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「大切なものを喪う悲しみ(後編)」(2009/03/02 (月) 23:19:28) の最新版変更点
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■
「――と、以上だな。
これで、凱とゼロ、そしてお前と別れた後の私のことも話し終えたことになるな。」
「敬介は、ゼロにまで襲い掛かっていたとはな……アイツ……ッ!」
一時集まっていた部屋に戻り、道具を回収。
その後、己がいない間に交わされた情報交換の内容を、風見はチンクから聞いていた。
全てが終わり、最初に吐き出された感想はやはり暴走する後輩のこと。
知らず、チンクの表情も強張る。
また、風見の興味を引く事態が他にも存在した。
「それにしても……スバル・ナカジマは、お前の仲間ではなかったのか?」
「分からん。凱やゼロのいた世界では、レプリロイドや人間の人格を破綻させる道具があるらしいが……その仕業かは不明だ」
そんなものが支給されているのだろうか?
風見は思案するも、答えが出る道理もない。
「何にせよ、合流すべき相手が増えたな。エックスか……」
そう言って、ゼロが信頼する仲間の名を脳内に刻み付ける風見。
彼が修羅となっているなど、知る要素はない。
「それで、これからどうするんだ? ナタクというのも、つれて行くのか?」
心底御免だと思いながらも、あえて言及はしないチンク。
……思いっきり表情に出ているが。
「来るなと言っても、来るだろう。それにナタクの力は本物だ。同行させて損はない」
風見の言葉に、チンクは舌を打つ。
もはや考えを隠そうという気は、微塵もないのだろう。
「だが、ナタクが回復ポッドを使っているのなら、修復が完了するまで間が空くことになる。
完了するまで三人で、このコロニー内を見て回るのもいい。サイクロン号ならば、ナタクが完治するまでに全域を調べ終えることが出来る」
「今すぐ行くのか?」
尋ねるチンクに首を左右に振って答え、風見は全身に力を篭める。
瞬間、風見が腰に巻いた黒い皮製のベルトが、銀の金属製のベルトに転換する。
ベルトのバックル部には、力と技のエネルギーを漲らせる二つの赤い風車。
その中心に刻まれしは、戦士の名を表すアルファベットと数字。
ベルトの名を、ダブルタイフーンと言った。
疑問に満ちた視線を向けてくるチンクに答えるように、風見はベルトの左側に装備された銀色の筒を手に取った。
ちょうどリレー競技で使うバトンほどの大きさのそれを、風見は天に向け――
「V3ホッパー!!」
風見が自身に隠された二十六の秘密の一つの名を叫ぶと、その筒から何かが上空へと飛び出していった。
「……何をしているのだ?」
いてもたってもいられず、ついにチンクが疑問を口に出す。
「あの道具の名は、V3ホッパー。上空で静止し、備え付けられたカメラから情報を俺へと送ってくる。
力やスピードと同じく上昇する高さが制限されているだろうが、少なくともこのコロニー内くらいならば誰かいれば見つかる」
「何かが見つかれば、まずそこへと向かうワケか。便利なものだな」
チンクの言葉の途中で、V3の視界に上空からの映像が流れこんでくる。
未だ加速中のV3ホッパー。
さらなる上昇を望む風見であったが、唐突に上昇は幕を閉じる。
風見は、明らかに奇妙な感覚を覚える。
V3ホッパーの速度は増していたのに、急に静止したのだ。
普段ならば、ゆっくりと減速していった末に動かなくなるというのに。
まるで、何かに阻まれたように……
そこまで考えて、風見は勝手に呟いてしまった。
「そういうことか……」
「どうした? まさか何も映らんのか?」
状況を知らぬチンクに、風見は自分の見出した答えを教える。
「いや、映るには映るが……唐突に上昇が終わった。
おそらくコロニーの天井にぶつかったのだろう。これでは隣接エリアくらいしか確認出来んが、まあいい」
言い終えて、V3ホッパーから送られる映像に精神を集中させる風見。
当初は走り抜ける凱とゼロしか見えん、などとごちていたが……
ある方向を見た時、とある参加者が目に入り――風見の心臓が早鐘のように高鳴る。
「チンク、サイクロン号を転送しろ」
「ん? 何か見つかったのか?」
「ああ、見つかったとも……確かに見つかった」
風見の言い回しに疑問を抱きながらも、サイクロン号を転送させたチンク。
後部座席に座ろうとして、風見に放られた。
「カザミ! 何のつもりだ!」
うまいこと怪我をしないように投げられたとはいえ、チンクは怒りを禁じえない。
その問いに、サイクロン号に跨った風見は簡潔に答える。
「ここに、ボイルドが向かっている」
「何だと……」
そう、風見は見つけてしまったのだ。
南下してくるボイルドを。全てを塗り潰さんとす虚無の姿を。
「一人で行っても、さっきの繰り返しになるだけだ! 私もつれて行け!」
「断る」
「何故だ!?」
その答えは、簡単だった。
風見の願いは、ボイルドを■■■■■■にすること。
しかし、その道は果てしなく困難だ。
それに、風見は理解していた。それが、他人には理解されない望みだと。
だからこそ真の答えは言わずに、『チンクが来れなくなる』答えを告げる。
「ナタクも言っていただろう……お前が死ねば、ドラスは悲しむ」
「……死ぬとでも思っているのか?」
「ボイルドの力は分かっているはずだ」
「だからと言って、一人で行くのは間違ってるとしか思えん!」
正論である。
ボイルドを『倒す』のを目的としているのなら、一人で行くのは明らかな愚策。
風見にだって分かっているが、押し切るしかない。
「来るな。お前が少しでも近付けば、俺はドラスの名を全力で叫ぶ。
事実を知れば、ドラスは確実に同行したがる。ドラスを巻き込むことになるぞ」
「――ッ!」
チンクの目が見開かれた。
同時に、見抜かれたかと胸中で毒づくチンク。
そうなのだ。
風見を行かせたくないだけならば、サイクロン号を再転送すればよいのだ。
チンクはそれをしないのは、ひとえにドラスを巻き込みたくないからであった。
「では、話は終わりだ。ドラスには何も言わず、ここに潜んでいろ。全力でボイルドは引き離す。
もしも次の放送で俺の名が呼ばれたら、サイクロン号を転送してくれて構わない。IDが移し変えられていなければ、サイクロン号はお前の元に戻る」
「……ずるいヤツだな、貴様は」
もう説得の仕様がないし、近付けばドラスを巻き込むことになる。
チンクには、そう吐き捨てるしかなかった。
「悪いとは思っている」
「生きて戻ってこなければ、許さんぞ」
「生憎、それは保障出来ないな。
……そうだ、ここを探索している際に見つけたPDAを渡しておく。俺は使わない」
風見はそう言ってPDAを投げると、サイクロン号のアクセルを捻る。
修理工場は結構な高さを誇っているというのに、風見は何でもないようにバイクごと天井から真下へと引っ張られていく。
落下の衝撃などないかのように、地上に降り立った風見は北上していった。
向かうは、北――ディムズデイル・ボイルド。
「そこは、嘘でも頷いておけ…………バカめ」
残されたエグゾーストノイズの中で、チンクはそう呟いた。
どうでもいいはずの男の離脱が、何故だかとてつもなく大きなものの喪失のようにチンクには感じられた。
【G-3 修理工場(屋上)/一日目 昼(放送寸前)】
【チンク@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
[状態]:小程度の疲労、全身に小ダメージ、固い決意、ノーヴェの死を悟り悲しみと憤怒、姉妹の仇を討つ決意
[装備]:金属の詰まった平凡なデイバッグ@ゴミ処理場
[道具]:PDA(チンク、メカ沢)、支給品一式(チンク、メカ沢)、不明支給品1(未確認)、ツバメ@クロノトリガー
[思考・状況]
基本:ノーヴェとセインの仇を討ち、シグマを破壊する
1:ドラスを巻き込みたくないために、修理工場にて風見の帰還を待つ。しかし長時間帰ってこなければ――――?
