とっても嫌な聞き間違い ◆d.NbLKVxEc


耳をつんざく轟音に、T-800は歩みを止めて振り返り、空を見上げる。
夜空に咲くそれは、爆発という名の鮮やかな花であった。
直ぐに散って消えていくそれを見つめながら、T-800は思考する。

巨大な雷音を確認。だが天候の変化は確認できない。
戦闘が発生した可能性は極大。雷音は参加者の能力、あるいは支給品によって引き起こされたものだと思われる。
発生源は近い、今からならこの雷音を引き起こした当本人に接触できる可能性大。
殺しあいに乗った危険人物である可能性50%、同時に殺し合いには乗らず反抗の意思を持った人物である可能性50%。…現状では情報不足、判別は不可能。
現状の確認
T-1000と思われるドラスの追撃、および破壊。
追撃に必要な乗り物(バイクが望ましい)の調達。
スバルの仲間を見つけ合流。
以上の事から乗り物の調達と、参加者への接触どちらを優先させるべきか。

思案の結果、T-800は西に歩みを進めた。

T-1000との戦闘になれば、現在のT-800の武装では決定打を与える事が出来ず、苦戦することは必至である。
さらにドラスがT-1000であった場合、事と次第によってはスバルとタチコマも、同時に相手にしなくてはいけない可能もあるのだ。
このまま単独行動を続けるよりも、協力者を見つけ自分の戦力を上げる必要がある。
先程の雷と思われる攻撃手段。参加者の能力か支給品かは分らないが、威力を見るならT-1000にも十分なダメージを与える事ができるだろう。
自分と協力関係を結べたら、戦力の大幅な上昇が見込める上に、T-1000に対しての勝率も上昇する。
もし危険人物であった場合でも問題はない。排除するだけである。
排除する際にこちらが損傷する可能性もあるが、それは承知の上だ。
放置する事によって弱者が狩られ、相手が装備を充実させた後で戦闘する事になる危険性を考えれば、今の内に潰しておくに限る。


T-800が歩を進めていると、西からエンジン音が聞こえてくる。
何者かがバイクでこちらに向かってくるのが見えてきた。
T-800は相手が危険人物であった場合、出来る限りバイクを破壊しない様戦闘する事を、思考の隅に置きながら相手の様子を伺う。
そこで不意に、バイクが蛇行を開始したかと思うと、そのまま転倒してしまった。
バイクに乗っていた人物は、そのまま投げ出されて雪原の上に転がる。
T-800はコルトS.A.Aを抜き、警戒しながら近づいて行く。
バイクに乗っていた人物は男で、幾つか傷が見られた。
しかし、死の危険がある様な大きな傷はなく、現在も何かしらの原因で気絶いている様であった。
T-800は、男が完全に気絶している事を確認した後、男をどうするか思案した。

放置。ただし、バイク及び支給品は貰っていく。

安全策を取るならこれが一番である。今のうちに相手のPDAから,支給品のIDをこちらのPDAに移しておけば、再転送の心配もない。
しかしこれは却下である。この男が殺しあいに乗っていなかった場合、貴重な協力者を一人失う事になるかもしれない。
殺しあいに乗っているかどうかは、50:50。情報不足を再確認。
当初の予定道理、殺しあいに乗っていなければ協力関係を結び、乗っていたら排除する。
その方針で行くしかないようだ。

T-800は男の懐を探り、PDAを取り出すと支給品のIDの転送を始める。
もし男危険人物であった時の保険である。
しかし、バイク以外に目ぼしい物はなかった。
そのままPDAを操作してマップを開く。

「…現在地確認。民家を目指して北上する」

T-800は男を担ぐと、バイクに跨り民家を目指して北上した。


その後、何事もなく民家までたどり着くと、中に誰も居ないのを確認してから男を運びこんだ。
民家の寝室に男を寝かせたT-800は、彼の衣服を脱がしていく。
T-800に何もやましい気持ちはない。
単純に身体的特徴から、男の能力を推し量ろうとしただけである。
男がこの殺しあいに乗っているのかどうか、T-800には現状で判断するすべがない。
その為、もし戦闘になったらと、考えての行為だった。
その結果、腹部の刺し傷とベルト、両腕のコイルアームの存在を知った。
コイルアームは常に帯電しており、迂闊に触れれば危険である。
しかし、コイルアームの存在から、先程の戦闘と思われるものに目の前の男がかかわっており、あの雷もこの男自身の能力だと推測できた。
次にベルトの方に目がいくが、こちらの方はよくわからなかった。
最後に出血した跡がある、腹部の刺し傷。
出血という事実から、男が完全機械のロボットではなく、生体部品のあるサイボークと推測できる。
T-800は救急箱を探す事にした。
人間用の救急箱が、サイボークの治療にどれほど役に立つかと言われたら、あまり効果がないと考えるのが普通だろう。
しかし、生体部品を持ったサイボークには、気休め位にはなる筈である。
どの道現状で男が起きるまでは、T-800にやる事はないのだ。
この先使用する事が無いとも限らないので、時間つぶしも兼ねT-800は救急箱を探しに部屋を出た、男の服装をそのままにして。

しばらく救急箱を探してみたが、見つからなかったので一度部屋に戻る事にした。
部屋に戻ると、男が意識を取り戻していた。
少々目が虚ろな所を見ると、まだ意識がはっきりしていない様だ。
試しに、T-800は男に声をかけてみる。
無論、男がいきなり襲いかかっても対応出来るよう、警戒は怠らない。

