LOVE DESTINY  ◆d.NbLKVxEc


「このこぶたちゃんはおかいもの♪このこぶたちゃんはおやつたべ♪」

ダブバイクに乗ったコロンビーヌは、マザーグースを歌いながら東へ進んでいく。
既に飛行場を通り抜け、森の中を走っている。
特に行くあてなど無く、ただ何となく東に向かっているだけである。

「このこぶたちゃんは―あら、誰かこっちに向かってくるわねぇ」

前方から草木をかき分け、何者かが疾走してくる。
ただ、向こうもこちら側に気がついたのか、近づいてくる速度がだんだん遅くなってくる。
コロンビーヌはタブバイクの上で、蟲型人形を展開し構える。
愛しい勝の元に帰る為には、何者にも破壊される訳にはいかない。
勝てそうになければ逃げるだけである。
不意に茂みの奥から、声が掛けられた。

「…先程のマザーグース、コロンビーヌか?」

現れたのは、最も付き合いの長い自動人形の一人、パンタローネだった。

□ □ □

相手がパンタローネと分かったコロンビーヌは、すぐさま共闘を申し出た。
エレオノールをフェイスレスの手から守る為には、自分かパンタローネ、アレッキーノの誰かが、生きて帰らなければならない。
その為、パンタローネに断る理由が有る筈は無いのだが…、どうも彼の返事は歯切れが悪かった。

「まったくどうしたのよ、パンタローネ。あたし達の使命はフランシーヌ様を守る事。そ
して、笑わせて差し上げる事。まさか、忘れちゃったんじゃ無いでしょうねぇ」

そこでパンタローネは、何かに気がついた様だった。
そうコロンビーヌはまだ知らないのだ、あの事を。

「そうか、お前は私達より早く壊れた様だから、まだ知らないのだったな」

そこでパンタローネの表情が一変する。
喜色満面。
まさにその一言に尽きる程、彼の顔には喜びが満ち溢れていた。
それは、数百年一緒に過ごして来た筈のコロンビーヌが、始めて目撃し尚且つ困惑する程のものであった。

(パンタローネって、こんな表情も出来たのね…)

そんな場違いな事を思うコロンビーヌを余所に、パンタローネは嬉々として語り始める。

「喜べコロンビーヌ、我ら最古の四人の悲願は叶えられた。私は見たのだ、フランシーヌ様、いやエレオノール様は、最愛の男性の前で遂に、遂にお笑いになられたぞぉ!」

その言葉を聞いた瞬間、コロンビーヌは感動に打ち震えた。
愛しの勝が、数百年も叶わなかった自分達の非願を、ついに達成してくれたのだ。
パンタローネが、あれ程の喜びを見せるのも頷ける。
彼はその眼に、エレオノールの笑顔を焼き付けたのだから。
そして、その場に自分が居なかったのが残念で堪らないが、そんな事はどうでもいい。
優勝して勝の元に帰れば、勝とエレオノールの笑顔で愛し合う姿を、これから幾らでも見る事が出来るのだから。
これでもう、自分は壊れる訳にはいかなくなった。
どんな事をしてでも、勝の元へ帰らなくてはいけない。

続けてパンタローネは語る。

「あの男はとても強い。奴ならばどんな敵からでも、エレオノール様を守り通すだろう」

(そうよ、マサルちゃんはとっても強いんだから)

フェイスレスとの賭けにおいて、勝が自動人形や白銀‐Oと戦う様を、誰よりも一番近くで、そして一番多く見つめてきたのは自分なのだ。勝の強さを疑う事などある筈もない。

「まあ、そんな訳でやる事が無くなってしまっての」

その一言でコロンビーヌは、先程パンタローネの返事の歯切れが悪かった理由を察した。
エレオノールを守る事。エレオノールを笑わせる事。
この二つの使命を、果たす必要が無くなってしまったのだ。
これらの事を持ち出して交渉しても、食い付きが悪いはずである。
そうなるとアルレッキーノに対しても、何かしらの手段を考えた方が良いかもしれない。

「そうそう、肝心のエレオノール様の最愛の男性というのがの、これがまた意外でな。コロンビーヌ、お前も知っている男だ」

そんなのは言われなくても分かっている。
勝であると、コロンビーヌにはそれ以外に考えられなかった。
確かに勝はまだ小学生で、一見エレオノールとは釣り合わない様に見える。
意外と思われても仕方が無いと言えば、仕方が無い。

しかしパンタローネの次の一言が、高揚としたコロンビーヌの心を、一気に氷点下まで突き落した。
そう、彼の言った名前は才賀 勝などでは無く…

「―加藤 鳴海だ」

□ □ □

(―何で、何であんたがエレオノールの最愛の男性なのよ? それはマサルちゃんの役目でしょ?)