2:誰が何と言おうとも、ノーヴェの仇を討つ。敬介だろうが影武者だろうが関係ない。
3:姉として、弟(ドラス)を守る。
4:本郷、茂、ギンガ、エックス、タチコマ、T-800(名前は知らない)との合流。ボイルド、スバル、敬介、ハカイダー、メガトロンは警戒。
5:殺し合いに乗った危険人物には容赦しない。
6:スティンガー、シェルコートを手に入れる。
7:日付が変わる頃、スクラップ工場へ向かう。
[備考]
※風見、凱、ドラス(スバルに関すること以外)、ゼロと情報交換をしました。
※参戦時期は本編終了後です。
※優勝者の褒美とやらには興味がなく、信用していません。
※志郎を信用していることに気付きました。
※ドラスを弟として認めました。
◇ ◇ ◇
一瞬でエンジンが温まり、加速度的にスピードを増していくサイクロン号。
しかし今の風見には、風の心地よさを感じる余裕などない。
今から往こうとしている道が限りなく激しいものだと、実感しているがゆえだ。
サイクロン号の速度に加え、改造人間の異常なまでの視力により、僅かの走行で風見はボイルドを視界に捉える。
同時に、風見はサイクロン号を運転しながら立ち上がる。
この速度のバイクの上で立つなど、他の仮面ライダーにも出来ない――風見志郎だけの特技。
まっすぐと左側へ両腕を伸ばし、右へと一気に回す。
右腕はそのまま伸ばし続け、左手は拳を握って腰へと固定。
顕現していたダブルタイフーンが回転し、正義のパワーを風見に漲らせていく。
「変んん……身! V3ァアッ!!」
風見は真紅の戦士となりて、黄緑の複眼で直線上にいる男を見据える。
正義の戦士の眼前にいるのは、悪ではなく己の全てを捨て去った虚無。
――――時計の長針が、短針と重なろうとしていた。
【G-2 路上/一日目 昼(放送寸前)】
【風見志郎@仮面ライダーSPIRITS】
[状態]:両拳に負傷(小)、頭部と胸部と左肩に弾痕(塞がっている)、右肘に負傷(中)、固い決意、
村雨の死に悲しみ、敬介を倒す決意、サイクロン号を運転中、仮面ライダーV3に変身中
[装備]:サイクロン号(1号)@仮面ライダーSPIRITS
[道具]:無し
[思考・状況]
基本:殺し合いを破壊し、シグマを倒す。
1:ひとまずボイルドを修理工場から遠ざけ、為すべきことを為す。
2:いずれ、修理工場2階で見つけた隠し通路を調査する。
3:本郷、茂、ギンガ、エックス、タチコマ、T-800(名前は知らない)と合流。スバル、メガトロンは警戒。
4:殺し合いに乗った危険人物には容赦しない。
5:敬介は暴走状態にあると判断。正気に戻せないのなら、倒す。
6:可能ならば、ボイルドを仮面ライダーにしたい。そのためには、危険は辞さない覚悟。
7:弱者の保護。
8:日付が変わる頃、スクラップ工場へ向かう。
[備考]
※チンク、凱、ドラス(スバルに関すること以外)、ゼロと情報交換をしました。
※参戦時期は大首領の門に火柱キックを仕掛ける直前です(原作13巻)。また身体とダブルタイフーンは元通り修復されています。
※なんとなくチンクを村雨、そして昔の自分に重ねている節があります。
※液体金属が参加者に擬態している可能性に気づきました。
※ゼロを襲い、ノーヴェ、メカ沢、ロボを殺したのは敬介本人だと確信しました。
※修理工場の2階に隠し通路と、謎のメッセージを発見しました。
※ドラスへの荒療治は、やり過ぎだったと反省中。
■
俺達は、エリアF-2の橋の上まで来ていた。
まず左上のコロニーまで行き、次に左下、そして右下、最後に今いる右上コロニーに戻るという計画だ。
このルートで全域を虱潰しに捜索していった場合、約束の時間くらいにスクラップ工場につくだろうとゼロが考えたのだ。
もちろん、俺に反対する理由はなかった。
とりあえずE-1に到着するまでは北西に進み、幹線通路を通って左上コロニーに入る予定である。
既に情報交換の内容をゼロに話し終え、俺達の間にはほぼ会話はなかった。
しかし、何も思わない。
一見クールでありながら、ゼロが熱さを秘めていることは知っているからだ。
俺と違って頭も回る。おそらく黙っていながら、いろいろと考えているのだろう。
それにしても、このサイドマシーンの性能は抜群だ。
俺もバイクを持っているが、こんな速度は出したことがない。
全身にかかる風が心地よい。
ゼロが包帯のせいで運転できないというから、運転を受け持ったが……
こんな感覚を味わえるのなら、ゼロが完治してからも志願させてもらおう。
不意にこのサイドマシーンの説明を思い返し、思わず心が熱くなる。
【サイドマシーン:バイクとサイドカーが付属した車。参加者であるハカイダーの宿敵、キカイダーの愛用マシン】
このサイドマシーンは、ハカイダーの宿敵であるキカイダーという方のものらしい。
あの誇り高いハカイダーが宿敵と認めるということはは、つまり正義を志しているのだろう。間違いない。
この場にはいないが、正義の戦士が力を貸してくれている。
こんなに嬉しいことは、他にないぜ!
待っていろよ、ハカイダー……!
