「閉幕と始まり4」(2009/05/22 (金) 02:51:25) の最新版変更点
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**閉幕と始まり4 ◆2Y1mqYSsQ.
仮面ライダーはブルースシールドでゼロの攻撃を防ぎながら、着実に距離を詰めていった。
ゼロは神速の脚を持つが、それは仮面ライダーとて負けてはいない。
強化された脚力でゼロを追い詰め、攻撃はブルースシールドで受け止めた。
(持ってくれよ)
せめてこの数分だけでいい。そう願うが、ゼロの攻撃は確実にブルースシールドを削り続けた。
ゼロの攻撃は速く鋭い。仮面ライダーだけでなく、ミーやソルティ、イーグリードと同時に攻撃しているのに、すべて威力も狙いも劣ることはない。
脅威ではあるが、それでも仮面ライダーには退けないものがある。
(俺の身体よ、今この瞬間だけは毒に負けるな!)
仮面ライダーは地面を蹴って十数メートル跳ぶ。ゼロは上空を見つめて、にやりと笑った。
斬撃と光弾がブルースシールドを抉り取っていく。再び地面から湧き上がる光弾が、仮面ライダー以外を吹き飛ばした。
ゼロはたった一人の標的となった仮面ライダーに接近する。
「真っ二つになれ!」
カーネルのセイバーが、ブルースシールドに届いた。本来のゼロに戻る前ならともかく、今のゼロならセイバーの出力も上がっている。
盾ごと切り裂くなどたやすい。事実、ブルースシールドは真っ二つにされた。
しかし、仮面ライダーの姿はない。
「なに!?」
「こういうアイテムもある!」
仮面ライダーの腕にはまる時計からワイヤーが飛び出て、真上へと移動をしたのだ。
逆に体勢が固まったのはゼロのほうとなる。一瞬の隙だが、仮面ライダーにはそれで充分。
天井に仮面ライダーは身体を押し付け、溜めてから一気に蹴って反転、加速する。
「ライダァァァァ、反転キィィィィィックッッ!!」
矢の如く鋭い跳び蹴りが、両腕を交差して身体を守るゼロを打ち抜いた。
いくら本来のスペックを取り戻したゼロとはいえ、この一撃に耐え切ることはできない。
一気に地面へと、ゼロを仮面ライダーは激突させた。
「いまだ、ミー!」
「あいよ!!」
ウフコックのかけ声と共に、クレーターの中央にいるゼロに向けてネットガンの引き金を引いた。
仮面ライダーは離れている。立ち上がろうとしたゼロに、捕縛用ネットが絡みついた。
だが、それでもゼロは止まらない。すぐに払おうとエネルギーに満ちた右手をかざす。
「させん!」
「大人しくしてください、ゼロさん!」
「まだだ!」
仮面ライダーが右腕を、ソルティが左腕を取って、ミーは悪魔のチップによって生み出したアームで全身を縛り上げる。
もがくゼロだが、ライダーキックのダメージも残っている状況では力も弱い。
「今だ……いって、イーグリードさん!」
「おう!」
武美の希望に満ちた声に、イーグリードが応じてエネルギー状のワクチンプログラムをゼロに向けて突進した。
ゼロがいっそうもがくが、仮面ライダー達の拘束のほうが固い。
「元に戻ってください、ゼロさん!」
フランシーヌの願いに呼応するように、イーグリードの持つワクチンプログラムがゼロの胸元に突きつけられる。
やがて全員の視界を、白い光が満たした。
結論から言えば、失敗であった。
ワクチンプログラムの白い光は、ゼロの纏う赤いオーラに阻まれて消えていく。
「馬鹿な……」
「邪魔だッ!!」
ゼロがエネルギーを開放して、身体を拘束していた面子がネットごと吹き飛ぶ。
さすがに威力が弱く、一名除いてすぐに体勢を立て直した。
「本郷さん!」
武美の悲痛な声が、仮面ライダーを呼ぶ。そう、体勢を立て直せていないのは、身体を毒に蝕まれた仮面ライダーだ。
イーグリードは歯噛みして、ゼロが仮面ライダーに狙いを定めたのを視認する。
庇おうと地面をすべるように飛ぶが、間に合わない。
カーネルのセイバーの刃が鞭のように伸びて、ゼロが大きく振りかぶる。
「喰らえ! 雷神撃!!」
剣先が仮面ライダーへと迫る。電撃を纏った一撃が、仮面ライダーの身体を焼かんと唸る。
そこに、ソルティが地面がへこむほど大きく蹴って、無理やり仮面ライダーと雷神撃の刃の間に割り込んだ。
「ソルティ!!」
「きゃああぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
高圧電流がソルティの身体に流れ、全身が火花を上げて身体を震わせた。
ゼロが電撃を流し終わり、刃を元のサイズに戻すと同時にソルティも倒れる。