「どうやら気がついた様だな。…おい、こちらの声が聞こえるか?」


すると、男は少し間をおいて目を見開き、体を起こしこちらを見てくる。
心なしか男は青ざめ、表情が引き攣っている様にT-800は思えた。
返答が無いので、T-800は少し近づいてみた。
その途端。

「俺に近づくんじぁねぇぇ!!」

男が絶叫を上げた。
その言葉を聞き、T-800は自分が極度に警戒されていると判断した。
男はおそらくとても警戒心高い人物か、疑心暗鬼に陥っているのかどちらかだろう。
このままでは、戦闘に陥るかもしれない。
この人物が殺しあいに乗っているなら、破壊する事躊躇いはない。
だが乗っていないなら、男の能力は惜しい。
どうやって落ち着かせるか、T-800は思考する。
そもそも男が何故、これ程までに自分を警戒しているのか、それを理解できていないが、T-800は自分の使命を果たす為、思考を続ける。




茂の意識は深いまどろみの中を漂っていた。

(ここはどこだ?俺は確か…)

重度の疲労からくる意識の混濁の中、とうとう限界を超え意識が落ち、雪原に投げ出されたはずである。
しかし、今茂の肌に雪の冷たさは無く、感じるのは柔らかい布の感触。
恐らくは自分は今、ベッドに寝かされている。

(誰だか知れねぇが感謝しねぇとな)

意識を失った自分を、わざわざここまで運んできてくれたのだ。
運んでくれた相手は危険人物ではないのだろう。
もし、意識を失ったまま危険人物と遭遇したら、いくら茂でも死亡は必至である。

扉が開き、何者かがこの部屋に入ってくる音がする。
おそらく自分を運んだ人物だろう。
茂は体を起こそうとするが、あまり力が入らない。
どうやら疲労はあまり回復していない様だ、まだまだ体が重い。
しかし、疲労で意識が落ちそうになるほどでは無くなっている。
半覚醒状態の意識の中、その人物の声が茂の耳に届いた。

「**やら*******な***い***********か?」

(―今こいつ何って言った?)

茂の意識が急速に覚醒していく。

(やらないか?…ヤラナイカ?って言いやがったのかこいつ。じゃあ何かこいつは俺の―)

無理やり体起こして相手を見る。
筋骨隆々とした、逞しい体格の西洋人が其処には居た。
少し思考が混乱しだした茂の瞳には、T-800はガチムチのホモ野郎と映ってしまった。
思考の混乱は加速していく。
茂は確信する、相手は危険人物だ、間違いがない。自分を殺さなかったのは、殺し合いに乗っていなかったからではない。自分が男だったからだ。やつは俺の身体を狙っている。
だからご丁寧に自分をベッドの上に寝かせていたのだ、すぐにでも事に及べる様に。
しかも、いつの間にか自分の上半身は裸になっている。
それが決定的であった。

茂は恐怖した。幾度も死線を乗り越えてきた茂が、間違いなく恐怖していた。
それは未曾有の恐怖だった。
命の危機。そんなものは今までに何度も訪れ、その度に乗り越えてきた。
しかし、自分の貞操の危機、そんなものは初めてだ。
しかも狙ってくるのはガチムチのホモ野郎。
普段の自分なら、そんな馬鹿野郎は問題なく叩きのめせるだろう。
しかし、今の茂はチャージアップの反動で、重度の疲労に陥りまともに体を動かせない。

(このままじゃ、犯られる?)

不意に眼の前の男がこちらに向かって歩き出した。

「俺に近づくんじぁねぇぇ!!」

茂はあらん限りの声で絶叫した。


【B-3 民家/一日目・早朝】

【T-800@ターミネーター2】
[状態]:健康
[装備]:滝和也のライダースーツ@仮面ライダーSPIRITS、コルトS.A.A(6/6)
[道具]:支給品一式、コルトS.A.Aの弾丸(30/30発)、テントロー@仮面ライダーSPIRITS
[思考・状況]
基本思考:シグマを打ち倒して殺し合いを破壊し、本来の任務に戻る。
     その為に仲間を集める、殺し合いに乗る者には容赦しない。
1:目の前の男を落ち着かせる。
2:街を目指して南下する。
3:スバルと合流する。
4:スバルの仲間(ギンガ、チンク、ノーヴェ)を見つけ、合流する
5:T-1000の破壊
6:ドラスをT-1000でないか、疑っている。


※本編開始直後からの参加です。
※スバルに、ボブと呼ばれています。
※ライダースーツのナックルとその弾丸は、スバルに手渡されました。
※スバルの住む世界、魔法、ギンガ、チンク、ノーヴェに関する情報を得ました。
※シグマの背後にはスカイネットがいて、スカイネットの妨害行為によって
自分はこの場に連れてこられたのではと考えられています。


【城茂@仮面ライダーSPIRITS】
[状態]:腹部に刺し傷、左肩に火傷、全身に小ダメージ、重度の疲労 上半身裸
[装備]:なし
[道具]:支給品一式
[思考・状況]
基本:殺し合いを潰す
1:目の前のホモ野郎をどうにかする。
2:本郷猛、風見志郎、神敬介と合流する
3:チンクと呼ばれた少女に会い、保護する
4:全部終わったらセインのちゃんとした墓を作る
※参加時期は仮面ライダーSPIRITS本編開始前より
※制限は攻撃の威力制限、回復速度制限です
※チャージアップに課せられた制限は効果時間短縮、および使用後の疲労増大です
※自身にかけられた制限(威力制限・チャージアップ制限)には気がつきました

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050:狂えし少女は何思う 城茂 080:エンカウント
044:善意と悪意の行方 T-800 080:エンカウント





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