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「狂えし少女は何思う」(2008/04/30 (水) 02:35:41) の最新版変更点
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**狂えし少女は何思う ◆c92qFeyVpE
「よっ、ほっ、はわわっ!」
可愛らしい悲鳴を上げながらライティングボードからマルチが落下する。
あれから何度も挑戦してはいるのだが、
このフライトシステムは本来の持ち主であるウェンディの先天技能による補佐を前提に作られているため、安定性が悪い。
マルチが乗りこなす事は、とてもじゃないが無理な話だ。
地面は雪で覆われてるため怪我はないが、これでは歩いて行った方が速いかもしれない。
「はぁ、早くセリオさん達を見つけて壊さないといけないのに」
以前の彼女からは想像もつかないような台詞を呟きながら、もう一つの支給品を見る。
「これなら、簡単に壊せると思うんですけどね」
PDAの画面に映し出されている物の名前、それはゼットセイバー。
エネルギー刃によって様々なレプリロイドを斬り裂いてきたそれならば、確かにマルチであっても他の参加者を倒すことは可能だろう。
だが、いかに高性能な剣でも結局移動手段にはなりえない。
「それに服も欲しいですし……」
T-1000によって上半身は裸のままだ、ロボットである彼女は体調が崩れることを気にする必要はないが、
それでもうら若き乙女(という設定のロボット)だ、やはり服は着たい。
「町なら洋服屋さんがありますかね?」
有効な移動手段が無い以上、そちらを優先した方が効率はいいだろう。
そう判断し動こうとした瞬間、進行方向に巨大な雷が降り注いだ。
「はわわわわ!?」
自然現象ではまずありえない雷に思わず怯んで下がりかけるが、ある事を思いつき歩を進める。
「あの近く、きっと誰かいるはずですよね」
支給品によるものか、それとも何か別の力によるものなのかはわからないが、
あの雷が人為的なものであることは想像がついた。
「なら、その人をぶっ壊して服をいただいちゃいましょう♪」
ナイスアイデア! と思わずガッツポーズを取りながら笑顔で足を速めていく。
……そのすぐ側の岩陰でたった今吹き飛ばされたT-1000が再生中だったのだが、幸か不幸かそれには気づかなかった。
茂はゆっくりと目を覚ます、それほど長い時間気絶していたわけではないようだ。
――ちっ、体が動かないんじゃ、同じようなもんか。
疲労が大きすぎる、しばらくはまともに立ち上がることもできないだろう。
それでも何とか這いずるようにテントローに跨る、あのままでは先ほどの液体金属どころか壊し合いに乗った普通の人間――は、いないんだっけな――にさえやられかねない。
とはいえテントローを発進させる体力もなく、その状態で周囲を見回し、他の参加者がいないことを確認――
「……ちっ」
一人の半裸の少女が、巨大な盾と剣の柄のような物を持ってこちらに歩いて来ていた。
少女が壊し合いに乗っているとは限らない、限らないのだが……「見つけました~♪」等と嬉しそうに言いながら来る相手を警戒するなという方が無茶である。
「……嬢ちゃん、何か用か?」
「あ、はい! 服が欲しいので、そのついでに壊させてもらいます!」
「良い返事だな、たくっ……!」
無駄に元気がよく、それでいて最悪な返答に何度目かわからない舌打ちをする。
状況は最悪だが、それでもまだチャンスはある。
遠隔攻撃手段がないのか、少女は柄のような物を構えて――丁度エネルギー刃が出された――歩み寄ろうとしている。
それならば、こちらへ近づいてくる間にアクセルを回す程度の体力を取り戻すことはできる。
そう考えている間にも、一歩一歩確実に間合いが詰められていき……
互いの距離が後五歩程度となった瞬間、残る体力と気力を振り絞ってテントローを発進させる。
「あ!」
「よし、このままどこか休める場所を――がぁ!?」
ライティングボードの砲撃によって左の肩口を焼かれ、それでも意識を飛ばさずにいられたのは奇跡だった。
後ろを振り返れば、こちら目がけて頼りない構えでライディングボードの狙いを付けるマルチの姿が見える。
――ちくしょう! あんな物があるなら何で使わなかったんだ!?