その瞳から光が消え、仮面ライダーが抱きとめた。イーグリードは歯を食いしばり、羽を広げる。
「ゼロ、キサマ!!」
羽から暴風を発生させ、ゼロを後方へと吹き飛ばした。その隙にイーグリードの特殊PDAを取り出し、ホッとため息をつく。
イーグリードは振り返らず、仮面ライダーへソルティがまだ生きていると告げる。
「高圧電流でショックを受けただけだろう。要塞で修復を受ければ気を取り戻す」
「そうか……少し堪えてくれ」
イーグリードは頷き、上空に飛んでゼロへと落下する。
体当たりを繰り返し、ヒット&アウェイを繰り返すつもりだ。
ワクチンプログラムは残り二つ。無駄遣いするわけにはいかない。
イーグリードはミーと共に、仮面ライダーの帰りを待った。
「ソルティ……」
武美が気を失っているソルティを抱きしめ、悔しがるように身体を震わせる。
仮面ライダーは拳を握り締め、おのれの身体が万全ではないことを呪った。
「フランシーヌさん、ソルティを頼んでも構いませんか……」
「武美……? はい、任せてください。ですが、いったいなにを?」
「うん、一つ思いついた」
武美の言葉に、仮面ライダーは彼女の目を見つめる。
武美の瞳には恐怖があった。それでも、必死に勇気を振り絞り、前に進もうとする強さもある。
仮面ライダーは武美の作戦を聞くことにした。
「本郷さん、見たところゼロはあの赤いなにかが邪魔で、ワクチンプログラムが届かないんだよね?」
「ああ。あのオーラを出せないほど弱らせる必要があると推測するのだが……」
「そんなの待ったら全滅しちゃうよ。だから、あたしの作戦に乗って、本郷さん」
武美の目がだんだん据わっていく。仮面ライダーの腕を掴んで、作戦を明かした。
「あたしの力、知っているよね?」
「もちろんだ。だが、今の場面なら……」
「使えるよ。ミー君の手助けが必要だけど、あいつにあたしが直接乗り込んでワクチンプログラムを打ち込んでくる!!」
仮面ライダーは武美の力強い発言に、息を飲み込む。瞳は決して嘘を言っているわけでも、自棄になっているわけでもない。
成功すると確固たる自信を持って、恐怖を孕みながらもしっかり二本足で立つ者の言葉だ。
「だから本郷さん、あたしを守って……」
「任せろ。そして、頼む」
仮面ライダーの承認を受けて、武美は大きく頷いた。
「ウフコック! 携帯電話か、ラジオに変身してこちらの電波を受信しろ!!」
仮面ライダーの指示通り、ウフコックはラジオに変身してミーとウフコックに武美の声が聞こえてきた。
突如振られた作戦に、ウフコックは驚愕する。
『できるよ。あたしがあいつに入っていくのは。だけど、ミー君。一番危険だけど大丈夫?』
「僕はとっくの昔に覚悟ができている」
『分かった、手短に言うね。再び本郷さんとイーグリードさんでゼロさんを拘束。
そしてミー君は強制的にゼロさんに合体して。さすがに今までの攻撃受けていたから、すぐに合体を解除できるわけじゃないと思う。
そしてミー君に作って欲しいのは、あたしがゼロさんに接続できる接続端子。あたしがワクチンプログラムを持って、直接打ち込んでくる!』
「危険だ! 下手をすれば武美の脳に致命傷となる攻撃を受けるんだぞ!」
ウフコックが思わず怒声を上げて武美に反対の意を示す。
だが、武美のほうも負けず大声をあげた。
『危険なのは分かっているよ! だけど、もうこれ以上はみんなが持たない!』
「僕は……やるよ」
「ミー!」
「だってウフコック。このバトルロワイアルはとっても悲しくて、とっても辛いものなんだ。
真相を知った僕だから分かる。だからさ、思うんだ。一つくらい、いいことがあったっていいんじゃないかって!!」
ミーはゼロの攻撃を避けて、バスターを放つ。ただひたすら、ミーは希望を見続けた。
「武美さんの案に僕は乗った! 本郷さんもきっとそうだ! ウフコック、君はどうする!?」
「……さすがに煮え切らないまま【ウフコック】でいられないな」
がしがしと頭を掻くウフコックの姿を幻視して、ミーは思わず吹いてしまう。
今のウフコックの声色は、弱りきった時のものだから。
「条件がある、俺も同行させろ。処理能力の低下は気にするな。俺のほうで調整する。つまり……俺のわがままだ」
『ウフコック……分かった』
「よし、じゃあミー。さっそく準備だ。まずはイーグリードへ接触しよう!」
「了解!!」
ミーはすべるように並走したイーグリードへと、作戦の説明を行う。
希望につむぐために、一つでも幸福をもたらせるために。
作戦を聞かされたイーグリードはあっけに取られた表情をしたが、すぐにその手しかないことを悟ってPDAを渡した。