そこまで考えて、風見さんから貰った支給品のことを思い出す。
ナタクによれば、何でもただの人間ならば触れだけで死に至るらしい。
素質があるといわれても、正直使う気はなかったが……
説明を読んでみれば、風を操って刃にして飛ばすなど、なかなか有用そうな道具だ。
……宝貝の動作を止めるというのは、使いどころはなさそうだが。
それでも風の刃の方は、使わねばならない時が来るかもしれない。
だが、そうなれば俺は――――
「ふッ」
下らないことを考えた自分に笑ってしまう。
今更何を迷っているのか。
あの事故の後に手に入れたこの体は、みんなを守るために神様がくれたものだ。
宝貝という道具を使うことで、みんなを助けられるのなら――
――――迷うことなど、何もない。
【F-2 橋の上(南東)/一日目 昼(放送寸前)】
【獅子王凱@勇者王ガオガイガー】
[状態]:健康、揺るがない勇気、チンクの妹とその仲間の死に悲しみ、サイドマシーンを運転中
[装備]:電磁ナイフ@仮面ライダーSPIRITS(右腕に収納)、サイドマシーン@人造人間キカイダー
[道具]:支給品一式、打神鞭@封神演義、グランドリオン@クロノトリガー
[思考・状況]
基本思考:シグマを打ち倒し、この殺し合いを止める。戦う力を持たぬ者、傷ついている達を保護し、守り抜く。
1:左上コロニーまで行き、そこから虱潰しに全エリアを巡る。
2:ハカイダーを更生し、勇者にしたい。それが不可能ならば、今度こそ倒す。
3:本郷、茂、ギンガ、エックス、タチコマ、T-800(名前は知らない)と合流。ボイルド、スバル、メガトロンは警戒。
4:同じ目的を持った仲間を探す。
5:日付が変わる頃、スクラップ工場へ向かう。
[備考]
※風見、チンク、ドラス(スバルに関すること以外)、ゼロと情報交換をしました。
※Zマスター撃破直後からの参戦です。
※チンクから情報を得ました。
※制限の影響により、グランとリオンは出現する事が出来ません。
※凱が見た村雨の写真は原作五巻に出てきたものです。
※風見を強く信頼しています。同時に勇者と認定。
【ゼロ@ロックマンX】
[状態]:左膝を破損(修復中)、全身のアーマーに大きな傷(修復中)、疲労(小)、エネルギー消費(大)、
ノーヴェの死に悲しみ、確固たる決意、膏薬と包帯を纏っている、サイドマシーンのサイドカーに乗っている
[装備]:チャージキックの武器チップ@ロックマンシリーズ、カーネルのセイバー@ロックマンX4、トリモチ銃@サイボーグクロちゃん
アトロポスのリボン@クロノトリガー、プラ膏薬とポリ包帯@ザ・ドラえもんズ、謎の金属片(マルチの残骸から回収)
[道具]:支給品一式 PDA×2(ゼロ、村雨) 不明支給品0~2(未確認)、空っぽの平凡なデイバッグ@ゴミ処理場
[思考・状況]
基本:シグマを倒す。イレギュラーに容赦はしない。
1:左上コロニーまで行き、そこから虱潰しに全エリアを巡る。
2:情報交換が終わり次第、回復を行う。
3:凱と共にハカイダーを更生したい。更生に失敗して、凱が倒せなかった時は、自分がハカイダーを倒す。
4:日付の変わる頃(二日目00:00)にハカイダーと決着をつけるため、スクラップ工場に再度向かう。
5:本郷、茂、ギンガ、エックス、タチコマ、T-800(名前は知らない)と合流。ボイルド、スバル、メガトロンは警戒。
6:シグマ、何を企んでる?
7:ドラスの変身能力が気になる。
[備考]
※ノーヴェ、風見、チンク、凱、ドラス(スバルに関すること以外)と情報交換をしました。
※ノーヴェたちを生体パーツを使用したレプリロイド(のようなもの)と解釈しました。
※ノーヴェから時空管理局と平行世界に関する知識を得ました。
※参戦時期はX4のED~X5開始前のようです。
※液体金属が参加者に擬態している可能性に気づきました。
※支給品にゾンダーメタルがある可能性を考えています。
※三時間弱で、傷は塞がります。
【支給品紹介】
【サイドマシーン@人造人間キカイダー】
主人公であるキカイダーの愛用マシン。サイドカー付きのバイクで、車体は黄色く赤いラインが入っている。
最高時速は五百キロで、人工知能からの指令で自動走行可能。水上運転と空中運転、ともに可能。
制限は今んとこ速度だけで、あとは任せます。
【打神鞭@封神演義】
主人公である太公望の宝貝。
見た目は、節目のある白い棒。原作終盤からの登場なので、長さは日本刀程度。
能力は風を操ること。応用させれば、竜巻や風の刃を作ることが出来る。
また、先端にスーパー宝貝『太極図』(※)が付属している。
※太極図:使い手の力を吸い取り能力を発揮する通常の宝貝とは異なり、他の宝貝から力を吸い取る『反(アンチ)宝貝』。
周囲の宝貝を無力化し、その宝貝を伝ってエネルギーを回収。癒すことにも、戦うことにも、回収したエネルギーは使用できる。
■
「こちらは、楽でいいな」
回復ポッドの方は、どうやら眼鏡に適ったらしい。
……楽さなら、どちらも変わらないと思うんだけどなあ。
「つまり入っていればいいのだろう?」
首肯すると、ナタクはポッドに入ろうとして――それをやめた。
どうしたのかと思っていると、こちらを振り向いた。
「そういえば、お前の姉の話だが」
「チンクお姉ちゃんのこと?」
「チンクと言うのか。お前は、アイツをどうするつもりなんだ?」
……よく意味が分からない。
そう伝えると、再びナタクが口を開いた。
「あの女はお前より弱い。だが、お前の家族だ。あの女にもしものことがあれば、お前はどうするんだ?」
何を今更。そんなこと決まっている。
「守る……か。本当にだな」
念を押してくるので、改めて決意を告げる。
「……そうか。俺は姉は持たんが、母上はいる。
俺は昔から母上を守るために生きてきたが……やはり俺だけでなく、男というのは女の家族を守るのが使命なのだな」
納得したように、背を向けるナタク。
――男というのは女の家族を守るのが使命。
ナタクの言葉が、頭の中をリフレインする。
蘇ってくるのは、僕が姉と呼んだ女性。
ノーヴェお姉ちゃんでも、チンクお姉ちゃんでもない、現在暴走しているという彼女。
かつてなら何も思わなかっただろうに、何故だかすごく胸が苦しい。
凱兄ちゃんは、僕に『勇気』が芽生えたといっていた。
勇気とかはよく分からないけど、僕も僕の中に何かが生まれたのは感じ取れる。
「待って!」
ポッドの中に入ろうとするナタクを、つい呼び止めてしまった。
でも、知りたいことが出来た。
宝貝人間とかは分からないけれど、僕と同じく体内にコアを持つナタクには――
僕の中に生まれた、お姉ちゃんを守りたいという感情を昔から持っていたナタクには――
どうしても、聞かなきゃいけないことがある。
今の僕には分からないけど、ナタクなら分かるかもしれない。
「何だ」
回れ右をしたナタクが、こちらに寄ってくる。
まず聞くためには、話さねばならない。
「最初、僕はこの壊し合いで優勝しようとしていたんだ。そして、そんな時にスバルという参加者に出会って――――」
ありのままを。
本来他人を殺すことに躊躇しないナタクにだから、明かすことが出来る。
◇ ◇ ◇
ナタクは、回復ポッドの中で光る液体に包まれている。
見る見る全身の負傷が回復していくのは、見ていて何とも言えない気分だ。
全て――パパといた頃のことも含めて――を話して、僕はナタクに尋ねた。
家族に隠し事をしてもいいのか否かを。
隠し事とは、勿論スバルお姉ちゃんのことだ。
僕がスバルお姉ちゃんにやったことを知っているナタクは、聞いてきた。
『それでお前は、そのスバルとかいう姉をどうしたいんだ』
そんなこと、考えたこともなかった。
ただただ僕は、スバルお姉ちゃんのことから目を逸らしていた。
だから、ナタクに問われて初めて考えて――言った。
何としても、スバルお姉ちゃんを元に戻したいと。
ナタクは言った、厳しい道になるぞと。
でも、僕は責任を取ると宣言した。
すると、ナタクはまっすぐとこちらを見据えて――断言した。
『ならば、わざわざ姉にスバルのことを言う必要はない。
余計なことを言えば、あの手の連中は確実に首を突っ込んでくる。
どちらの姉も守りたいのなら、ひたすら隠し通せ。姉を巻き込まずに、自分だけで全てを解決すればいい』
予想していた答えとは、真逆の結論だった。
隠し事はよくないと責められるものだと、そう思い込んでいた。
目を丸くする僕に、ナタクは言葉を続けた。
『――少なくとも、俺ならば母上は巻き込まん』
それだけ言って、ナタクは回復ポッドに入っていった。
回復ポッドを操作して溶液で満たした後も、僕はずっと考えた。
確かに、ナタクの言うとおりだ。
もしもスバルお姉ちゃんの件を話せば、チンクお姉ちゃんも巻き込むことになってしまうのだ。
そうならないようにするには、僕一人で頑張らねばならない。
果たして、そうそう成功するものだろうか?
