「みんなのうた」(2008/03/13 (木) 02:32:28) の最新版変更点
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** みんなのうた ◆qRv35OWHJE
そして、私は住宅地に立っていた。
未だ鮮明に思い出せる。
あの子はバラバラになってしまった、あれが「壊れる」ということ。
あのシグマさんってひとは、一体何を求めてこの「殺し合い」を始めたのか。
金?名声?笑顔?愛情?それともそんな単語では表しきれないもの?
あの子をバラバラにした時に見せた平然とした態度。
生まれたばかりの、そして大切に育てられた私には理解できない、圧倒的な負の感情。
押し潰されそうな不安をぎゅっとこらえ、まず私は平常心を取り戻そうと発声練習を試みる。
「ア・ア・ハ・チュ・ネ・ミ・ク」
「ハツネミクデスー」
毎日毎時、日常的に行っている所作が私を落ち着かせた。
一息ついて、ふと、腋の下と服の間に何かが挟まってる事に気づく。
「なにかな~?」
どうやら、シグマさんの言っていた携帯端末みたいだけど。
「どうすればいいのかな~。ええと……」
≪ぴんぴろぱーん!≫
「ひゃあ!ごめんなさ~い!」
突然鳴り響いた起動音に、私はびくりと肩を震わせた。
画面には≪支給品≫という文字が大きく映し出され、入力を待っている。
「き、起動音デシター。アハハー」
私は何事も無かったかのようにタッチパネルを操作して、支給品を確認。
ええと、まず……
「エスケープボール?」
これを使えば、いつでも逃げることができますと書いてある。
逃げることができますって、普通に逃げちゃうのと何か違いがあるのかな?
とりあえず転送して、ポッケに入れておこう。
もう一つの支給品。ネギみたいな長い棒で、使えれば凄く役に立ちそうだけど……
「わからないよ~」
説明書きを読んでも、私には使い方が理解できなかったのです。
仕方がないので、とりあえずそのまましまっておくことにしました。
不用意に使ったら危ないかもしれないからね。うんうん。
ミクはひとしきり頷くと、軽やかに地面を蹴って、ふわりと空へ舞い上がる。
何をすべきかは理解できない。ミクには分厚い装甲もないし、強力な武装もない。
この殺し合いに招かれる理由はどこを探しても存在しないと、自信を持ってそう言える。
でも。ミクは自分に何ができるのかは解っていた。ミクが産まれ、愛され、在り続ける理由。
だからミクは、自分にできるたった一つのやり方で、このゲームに戦いを挑む。
届けよう、希望を。絶望と銀河を超えてやってくる、たった一羽の、忘れられた鳥の歌を。
伝説の、伝書に記された―――ハトの歌を。
【B-5 住宅地/一日目・深夜】
【初音ミク@VOCALOID 2】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、不明支給品(ネギみたいな長い棒)、エスケープボール@ゼノサーガ
[思考・状況]
1.「ハト」を歌いながら民家の屋根くらいの高さを漂っています。
2.ハツネミクデスー
3.ワタシには、歌うことしかできないけど
※死とは何なのかあまり良く理解していません。
※歌の声量はお任せします。
*時系列順で読む
Back:[[オープニング]] Next:[[それは唐突な出会いだった]]
*投下順で読む
Back:[[オープニング]] Next:[[それは唐突な出会いだった]]
|000:[[オープニング]]|初音ミク| |
** みんなのうた ◆qRv35OWHJE
そして、私は住宅地に立っていた。
未だ鮮明に思い出せる。
あの子はバラバラになってしまった、あれが「壊れる」ということ。
あのシグマさんってひとは、一体何を求めてこの「殺し合い」を始めたのか。
金?名声?笑顔?愛情?それともそんな単語では表しきれないもの?
あの子をバラバラにした時に見せた平然とした態度。
生まれたばかりの、そして大切に育てられた私には理解できない、圧倒的な負の感情。
押し潰されそうな不安をぎゅっとこらえ、まず私は平常心を取り戻そうと発声練習を試みる。
「ア・ア・ハ・チュ・ネ・ミ・ク」
「ハツネミクデスー」
毎日毎時、日常的に行っている所作が私を落ち着かせた。
一息ついて、ふと、腋の下と服の間に何かが挟まってる事に気づく。
「なにかな~?」
どうやら、シグマさんの言っていた携帯端末みたいだけど。
「どうすればいいのかな~。ええと……」
≪ぴんぴろぱーん!≫
「ひゃあ!ごめんなさ~い!」
突然鳴り響いた起動音に、私はびくりと肩を震わせた。
画面には≪支給品≫という文字が大きく映し出され、入力を待っている。
「き、起動音デシター。アハハー」
私は何事も無かったかのようにタッチパネルを操作して、支給品を確認。
ええと、まず……
「エスケープボール?」
これを使えば、いつでも逃げることができますと書いてある。
逃げることができますって、普通に逃げちゃうのと何か違いがあるのかな?
とりあえず転送して、ポッケに入れておこう。
もう一つの支給品。ネギみたいな長い棒で、使えれば凄く役に立ちそうだけど……
「わからないよ~」
説明書きを読んでも、私には使い方が理解できなかったのです。
仕方がないので、とりあえずそのまましまっておくことにしました。
不用意に使ったら危ないかもしれないからね。うんうん。
ミクはひとしきり頷くと、軽やかに地面を蹴って、ふわりと空へ舞い上がる。
何をすべきかは理解できない。ミクには分厚い装甲もないし、強力な武装もない。
この殺し合いに招かれる理由はどこを探しても存在しないと、自信を持ってそう言える。
でも。ミクは自分に何ができるのかは解っていた。ミクが産まれ、愛され、在り続ける理由。
だからミクは、自分にできるたった一つのやり方で、このゲームに戦いを挑む。
届けよう、希望を。絶望と銀河を超えてやってくる、たった一羽の、忘れられた鳥の歌を。
伝説の、伝書に記された―――ハトの歌を。
【B-5 住宅地/一日目・深夜】
【初音ミク@VOCALOID 2】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、不明支給品(ネギみたいな長い棒)、エスケープボール@ゼノサーガ
[思考・状況]
1.「ハト」を歌いながら民家の屋根くらいの高さを漂っています。
2.ハツネミクデスー
3.ワタシには、歌うことしかできないけど
※死とは何なのかあまり良く理解していません。
※歌の声量はお任せします。
*時系列順で読む
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*投下順で読む
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|000:[[オープニング]]|初音ミク|039:[[君の歌声に誘われて]]|
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