フランシーヌ、仮面ライダーと出会う ◆L9juq0uMuo


人一人いない市街地の道路を本郷猛は歩く。
シグマに抵抗し爆殺されたセインと言う名の少女、彼女はロボットらしいがそんな事は関係ない。
彼女が爆破された時に反応した少女達がいた。セインという少女の発言と照らし合わせて考えると、家族のような物なのだろう。
どんな理由であれ、シグマと名乗る男のやっている事はショッカーと同じ外道。
ならば、シグマもこの殺し合いに乗った人物も、ショッカーと同じように自分たちが倒すだけだ。

(全員の応答は無し、か)

本郷猛は殺し合いの場に飛ばされた直後に全てのライダーに通信を送ったが、返事は無かった。
他のライダーも恐らく同じ状況だろう。

「頼りになるのはこの携帯情報端末だけ、という訳か」

そう言って本郷は手に持った携帯情報端末を見る。MAP機能や支給品データなどの一通りの物は調べてみた。
支給品データは全部で2つ。
『ゴードン=ローズウォーターの畑から産地直送! コクピットに敷き詰めれば某ネゴシエーターの気分も味わえます』と説明に書かれているトマト100個。間違いなく外れ支給品の分類されるだろう。
そしてもう一つはバイク。都市空間などの入り組んだ場所での使用を想定したライドチェイサー・シリウスと説明には載っていた。
早速シリウスを転送してみると、目の前にエアバイクが出現する。

「俺の知ってるバイクとは違うが、中々いいバイクじゃないか」

本郷がバイクに跨りチェックをする。基本的な操作はバイクとあまり変わらない様だ。
やはり乗り物はバイクが一番性に合うのだろうか、本郷はシリウスを見て満足げな笑みを浮かべる。

(しかし、ライダー同士の通信は不可能だが、支給品の転送は可能か。何か、妨害電波のような物が放たれているのかもしれないな、なら……)

本郷の視線の先にある物は電波塔とテレビ局。
電波を発するのであればあそこほどおあつらえ向きな所は無い。
だが、そのような判りやすい所にわざわざ電波を出す設備などを設置するだろうか、という疑問もある。


「……言ってみる他はないか。何か別の手がかりがあるかもしれん」

そう結論づけると本郷はエンジンを入れる。
ヒュィィィィンと、ガソリンで動く従来のバイクとは違った機動音がなり、シリウスが宙に浮く。
目指すは電波塔、そしてテレビ局。
ライドチェイサーを目的地に向かって発信させた

ある人形の記憶。
井戸の中、全てを溶かす霊薬から、一人の赤子を助けようとしたある人形の記憶。

「神様! 私は人間になどなれなくていい! でも、どうかエレオノールは助けてあげてください。この子だけは……!」

霊薬に溶かされ、赤子を支える事すら難しくなった体で、人形は願う。
井戸に赤子の鳴き声が木霊する。

「かわいそうに、ごめんね……、私が落ちたばっかりに……」

ぽたぽたと、赤子の涙が彼女の頬を伝う。

「こわかったろうね、痛かったろうね、ね…泣かないで!」

彼女は考える、どうすれば赤子が泣き止んでくれるか。
どれだけ考えてもいい案が浮かばない。

「どうしよう、どうしたら……。あ……」

その時、彼女は一つの事を思い出した。母親が赤子を寝かしつける時に歌っていた歌。

「風に葉っぱが舞うように、ぼうやのベッドはひいらりひらり」

彼女の口が、子守唄を紡ぐ。


「天にまします神さまよ、この子にひとつ、みんなにひとつ、いつかは恵みをくださいますよう」

気づけば赤子は泣き止んでいた。
次に彼女が浮かんだのは、赤子の父親が赤子をあやしつけた動作。

「落ちついた? エレオノール。もう泣かないでね、ほら……」

自分が溶けていくのも構わずに、彼女は赤子をあやし始める。

「べろべろ、ばあ」

べえ、と舌を出す人形を見て、赤子は笑い出す。

(笑って…くれたの、エレオノール? こんな…恐ろしい人形(わたくし)に…?)