並ぶ仮面ライダーは前を向いている。イーグリードもゼロを見据えて、武美の作戦を呑み込む。
さすがにゼロも蓄積した疲労と負傷が大きいのか、よろめきながら狂気に満ちた瞳を向けた。
ゆらり、とセイバーを構え、刃のエネルギーが膨れ上がる。イーグリードに怖気が走る。
あれは放たせてはいけない技だ。直感だが、そう確信した。
「イーグリード、まだやれるな?」
「当然だ」
「なら、俺にストームトルネードを撃て」
イーグリードは眉を動かし、なにかあるのか? と尋ねた。
返ってきた言葉は、無論という頼もしい言葉。もうイーグリードになにも言うことはない。
「いくぞ、本郷! ストームトルネード!!」
「ぐっ」
バスターから放つ竜巻に仮面ライダーは巻き込まれ、ゼロへと伸びていく。
ゼロは動かず、仮面ライダーに標的を見据えてセイバーを構える。
仮面ライダーはイーグリードの竜巻の中で蹴りの体制をとり、さらに回転をあげる。
ゼロは巨大なエネルギーを半月の斬撃に変えて放ち、仮面ライダーは回転によって竜巻を二倍にも三倍にも膨れ上がらせながら突き進んだ。
「ライダァァァァ! 三倍スクリュゥゥゥゥゥゥキィィィィィィック!!」
「幻夢零ォォォォォオォォ! 死ねぇぇぇぇぇ!!」
仮面ライダーの蹴りと、ゼロの最強の斬撃が拮抗する。
相反するエネルギーが行き場を求めて、壁や床を破壊していく。
だが、仮面ライダーの蹴りが徐々に押されていった。届かないのか、とイーグリードが仮面ライダーを見る。
その目を見て驚いた。エックスがイーグリードに勝ったときの、希望に満ちた光。
仮面ライダーは諦めていない。そう気づいた時、イーグリードはサブタンクをもって仮面ライダーに突進する。
自らの増幅された竜巻に、全身が切り裂かれるが構わずイーグリードは突き進んだ。
「本郷、こいつを使えぇぇぇ!!」
サブタンクの中身のライフエネルギーが仮面ライダーの身体を包んだ。
ミーには悪いが、今このサブタンクが温存されたことを喜ぶ。二度目のライフエネルギーの力で、仮面ライダーの蹴りに力が戻った。
「うぉぉぉぉぉぉぉぉおぉっぉおぉっ!!」
「!? く……がぁぁぁああぁぁぁっ!!」
ゼロの最強の斬撃が砕け、仮面ライダーの蹴りがゼロに届く。
衝撃にゼロが白目を剥いて、空気を大きく吐き出した。
身体をくの字に曲げたゼロに、仮面ライダーとイーグリードが組み付く。
「今だ! ミー!!」
叫んだのは仮面ライダーなのか、イーグリードかは定かではない。
それでも、その声に応えてミーが飛び出してゼロに触れた。
「任せて!!」
光と共に、ゼロへミーが装甲を作り出す。あとは任せる。
イーグリードと仮面ライダー、二人は武美たちにすべてを託した。
□
「ここがゼロさんの中ね……」
「殺風景な場所だ」
「それは分かりやすいように、あたしが視覚情報へと変換しているからだよ」
武美の説明にウフコックは納得がいったように、何度か首を振る。
ウフコックは携帯電話となり、武美と繋がってゼロの中へ共に入ることを成功させたのだ。
もっとも、失敗すれば武美ともどもお陀仏だが。
それはさておき、周囲は黒い空間が広がり、夜空のように星のような光が広がっている。
地面はしっかりついているようだが、武美がどこに立っているか認識しづらい。
宇宙空間にいるようで、決定的に違う。気持ち悪くてあまり長居をしたくなかった。
武美はエネルギー状になったワクチンプログラムを二つ持ち、首を回す。
イーグリードによれば、支給品一つの枠に三つのワクチンプログラムを支給したということだ。
「これを早く問題の場所に打ち込まないと。進もうっか」
「ああ、先にいかな……」
「おーい、武美さーん、ウフコーック」
ギョッとしてウフコックと武美が声の方向を向いた。
そこにはなぜか、ミーがいる。予想外の事態に武美もウフコックも、思わずミーに走りよった。
「な、なんでミー君がここに!?」
「いやー、ゼロさんと合体したせいかな? 多分」
「けっこう緩々だねー……」
武美の呆れた視線を受け、ミーはあたふたしながら先を示す。
誤魔化そうとしているように思え、武美はミーをじと目で見た。
「そ、そんなことより先に進もうよ! 時間がないし」
「うん、そうだね。早く戻さないと……再び動き出してあたしのケーブルを切るようになったらと考えると怖いし」
「嫌なこと言わないで……へこむから……」
武美は堂々としたものだが、ミーは少し肩を落として後に続く。
ウフコックは武美の背に乗りながら、ゼロの心がある場所を鼻で探した。
二人は生かして帰す。ウフコックは黙しながら鼻を利かせた。