弱い考えが浮かんでくるが、僕を変えてくれたみんなを思い出す。
「みんなが僕を変えてくれたように、今度は僕がスバルお姉ちゃんを戻してみせる。だから……見ていてよ」
握り締めたメカ沢お兄ちゃんの制服が、なんだかとても暖かく感じた。
【G-3 修理工場/一日目 昼(放送寸前)】
【ドラス@仮面ライダーZO】
[状態]:全身打撲、コアにダメージ。中程度の損傷&疲労。右腕がスバルのもの。悲しみ。自分が求めていたものが『家族』と自覚。
仮面ライダーへの恐怖を少し克服、仮面ライダーXへの怒り、セインを四、五歳幼くした状態に擬態。ただし、生えている
[装備]:ラトゥーニのゴスロリ服@スーパーロボット大戦OG、メカ沢の学ラン@魁クロマティ高校、オルゴール付き懐中時計@仮面ライダーZO
[道具]:支給品一式、PDA(ドラス) (マルチ)(ノーヴェ)
荷電磁ナイフ@マルドゥックスクランブル(D-3基地に放置。呼び出し可)
スタームルガー レッドホーク、装弾数0/6@ターミネーター2(D-3基地に放置。呼び出し可)
[思考・状況]
基本思考:二度と家族を失いはしない。
1:チンクを守りたい。
2:スバルは、『自分で』正気に戻させる。他人は巻き込まない。
3:チンクと共にロボ、メカ沢、ノーヴェの仇を討つ。
4:自爆装置、リミッターの解除。
5:麻生お兄ちゃん(ZO)は何番目に強かったんだろう?
6:本郷、茂、ギンガ、エックス、タチコマ、T-800(名前は知らない)と合流。ボイルド、ハカイダー、メガトロンは警戒。
[備考]
※風見、チンク、凱、ゼロと情報交換をしました。
※自分が未完成品、仮面ライダーが完成品だと勘違いしています。
※『仮面ライダー』への恐怖が薄らぎ、戦闘可能になりました。が、仮面ライダーXの前に立った場合は未知数です。
※チンクを姉として強く慕っています。
※怪人形態への変身を目撃されましたが、その後の言動で悪い印象は与えていません。
※無意識の内に罪悪感が芽生えつつあります。
※志郎の言った10人ライダーの中に仮面ライダーZOがいると思い込んでいます。
■
輝く液体が、俺のいる容器に注ぎ込まれてくる。
全身を液体で覆われているというのに、何故だか息苦しいことはない。
強烈に襲い来る眠気の中で、ドラスの言葉が蘇った。
――強くなれば、パパが好きになってくれると考えていた。
ドラスの言葉を思い出した瞬間、眠気が吹き飛んだ。
同時に、かつての記憶が浮かんでくる。
――おで……ただ……お父さんに好かれたかっただけ…………強くなれば、好きになってくれると思った……のに……
ドラスに関する認識を変える。
最初は、ただの宝貝人間だと考えた。だから戦おうとした。
アイツが家族を失ったと聞き、天祥に似ている境遇だと思った。ゆえに、俺はヤツを悲しませないようにした。
しかしさっき告白を聞いて、間違いに気付いた。
いや、確かに天祥にも似ている。
しかしながら、さらに似ているのは――馬元だ。
馬元は、戦いを望んではいなかった。他者を傷つける気もなかった。
だからだろう。俺は始めて、敵として立った相手に戦いたくないとの感想を抱いてしまった。
だが、馬元は死んだ。
他でもない。殺したのは、俺だ。
塵にも劣る父親の仕業で暴走した馬元の前に、俺はそうするしか方法を知らなかった。
あの時よりも前に、俺は馬元の父親を殺せる機会があったというのに……
新たに手に入れた火尖槍の性能にいい気になっていたら、逃げられてしまった。
馬元は否定するだろうが――馬元が死ぬことになったのは、明らかに俺のせいだ。
しかし、踏み止まりはしない。
俺は強いからこそ、進み続ける。
後悔しないことこそが、馬元への贖罪になると信じている。
そんな中、俺は出会ったのだ。
天祥のように家族を失った、馬元のように下種な親を持った宝貝人間に。
――――――――今度は、死なさん。
決意を固めたと同時に、再び睡魔が束になって侵略してきた。
抗えぬまま、俺は眠りに落ちた。
【G-3 修理工場/一日目 昼(放送寸前)】
【ナタク@封神演義】
[状態]:全身に重度の火傷と軽度の裂傷、霊珠に微弱のダメージ、右腕上腕の半ばから先を喪失、疲労(中)、回復ポッドで睡眠中
[装備]:哮天犬@封神演義、M.W.S.(ボム残り五発 ビームランチャー エネルギー79%)@ゼノサーガシリーズ、アタッチメント@仮面ライダーSPIRITS、混天綾@封神演義
[道具]:支給品一式、高性能探知機
[思考・状況]
基本思考:家族を亡くしたドラスは悲しませたくはないが、他者と馴れ合うつもりはない。強い敵と戦う。弱者に興味はない。シグマは殺す。
0:睡眠
1:武器を探す(宝貝優先)。
2:回復を終えたT-1000と城茂とはまた戦いたい。
3:日が暮れる頃にスクラップ工場に向かい、万全の城茂と再戦。そして倒す。
[備考]
※仙界大戦終了後からの参戦。
※現在、M.W.S.を左腕に、アタッチメントを右腕に装着しています。
※T-1000の名を知りました。
※アタッチメントのIDをPDAに登録したことにより、神敬介の持つ則巻アラレのPDAからは、アタッチメントの転送が不可能になりました。
※回復ポッドによって、M.W.S.のエネルギーが回復するかは任せます。
※右腕は、修理工場の冷凍庫にて冷凍保存されてます。
【支給品紹介】
【混天綾@封神演義】
ナタクの持つ宝貝の一つ。見た感じは、赤い腰布。
能力は、液体を振動させること。
液体を振動させることで形状を変えたり、ある程度なら思うように動かしたり出来る。
【設備紹介】
【メカ救急箱@ザ・ドラえもんズ】
修理工場の二階に備え付けられている。
チューブ入りの軟膏剤、プラ膏薬という名の膏薬、ポリ包帯という名の包帯が入っている。
故障した場所に軟膏剤を塗りこむことで、患部の金属分子を増殖させる。プラ膏薬とポリ包帯は、患部を保護する働きがある。
三時間ほどで傷が塞がり、次の日にはほぼ万全まで回復する。
※修理工場の屋上に、人が通れるくらいの穴が開けられました。
※修理工場の最上階の一つ下の階にあった部屋が、幾つか消し飛びました。
*時系列順で読む
Back:[[大切なものを喪う悲しみ(中編)]] Next:[[]]
*投下順で読む
Back:[[大切なものを喪う悲しみ(中編)]] Next:[[]]
|114:[[大切なものを喪う悲しみ(中編)]]|風見志郎|:[[]]|
|114:[[大切なものを喪う悲しみ(中編)]]|獅子王凱|:[[]]|
|114:[[大切なものを喪う悲しみ(中編)]]|ゼロ|:[[]]|
|114:[[大切なものを喪う悲しみ(中編)]]|ドラス|:[[]]|
|114:[[大切なものを喪う悲しみ(中編)]]|チンク|:[[]]|
|114:[[大切なものを喪う悲しみ(中編)]]|ナタク|:[[]]|
**大切なものを喪う悲しみ(後編) ◆hqLsjDR84w
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「――と、以上だな。
これで、凱とゼロ、そしてお前と別れた後の私のことも話し終えたことになるな。」
「敬介は、ゼロにまで襲い掛かっていたとはな……アイツ……ッ!」
一時集まっていた部屋に戻り、道具を回収。
その後、己がいない間に交わされた情報交換の内容を、風見はチンクから聞いていた。
全てが終わり、最初に吐き出された感想はやはり暴走する後輩のこと。
知らず、チンクの表情も強張る。
また、風見の興味を引く事態が他にも存在した。
「それにしても……スバル・ナカジマは、お前の仲間ではなかったのか?」
「分からん。凱やゼロのいた世界では、レプリロイドや人間の人格を破綻させる道具があるらしいが……その仕業かは不明だ」
そんなものが支給されているのだろうか?