理由はすぐに思いついた、まだ慣れてないようで射撃の精度が非常に低いのだ。
先ほどの一発はラッキーヒットだったのだろう、茂にとってはアンラッキーどころの話ではないが。
「くそ……このままじゃやばい……!」
T-1000との激戦の直後にこのダメージだ、いくら仮面ライダーといえども体力の限界を超えている。
なんとかマルチは引き離したものの、このままでは遠からず気絶しその間に追撃を受けてジ・エンドだろう。
「どこか、治療できる場所を……」
朦朧としかけている意識の中思い浮かんだのは「修理」という二文字。
ほとんど無意識化で東へ向かってテントローを走らせる。
【B-4 北西部・雪原/一日目・黎明】
【城茂@仮面ライダーSPIRITS】
[状態]:意識混濁、腹部に刺し傷、左肩に火傷、全身に小ダメージ、重度の疲労
[装備]:テントロー@仮面ライダーSPIRITS
[道具]:支給品一式
[思考・状況]
基本:殺し合いを潰す
0:休める、場所を……
1:本郷猛、風見志郎、神敬介と合流する
2:チンクと呼ばれた少女に会い、保護する
3:全部終わったらセインのちゃんとした墓を作る
※参加時期は仮面ライダーSPIRITS本編開始前より
※制限は攻撃の威力制限、回復速度制限です
※チャージアップに課せられた制限は効果時間短縮、および使用後の疲労増大です
※自身にかけられた制限(威力制限・チャージアップ制限)には気がつきました
「逃げられちゃいました……」
茂が走って行った方向を眺めながら、マルチは残念そうに呟く。
あれだけボロボロなのだから動けないだろうと思ったのが間違いだったようだ。
「今度あったらちゃんと壊さないと」
追いかけるのは無理だろう、ライティングボードさえ使えれば追撃も可能だったろうが。
やはり移動手段が必要だ、自分でも使えるような何かが。
「そうしないと、セリオさん達を見つけるのが遅れちゃいます」
そうだ、早く見つけなくてはいけない。
「他の人に壊されちゃったら、つまらないですもんね♪」
【A-4 雪上/一日目・黎明】
【マルチ@To Heart】
[状態]:上半身裸。背中・腰部損傷(行動に特に支障はない模様)。シグマウイルスに感染
[装備]:ライディングボード@魔法少女リリカルなのはStrikerS ゼットセイバー@ロックマンXシリーズ
[道具]:支給品一式(不明支給品0~1)
[思考・状況]
基本:???
1:町に行って服を探す、他の参加者からはぎ取ってもいい
2:移動手段が欲しい
3:急いでセリオさんたちを見つけて破壊しますっ♪
4:ライディングボードは使えそうにないです……
*時系列順で読む
Back:[[しゃべるの得意じゃないけど]] Next:[[決意をこの胸に――(前編)]]
*投下順で読む
Back:[[しゃべるの得意じゃないけど]] Next:[[衝撃的な出会い]]
|027:[[雷電激震]]|城茂|053:[[とっても嫌な聞き間違い]]|
|016:[[マルチ、遭遇、軍事基地にて、ターミネーターと。]]|マルチ| |
**狂えし少女は何思う ◆c92qFeyVpE
「よっ、ほっ、はわわっ!」
可愛らしい悲鳴を上げながらライティングボードからマルチが落下する。
あれから何度も挑戦してはいるのだが、
このフライトシステムは本来の持ち主であるウェンディの先天技能による補佐を前提に作られているため、安定性が悪い。
マルチが乗りこなす事は、とてもじゃないが無理な話だ。
地面は雪で覆われてるため怪我はないが、これでは歩いて行った方が速いかもしれない。
「はぁ、早くセリオさん達を見つけて壊さないといけないのに」
以前の彼女からは想像もつかないような台詞を呟きながら、もう一つの支給品を見る。
「これなら、簡単に壊せると思うんですけどね」
PDAの画面に映し出されている物の名前、それはゼットセイバー。
エネルギー刃によって様々なレプリロイドを斬り裂いてきたそれならば、確かにマルチであっても他の参加者を倒すことは可能だろう。
だが、いかに高性能な剣でも結局移動手段にはなりえない。
「それに服も欲しいですし……」
T-1000によって上半身は裸のままだ、ロボットである彼女は体調が崩れることを気にする必要はないが、
それでもうら若き乙女(という設定のロボット)だ、やはり服は着たい。
「町なら洋服屋さんがありますかね?」
有効な移動手段が無い以上、そちらを優先した方が効率はいいだろう。
そう判断し動こうとした瞬間、進行方向に巨大な雷が降り注いだ。
「はわわわわ!?」
自然現象ではまずありえない雷に思わず怯んで下がりかけるが、ある事を思いつき歩を進める。
「あの近く、きっと誰かいるはずですよね」
支給品によるものか、それとも何か別の力によるものなのかはわからないが、
あの雷が人為的なものであることは想像がついた。
「なら、その人をぶっ壊して服をいただいちゃいましょう♪」
ナイスアイデア! と思わずガッツポーズを取りながら笑顔で足を速めていく。
