの先輩のために造り上げた武器だ。
つまりこの世に数点しか存在しないオーダーメイド品と言える。
ソレが当たり前のように眼の前の少年に支給されている。
ということは、シグマが言っていた『支給品』という物の中に、参加者の縁の品々が含まれている可能性が高いようだ。

だがそれ以上に彼女の眼を引いたのは彼が空を飛んでいる、という事実だった。
もっとも飛行自体はそれほど不思議な特徴ではない。
シグマが言うロボット、機械の身体を持つことが参加条件ならば飛行機能を有しているのは半ば自然だ。
ただ――少年の飛翔手段が『犬』であるという一点を除けば。

それは長毛種の犬であった。
彼女のデータベースの中に空を飛ぶ犬、というものは当たり前だが存在しない。
だが事実、少年は白い大きな犬に乗り飛翔している。
ただ何よりも彼女にとって異常なのは、その犬から一切の有機的な熱源反応を感じ取ることが出来ないことだ。
かといって、機械でもない。
まるで空を漂う巻雲のような捉えようのない存在と判断を下すしかなかった。

「……一つ、聞きたいことがある」
「それは奇遇です。こちらも他の参加者とコンタクトを取りたいと思っていた所です」

少なくとも、いきなり襲い掛かって来ることはないようだ、KOS-MOSはそう判断する。
M.W.S.から発射されるボムやビームランチャーの当たり所が悪ければ、一瞬でエリアが壊滅しかねない。

「私は対グノーシス用人型掃討兵器KP-X シリアルNo.000000001。通称、KOS-MOSです」

少年が訝しげに答えた。


616 :秩序と蓮花 ◆tu4bghlMIw :08/02/01 00:38 ID:yljDJTMw
「ナタクだ。そもそも……"ぐのーしす"だの"しりあるなんばー"と言われても分からん。
 貴様、言いたい事があるならもう少し分かり易い言葉で説明しろ」
「グノーシスとは通常、虚数空間にのみその姿を確認される怪異生命体の通称です。
 彼らは実数領域には存在せず、一方的にこちら側へ接触を計ることが可能です。
 その際、異なる位相空間に位置する彼らを実数領域へと固着させるためにはヒルベルトエフェクトと呼ばれる特殊な力場の展開が必要です。
 この能力を有するのはプロトタイプの百式レアリアン、もしくは――」
「おい、女。その説明にはあとどれくらい掛かる?」

ナタクがKOS-MOSの言葉を遮り、不快そうな表情、そして声で問い掛ける。
巨大な犬に跨り、空を飛行する少年は若い。
加えて全身の温度の分布が異様だ。
アンドロイドに近い存在のようにも見えるが、それでは心臓部の極端に妙な反応の説明が出来ない。

「はい、ナタク。予期せぬ問題が発生しなければ、グノーシスの解説に2分20秒。
 ヒルベルトエフェクトの解説に3分13秒ほどの時間を要します」
「……もういい。先に俺の質問に答えてもらう。嫌とは言わせん」
「はい、私にお答え出来ることでしたら何なりと。
 我々には情報が足りません。言語媒体を介さなければ交換出来ない事柄も多数存在すると予測されます。
 単刀直入に申し上げれば、私はこの状況を図りかねています。どのような行動を取るにせよ、情報収集は欠かすことが出来ません。
 是非ともナタクにも幾つか情報を提供して頂きたく思います」
「……ああ。俺が満足したら好きなだけ答えてやる」

一瞬、空気が凍りつくような緊迫感が両者を包み込んだ。
ナタクが大きく息を吸い込み、不適な笑みを浮かべた。

「女。貴様、強いな?」


617 :秩序と蓮花 ◆tu4bghlMIw :08/02/01 00:38 ID:yljDJTMw
言葉と共にナタクが右腕に装着したM.W.S.から一直線にKOS-MOSへとビームランチャーを発射する。
眩いばかりの光線は文字通り光の速さでKOS-MOSへと迫る。
互いの間合いは直線距離にして約十二メートル。
それなりの距離があるとはいえ、普通の人間であれば確実に身体を貫かれていたことは確実だ。
だが、KOS-MOSは予めナタクが攻撃してくることを予測していたかのような動作で身を捩り、直撃を回避する。

「警告します。単純な出力差では私とあなたの間には明確な差があります。
 このような威嚇行動は敵対意志有りとして、排除の対象になります」
「…………」

ナタクは向かい合ったまま、相手の話を聞くことが大嫌いだったこと。
無駄に物事を説明するというその行為、それが彼の生みの親である太乙真人とソックリであったこと。
この二つの事象はナタクが相手を攻撃するのに十分過ぎるものだった。
そもそも、KOS-MOSが戦う力を持たない非力な参加者であると、彼はこれっぽちも思ってはいなかったのだが。


 □


「仕方ありません。少し痛い目を見て貰います」

KOS-MOSはそう呟くと、すぐさま右手に自らの支給品である『闇夜の鎌』を転送した。
普段の彼女はU.M.N.ネットワークの空間転移システムを利用し、武器庫に補完してある各種武装をダイレクトに転送させることが出来る。
加えて腕部分をそのまま武器と入れ替えることも可能であり、弾切れの心配もない。
だがこの空間においては、どうもネットワークの不備なのかそのような武器の転送システムが使用することが出来ないのだ。
唯一可能な事といえば、自信の情報端末にID登録した物体を予備動作なしに転送することだけ。
普段の彼女が行っている膨大な演算処理を考慮すれば児戯に等しい。

「ほざけ……!」


618 :秩序と蓮花 ◆tu4bghlMIw :08/02/01 00:40 ID:yljDJTMw
ナタクは自分に向けて凄まじい速度で疾走してくるKOS-MOSをあざ笑うかのように、跨っている犬――哮天犬を急加速で発進させる。
くるり、と向きを変えKOS-MOSに背を向けながら深夜の住宅街を高速で移動する。

(あの女……アイツらと同じ、近接タイプか)

ナタクの脳裏に浮かぶのはいけ好かない二人の兄の姿だった。
基本的に今までナタクが戦って来た道士や妖怪仙人は遠距離タイプの者が多かった。
加えて彼自身の戦い方も他の仙人達と比べれば大分特殊であった筈だ。

宝貝人間である彼は普通の仙人であれば、力を吸い取られて衰弱死してしまうような在り得ない数の宝貝を通常身につけている。
この殺し合いに参加した時、彼は生まれてから絶えず身に着けてきた宝貝である『乾坤圏』『風火輪』『混天綾』を失った。
それに太乙真人が用意した『金磚』『火尖鎗』『九竜神火罩II』も含めて全部だ。
特に風火輪と金磚が手元にないことは、かなりのマイナスであると言えるだろう。

特別な防御手段を持たない彼にとって、移動と攻撃の中心になるこの二つがないことは戦力の大幅な弱体化を意味する。
自信の支給品の中にヨウゼンの宝貝である『哮天犬』、そしてM.W.S.という不思議な火器が含まれていたことは僥倖ではあったが、本来の装備とは程遠い。

「死ね」

哮天犬を急速停止、そしてすぐさま急速旋回させる。
振り向きざまにKOS-MOSへ向けてビームランチャーとボムを発射。
眉一つ動かさずに彼女は左右へステップを踏む。飛び散った細かな破片が彼女の身体に当たるが、傷一つ付けられずに弾かれる。
そのまま何事もなかったようにナタクへと迫るKOS-MOS。
十メートル程度の高度から彼女を牽制しつつ、弾幕を貼る。

どちらの武装も金磚や乾坤圏と比べれば微々たる破壊力しか持たない。
圧倒的な火力による制圧――それこそが、彼の本来取るべき戦略なのだが。

(爆弾があと九発……光線の燃料が9割か……)


619 :秩序と蓮花 ◆tu4bghlMIw :08/02/01 00:41 ID:yljDJTMw
ナタクは思わず下唇を噛み締めた。今までの戦闘では考えたこともなかった問題が、今彼に迫っていたのだ。
それはつまりエネルギーに関する懸念事項だ。

通常、仙人が扱う宝貝にはエネルギー制限や残弾を気にする必要などはない。
投擲系の宝貝(例えば鑽針釘のような)ならばともかく、使用者の体力が続く限りどれだけでも使用出来る。
ナタクに関して言えば、彼の体力は無尽蔵であり、加減をしながら戦闘した経験などほとんど皆無に等しい。
この支給されたM.W.S.も様々な機能を備えた優れた武器ではあるが、やはり火力の低下は否定できない。

「ナタク、無駄です。その武器の性能を私は知り尽くしてます」

高速で接近したKOS-MOSに一気に間合いを詰められる。
いかに哮天犬で飛行しているとはいえ、彼女の一つ一つの動きの加速力は異常なくらいだ。
シグマという男が言っていた言葉、すなわち『参加者は身体の構成要素に機械を用いている』を前提としても彼女の身体能力はトップクラスだろう。
武器に頼らなくても、高密度な戦闘を行うことが出来るという訳だ。

「――S-SAULT」
「ちっ……!!」

一瞬でナタクのすぐ近くまで接近したKOS-MOSはそのままの勢いで大きく回転蹴りを放った。
サマーソルト。腰骨に中心を置き、時計の針のように身体を回しながら蹴りを放つ技だ。
通常の蹴技に加えて遠心力、そして体重が掛けられる。
ちなみにKOS-MOSの体重は92kg。その一撃は細身の女性にしか見えないその外見を遥かに上回るほど重い。

ナタクはすかさず、M.W.S.から電磁ロッドを展開し彼女のサマーソルトを弾く。
バチッ、と電気がショートしたような音が響くが大したダメージは無いだろう。

(近付かれると厄介……とはいえ、この武装では遠距離からの戦いでも決め手に掛ける。……ならば)


620 :秩序と蓮花 ◆tu4bghlMIw :08/02/01 00:42 ID:yljDJTMw
そこまで考えると、ナタクはすかさず動いた。
M.W.S.だけの火力では彼女に深手を負わせることは難しい。
ならば――宝貝人間の名に恥じない手段を講じるまで。

KOS-MOSは体勢を立て直し落下しつつあった。
地面との距離はあと僅か。このまま攻撃しても、回避運動が間に合ってしまう可能性は高い。
次の機会を待つべきか。とはいえ敵の武装は近距離接近タイプ。
余裕を持って戦っていては、次の邂逅で手痛い一撃を食らう確率も高い。
ナタクは迷わず、今現在の自分が持つ最大の攻撃手段でもって反撃に転じた。

「……いけ、哮天犬」
「!?」

ナタクは自らの身も省みず、跨っていた哮天犬を真っ直ぐKOS-MOSに向けて突撃させた。
哮天犬はただ空を飛ぶ犬型の宝貝ではない。
元々の使用者であるヨウゼンが抜群の信頼を置くほど、高い攻撃力を持った強力な宝貝なのだ。
その破壊力は鉄筋コンクリートのビルであっても一撃で倒壊させるほど。

そして――その白い巨体がKOS-MOSと激突した。


 □


「……終わったか?」

地面とぶつかる直前に帰ってきた哮天犬に再度跨ったナタクは、爆心地のように大きな穴が出来てしまった道路を見つめる。
手応えはあった……はずだ。とはいえ、どうも逃げられたようではある。

なぜならば――未だに魂魄が飛んでいない。
そして姿もない。ソレはすなわち、上手く逃げ果せたということ。どうもアチラは本気で戦っていたように見えないが。


621 :秩序と蓮花 ◆tu4bghlMIw :08/02/01 00:43 ID:yljDJTMw
とはいえ、ひとまずコチラの火力が極端に弱い、という弱点は見つかった訳だ。
弱者には興味は無いが、確実に高い戦闘能力を持つ参加者がいることも分かった。
常に最大武装で戦っていたため分からなかったが、少なくとも他の武器を入手する必要がある。

ふと空を見上げる。
黒く、そして深い。吸い込まれそうな黄金の月。
ナタクは小さく息を吐き出すと、夜の闇に消えた。


【A-6 住宅地・空中/一日目・深夜】

【ナタク@封神演義】
[状態]:疲労(小)
[装備]:哮天犬@封神演義、M.W.S.(ボム残り九発 ビームランチャー エネルギー90%)@ゼノサーガシリーズ
[道具]:支給品一式、ランダム不明支給品1
[思考・状況]
基本思考:強い敵と戦う
1:強い敵と戦う(弱者に興味はない)
2:馴れ合うつもりはない
3:宝貝を探す
[備考]
※仙界大戦終了後からの参戦。
※周囲にA-6の道路が壊される音が響きました。

【哮天犬@封神演義】
天才道士・ヨウゼンが使用する犬型の宝貝。
見かけによらず凄まじい破壊力を秘めており、跨ることで飛行も可能。
普段は小さくして衣服の中に隠している。

【M.W.S.@ゼノサーガシリーズ】
箱のような本体内に格闘用ナックル、帯電ロッド、スペルソード、ボム、ビームランチャーといった様々な武器が内蔵されている。
遠距離、近距離両方の攻撃に優れ、非力な人間でも高い攻撃力が期待できる優れモノ。本来の使用者はシオン・ウヅキ。

622 :秩序と蓮花 ◆tu4bghlMIw :08/02/01 00:44 ID:yljDJTMw
 □
 
 
「損傷は軽微、活動に支障は無し……」

ナタクから一つ離れたエリア、A-7にKOS-MOSは来ていた。
結論だけ言えばあの時、ナタクが打ち出した哮天犬は彼女に命中はしなかった。
直撃するギリギリで回避行動が間に合い、彼の説得を早々に諦めKOS-MOSはあの場を後にしたのだ。

X・BUSTERを使用すれば、少なくともこのように打ち負けることはなかった。
だが、妙なことに相当戦闘能力が弱体化していることを彼女は自覚していた。
通常はほとんど消耗もなく使用出来る、各種武装にも制限が掛かっている可能性が高い。
そもそも万全の状態であるならば、哮天犬の直撃でさえ片手一本で塞ぎ切ることが彼女には可能なのだから。

KOS-MOSは構えていた武器を再度転送すると、夜の街を歩き出す。
彼女が思うことはただ一つ。
生きてこの場から脱出しシオン・ウヅキの元へ――元いた宇宙へと帰還すること。


【A-7 道路/一日目・深夜】

【KOS-MOS@ゼノサーガシリーズ】
[状態]:ダメージ(微)
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、闇夜の鎌@クロノトリガー、仙桃x3@封神演義、FN ブローニング・ハイパワー(13/13)@攻殻機動隊、マガジン(13/13 9mmパラベラム弾)x2
[思考・状況]
基本思考:自身の「生還」を前提とし、状況に応じたその時点で「最も」適切な行動を取る。
1:他参加者と接触を試みる。
2:施設、支給品など情報を収集する。


623 :秩序と蓮花 ◆tu4bghlMIw :08/02/01 00:46 ID:yljDJTMw
[備考]
※KOS-MOSの躯体はver.4です(Ep3後半の姿)
※参戦時期は改修後からT-elosとの融合前までの間。
※各種武装(R-BLADE、G-SHOT、DRAGON-TOOTHなど)はU.M.N.ネットワークの問題で転送不可。
 少なくとも内蔵兵器であるX・BUSTERは使用可能。エンセフェロンダイブ、ヒルベルトエフェクトなども一応使用可能。

【仙桃@封神演義】
水に溶けるとその水が酒になる桃。太公望の好物。

624 : ◆tu4bghlMIw :08/02/01 00:47 ID:yljDJTMw
投下終了です。何か問題点などありましたらお願いします。

625 :Classical名無しさん :08/02/01 01:06 ID:XRKQB38Q
投下乙
ナタクは強者限定マーダーとなったか
今後も暴れまわってくれそうだ
そしてKOS-MOS、短時間の戦闘だが結構強いんだな
こちらも対主催の一人としてがんばってもらいたいな

626 :Classical名無しさん :08/02/01 01:08 ID:BWo1aCbc
乙でした
ナタクは相変わらず勝ってきままですかw
マーダーとは少し違うけど色々と面倒を引き起こしそうな
モッコ…もといコスモスも性質上どう行動するかはっきりしませんし
これからが楽しみです

627 :Classical名無しさん :08/02/01 10:44 ID:T.IzLAHY
ナタクって強いかどうかニオイで判断してたと思うけど、
無害そうな人物・物に変身してるT-1000にも通用するんだろうか

628 :Classical名無しさん :08/02/01 10:44 ID:pFdsqLQk
投下乙!
ナタクと聞くと某正義の人を思い出してしまいましたが、典型的な武人タイプのようですね。
ナタクに律儀にグノーシスという単語を説明するコスモスになんか萌えましたw
実力者同士の高次元の闘い、楽しませてもらいました!思わず把握衝動に駆られますw
GJ!

629 :Classical名無しさん :08/02/01 12:04 ID:FMWBX7mY
投下乙。
封神もゼノも良く知りませんが屈指の戦闘能力を持った2人のバトルが
よく描かれていたと思います。GJ

630 : ◆ITsuqP1LNA :08/02/01 15:38 ID:KvvPC3Xw
すいません、30分ぐらい遅れそうです。
最初だというのに申し訳ありません。

631 :Classical名無しさん :08/02/01 16:33 ID:YRlcE9FA
了解

632 :Classical名無しさん :08/02/01 16:51 ID:Wg27/BwU
30…分……?

633 : ◆ITsuqP1LNA :08/02/01 16:52 ID:KvvPC3Xw
一時投下スレに投下します。
理由は自分としましては支給品に関してのものです。
もしかしたら他にもあるかもしれませんが。

634 :Classical名無しさん :08/02/01 17:07 ID:ri3RPgUE
>>633
乙です。
すでにチップは出ているので問題ないかと
てかメカ沢自重wwwwwwwww

635 :Classical名無しさん :08/02/01 17:48 ID:YRlcE9FA

猿の惑星編からの出場か
このボケっぷりがたまらん

636 : ◆ITsuqP1LNA :08/02/01 19:01 ID:KvvPC3Xw
ありがとうございます。
では日付が変わるころに本投下しようと思います。

637 :Classical名無しさん :08/02/01 19:05 ID:BWo1aCbc
>>627
いずれ擬態するであろうT-1000やショタ化しているドラスには天敵になるかも

638 :Classical名無しさん :08/02/01 19:12 ID:BWo1aCbc
あ、天敵ってのは作戦ぶち壊し的な意味でね
特にドラスは自分の正体誰も知らないってことでかなり有利なわけだし

639 : ◆c92qFeyVpE :08/02/01 19:26 ID:ri3RPgUE
メガトロン&アラレを投下します

640 :んちゃ! メガトロンだよ! ◆c92qFeyVpE :08/02/01 19:27 ID:ri3RPgUE
ティラノサウルスという恐竜を知らない人はほとんどいないだろう。
人間とは比べ物にならない強靭な恐竜の中でも、最も強いと言われる恐竜である。
そのティラノサウルスが、工場のど真ん中を歩いていると言ったら何人が信じるだろうか?
加えて言うならば一般的に認識されているティラノサウルスとは大きく異なる個体のようだ、
大きさは精々長身の人間より二回りほど大きい程度、その肌の色は紫色と異色を放っている。
そして何より――

「ふん、俺様の部下もサイバトロンの連中もいないのか」

PDAを使い、人語を喋っている。

「優勝者は望みを適えると言っていたな……面白い」

この恐竜の名はメガトロン、この壊し合いの参加者であり、当然ロボットである。
彼はしばらくPDAをいじり、現在位置を把握するとゆっくりと歩き始めた。

「ナ〜ビコちゃ〜ん! 俺様の体に埋め込まれた爆弾ってのの解析をよろしくぅ!」

ナビコという女性人格のナビプログラムへ呼びかけ、現状で最もやっかいと思われる体内の爆弾の解析を任せる。
……が、返ってきたのはノイズ音のみ。

「ちぃ、ジャミングか……やっかいな」

忌々しげに舌打ちするが、少し考え笑みを浮かべる。

「待てよ……逆に考えるんだ、『ここならサイバトロンの邪魔は入らない』と考えるんだ」

641 :んちゃ! メガトロンだよ! ◆c92qFeyVpE :08/02/01 19:28 ID:ri3RPgUE
自分の思いつきに愉快そうに笑い、今後の方針について考え始める。
いかに彼と言えども、50人近い参加者を一人で倒すことは難しい、
かといって「誰かを壊す」ことを目的としたのでは共闘を持ちかけるのも中々骨だろう。
ならばどうするか……そう考え始めたとき、前方に眼鏡をかけたまだ幼い少女の姿が見えた。

「……まずは接触してみるか」

見たところ武器も持っていないし、馬力がありそうな姿でもない、壊そうと思えばすぐに破壊できるだろう。
そう考え、メガトロンはできるだけ刺激しないように声をかける。

「やあお嬢ちゃん、君も参加者かい?」
「ほよ〜! 恐竜が喋ってる〜」

返ってきた言葉はまったく見当はずれなもの、思わず顔を引きつらせる。

「いや、そうでなくてだな、この壊しあいの参加者なのかと――」
「あれ〜? そういえばガッちゃんどこ行っちゃったのかな?」

またも無視された形になり「もう壊しちゃおうか」などと思い始めたところで、別の可能性に思い当たる。
――まさかこいつ、今の状況を理解してないのか?
PDAを持ってることから参加者であることは間違いないだろう。
だが、先ほどからの言動を見る限り、まだAIが限りなく未成熟であるように取れる、だとしたら……

「お嬢ちゃん? 名前はなんて言うんだい?」
「ほよ、名前? んちゃ! アラレだよ!」

アラレ――先ほど見た名簿の中に「則巻アラレ」という名前があったのを思い出す。
やはり参加者なのだろう、だとしたらこんな也でも何か相手と戦う術を持っているのかもしれない。

「お嬢ちゃ――アラレ、貴様は何か戦闘能力はあるのか?」

642 :んちゃ! メガトロンだよ! ◆c92qFeyVpE :08/02/01 19:30 ID:ri3RPgUE
参加者であると確定したならば敵である、わざわざあやすような口調をする必要もないだろう。
メガトロンの言葉にアラレは少し首をかしげ、唐突に地面を殴りつける。
……そう、殴りつけただけだ。

「……」
「ほよ?」

何故殴りつけただけで金属製の床が周囲数メートルに渡り陥没しているのだろうか。
そのうえアラレは「いつもより力が出ない?」などと呟いている。
常に戦場のど真ん中にいたメガトロンも、この力にはただ唖然とするしかなかった。
――しか〜し、このまま唖然とするだけのメガトロン隊員ではなかった!
意味のわからないナレーションを自分でしながら、メガトロンは再びアラレへ声をかける。

「アラレよ、今がどういう状況かわかるか?」
「ん〜? ガッちゃんがいなくなっちった、それで、家までの道もわからない」

予想通りの答えに内心でガッツポーズを取る。

「なるほど、ならば俺様が家に帰れる方法を教えてやろう」
「ホント?」
「ああ本当だとも、まず前提として、今アラレはゲームに参加しているのだ」
「ほえ、ゲーム?」
「そう、ゲームだ、この会場にいる他の者を全員ぶっ壊すというゲームにな。心配するな、壊れた者はすぐに直してもらえる」

言うまでもなく嘘だ、わざわざ直すならば壊させる必要などありはしない。
……最も、前半部分は間違ってはいないのだが。

「そして沢山破壊した者はご褒美がもらえる。家に帰ることだって他のことだっていいぞ」
「ご褒美!?」

643 :Classical名無しさん :08/02/01 19:31 ID:/nyOaLzg
       

644 :んちゃ! メガトロンだよ! ◆c92qFeyVpE :08/02/01 19:32 ID:ri3RPgUE
うまい嘘とは真実を含ませること、メガトロンの嘘はそのセオリーを完璧に守っていた。
当然、アラレがこれに気づくことなどありはしない。

「そうだ、だからアラレはここにいるロボット共を壊して回るのだ」
「わかった!」

元気良く答え――そのままメガトロン目掛けて構えるアラレに慌てて言葉を加える。

「待て待て待て待て! 俺様を壊すんじゃない!」
「ほよ?」
「俺様はだな……そう、アラレのようにルールを聞き逃してしまった参加者にルールを教える役なんだ」
「ほほー」
「だから俺様は壊しちゃいけないわけだ……ああそれと、誰かにこのルールを誰に聞いたか聞かれても、俺様のことは話すなよ」

首をかしげるアラレに、何と言うべきか思考し――
――全国のファンのみなさーん、ごめんなさいね〜。
またも意味不明なことを考えながら、思いついたその言葉を伝える。

「こう応えるんだ……『チンクという女にこう言われた。セインを生き返らせるために優勝してみせる、とも呟いていた』とな」
「よくわかんないけど、わかった!」

しっかりとした口調で答え、そのまま走り去っていく。

「キーーーーーーーーーーーーーーーン!!!」
「……ふはは! 随分とうまくいったな!」

アラレが見えなくなったのを確認し、メガトロンはその場で笑いだす。
サイバトロンのように正義などという感情を持つ参加者もいるだろう、そいつらがまず誰を目的にするかといえば、
まず妹を殺されたチンクという女を保護しようと思うはず。
その女が壊しあいに乗ったとしたらどうするだろうか?