風見は思案するも、答えが出る道理もない。
「何にせよ、合流すべき相手が増えたな。エックスか……」
そう言って、ゼロが信頼する仲間の名を脳内に刻み付ける風見。
彼が修羅となっているなど、知る要素はない。
「それで、これからどうするんだ? ナタクというのも、つれて行くのか?」
心底御免だと思いながらも、あえて言及はしないチンク。
……思いっきり表情に出ているが。
「来るなと言っても、来るだろう。それにナタクの力は本物だ。同行させて損はない」
風見の言葉に、チンクは舌を打つ。
もはや考えを隠そうという気は、微塵もないのだろう。
「だが、ナタクが回復ポッドを使っているのなら、修復が完了するまで間が空くことになる。
完了するまで三人で、このコロニー内を見て回るのもいい。サイクロン号ならば、ナタクが完治するまでに全域を調べ終えることが出来る」
「今すぐ行くのか?」
尋ねるチンクに首を左右に振って答え、風見は全身に力を篭める。
瞬間、風見が腰に巻いた黒い皮製のベルトが、銀の金属製のベルトに転換する。
ベルトのバックル部には、力と技のエネルギーを漲らせる二つの赤い風車。
その中心に刻まれしは、戦士の名を表すアルファベットと数字。
ベルトの名を、ダブルタイフーンと言った。
疑問に満ちた視線を向けてくるチンクに答えるように、風見はベルトの左側に装備された銀色の筒を手に取った。
ちょうどリレー競技で使うバトンほどの大きさのそれを、風見は天に向け――
「V3ホッパー!!」
風見が自身に隠された二十六の秘密の一つの名を叫ぶと、その筒から何かが上空へと飛び出していった。
「……何をしているのだ?」
いてもたってもいられず、ついにチンクが疑問を口に出す。
「あの道具の名は、V3ホッパー。上空で静止し、備え付けられたカメラから情報を俺へと送ってくる。
力やスピードと同じく上昇する高さが制限されているだろうが、少なくともこのコロニー内くらいならば誰かいれば見つかる」
「何かが見つかれば、まずそこへと向かうワケか。便利なものだな」
チンクの言葉の途中で、V3の視界に上空からの映像が流れこんでくる。
未だ加速中のV3ホッパー。
さらなる上昇を望む風見であったが、唐突に上昇は幕を閉じる。
風見は、明らかに奇妙な感覚を覚える。
V3ホッパーの速度は増していたのに、急に静止したのだ。
普段ならば、ゆっくりと減速していった末に動かなくなるというのに。
まるで、何かに阻まれたように……
そこまで考えて、風見は勝手に呟いてしまった。
「そういうことか……」
「どうした? まさか何も映らんのか?」
状況を知らぬチンクに、風見は自分の見出した答えを教える。
「いや、映るには映るが……唐突に上昇が終わった。
おそらくコロニーの天井にぶつかったのだろう。これでは隣接エリアくらいしか確認出来んが、まあいい」
言い終えて、V3ホッパーから送られる映像に精神を集中させる風見。
当初は走り抜ける凱とゼロしか見えん、などとごちていたが……
ある方向を見た時、とある参加者が目に入り――風見の心臓が早鐘のように高鳴る。
「チンク、サイクロン号を転送しろ」
「ん? 何か見つかったのか?」
「ああ、見つかったとも……確かに見つかった」
風見の言い回しに疑問を抱きながらも、サイクロン号を転送させたチンク。
後部座席に座ろうとして、風見に放られた。
「カザミ! 何のつもりだ!」
うまいこと怪我をしないように投げられたとはいえ、チンクは怒りを禁じえない。
その問いに、サイクロン号に跨った風見は簡潔に答える。
「ここに、ボイルドが向かっている」
「何だと……」
そう、風見は見つけてしまったのだ。
南下してくるボイルドを。全てを塗り潰さんとす虚無の姿を。
「一人で行っても、さっきの繰り返しになるだけだ! 私もつれて行け!」
「断る」
「何故だ!?」
その答えは、簡単だった。
風見の願いは、ボイルドを■■■■■■にすること。
しかし、その道は果てしなく困難だ。
それに、風見は理解していた。それが、他人には理解されない望みだと。
だからこそ真の答えは言わずに、『チンクが来れなくなる』答えを告げる。
「ナタクも言っていただろう……お前が死ねば、ドラスは悲しむ」
「……死ぬとでも思っているのか?」
「ボイルドの力は分かっているはずだ」
「だからと言って、一人で行くのは間違ってるとしか思えん!」
正論である。
ボイルドを『倒す』のを目的としているのなら、一人で行くのは明らかな愚策。
風見にだって分かっているが、押し切るしかない。
「来るな。お前が少しでも近付けば、俺はドラスの名を全力で叫ぶ。
事実を知れば、ドラスは確実に同行したがる。ドラスを巻き込むことになるぞ」
「――ッ!」
チンクの目が見開かれた。
同時に、見抜かれたかと胸中で毒づくチンク。
そうなのだ。
風見を行かせたくないだけならば、サイクロン号を再転送すればよいのだ。
チンクはそれをしないのは、ひとえにドラスを巻き込みたくないからであった。
「では、話は終わりだ。ドラスには何も言わず、ここに潜んでいろ。全力でボイルドは引き離す。
もしも次の放送で俺の名が呼ばれたら、サイクロン号を転送してくれて構わない。IDが移し変えられていなければ、サイクロン号はお前の元に戻る」
「……ずるいヤツだな、貴様は」
もう説得の仕様がないし、近付けばドラスを巻き込むことになる。
チンクには、そう吐き捨てるしかなかった。
「悪いとは思っている」
「生きて戻ってこなければ、許さんぞ」
「生憎、それは保障出来ないな。
……そうだ、ここを探索している際に見つけたPDAを渡しておく。俺は使わない」
風見はそう言ってPDAを投げると、サイクロン号のアクセルを捻る。
修理工場は結構な高さを誇っているというのに、風見は何でもないようにバイクごと天井から真下へと引っ張られていく。
落下の衝撃などないかのように、地上に降り立った風見は北上していった。
向かうは、北――ディムズデイル・ボイルド。
「そこは、嘘でも頷いておけ…………バカめ」
残されたエグゾーストノイズの中で、チンクはそう呟いた。
どうでもいいはずの男の離脱が、何故だかとてつもなく大きなものの喪失のようにチンクには感じられた。
【G-3 修理工場(屋上)/一日目 昼(放送寸前)】
【チンク@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
[状態]:小程度の疲労、全身に小ダメージ、固い決意、ノーヴェの死を悟り悲しみと憤怒、姉妹の仇を討つ決意
[装備]:金属の詰まった平凡なデイバッグ@ゴミ処理場
[道具]:PDA(チンク、メカ沢)、支給品一式(チンク、メカ沢)、不明支給品1(未確認)、ツバメ@クロノトリガー
[思考・状況]
基本:ノーヴェとセインの仇を討ち、シグマを破壊する
1:ドラスを巻き込みたくないために、修理工場にて風見の帰還を待つ。しかし長時間帰ってこなければ――――?