「この光の先だ」
「これは……ゼロさんの記憶かな? ここにゼロさんの心が残っているってことか」
武美はぶつぶつ呟きながらも、さっさと光をくぐった。
ミーも無言で後を付いてくる。ミーの場合、周囲を警戒しているというのもあった。
電脳世界とはいえ、襲撃がないとは限らない。ミーの警戒は正解といえた。
光に消えた武美とウフコックを追い、ミーも光をくぐった。
星が瞬く暗闇の空間が掻き消えて、とたんに床と壁のある普通の部屋へと現れた。
急に現実味の出た空間に戸惑いながら、武美は足を進めた。
すると、口元を押さえてわずかに後ろに引く。ウフコックもまた、顔を顰める。
「ちょっと待ってよー。二人とも先に……」
追いついたミーも絶句する。バラバラになって血(オイル)の池を作るエックスが、目の前にいた。
武美は吐き気をどうにか抑えて、エックスの死体を乗り越える。
かつて望んでいた光景とはいえ、気分がいいものではない。
「そういえばさ、ゼロさんがエックスを殺したんだってさ……」
「そう」
武美の胸を一瞬だけ憎しみが焦がし、再び気分が落ち込んだ。
エックスに復讐がしたかった。クロにした仕打ちを万分の一でも返したかった。
復讐なんて柄じゃないのは分かっている。
それでも無視するにはエックスは許せないことをして、大神グループとは違って殺せる手段を得た。
もっとも、その手段を使うこともない。エックスは死んだのだ。
「あなたが本当のゼロさんの心ですね」
多くのロボットの残骸の中央に佇む、赤い装甲を纏った金髪の青年を前にして武美は断言する。
彼は……ゼロは疲れたように武美に振り向いた。
「君達か……」
「暴れている時の記憶もあるの?」
ゼロは首を縦に振って、物憂い気に周囲を見回した。
武美に周囲に残骸があるのを示して、再び黙る。
「だったら、こいつを使って戻って! 今外では本郷さんたちが追い詰められているから!」
「…………何度も、俺はあいつを倒そうとした」
ゼロは残骸を踏まないように歩いて、天井を見つめた。
薄暗い研究室のような一室でゼロは武美たちに振り返らず、語りかけてくる。
「ここは俺の中で一番古い記憶だ。そして……罪の証でもある」
「親友のエックスを殺したこと?」
ミーが尋ねると、ゼロは肯定するような、否定するような態度で眼を閉じた。
その態度に、若干武美が焦りながらワクチンプログラムを押し付ける。
「後悔しているなら、後でいくらでも聞くからこれを使って! 早く戻らないと本郷さんたちが危ない!」
「いや、俺に使っても無駄だ」
「え? どういうこと」
ミーの疑問に、ゼロは視線を向けてセイバーを構えた。
ウフコックも武美の方で反応して、退くように告げる。
「この感情の匂いだ。この匂いが……外で嗅いだ、ゼロの邪悪なほうの感情だ!!」
ウフコックの忠告と同時に、残骸が吹き飛んで薄暗い部屋が一瞬明るくなる。
ミーの眼前にはもう一人のゼロがいた。こちらのゼロと違って暗い赤紫の装甲。
流れるような金髪のまま、もう一人のゼロは告げる。
「我はメシアなり。身体を明け渡せ」
凶暴な笑みを浮かべたもう一人のゼロはセイバーを掲げて、地面を蹴った。
凶暴なゼロが地面を打ちつけ、エネルギーが迸る。
ミーは爪で受け止めて、一瞬の拮抗の後に再び離れた。
「はああぁぁっ!」
「くっ! 強い……」
苦戦するミーを見かねて、武美はゼロへと振り返る。
しかし、ゼロの反応は鈍かった。
「どうした、ゼロ」
「早く動かないと、ミー君が……」
「いや、そうしなくても済む方法がある。俺を殺せ」
武美はなにを言っているか分からず、呆然とする。
ウフコックは明らかに怒りをゼロへと向けた。
「あいつが俺の身体を乗っ取ったのに、なぜ俺が生きていると思う? 俺が死ぬと奴も死ぬからだ。
あいつはもともと俺だ。君の能力を使えば、俺を完全に消去できる」
「でも、それじゃ……」
「いや、いいんだ。俺はもう……エックスを殺してフランシーヌを傷つけた。フランシーヌだけじゃない。
君達も現実世界で追い詰めた。……今の俺にあいつを抑える力はない。だから俺を殺せ」
もう、疲れた。ゼロはそう言いたげであった。
ゼロは後悔をしているのだろうか。
その横顔がとても美しく、殉教者を思わせて、
「ふざけるなあああぁぁぁぁぁ!!」
武美は死ぬほど気に食わなかった。
ゼロの頬を叩く甲高い音が、研究室の一室に響いた。
ゼロはもう一人の自分との戦いに疲れ、自分が死ぬのを待っていた。
メガトロンとコロンビーヌに追い詰められた時、力を求めたが現れたのは破壊の権化であった。