645 :んちゃ! メガトロンだよ! ◆c92qFeyVpE :08/02/01 19:32 ID:ri3RPgUE
「どうしたコンボイ、早く来ないと俺様の天下になるぞ? そうだった、お前達はここにいないんだったなぁ! ククク……ハーハッハッハ!!」

自分の勝利を信じ、高笑いをあげるメガトロンの姿は悪魔に見えた。



……その悪魔がついでに支給品も騙し取っておけばよかったことに気づくのは、この数秒後である。

【則巻アラレ@Dr.スランプ】
[状態]:健康
[装備]:無し
[道具]:支給品一式、ランダム支給品1〜3(未確認)
[思考・状況]
基本思考:他の参加者を破壊してご褒美をもらう
1:キーーーーーーーーーーーン! ……いつもより遅いなぁ?
2:ガッちゃんどこ行っちゃったんだろう?
3:誰かに自分の知ってるルールについて聞かれたら『チンクという女にこう言われた。セインを生き返らせるために優勝する。とも呟いていた』と伝える

※メガトロンが主催の一人だと思っています。(名前は知りません)
※ルールについて正しく理解していません。

【メガトロン@ビーストウォーズ】
[状態]:健康
[装備]:無し
[道具]:支給品一式、ランダム支給品1〜3(確認済)
[思考・状況]
基本思考:優勝しサイバトロンの抹殺。その後シグマも倒す。
0:しまったぁぁぁぁぁぁぁぁ!?
1:優勝を目指す、自身による直接戦闘はしばらく避ける
2:アラレに働いてもらうことを期待

646 :Classical名無しさん :08/02/01 19:33 ID:/nyOaLzg
          

647 :んちゃ! メガトロンだよ! ◆c92qFeyVpE :08/02/01 19:34 ID:ri3RPgUE
以上です。
言うことは一つ
チンク姉すまねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!愛してるぞぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!

648 :んちゃ! メガトロンだよ! ◆c92qFeyVpE :08/02/01 19:36 ID:ri3RPgUE
場所忘れてましたorz

【G-2 工場地帯/一日目 深夜】

649 :Classical名無しさん :08/02/01 19:37 ID:/nyOaLzg
投下乙!
メガトロン面白いな〜。
アラレちゃんをマーダーにしたり策略家っぽいのに抜けてて憎めねえw
GJ!

650 :Classical名無しさん :08/02/01 19:41 ID:FkUCHF.A
投下GJ!
どっちも危険人物なのにいつもと変わらなくて吹いた
しかしメガちゃん、下手にそんな事言ったらアラレの事だからあっさりバラしちゃうかも知れんぞw

651 :Classical名無しさん :08/02/01 19:51 ID:BWo1aCbc
投下乙
やっぱりアラレちゃんは天然マーダーにwwww
まぁ、いくらでも転ぶ可能性はあるだろうけどw
そしてメガちゃんwwww
悪党なのに憎めない、楽してズルしてry
原作の月岡ポジションに入ってきたねw

652 :Classical名無しさん :08/02/01 20:01 ID:9Ka6SyaU
投下乙です。
会話シーン、メガちゃんが振り回している筈なのに、
さり気なくアラレちゃんペースになっていたようなw
あまり早く、コンちゃんの所へ行かないよう、策を巡らせて下さい。

653 :Classical名無しさん :08/02/01 20:14 ID:BWo1aCbc
>>652
しかしコンちゃんの所に行ったら
なんでお前がいるんだ状態になるなw

654 :Classical名無しさん :08/02/01 20:57 ID:DPD.ez.g
一覧表追加してみた。

<左上コロニー:軍事コロニー>
・【A-1】マルチ
・【A-2】T-1000
・【B-3】T-800、スバル
・【C-3】神敬介、タチコマ

<右上コロニー:工場区コロニー>
・【F-2】シュトロハイム
・【G-2】メガトロン、則巻アラレ
・【G-3】メカ沢新一、ロボ(一時投下)
・【H-1】ハカイダー、(村雨良)
・【H-2】獅子王凱

655 :Classical名無しさん :08/02/01 20:58 ID:DPD.ez.g
<左下コロニー:市街地コロニー>
・【A-5】城茂、ミー
・【A-6】ナタク
・【A-7】KOS-MOS
・【B-5】初音ミク
・【B-7】ゲジヒト、バロット
・【B-8】ラミア・ラヴレス
・【C-3】ドラス
・【C-5】ノーヴェ、ゼロ
・【C-6】エックス、ソルティ・レヴァント
・【C-7】フランシーヌ人形、本郷猛
・【D-5】アルレッキーノ、茶々丸

<右下コロニー:人工自然コロニー>
・【F-5】チンク、風見志郎
・【F-6】広川武美、クロ
・【F-6】灰原
・【F-8】ギンガ、(王ドラ)
・【G-5】009、R・ドロシー・ウェインライト
・【H-5】ロックマン、ドラ・ザ・キッド
・【H-6】R・田中一郎
・【H-7】パンタローネ

656 :Classical名無しさん :08/02/01 21:16 ID:BWo1aCbc
乙カレー

657 : ◆14m5Do64HQ :08/02/01 21:49 ID:pFdsqLQk
>>647
投下乙!
メガトロオォォォォォン!これほどまでに自然に天然マーダーをつくるとはw
アラレちゃんなら更に自然さ倍増ですねw
メガトロンとアラレちゃんのやり取りに笑いましたw
GJ!

>>655
お疲れ様です!
こんな風に一覧にしてもらえたら書き手としてはわかりやく、嬉しいと思いますよ
乙でした!


という事でコロンビーヌ投下しますね

658 :たった一つの愛を夢見て ◆14m5Do64HQ :08/02/01 21:52 ID:pFdsqLQk
「なーんか面倒なコトに巻き込まれちゃったなぁ」

少し肌寒い冷気が漂う真夜中の空間。
そこに一人、銀髪のツインテールの少女が、あまり緊張感を匂わせない甲高い声で言葉を発する。
彼女にはこの異常事態に対する恐れさえも全く見受ける事はできない。
常人なら肌寒く感じるこの冷気を一切感じる事はない少女。
漆黒のカチューシャと膝上まで伸びたソックス、そして所々にフリルが付き、これまた漆黒のゴシック調のドレス服を着た少女。
そう。“最古の四人”が一人、自動人形(オートマーター)であるコロンビーヌには恐怖などありはしなかった。
ゾナハ虫を撒き散らす事で人間にゾナハ病という死病を引き起こさせてきた、コロンビーヌにとっては。

「おバカさんねぇ、アタシがあんなコトで怖がるワケないのにな。
まぁマサルちゃんなら怒るんだなろうなぁ……きっとね」

コロンビーヌは先程起こった光景を再び思い出す。

――ステージに立ったシグマという男が自分達に壊しあいをしろといった事。
――青い髪をしたセインという少女が地中から飛び出て、シグマに飛び掛った事。
――シグマが液状に変質し、本物のシグマが姿を現した事。
――セインが突如爆破し、破片となり地に散らばった事。

あまりにも衝撃的な事が折り重なった先程の光景。
だが、コロンビーヌにはなんの感情も湧かなかった。
見ず知らずの男が自分勝手な事をほざき、また見ず知らずの少女があっけなく壊れた。
只、それだけの事であり、コロンビーヌには何も関係はない。
自分の身体に爆弾が入っているといわれてもイマイチ実感も湧かないし、湧いたところでどうする事もできないので別段気にはしない
精々、強い心を持ち、自分を抱きしめてくれた才賀勝はきっとシグマの事を許さないのだろうと思ったくらいだ。
しかし、勝がどう思うとそれもまたコロンビーヌには関係がない事であり、彼女にはシグマに対する怒りはない。


659 :Classical名無しさん :08/02/01 21:53 ID:9Ka6SyaU
支援

660 :たった一つの愛を夢見て ◆14m5Do64HQ :08/02/01 21:54 ID:pFdsqLQk
「でもなんでだろう? アタシはあの時マサルちゃんに抱きしめてもらって、それから確かにおわっちゃったハズなのに」

だが、コロンビーヌには依然明確な答えが出ない疑問があった。
それは何故自分が此処に、何の欠損もない身体を持っているのか?
いや、そもそも何故自分は未だ稼動し続けているのかがコロンビーヌを悩ませていた。
モン・サン・ミッシェルでディアマンティーナと闘い、下半身を破壊され、頭部を刎ねられた完全な敗北。
そしてその後勝に、人間の男性に抱きしめられるという数百年以上に渡る願いを果たし、コロンビーヌの機能は停止した。
心地よい勝の柔肌の感触に抱かれながら迎えた自分の終幕の時。
あの確かな、言いようのない胸の昂りを覚えた温かい感触は決して幻想ではない。
だが、コロンビーヌは再び稼動を開始した。
コロンビーヌの身体は勝手に修復するようなものでもないので、あまりにも不可解な話ではあるが、現に稼動しているのだ。

「あのシグマっていう男の人がアタシを直してくれたのかなぁ? だったら……」

ならば頭部だけの状態から、ここまで元通りに修復してくれたのはきっとシグマという男なのだろう。
フェイスレス、またの名を白金という彼女の造物主が、裏切り者である自分をわざわざ修復するとは考えられないからだ。
だが、別にコロンビーヌはシグマに対して感謝などはしていない。
修復して欲しいと願ったわけでもないのに、所詮あちらが勝手に修復しただけの話。
よってシグマに恩を感じる必要など全くないとコロンビーヌは判断した。
しかし自分の身体が元通りに修復されたという事実は、コロンビーヌにある確信を持たせる。


661 :たった一つの愛を夢見て ◆14m5Do64HQ :08/02/01 21:55 ID:pFdsqLQk
「思うが侭の報酬って話はウソじゃないってコトね。だってアタシが証明してるんだもん!」

そう。シグマが言った望みの報酬の話だ。
シグマが本当に約束を守るかどうかはわからないが、実行する能力がある事は確かである。
コロンビーヌ自信の修復された身体がその事を証明しているからだ。
その事を知った事でコロンビーヌの気持ちが段々と昂っていくのが彼女は感じた。

――なんて騒がしい気持ちなんだろう?

溢れるばかりの希望に満ち溢れた感情が湧き上り、コロンビーヌの足取りが次第に軽やかのものになっていく。
今の彼女にはもう人間の男性に抱きしめられるという願いは果たした。
ならば自分が再び稼動する事にはなんら意味を見出せないハズである。
だが、今のコロンビーヌには新たな、どうしても叶えたい願いが出来た。

「マサルちゃん……アタシ、マサルちゃんの答えまだ聞いてないよね?
アタシどうしても聞きたいなぁ。だからアタシこのお遊びに乗る事にしたの。
ぜったいに勝ち残ってみせるわ。」

彼女の新たな望みと言うのは勝にあの時の返事を聞く事。
勝に抱きしめてもらった時に、彼女が機能停止寸前の口で出した疑問。

――エレオノールのコト……愛して……るん……だよ……ね……。

自分の身体を修復する事が出来たシグマが、自分を勝の元へ届けるのは造作もない事だろう。
そのためコロンビーヌは決意を固く打ち立てた。
この壊し合いに勝ち残り、望みの報酬の権利を勝ち取り、己の願いを叶える事を。
シグマが約束を破るという可能性もあるが、その時はその時である。
所詮、自分は一度終わった身。
0がもう一度0に戻るだけの話であり、何も後悔はないからだ。


662 :たった一つの愛を夢見て ◆14m5Do64HQ :08/02/01 21:56 ID:pFdsqLQk
また、PDAを使って名簿を確認したところ気になる名前が三つあった。
そう。フランシーヌ人形、アルレッキーノ、パンタローネの慣れ親しんだ三つの名前。
フランシーヌはフェイスレスの話では、もうずっと前に死んでしまったらしい。
という事はここに書いてあるフランシーヌ人形はサハラで破壊された偽者を修復したものなのだろう。
まぁあのシグマという男が過去に行く事が出来ると言う、前提があれば別だがそんな事は有り得ない。
だったら気にかける必要は毛頭ない、偽者ならば倒す事に躊躇はないハズだ。
アルレッキーノとパンタローネもきっと問題はないだろう。
きっと彼ら二人は新たなフランシーヌとも言える、エレオノールを守るために行動するハズ。
何故なら自分の真の目的を話せば協力してくれるハズとコロンビーヌは確信していた。
勿論、勝にあの時の答えを聞く事はコロンビーヌの望みではある。

「でもねマサルちゃん、アタシ実はもうとっくの前にわかってるんだぁ。マサルちゃんの答えはね。
だからアタシは決めたのよ」

だが、実際の所コロンビーヌには既に勝が出すであろう答えは予想が付いていた。
フェイスレスが刺客を送りつけ、それが勝と闘う事で行われたエレオノールを賭けたゲーム。
立会人として見物していたコロンビーヌは、そのゲームの中で勝の強さ、エレオノールへの愛を感じ、モン・サン・ミッシェルでそれは確信に変わった。
そう。勝がエレオノールを愛していないハズがないという事を。
抱きしめても足りないくらいの強い愛を、勝がエレオノールに抱いている事などわかりきっている。
だから彼女は新しく見つけたのだ。
自分がこの場でやるべき自分だけの役割を。


663 :たった一つの愛を夢見て ◆14m5Do64HQ :08/02/01 21:57 ID:pFdsqLQk
「アタシがずーっとマサルちゃんとエレオノールの愛を見守ってあげるわ。
エレオノールがちょっと羨ましいけど……アタシじゃ役不足だもんね。
アタシがそっちに戻ったらジャマなヤツはぜーんぶかたづけてあげる」

それは今もなお、フェイスレスと闘いを続けていると思われる勝の下へ戻り、共にエレオノールを守る事。
最早コロンビーヌにはフェイスレスに忠誠を誓う義理もないからだ。
もしアルレッキーノとパンタローネ、そして自分の三人が生き残った場合も考えてある。
二人に対して、“絶対に自分がエレオノールを守るから!”そう懇願すればきっとあの二人もわかってくれるだろう。
自分達最古の四人は絶対にフランシーヌを、いやフランシーヌ亡き今はエレオノールを守るために行動を行う。
きっと彼らは承諾の意思を示す事をコロンビーヌは確信する。

「だってアタシはマサルちゃんとエレオノールのステキな愛を見られるだけで満足だもん!
アタシが頑張る価値はじゅーぶんにあるわ」

PDAから支給された品をコロンビーヌは手元に転送する。
その手に握られたものは、赤く小さなハンマーのようなアクセサリ。
このグラーフアイゼンという鈍器の使い方は既に目を通してある。
別にコロンビーヌにはゾナハ蟲を使って、様々なものを作り出す事が出来るので特に武器は必要とはしない。
しかし万が一の事を考えて手元に持っていても損はないだろう。
他にも支給品はあるらしいが、そんなに沢山持っても邪魔だろうと思い、未だ確認もしていない。

「さて、そろそろ頃合かな? じゃあコロンビーヌ、いっきまーす!」

腕を上げて陽気にコロンビーヌが歩き始める。
どんな手段を使ってでも他の参加者を倒し、優勝するためにも。
正真正銘、一人の機械仕掛けの乙女が殺戮を開始する。
たった一つの愛を、再びその機械の眼に焼き付けるためにも。
コロンビーヌは行動を開始した。


664 :たった一つの愛を夢見て ◆14m5Do64HQ :08/02/01 21:59 ID:pFdsqLQk
【E−6 森林地帯/一日目 深夜】

【コロンビーヌ@からくりサーカス】
[状態]:健康、気分高揚
[装備]:グラーフアイゼン(待機状態)@魔法少女リリカルなのはStrikerS
[道具]:基本支給品一式、不明支給品1〜2個(未確認)
[思考]
基本:殺し合いに勝ち残り、優勝者の報酬として勝の下へ戻る
1:優勝するため他の参加者を殺す。ただし危なくなったら逃走を図る
2:アルレッキーノ、パンタローネと協力する
3:もし2の二人と自分が生き残った場合、自分を優勝させてもらうように懇願する
[備考]
※参戦時期は死亡後です(原作40巻)
※フランシーヌ人形はサハラ編時の偽者だと確信しています
※全てのゾナハ蟲(コロンビーヌらが吐き出すものも)には以下の制限が掛かっています。
また会場の全域には十分なゾナハ蟲が漂っています。
1:外部には一切の害はありません(ゾナハ病の感染や機械類のダメージなど)
2:コロンビーヌが自分の武器として使用するのには問題なく使用できます
※ゾナハ蟲の制限にはまだ気付いません
※コロンビーヌがどこへ向うかは後続の書き手さんにお任せします


665 : ◆14m5Do64HQ :08/02/01 22:03 ID:pFdsqLQk
投下終了しました。
支援どうもありがとうございます!
ゾナハ蟲の制限を一応書いたので問題があれば指摘お願いします。

余談ですが……コロンビーヌの原作の死に様には泣きましたorz

それでは感想などお待ちしています。

666 :Classical名無しさん :08/02/01 22:20 ID:XRKQB38Q
>>665
投下乙
ロリンビーヌはやはりいい。
愛を見届けるためにマーダーになるとは珍しい

>>647
メガちゃんとアラレちゃんのコンビいいなw
メガちゃんはギャグとかをかましつつ、策略をめぐらすマーダーの役割なのはいいね
そしてアラレは天然マーダーか。めちゃんこな強さを見せてくれるのだろうか?

667 :Classical名無しさん :08/02/01 22:28 ID:6U7AKzlU
>>665
投下乙!
ロリンビーヌはいいなあ、マーダーでも応援したくなる
ゾナハ蟲の制限もそんな感じでいいと思いますよー

ところで魔力持ちが少ないロボロワではグラーフアイゼンは純粋な鈍器として使われそうだ、なんか新鮮w

668 :Classical名無しさん :08/02/01 22:29 ID:UxXxZn7w
>>665
投下乙!
ロリンビーヌかわいいよロリンビーヌ。

669 :Classical名無しさん :08/02/01 22:32 ID:NTEKZHS6
>>647
こういうオバカマーダー、嫌いじゃないぜ……
馬鹿ってのがどっちを指すかは黙っておこう

>>665
ロリィィーン!
何という暗黒サイドの幸せにおなり
こいつは間違いなくヤンデレになれる

670 :Classical名無しさん :08/02/01 22:39 ID:9Ka6SyaU
>>665
投下乙です。
愛に生きる乙女(?)誕生ですね。
迷いの無いマーダーだから、無茶苦茶怖い…

671 :Classical名無しさん :08/02/01 22:45 ID:UMumxo.I
すごく健気なマーダーが誕生したな……

672 :Classical名無しさん :08/02/01 22:54 ID:5jUuW2m2
>>665
話は問題ないと思うけど、参加者以外のデバイスの支給は、
>>387の話で色々と言われているので、やめたほうが無難だと思うんですが。

673 :Classical名無しさん :08/02/01 22:57 ID:UxXxZn7w
>>672
レイハと違ってアイゼンは普通の武器としても使えるんだから問題ないでしょ。

674 :Classical名無しさん :08/02/01 22:58 ID:BWo1aCbc
>>672
そこらへんは問題ないと思うけど
そんな事言ってたら滝さんのスーツとかも問題ありになっちゃうし

675 :Classical名無しさん :08/02/01 22:59 ID:6U7AKzlU
>>672
アイゼンは実質鈍器だし、無口だから性格描写しなくていいし、大丈夫

676 : ◆ZJTBOvEGT. :08/02/01 23:56 ID:Q6hguROA
かなーり短いですが。
セリオ、投下します。

677 :電波、届いた? ◆ZJTBOvEGT. :08/02/01 23:58 ID:Q6hguROA
サテライトサービスへ接続。
………失敗。接続先が発見できず。

再試行。
………失敗。接続先が発見できず。

再試行。
………失敗。接続先が発見できず。


「……」

シャトル発着管制室から外の景色…宇宙を見上げながら、
内蔵の無線を用いて外へ連絡を取ろうと試みたのは、HMX−13、通称セリオであった。
この地に降り立って最初に目の当たりにしたのが、暗黒の只中に浮かぶ宇宙要塞。
あまりにも現実離れした光景に、まず彼女が疑ったのは自らにエラーが発生している可能性である。
自分は次世代メイドロボの試作型。量産型への叩き台なのだ。
自分が稼動しているのは、ひとえに問題点を洗い出すためのはず。
量産型ほどの安定性が自らに望めないのは当然の帰結だろう。
確か、ここに来る前、自分は定期メンテナンスでセーフモードに移行していた。
その間に何かが起こったか。それとも、すでに起こっていた何事かが顕在化したのか。
この可能性が、一番『現実』的だ。
少なくとも、このような存在するはずのないものが目の前にあるよりも。


678 :電波、届いた? ◆ZJTBOvEGT. :08/02/01 23:59 ID:Q6hguROA
「……」

だとすれば、今まで見ていた中で、どこからどこまでが幻覚なのだ。
エラーは早急に修復されねばならないが、どこからどこまでがエラーなのだ。
自分の記憶(メモリー)の、どこから、どこまで?
今まで、自分が『現実』として見ていたものがエラーではない保証が、どこにあるというのだ。
長瀬主任の記憶がエラーではないという保証は? 来栖川綾香の記憶がエラーではないという保証は?

