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「塗り潰された『PLUCK』」(2008/03/07 (金) 10:50:47) の最新版変更点
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**塗り潰された『PLUCK』 ◆hqLsjDR84w
改造人間、神敬介がアスファルトで覆われた道路の上を歩く。
「…………」
少し前の戦闘で傷ついた右腕を意に介さず、ただ無言。
その瞳に光は無く、感情をうかがうことは出来ない。
当然だ。
今の神敬介に感情など存在しない。存在しないものの様子をうかがうなど、出来るわけが無い。
敬介の腰に巻かれた、金属のようなもので出来たベルト。
そこに彼愛用の四形態に変形する万能武器であるライドルは、セットされていない。
現在そこにはPersonal Digital Assistant、略してPDA。日本語で言えば、携帯情報端末がセットされている。
この殺し合いが開始した時点で、何故かライドルからそれに変わっていたのだ。
敬介がそのことに気付いたのは、ほんの少し前。
公安九課の公式装備である思考戦車タチコマとの戦闘で、敬介は一杯くわされた。
結果、倒せたはずのタチコマに逃げられてしまった。
敬介は右腕に重症を負ったが、一方のタチコマはボディがへこんだだけ。命があるだけマシだが、敬介の完敗だ。
感情は失ったが、物事を思案する力まで失ってはいない。
敬介は排除するべき存在を探しながら、敗北の理由を考えた。
そして見出した答え。
――正面からの攻撃ではなく、ライドルでのトリッキーな戦法を取っていたのなら。
――負けてはいなかったし、逃しもしなかったはずだ。
そう判断し、次の戦闘に備えてライドルを取り出そうと、腰のベルトに手を伸ばした――が、そこにあったのはPDA。
一瞬それが何か分からず捨ててしまおうしたが、ほんの少し指が画面に触れた所為で画面に表示された地図を見て、捨てるのをやめる。
それから画面に何度か触れてみて、支給品の説明画面を表示させることに成功した。
その説明を読んだ敬介は、一つの支給品を転送させた。
それがいま、敬介が左手に持っている洋剣だ。
ライドルほどのギミックは無いが、それなりのリーチを誇るそれならば、戦法の幅が広がる。そう判断したのだ。
(俺が今いる場所の南方、地図に『学校』『官庁街』と記された場所。
そこには群れたがる人間が集まるはずだ)
そう考え、神は歩みを進める。
ただ、他の参加者を排除する為に。
――BADANの為に。
ずるり、と。
敬介の胸の装甲の奥で、暗闇大使の種子がほんの少しだけ蠢いた。
それに気付くものは、まだいない。
■
かつて、戦士と呼ぶに相応しい誇り高き男がいた。
主君であるメアリ・スチュワートの為に騙され、非業の死を遂げた男。
英雄として語り継がれたその男の名は、黒騎士ブラフォード。
一部の人間しか知らないことだが、彼は死んでから三百年後に蘇った。
邪悪な吸血鬼により、人の心を持たぬ屍生人として――だが。
自らを裏切った現世への怨念という名の呪縛。屍生人となったブラフォードは、それに支配されていた。
その呪縛からブラフォードを解き放たせたのは、黄金に輝く勇気を持った紳士、ジョナサン・ジョースター。
彼の操る波紋は、ブラフォードから屍生人の邪悪な心を取り除き、人の心を取り戻させた。
それブラフォードは感謝をし、ジョナサンに自らの剣とあるものを託した。
『LUCK』と刻まれた剣に、自らの血液で一つのアルファベットを血で書き足し、『幸運と勇気を』という二つの意味を『PLUCK』という五文字のアルファベットに込めたのだ。
その何よりも重い思いを込められたアルファベット――『P』は、神敬介の右腕の出血により塗り潰されしまっている。
それは一体何を意味するのか、はたまたただの偶然か。
――かつての神敬介の心は、熱さと勇気で溢れてた。
――その勇気で以って、父の仇であるGOD機関を含む幾つもの悪の組織を壊滅に追いやったのだ。
――しかし今では心を喪い、ただ目の前の存在を排除する改造人間として歩みを進める。
――その左手に、塗り潰された『PLUCK』を携えて。
【C-4(中央) 路上/一日目黎明】
【神敬介@仮面ライダーSPIRITS】
[状態]:胸部に埋め込まれた暗闇大使の種子による洗脳状態、疲労(中)、右腕重症
[装備]:LUCKの剣@ジョジョの奇妙な冒険
[道具]:支給品一式、不明支給品2個(本人確認済み)
[思考・状況]
基本:他の存在を排除する。
1:人が集まりそうな学校、官庁街へと向かう。
[備考]
※ライドルは没収されています。
※地図と支給品説明以外は未読です。
※感情はありませんが、物事を思案する能力はあります。
*時系列順で読む