2:誰が何と言おうとも、ノーヴェの仇を討つ。敬介だろうが影武者だろうが関係ない。
3:姉として、弟(ドラス)を守る。
4:本郷、茂、ギンガ、エックス、タチコマ、T-800(名前は知らない)との合流。ボイルド、スバル、敬介、ハカイダー、メガトロンは警戒。
5:殺し合いに乗った危険人物には容赦しない。
6:スティンガー、シェルコートを手に入れる。
7:日付が変わる頃、スクラップ工場へ向かう。
[備考]
※風見、凱、ドラス(スバルに関すること以外)、ゼロと情報交換をしました。
※参戦時期は本編終了後です。
※優勝者の褒美とやらには興味がなく、信用していません。
※志郎を信用していることに気付きました。
※ドラスを弟として認めました。
◇ ◇ ◇
一瞬でエンジンが温まり、加速度的にスピードを増していくサイクロン号。
しかし今の風見には、風の心地よさを感じる余裕などない。
今から往こうとしている道が限りなく激しいものだと、実感しているがゆえだ。
サイクロン号の速度に加え、改造人間の異常なまでの視力により、僅かの走行で風見はボイルドを視界に捉える。
同時に、風見はサイクロン号を運転しながら立ち上がる。
この速度のバイクの上で立つなど、他の仮面ライダーにも出来ない――風見志郎だけの特技。
まっすぐと左側へ両腕を伸ばし、右へと一気に回す。
右腕はそのまま伸ばし続け、左手は拳を握って腰へと固定。
顕現していたダブルタイフーンが回転し、正義のパワーを風見に漲らせていく。
「変んん……身! V3ァアッ!!」
風見は真紅の戦士となりて、黄緑の複眼で直線上にいる男を見据える。
正義の戦士の眼前にいるのは、悪ではなく己の全てを捨て去った虚無。
――――時計の長針が、短針と重なろうとしていた。
【G-2 路上/一日目 昼(放送寸前)】
【風見志郎@仮面ライダーSPIRITS】
[状態]:両拳に負傷(小)、頭部と胸部と左肩に弾痕(塞がっている)、右肘に負傷(中)、固い決意、
村雨の死に悲しみ、敬介を倒す決意、サイクロン号を運転中、仮面ライダーV3に変身中
[装備]:サイクロン号(1号)@仮面ライダーSPIRITS
[道具]:無し
[思考・状況]
基本:殺し合いを破壊し、シグマを倒す。
1:ひとまずボイルドを修理工場から遠ざけ、為すべきことを為す。
2:いずれ、修理工場2階で見つけた隠し通路を調査する。
3:本郷、茂、ギンガ、エックス、タチコマ、T-800(名前は知らない)と合流。スバル、メガトロンは警戒。
4:殺し合いに乗った危険人物には容赦しない。
5:敬介は暴走状態にあると判断。正気に戻せないのなら、倒す。
6:可能ならば、ボイルドを仮面ライダーにしたい。そのためには、危険は辞さない覚悟。
7:弱者の保護。
8:日付が変わる頃、スクラップ工場へ向かう。
[備考]
※チンク、凱、ドラス(スバルに関すること以外)、ゼロと情報交換をしました。
※参戦時期は大首領の門に火柱キックを仕掛ける直前です(原作13巻)。また身体とダブルタイフーンは元通り修復されています。
※なんとなくチンクを村雨、そして昔の自分に重ねている節があります。
※液体金属が参加者に擬態している可能性に気づきました。
※ゼロを襲い、ノーヴェ、メカ沢、ロボを殺したのは敬介本人だと確信しました。
※修理工場の2階に隠し通路と、謎のメッセージを発見しました。
※ドラスへの荒療治は、やり過ぎだったと反省中。
■
俺達は、エリアF-2の橋の上まで来ていた。
まず左上のコロニーまで行き、次に左下、そして右下、最後に今いる右上コロニーに戻るという計画だ。
このルートで全域を虱潰しに捜索していった場合、約束の時間くらいにスクラップ工場につくだろうとゼロが考えたのだ。
もちろん、俺に反対する理由はなかった。
とりあえずE-1に到着するまでは北西に進み、幹線通路を通って左上コロニーに入る予定である。
既に情報交換の内容をゼロに話し終え、俺達の間にはほぼ会話はなかった。
しかし、何も思わない。
一見クールでありながら、ゼロが熱さを秘めていることは知っているからだ。
俺と違って頭も回る。おそらく黙っていながら、いろいろと考えているのだろう。
それにしても、このサイドマシーンの性能は抜群だ。
俺もバイクを持っているが、こんな速度は出したことがない。
全身にかかる風が心地よい。
ゼロが包帯のせいで運転できないというから、運転を受け持ったが……
こんな感覚を味わえるのなら、ゼロが完治してからも志願させてもらおう。
不意にこのサイドマシーンの説明を思い返し、思わず心が熱くなる。
【サイドマシーン:バイクとサイドカーが付属した車。参加者であるハカイダーの宿敵、キカイダーの愛用マシン】
このサイドマシーンは、ハカイダーの宿敵であるキカイダーという方のものらしい。
あの誇り高いハカイダーが宿敵と認めるということはは、つまり正義を志しているのだろう。間違いない。
この場にはいないが、正義の戦士が力を貸してくれている。
こんなに嬉しいことは、他にないぜ!
待っていろよ、ハカイダー……!
そこまで考えて、風見さんから貰った支給品のことを思い出す。
ナタクによれば、何でもただの人間ならば触れだけで死に至るらしい。
素質があるといわれても、正直使う気はなかったが……
説明を読んでみれば、風を操って刃にして飛ばすなど、なかなか有用そうな道具だ。
……宝貝の動作を止めるというのは、使いどころはなさそうだが。
それでも風の刃の方は、使わねばならない時が来るかもしれない。
だが、そうなれば俺は――――
「ふッ」
下らないことを考えた自分に笑ってしまう。
今更何を迷っているのか。
あの事故の後に手に入れたこの体は、みんなを守るために神様がくれたものだ。
宝貝という道具を使うことで、みんなを助けられるのなら――
――――迷うことなど、何もない。
【F-2 橋の上(南東)/一日目 昼(放送寸前)】
【獅子王凱@勇者王ガオガイガー】
[状態]:健康、揺るがない勇気、チンクの妹とその仲間の死に悲しみ、サイドマシーンを運転中
[装備]:電磁ナイフ@仮面ライダーSPIRITS(右腕に収納)、サイドマシーン@人造人間キカイダー
[道具]:支給品一式、打神鞭@封神演義、グランドリオン@クロノトリガー
[思考・状況]
基本思考:シグマを打ち倒し、この殺し合いを止める。戦う力を持たぬ者、傷ついている達を保護し、守り抜く。
1:左上コロニーまで行き、そこから虱潰しに全エリアを巡る。
2:ハカイダーを更生し、勇者にしたい。それが不可能ならば、今度こそ倒す。
3:本郷、茂、ギンガ、エックス、タチコマ、T-800(名前は知らない)と合流。ボイルド、スバル、メガトロンは警戒。
4:同じ目的を持った仲間を探す。
5:日付が変わる頃、スクラップ工場へ向かう。
[備考]
※風見、チンク、ドラス(スバルに関すること以外)、ゼロと情報交換をしました。
※Zマスター撃破直後からの参戦です。
※チンクから情報を得ました。
※制限の影響により、グランとリオンは出現する事が出来ません。
※凱が見た村雨の写真は原作五巻に出てきたものです。
※風見を強く信頼しています。同時に勇者と認定。
【ゼロ@ロックマンX】
[状態]:左膝を破損(修復中)、全身のアーマーに大きな傷(修復中)、疲労(小)、エネルギー消費(大)、
ノーヴェの死に悲しみ、確固たる決意、膏薬と包帯を纏っている、サイドマシーンのサイドカーに乗っている
[装備]:チャージキックの武器チップ@ロックマンシリーズ、カーネルのセイバー@ロックマンX4、トリモチ銃@サイボーグクロちゃん
アトロポスのリボン@クロノトリガー、プラ膏薬とポリ包帯@ザ・ドラえもんズ、謎の金属片(マルチの残骸から回収)
[道具]:支給品一式 PDA×2(ゼロ、村雨) 不明支給品0~2(未確認)、空っぽの平凡なデイバッグ@ゴミ処理場
[思考・状況]
基本:シグマを倒す。イレギュラーに容赦はしない。
1:左上コロニーまで行き、そこから虱潰しに全エリアを巡る。
2:情報交換が終わり次第、回復を行う。
3:凱と共にハカイダーを更生したい。更生に失敗して、凱が倒せなかった時は、自分がハカイダーを倒す。
4:日付の変わる頃(二日目00:00)にハカイダーと決着をつけるため、スクラップ工場に再度向かう。
5:本郷、茂、ギンガ、エックス、タチコマ、T-800(名前は知らない)と合流。ボイルド、スバル、メガトロンは警戒。
6:シグマ、何を企んでる?