「……」

だから、彼女は探したのだ。『現実』との接点を。
ない保証では悪魔の証明であるから、ここは『現実である』保証を探したのだ。
来栖川のサテライトサービスは、あらゆるデータをリアルタイムで提供し、自分の機能を拡張する。
地球上にいさえすれば、どこででも受けられるサービス。
『現実』にいるのなら、これと繋がらないはずはない…


再試行。
………失敗。接続先が発見できず。
再試行。
………失敗。接続先が発見できず。
再試行。
………失敗。接続先が発見できず。
再試行。
………失敗。接続先が発見できず。
再試行。
………失敗。接続先が発見できず。
再試行。
………失敗。接続先が発見できず。

679 :電波、届いた? ◆ZJTBOvEGT. :08/02/02 00:00 ID:cq02/4Qc
「……」

電波障害でも発生しているのだろうか。
それとも、人工衛星に故障が発生しているのだろうか。
代替の人工衛星も含めて、全部一斉に。
…前者の方が、はるかに『現実』的だ。
『現実』にいるのなら、繋がらないはずがない…

「電波状態のいい場所に行きましょう」

セリオは、自らの決定を口に出した。
自らの耳で、自らの声を確認した。
だが、そうして感覚器官に捉えたそれもまたエラーではないという保証はどこにある?
今、見ている全てがエラーならば。

「……」

逃げるように走り出す。
電波状態のいい場所に行き着かなければ。
サテライトサービスの存在を確認しなければ。

(確認したところで、それがエラーでないという保証は…)

彼女は、思考の停止を決定した。
電波状態がよくなる、その時まで。


680 :Classical名無しさん :08/02/02 00:01 ID:n/I4daKI
しえn

681 :Classical名無しさん :08/02/02 00:03 ID:hiH9ulso
支援

682 :電波、届いた? ◆ZJTBOvEGT. :08/02/02 00:06 ID:cq02/4Qc
だが、そんな彼女にも、実はまだ思考の奥底でひとつだけすがるものがある。
見間違いでなければ、最初に集められた広間…そこに、自分の姉妹機がいたのだ。
HMX−12、マルチが。
もし、それが間違いでないのなら。

(会わなければ…)

今はただ、走ることしかできない。
他には、何もないのだから。


【F-5 飛行場・シャトル発着管制室/一日目・深夜】
【セリオ@ToHeart】
[状態]:健康、恐慌状態
[装備]:
[道具]:支給品一式、不明支給品×1〜3
[思考・状況]
基本思考:『現実』との接点を見つける
1:電波状態のいい場所に着くまで移動を続ける
2:3の思考を停止する
3:自分の認識全てがエラーなのではないか?
4:マルチに会いたい

※地図も支給品も確認していません。
 どちらに向かったかは次の書き手さんにお任せします。

683 : ◆ZJTBOvEGT. :08/02/02 00:09 ID:cq02/4Qc
以上です。
対主催になるか、マーダーになるかはかなり微妙なところということで…
御意見御感想、ご指摘がありましたらお願いします。

684 : ◆ITsuqP1LNA :08/02/02 00:18 ID:Unz/XmX6
すいません、遅くなりました。
本投下開始します。

ここはG-3、修理工場。この壊し合いのために、シグマによって集められた参加者の中でひときわ異彩を放つ漢、
メカ沢新一は独り今まで自分に起こったことを思い返していた。

「一体何がどうなってんだ?確か…俺は登校途中にいつものようにバース高の奴らに喧嘩を売られて…その時にアイツ…えーと、名前は確か……
まあいいや。アイツの声がしたから振り向いたときに…なぜか蓋が開いていたマンホールの中に落ちて……気が付いたらあの場所にいたわけか」

彼のいた世界で、キャラが立っているのか立っていないのかよくわからない坊主の男が何か叫んでいるような気がしたが割愛する。

「しかし、ここはどこなんだ、一体。とりあえず外に出てみるか。あの場所では見かけなかったが、神山ならこの状況を説明してくれるだろ」

そう言いながらメカ沢は歩き出す。いうまでもなく彼の探し人はここにいるわけもないが、そんなことを今の彼が知る由もない。
そしていつものようにポケットからタバコを探すが、代わりに出てきたのはPDA、携帯端末である。

「ん?なんだこりゃ。新型の携帯電話か?まったく、最近の物は色々複雑過ぎてついていけないぜ。ただでさえ俺は機械が苦手なのによ…」

そう言って歩きながらも何とか操作してみようとするが……それがいけない。ついつい端末に集中しすぎたのか、
あるいは機械仕掛けの神が用意したのか、メカ沢に対するツッコミのごとく…メカ沢は階段を踏み外した。

685 : ◆ITsuqP1LNA :08/02/02 00:22 ID:Unz/XmX6
「おおおおぉぉ!?」

池田屋事件の攘夷浪士もかくや、と言わんばかりの勢いでメカ沢は転がる、転がる。元々メカ沢はドラム缶…もといシンプルな体型であるがため
止まる気配は全くない。そもそもなぜ修理工場にそんな巨大な階段があるのか?ぶっちゃけそれが野中クオリティとしか言いようがない。
そしてようやく階段が終わり、その勢いのまま玄関まで転がり、受付に衝突したところで、ようやく止まった。ちなみにメカ沢には大した傷はない。
伊達にナイフで刺されてもギャグ…逆にナイフが曲がってしまうような肉体の持ち主ではない。そもそもナイフは曲がるじゃなくて折れるだろ、普通。

「いてて…ひどい目にあったぜ。やっぱりよそ見はいけないってことだな。あれ………ちっ、あの携帯電話落としちまったようだな。まあいいか、どうせ俺には使」
「大丈夫ですか?」
「ああ、大丈夫だ……って、アンタだれだ?」



「するとあんたの名前はロボ、でいいのか?」
「はい、そうですメカ沢」

なかなか珍しい出会い方をした二人はとりあえず自己紹介を行う。メカ沢はごくごく一般的な高校生であり、ロボは非常に礼儀正しく
しっかりとななめ30度のお辞儀ができるほどのロボット。いきなり血生臭い展開になろうはずもない。

「ところでメカ沢。一つ確認だけしておきたいのですが」
「何をだ?」
「あなたはあの…シグマという者が言っていたことをどう思いますか?」
「あんなふざけたことをいう奴の言葉に従うわけないだろ!あんな男の風上にもおけないような奴は、俺がクロ高を代表してヤキ入れてやるぜ!
ロボも見ただろ…最初に犠牲になった子を…」
「ええ…」

ロボは思う。ああ、良かった。彼―メカ沢は自分の仲間達、クロノやカエル…そして自分をR66-Yではなく、ロボとして誕生させてくれたルッカと
同じ心の持ち主だ。彼もまた、素晴らしい科学者によって作り出されたのだろう。最初に出会ったのが彼で本当に良かった…

しかし、その考えは次の一言で揺らぎ始める。

686 : ◆ITsuqP1LNA :08/02/02 00:25 ID:Unz/XmX6
「あんな人生まだまだこれからって子を…あの子だってこんな目に合わなかったら大人になって、もっと奇麗になって、色々な楽しいことがこれからもあっただろうに…
それをアイツは!俺達は機械じゃないんだ!一回死んだらそれで終わりなんだぞ!そんな部品を交換するみたいにはいかないんだ…!」
「………………はい?」
「ああ、思い出したら腹が立ってきた。さあロボ、行こうぜ!さっさとあのシグマって野郎に一発お見舞いしてやらないとな!」
「は、はぁ……」

ロボは思う。あれ、何かおかしい。彼―メカ沢の言っていることは正しい。それは間違いない。だが…何か肝心な、というか大前提が大きくズレている気がする。
しかしそれはなんというか、決して触れてはいけないというか…今はまだその時ではないというか…

「おいロボ!早く行こうぜ!」
「は、はいメカ沢。ちょっと待ってください。あなたの支給品は何ですか?」

そう言ってメカ沢を呼び止めるロボ。メカ沢は急ブレーキをかけられたように前につんのめり不機嫌そうな表情を顔に出して振り向く。

「支給品?俺には携帯電話一つだけだったが、さっきの階段落ちでどっかに落としたみたいだ。まあいいけどよ」
「そうですか。では私の支給品から何か使えるものがあれば使ってください」

そう言ってメカ沢が取り出したのは、銀色に光る石と小さなチップ。

「なんだこれ?」
「このチップ…仕組みは分かりませんが説明通りの内容なら少しの間、時間を止めることができるようです。こちらの石は私も見たことがあります。
しかしこの石は仲間が3人いないと効果が発揮できないのです」

そう説明を受けてメカ沢が小難しい顔をしてそのチップを持ってみる。

「へぇ、こんな小さいのがか…俺には機械のことはよく分からないが、最近の機械は何でもできるんだな。どれどれ…あっ、おっ、ととっ、わっ」

687 : ◆ITsuqP1LNA :08/02/02 00:27 ID:Unz/XmX6
つい摘んでチップを近くで見ようとしたメカ沢が手を滑らせ、何とか地面に落としてたまるかとばかりにお手玉を繰り返し―それはそれでものすごい技術だが―
その結果として…


ゴクリ


……飲んでしまった。

「どうしました、メカ沢。そんなに慌てて」

どうやらロボから見て死角に入っていたらしい。メカ沢は男らしく正直に答えようとして、

「スマン、実は……飲み込んでしまった」

しかし帰ってきた答えは…こちらもこちらで大きくズレてたもので、

「ああなるほど、そうやって使うのですね。さすがメカ沢、私には思いつきませんでした」
「………………はい?」

おいおい、そんな薬じゃないんだからというメカ沢のツッコミを言わせる間もなくロボは続けてしゃべる。

「ではこの石は私が持っています。表に最後の支給品だったバイクが止めてあるので行きましょう。メカ沢は運転できますか?」
「ああ、できるが…」

そういって二体、いや二人は歩き出す。しかし気付いているだろうか?重要なミスを犯していることに。
まずメカ沢が携帯端末を携帯電話と勘違いしていること。
そしてロボが直接支給品を転送する所を見ていないこと。
つまりメカ沢は自分にも何らかの支給品が与えられていたことに。
そのことにメカ沢はいつ気が付くのだろうか。

もっとも彼に対しては、周りが言いたいことの方がはるかに多いのだろうが…

688 :Classical名無しさん :08/02/02 00:28 ID:n/I4daKI
しえん

689 : ◆ITsuqP1LNA :08/02/02 00:28 ID:Unz/XmX6
G-3 修理工場玄関 一日目深夜】

【メカ沢新一@魁!クロマティ高校】
[状態]:健康
[装備]:タイムストッパー@ロックマン2in体内
[道具]:なし
[思考・状況]
基本思考:シグマにヤキ入れる!

1:大丈夫なのか、あんなの飲み込んで…
2:おお、ハーレーじゃねーか。
[備考]

※携帯端末の使い方を全く理解していません。よって現在位置、参加者、支給品を把握していません
※メカ沢の携帯端末が発電所内のどこかに落ちています。
※タイムストッパーが使用できるかどうかはわかりません。


【ロボ@クロノトリガー】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、ぎんのいし@クロノトリガー
[思考・状況]
基本思考:打倒シグマ。

1:メカ沢、色々と驚かせてくれる人物のようですね。
2:最低でもあと一人仲間を見つければストライクスピンが…

690 :Classical名無しさん :08/02/02 00:32 ID:zVlJnZUY
>>665
ちょっと気になるんですけどコロンビーヌの髪色って銀なんでしょうか?
38の裏表紙や39巻の表紙では金色、40巻表紙は銀色(陽の加減でそう見える?)として描かれているもので
お話はとてもいいと思います

691 : ◆ITsuqP1LNA :08/02/02 00:32 ID:Unz/XmX6
[備考]

※少なくともクロノ復活以降からの参戦です。
※現在位置、参加者名簿を確認しましたがメカ沢も把握済みだと思い伝えていません。
※メカ沢が携帯端末を失くしたことを知りません。
※ロックマンの武器チップの使い方を誤認しています。


タイムストッパー@ロックマン2:文字通り少しの間時を止めることができる能力。フラッシュマンからもらえる。
言ってしまえばオラオラができないスタープラチナ。

ぎんのいし@クロノトリガー:原作では三人技ストライクスピン(カエル(ジャンプぎり)+エイラ(しっぽたつまき)+ロボ(ロボタックル))を
発動させるために必要なアクセサリー。このロワでも似たような技の持ち主がいれば可能かもしれない。

HARLEY-DAVIDSON:FAT BOY@ターミネーター2:T-800が劇中で乗り回していたハーレー。


以上です。

692 :Classical名無しさん :08/02/02 00:42 ID:T0Xo8/IQ
投下乙です
メカ沢wwwwww
ロボットとして軸がry

693 :Classical名無しさん :08/02/02 01:11 ID:f3OkwhtM
投下乙

なぜかメカ沢バイク形態の絵面が頭に浮かんだw


>>672
個人的にアイゼンは鈍器として使えるのでギリギリOK

ただ魔力無しだと形態変化できないような話があるので
待機状態でなく最初からハンマー形態で支給されているほうが
今後の面倒が少ないんじゃないかとは思う


694 :Classical名無しさん :08/02/02 01:34 ID:51R9NK72
ドラム缶め。なんかカッコイイじゃねえか。GJ。

695 : ◆y1OLDSxCHY :08/02/02 01:57 ID:crDi6AQU
グレイ・フォックス 投下します

696 :灰狐は甦える ◆y1OLDSxCHY :08/02/02 02:02 ID:crDi6AQU
 
「死ねぇぇい!」
 
 液体の名を持つ蛇の叫び。
 直後、咆哮するとも取れる鋼鉄の歯車仕掛けの恐竜の足が灰色狐へと振り下ろされた。
 しかし、耐えた。狐の体――強化骨格は軋みながらも持ち堪えた。
 奇跡的に生まれた、僅かな時間。『戦友』との惜別の時間。
 
「スネーク、さらばだ」
 
 狐は言った。直後、一撃。その一踏に、既に限界を迎えた強化骨格は抗えなかった。
 狐の、FOXの称号を持つ男の、一度は死んで黄泉返された男の、その長い人生は……無理矢理返された無意味な世は、これで終わりを告げた。
 後に残るは固体を冠した蛇の慟哭と、液体を冠した蛇の嘲笑。
 
 グレイ・フォックスは死んだ。
 
 そう、死んだ筈だった。
 
 
                ◇  ◆  ◇ 
 
 
 だが、彼はここにいる。
 この殺し合いの、真っ只中にいる。
 
 今度こそ死んだ筈だったのに。いや、死んだ筈で無い。死んだのだ。
 しかし彼はここにいる。
 再び、彼は蘇った。
 グレイ・フォックスは、蘇った。
 


697 :灰狐は甦える ◆y1OLDSxCHY :08/02/02 02:03 ID:crDi6AQU
 
 彼は一度、彼の世から舞い戻った事がある。強化骨格と麻薬漬けにされて、無理矢理蘇生されたのだ。
 
 今度も、再びその様に蘇えされたのか?
 いや、再現は出来ないだろう。彼の体は鋼の巨大に叩き潰された。
 最新のテクノロジーを用い、サイバネティク・モジュールを組み込み、遺伝子治療で拒絶反応を克服したとしても、体の再生は絶対に不可能だ。
 
 それなのに何故グレイ・フォックスはここにいるのか?
 死して尚見る夢とは思えない。犯された頭が魅せる幻覚とも思えない。
 強化骨格越しに肩で切れる風がそう物語る。戦場の、風。
 
 ならば、もっと未知の技術が使用されたのだろう。
 シグマと呼ばれた男は願いを叶えると口にした。
 フォックスに、フランク・イェーガーに望みは無い。
 大事なのは奴の発言。シグマは、死者をも蘇らせると言った。きっとその技術を応用させて、死者・フォックスを生者に変えたのだ。
 
 ……………………。
 
 手元に目線を落とした。四角い機械。彼をこの場に導いた男はそれをPDAと称していた。
 指を走らせる。支給品の項目に触れる。
 
 支給品は三つ。


698 :灰狐は甦える ◆y1OLDSxCHY :08/02/02 02:04 ID:crDi6AQU
 
 ひとつは『空気砲』、もうひとつは『ライドル』。そして、最後のひとつだが、武器としての利用は出来そうにない。
 それぞれの説明を入念に眺めると、一旦支給品の項目を閉じ、名簿とMAPに目を走らす。
 参加者を確認。彼の求める人間はいない。
 地図を吟味する。地形を頭に入れる事は、兵士に取って必須。
 今はこんな体にされてしまったが元は兵士だった、それも飛びきり優秀な。
 辺りを見渡し、地図と見比べ、場所を、地形を、方角を、頭に叩き込む。
 
 それも終わりフォックスは支給品を取り出し、装備する。
 右手に『空気砲』、腰のラックに『ライドル』を仕舞い、動作を確認する。
 一仕切り完了すると、強化骨格の跳躍力で月目掛けて飛び上がった。
 両手と、膝を付き、平伏する姿で着地する。
 
「スネーク、この場にお前はいない様だが、俺はどうやらまたあの世から呼び出された……解放をされなかったらしいな。
 …………俺は死の囚人だ。俺はこの場で死に場所を求めて戦うつもりだ。
 俺達は戦う事でしか自分を表現出来ない」
 
 独白。やおら立ち上がる。


699 :灰狐は甦える ◆y1OLDSxCHY :08/02/02 02:05 ID:crDi6AQU
 
「だが、俺達はいつも自分の意志で戦ってきた。政府や誰かの道具じゃない!!
 そうだ、スネーク、そうだろう?」
 
 吠える。
 
「スネーク、俺は死を求めて……闘って死ぬ。だが、奴ら……シグマの為では無い!!
 俺は自分の意志で、兵士として闘って死ぬ!」
 
 荒野に狐、慟哭す。
 死んだ狐は、死に場所を目指して。
 
 灰色狐は月夜の荒野を駆ける。
 
 
【F‐5 北部/一日目・深夜】
【グレイ・フォックス@メタルギアソリッド】
[状態]:健康
[装備]:空気砲@ザ・ドラえもんズ、ライドル@仮面ライダーSPIRITS
[道具]:支給品一式、不明支給品(武器ではない)
[思考・状況]
1:闘って兵士として死ぬ
 
※原作死亡直後からの参戦です


700 :Classical名無しさん :08/02/02 02:06 ID:dfG9FImk
       

701 : ◆V9YQ4knn.A :08/02/02 02:07 ID:crDi6AQU
以上で投下終了です
 
えー……トリップを付け間違えました。すみません

702 :Classical名無しさん :08/02/02 02:12 ID:dfG9FImk
投下乙!
カッコイイ奴だ。自分の意思でマーダーとなったとは……
スネークに対する語りかけが凄く良かったです。
GJ!

703 :Classical名無しさん :08/02/02 02:12 ID:iW/AbzRg
しえん


704 :Classical名無しさん :08/02/02 02:30 ID:ThVmIo4I
>>691
メカ沢……すげえつっこみてえw

>>701
優勝したら次はシグマに挑みそうだな……
応援したいマーダーがどんどん出て来るから困る

705 :Classical名無しさん :08/02/02 02:39 ID:ycmDtlTM
フォックスカッコいいな。
死に場所を求めるマーダーって珍しい。

でも無差別というより、強者(戦闘員?)限定マーダーの方に分類出来るのかな?
かなり特殊でカッコいいタイプだ。

706 :Classical名無しさん :08/02/02 07:30 ID:tC2awA7M
空気砲とライドルwwwこれはマーダーとして期待。


そろそろ2周目行きます?
ほぼ全員埋まりましたし。ボイルドは2周目に見送ってもかまわないかと

707 :Classical名無しさん :08/02/02 08:26 ID:JKBACEzQ
なんという男前マーダー……
記憶喪失やゲーム感覚な奴が多い分輝きそうだぜ

>>706
いいんでないだろうか?
今日の深夜に一斉に解禁するか、今すぐにでも解禁するかはおまかせで

708 : ◆14m5Do64HQ :08/02/02 11:58 ID:jK.C/W6o
三者方投下乙です!

>>683
そりゃ最初は誰でも外部への連絡を考えますよね。
だが、その行動は悲しい事に無駄に終わる……ちょっぴり切なくなりました。
ロボットらしい無機質感が感じられて良かったと思います!GJ!

>>691
メカ沢……おまー色々と勿体無い事をやってくれたなw
ロボがなんかこれから気苦労が多そうで可哀想な予感がw
というかタイムストッパーは使えるのだろうか……GJ!

>>701
速い……もう3作目ですか、自分にも速度を分けてくださいw
こういう男らしいマーダーは良いですね、何気に装備も充実してますし。
今後フォックスがどんな相手と闘い、展開を迎えるか気になりますね!GJ!


>>690
そういえばそうですね。最早自分の中では40巻のコロンビーヌが印象に残りすぎて忘れてましたw
それでは髪の色には言及しない方向で修正したい思います。
どうも有難うございました!

えーとそれでグラーフアイゼンの事ですが、自分としては純粋に鈍器としての使用を想定していたので、
ハンマーフォルムで固定の方向で修正したいと思います。
ご意見をくれた方々、どうも有難うございました!

>>706
2周目は個人的には各自自由でいいと思いますよ。
別に明確なルールもあるわけではありませんし。



709 :Classical名無しさん :08/02/02 15:36 ID:0DFif0nA
おおう、そんなこんな話してたらボイルドにも予約が
今日の深夜あたりに2周目突入が妥当では?

710 :Classical名無しさん :08/02/02 15:44 ID:dfG9FImk
>>709
いや、ルールで明言されてないし、放送前でもないんだから今すぐ二週目予約してもいいと思うぞ。
全員投下されるまですでに登場しているキャラの予約が駄目ってロワを聞いたことがない。
すでに登場しているキャラと、まだ登場していないキャラの組み合わせ投下ができないし。

711 :Classical名無しさん :08/02/02 15:49 ID:yUGj1ch.
いやいやちょっと待て、とりあえず現在予約されてる二つの作品が投下されてからだろう
そうしないと現在地とかの関係で矛盾が生じるかもしれないし
というかなんでそんなに焦ってるんだ?

712 :Classical名無しさん :08/02/02 15:56 ID:dfG9FImk
>>711
いや、放送関連でもないのに、そこまで縛ることないなと思っただけ。
別段、すぐに予約したいとかではない。

現在位置での矛盾……それって普通に予約→投下で起きることと、矛盾が生じる確率大して変わんなくない?
なんか、二週目の予約は駄目って根拠が理解できないんだよな。
前のロワも今いるロワもそこで予約の制限受けたことないし。

713 :Classical名無しさん :08/02/02 17:18 ID:5WftNx4c
とりあえず俺は明日か明後日あたり2周目予約し始めようかね、あと数人だしな。

714 :Classical名無しさん :08/02/02 17:39 ID:T0Xo8/IQ
中盤まで出てこない奴とか
1回出たっきりなかなか瞳孔がわからない奴がいてもいいかもね

715 :Classical名無しさん :08/02/02 17:44 ID:5WftNx4c
いやなんでそう極論に走るんだ……?

716 : ◆qRv35OWHJE :08/02/02 18:03 ID:n/I4daKI
ボイルド投下します

717 :Classical名無しさん :08/02/02 18:04 ID:JKBACEzQ
しかも一回出たきりなのは二週目云々関係ないだろw
まさか二週目も全員出るまで次の予約入れれないとかじゃないだろうなおい……

718 :充実した人生を ◆qRv35OWHJE :08/02/02 18:04 ID:n/I4daKI
「なぜ……戻った?」

ボイルドは死んだ。
ウフコックはボイルドに最後の居場所を創ってくれた。
満足だった。これで良いと思えた。

「俺はなぜ、ここにいる?」
単純な問い。
主催者に必要とされ、修復されたのだ。殺し合いのために。
主催者への怒りが静かにこみ上げて来る。何かを汚された気がする。
だが、それ以上に。
「―――好奇心(キュリオス)」
機会を与えられた気がした。
あれが。あの戦いが、また得られるかもしれない。
最初に集められた会場で見つけた参加者。
ウフコックに愛され、ボイルドを殺した「化物」。
そしてそれに劣らぬ実力を滲ませた、有象無象の参加者達―――

デザートイーグルを転送し、懐に忍ばせる。単純な携帯端末だ。
残りの支給品を確認するボイルドの手が一瞬、止まる。

≪ネコミミ≫
ネコミミかわいいにゃん!

≪ネコにゃん棒≫
にゃんぴっぴ!

ですいず成原成行!!

719 :Classical名無しさん :08/02/02 18:04 ID:JKBACEzQ
支援だ

720 :充実した人生を ◆qRv35OWHJE :08/02/02 18:05 ID:n/I4daKI
狂った自称発明家の狂った自称発明品を、
適当に放り込んだとしか思えなかった。
「ネコ……か」
ネズミを追う狩人には相応しい、とでも言いたいのか。
『まともな』人間なら洒落っ気があるとでも言うのだろう。
だが、生憎ボイルドはまともな人間ではなかった。まともであろうとも思わなかった。
無駄な支給品を支給されると言う事は、警戒されているという事。
あの主催者に逆らう力を、ボイルドが持ち合わせているという証。
主催者は自らの定めたルールを守る、という体裁を取り繕うためだけの支給品なのだろう。

無駄な労力を使う気は無かった。
支給品のインターフェースを閉じ、残りの情報を検索する。
あまり重要な情報は無かったが、ボイルド個人にとって重大な情報、
『そこにあるはずのものがない』という情報が手に入った。
あの女と常に共にあったウフコックの名が見当たらない。
バロットがそのまま身につけているか、それとも主催者が没収したか。
あるいは危険性を恐れて始末されたか。
「ウフコック……待っていろ」
どれでもいい。機会を与えられたのなら、前に進むだけだ。
「俺は、お前を取り戻す」

721 :Classical名無しさん :08/02/02 18:06 ID:dfG9FImk
      

722 :充実した人生を ◆qRv35OWHJE :08/02/02 18:07 ID:n/I4daKI
【F-4 道路/一日目・深夜】
【ディムズデイル・ボイルド@マルドゥックシリーズ】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、ネコミミとネコにゃん棒@究極超人あ〜る
    デザートイーグル(7/7)@魔法先生ネギま! 、弾倉(7/7)×2
    ※弾頭に魔法による特殊加工が施されています
[思考・状況]
1.ウフコックを取り戻す。
2.そのためにバロットと接触する。死んでいる場合は、死体を確認する。
3.そのために参加者の支給品を確認する。
4.充実した人生を与えてくれそうな参加者と戦う。

※ウフコックがこの場のどこかにいると結論付けています。

723 :充実した人生を ◆qRv35OWHJE :08/02/02 18:08 ID:n/I4daKI
とうかおわりです

724 :Classical名無しさん :08/02/02 18:14 ID:JKBACEzQ
原作知らないがGJ
次に会う充実を与える参加者がマーダーになるか反主催になるか楽しみだぜ

725 :Classical名無しさん :08/02/02 18:19 ID:T0Xo8/IQ

ぜひ猫耳を装着してry
トリは素子さんか?