Back:[[君の歌声に誘われて]] Next:[[真夜中のサーカス]]
*投下順で読む
Back:[[君の歌声に誘われて]] Next:[[真夜中のサーカス]]
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**塗り潰された『PLUCK』 ◆hqLsjDR84w
改造人間、神敬介がアスファルトで覆われた道路の上を歩く。
「…………」
少し前の戦闘で傷ついた右腕を意に介さず、ただ無言。
その瞳に光は無く、感情をうかがうことは出来ない。
当然だ。
今の神敬介に感情など存在しない。存在しないものの様子をうかがうなど、出来るわけが無い。
敬介の腰に巻かれた、金属のようなもので出来たベルト。
そこに彼愛用の四形態に変形する万能武器であるライドルは、セットされていない。
現在そこにはPersonal Digital Assistant、略してPDA。日本語で言えば、携帯情報端末がセットされている。
この殺し合いが開始した時点で、何故かライドルからそれに変わっていたのだ。
敬介がそのことに気付いたのは、ほんの少し前。
公安九課の公式装備である思考戦車タチコマとの戦闘で、敬介は一杯くわされた。
結果、倒せたはずのタチコマに逃げられてしまった。
敬介は右腕に重症を負ったが、一方のタチコマはボディがへこんだだけ。命があるだけマシだが、敬介の完敗だ。
感情は失ったが、物事を思案する力まで失ってはいない。
敬介は排除するべき存在を探しながら、敗北の理由を考えた。
そして見出した答え。
――正面からの攻撃ではなく、ライドルでのトリッキーな戦法を取っていたのなら。
――負けてはいなかったし、逃しもしなかったはずだ。
そう判断し、次の戦闘に備えてライドルを取り出そうと、腰のベルトに手を伸ばした――が、そこにあったのはPDA。
一瞬それが何か分からず捨ててしまおうしたが、ほんの少し指が画面に触れた所為で画面に表示された地図を見て、捨てるのをやめる。
それから画面に何度か触れてみて、支給品の説明画面を表示させることに成功した。
その説明を読んだ敬介は、一つの支給品を転送させた。
それがいま、敬介が左手に持っている洋剣だ。
ライドルほどのギミックは無いが、それなりのリーチを誇るそれならば、戦法の幅が広がる。そう判断したのだ。
(俺が今いる場所の南方、地図に『学校』『官庁街』と記された場所。
そこには群れたがる人間が集まるはずだ)
そう考え、神は歩みを進める。
ただ、他の参加者を排除する為に。
――BADANの為に。
ずるり、と。
敬介の胸の装甲の奥で、暗闇大使の種子がほんの少しだけ蠢いた。
それに気付くものは、まだいない。
■
かつて、戦士と呼ぶに相応しい誇り高き男がいた。
主君であるメアリ・スチュワートの為に騙され、非業の死を遂げた男。
英雄として語り継がれたその男の名は、黒騎士ブラフォード。
一部の人間しか知らないことだが、彼は死んでから三百年後に蘇った。
邪悪な吸血鬼により、人の心を持たぬ屍生人として――だが。
自らを裏切った現世への怨念という名の呪縛。屍生人となったブラフォードは、それに支配されていた。
その呪縛からブラフォードを解き放たせたのは、黄金に輝く勇気を持った紳士、ジョナサン・ジョースター。
彼の操る波紋は、ブラフォードから屍生人の邪悪な心を取り除き、人の心を取り戻させた。
それブラフォードは感謝をし、ジョナサンに自らの剣とあるものを託した。
『LUCK』と刻まれた剣に、自らの血液で一つのアルファベットを血で書き足し、『幸運と勇気を』という二つの意味を『PLUCK』という五文字のアルファベットに込めたのだ。
その何よりも重い思いを込められたアルファベット――『P』は、神敬介の右腕の出血により塗り潰されしまっている。
それは一体何を意味するのか、はたまたただの偶然か。
――かつての神敬介の心は、熱さと勇気で溢れてた。
――その勇気で以って、父の仇であるGOD機関を含む幾つもの悪の組織を壊滅に追いやったのだ。
――しかし今では心を喪い、ただ目の前の存在を排除する改造人間として歩みを進める。
――その左手に、塗り潰された『PLUCK』を携えて。
【C-4(中央) 路上/一日目黎明】
【神敬介@仮面ライダーSPIRITS】
[状態]:胸部に埋め込まれた暗闇大使の種子による洗脳状態、疲労(中)、右腕重症
[装備]:LUCKの剣@ジョジョの奇妙な冒険
[道具]:支給品一式、不明支給品2個(本人確認済み)
[思考・状況]
基本:他の存在を排除する。
1:人が集まりそうな学校、官庁街へと向かう。
[備考]
※ライドルは没収されています。
※地図と支給品説明以外は未読です。
※感情はありませんが、物事を思案する能力はあります。
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