7:ドラスの変身能力が気になる。
[備考]
※ノーヴェ、風見、チンク、凱、ドラス(スバルに関すること以外)と情報交換をしました。
※ノーヴェたちを生体パーツを使用したレプリロイド(のようなもの)と解釈しました。
※ノーヴェから時空管理局と平行世界に関する知識を得ました。
※参戦時期はX4のED~X5開始前のようです。
※液体金属が参加者に擬態している可能性に気づきました。
※支給品にゾンダーメタルがある可能性を考えています。
※三時間弱で、傷は塞がります。
【支給品紹介】
【サイドマシーン@人造人間キカイダー】
主人公であるキカイダーの愛用マシン。サイドカー付きのバイクで、車体は黄色く赤いラインが入っている。
最高時速は五百キロで、人工知能からの指令で自動走行可能。水上運転と空中運転、ともに可能。
制限は今んとこ速度だけで、あとは任せます。
【打神鞭@封神演義】
主人公である太公望の宝貝。
見た目は、節目のある白い棒。原作終盤からの登場なので、長さは日本刀程度。
能力は風を操ること。応用させれば、竜巻や風の刃を作ることが出来る。
また、先端にスーパー宝貝『太極図』(※)が付属している。
※太極図:使い手の力を吸い取り能力を発揮する通常の宝貝とは異なり、他の宝貝から力を吸い取る『反(アンチ)宝貝』。
周囲の宝貝を無力化し、その宝貝を伝ってエネルギーを回収。癒すことにも、戦うことにも、回収したエネルギーは使用できる。
■
「こちらは、楽でいいな」
回復ポッドの方は、どうやら眼鏡に適ったらしい。
……楽さなら、どちらも変わらないと思うんだけどなあ。
「つまり入っていればいいのだろう?」
首肯すると、ナタクはポッドに入ろうとして――それをやめた。
どうしたのかと思っていると、こちらを振り向いた。
「そういえば、お前の姉の話だが」
「チンクお姉ちゃんのこと?」
「チンクと言うのか。お前は、アイツをどうするつもりなんだ?」
……よく意味が分からない。
そう伝えると、再びナタクが口を開いた。
「あの女はお前より弱い。だが、お前の家族だ。あの女にもしものことがあれば、お前はどうするんだ?」
何を今更。そんなこと決まっている。
「守る……か。本当にだな」
念を押してくるので、改めて決意を告げる。
「……そうか。俺は姉は持たんが、母上はいる。
俺は昔から母上を守るために生きてきたが……やはり俺だけでなく、男というのは女の家族を守るのが使命なのだな」
納得したように、背を向けるナタク。
――男というのは女の家族を守るのが使命。
ナタクの言葉が、頭の中をリフレインする。
蘇ってくるのは、僕が姉と呼んだ女性。
ノーヴェお姉ちゃんでも、チンクお姉ちゃんでもない、現在暴走しているという彼女。
かつてなら何も思わなかっただろうに、何故だかすごく胸が苦しい。
凱兄ちゃんは、僕に『勇気』が芽生えたといっていた。
勇気とかはよく分からないけど、僕も僕の中に何かが生まれたのは感じ取れる。
「待って!」
ポッドの中に入ろうとするナタクを、つい呼び止めてしまった。
でも、知りたいことが出来た。
宝貝人間とかは分からないけれど、僕と同じく体内にコアを持つナタクには――
僕の中に生まれた、お姉ちゃんを守りたいという感情を昔から持っていたナタクには――
どうしても、聞かなきゃいけないことがある。
今の僕には分からないけど、ナタクなら分かるかもしれない。
「何だ」
回れ右をしたナタクが、こちらに寄ってくる。
まず聞くためには、話さねばならない。
「最初、僕はこの壊し合いで優勝しようとしていたんだ。そして、そんな時にスバルという参加者に出会って――――」
ありのままを。
本来他人を殺すことに躊躇しないナタクにだから、明かすことが出来る。
◇ ◇ ◇
ナタクは、回復ポッドの中で光る液体に包まれている。
見る見る全身の負傷が回復していくのは、見ていて何とも言えない気分だ。
全て――パパといた頃のことも含めて――を話して、僕はナタクに尋ねた。
家族に隠し事をしてもいいのか否かを。
隠し事とは、勿論スバルお姉ちゃんのことだ。
僕がスバルお姉ちゃんにやったことを知っているナタクは、聞いてきた。
『それでお前は、そのスバルとかいう姉をどうしたいんだ』
そんなこと、考えたこともなかった。
ただただ僕は、スバルお姉ちゃんのことから目を逸らしていた。
だから、ナタクに問われて初めて考えて――言った。
何としても、スバルお姉ちゃんを元に戻したいと。
ナタクは言った、厳しい道になるぞと。
でも、僕は責任を取ると宣言した。
すると、ナタクはまっすぐとこちらを見据えて――断言した。
『ならば、わざわざ姉にスバルのことを言う必要はない。
余計なことを言えば、あの手の連中は確実に首を突っ込んでくる。
どちらの姉も守りたいのなら、ひたすら隠し通せ。姉を巻き込まずに、自分だけで全てを解決すればいい』
予想していた答えとは、真逆の結論だった。
隠し事はよくないと責められるものだと、そう思い込んでいた。
目を丸くする僕に、ナタクは言葉を続けた。
『――少なくとも、俺ならば母上は巻き込まん』
それだけ言って、ナタクは回復ポッドに入っていった。
回復ポッドを操作して溶液で満たした後も、僕はずっと考えた。
確かに、ナタクの言うとおりだ。
もしもスバルお姉ちゃんの件を話せば、チンクお姉ちゃんも巻き込むことになってしまうのだ。
そうならないようにするには、僕一人で頑張らねばならない。
果たして、そうそう成功するものだろうか?