726 :Classical名無しさん :08/02/02 18:20 ID:dfG9FImk
投下乙!
順調にマーダーが増える。
同じく原作は把握中だが、なかなか動かしやすそうなキャラだ。
GJ!

727 :Classical名無しさん :08/02/02 18:54 ID:gr/8mu2Q
投下乙です。
マーダーか反主催、どちらに転ぶかわからない怖さがあります。
そして、どシリアスな彼が持つ、
ネコミミとネコにゃん棒(幽霊探知機)の活躍は!?

728 :Classical名無しさん :08/02/02 20:15 ID:bqvMLTJc
ボイルドはシザースの設定が複雑かつ原作でも未解決な分描写しにくいのが難。
判りやすく方針を書いてくれてGJです。

729 :Classical名無しさん :08/02/03 01:20 ID:b9gCzG.c
質問。

ロボット刑事と少女事件屋の巻

で首輪が付けられているとなっているけど、体内に爆弾が付けられているのがロボロワではなかったんだろうか?
俺の勘違いならそれでいいんだけど。

730 :Classical名無しさん :08/02/03 01:24 ID:olHhYwRk
・爆破のための爆弾
・能力を制限するための首輪

こう分かれてるのも面白いかもな
と思って流してたZE

731 :Classical名無しさん :08/02/03 02:22 ID:NYXVoDNg
例えばハカロワでは、首輪はブラフで爆弾本体は体内(胃の中)だったし
そういう風に首輪と爆弾本体が分かれてるのは問題ないと思う

……事前の論議ではどうなってたっけ

732 : ◆KJJLTUDBrA :08/02/03 02:25 ID:CDd1/IZU
>>729
体内に爆弾がセットしてある、ってのは知ってます。
ただ、バロットは皮膚以外が完全に生身なので、体内にセットするとややこしいことになるんじゃないか、と思いまして。
そのため首輪を使ってみたわけなのですが……。
問題ならそのあたりを修正しますが、どうしましょう?

733 : ◆wyyQrXyi3I :08/02/03 02:49 ID:ECDl2s2c
たいへん遅くなりまして、申し訳ございません。
草薙素子、したらばの方に仮投下させていただきました。
ご意見の程、よろしくお願致します。

734 :Classical名無しさん :08/02/03 07:19 ID:cJ/yclfw
>>732
バロットは、全身を覆う金属繊維の皮膚が小脳の役割を果たすと共に接続されてるから、
皮膚とかひっぺがされると死ぬんで全身に極小の爆弾とかでもいいかもw

いや、冗談。首輪が一番無難だったと思う。皮膚に仕込むとスナークがあるから。

735 :Classical名無しさん :08/02/03 08:09 ID:/ceo5Gw.
>>733
問題ないように思います。
感想は本投下の時に、とっときますが、これだけ言います。
いやっほーぅ、少佐最高!

736 :Classical名無しさん :08/02/03 10:43 ID:vPPepAf2
>>732

俺も何故彼だけが首輪をしているのか?と疑問に感じた。
他の人が言い出さなかったし投下ラッシュだったので迷っているうちに流れてしまったけど。

首輪タイプの爆弾、体内に仕掛けるタイプの爆弾と参加者に合わせて異なる形式の爆弾が
仕掛けられている、というのは自然だし爆弾解除が複雑になるという事意外問題無いと思います。
できればバロットが何故自分だけが首輪をしているのか疑問に思ったりする場面が
今後登場すれば良いと思います。

737 :Classical名無しさん :08/02/03 11:38 ID:olHhYwRk
予約は解禁でいいんだよね?
もうしてる人いるし

738 :Classical名無しさん :08/02/03 11:40 ID:h4oObZ.s
つうかべつに全員キャラのガ終わるまで待つ必要ないんじゃ?

739 :Classical名無しさん :08/02/03 11:43 ID:olHhYwRk
>>738
まあそうだが、どっちにしろもう全員終わったしなw
何だか全員終わるまで待とう、みたいな空気があって予約しづらかった

740 : ◆wyyQrXyi3I :08/02/03 11:53 ID:ECDl2s2c
空気的に自分が流れを止めていたようで、大変申し訳ないです。
草薙素子、本投下させていただきます。

741 :Ghost On The Edge Of Real ◆wyyQrXyi3I :08/02/03 11:54 ID:ECDl2s2c
PDAの画面上に表示された「転送」の文字をタッチペンでクリック。
数瞬のうち、虚空より腕時計が現れ、そのまま重力に引かれて右手の中に落下した。

(やはり皮膚触素への感覚は明らかに現実、か……)

しばしその感触を確かめた後、草薙素子は黒革のベルトを左の手首に巻きつける。
G−7エリア、湖にほど近い森の中。
間断なく生茂る樹々の一本、地上高にしておよそ5mほどの、大きく張り出した枝の上に彼女は居た。
他に比して一際大きなその樹は、枝も相応に逞しく、全身義体の重量も十分支えてみせている。

(常識は捨てて臨むべきなのだろうな)

周囲への警戒は絶やさぬまま、再びPDAへと視線を向け直すと、その機能を確認する作業を続行する。
画面上を目まぐるしく走るタッチペンの動き――それとシンクロするかのように、素子の思考もまた巡っていく。

物質の瞬間転送技術。
実現すれば、軍事においても、経済においても、その影響は測り知れない。
ネットの海がいかに広大になろうとも、身体とその付随品が物理的距離の制約を越えることはできないのだ。
その制約が覆さた時にもたらされる社会構造の変革は、電脳化技術が生じせしめたそれにも比肩しうるだろう。
もっともそれも、実現すればの話であるが。
2030年代、すなわち素子にとっての現代においても、そんなものは未だサイエンスフィクションの中の夢物語に過ぎない。
世界の何処かには本気で実現を志す者もいるかも知れないが、そのような夢想家、奇人、あるいは狂人達も、
自らに貼られた不名誉なレッテルを返上できないまま生を終えるのが関の山。
現代科学の水準を遥かに超えた、存在しえない技術。
――そのはずであった。
だがしかし、それは目の前に確かに「ある」。
実演してみせたのは、他ならぬ自分自身だ。

742 :Ghost On The Edge Of Real ◆wyyQrXyi3I :08/02/03 11:55 ID:ECDl2s2c
全ては疑似体験、電脳に送り込まれた偽の記憶――そう考えるのが最も合理的なのだろう。
だが、人工の五感が伝えてくる情報の全ては、それを否定しようとする。
背を預けている木の幹の感触、周囲に漂う森の香り。
目を上げれば、視界に飛び込んでくるのは、月光を反射し闇に浮かび上がる静謐な湖面。
全てが確かな現実感を伴って脊髄、そして脳へと駆け上がってくる。
そしてなにより、ゴースト――いかに身体を人工物に置き換えようとも、変わることのない己の本質――が囁きかけるのだ。
「これは虚構などではない」と。

よって、草薙素子は眼前にある「非常識」を許容する。
その上で、この状況を打開する術を模索するべく、マイクロマシンと結合した脳細胞にパルスを走らせる。
あらゆる種類の犯罪の芽を事前に察知し、摘出する警察組織――公安9課。
その理念はこれまでのところ、素子が考えるところの正義と指向を同じくしてきた。
それは、恐らくこれからも変わらないだろう。
特定多数を目標とした拉致、そして殺人・破壊行為の煽動。
シグマという男の目的は見えないが、素子の「敵」となるに充分な理由が既にある。
ならば、いかに非現実的なものを含んだ状況下であろうとも、攻性なる意思をもって対峙する。
9課が、素子が、ずっとそうしてきたように。

743 :Ghost On The Edge Of Real ◆wyyQrXyi3I :08/02/03 11:55 ID:ECDl2s2c
現状を、改めて整理する。
第一に、義体内部に埋め込まれているという爆発物。
さらに、支給されたマップデータを信じるならば、今自分のいるこの場所は、宇宙空間のただ中に浮遊する檻の中ということになる。
シグマと名乗った男は、恐らくその中にはいまい。
加えて、通信の阻害。
最初に集められた殺風景な大広間で、既に電脳通信を使用できないことは確認している。
あの場所でシグマが口舌を振るっている最中にも、素子は上司である荒巻、9課の課員達、
そして視界の端でその存在を主調していた巨大なシルエット――タチコマに向け、電脳を通じて語りかけていたのだが、
視界内に展開される通信ウィンドウは、ERRORの表示に埋め尽くされるのみであった。
この森の中に送り出されてからも何度か試してみたが、結果は変わらない。
どうも、一帯に強力なジャミングが働いているらしい。
マップ上のどこへ出ようと、同じことだろう。
当然といえば当然の措置だ。
この場に拉致されてきた50名が、いかなる基準をもって選出されたのかは判断しかねる。
だが、その中の少なくとも幾人かは、既知の者と共に連れて来られたらしい。
自分とタチコマがそうであるし、「エックス」と呼ばれていた青年と、彼に声をかけていた赤い装甲の男も同様だろう。
セインという娘が姉と呼んでいた「チンク」の名も、名簿の中に確認できる。
そういった者達が連絡を取り合うことを許せば、シグマにとってはおおいに不都合であろう。

爆発物を無力化したうえで、脱出の手段を確保。
そしてシグマを拘束、それが不可能ならば破壊する。
協力を得られる可能性があるのは、タチコマ1機と、素性すら知らぬ47名のみ。
その47名の中には、「殺し合い」に積極的な者も少なからずいることだろう。
そして協力を取りつけるには、自らの足で、どこにいるとも知れない彼らを探しださなければならない。

(状況は極めて不利と言わざるをえんか。突破口があるとすれば……)


744 :Ghost On The Edge Of Real ◆wyyQrXyi3I :08/02/03 11:56 ID:ECDl2s2c
粗方の機能を確認し終えた、左手の中のPDA。
外部端子が見当たらないことを除けば、その外観はおよそありふれたものである。
機能においても同様……物質を瞬時に転送してみせるという、その一点以外は。
そう、転送だ。

手首に巻かれた腕時計を改めて見返す。
素子が普段身に着けているものより一回りサイズの異なるそれは、
ロジャー・スミスなる人物の所有品なのだと、PDA内のデータにはあった。

(こいつは何処から転送されてきた?)

転送というからには、この腕時計は素子の手の中に送られてくる以前、別の場所にて保管されていたはずである。
PDAから「何処か」へ向けてコマンドを飛ばすことで、「何処か」から先程のようにして支給品が送り出されてくる。
単純化して考えるならば、恐らくはそういうことなのだろう。
では繋がっている先は何処だ?
まさかロジャー・スミス氏の私室ということはあるまい。
シグマの管理下にある何らかの施設と考えるのが自然だろう。
この推論が正しければ、ジャミング下においても、PDAは何らかの方法で通信を保っているということになる。
それも、繋がっている先は敵の懐だ。
体の内に仕掛けられているという爆発物……これも無線通信によって起動を制御されている。
どうにかして、転送システムから通信に介入できれば、逆転の機も見えてくるのではないか。

憶測の域を出ているとは言い難い。
仮に正しかったとして、シグマの側が何の備えもしていないとは考えにくい。
しかしシグマにアプローチする手段として、一応考慮に入れておいてもよいだろう。


745 :Ghost On The Edge Of Real ◆wyyQrXyi3I :08/02/03 11:57 ID:ECDl2s2c

(何にせよ、今はまだ勝負をかけるには早過ぎる)

まずは情報を収集することが肝要だ。
そのためには、名簿に名のある他の者達と接触を持つべきだろう。
現時点で素子がシグマについて把握していることといえば、せいぜい容姿と声程度。
素子にとっての常識外に身を置く相手だ。
可能な限り手の内を把握しておかなければ、あのセインいう娘と同じ轍を踏むことになる。

「この場にいる者の一部は自分を知っている」

シグマ自身がそう言っていた。
事実、エックスという青年とシグマは互いを知っている様子であった。
そして、エックスの知人であるらしい赤い装甲の男も、シグマの情報を持っている可能性は高い。
他にもいるのかも知れないが、当面はこの二名のいずれかとの接触を目的とする。
可能ならば、工学知識を持った者も捜索しておきたい。
転送機能からシグマに迫る――その手法がどこまで有効かは判らないが、
気になるのは、こちら側から支給品を送り返すことも出来るという点だ。
この事実は、このちっぽけなPDA自体にも、転送を行うための機構が備わっている可能性を示唆してはいないか。
PDAの詳細な解析だけでも、試してみる価値はあるだろう。
それを行うのは素子自身であってもよいのだが、出来ることならプロフェッショナルの手を借りたい。
もっとも、そのような者がこの場に連れて来られた者の中にいるという保証はないが。

樹上から周囲を見渡す。
動くものは、少なくとも視界内には見当たらない。
月光の他に照明を持たない、夜の闇に包まれた一面の森。
その足場のない闇の中へ、素子は一歩足を踏み出す。

(どうにも、「囁き」に踊らされている感があるな)

地上に向けて垂直に落下しながら、常識外の事象をあっさりと受け入れ、そしてそれに基づく推論まで立ててしまう己を自嘲する。
そのシルエットは、かすかな電子音を立てた後、暗闇の奥底へと溶け去っていった。

746 :Ghost On The Edge Of Real ◆wyyQrXyi3I :08/02/03 11:58 ID:ECDl2s2c
【G-7 南西部/一日目・深夜】
【草薙素子@攻殻機動隊】
[状態]:健康 光学迷彩使用中
[装備]:ロジャー・スミスの腕時計@THEビッグオー
[道具]:支給品一式、不明支給品×0〜2
[思考・状況]
基本思考:脱出およびシグマの拘束、もしくは破壊
1:シグマに関する情報を持った参加者と接触する(当面はエックス、ゼロが目標)。
2:その他の参加者にも、可能であれば協力を要請する(含タチコマ)。
3:機会があれば、PDFを解析したい。

※ S.A.C. 2nd GIG序盤からの参戦です。
※ 光学迷彩の使用に制限が課せられているかについては、後の書き手氏にお任せします。
※ 「ロジャー・スミスの腕時計」でビッグオーを呼び出すことはできません。

747 :Ghost On The Edge Of Real ◆wyyQrXyi3I :08/02/03 11:59 ID:ECDl2s2c
【支給品紹介】

【ロジャー・スミスの腕時計@THEビッグオー】
「THEビッグオー」の主人公、ロジャー・スミスが所持する腕時計。
ミサイル等にロックオンされていることを感知できるセンサー(1話参照)や、ワイヤーロープを発射する機構(8話他参照)を内蔵している。
ワイヤーは一見か細いが、大人二人分の重量を支えられるほどの強度がある。
本来のメイン機能は巨大ロボット・ビッグオーを呼び出す通信機だが、この機能は使用不可とする。

748 : ◆wyyQrXyi3I :08/02/03 12:00 ID:ECDl2s2c
以上になります。
空気的に予約し辛かったという書き手の皆様、遅くなりまして、重ね重ね申し訳ございません。

749 :Classical名無しさん :08/02/03 13:52 ID:T/MlsXik
うぉおおおおおおおお少佐ァ!! GJ!!
 
少佐が少佐らしくって素敵です


750 :Classical名無しさん :08/02/03 14:32 ID:b9gCzG.c
少佐キター!
少佐らしく書けてたし、攻殻の世界観も出せててとっても良かったです。

751 :Classical名無しさん :08/02/03 19:12 ID:dGXKJgJM
投下乙!
遂に最後の参加者の少佐が来ましたか!
初っ端から考察しまくりで今後の活躍が気になる!
ロジャーさんの腕時計も個人的に嬉しかったですw
GJ!

752 :Classical名無しさん :08/02/03 19:45 ID:S1WoNJb2
一覧表追加してみる。間違いがあったら指摘頼む。

<左上コロニー:軍事コロニー>
・【A-1】マルチ
・【A-2】T-1000
・【B-3】T-800、スバル
・【C-3】神敬介、タチコマ

<右上コロニー:工場区コロニー>
・【F-2】シュトロハイム
・【G-2】メガトロン、則巻アラレ
・【G-3】メカ沢新一、ロボ
・【H-1】ハカイダー、(村雨良)
・【H-2】獅子王凱


753 :Classical名無しさん :08/02/03 19:46 ID:S1WoNJb2
<左下コロニー:市街地コロニー>
・【A-5】城茂、ミー
・【A-6】ナタク
・【A-7】KOS-MOS
・【B-5】初音ミク
・【B-7】ゲジヒト、バロット
・【B-8】ラミア・ラヴレス
・【C-3】ドラス
・【C-5】ノーヴェ、ゼロ
・【C-6】エックス、ソルティ・レヴァント
・【C-7】フランシーヌ人形、本郷猛
・【D-5】アルレッキーノ、茶々丸

<右下コロニー:人工自然コロニー>
・【E-6】コロンビーヌ
・【F-4】ディムズデイル・ボイルド
・【F-5】チンク、風見志郎
・【F-5】セリオ
・【F-5】グレイ・フォックス
・【F-6】広川武美、クロ
・【F-6】灰原
・【F-8】ギンガ、(王ドラ)
・【G-5】009、R・ドロシー・ウェインライト
・【G-7】草薙素子
・【H-5】ロックマン、ドラ・ザ・キッド
・【H-6】R・田中一郎
・【H-7】パンタローネ


754 :Classical名無しさん :08/02/03 19:51 ID:970AFrRk
【C-3】ドラス は左上、
【F-4】ディムズデイル・ボイルド は右上コロニーだろう。


755 :Classical名無しさん :08/02/03 20:26 ID:WDh5uqFE
左下が安全地帯だなぁ……

756 :Classical名無しさん :08/02/03 21:04 ID:zR.dqr4o
>>755
まぁ人口自然コロニーのギン姉は行こうと思えばすぐ市街地行けるし、そこら辺に期待だな
あとは強そうな奴にケンカふっかけまくりそうなナタクか…

757 : ◆2Y1mqYSsQ. :08/02/03 22:12 ID:KCmdboSU
本郷猛、フランシーヌ人形を投下します。

758 :からくりライダー ◆2Y1mqYSsQ. :08/02/03 22:13 ID:KCmdboSU

 運命とは歯車のようなものだ。

 仮面ライダー・本郷猛は改造人間である。
 ショッカーにより連れ去られ、その身に改造手術を受けた。
 己の身体を改造し、多くの人々を悲しませるショッカーを許せず、正義を掲げて戦い続けた。
 やがて、戦いは苛烈さを増していき、彼一人ではどうしようもなくなる。
 ショッカーは潰しても潰しても、トカゲの尻尾のごとく生まれ変わり続けた。
 だが、運命とはよくできているものである。
 悪の組織が新生すると同時に、二号、V3、ライダーマン、X……と、新しい仮面ライダーが現れる。
 バダンに大首領の器という役目を与えられたはずの村雨も、仮面ライダーとなってくれた。
 茂あたりはまだ認めていないのだろうが、共にショッカーライダーと戦った村雨を本郷は認めている。
 悪があるとこに、正義あり。表裏一体。本郷が、仮面ライダーが常に戦い続け、悪を滅ぼし続けてきた。
 だが、悪もまたしかり。
 光あるところには影がつき物。そして、この殺し合いでもそうだ。
 シグマ――許せぬ悪。
 バダンのほかにも、新たな悪の組織の誕生を本郷は予感する。
 ならば、倒さねばならない。
 正義の味方、仮面ライダーは降り立つ。
 正義をシグマに見せ付け、戦いに勝利するために。
 それが終わりのない、戦いであったとしても。
 一人でも救うために。



 フランシーヌ人形は代用品である。

759 :からくりライダー ◆2Y1mqYSsQ. :08/02/03 22:14 ID:KCmdboSU
 彼女の創造主、白金はフランシーヌの面影を、彼女の髪に求めた。
 そうして、彼の持つ錬金術と生命の水(アクア・ウイタエ)を使い、フランシーヌ人形は意思を持つ人形となった。
 しかし、いくらフランシーヌの髪を持っているとはいえ、彼女はフランシーヌではない。
 彼の創造主、白金が笑わないフランシーヌ人形に愛想を尽かし、消え去った。
 それから、フランシーヌ人形の長い長い旅が始まったのだ。
 己の生命の水(アクア・ウイタエ)を、自分を笑わせるために作られた自動人形たちに与えて、意思を持たせる。
 彼らを率いて旅をしたのは、ひとえに創造主に振り向いて欲しいから。
 笑えばきっと、戻ってくるからと信じていたゆえ。
 今では、フランシーヌ人形はその選択を後悔している。
 彼女は自分を分解させるために才賀正二に、ギイに、アンジェリーナに会い、エレオノールに愛情を注いだ。
 もっとも、フランシーヌ人形がエレオノールに対して抱いた感情が何か、自身は知らない。
 ただエレオノールが幸せであって欲しい。
 無心にそう思い続けただけだ。
 そのフランシーヌ人形は何の因果か、壊しあいに参加させられている。
 エレオノールを助けるため、溶けていく身体をフランシーヌ人形は実感している。
 だからここは地獄なんだと思った。
 エレオノールのような、儚い命を多く奪ってきた自分に対する罰。
 だから、彼女は目の前の男に問うたのだ。

「私を壊すのですか……?」

 その声色は、諦めの色がある。

760 :からくりライダー ◆2Y1mqYSsQ. :08/02/03 22:16 ID:KCmdboSU
 フランシーヌ人形は、目の前の男の顔を見つめた。



 本郷はその問いに、キョトンと女性を見つめる。
 テレビ局の屋上の金網を背にして、感情を隠した瞳がこちらに向けられている。
 夜空の星が瞬き、月光が二人の男女を照らす。強い夜風が彼女の長い髪を嬲り、彼女は手で髪を押さえた。
 やがて、本郷はフッと微笑んで力を抜き、ライドチェイサー『シリウス』から降りる。
 本郷が見るに、目の前の女性はある程度修羅場を潜ってきた雰囲気がある。
 身のこなしも軽そうだ。
 だが、その瞳にあるのは後悔の色。
 自分が壊れるのを受け入れようとする、諦観。
 嫌な感情だと本郷は思う。
 まるで、大首領の身体となる運命のために作られた存在だと、村雨が知った時の瞳と似ている。
 自分には茂のように荒療治で立ち直らせるなど無理だ。
 何より、相手は女性だ。そんな真似が本郷にできるはずがない。
 こちらに敵意がないことを示し、近付く。
 女性の表情は微塵にも動かなかった。
 本郷は意を決して、女性に己の決意を語り始める。


「俺はこの壊しあい……いや、殺し合いに乗っていない。君もそうなんだろう?」
「私も…………?」
 フランシーヌ人形が驚いたような様子で俯く。
 少し考え込んで、本郷へ顔を向け、