身体を取り戻そうと体内で戦っている時に、否定していた考えがゼロを支配した。
自分はこんなにも、おぞましい本性を持って生まれるために開発されたのだと。
いくら戦っても身体を取り戻せず、いくら外部が戻そうと声をかけても応えてやれず、友の声すら無意味であった。
そして、戻ろうとするたびに足に絡みつくエックスの記憶。
幾たびも責める破壊の記憶と、親友の断末魔がゼロに死を選択させた。
なのに、現れた自分を殺せる女性はゼロの考えを思いっきり否定した。
非力なのに、とても痛い。頬がひりひりする。
目の前の武美という女性は目に怒りを込めて、エックスに指を刺した。
「あたしはあいつに、エックスに殺されかけた! クロちゃんや草薙さんって言う、ここでであった大切な人を喪わされた。
柄でもないのに復讐だって決意したよ! あいつが許せないもの!!」
「……すまない」
「謝らないで! あなたにだけは……謝られたくない!」
武美は身体を震わせ、感情に任せたまま言葉を続ける。
ゼロを助けると奇麗事を言っても、エックスの親友であったという事実が武美の心を曇らせていた。
ゼロを恨むのは筋違いなため、本郷たちの役に立ちたいという気持ちだけでここまできた。
なのに、目の前の男は弱音を吐いている。それがどうしても許せず、武美の感情を爆発させた。
「あなたにエックスの分の罪を償えなんていわない! あたしにそういえる資格なんてない。
だけど、あたしはあなたを元に戻すと、力になった人たちに誓ったの! だから……」
武美は膝をついて、脱力する。涙を流せたのなら、今流していたのだろう。
涙の流し方を忘れされた武美には、たとえ電脳世界であっても泣くことを許さなかった。
「だから……あたしをみんなの役に立たせて……戻ってよ……」
武美の悲痛な声がゼロに届く。金色毛のネズミも黙ってゼロを見つめていた。
(そうか……俺は逃げていただけか……)
もう本来の自分には勝てないと思っていた。
エックスたちと築き上げてきた自分は、下種な本性に負けるほど矮小な存在だと思っていた。
なにより、エックスを殺した自分に居場所を与えることを許せなかった。
エックスを殺した後悔の念が、残骸となって足に絡みつく。
(すまない、エックス。俺はそこにはまだ逝けない)
やるべきことができてしまったから。ゼロは目を見開き、武美に手を差し出す。
「ワクチンウィルスをくれないか?」
「……うん。両手を出して」
武美の腕からエネルギーが流れ、ゼロの拳にまとわりつく。
ゼロが残骸を踏んで前に出ると、ミーが跳んできた。
「うわぁっ!」
「ありがとう。あとは俺が決着を着ける!」
「ゼ、ゼロさん……」
「負けたら承知しないんだからね」
武美の厳しい言葉にゼロは頷いて返す。凶暴なゼロは顔を歪め、セイバーを振るってきた。
火花が散り、セイバーのエネルギー刃が離れていく。ゼロの持つセイバーで迎撃をしたのだ。
「くそっ!!」
「安心しろ、もう一人の俺。消すわけじゃない……いや、消そうとしたのが元々間違いだったんだ」
凶暴なゼロが放つ拳を、ゼロは受け止めた。発する右手のひらの光に、凶暴なゼロが苦悶の表情を浮かべる。
だが、ゼロはこの光を彼を消すことに使う気はない。
「お前は俺なんだ。あって欲しくないという欲望で否定するべきものじゃない。いらないという個人的な事情でなかったことにするべきものじゃない。
エックスを倒す宿命を受けながらも、あいつの友であったことを誇るべきだったんだ」
たまらず暴れる凶暴なゼロを、ゼロは抱きしめる。
発する光が腕だけでなく、ゼロの全身に広がった。
「一つに戻ろう、ゼロ(おれ)」
「我は……我はあああぁぁぁぁぁぁッ!!」
光が満ちて、ゼロを暖かく包む。ここまでやってきたミーも武美も、ウフコックも光に包まれていった。
現実世界で彼らに再会しよう。暴れる自分を宥めるよう、ゼロは心を穏やかにしていった。
どこからか、歌声が聞こえてくる。
まるで暴れる、本来のゼロを宥めるように。
□
「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
ゼロが完全に戻る数分前、暴れる力をさらに増していった。
仮面ライダーもイーグリードも、一歩も動かせない。ケーブルを切断されれば、それだけで武美たちが死ぬ。
それだけは避けねば。
「ぐっ!?」
「本郷……まさか!」
毒によって仮面ライダーが再び吐血し、身体を倒す。毒で侵されたまま、急激な運動をしたツケが回った。
ゼロを抑えきれず、吹き飛ばされてしまう。
「ああああぁぁぁぁぁっぁぁっ!!」
ゼロをイーグリードが抑えようとするが、一人ではどうしようもない。
