君の歌声に誘われて ◆c92qFeyVpE



ミーはひたすら走る、あの仮面の男から少しでも離れようと。
男が殺したと思われる少女の事は気になったが、近くに死体は見当たらず、まさかコンクリートの下に埋めてあるわけでもあるまい、
ならば影も形も残さずに相手を殺すような武器か技を持っているのだろうか? 常識的に考えればありえないと考え直すだろうが、
お互いにとって不幸なことに、常識外の事が日常茶飯事な彼は「ありえるかもしれない」と思ってしまっている。
負ける気はないが、そんな未知の相手と一人で立ち向かうのは危険が大きい、ならせめてあの男の危険性を伝えて回るべきだろう。
そう考えながら走り続けていると、ミーの耳が何かの声を捕える。

「……歌?」

機械っぽさがあるが、結構な声量だ、その声の発信源を探し――っておい。

「お、女の子?」

一見普通の少女にしか見えない子が、空を飛びながら歌い続けている。
その姿はどこか美しく、ミ―は思わず一瞬見とれてしまうが、すぐに今の状況を思い出し我に返る。

「あれじゃ目立ちすぎだって!」

歌番組に出ているアイドルじゃないのだ、この状況下で目立ったらどうなるかの想像ぐらいつかないのだろうか。
もしくはこんな殺し合いなんかに進んで参加する者なんていないと思っているのか?
だとしたら余計に危険だ、すぐ近くにはあの男がいる。
思うよりも先にその少女の下へと走り出していた。

「君! そこの歌ってる子!」
「~♪ エ?」

自分でもかなり大きな声を出してしまっているがやむを得ない。
とにかく彼女――ミクに降りてきてもらい話をする。

「こんなところで歌うなんて、何考えてるんだよ!?」
「だけど、私はボーカロイドですし」
「信じられないかもしれないけど、もう誰かを殺してる人がいるんだよ、あんなに目立ってたら危ないって!」
「……歌っちゃ、ダメデスか?」
「ダメ!」

目に涙まで浮かべながらがっくりと項垂れるミクに、ミーはわずかに怯む。
――間違ったこと、言ってないよな?
ミクのためを思って言ったのだが、ここまで落ち込まれると少々悪い気になってくる――と、丁度その時、かなり遠くからだが一発の銃声が響き渡る。

「今の、銃……!? 一発だけってことは、クロじゃないか……?」
「誰カ壊し合ってるんデスか?」

ぽつりと呟くミクを見ながら思考を巡らせる。
銃声がした方向ではほぼ間違いなく戦闘が発生しているのだろう、
もしかしたら、襲っている方か襲われている――ああ、襲われてるとか想像できねーよ――のはこの壊し合いの中で唯一の知り合い、クロかもしれない。
だが、まったく別人の可能性も高い。その場合、例えあの仮面の男のような力を持った相手だとしても自分だけなら対抗することはできる。
だけどミクをここに置いておく訳にもいかないだろう、先ほどの歌を聞いて壊し合いに乗った奴がここに集まろうとしているかもしれない、
かといって一緒に連れて行っても足手まといになるだけ、ならば――

「こっち!」
「WAWAWA?」

何だその発音、と突っ込みたいが我慢、ミクの手を取り南へと走る。
目指すはTV局だ、内部が入り組んで作られているため隠れる場所も多いはず。
そこにミクを隠し、また壊し合いに乗ってない人間を探す。
そうやって少しずつ仲間を集めていけば、もしかしたら何か解決策が生まれるかもしれない、そう考えると自然と走る速度もあがっていく。

「待っててゴ―君、すぐに帰るから!」
「ハワー」

ミーは知らない。
自分が警戒し離れた人物は誰も壊し合いなどに乗っていないことを。
それどころか、この壊し合いを止めるための強力な味方になってくれたであろうことに、ミ―は気づかない。

【B-6 住宅地/一日目・深夜】
【ミー@サイボーグクロちゃん】
[状態]:健康
[装備]:無し
[道具]:支給品一式、不明支給品(1~3個)
[思考・状況]
1:TV局へミクを隠す
2:仲間を集める
3:仮面の男を警戒

※ミクの名前は知りません。
※聞こえた銃声はノーヴェが撃ったものです。

【初音ミク@VOCALOID 2】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、不明支給品(ネギみたいな長い棒)、エスケープボール@ゼノサーガ
[思考・状況]
1:歌いタイー
2:ミー(名前は知らない)について行く

※ミクの歌声は半径訳500m強、1エリア全体をカバーできる程度の大きさです

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004:突っ走れ ミー 049:しゃべるの得意じゃないけど
001:みんなのうた 初音ミク 049:しゃべるの得意じゃないけど





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