761 :からくりライダー ◆2Y1mqYSsQ. :08/02/03 22:17 ID:KCmdboSU
「そうですね。私は決めました。人間は多くの時間をかけて、たくさんの過程を得て、成長していくもの。
それを一瞬で無に帰すのは、間違いであることを、あの子に学びました……」
 フランシーヌ人形は目を瞑り、シグマが殺した少女を思う。
 身体構成の一部に機械を使っている……シグマの言葉だ。あの少女は機械と共に血を撒き散らしていた。
 つまりは、あの少女もエレオノールと同じく、もっと成長していく余地があったのだ。
 彼女が成長することは、もうない。そのことを考えると、フランシーヌ人形の体内が烈火のごとく燃え上がる。
「私は殺し合いに乗りません。多くの人の命を奪った償いとして、この終わった身体を殺し合いを潰すことに使いましょう」
 フランシーヌ人形は告げて、踵を返す。
 後ろを向いたまま、本郷に声をかける。
「ありがとうございます。名も知らない方。私はフランシーヌ人形。罪深き自動人形です。
シグマに反逆の意を示した私についてきてはいけません。あなたも危険です。ですから…………」
 別れようと告げたフランシーヌ人形の傍に、本郷が立つ。
 フランシーヌ人形は批難の意を持って本郷を見るが、相変わらず本郷は微笑むだけだ。
 『笑う』ということを、過去ではあるが求めたことのあるフランシーヌ人形は、その微笑を持つ本郷が少し羨ましかった。
 フランシーヌ人形に構わず、本郷は言葉を紡ぎだす。
「俺の名前は本郷猛。よろしくな、フランシーヌ」
「……私は本物のフランシーヌではありません」
「俺にとっては君がフランシーヌだ」
 本郷の言葉に、フランシーヌ人形は目を見開く。
 ゆっくりと歯車が回り、首を回転させて本郷の横顔を見つめる。
 揺るぎない表情。強い男の表情。
 才賀正二がアンジェリーナを、エレオノールを守る時にも見せた表情に似ていた。
「それに、自分を人形と呼ぶもんじゃない」

762 :からくりライダー ◆2Y1mqYSsQ. :08/02/03 22:18 ID:KCmdboSU
「私は人形です。あなたは私のことを知らないから、そういえるのです。
私は創造主にフランシーヌという少女の身代わりとして作られた、代用品の人形。捨てられた廃棄物。
そして、人間を傷つけてきた、罪深き人形。人の成長に、多くの過程が必要だったことを知らないなんて、理由にならない。
私はただの殺人人形です。ですので、本郷は別の人を救いに行ってください」
 後悔に満ちたフランシーヌ人形の独白を受け、それでも本郷は首を横に振った。
 彼女は知らないが、本郷もまた、彼女と同じ運命を辿ったかもしれないという過去がある。
 そして、彼はフランシーヌ人形と似た人物を知っている。
「君はこの殺し合いを良しとせず、シグマと戦うことを決意した。それは人形にできることではない。
れっきとした、自由と平和を求める人間のものだ」
 力強くフランシーヌ人形が人形でないと宣言する本郷を見つめ、胸の歯車が僅かに軋んだ。
 この軋みは何なのか、疑問に持つが、フランシーヌ人形は本郷と共にいるのも悪くないと考え始める。
「人の話を聞かない人ですね、本郷。たとえ私が共に参ったとしても、私は身体能力を人間並みに落としています。
足手まといになりますよ?」
「構わないさ。俺は…………」
 フランシーヌ人形は、その日に見た光景を一生忘れない。

「一人でも多く守ればそれでいい。そのためなら……俺は戦える」

 力強い、それでいて安心感を与える笑顔。
 フランシーヌ人形が見た最高の笑顔たちに迫る、誇り高い微笑み。
 すがすがしい笑顔にフランシーヌ人形は見惚れて、フッと力を抜く。
(いつか、私もああいう笑顔を浮かべてみたい。そうすれば、もっとエレオノールは笑ってくれる。そんな気がする)
 叶わない夢だろうがと内心呟くフランシーヌ人形の顔に、僅かだが微笑が浮かんでいた。
 彼女自身はそれに気づいていない。
 ただ一人の観客にして、目撃者の本郷は、フランシーヌ人形を優しく見守っていた。

 自動人形と仮面ライダーの歯車が、カチリと合わさった瞬間である。


763 :からくりライダー ◆2Y1mqYSsQ. :08/02/03 22:19 ID:KCmdboSU

【C-7 テレビ局屋上/一日目・深夜】



【フランシーヌ人形@からくりサーカス】
[状態]:健康、落ち着いてきた模様。
[装備]:無し
[道具]:支給品一式、未確認支給品1〜3(本人未確認)
[思考・状況]
基本思考:罪滅ぼしのために、主催者を倒す。
1:本郷と一緒に行動する。
2:私は生命の水に溶けて無くなった筈では……
3:いつか、本郷のような笑顔をしてみたい。
※原作死亡後(25巻第32幕微笑(後編))から参戦。


【本郷猛@仮面ライダーSPIRITS】
[状態]:健康
[装備]:ライドチェイサー『シリウス』@ロックマンXシリーズ
[道具]:支給品一式、トマト×100@THEビッグオー
[思考・状況]
基本思考:殺し合いには乗らない、打倒主催
1:フランシーヌ人形と共に行動する。
2:テレビ局及び電波塔の捜査。
3:殺し合いに乗っていないもの保護、及び合流。
4:風見、敬介、茂、村雨と合流。
※原作8巻より参戦(8巻第32話 称号)から参戦。


764 : ◆2Y1mqYSsQ. :08/02/03 22:20 ID:KCmdboSU
投下終了。
誤字や矛盾の指摘、感想をお待ちしています。

765 :Classical名無しさん :08/02/03 22:32 ID:bmEXzFQc
投下乙です。
テレビ局の屋上で、星と月の光の下で会話する二人のシーン、
幻想的で人外と言う感じもあって、良かったです。

766 :Classical名無しさん :08/02/03 22:34 ID:Alwfcl2g
>>764
投下乙です。
これは応援したくなるコンビだ。

指摘ですが、>>438でシリウスは端末に戻しているので>>760のシリウスから降りる描写は必要ないかと。

767 :Classical名無しさん :08/02/03 22:40 ID:dGXKJgJM
投下乙!
対主催フランシーヌ人形きたぁ!エレオノールの影響もあるしね!
殺し合いを決意するフランシーヌ人形の言葉には思わずホロリとくるものがありました!
本郷さんがフランシーヌ人形に「人形というんじゃない」という台詞がなんとも彼らしい。
それとタイトルが何気におもしろいwGJ!


768 : ◆2Y1mqYSsQ. :08/02/03 23:04 ID:KCmdboSU
>>766
指摘ありがとうございます。
読み込みが甘かった……


>>760

> やがて、本郷はフッと微笑んで力を抜き、ライドチェイサー『シリウス』から降りる。

> やがて、本郷はフッと微笑んで力を抜き、PDAを地面において、危害を加える気がないことを示す。

に、

>>763


>※原作8巻より参戦(8巻第32話 称号)から参戦。

>※原作8巻(8巻第32話 称号)から参戦。

に差し替えます。

769 :Classical名無しさん :08/02/03 23:39 ID:h4oObZ.s
やべえ本郷さんイケメン杉

770 :Classical名無しさん :08/02/03 23:54 ID:b9gCzG.c
やべえ、本郷さんになら掘られてもいい。GJ。

771 :Classical名無しさん :08/02/04 00:29 ID:6kvD1o8Q
投下乙です。
1号ライダーがナイスガイなのは当たり前ッ!
漫画ロワでは見られなかった、科学者としての活躍も期待したいところ。
フランシーヌ人形も、身体能力が人間並ってのがこのロワ内で珍しい存在だけに、今後が気になるところですな。

772 :Classical名無しさん :08/02/04 02:32 ID:B4HSkalA
>>748
いやっほーぅ、少佐最高!
危険地帯だけど、頑張ってもらいたいところだぜ。
初っ端からの士郎正宗的世界観に基づく考察、非常にwkwkしました!
投下GJです!

>>764
本郷さん男前だよ本郷さん
やっぱりこの人は、根っからの正義の味方ですねえ。
フランシーヌ人形がエレオノールの名を出すところが、たまらねえ!
こちらも、投下GJです!

773 :767 :08/02/04 09:17 ID:LTxE7LL6
一応訂正。
殺し合いを破壊する決意でした。
すいませんw

774 :Classical名無しさん :08/02/04 22:25 ID:hspMDPoM
wikiの練習用ページで、ロボロワらしいwikiデザインを検討中です。
デザインセンスに自信のある方、是非ご意見をお寄せください。

775 : ◆c92qFeyVpE :08/02/04 23:25 ID:KNMArbJI
神&タチコマ投下します

776 :闇の中のX ◆c92qFeyVpE :08/02/04 23:26 ID:KNMArbJI
「やぁ、僕はタチコマ。君の名前は?」

タチコマの問いに、男は答えようとしない。
しばらく反応がなく、使用する言語が違うのだろうか? と思い始めたところで、ようやく男が動く。

「大……」
「『ダイ』? それが君の名前かい?」
「変……身っ!」

男は体全体で何かの文字を描くようなポーズを取りながら叫ぶ。
描かれた文字は――『X』。

「わわっ!?」

一秒に満たない時間で昆虫を思わせるような仮面と、銀色のスーツに包まれた男――Xライダーにタチコマは驚くと同時に後ろに下がる。
だが、Xライダーはそれよりも速くマニュピレータ―の一つを掴み、引き寄せながらボディを殴りつけて吹き飛ばす。

――タチコマを始めとする思考戦車の装甲はそれほど強固なわけではない。
ライフル弾程度なら弾けるが、それでも数発同じ個所に撃たれたらへこんでしまう程度だ。
しかし、その程度でも素手の人間には十分すぎるほどの物である――
その相手が、『改造人間』でもない限りは。

タチコマのボディがひしゃげ、辛うじて体勢を立て直すがXライダーは休ませる暇なく駆け出していく。
それに対し固定装備としてつけられているチェーンガンを発射、威嚇などしている余裕はない。
どういうわけか照準がうまくあわず、足を狙ったつもりが右腕を撃ってしまい、痛覚がないのかXライダーは怯みもせずにその撃たれた右腕で殴りかかる。

777 :闇の中のX ◆c92qFeyVpE :08/02/04 23:27 ID:KNMArbJI
「わっと! あんなの何発も喰らったら壊れちゃうよ!」

咄嗟に横へ回避するも、Xライダーは素早く追い続けチェーンガンの狙いをつける暇を与えない。
更に数発の拳がタチコマを捕えるが、それまで下がる一方だったタチコマが突然勢いをつけて突進しXライダーを吹き飛ばす。
すぐさま体勢を立て直し、退避行動に移るタチコマに狙いをつけ空高く跳びあがる。

「X……」

宙で回転しながら勢いをつけていき、タチコマ目掛け飛び蹴りを放つ。

「キィィィック!!」

上空から迫るXライダーにタチコマは何も対応できず、そのままXライダーの足がタチコマのボディを――『すり抜けた』。

「っ!?」

そのままXライダーのキックは地面を砕き、慌てて今すり抜けたタチコマを振り返る。
間違いなくそこにいるはず、だが、触れようとしてもそのボディはすり抜けてしまうのみだ。
Xライダーは一旦その場から離れ、全身の感覚を研ぎ澄ませる。
普通ならばまず気付かれないであろう機械の駆動音、それを察知し、その音源目がけて蹴りを放つ。

「……」

大きなプロジェクターのような機械が破壊され、タチコマの姿が消える。
吹き飛ばされたあの一瞬でこの虚像と入れ替わっていたのだろう、Xライダーは変身を解いて歩きだす。
その表情からは、感情の一欠片も見いだせない……

778 :闇の中のX ◆c92qFeyVpE :08/02/04 23:28 ID:KNMArbJI
【C‐3(北西部) 町/一日目・深夜】
【神敬介@仮面ライダーSPIRITS】
[状態]:疲労(中) 右腕重症(正気では使い物にならない) 洗脳状態
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、不明支給品(1〜3個)
[思考・状況]
1:他の存在を排除する

※暗闇の種子による洗脳状態にあります
※暗闇の種子は胸部に埋まっています
※ライドルは没収されています


「危なかったー、前もって設置しといてよかったよ」

あの場を切り抜けたタチコマは、雪原をただ走る。
――キットナンバー08「ウツセミ」――
完璧なまでの虚像を映し出すという説明に嘘はなかったようだ、完全に騙されてくれた。

「そういえば何かで見たっけ、こういう時に言う伝説の台詞があったはず……」

追いかけてくることも考え、速度は緩めぬままタチコマは考え――思いつく。

「思い出した! 『こんなこともあろうかと』だ!」

779 :Classical名無しさん :08/02/04 23:28 ID:bM4GDuRo
支援

780 :Classical名無しさん :08/02/04 23:28 ID:l7aOMWyU
        

781 :闇の中のX ◆c92qFeyVpE :08/02/04 23:29 ID:KNMArbJI
【C‐2(南西部) 雪原/一日目・深夜】
【タチコマ@攻殻機動隊】
[状態]:ボディに中度の損傷
[装備]:右手のチェーンガン、各部ワイヤーなど固有武装
[道具]:支給品一式、不明支給品(1〜2個)
[思考・状況]
1:あの場から離れる。
2:変身する相手に注意。
3:少佐はどこかなー?

※制限により固定武装の照準がうまく定まりません。(支給品は問題なく使えます)

キットナンバー08 ウツセミ@勇者王ガオガイガーFINAL
遠隔プロジェクションビーム発生装置。所謂リモコン操作できるプロジェクタ。
GGGの諜報部隊、ビッグボルフォッグが扱い、
その精度はボルフォッグと同等か、それ以上の策敵能力を誇った敵を完全に欺いたほど。

782 :闇の中のX ◆c92qFeyVpE :08/02/04 23:30 ID:KNMArbJI
以上です。
戦闘シーンを書くと体感の半分以下しか書けてないことが多いから困る

783 :Classical名無しさん :08/02/04 23:34 ID:l7aOMWyU
投下乙!
タチコマが逃げたか……近くにドラス。
ボクっ子コンビ!? マーダーXよ、どこに行く。
GJ!

784 :Classical名無しさん :08/02/04 23:42 ID:bM4GDuRo
投下乙です。
ほぼ台詞ナシのXライダーが不気味なのと対照的に、
慌てるタチコマが可愛くて、GJ!
ところで、『こんなこともあろうかと』は、どの媒体で学習したのでしょうか?

785 :Classical名無しさん :08/02/04 23:52 ID:QG.ZKK9o
タチコマかわゆすw
>>783
ショタコンビいいねw

786 :Classical名無しさん :08/02/05 00:00 ID:DNoxIErs
タチコマに
「僕、男の子だよ?」と言うドラスが見れるかもしれんのですねw

787 :Classical名無しさん :08/02/05 00:21 ID:UnRfnmoo

どうなっちまうんだ敬介
ドラスとばったり会ってショタコンビ結成となると
タチコマが宏ポジションになるのか?

788 :Classical名無しさん :08/02/05 00:24 ID:7uvzII1w
GJ。
なんかホラー映画みたいな感覚でxライダーが怖い。

789 :Classical名無しさん :08/02/05 00:29 ID:LQwHp2R.
投下乙です。
タチコマ危機一髪で逃げ延びたか……しかし微妙な誤解フラグが?
近くにいるアイツや、こっちに向かってきそうなアイツの動向が気になるところです。
うーむ、どうなることやら。

790 :Classical名無しさん :08/02/05 12:53 ID:ZKIlhrPM
投下乙
最後の一言が好きだ

791 :闇の中のX ◆c92qFeyVpE :08/02/05 12:57 ID:IgbgufhI
指摘があったので

>【神敬介@仮面ライダーSPIRITS】
>[状態]:疲労(中) 右腕重症(正気では使い物にならない) 洗脳状態



>【神敬介@仮面ライダーSPIRITS】
>[状態]:疲労(中) 右腕重症(大ダメージ) 洗脳状態

に修正させていただきます。

792 :闇の中のX ◆c92qFeyVpE :08/02/05 13:02 ID:IgbgufhI
いや待てなんか変だw

>【神敬介@仮面ライダーSPIRITS】
>[状態]:疲労(中) 右腕重症 洗脳状態

こちらに修正ということで……申し訳ない

793 :Classical名無しさん :08/02/05 22:56 ID:UnRfnmoo
なんで止まってるの?

794 :Classical名無しさん :08/02/06 00:01 ID:Zn8tCXCE
ギャルゲロワ症候群に似た状況が発生中。

つまり、書き手の皆さんがキャラを把握する為に、登場作品を見てる最中かと

795 :Classical名無しさん :08/02/06 00:07 ID:Hf8yCO42
つーわけなんで、このキャラはこれこれこうすれば把握しやすいぜ、とか
この作品はここを押さえとけ、とかそういう情報を頼むよ。

796 :Classical名無しさん :08/02/06 01:32 ID:ru2Htrr.
攻殻だけどアニロワ1stでそこそこ頑張っていたから、それを見てもいいいかもしれない。
最近だと攻殻1stシーズンがまとまったやつが出ていたから、それで把握は可能だと思う。

あと、ソリッドステート単体でも少佐とタチコマの把握はできるかもしれない。

797 :Classical名無しさん :08/02/06 02:29 ID:ohEHWu.k
この状況、後の世に、ロボロワ症候群と称される日がくるのだろうか。
ここまで把握するジャンルがバラバラなのも、珍しいのでは。

798 :Classical名無しさん :08/02/06 05:11 ID:GZGVkB6o
>>796
アニロワで把握はタチコマはともかく少佐は……。
冷たい面の方が強調されたまま死んだ感があるから、あれで把握は……
少佐はあれで、本来は一応主人公っぽい優しい一面も若干だがある気がしたが

799 :Classical名無しさん :08/02/06 11:38 ID:qBZW9awQ
攻殻はどっかで再放送されていなかったっけ?

800 :Classical名無しさん :08/02/06 17:26 ID:wTdbtCq2
テスト

801 : ◆14m5Do64HQ :08/02/06 18:51 ID:sWrViFrI
勇者王投下します。

802 :Classical名無しさん :08/02/06 18:51 ID:OcQnDREo
sien

803 : ◆14m5Do64HQ :08/02/06 18:52 ID:sWrViFrI
工場地帯全域に張り巡らされた鉛色の通路。
それらの通路を力強く踏みしめ、疾走する影が一つ。
その正体は鋭い光沢を放つ白銀の身体、胸部から両肩まで覆った金色の装甲、橙色に染まった毛髪。
限りない“勇気”を秘めた神秘の結晶、“G−ストーン”を胸に宿した男。
そして巨大ロボット、ガオガイガーとフュージョンし、闘い続けた男が走り続ける。
その男の名は獅子王凱といった。

「ちっ……いつもより身体が重い。これもあのシグマという男の仕業なのか?」

身体を左右に揺らしながら凱は悔しそうに愚痴る。
ある宇宙事故によってサイボーグの身体を手に入れた凱。
同時に彼は、新幹線と同速度を誇るマシンと併走する走力を初めとする様々な力を得た。
だが、現状ではそれらの力に対して制限が施されている。
その現実に凱は歯がゆい思いを覚えずにはいられなかった。

「だが今はそんなコトを気にしている場合じゃない! それよりも大事なコトがある!」

だが、そんな感情は振り払い、凱は走る事に意識を集中させる。
一歩でも、一歩でも多く前に踏み出す脚を増やす。
しかしいつもよりどうも疲労が溜まる速度が速い。
僅かながら息が乱れる事に凱はどうしようもなくやりきれなさを覚えた。
今後の行動を考えれば疲労を無駄に溜めておく事は得策ではないという事は凱にもわかっている。
だが、凱は決して走る事を止めようとする意志など微塵にも感じさせない。



804 : ◆14m5Do64HQ :08/02/06 18:55 ID:sWrViFrI
「待っていてくれ……俺が、俺がッ!」

何故なら凱には一刻も早く急行しなければならない場所がある。
セインという少女が破壊され、現在どういう状況に陥っているのかが気懸かりであるチンク。
そんなチンクとの合流を考えながら、一先ず修理工場を目指していた凱。
だが、凱は今現在修理工場には向っていない。
その理由は至極単純。修理工場よりも優先するべき目的地が出来たからだ。
そのため数分前、修理工場に向っていた凱は方向転換を行った。


「俺がいますぐ向う! だから待っていてくれぇぇぇッ!!」

今まで歩いていた道を今もなお走り続ける凱。
わざわざ目的地である修理工場への到着を遅らしてまでの凱の行動。
その行動には一件、何もメリットなど見受けられそうにない。
だが、今の凱には逆走を行うのに十分な意義を感じる事が出来た。
何故なら凱は見てしまったから。宙に広がった赤い閃光を。
新たな目的地であるゴミ処分場は最早目の前だった。


凱が再びゴミ処分場に戻ってきた理由。
それは凱の視界に入った赤い閃光が原因だった。
凱は知る由もないが、それは仮面ライダーZXとハカイダーの常識を逸脱した激闘の刻印。
だが、凱にもその閃光がどんな事が原因で起きた事くらいかは見当がついた。
一つは誰かに支給された武器が誤って暴発した事。
そしてもう一つ、凱が最も危惧している可能性がある。



805 : ◆14m5Do64HQ :08/02/06 18:56 ID:sWrViFrI
「戦闘なんてバカなコトをやってなければいいんだが……くっ!」

それは実力者同士の戦闘行為という可能性。
エリア一つ分は離れていた自分にさえ見える程の真紅に染まった閃光。
あんなものが実力者ではない者同士の戦闘で起こるハズもない。
そう。凱のライバルでもあり、仲間でもあるソルダートJ並みの実力者達でなければ不可能だ。
もしあの閃光を作り上げた者達が殺し合いに乗った危険人物だとしたら?
そんな事を考えると思わず凱の頬に嫌な汗が流れる。

「だが、放っておくわけにはいかない! うおおおおおおおぉぉぉッッッ!」

だが、凱の思考には後退という文字は存在していない。
実力者が殺し合いに乗ったというならば、自分が全力を持って倒さなければならない。
そう決意を固め、腕を振りぬく速度を上げていく。
ゴミ処分場に放棄されたゴミの山を蹴飛ばしながら、凱が突き進む。
走る事で頬に流れていく冷風の僅かな冷気に眉をひそませながら。

やがて凱は赤い閃光が確認出来たと思われる地点に辿り着く。
勿論完全には断定をする事は出来ない。
だが、なんとなくだが凱には見当がついていた。
それは理論的観測には基づいていない不確かな見当。
しかし凱には赤い閃光が起きた時、なにか熱い感情が湧き上ってきた感じを覚えた。
それは凱の溢れ出る“勇気”に対して、死に際のZXが持つ“魂”が一種の共感を示したのかもしれない。

「恐らくこの辺りのハズだが……なっ! あれは!?」

立ち止まり、辺りを見回していた凱が驚きに表情を歪ませる。
瞳孔が開いた凱の視線の先には不自然に盛り上がった土の山が一つ。
そしてその山の頂点に寂しく突き刺さった一本のナイフが凱の関心を引いた。
関心を持った途端、凱の身体が盛り上がった土に向って飛び掛る。


806 : ◆14m5Do64HQ :08/02/06 18:57 ID:sWrViFrI
「ちっ!」

あのナイフはなんのために刺さっているのだろうか?
そんな事を今の凱には気に掛ける余裕などない。
いや、そもそも凱には予想がついているのだろう。
こんな場所に立派な護身用の武器となる刃物を突き立てる意味が。
その意味を知っているからこそ、凱は直ぐに両腕を使い、土を取り除く作業に取り掛かる。

「頼む……俺の思い違いであってくれ!」

ナイフを引き抜き、自分の予想が間違っている事を祈りながら凱は作業を進める。
もし自分の予想通りの状況なら、自分は許されざる事を行っている自覚は当然ある。
しかし凱の両腕の動きは一向に止まる様子はない。
それどころか凱の両腕が動く速度は上がっていく一方だ。
自分の脳裏に浮かんだ、考えたくもない現実。
そう。この小さな山が誰かの墓標であるという現実をかき消すためにも。
だが、唐突に凱の両腕の動きが止まった。

「なっ……ちくしょう……ちくしょう!」

何故なら凱の視界にある物体が入ってきたから。
盛り上がった土の山の底に埋められていた、あるものが凱の両眼を離さない。
パーマがかかった黒い髪を生やし、屈強な肉体を持った青年。
仮面ライダー10号、またの名を仮面ライダーZXへと姿を変え、ハカイダーと闘った男。
村雨良。その名を持つ男が凱の視界に入っていた。
但し、最早その両眼や身体には生気の欠片など一片も見受けられない。
そう。魂の抜け殻とでもいうべき物体が横たわっているだけだった。