沸々と、コロンビーヌの心に湧き上がってくるのは、鳴海に対する怒り。
それは勝がかつて、鳴海からエレオノールを、突如現れたギイに持っていかれた感じたものに似ていた。

コロンビーヌの勘違いは仕方の無いものであった。
鳴海、エレオノール、勝、この三人の関係を正確に把握する自動人形はいない。
それは仕方のない事である。軽井沢の別荘の事件以降、この三人が一つの場所にいたのはほんの僅かな時間しかないのだ。
しかもその僅かな時でさえ、互いに言葉を交わす事すら無かったのだ。

鳴海のエレオノールに対する思いも。
エレオノールの鳴海に対する思いも。
二人の思いを知り、エレオノールの幸せを優先した勝の思いも。
コロンビーヌは知らない。

知っているのは、勝がエレオノールを愛している事。
勘違いしているのは、エレオノールが勝を思う心を、愛情だとだと思っている事。
故にコロンビーヌは、エレオノールが誰を一番愛しているのかを、全く考えていなかった。
勝とエレオノールは相思相愛。
そこに第三者が現れるなど、考えもしていない。
だからこそ、加藤鳴海とエレオノールが結ばれるという事が、コロンビーヌは認められない。

「認められないわ、何でマサルちゃんじゃ無いのよ」

コロンビーヌはタブバイクから降り、パンタローネの胸元の服を握る。

「マサルちゃんはエレオノールの事を愛していたのよ、だからあんなにボロボロになっても戦って、傷ついて…。」

コロンビーヌは勝に幸せになって欲しかった。
その為なら、自分は何でもできるし我慢もできる。
なのに彼女は気付かない、勝もエレオノールの幸せの為に我慢しているのだという事を。

「なのに何で、エレオノールの隣がマサルちゃんじゃないのよぉ!」

□ □ □

コロンビーヌの悲痛な叫びを聞きながら、パンタローネは思う。
コロンビーヌは、勝とフェイスレスの賭けによる戦い、それを間近で見ている内に勝るに
対して、主であるエレオノール様に対する敬愛に匹敵する、愛情の様なモノを得てしまったのかも知れない。

本来『最古の四人』は、フランシーヌの為だけに存在している。
その為、【フランシーヌの事などどうでも良い】と思考するだけで、自分の存在意義を見失い、機能停止を引き起こす。
だからコロンビーヌの今の思考は不味い。
加藤鳴海を否定する事は、現在彼らにとってのフランシーヌである、エレオノールの意思を否定する事に繋がりかけている。
今コロンビーヌは、勝の方に意識が向いていてその事に気が付いていないが、もし気がつけば自己崩壊を起こしかねない。
『最古の四人』の間に友情は無い。
ただ、同じ目的を持った同士である、それだけだ。
自己崩壊した所でドット―レの時と同じ様、馬鹿な奴…で済ませるはずだ。
なのにパンタローネは、コロンビーヌを助けようと思った。
それは仲町サーカスを始めとする、人間達に関わった事による思考の変化なのか、それはわからない。
ゲームに乗り、同僚を殺しても構わないとすら考えていた。
だが又とない機会だから、真正面から力比べがしたかったのかもしれない。

ともかく、コロンビーヌに加藤鳴海の事を認めさせなくてはならない。
しかし、愛情を知らないパンタローネに、コロンビーヌの説得は無理だ。
だから、一か八かあの時の事を話す事にした。

「コロンビーヌよ、私には愛情というのはわからん。だが聞いてくれ…」

パンタローネは語る。
フェイスレスの居る宇宙ステーション、そこに向かう為のスペースシャトルを、輸送している時のある出来事を。
それはシャトルを輸送している列車に、勝が合流した時の事だ。
鳴海の存在を知った勝が、どんな行動をしたか。
その時どんな顔をし、何を言っていたかた。
鳴海が宇宙に行けば、恐らく戻って来る事は出来ないであろう事。
最も、鳴海がシャトルに乗る事は無かったのだが。
だから、エレオノールの為に少しでも加藤と二人きりの時間を作ろうと、勝が加藤に会うのを止めた事。
勝がどんな顔をして、エレオノールの一番の幸せとして、それを受け入れたのか。

□ □ □

パンタローネの話を聞き、コロンビーネは悟ってしまった。
勝が自分と同じ事をしたのだと。
相手の事を愛しているからこそ、その人の幸せを願って自分の身を引く。
勝と鳴海の関係は知らない、だが勝は鳴海の事を兄ちゃんと呼び、慕っている。
その勝が、鳴海とエレオノールが結ばれる事を認めた。
その方が、エレオノールが幸せになれると信じて。
ならば自分がそれを否定する事は出来ない、それは勝の意思だ、それを否定する事は愛しい勝を否定する事になる。

「パンタローネ、アタシさぁこの殺しあいに乗ってたんだよねぇ」

パンタローネの服から手を離し、コロンビーヌは呟く。
今度はコロンビーヌが語りだす。
勝はエレオノールを愛している。エレオノールも勝を大事にしていた。
だから二人は愛し合っているのだと、結ばれるのだと思っていた。
そんな二人をずっと見守って行きたかったから、優勝の報酬を望んだ事。

そこで意外な事実を知った。エレオノールは鳴海と結ばれた事だ。

それは例え優勝しても、自分は勝とエレオノールの愛し合う姿を見れない。
それどころか、もし自分が元の世界に戻ったら、エレオノールと加藤の愛し合う姿を見守る勝を、自分は見守り続ける事になる。