仮面ライダーが指一つ動かせず見届ける中、ゼロがセイバーをケーブルに振り下ろす。
だが、その剣戟は届かなかった。
「フランシーヌ!!」
現れた自動人形が、身体を盾にしてケーブルを守った。
生命の水が吹き出る身体でゼロの腕に絡みつき、ケーブルを切らせないと鬼気迫る。
「この……ケーブルは切らせません。ゼロ、あなたのためにも……」
「ああああぁぁぁぁああぁぁぁ!」
獣の如く唸るゼロに、フランシーヌの瞳はどこまでも優しかった。
セイバーを握る手ごと、フランシーヌは抱きしめて可憐な唇を動かす。
―― かわいいぼうや 愛するぼうや
風に葉っぱが舞うように ぼうやのベッドは ひいら ひいら
天にまします 神さまよ
透き通るようなフランシーヌの歌声に、ゼロの動きが目に見えて鈍くなった。
まるで宥めすかされる子供のように。
―― この子にひとつ みんなにひとつ
いつかは恵みをくださいますよう
フランシーヌが歌い終わる頃には、ゼロの動きは完全に止まって武美たちが目を覚ました。
なんとか立ち上がった仮面ライダーは、倒れたフランシーヌを受け止めた。
「フランシーヌ……」
「本郷……武美たちは……ゼロさんは……?」
「大丈夫だよ、フランシーヌさん。最後、あたし達にもフランシーヌさんの歌が聞こえてきたの。それで……」
「そう……よかった……」
フランシーヌが安堵をして、変身を解いた本郷の胸に体重を預ける。
本郷は毒に侵されていると、戦いの最中に聞いた。ならば自分ができることは残っている。
「フランシーヌ、動くな! 必ず助ける」
「いいえ、本郷。もういいのです。むしろ私は嬉しい。最後に、本郷の役に立てれそうで……」
「なにを……」
本郷が尋ねる前に、フランシーヌは自らの体液である生命の水(アクア・ウイタエ)を口に含む。
本郷の首元に片腕を回して、フランシーヌの唇と本郷の唇を重ねた。
周りから嬌声が上がるが、生命の水をすべて本郷の口内へと移す。
自分の唇は固くて申し訳ない。そう思うが、自分は人間でないからどうにもならない。
本郷が生命の水を嚥下するのを確認して、フランシーヌはホッとした。
「フランシーヌ……なにを飲ませた?」
「生命の水です。これで……本郷をもっとも『健康な状態』に復元してくれるはずです」
「ってことは……毒も!?」
ミーが嬉しそうな声を上げて、フランシーヌも穏やかな気分になる。
しかし、フランシーヌは力をなくして、腕をだらしなく下ろした。
「フランシーヌ!」
「すまない……俺のせいで……!」
本郷とゼロが叫ぶ。どうやらゼロは元に戻ったらしい。よかった。
自分は長くはない。でもなぜだろうか。自分が不幸だとは思わない。
(それどころか、なんと光栄なことでしょうか。エレオノールを守りきって、そしてまた本郷や武美を守って逝けるなんて)
もしも機械仕掛けの神様がいるとするのなら、フランシーヌは万の感謝を告げたのだろう。
「いえ……ゼロさん。私は……満足しているのです……。ですので……どうか悔やまないで……。
本郷……いままで…………ありが…………とう……」
視界が暗くなって、フランシーヌは自分に二度目の死が訪れることを知る。
気分はどこまでも穏やかだった。まるでエレオノールを守った時のように。
笑顔を求めたフランシーヌは、自分が『いい笑顔』をしているのだと、鏡がなくても知ることができた。
もう、歯車は軋まない。フランシーヌは人間となったのだから。
□
フランシーヌを埋葬して、本郷は感謝を墓前に告げる。
銀色となった髪と瞳が、彼女が命を懸けて自分を救ってくれた証だった。
本郷が振り返って疲れを癒すメンバーを見る。誰一人失うものか。
再び本郷は強い決意を固めた。
そのために与えられたこの命。正義のために振るう。
そして、このバトルロワイアルの真実をイーグリードから聞こう。
本郷はフランシーヌの墓を離れて、みんなの元へと近寄った。
「ゼロ」
「イーグリードか。すまん」
ゼロは気恥ずかしげにイーグリードに謝罪する。
すると、イーグリードがいきなりゼロの頬に拳を叩き込んだ。
身体が吹き飛び、壁にぶつけられる。みなが驚く中、ゼロは懐かしい感触を持って笑顔を向けた。
イーグリードは後悔の念に沈んでいるゼロに、さっさといつもの調子にもどれ、と殴ってきたのだ。
「面目ない」
「これで俺がお前を助けたのは十五回だ」
「まだ二回も俺が多い。二回も死ねるか? お前……」
「まあ、一回死んだ身だからできないことはないぞ? やる気はないがな」
「減らず口を……この鳥ガラ!」
「おかまやろう!!」