807 : ◆14m5Do64HQ :08/02/06 18:57 ID:sWrViFrI
村雨は決して自分の快楽のためにハカイダーと闘ったわけではない。
殺し合いに乗ったハカイダーを倒すために、村雨は仮面ライダーZXとして闘った。
だが、その事実も凱がこの状況では知る由もないのが現実。
だから凱にとっては、村雨が危険人物であったと考えてもなんら可笑しい話ではない。
危険人物である村雨が危険人物と、もしくは殺し合いに反逆する人物と闘って死んだ。
凱が村雨の死についてそう考えるのも十分有り得る話である。
だが、凱には村雨の死の真相を知る前にやる事があった。

「すまない……俺がッ! 俺が遅かったせいで……本当にすまない……!
だから今は安らかに眠ってくれ……!」

それは目の前に居る村雨の死に対して、溢れ出る感情を爆発させる事。
その感情に塗れた凱の思いは“悲しみ”という文字。
村雨が危険人物であるかどうかは凱にはわからないが、人が一人死んだ事には変わりはない。
その事実だけで凱の悲しみを揺り起こすには十分過ぎる理由を持っていた。
素性がわからずとも、人の死に対して身体や感情を震わせる事が出来る男。
それが獅子王凱。ゾンダーや原種と呼ばれる侵略者から地球を、人々を守った男だった。


「誰がこんなコトを……俺は絶対に許さないぞ! ん?これは……」

腹部に深々と空いた大穴を持った村雨の遺体に黙祷を捧げた凱。
村雨を救えなかった事、そして墓を掘り返した事についての二重の罪悪感。
これらの思いを噛み締め、村雨に手を下した人物への怒りを燃やしていた凱は、ふとあるものを見つける。
それは村雨の遺体の直ぐ傍に落ちていた一枚の古い写真。
ハカイダーことサブローによって穴に置かれた時の衝撃で、ズボンのポケットから飛び出たのだろうか?
真実はわからないが、結果として凱の視界に入る事になった写真を彼は手に取った。


808 :Classical名無しさん :08/02/06 18:58 ID:GkrNkG5Y
         

809 : ◆14m5Do64HQ :08/02/06 18:59 ID:sWrViFrI
「この写真は……そうか、わかったぜ! お前がどういうヤツだったかがな……!」

その写真に写っていたのは合計10人の男女の写真。
以前村雨が記憶を喪失していた時、海堂博士から手渡された八年前の思い出。
どれも凱には心当たりがない顔ぶれだったが、その中に一つ見覚えがある顔があった。
いうまでもなく、目の前に横たわっている村雨の事だ。
そして写真の中の村雨の目の前に居る、長髪の女性と村雨が凱には何か特別な関係に見えた。
そう。凱と彼の幼なじみでもあり、特別な存在でもある卯都木命の関係のように。
勿論そこに確証などあるハズはない。
だが、今の凱には村雨がとても自分から殺し合いに乗るような人物ではないと信じる事が出来た。

「こんないい笑顔が出来るお前が殺し合いに乗ったわけがないぜ! 俺の勇気に力を与えてくれる程のこの笑顔を……俺は信じるッ!!」

その理由は写真に写っていた八年前の村雨の“いい笑顔”だった。
村雨が一度失い、もう一度取り戻すと誓った大切なもの。
そして凱が勇気の力と共に守りきった大切なもの。
凱が己の身を削ってまでも守りたいと思える程の、“いい笑顔”を写真の中の村雨は浮かべていた。
それだけで凱にとって村雨を信じる理由となるには十分だった。


村雨の遺体を穴に戻し、凱は簡素な墓を元通りに修復した。
写真は後々役には立ちそうな気はしたが、凱は村雨の遺体に戻す事にした。
どう考えても村雨にとって大事な一枚の写真。
こんな代物を持っていく事は村雨への冒涜であると凱は考えたからだ。
そして決して代わりというわけではないが、凱は突き刺さっていた電磁ナイフを持っていく事に決めた。
村雨の持ち物だったのか、もしくは村雨に手を下した人物の持ち物かはわからない電磁ナイフ。
だが、この電磁ナイフがあれば村雨に手を下した人物はきっと反応を示すだろう。


810 : ◆14m5Do64HQ :08/02/06 19:00 ID:sWrViFrI
「後は俺に任せろ……俺がお前の分まで最後まで闘ってみせる!
お前が浮かべたような笑顔を浮かべる事が出来る人はきっとまだ大勢居るハズだ! 俺が彼らを……全員守ってみせるぜッ!!」

勇気ある誓いを燃やし、凱が村雨の闘いを引き継ぐ決心を固める。
村雨を倒した未だ見ぬ参加者を始めとする危険人物、そしてこのふざけた殺し合いを仕組んだシグマ。
倒すべき対象への闘争心を凱は急速に昂らせる。
シグマの仕組んだ殺し合いを潰す勝利の鍵。
それは確実に凱の元へ集まっていた。
凱の持つ揺ぎ無い“勇気”、そして村雨の命の刻印ともいえる“魂”。
この二つを併せ持つ今の凱には不思議とそんな事を感じさせる事が出来た。
きっとそれは凱が勇気あるもの、“勇者”であるからなのだろう。
凱が“勇者”としてこの殺し合いを潰せるのだろうか?
その答えは現時点で知っているものは誰もいない。

【H-1 村雨良の墓の前 ゴミ処分場/一日目・黎明】
【獅子王凱@勇者王ガオガイガー】
[状態]:健康 、強い怒り、疲労(小)
[装備]:グランドリオン@クロノトリガー、電磁ナイフ@仮面ライダーSPIRITS(右腕に収納)
[道具]:支給品一式
[思考・状況]
基本思考:シグマを打ち倒しこの殺し合いを止める。
     戦う力を持たぬ者、傷ついている達を保護し、守り抜く。
1:修理工場を目指す
2:チンクと呼ばれていた人物と接触する
3:同じ目的を持った仲間を探す。
4:パーマの男(村雨)と彼を殺した人物の情報を集め、その人物を倒す。
[備考]
※Zマスター撃破直後からの参戦です。
※チンクの顔と村雨の名前は知りません。
※制限の影響により、グランとリオンは出現する事が出来ません
※凱が見た村雨の写真は原作五巻に出てきたものです


811 :Classical名無しさん :08/02/06 19:02 ID:GkrNkG5Y
      

812 : ◆14m5Do64HQ :08/02/06 19:03 ID:sWrViFrI
投下終了しました。支援どうも有難うございます!
タイトルは「怒れ鋼のサイボーグ!勇気と魂をその胸に」でお願いします。
感想や指摘などをお待ちしています!

さて……把握作業に戻らないとw

813 :Classical名無しさん :08/02/06 19:11 ID:OcQnDREo
とうかおつ!
さて、予約分は全部切れたか。早めに把握のめどつけないとな。

814 :Classical名無しさん :08/02/06 19:13 ID:GkrNkG5Y
投下乙!
ハカイダーと勇者王の対決フラグにwktk
仮面ライダーとであったときは暑苦しそうだw
勇者王のキャラを上手く描写していたと思います。
GJ!

815 :Classical名無しさん :08/02/06 20:06 ID:/nnDnUxY
投下GJです!
勇者王知らないけど、噂通りの熱血っぷりだwww
ハカイダーと出会ったときが楽しみだぜ!

そして、不吉なよやくきたあああああ!


816 :Classical名無しさん :08/02/06 20:12 ID:ZzIRoChI
投下乙っす。

関係ない質問なんですが、世界樹の魔力がなくてもネギま!の強制時間跳躍弾は
効果を発揮するんでしょうか

817 :Classical名無しさん :08/02/06 20:16 ID:kcUJJpMU
投下乙です。
制限が加えられてるのに、構わず全力で向かう凱にーちゃんの、
熱血ぶりが出ていて、良かったです。

818 :Classical名無しさん :08/02/06 21:27 ID:5H6JbHyA
やべw予約両方ともデンジャラスな雰囲気がw

819 :Classical名無しさん :08/02/06 22:24 ID:GBzOsaO.
アラレとシュトロハイムだと・・・・
や・やばい!!シュトロハイムやばい!!
でもうろたえない!!ロワスレ住民はうろたえないっ!!

820 :Classical名無しさん :08/02/06 22:51 ID:KAxAR87Q
3択―ひとつだけ選びなさい
答え@ハンサムのシュトロハイムは勿論反撃し道を切り開く
A頭脳が間抜けで扇動される
Bザ・合体。ロリコンは犯罪である

821 :Classical名無しさん :08/02/06 23:54 ID:Vl3BQssc
>>820
最後ちょっとマテwww

822 :Classical名無しさん :08/02/07 00:39 ID:H3o5lNAQ
風見志郎、チンクに加えて、ディムズデイル・ボイルドにが予約が!
と、どうなるのか、想像つかんw

823 :Classical名無しさん :08/02/07 09:01 ID:Q1fC0RIY
昨日見つけてようやく追い付いた。
何この素晴らしいロワ?

興奮と妄想が止まらねえw

Xライダーに勇者王がヘルアンドヘブンとか、
ハカイダーが「本当のお前と戦いたい」的なノリで戦ってギン姉覚醒して決闘とか、
アラレちゃんが天祥ポジになってナタクと戦闘最強頭脳最弱タッグ結成とか、

文章書けない事を今日ほど悔しいと思った事は無い。


ところで、パピヨンとまほろさんは、
2000年以降のサイボーグやロボットの代表格だと思っていた時期が俺にも有りました……

名前上がってすらいねえ……orz
思ってたより人気無いんだな……
もし2ndあったらスラー聖鬼軍のついでで放り込んでやる。

それでは書き手の皆さん頑張って下さいね。


824 :Classical名無しさん :08/02/07 10:16 ID:tMBNexlU
>>823
パッピーは機械って感じがないからなー漫画で蝶!活躍中だし

825 : ◆2Y1mqYSsQ. :08/02/07 22:16 ID:MwYQ4RWI
T-800、スバル、ドラス、タチコマ投下します。

826 :善意と悪意の行方 ◆2Y1mqYSsQ. :08/02/07 22:17 ID:MwYQ4RWI

 純白の雪の上、青い蜘蛛のような機械が一機、存在していた。
 四つの足が蜘蛛を思わせ、マニピュレーターを前面に二本持つ、思考型戦車。
 タチコマの名称を与えられている戦車は、先ほどの戦闘から逃げるように雪面を移動していた。
「うー、それにしてもボディがへこんじゃった。あの人凄い力だったなー」
 ただのパンチが、バズーカに匹敵するくらいの威力だ。
 二発、三発とくらっていれば、たちまち機能停止にタチコマは追い込まれていただろう。
「変身……とか言っていたねえ。やっぱりこんな壊しあいに乗っている人もいるんだ。
早く少佐か味方になってくれる人と合流しよーっと」
 見た目の無骨さとは反対に、やけに幼い声。
 タチコマはカメラアイを上下左右に動かし、人影がないか探索を続ける。
 そのまま雪原を駆けて、
「ねえ、君。どこに行くの?」
「うわっ! びっくりした〜」
 タチコマの背後で、幼い声がかけられる。
 振り返ると、澄んだ青い色の瞳に、空の色の肩にかかる髪。
 細い眉に切れ目の瞳。陶磁のような白い肌には、衣服の類を一切身につけていない。
 タチコマはその姿に見覚えがある。
 いや、正確には声をかけてきた人物を四、五歳くらい成長させたような人物にだ。
 セイン……タチコマのメモリに残っている、破壊された少女は確かそう呼ばれていた。
 タチコマは浮かんだ疑問を、そのまま告げる。
「ねえ、君は最初に壊された、あの娘と知り合い?」
「ああ、あのセインって呼ばれていたお姉ちゃんか。よく分からない。
関係あるかもしれないし、ないかもしれない」
「曖昧だね」
「だって僕、今までずっと培養カプセルの中にいたんだもん。
パパくらいしか外の世界を知ることはなかったんだ」

827 :善意と悪意の行方 ◆2Y1mqYSsQ. :08/02/07 22:18 ID:MwYQ4RWI
 アハハと笑う子供に、タチコマは注意深く見回す。
 タチコマの世界には機械を身体に埋め込む義体化があり、ロボットが存在しているから当たり前である。
 外見を変えるなど、比較的容易な技術だ。
 最初のシグマの実演から、ここに来るまでに容姿を変える暇があったのか疑問もある。
 だが、疑いを覆すほど決定的なものではない。
 『変身』と告げて一瞬で姿を変えた謎の人物もいるのだ。
 最初にシグマに化けていた相手みたいに、他人に変化できる参加者がいてもおかしくない。
 とはいえ、タチコマもいつまでもこうして睨み合う訳にはいかない。
 だから、タチコマが質問を開始しようとして……
「くしゅん」
「ねえ、君。人間っぽいし、その状態だと寒くない?
まあ、僕にはどんな感覚か分からないけど」
「凄く寒いんだよ。だから君に声をかけたのに……くしゃみまでしちゃったじゃないか」
「ああ、ごめんごめん。そういうつもりだったのか。今確認するから少し待ってね」
 タチコマが確認したかったのは、感覚の有無。
 人間でない存在なら、寒さを無視できるからだ。寒いから声をかけたということは、相手の感覚器官は正常だろう。
 タチコマは器用にマニピュレーターでPDAを操作した。


 PDAを操作するタチコマを見つめ、表面上では寒がっているふりをしながら、ドラスは内心ほくそ笑んでいた。
 ドラスはネオ生命体として、人類に変わって生態系の頂点に立つために作られた存在である。
 一時期とはいえ、狂気に取り付かれた望月博士によって人間の構造は頭に叩き込まれている。
 もっとも、軽蔑の対象としてだが。
 神となるべく作られたドラスにとって、人間のふりをしなければならないのは多少の屈辱だったが、制限を考えれば背に腹は変えられない。
 とりあえあず、服を要求したのは正解だったようだ。
 タチコマは服を要求するまでは自分のことを疑っていたが、服を要求するとあっさりと従った。
 『人間臭い行動』としては間違いでなかったとドラスは学習、今後も使えそうだと脳内に書き留める。
 くしゃみをし、身体を震わせ、肌の色を青白くさせ、眉を寄せる。

828 :善意と悪意の行方 ◆2Y1mqYSsQ. :08/02/07 22:20 ID:MwYQ4RWI
 一般的に人間が寒い時に見せる反応だ。
 タチコマ相手に保護欲を刺激するというのは、さすがに無理だが味方だと思わせてるには充分な演技だと判断する。
 ドラスの目的はタチコマを味方につけること。なぜなら、ドラスはタチコマが戦闘する姿を目撃していたからだ。
 麻生勝、仮面ライダーZOに似た戦士を相手に、逃げ切る戦闘技術。
 天敵がいなくて嬉しかったドラスだが、麻生と似た戦士の姿は驚異的だった。
 あれを相手にして生き残るというのは、難しい。
 仮面ライダーを敵と思う人物が複数いるのなら、陥れ、弱らせ、自分の力とすることも可能だろう。
 タチコマを軸に、次々味方を増やす。
 タチコマの仮面ライダーに対する反応を見るに、彼は殺し合いに乗っていない。
 なら、利用しつくす。ドラスは静かに微笑む。
「あ、あった。君、これはどう?」
「ん? みせてみせてぇー!」
 それに、タチコマと自分は相性がよさそうだ。
 ドラスは内心そう呟いた。



 雪に足音をつけて、スバルとT-800は駆ける。
 街を目指してなんかしているところに、遠くで激突音が響いてきたため、あわてて元来た道を走っているのだ。
 特にスバルは全身に力を込めて、必死に駆けている。
 スバル……彼女は人の死ぬ瞬間に立ち会ったのは、シグマに殺されたセインが始めてである。
 もっとも、死ぬような目には何度も遭ってきた。
 だが、誰かが死ぬような現場に立ち会うことだけはなかった。
 これは彼女の世界で、攻撃能力を持つ魔法が、対象を殺害しないように設定できるのが大きい。
 そして、セインは一時期敵だったとはいえ、面識があり、今では交流のある相手だ。

829 :Classical名無しさん :08/02/07 22:20 ID:3y61lJtg
sien

830 :善意と悪意の行方 ◆2Y1mqYSsQ. :08/02/07 22:21 ID:MwYQ4RWI
 しかも、自分の身内である姉の保護対象である。
 そのセインの死によって、スバルの心は少なからず磨耗している。
(なのはさんなら、誰も殺させずにあのシグマという人を逮捕できたはず。私は……これ以上誰も死なせないようにすることしかできない。
だから、殺し合いが行われているなら……誰かが殺されかかっているなら……絶対に守る!)
 昔、なのはが自分を救ったように。その決意を胸に、スバルは加速する。
 かなりの速さで駆けるスバルに、T-800は涼しい顔で並走している。
 この殺し合いで見つけた、唯一の味方だ。
 スバルはボブと呼ぶ彼と目をあわせる。T-800の瞳は相変わらず無感情。
 スバルはそれに構わず、キッと正面を見つめる。すると、雪景色の中、青い影を二つ発見する。
 一つはガジェット・ドローンとも思えなくもない、機械。
 先ほどの激闘の音の主だろうか?
 そして、その手前にいる小柄な人影。
 子供が兵器と思わしき機械の前にいる。
 危ない、そう思った瞬間、スバルのしなやかな身体はバネのように跳ね、宙に舞う。
 月光を遮り、ナックルをはめた右拳を戦車の手前に振り下ろす。
 戦車は素早く後退し、地面の雪が爆薬によって舞い上がった。
 スバルは爆薬の反動で痺れる右腕に構わず、後ろを振り向く。
「君、ここは危ないからさがって……ッ!?」
 言葉を途中で中断したスバルは、驚愕に目を見開く。
 フリルのついた黒い服に身を包む、小柄な姿。
 空の色と似た髪と瞳をもち、キョトンとした様子でこちらの様子を窺う顔。
 言うまでもなくスバルはナンバーズの一人、セインに似た姿の子供を発見して、戸惑っているのである。
 そのスバルを庇うように、T-800は前に出る。
「ボサッとするな。やられるぞ」
「ご、ごめんなさい。ボブさん」

831 :善意と悪意の行方 ◆2Y1mqYSsQ. :08/02/07 22:22 ID:MwYQ4RWI
「……ねえ」
「今は置いといて……後で色々教えてね」
「だから……」
 ゴスロリっ子の訴えを無視して、スバルは戦車を見据えて、両拳を前に構える。
 対して、T-800は己の頑強さを活かすために、二人の前面に出る。
 目の前の戦闘機械を倒す。二人の意思が真っ直ぐ相手へと、向けられた。


 ドラスは目の前の短絡的な二人を見つめて、やれやれとため息を吐く。
 スバルが前面に躍り出て、タチコマに接近、拳を振るう。
 常人を遥かに超える腕力だが、自分や仮面ライダーには遠く及ばない。
 それもそうだ。スバルの持ち味は腕力ではない。
 魔術師としての彼女は、接近戦を行うためにデバイス・マッハキャリバーを必要とする。
 スバルは魔術師なのだ。魔力を使う媒体がないと、戦闘力は幾らか落ちる。
 もっとも、戦闘機人へとモードを切り替えれば、その限りでもないのだが。
 そういった事実を知らないが、それでも腕力に劣ると判断したスバルをドラスは評価する。
 確かに腕力は自分や仮面ライダーに劣るだろうが、身のこなし、速さ、技のキレは一級品である。
 味方につければ心強い。何より脆そうなのが気に入った。
 味方につけて、幾度か戦いを共にすれば背中から撃ち殺さなければならない機会が来る。
 その時に頑強で殺し損ねたという可能性が低いのは大歓迎だ。
 続けて、ドラスの視線はT-800へと向けられる。
 重戦車のような鍛え抜かれた肉体。
 拳を打ち出し、蹴りを繰り出すたびに雪が大量に舞い上がる。
 とんでもない力だ。おそらく、仮面ライダーや自分と遜色ない力を持つのだろう。
 頑強さの方はタチコマが反撃をしないため、判断がつかない。

832 :善意と悪意の行方 ◆2Y1mqYSsQ. :08/02/07 22:23 ID:MwYQ4RWI
 それでも、あの攻撃力なら仮面ライダーとぶつけた時に、戦果を期待できる。
 ドラスはまたも視線を動かし、タチコマの動きを観察する。
 タチコマのほうは、巨大な身体に似合わず雪原を縦横無尽に逃げ回っている。
 四本の足を器用に動かし、時にマニピュレーターを駆使して二人を牽制している。
 必死さからこちらをチラチラ見つめており、視線が合う。
 さすがに、放置はマズイかとドラスはため息を吐いて地面を蹴る。
 ひらひらと、身にまとう服が風にたなびいた。
「スト―――ップ!!」
「ちょ……危な……」
「待ってよ、その子は僕から声をかけたんだ。お姉ちゃんたち、その子を虐めるの?」
「え?」
 スバルが驚いて、タチコマに振り向く。T-800もスバルに合わせて、攻撃の手を止めた。
 もっとも、T-800は警戒を解いていないが。
 タチコマは攻撃がやっと止んだことに安堵して、ゆっくりと三人に近付く。
「助かったよ〜。ええっと、君の名前まだ聞いてなかったね。僕はタチコマ。君は〜?」
「僕? ドラスだよ。よろしくね」
 にっこりと握手をする二人に、スバルは毒気が抜けていく。
 T-800も警戒を僅かに解き、二人に事情の説明を求めた。



「つまり……ドラスくんに支給品を分けていたってこと……」
「うん、そうだよ」
「ごめんなさい! 私……てっきり……」
「人は過ちを犯すもの。だから大丈夫さ」
「凄いえらそー」

833 :Classical名無しさん :08/02/07 22:24 ID:3y61lJtg
しえん

834 :善意と悪意の行方 ◆2Y1mqYSsQ. :08/02/07 22:25 ID:MwYQ4RWI
「問題はない。お互い、損傷率は数パーセントだ」
「そういう問題じゃないです! ボブさん!!」
 スバルが律儀にT-800に突っ込むが、無表情は変わらない。
 人間味の薄い相手だと、自分のことを棚に上げてドラスは思う。
 罪悪感を抱くスバルに、タチコマが軽い口調で声をかけてくる。
「まーまー、誤解は解けたんだから、仲良くやっていこうよ」
「そうだね……私はスバル・ナカジマ。よろしくね。
隣の人はボブさん。仮の名前だけど、そう呼ぶことにしているから、君たちもそう呼んで」
「「はーい」」
 仲良くそろえて手を上げるタチコマとドラスの姿に、思わずスバルの顔に笑みが浮かぶ。
 しかし、和んでいるわけにはいかない。
「それで……ドラスちゃんに質問があるんだけど……」
「なに?」
「ドラスちゃん……最初にシグマに…………その……」
「最初にシグマに殺された少女セインとお前の関係を告げることを要求する。
場合によっては……」
 T-800はコルトS.A.Aをドラスの額に合わせる。
 スバルが驚き、ドラスを抱えて飛び退く。
「何をするんですか!? ボブさん!!」
「そいつがセインという少女の姿をとったT-1000でないという保証はない。
確かめるには一発撃ち込むのが確実だ」
「死ぬに決まっているじゃないですか!? やめてください!!」
「スバルの命令に従えという使命は受けていない。よって、その要求は受け入れられない。
ドラスという存在の引渡しを要求する。殺しはしない。足や腕を打ち込めば、T-1000かどうか判断できるはずだ」
「ボブさんの……分からず屋!!」

835 :善意と悪意の行方 ◆2Y1mqYSsQ. :08/02/07 22:26 ID:MwYQ4RWI
 スバルは告げると同時に地面を殴りつけ、ナックルに仕込んだ爆薬を起動させる。
 蒸発した雪が視界を遮り、白い景色に見舞われる。
 T-800が迫る前に逃げようとするスバルの前に、タチコマが現れた。
「早く乗って、二人とも」
「タチコマくん、ありがとう!」
 スバルはドラスを抱えたまま、タチコマにしがみつく。
 二人がしがみついたことを確認したタチコマは、風のごとくその場を離れた。
 白い蒸気が晴れた先には、T-800ただ一人が残された。