弱い考えが浮かんでくるが、僕を変えてくれたみんなを思い出す。
「みんなが僕を変えてくれたように、今度は僕がスバルお姉ちゃんを戻してみせる。だから……見ていてよ」
握り締めたメカ沢お兄ちゃんの制服が、なんだかとても暖かく感じた。
【G-3 修理工場/一日目 昼(放送寸前)】
【ドラス@仮面ライダーZO】
[状態]:全身打撲、コアにダメージ。中程度の損傷&疲労。右腕がスバルのもの。悲しみ。自分が求めていたものが『家族』と自覚。
仮面ライダーへの恐怖を少し克服、仮面ライダーXへの怒り、セインを四、五歳幼くした状態に擬態。ただし、生えている
[装備]:ラトゥーニのゴスロリ服@スーパーロボット大戦OG、メカ沢の学ラン@魁クロマティ高校、オルゴール付き懐中時計@仮面ライダーZO
[道具]:支給品一式、PDA(ドラス) (マルチ)(ノーヴェ)
荷電磁ナイフ@マルドゥックスクランブル(D-3基地に放置。呼び出し可)
スタームルガー レッドホーク、装弾数0/6@ターミネーター2(D-3基地に放置。呼び出し可)
[思考・状況]
基本思考:二度と家族を失いはしない。
1:チンクを守りたい。
2:スバルは、『自分で』正気に戻させる。他人は巻き込まない。
3:チンクと共にロボ、メカ沢、ノーヴェの仇を討つ。
4:自爆装置、リミッターの解除。
5:麻生お兄ちゃん(ZO)は何番目に強かったんだろう?
6:本郷、茂、ギンガ、エックス、タチコマ、T-800(名前は知らない)と合流。ボイルド、ハカイダー、メガトロンは警戒。
[備考]
※風見、チンク、凱、ゼロと情報交換をしました。
※自分が未完成品、仮面ライダーが完成品だと勘違いしています。
※『仮面ライダー』への恐怖が薄らぎ、戦闘可能になりました。が、仮面ライダーXの前に立った場合は未知数です。
※チンクを姉として強く慕っています。
※怪人形態への変身を目撃されましたが、その後の言動で悪い印象は与えていません。
※無意識の内に罪悪感が芽生えつつあります。
※志郎の言った10人ライダーの中に仮面ライダーZOがいると思い込んでいます。
■
輝く液体が、俺のいる容器に注ぎ込まれてくる。
全身を液体で覆われているというのに、何故だか息苦しいことはない。
強烈に襲い来る眠気の中で、ドラスの言葉が蘇った。
――強くなれば、パパが好きになってくれると考えていた。
ドラスの言葉を思い出した瞬間、眠気が吹き飛んだ。
同時に、かつての記憶が浮かんでくる。
――おで……ただ……お父さんに好かれたかっただけ…………強くなれば、好きになってくれると思った……のに……
ドラスに関する認識を変える。
最初は、ただの宝貝人間だと考えた。だから戦おうとした。
アイツが家族を失ったと聞き、天祥に似ている境遇だと思った。ゆえに、俺はヤツを悲しませないようにした。
しかしさっき告白を聞いて、間違いに気付いた。
いや、確かに天祥にも似ている。
しかしながら、さらに似ているのは――馬元だ。
馬元は、戦いを望んではいなかった。他者を傷つける気もなかった。
だからだろう。俺は始めて、敵として立った相手に戦いたくないとの感想を抱いてしまった。
だが、馬元は死んだ。
他でもない。殺したのは、俺だ。
塵にも劣る父親の仕業で暴走した馬元の前に、俺はそうするしか方法を知らなかった。
あの時よりも前に、俺は馬元の父親を殺せる機会があったというのに……
新たに手に入れた火尖槍の性能にいい気になっていたら、逃げられてしまった。
馬元は否定するだろうが――馬元が死ぬことになったのは、明らかに俺のせいだ。
しかし、踏み止まりはしない。
俺は強いからこそ、進み続ける。
後悔しないことこそが、馬元への贖罪になると信じている。
そんな中、俺は出会ったのだ。
天祥のように家族を失った、馬元のように下種な親を持った宝貝人間に。
――――――――今度は、死なさん。
決意を固めたと同時に、再び睡魔が束になって侵略してきた。
抗えぬまま、俺は眠りに落ちた。
【G-3 修理工場/一日目 昼(放送寸前)】
【ナタク@封神演義】
[状態]:全身に重度の火傷と軽度の裂傷、霊珠に微弱のダメージ、右腕上腕の半ばから先を喪失、疲労(中)、回復ポッドで睡眠中
[装備]:哮天犬@封神演義、M.W.S.(ボム残り五発 ビームランチャー エネルギー79%)@ゼノサーガシリーズ、アタッチメント@仮面ライダーSPIRITS、混天綾@封神演義
[道具]:支給品一式、高性能探知機
[思考・状況]
基本思考:家族を亡くしたドラスは悲しませたくはないが、他者と馴れ合うつもりはない。強い敵と戦う。弱者に興味はない。シグマは殺す。
0:睡眠
1:武器を探す(宝貝優先)。
2:回復を終えたT-1000と城茂とはまた戦いたい。
3:日が暮れる頃にスクラップ工場に向かい、万全の城茂と再戦。そして倒す。
[備考]
※仙界大戦終了後からの参戦。
※現在、M.W.S.を左腕に、アタッチメントを右腕に装着しています。
※T-1000の名を知りました。
※アタッチメントのIDをPDAに登録したことにより、神敬介の持つ則巻アラレのPDAからは、アタッチメントの転送が不可能になりました。
※回復ポッドによって、M.W.S.のエネルギーが回復するかは任せます。
※右腕は、修理工場の冷凍庫にて冷凍保存されてます。
【支給品紹介】
【混天綾@封神演義】
ナタクの持つ宝貝の一つ。見た感じは、赤い腰布。
能力は、液体を振動させること。
液体を振動させることで形状を変えたり、ある程度なら思うように動かしたり出来る。
【設備紹介】
【メカ救急箱@ザ・ドラえもんズ】
修理工場の二階に備え付けられている。
チューブ入りの軟膏剤、プラ膏薬という名の膏薬、ポリ包帯という名の包帯が入っている。
故障した場所に軟膏剤を塗りこむことで、患部の金属分子を増殖させる。プラ膏薬とポリ包帯は、患部を保護する働きがある。
三時間ほどで傷が塞がり、次の日にはほぼ万全まで回復する。
※修理工場の屋上に、人が通れるくらいの穴が開けられました。
※修理工場の最上階の一つ下の階にあった部屋が、幾つか消し飛びました。
*時系列順で読む
Back:[[大切なものを喪う悲しみ(中編)]] Next:[[第二回放送]]
*投下順で読む
Back:[[大切なものを喪う悲しみ(中編)]] Next:[[第二回放送]]
|114:[[大切なものを喪う悲しみ(中編)]]|風見志郎|121:[[ヴェロ]]|
|114:[[大切なものを喪う悲しみ(中編)]]|獅子王凱|119:[[この箱を見ていたら無性に被りたくなった]]|
|114:[[大切なものを喪う悲しみ(中編)]]|ゼロ|119:[[この箱を見ていたら無性に被りたくなった]]|
|114:[[大切なものを喪う悲しみ(中編)]]|ドラス|127:[[真っ黒焦げの凶暴な卵(1)]]|
|114:[[大切なものを喪う悲しみ(中編)]]|チンク|127:[[真っ黒焦げの凶暴な卵(1)]]|
|114:[[大切なものを喪う悲しみ(中編)]]|ナタク|127:[[真っ黒焦げの凶暴な卵(1)]]|
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