赤子が笑ってくれた事に彼女は驚いた。
人々に災いを与えてきた恐ろしい人形だというのに、赤子は笑ってくれている。
彼女はえもいわれぬ感情で胸がいっぱいになる。

「ほ…ほら、エレオノール…、べろべろ…」

バシュウウウと、自らが溶けていく音が聞こえても今の彼女は気にも留めない。
彼女は嬉しかった。彼女が赤子を笑わせてあげた事が、赤子が笑ってくれた事が。

「ばあ……」

笑う為に旅を始め、旅に疲れた彼女は、最後の最後で本当に笑う事ができた。

あやしながらも水を流すため攻撃していた井戸の壁の一部が壊れた。これで彼女が溶けたとしても赤子は大丈夫だろう。ふと、井戸の外、満点の星空が目に映った。


(星が見えるわ…、なんて、いい気持ち)

笑顔を浮かべたまま、そこで彼女の意識は無くなる。いや、無くなった筈だった。

気が付くと彼女、フランシーヌ人形は見覚えの無い場所にいた。
不思議な事に溶けた体も元へと戻っている。
よく事態を把握する前にシグマと名乗る男から発せられた殺しあえとの命令。
そのシグマを捕らえようとした少女、溶けるシグマ、もう一人のシグマ、爆発する少女。
突然の出来事で混乱しながら転送装置に乗り、気づけばテレビ局の屋上へと飛ばされていた。
1910年にこの世から姿を消したフランシーヌ人形にとって、高層ビル街はあまり見慣れない景色なのであろう、フラシーヌ人形はしぼし呆然とする。

「ここは、一体……」

高層建築に囲まれた景色をフランシーヌ人形は一望する。
一通り見回した所で、自分が今置かれている状況を思い出したフランシーヌ人形が、これからどうするか考え始めようとした時、屋上の扉が開かれた。

物の数分でライドチェイサーを乗りこなした本郷は順調にテレビ局へと向かっていた。


(ん? あれは……)

テレビ局へと辿り着いた本郷は、ビルの屋上に誰かがいる事に気が付いた。

「先客がいたのか? しかし」

屋上の人影は呆然と立ち尽くしているようにも見える。
もしかしたら戦う力も持っていない参加者かもしれない、と本郷は推測する。

「あっちに接触する方が先、だな。」

テレビ局の調査も大事だが、参加者との接触の方が優先と本郷は判断し、シリウスを端末に戻しテレビ局に入ると、迷わずにエレベーターへと足を運んだ。
最上階から屋上へ続く階段を探し屋上へ、そして屋上の扉を開いた。

TV局の屋上で二つの人影が対峙する。
殺し合いを命じる主催者と殺し合いに乗った者達に立ち向かう、仮面ライダー1号、本郷猛。
笑顔と共に消え、この殺し合いの場にて蘇った、フランシーヌ人形。
互いに様子を見ているのか、動く気配はない。

「あなたは……」

不意に、フランシーヌ人形の口が動いた。

「私を壊すのですか……?」

ロボ・サイボーグキャラ・バトルロワイアル 第17幕 フランシーヌ、仮面ライダーと出会う


【C-7 テレビ局屋上/一日目・深夜】

【フランシーヌ人形@からくりサーカス】
[状態]:健康、やや混乱
[装備]:無し
[道具]:支給品一式、未確認支給品1~3(本人未確認)
[思考・状況]
1:あなたは私を壊しにきたのですか?
2:私は生命の水に溶けて無くなった筈では……

※原作死亡後(25巻第32幕微笑(後編))から参戦。

【本郷猛@仮面ライダーSPIRITS】
[状態]:健康
[装備]:ライドチェイサー『シリウス』@ロックマンXシリーズ
[道具]:支給品一式、トマト×100@THEビッグオー
[思考・状況]
基本思考:殺し合いには乗らない、打倒主催
1:目の前の人物(フランシーヌ人形)と話をする。
2:テレビ局及び電波塔の捜査。


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