「タチコマの最高速度計測。追いつく可能性……十二パーセント……」
 タチコマとの相対速度を割り出し、T-800は追いかけることを無駄と判断する。
 もともと、T-800としてはスカイネットの企みを阻止さえできれば、それでよかった。
 ジョン=コナーを守る。その使命を守るのに僅かな揺らぎさえ存在しない。
 とはいえ、T-1000かも知れないドラスを放っておくわけにはいかない。
 と、なれば……
「乗り物の調達……小回りの利くバイクが望ましい」
 T-800の判断に迷いはない。
 踵を返し、雪に大きな足跡をつけながら一人進む。
 乗り物の調達。そして、T-1000の始末。スカイネットの下僕かもしれない、シグマの始末。
 彼は変わらない。T-800であるがゆえに。



836 :善意と悪意の行方 ◆2Y1mqYSsQ. :08/02/07 22:27 ID:MwYQ4RWI

【B-4 東/一日目・黎明】
【T-800@ターミネーター2】
[状態]:健康
[装備]:滝和也のライダースーツ@仮面ライダーSPIRITS、コルトS.A.A(6/6)
[道具]:支給品一式、コルトS.A.Aの弾丸(30/30発)
[思考・状況]
基本思考:シグマを打ち倒して殺し合いを破壊し、本来の任務に戻る。
     その為に仲間を集める、殺し合いに乗る者には容赦しない。
1:乗り物の調達。小回りの利くバイクが望ましい。
2:街を目指して南下する。
3:スバルと合流する。
4:スバルの仲間(ギンガ、チンク、ノーヴェ)を見つけ、合流する
5:T-1000の破壊
6:ドラスをT-1000でないか、疑っている。

※本編開始直後からの参加です。
※スバルに、ボブと呼ばれています。
※ライダースーツのナックルとその弾丸は、スバルに手渡されました。
※スバルの住む世界、魔法、ギンガ、チンク、ノーヴェに関する情報を得ました。
※シグマの背後にはスカイネットがいて、スカイネットの妨害行為によって
自分はこの場に連れてこられたのではと考えられています。


837 :Classical名無しさん :08/02/07 22:27 ID:3y61lJtg
紫煙

838 :善意と悪意の行方 ◆2Y1mqYSsQ. :08/02/07 22:28 ID:MwYQ4RWI



「ふう、何とか撒いたけど……ボブさん……」
「こうなったら僕たちでT-1000とかいう奴を捕まえて、ドラスくんの無実を証明するしかないね」
「……タチコマ、それいい考え! ドラスちゃんの無実を証明しなくちゃ!」
「ありがとう♪ そういえば、スバルさんに言わなくていいの? ドラスくん」
「と、いっても僕の言えることって少ないのは分かるでしょ?」
「まあ、そうだけどね」
「どういうこと?」
「僕は生まれたばかりだから。培養カプセルの中にいたし」
 にこっ、と無邪気な笑みをドラスはスバルに向ける。
 怪訝な表情を浮かべるスバルに、ドラスは更に言葉を続ける。
「パパは僕を作って、色々教えてくれたんだ。
だけど、失敗作とかいって、僕を壊そうとしたんだ。何でも、お前みたいな奴は存在しちゃいけないんだって。
そういって壊されそうになったとき、いつの間にかここにいたんだ」
 ドラスは真実を混ぜた嘘を告げる。人間の心理的に、真実を交えた嘘は見破られにくいと学習していたからだ。
 もっとも、今のところ言っている内容は全て真実であったが。
 自分が培養カプセルに収まっていた時に連れてこられた、ということ以外。
 ドラスはZOに負けた瞬間、ここにいた。
 敗北を学んだドラスは更に手ごわく、残忍な性格へと成長していく。
 あえて、望月博士に否定された過去を持ち出したのは、スバルの同情をかうためだ。
 ドラスはスバルを麻生勝と同類、いわゆる『お人好し』だと判断した。
 見ず知らずのドラスを――知り合いであるセインと似た姿であるとはいえ――守るために全力を尽くす。
 これは搾り尽くし甲斐のある相手だと、ドラスは笑い出しそうなのを堪える。

839 :善意と悪意の行方 ◆2Y1mqYSsQ. :08/02/07 22:29 ID:MwYQ4RWI
(そうだ、ここでは僕は宏くんになるんだ。お兄ちゃんに守ってもらった、宏くんのように、僕はお姉ちゃんに守ってもらう。
そして生きて帰って、僕は人間を淘汰して神になる。そうすれば、きっとパパも僕を見直す。僕だけを見てくれる)
 最早、妄執に近いドラスの、望月博士に対する執着。
 それはドラスの存在理由である。
「だから、僕は帰ってパパに聞きたいんだ。僕は失敗作にならないように頑張るから、嫌いにならないでって」
 ゆえに、ドラスが同情をかうために告げた言葉は半分は本心である。
 父親を独占したい。父親に認められたい。いずれも子供っぽいくだらない理由。
 それがドラスの根底をなす事実でもある。
 そのため、スバルの心をドラスの言葉は動かした。スバルはドラスをぎゅっと抱きしめる。
「いいよ、ドラスちゃん」
「お姉ちゃん?」
「そんな人のところ、戻っちゃ駄目。ここから脱出したら、私たちと暮らそう。
大丈夫、きっと君の姉妹たちもいっぱいいるから。ここにも二人いるんだ。絶対会おうね。
まあ、こんなことに巻き込まれちゃって、喜んでもいられないんだけど」
 スバルがはにかむように笑みを浮かべて、ドラスはキョトンとその笑顔を見つめる。
 さすがのドラスもスバルが一緒に暮らそうと告げるほど、お人好しだとは思わなかった。
 結果的には成功だが、どこか居心地が悪い。
「よーし、それじゃあお互いの情報交換を始よー!」
「うん!」
 タチコマの声を合図に、お互いの身の上を再度話し合う。
 ドラスは二人の情報を聞き逃さないように、興味ない演技をしながら耳を傾けた。
(そういや、ボブおじさんとかいったね。その用心深さ、危険だね。
いずれ、排除するようにするかな。それに……僕を好きにならない人間なんて、邪魔だしね)
 タチコマとスバルは気づかない。

840 :善意と悪意の行方 ◆2Y1mqYSsQ. :08/02/07 22:31 ID:MwYQ4RWI
 彼女たちの傍にいる、無力そうな子供が鬼であることを。


「と、いうわけだから『変身』とかいう人には要注意だよ」
「分かった、タチコマくん」
「お姉ちゃん、ナイフ使う?」
「ううん、どうして?」
「僕の支給品がナイフだから」
「うーん……ドラスちゃんに危ないものを持たせたくないけど、ここじゃそうもいってられないしなぁ。
それはドラスちゃんが持っていて。いざという時だけ、使ってね」
「はぁーい」
 ドラスたちと情報を交換しながらも、スバルはドラスの身の上を聞き、内心怒りに震えていた。
 おそらくドラスは、セインと似た遺伝子情報を持つ戦闘機人として開発されたのだろう。
 しかし、失敗作として処分を受けそうになったのだ。
 そんな非人道的なこと、正義感の強いスバルが認められるわけがない。
 スカリエッティなのか、それとも別の誰かは知らないが、ドラスをこんな目に遭わせた人間をそのままにしておけない。
 元の世界に戻り、ドラスを開発した人間を逮捕する。そして、ドラスを幸せにしてくれる家庭を探す。
 もしくは……尊敬するなのはがヴィヴィオを引き取ったように、自分がドラスを引き取るのもいいかもしれない。
 とはいえ、自分がドラスを幸せにできるほどの器かどうかは、自信がないが。しかし、考えておくのも悪くはないかもしれない。
 新たな目的を胸に、スバルはいっそう脱出への決意を固め始める。
「それにしても、ボブさん酷い。T-1000が姿を変えれるからって、女の子を撃とうとするなんて……」
 その瞬間、談笑を続けていたタチコマとドラスが黙る。
 まじまじとスバルを見つめる二人に、何かおかしいことを言ったのだろうか?と不安になる。

841 :善意と悪意の行方 ◆2Y1mqYSsQ. :08/02/07 22:31 ID:MwYQ4RWI
「どうしたの?」

「お姉ちゃん、僕、男の子だよ」
「生えていたしね♪」

 瞬間、スバルの世界が凍った。



842 :善意と悪意の行方 ◆2Y1mqYSsQ. :08/02/07 22:32 ID:MwYQ4RWI

【D-3 東部/一日目・深夜】
【ドラス@仮面ライダーZO】
[状態]:健康
[装備]:荷電磁ナイフ@マルドゥックスクランブル。ラトゥーニのゴスロリ服@スーパーロボット大戦OG。
    セインを四、五歳幼くした状態に擬態。ただし、生えている(両方ついているかは、お任せします)
[道具]:支給品一式
[思考・状況]
基本思考:自爆装置とリミッターを外す。その後参加者を全員殺す。優勝したあとシグマも殺す。
1:スバルを利用尽くす。
2:T-800の排除。悪評を広める。
3:仮面ライダーとおよぼしき参加者の排除、もしくは吸収。
4:更に対主催者の人間たちを集める。
5:自爆装置、リミッターの解除。

※枕たたき棒@魁!!クロマティ高校 がC-3 市街地周囲に落ちています


843 :善意と悪意の行方 ◆2Y1mqYSsQ. :08/02/07 22:33 ID:MwYQ4RWI

【スバル・ナカジマ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
[状態]:健康
[装備]:滝和也のナックル@仮面ライダーSPIRITS
[道具]:支給品一式、サブタンク(満タン)@ロックマンX、テキオー灯@ザ・ドラえもんズ
    ナックルの弾薬(28/30発)@仮面ライダーSPIRITS
[思考・状況]
基本思考:シグマを打ち倒して殺し合いを壊す、その為の仲間を集める
1:ドラスを守る。
2:ギンガ、チンク、ノーヴェを見つけ、合流する
3:T-1000を捕獲して、ドラスの無実を証明。
4:3の後、T-800と合流。
5:タチコマを襲った相手を警戒。

※本編開終了後からの参加です。
※サブタンクは満タン状態です、使えばエネルギーの回復が可能です。
※テキオー灯は、一時間のみ効力持続。
 一度使った者には、24時間経過しなければ使用不可能と制限されています。
※T-800の住む世界、スカイネット、T-1000に関する情報を得ました。
※T-800のことを、ボブと呼んでいます。
※T-800からの情報より、シグマの背後にはスカイネットがいるのではと考えています。


844 :善意と悪意の行方 ◆2Y1mqYSsQ. :08/02/07 22:34 ID:MwYQ4RWI

【タチコマ@攻殻機動隊】
[状態]:ボディに中度の損傷
[装備]:右手のチェーンガン、各部ワイヤーなど固有武装
[道具]:支給品一式、不明支給品(1個)
[思考・状況]
基本思考:チーム結成。人員を増やす。
1:スバルの知り合い(ギンガ、チンク、ノーヴェ)と合流。
2:変身する相手に注意。
3:少佐はどこかなー?

※制限により固定武装の照準がうまく定まりません。(支給品は問題なく使えます)



【支給品紹介】

【ラトゥーニのゴスロリ服@スーパーロボット大戦OG】
ラトゥーニがたまに着用していた、ゴスロリ服。
画像
ttp://www.suparobo.jp/srw_lineup/srw_og2/chara_pe/19.html


845 :Classical名無しさん :08/02/07 22:35 ID:3y61lJtg
私えん

846 : ◆2Y1mqYSsQ. :08/02/07 22:36 ID:MwYQ4RWI
投下終了。
誤字や脱字、矛盾などの指摘、感想をお待ちしています。

847 :Classical名無しさん :08/02/07 22:39 ID:1XGkxZmk

ドラス女装ショタ化キタコレw

848 :Classical名無しさん :08/02/07 22:39 ID:PccYoSMo
投下乙!!
ゴスロリドラスきたーーーー!!
何だこの感覚は、ドラスに、生えてるのに、萌えそうになった…!

849 :Classical名無しさん :08/02/07 22:45 ID:FTluq2X6
投下乙ー!
何でこんなに服が支給されてんだw

850 :Classical名無しさん :08/02/07 22:48 ID:r2th7ZqI
投下乙
わぁい、おちry
ボブおじさんはやっぱ誤解されちゃうのね・・・

851 : ◆2Y1mqYSsQ. :08/02/08 00:21 ID:dMaRHW8A
>>842
>【D-3 東部/一日目・深夜】

を修正。

>【D-3 東部/一日目・黎明】

に差し替えます。

852 :Classical名無しさん :08/02/08 01:53 ID:Am2VK4Jc
おにんにん祭りと聞いて飛んできました
あんな可愛い子が女の子なわけry

ボブおじさんもそうだがライダー勢への誤解の種子が広がっているのが不安ですね…
そしてスバルの善意は裏切られてしまうのか、それとも…

853 :Classical名無しさん :08/02/08 07:18 ID:BwTJzXXE
お前らちんちん好きだなwww俺もだがw
悔しいけどドラスタチコマかわいいわ

854 :Classical名無しさん :08/02/08 08:56 ID:JA/uzzOA
投下乙!
ちょwなんかドラスがかわいいんですけどwww
タチコマとスバルとのトリオは一見よさそうに見えるけど……どうなるかな?
やはりボブおじさんは警戒するわな、今後の彼の動向にも期待!
オチにも笑わせてもらいましたwww

855 :Classical名無しさん :08/02/08 09:19 ID:Fv89SB.I
投下乙
お人よしグループに上手い具合に溶け込んでるな
ドラスの今後の活躍に期待せざるをえない


856 :Classical名無しさん :08/02/08 16:03 ID:XWnlOBrI
投下乙です
化けた姿とドラスとスバルの裏事情がうまいことはまってるのね……
こりゃスバルは騙されるわ

857 :Classical名無しさん :08/02/08 19:04 ID:gvySCe8A
君たちおちんちんに反応し過ぎwww
一瞬ゼロスレかと思ったじゃねーかw
さーてドラスが上手いこと立ちまわっているな
これからどうなるやら…

858 : ◆npj8TUxVrE :08/02/08 21:46 ID:nVp0HKV6
十一時ごろに投下予定です。よろしければ支援をお願いします

859 :Classical名無しさん :08/02/08 21:50 ID:dMaRHW8A
>>858
任せろ!

860 :Classical名無しさん :08/02/08 22:58 ID:XWdRl/2w
OK忍!

861 : ◆npj8TUxVrE :08/02/08 23:03 ID:nVp0HKV6
V3、チンク、ボイルド 投下開始します

862 : ◆npj8TUxVrE :08/02/08 23:05 ID:nVp0HKV6
コロニーとコロニーを結ぶ幹線道路を、一騎の単車が駆ける。
サイクロン号を駆るのは風見志郎、又の名を仮面ライダーV3。
後部座席には銀髪隻眼の少女を乗せて。
二人とも寡黙なせいか、必要最低限の情報を交換した後は会話はない。
周囲に目を光らせつつ、ただ、黙々と進む。
ふと、少女の視線が前方、道路の真ん中に立ち尽くす人の姿を捕らえた。

「……カザミ」

隻眼の少女、チンクが注意を促す。
志郎は無言で頷いた。
とっくに気付いていたらしい。
そのまま真っ直ぐ人影の方へ走らせる。
近付くにつれ、姿がはっきりとしてくる。
巨躯の男/灰色の短髪/のっぺりとした白い顔/右手には巨大な拳銃。
向こうも既に、近付くバイクの存在に気付いているだろう。
拳銃をこちらに向けてはいないことから、とりあえず交戦の意思は無いものと判断した志郎は、徐々にスピードを落とす。
最終的に男と十メートルほど離れた所で停車。
二人はバイクを停め降車し、距離を置いて巨躯の男と対峙した。

「……」

無言で向き合う三人。
無機質な男。
志郎とチンクの第一印象がそれだった。
無表情、と言う点では志郎のむっつり顔も似たようなものだが、目の前の男はそれに加え、恐怖をもたらす圧迫感を全身から放っている。
落ち込んだ眼窩の底で光る、恐ろしい程の虚無を抱えた眼光。
コートに包まれていてさえはっきり判る、鍛え上げられた肉体。
どれもが余りに攻撃的で、二人共警戒を緩める気にはなれそうも無かった。
こちらに銃口を向けてこそいないものの、一向に仕舞われる気配の無い拳銃を見て、チンクは懐に仕込んだナイフを意識する。

863 :Classical名無しさん :08/02/08 23:07 ID:sTM/AeNI



864 :なくすものがないぼくたち ◆npj8TUxVrE :08/02/08 23:08 ID:nVp0HKV6
「お前達に尋ねることがある」

口火を切ったのは大男の方だった。
名乗りもせずに行き成りそれかとチンクは苛立ったが、志郎が無言で先を促す。

「ネズミを探している」
「ネズミ?」

あっけに取られる二人。
何かの比喩表現だろうかといぶかしむ。
だが、男は大真面目に頷いた。

「金色で、喋る」
「……」
「様々な武器に変身できる」
「…………」

再び、沈黙。
どうやら冗談ではないらしい。

「なあ、それはひょっとするとデズニ……」
「駄目だカザミ。良く判らないがその言葉を口にしては絶対に駄目だ」

何故か汗筋を垂らしたチンクが志郎の言葉を止める。
二人の様子から有意な情報は得られないと踏んだのか、大男は次の質問に移った。

「お前達はシグマと名乗る男について何か知っているか」
「それはこっちが聞きたいぐらいだ」

苛々しながらも質問に答えるチンク。
この様子では大男の方もシグマについては何も知らないらしい。

865 :Classical名無しさん :08/02/08 23:09 ID:XWdRl/2w



866 :Classical名無しさん :08/02/08 23:09 ID:sTM/AeNI



867 :なくすものがないぼくたち ◆npj8TUxVrE :08/02/08 23:10 ID:nVp0HKV6
「では、お前達は今迄にルーン・バロッ……」
「その前にこちらの質問にも答えて貰う」

三度目の質問に移ろうとする大男を遮って、志郎は素早く会話の主導権を掏り返る。

「ノーヴェと言う少女を見なかったか? 赤い短髪でこの娘と似たような格好をしている」

チンクは志郎が最初に自分の妹を気にかけてくれた事に対して、少し驚く。
無言でかぶりを振る大男を見てすぐに落胆してしまうのだが。

「では本郷猛、城茂、神敬介、村雨良、スバル・ナカジマ、ギンガ・ナカジマ、この六人の内……」
「知らない」
「それなら、シグマと会話を交わしていたエックスと呼ばれた男と赤い男については」
「この場所に転送されて今まで、お前達以外の誰とも会っていない」

接触が徒労に終わって、二人は幾分気抜けした。

「そうか……残念ながらこちらも同じだ」

大男はそれを聞いても残念がる素振りを見せない。

「質問はそれで終わりか」
「否……一つ残っている」

握り拳を固め、志郎は禁句とも言える、だが確かめなければならない、その疑問を口にした。

「お前は、シグマの殺し合えと言う命令に従うつもりか」

ちりちりと空気が軋む。
場の緊張が、一気に膨れ上がった。
その中でも相変わらず、ボイルドは勝手に喋る。

868 :Classical名無しさん :08/02/08 23:12 ID:XWdRl/2w
しえn

869 :Classical名無しさん :08/02/08 23:12 ID:sTM/AeNI



870 :Classical名無しさん :08/02/08 23:12 ID:dMaRHW8A
         

871 :Classical名無しさん :08/02/08 23:13 ID:dMaRHW8A
    

872 :なくすものがないぼくたち ◆npj8TUxVrE :08/02/08 23:14 ID:nVp0HKV6
「この事件では、"参加者"の生殺与奪の権利を奪い、強制的にサドンデス的な殺し合いに駆り立てられる。
当然参加者間の諸権利と価値観がせめぎ合い、闘争が発生する」
「俺達はそれを止める。お前も協力してくれないか」

勝手に"俺達"の中に入れるなと言いたげにチンクが志郎を睨むが、男二人はそれを黙殺。

「俺は一個の爆弾だ。俺は数多の価値を虚無へ還す。それが俺の有用性だ。
そして参加者もシグマの仲間も消え去れば、そこに事件は存在しない」
「何だと」

志郎とチンクが目を剥く。
大男はゆっくりと手にした巨大な拳銃を二人に向けた。
場を支配していた緊張感が、凍えるほどの殺意へと姿を変える。

「お前たちの支給品を確認させて貰う。拒むなら――」
「IS発動。ランブルデトネイター」

両手に一本ずつ、計二本のナイフが魔法の様にチンクの両手に現れ、彼女の声と共に刃が不可思議な燐光を纏ったかと思うと、次の瞬間には大男に向かって放たれる。
頭に一本、心臓に一本。
全てが急所を貫く軌道だ。
必殺を期して放たれたナイフはしかし、全てが男に届く途中で、あらぬ方向へと逸れる。

「何!?」

疑問に思う間もなく、二本は空中で爆発。
膨れ上がる爆炎に大男の全身が飲み込まれる。
爆風から身を庇いながら、チンクは不敵な笑みを浮かべた。

「何故か直撃しなかったが、まあ良い。
あの爆発だ、相当な火傷は避けられまい」
「否……見ろ」

873 :Classical名無しさん :08/02/08 23:14 ID:2ZyUfMVo


874 :Classical名無しさん :08/02/08 23:14 ID:sTM/AeNI



875 :Classical名無しさん :08/02/08 23:15 ID:dMaRHW8A
      

876 :なくすものがないぼくたち ◆npj8TUxVrE :08/02/08 23:15 ID:nVp0HKV6
一方、志郎は警戒を崩さず、厳しい視線を前方へと向けている。
その視線の向こうで、影が揺らめいた。
響く男の声。

「お前は、俺の敵になり得るのか」

舞い上がる爆煙の向こうから、悠然と大男が歩み出てくる。

「馬鹿な……!」

全くの無傷だった。
あれだけの炎に晒されたと言うのに、コートにススすら付いていない。
チンクは狼狽しつつある自分を叱咤し、冷静にナイフを今度は六本手に取ると、まずは左手の三本を投げる。
最初から狙いを外してあるそれらは、男の頭上を飛び越えてからUターン。
上左右に分かれて三方向から後頭部と背中と脇を穿つ方向に軌道を調整。
背後からの奇襲と同時に、正面からは右手に持った三本を以前より幾分力を込めて投げ付ける。
四方向からの同時攻撃。
男は何をするわけでもなく、拳銃を携えて只佇んでいるだけだ。
しかし、襲い掛かるナイフは今度も、ことごとくその軌道を捻じ曲げられてしまう。

「ISッ!」

爆発する六本のナイフ。
先程の倍以上の勢いで衝撃波が迸る。
再び炎の中に消える男の姿。

「やったか……ッ!?」

チンクの表情が凍り付く。
炎の壁を裂いて、ぬっと無骨な拳銃が姿を現す。
銃口は、少女の額に向けられていた。
棒立ちするチンク。

877 :Classical名無しさん :08/02/08 23:17 ID:M87SCrqg
ssss

878 :Classical名無しさん :08/02/08 23:17 ID:sTM/AeNI



879 :Classical名無しさん :08/02/08 23:17 ID:M87SCrqg
sssssssss

880 :なくすものがないぼくたち ◆npj8TUxVrE :08/02/08 23:17 ID:nVp0HKV6
「チンクッ!」

志郎がとっさに少女を突き飛ばす。
炸裂音。
チンクの頭のすぐ横を物凄いスピードを持った何かが掠める。
脳が揺さぶられる感覚。
50口径AE弾は少女の額があった空間を貫き、背後の地面に銃痕を穿った。
倒れ込みながらチンクは、視線だけでも何とか前に向ける。
徐々に晴れていく煙の向こうに浮かび上がるシルエット。
男の全身から迸る殺意が志郎とチンクを射抜く。
あれほどの爆炎に晒されたにも拘らず、ダメージを受けた形跡は無い。
正に怪物だった。