懐かしいやり取りに、間を置いてからゼロは思わず噴出してしまう。イーグリードも気取った表情を崩した。
しかし、いつまでもこうしているわけには行かない。ゼロは表情を引き締める。
「死んだはずのお前がこうしているのはどういうことだ? シグマならお前を配下に加えるとは思えない。
なにせ、お前の部下はイレギュラーハンターが救出を終えた。イレギュラーのシグマにつく理由がない」
その言葉に、ミーが沈んで周りが答えを待って沈黙する。
ゼロはもしや、と思っていたがイーグリードが喋るのを待った。
「そうだな。聞いてもらおう。このバトルロワイアルの全貌を……」
イーグリードが重々しく口を開き、真実を語る。
その場の人間すべてが、一言一句漏らさないように耳に神経を集中させた。
□
「デンジ・エンド!!」
キカイダーが両腕を交差して、電磁のナイフと化した腕が白人女性をX字に切り裂いた。
長身の全裸の白人女性の断面は機械が火花を散らし、キカイダーの背中で爆発をする。
機械の破片が転がる中、キカイダーは後ろを振り向いた。
「ライト博士、この地点に進入したT-X及び、T-850は全滅させました。もう大丈夫です」
「そうか、すまない……」
キカイダーがいえ、と応えてパネルを操作する。迂闊だった。
スカイネットは最後の平行世界移動装置を使い、合計五十体のターミネーターをバトルロワイアルの舞台となったコロニーへ送ったのだ。
直接こちらに送られなかったのは、シグマがとった対策が功を奏したため。
しかし、ターミネーターたちはコロニーに転送され、コロニーの大型施設に設置された転送カプセルから要塞へと入っていったのだ。
「多くの参加者を脱出させるため、シグマが転送カプセルを設置したのが仇となったのか」
「しかし、全部送られているわけではない。下の二つのコロニー、市街地エリアと森林エリアの転送カプセルの起動を停止する。
上は……まだ参加者が残っておるか。しばらくはつけておかねば……」
「ええ。……ハカイダーが近づいているのか。ライト博士、申し訳ありませんが、いかせてもらいます」
「……どうしても殺しあうのか? たった二人の兄弟なのだろう?」
キカイダーはライト博士の優しい言葉に、どこか戸惑ったような笑みを返した。
首を横に振って、キカイダーはライト博士に背を向ける。
「ええ、もうハカイダーは僕のただ一人の兄弟です。だからこそ……戦い以外を知らない彼と決着を着けてあげたい」
「しかし……」
「ライト博士。あなたは優しい人だ。まるで光明寺博士のように」
ライトはキカイダーの穏やかな声を首を振って弱々しく否定する。
ライトはロックもエックスも救えなかったことを後悔していた。
光明寺博士も同じことを思っていたから、キカイダーはライトの心情を汲み取る。
「わしは……わしは人とロボットの共存を夢見て、我が人生を懸けてロボット工学に命を注いだ。
だが現実はどうじゃ。ロボなら、サイボーグならこんな残酷なことをしてもいいといわんばかりに殺し合いに放り込む。
ロボもまた、破壊のために作られてそのまま突き進む。わしの理想は……所詮絵空事なのか?」
ライトが弱りきった心の内をキカイダーへと吐き出した。吐き出さざるを得なかったのだ。
キカイダーはライトに変わらず笑顔を向けた。
「ライト博士。僕と賭けをしませんか?」
「なに……?」
キカイダーには悪の心と正義の心が宿っている。人間と同じだ。
気を抜けば正義の心が悪に負けてしまうだろう。
だが、キカイダーは長年戦い続けても正義を捨てることはなかった。
夢を見ていることがあるのだ。それを信じているから、人に絶望することがない。
「『人間とロボットが共存できるかどうか』を。もしもあなたが無理なほうに賭けたのなら…………」
キカイダーの笑顔が輝く。たとえどれほど人間の悪の部分を見ても。
たとえどれほどイエッサー回路の悪の信号が強くなっても。
たとえどれほど裏切られようとも。
「きっと僕が賭けに勝ちますよ」
光明寺博士が与えた良心回路(こころ)の光を。
光明寺姉弟と過ごした記憶(メモリー)を。
自分が助けた人々の感謝の言葉を、無くすことがないのだから。
去っていったキカイダーの背中を見て、ライトは目に光を取り戻す。
まだやれる手はあるはずだ。イーグリードのPDAには強力な通信機能がついていたはず。
パネルを操作して、早く戻るように伝えねば。スカイネットのいいようにしてたまるか。
(奴らの目的は分かっておる。玉座に隠された簡易型平行世界移動装置だ。
プログラムを破壊されたゆえ、実物を一つ確保して後々分析しようという腹じゃ。そうはさせるか!)