……そのすぐ側の岩陰でたった今吹き飛ばされたT-1000が再生中だったのだが、幸か不幸かそれには気づかなかった。
茂はゆっくりと目を覚ます、それほど長い時間気絶していたわけではないようだ。
――ちっ、体が動かないんじゃ、同じようなもんか。
疲労が大きすぎる、しばらくはまともに立ち上がることもできないだろう。
それでも何とか這いずるようにテントローに跨る、あのままでは先ほどの液体金属どころか壊し合いに乗った普通の人間――は、いないんだっけな――にさえやられかねない。
とはいえテントローを発進させる体力もなく、その状態で周囲を見回し、他の参加者がいないことを確認――
「……ちっ」
一人の半裸の少女が、巨大な盾と剣の柄のような物を持ってこちらに歩いて来ていた。
少女が壊し合いに乗っているとは限らない、限らないのだが……「見つけました~♪」等と嬉しそうに言いながら来る相手を警戒するなという方が無茶である。
「……嬢ちゃん、何か用か?」
「あ、はい! 服が欲しいので、そのついでに壊させてもらいます!」
「良い返事だな、たくっ……!」
無駄に元気がよく、それでいて最悪な返答に何度目かわからない舌打ちをする。
状況は最悪だが、それでもまだチャンスはある。
遠隔攻撃手段がないのか、少女は柄のような物を構えて――丁度エネルギー刃が出された――歩み寄ろうとしている。
それならば、こちらへ近づいてくる間にアクセルを回す程度の体力を取り戻すことはできる。
そう考えている間にも、一歩一歩確実に間合いが詰められていき……
互いの距離が後五歩程度となった瞬間、残る体力と気力を振り絞ってテントローを発進させる。
「あ!」
「よし、このままどこか休める場所を――がぁ!?」
ライティングボードの砲撃によって左の肩口を焼かれ、それでも意識を飛ばさずにいられたのは奇跡だった。
後ろを振り返れば、こちら目がけて頼りない構えでライディングボードの狙いを付けるマルチの姿が見える。
――ちくしょう! あんな物があるなら何で使わなかったんだ!?
理由はすぐに思いついた、まだ慣れてないようで射撃の精度が非常に低いのだ。
先ほどの一発はラッキーヒットだったのだろう、茂にとってはアンラッキーどころの話ではないが。
「くそ……このままじゃやばい……!」
T-1000との激戦の直後にこのダメージだ、いくら仮面ライダーといえども体力の限界を超えている。
なんとかマルチは引き離したものの、このままでは遠からず気絶しその間に追撃を受けてジ・エンドだろう。
「どこか、治療できる場所を……」
朦朧としかけている意識の中思い浮かんだのは「修理」という二文字。
ほとんど無意識化で東へ向かってテントローを走らせる。
【B-4 北西部・雪原/一日目・黎明】
【城茂@仮面ライダーSPIRITS】
[状態]:意識混濁、腹部に刺し傷、左肩に火傷、全身に小ダメージ、重度の疲労
[装備]:テントロー@仮面ライダーSPIRITS
[道具]:支給品一式
[思考・状況]
基本:殺し合いを潰す
0:休める、場所を……
1:本郷猛、風見志郎、神敬介と合流する
2:チンクと呼ばれた少女に会い、保護する
3:全部終わったらセインのちゃんとした墓を作る
※参加時期は仮面ライダーSPIRITS本編開始前より
※制限は攻撃の威力制限、回復速度制限です
※チャージアップに課せられた制限は効果時間短縮、および使用後の疲労増大です
※自身にかけられた制限(威力制限・チャージアップ制限)には気がつきました
「逃げられちゃいました……」
茂が走って行った方向を眺めながら、マルチは残念そうに呟く。
あれだけボロボロなのだから動けないだろうと思ったのが間違いだったようだ。
「今度あったらちゃんと壊さないと」
追いかけるのは無理だろう、ライティングボードさえ使えれば追撃も可能だったろうが。
やはり移動手段が必要だ、自分でも使えるような何かが。
「そうしないと、セリオさん達を見つけるのが遅れちゃいます」
そうだ、早く見つけなくてはいけない。
「他の人に壊されちゃったら、つまらないですもんね♪」
【A-4 雪上/一日目・黎明】
【マルチ@To Heart】
[状態]:上半身裸。背中・腰部損傷(行動に特に支障はない模様)。シグマウイルスに感染
[装備]:ライディングボード@魔法少女リリカルなのはStrikerS ゼットセイバー@ロックマンXシリーズ
[道具]:支給品一式(不明支給品0~1)
[思考・状況]
基本:???
1:町に行って服を探す、他の参加者からはぎ取ってもいい
2:移動手段が欲しい
3:急いでセリオさんたちを見つけて破壊しますっ♪
4:ライディングボードは使えそうにないです……
*時系列順で読む
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|016:[[マルチ、遭遇、軍事基地にて、ターミネーターと。]]|マルチ|060:[[強者をめぐる冒険]]|
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