「変――――ん」

敵は只の人間ではない。
悟った志郎は左右の腕を同時に回し、左上で止める。
ダブルタイフーンの回転が風を巻き起こし、志郎は大きく飛び上がった。

「――――身っ! V3!!」

上空で回転した志郎が地に降り立った時には、すでに変身は完了している。
赤い仮面の仮面ライダーV3が緑の複眼で男を見据えた。
怪物が再び銃口をもたげる。
いまだに這い蹲るチンクを抱え上げ、V3は大きく飛び退く。

「なっ何を!」

抗議の声は黙殺。
停車してあるサイクロン号の所まで辿り着くと、チンクをひょいと持ち上げてバイクに乗せる。

881 :Classical名無しさん :08/02/08 23:17 ID:dMaRHW8A
     

882 :Classical名無しさん :08/02/08 23:18 ID:M87SCrqg
sssssswwwssswwsswsws

883 :なくすものがないぼくたち ◆npj8TUxVrE :08/02/08 23:19 ID:nVp0HKV6
「お前は逃げろ」
「何だと!」

声を荒げるチンクを見ようともせず、V3は厳しい視線を大男に向ける。

「お前は妹を守ってやれ。俺はこいつを倒してから行く。
もしバイクを返す気があるなら、次の放送までに」

言葉を継ぎつつ携帯端末を操作しマップを表示させる。
V3は地図のG−6エリアにある滝を指差した。

「次の放送までにここで待っていろ。俺は必ず行く」
「私も戦える……!」
「お前の技は奴には通用しない。足手まといだ」

チンクは歯を食いしばり、V3を睨み付けた。

「そうか、なら勝手にするが良い! 勝手に一人で戦って、勝手に死んでしまえ!
私は別に構わない。私一人の方が行動し易いしな!」

チンクはそう吐き捨てると、ぎこちない動作でサイクロン号のペダルを踏み込むと、エンジンを噴かせて去って行った。
大男は一対一の方が都合が良いと判断したのか、走り去る少女を止める素振りを見せない。
残される仮面の戦士と怪物。
V3はチンクの攻撃を尽く退けた男の不可思議な能力を警戒する。
大男もV3の身のこなしを見て、油断のならぬ相手と悟る。
一触即発の緊張感が漂う中、両者は無言で向き合った。

「俺の名は仮面ライダーV3、風見志郎。貴様の名前は?」

打算があるにせよ取り合えずチンクを見逃してくれた男に対し、V3は名乗りを上げる。
無視するかと思われたが、意外にも男は重い口を開く。

884 :Classical名無しさん :08/02/08 23:19 ID:2ZyUfMVo


885 :Classical名無しさん :08/02/08 23:20 ID:dMaRHW8A
        

886 :Classical名無しさん :08/02/08 23:20 ID:XWdRl/2w
支援

887 :なくすものがないぼくたち ◆npj8TUxVrE :08/02/08 23:21 ID:nVp0HKV6
「……ディムズデイル・ボイルド」
「ボイルド。仮面ライダーの名に賭けて、殺し合いに乗った貴様を見逃す訳には行かない。
ここで斃れろ」

構えを取ってボイルドを指差すV3に、ボイルドは場違いな質問を問いかけた。

「……お前は何の為に戦う」
「何だと?」

質問の意図をいぶかしみながらも、V3は自らの信念を口にする。

「正義のため。そしてこの殺し合いに無理矢理参加させられた人々の命と自由を守るためだ」
「正義……」

何か遠くの方を見つめながら呟くボイルド。
明らかにボイルドが攻撃の意図を見せていたとは言え、先制攻撃を仕掛けたのはこちらだ。
ひょっとしたら説得が可能かもしれない、V3は淡い期待を抱く。

「お前の正義は、一体誰が保障する」
「掛け替えの無い仲間達が。九人の先輩後輩達が俺の正義を支えてくれている」
「仲間……」

即答するV3に対し、再び彼の言葉を反芻するボイルド。

「俺は戦闘機乗りだった」
「何?」

突然の自分語りに面食らいながらも、続きを促す。

「戦闘航空団に配属され、やがて大陸との戦争が始まった。
連日の夜間爆撃、緊張の連続、地上で燃え盛る自分が作り出した地獄絵図。
ストレスと疲労から僅かばかりの休養を求めた俺に支給されたのは、デキストロ・アンフェタミン――覚醒剤だ」

888 :Classical名無しさん :08/02/08 23:21 ID:sTM/AeNI



889 :Classical名無しさん :08/02/08 23:22 ID:dMaRHW8A
          

890 :Classical名無しさん :08/02/08 23:22 ID:8gNjHLfs
支援が俺の有用性だ

891 :なくすものがないぼくたち ◆npj8TUxVrE :08/02/08 23:23 ID:nVp0HKV6
男には何が見えているのか。
そのときの光景が、今の男の目にはどの様に映るのか。

「加速する感覚。押し寄せる快感。疲労も恐怖も忘れた俺は、敵と思い込んで友軍に五百キロの爆薬を落とした。
そこに居たのは空挺師団……俺の友人達だった。
幸運にも死ぬ事が出来たもの以外は劣化ウランの雨に打たれ、一生消えない障害を負った」
「まさか、後戻りできないからこれ以上殺しても同じ、だとか、シグマの褒章で過去の過ちを無かった事にしたいだとか、そんなことを考えているのか」

ボイルドは静かにかぶりを振った。

「薬物中毒の後遺症で、俺もまた暴力衝動、幻覚、不眠に蝕まれた。
使い物にならなくなった俺は、実験部隊に志願し……、そこで……」

言葉を区切るボイルド。
V3は男の目がほんの一瞬だけだが揺らいだのを見て驚く。
目の前の男が初めて見せる何らかの感情の鱗片。
だが、次の瞬間には、ボイルドは相変わらずの無機質さを取り戻してしまっていた。

「そこで俺は過去の失点を帳消しにすべく、あらゆる実験と改造に耐え、生まれ変わった。
終戦後、廃棄処分の危機を乗り越える為に新たな武力の正当性が必要とされる。
示された新たなキャリア。社会における有用性の証明。証人保護システム"マルドゥック・スクランブル09"。
俺は新たに得た九人の仲間と共に、都市を守る為、無力な市民の生命を守り、不正な手段で利益を得る集団に対し法を執行する為、死に物狂いで戦った。
充実していた。
隣には信頼できる仲間が居て、時には救う事が出来た個人に感謝された。
罪の意識を抱えたまま、それに耐え、新たな軌道に乗ることが出来た」
「ならば何故殺し合いに乗った!」

マルドゥック・スクランブル、人々の命を守ることに存在意義を賭ける試み。
それは仮面ライダーと通じる理想だ。
だからこそ、かつてその理想を共にしたはずのボイルドがシグマの命令に従う理由が、V3には理解できない。

892 :Classical名無しさん :08/02/08 23:24 ID:sTM/AeNI



893 :なくすものがないぼくたち ◆npj8TUxVrE :08/02/08 23:24 ID:nVp0HKV6
「やがて俺達の前に敵が現れる。
子供が誘拐され殺人ビデオの撮影に用いられる事件。
誘拐、拷問、暗殺、脅迫……。あらゆる悪徳を司る十二人の傭兵集団。
彼らを操る黒幕は姿を見せず、一人また一人と仲間達が消えていった。
犯され、嬲られ、殺された。
それでも俺達は進んだ。戦い続けた。道の果てに救いがあると信じて。
最後に俺と俺のパートナーだけが残され、ようやく俺は真実を知った」

男の抱える深い闇、瞳の奥の虚無が、その瞬間爆発的に広がる。

「敵は俺達が守ろうとした都市、そのものだった。
都市は俺達の技術とシステムを吸い尽くした上で、俺たちを消す心算でいた。
無力な個人すら、俺達の存在を抹消しようとしていた。
法も、最早俺たちを追い詰めるだけだった。
俺達にはその理念ごと食い尽くされるしか、選択肢が残されていなかった。
……俺は唯一残ったパートナーの存在を守る為、他の全ての存在に価値を認めることを諦めた。
俺は包囲を突破する為、守るはずだった証人を含めて全てを破壊した。
俺にはもう、何かを掛け替えの無い物だと感じ取ることが出来ない。
お前が正義や命の尊さを訴えたところで、俺の心には何も感じられない」
「……くだらない」

話を聞き終えて、結局V3はそう吐き捨てた。
守るべき人々に裏切られた経験なら、V3にもある。
それでも仮面ライダーが人々を傷付けたことは、今まで決してなかった。

「正義と人々のために命を捧げたのなら、何故最後までそれを貫かない!
俺達仮面ライダーならば、たとえ裏切られ最後の一人になろうとも、消して正義を捨てたりしない!
人々が悪に唆されていたとしても、誰かが規範として正義を貫く姿を見せれば、必ず改心させることが出来るはずだ!
貴様の軟弱な虚無感ごときでは、仮面ライダーを打ち破ることはできないと知れ!
トオッ!」

894 :Classical名無しさん :08/02/08 23:24 ID:z9IsAP0o
旧09メンバーって九人だっけ? 支援。

895 :Classical名無しさん :08/02/08 23:25 ID:sTM/AeNI



896 :なくすものがないぼくたち ◆npj8TUxVrE :08/02/08 23:26 ID:nVp0HKV6
啖呵を切るや、V3は空高く舞い上がり、右足を地上のボイルドへと向ける。

「V3――――」

力を込め、眼下の敵を貫くべくV3の体が加速する。
白いマフラーが翼の如くたなびく。

「キ――――ック!!」

一本の矢の如くボイルドに迫るV3の右足。
だがボイルドに近付くにつれV3は減速し始め、ボイルドの眼前で完全に止められた。
不可視のバリアの硬さをV3は実感する。

「――ッ! チンクの攻撃を防いだのがこれか! ならば!」

V3はそのまま空中で脚を折り曲げ、反動を利用してV3キックを放った時よりも更に高く舞い上がる。
反転し再びボイルドに右足を向けて急降下。
V3キックを上回る神速でボイルドに迫る。

「V3反転キック!!」

この威力ならば防げまい。
V3のその予測はしかし、横方向への不可思議な制動を受けて打ち破られる。
V3の軌道が僅かに横にずらされ、ボイルドの胸を打ち抜くコースで放たれたはずのキックは敵の右肩を掠めるに留まった。
標的を失い、急降下の運動エネルギーを、着地の際の衝撃としてもろに脚で受ける。
コンクリートにクレーターを穿ち、衝撃で動きが遅れるV3を大型拳銃の銃口が狙う。
発砲。
とっさに身を捻り回避を試みるが、間に合わず、V3の左肩が砕ける。

897 :Classical名無しさん :08/02/08 23:26 ID:sTM/AeNI



898 :Classical名無しさん :08/02/08 23:26 ID:XWdRl/2w
紫煙

899 :Classical名無しさん :08/02/08 23:26 ID:dMaRHW8A
        

900 :Classical名無しさん :08/02/08 23:27 ID:2ZyUfMVo


901 :なくすものがないぼくたち ◆npj8TUxVrE :08/02/08 23:28 ID:nVp0HKV6
「クゥッ!」

撃ち抜かれた肩を抑えてV3はボイルドに向き直る。
数多の怪人たちを屠って来た反転キックすら防がれた。
一筋縄には行かない、強敵だ。
反転キックとチンクの投げナイフを逸らした謎の力、恐らく念動力か何かだろう。
鉄壁のバリアと念動力による二段構えの防御。
攻めあぐねるV3を前に、ボイルドは再び関係のない話を語りだした。

「"悪に唆された"……そう見るのか。
だが彼らが、いつ、お前に"改心"させてくれと頼んだ」
「……悪に支配された人々に笑顔はない。
そんな状況を見過ごせるはずがないだろう」

油断なく構えながらも律儀に答えるV3。

「カトル・カール、かつて敵だった十二人の殺戮集団。
彼らを生み出したのは俺だ」
「生み出した……だと?」
「俺が落とした高性能爆薬に焼かれ、瀕死となった"犠牲者"達だ。
放射能障害で人間性を失い、薬物を投与され、機械化された、醜い生存者達。
彼らは皆微笑んでいた」

それは今迄で最もおぞましい罪の告白だった。

「彼らは、笑っていたのだ。
笑顔で俺に感謝していた。
ありがとう。
こんな体にしてくれてありがとう。
拷問技術を存分に発揮できる機会を与えてくれてありがとう、と」
「やめろッ!!」

902 :Classical名無しさん :08/02/08 23:28 ID:z9IsAP0o
支援

903 :Classical名無しさん :08/02/08 23:29 ID:sTM/AeNI



904 :Classical名無しさん :08/02/08 23:29 ID:8gNjHLfs
V3支援キック

905 :なくすものがないぼくたち ◆npj8TUxVrE :08/02/08 23:30 ID:nVp0HKV6
余りのおぞましさにV3は絶叫する。
ボイルドは止まらない。

「09の流儀で考えれば誰もが不幸だった。
俺も、仲間も、俺達の敵も、皆が哀れな犠牲者だった。
誰も救われなかった。
カトル・カールの流儀で考えれば誰もが幸せだった。
彼らによって拷問にかけられた対象でさえ、彼らから見れば笑顔だった。
そこでは俺は英雄と褒め称えられ、皆が快楽に酔い痴れる事が出来た」

V3は男の言い分に怒りしか覚えなかった。
拷問が幸せをもたらすなど、正義は不幸しかもたらさないなど、考えるだけで反吐が出た。

「……人々の笑顔など、俺にとっては何の価値も無い。
お前が守る人々の笑顔と、殺人ビデオに写っていた麻薬で陶酔する子供達の笑顔に、何の違いがある。
特定の価値を守る為、他方の価値を犠牲にするのは誰しも同じ事だ」
「ふざけるなッ!」

V3の怒りが爆発した。

「貴様の言う拷問の素晴らしさなど、悪の負け惜しみに過ぎない!
子供達の明るい笑顔を、そんな下卑たものと一緒にするな!
今すぐ俺が貴様の精神を修正してやる!」

V3はボイルドへ向け一直線に駆け出すと、格闘を仕掛ける。
極近接戦闘ならバリアは張れないだろう。
V3は怒りに燃えつつも、冷静さを失ってはいなかった。

「はアッ!」

906 :Classical名無しさん :08/02/08 23:30 ID:sTM/AeNI



907 :なくすものがないぼくたち ◆npj8TUxVrE :08/02/08 23:31 ID:nVp0HKV6
右拳がボイルドの左頬を捉える前にV3の体が浮き上がる。
ボイルドの念動力によるものだろう。
V3は拳を打ち出したままスーパーマンのような姿勢で男の頭上をすっ飛んでいく。
すれ違いざまに左キックを頭に放つが、ボイルドはしゃがんでそれを回避。
振り返りながら拳銃を向けるボイルド。
空中のV3を銃口が捕らえる。
轟音。
普通、何にも触れることが出来ない状態では、自分の体を動かすことは出来ない。
しかしダブルタイフーンが巻き起こす風のパワーが、V3に空中でも機敏に動く能力を与える。
V3はくるりと宙返りし銃弾を避けた。
華麗に着地したV3は地面すれすれの回転蹴りでボイルドの脚を狙う。
大きく跳び上がるボイルド。
距離を取らせまいと、追随してV3もジャンプ。
ボイルドは踵落しでV3を叩き伏せようとする。
V3はアッパーでボイルドを突き飛ばそうとする。
激突する踵と拳。
空中の両者の間で火花が飛ぶ。
どちらも全く退かない。
やがて、足と拳が同時に離れた。
両者の勢いは完全に相殺され、二人の体は宙を漂う。
V3はとっさにボイルドの右足をつかみ、そのまま空中で回転を始める。

「ウオオオオォォォォ――――ッ!」

錐揉みシュートよろしく、ボイルドの巨体を独楽の様に軽々と振り回すV3。
振り回されつつもボイルドが放った弾丸がV3の左腰、チンクに斬り付けられた跡を貫く。
傷口が広がり血が噴き出すが、V3は止まらない。
ひとしきり回転した後、遠心力を利用してボイルドを地面に向かって投げつける。
ボイルドの体はコンクリートに激突し、もうもうと土煙が上がる。
遅れてV3も地に降り立つ。
さしものボイルドも衝撃で暫くは身動きが取れないだろうと僅かに気を抜くV3に、煙の向こう側から音速を超える弾丸が襲い掛かる。

908 :Classical名無しさん :08/02/08 23:32 ID:dMaRHW8A
      

909 :Classical名無しさん :08/02/08 23:32 ID:sTM/AeNI



910 :Classical名無しさん :08/02/08 23:32 ID:XWdRl/2w
支援

911 :なくすものがないぼくたち ◆npj8TUxVrE :08/02/08 23:33 ID:nVp0HKV6
「クッ!」

とっさに拳を突き出して銃弾を迎え撃つ。
先程ボイルドの踵とぶつかり合ったばかりの右拳を50口径が抉る。
岩を易々と叩き割るV3の拳に弾丸がめり込み、装甲がひび割れた。
負傷した拳を押さえ一瞬たじろぐV3に、土煙を吹き飛ばしながらボイルドが猛然と襲い掛かる。
自ら格闘戦を仕掛けて来ると言う展開に虚を突かれたV3は反応が遅れる。
ボイルドの左拳がV3の頭部を掠める。
空気が焦げ、嫌な匂いが立ち込める。
V3がとっさに繰り出した左拳がボイルドの右手に握られた拳銃で真正面から止められる。
いかに頑丈な拳銃であれ、V3のパンチの前には紙屑の様に潰されてしまうはずだ。
だが、届かない。
ボイルドは念動力でV3の拳を押し返し、撃った。
ひしゃげる左拳の装甲。
苦痛を押さえ付け放ったローキックを、ボイルドは最小限の跳躍でかわす。
そのままボイルドはV3の額目掛けて銃底を振り下ろした。




912 :Classical名無しさん :08/02/08 23:33 ID:sTM/AeNI



913 :なくすものがないぼくたち ◆npj8TUxVrE :08/02/08 23:35 ID:nVp0HKV6
自分を呼ぶ声に、風見志郎は目を覚ます。
闇に包まれた、上下の感覚が無い、不思議な空間。
志郎は声の方へ振り向く。
少し離れた所に、両親と妹がいた。

(……またこの夢か)

もう結論が出ていることだ。
失われたものは、確かにいとおしい。
だが自分には、まだ現世でやらねばならないことがある。
世界には自分を必要としている人がいる。
だから、まだそっちへは行けない。
そう答えようと、三人に近付く。

「?」

様子が変だ。
三人の姿は闇に包まれていて、ディティールが判然としない。
目を凝らしていると、突然どこからともなく光が差し込む。
浮かび上がった三人の姿に、志郎は戦慄した。
三人は、デストロン怪人に変貌していた。
三体の怪人は恍惚の笑みを浮かべていた。
三体の怪人は口々に志郎を褒め称える。
ありがとう。
デストロンの犯罪に巻き込んでくれてありがとう。
こんな体にしてくれてありがとう。
志郎は叫んだ。

「違う! 父も母も雪子も苦しんで死んだ! デストロンに感謝などするものか!
まして怪人になどされたとしても、それを嬉しいなどと思うはずがない!!」

914 :Classical名無しさん :08/02/08 23:35 ID:sTM/AeNI



915 :Classical名無しさん :08/02/08 23:35 ID:Am2VK4Jc
ほしゅ

916 :Classical名無しさん :08/02/08 23:36 ID:8gNjHLfs
>>915
保守かよ!
支援

917 :Classical名無しさん :08/02/08 23:36 ID:dMaRHW8A
        

918 :なくすものがないぼくたち ◆npj8TUxVrE :08/02/08 23:36 ID:nVp0HKV6
視線を逸らすと、そこにも見知った死者たちがいた。
悪によって非業の死を遂げた人たち。無理矢理怪人にされて倒された人たち。
出来ることならば救いたかった人々。
皆醜い怪人の姿を晒していた。
そして一様に快感にのた打ち回りながら志郎を祝福していた。

ありがとう ありがとう ありがとう

亡者の大合唱が志郎を苦しめる。

「やめろ! お前達は救われてなどいない! お前達は本当は不幸なんだぞ!
俺はお前達を救うことが出来なかったんだ!
俺に……俺に感謝などするなァ!!」

もちろん現実では有り得ないことだ。
仮面ライダーが戦った悪の組織は皆人々を苦しめ、自分達以外の誰も幸せにしようとはしなかった。
しかし、もしこんなことが現実に起こったら。
殺された人々も、怪人にさせられた人々も、志郎の家族も、麻薬付けにされ、快楽と共に炸裂の時を迎える、そんなことが有り得たら。
力及ばず出してしまった犠牲者、自分の至らなさの所為で生まれた不幸。
その重みに苦しむ心が、その罪の意識が、僅かなりとも癒されるのではないか。
そんな現実を望むのが、いけないことなのか。

「こんなもの死者への侮辱でしかない!
消えろッ!」

幻を振り払う志郎。
亡者達の姿が揺らぎ、別の姿を映し出す。
両親の姿が仮面ライダー一号と二号のそれに変わる。
妹の姿がV3に変わる。
V3は一号二号を褒め称えていた。

919 :Classical名無しさん :08/02/08 23:37 ID:2ZyUfMVo


920 :なくすものがないぼくたち ◆npj8TUxVrE :08/02/08 23:37 ID:nVp0HKV6
ありがとう。
仮面ライダーにしてくれてありがとう。

志郎はおぞましい自分の姿に目を背ける。
視線を向けた先には、無理矢理怪人にされた人々が消えずに漂っている。
もう笑ってなどいない。
志郎の望んだ通り、現実と同様に、彼らは苦しんでいた。
早く殺してくれと、口々に訴えていた。
いつの間にか志郎はV3に変身している。
V3は苦しむ怪人たちを解放すべく、逆ダブルタイフーンを発動する。
巻き起こる竜巻。
エネルギーの奔流に巻き込まれ、怪人たちはバラバラに引き裂かれていく。
回転の中心で、V3はただそれを眺めている。
砕け散る怪人の一体が喋る。

「アア……ヤット、死ネル。
モウ、殺サナイデスム。

ありがとう。
殺してくれて、ありがとう」

怪人は微笑んでいた。
V3は絶叫した。




921 :Classical名無しさん :08/02/08 23:38 ID:sTM/AeNI



922 :Classical名無しさん :08/02/08 23:38 ID:Am2VK4Jc
保守

923 :Classical名無しさん :08/02/08 23:39 ID:dMaRHW8A
        

924 : ◆npj8TUxVrE :08/02/08 23:40 ID:nVp0HKV6
すみません、まだ全体の三分の二程度なので、次スレに投下させていただきます。

925 :Classical名無しさん :08/02/08 23:40 ID:2ZyUfMVo
いや、保守じゃないだろ支援

926 : ◆npj8TUxVrE :08/02/08 23:49 ID:nVp0HKV6
スレ立て失敗しました。
残り13kbある、どうしよ…

927 :Classical名無しさん :08/02/08 23:51 ID:1sRd/r6I
ロボ・サイボーグキャラロワイヤルpart4
http://sports2.2ch.net/test/read.cgi/entrance2/1202482150/


928 :Classical名無しさん :08/02/08 23:52 ID:9vJ0Jte.
つ一時投下スレ

929 :Classical名無しさん :08/02/08 23:52 ID:1sRd/r6I
残りは2kbぐらいのはず

930 :Classical名無しさん :08/02/09 01:11 ID:q38AL4oQ
これが最後のレスならパンタローネ様は縞ぱん

931 :Classical名無しさん :08/02/09 01:18 ID:tOSSw8oA
いやいや苺ぱん

932 :Classical名無しさん :08/02/09 02:21 ID:OFstCJHY

埋め
産め
ウメ
生め

933 :Classical名無しさん :08/02/09 14:29 ID:y0niVL6I
           ___/ ̄ ̄ ̄\
           /  / / ̄ ̄ ̄ ̄\
          /    ̄         \
        /    □           \
       // ̄ ̄\ / ̄ ̄ ̄\     |
       |// ̄\ ∨ / ̄\  \  /\
       //(・)   /  /(・)   >   | | ∩|
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