スカイネットは人類を敵と見ている。もしも手に入れてしまえば、関係ない世界の支配に乗り出しかねない。
そうはさせるか。ライトの人類の未来を懸けた戦いはまだ、終わっていないのだ。
「イーグリード、わしじゃ、トーマス・ライトじゃ! 今の現状を伝える!!」
いや、ライトにとっては、初めての戦いだった。
今まで流されていただけの分戦う。それがライトの覚悟であった。
□
大理石のような床を踏みながら、薄暗い部屋に文句を言いながらメガトロンは要塞を見回した。
ドーム状の建物で、メガトロンでも余裕で暴れることができそうだ。
「ここどこだ? ハカイダーちゃーん。同じ転送カプセルのはずなのに……?」
「飛ばされる先はランダムなのかもしれない。それにしても……よくこんなものが支給されたな」
「ああ、分かいドライバー。便利っしょ? 分割ファイルを解凍したら、そのIDがあったのよ」
メガトロンが小さなドライバーと、体内に入っていた爆発物のケースを見せた。
もうこんなものは必要ない、と放り投げる。シグマの甘さにメガトロンは辟易していた。
そして、転送カプセルから送られてくる人影にT-800が警戒する。
メガトロンはおニューのボディの性能を試すいい機会だと不適に笑った。
「あれ? ストリッパーのお姉ちゃん!?」
「キサマ……俺と同じタイプか?」
「サイバーダインシステムズ・モデル101シリーズ800……バトルロワイアルに参加させられた目晦ましようの旧式か。
スカイネットの命令を私が受けている。直ちに指揮下に入れ」
「説明を求める。何が起きた?」
T-800の問いに、さらに二体の同型機が現れる。
ストリートキングの集団? などとアホな感想を持つが、さすがのメガトロンも空気を読んで口には出さなかった。
「現状の説明をしよう。すぐにインプット体勢をとるがいい」
T-Xの怜悧な瞳がT-800を見て、真実を語りだす。
蚊帳の外の気分を味わわされ、メガトロンは一人だけ不貞腐れた。
□
ブーツを鳴らしながら、真四角に区切られた学校の校庭ほどの広さの部屋をサブローは見渡した。
シャッターが降りており、決闘にはもってこいとでもいう気なのだろうか?
キカイダーがやる気になっているのは珍しいが、この機会を逃すサブローではない。
今はシグマも仮面ライダーもゼロもひとまず置いておく。
獰猛な笑みを浮かべたサブローは、部屋の中央に立つキカイダーを迎えた。
「さて、キサマがシグマに手を貸す理由を教えてもらおうか」
「相変わらずだな……懐かしいよ、ハカイダー。君にはつい昨日のことかもしれないけど、僕にとっては長い長い年月だった……」
「どういうことだ?」
サブローの質問に、キカイダーは口角を上げて顔を正面から見つめた。
その瞳に、本当に懐かしそうな色があった。
「それは彼らの召喚方法に理由があるのさ」
「召喚方法……?」
「彼らは後味が悪くないよう、不幸な結末を辿った、あるいは辿るであろう人物を参加者に選んだのさ。
ゲームで言うBADエンドに向かう人たちなら、バトルロワイアルに放り込んでもいいとね。独善的だろう? だから僕はシグマに協力した」
「ほう、続きを聞かせろ」
「ああ」
キカイダーがサブローへと真実を語りだす。たとえ語ったとしても、二人が戦う運命は変えられない。
それでも、キカイダーは少しの間、久しぶりの兄弟との会話を楽しんだ。相手がハカイダーであっても。
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|148:[[閉幕と始まり3]]|メガトロン|148:[[閉幕と始まり5]]|
|148:[[閉幕と始まり3]]|コロンビーヌ|148:[[閉幕と始まり5]]|
|148:[[閉幕と始まり3]]|T-800|148:[[閉幕と始まり5]]|
|148:[[閉幕と始まり3]]|ゼロ|148:[[閉幕と始まり5]]|
|148:[[閉幕と始まり3]]|ハカイダー|148:[[閉幕と始まり5]]|
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|148:[[閉幕と始まり3]]|イーグリード|148:[[閉幕と始まり5]]|
|148:[[閉幕と始まり3]]|トーマス・ライト|148:[[閉幕と始まり5]]|
|148:[[閉幕と始まり3]]|シグマ|148:[[閉幕と始まり5]]|
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