「そんなのって、そんなのってぇ、…絶対に」

コロンビーヌは泣きたかった。
しかし、自動人形に泣くという機能は存在しない。

「いやあああぁぁぁ!?」

頭を抱え蹲り、絶叫するコロンビーヌ。
その姿はだれが見ても、殺戮の機械乙女には見えず、ただ絶望に身を震わす一人の恋する乙女であった。

パンタローネは、コロンビーヌに何て言葉をかけていいのか、分からなかった。
それでも何かできないかと、コロンビーヌに手を伸ばした。

□ □ □

ジョーは走る。ただひたすら走る。
己の罪の贖罪を果たす為、パンタローネを追い求めて。

「いやあああぁぁぁ!?」

不意に進行方向から、少女の悲痛な叫び声が聞こえた。
ジョーの脳裏に最悪の展開が浮かび上がる。
自分はパンタローネを追いかけてきた。
つまり、この辺りにパンタローネがいる可能性が高い。
ならばあの声は、パンタローネに襲われている、誰かの悲鳴ではないのか?
そう思った直後、ジョーの目にある光景が飛び込んでくる。
頭を抱え震えて蹲る少女に、手を伸ばすパンタローネ。
即座に加速装置を起動させ、ジョーは吼えた。

「うおおおおぉぉぉ!!」

遅くなる時の中を最短距離で突き進み、パンタローネの腹部に拳の一撃を入れる。
次の瞬間、時の流れは元に戻る。
パンタローネは吹き飛び、後ろの木に叩きつけられた。

間に合った。
ジョーは最初にそう思った。
自分はもう何人も殺してしまっている。
望んだ事では無かったにせよ、これ以上自分のすぐ傍で命を取り零したくなかった。
だから、目の前の少女が殺される前に、駆けつける事が出来て安堵した。

「ここは僕に任せて、君は早く逃げるんだ」

…返事が無い。しかも動く気配すら無い。
先程と同じ場所で蹲ったまま、うわ言の様に嫌だ、嫌だと繰り返し呟いている。
ジョーはそれを、よほど恐ろしい目に逢って、ショック状態に陥っていると判断した。
彼女を立ち直らせている暇はない、ならばこの場から離れて戦わねば。
そう思うと、ジョーは度重なる加速装置の使用で、悲鳴を上げている体に鞭を打ち駆け出す。
右側から弧を描くように近づき、加速装置を発動させ一気に殴りつけた。

□ □ □

パンタローネは驚愕する。
確かに自分はコロンビーヌに気を取られ、あの男の接近を許してしまった。
だが、自分が反応も出来なかったというのはどういう事だ?
しかし、このままでは不味い。
キッドと呼ばれる、不細工な自動人形を爆殺して見せた事から、おそらくあの男も自分と同様この殺しあいに乗っている。
このままではコロンビーヌが…

「ここは僕に任せて、君は早く逃げるんだ」

(前語撤回。殺し合いには乗っていないのかも知れぬ。ならば、コロンビーヌを巻き込まぬ様離れて戦うべきか)

そうパンタローネが思っていると、ジョーが駆け出した。
しかしそのスピードは、パンタローネにとって決して速いとは言えず、充分に体勢を立て直して、迎撃出来る――はずだった。
次の瞬間、ジョーの姿が消えた。
そして、その直後に体に強い衝撃が走ると、パンタローネはまた後方へと吹き飛ばされた。

(馬鹿なっ! あの男のスピードは、この私でも捉えられんと言うのか…だが)

パンタローネは、ジョーの加速装置のスピードに戦慄するが、同時にある事に気がつく。
傍から見ても分かるほど、ジョーの息がかなり上がっているのだ。
あの高速移動にはかなりの体力を消耗する、乱発は出来ないであろうと。
しかしあの攻撃は不味い、先程のキッドとロックとの戦闘のダメージに加えあの男の二発。
自身のダメージは大きく、かなり危険な状態である。
もってあと数発、あの見えない速度による一撃を喰らえば、自分は破壊されてしまうだろう。
それならばと、『深緑の手』をもちいて攻撃をする。
相手はどうやら素手。キッドを殺した時の爆弾はもう無い様だ。
距離をとっての戦闘になれば、相手は反撃出来ないだろう。
パンタローネの予想道理、ジョーは木々に身を隠しながら、『深緑の手』を潜り抜けるしかなかった。

パンタローネは左手の『深緑の手』のみで攻撃を続ける。
左手の弾が切れる。ジョーが接近する。
左手の再装填が完了したら即座に打つ。左手の弾が切れる。ジョーが接近する。

それを幾度か繰り返した時だった。
ある程度接近したジョーが、加速装置を発動させた。
その瞬間、パンタローネは垂直に飛び上った、人間では考えられない反射速度で。
まるで、はじめからジョーが加速装置を使うのが分っていた様に。
パンタローネは、『深緑の手』の左手の残りと右手の全弾、開天珠を自分がいた場所に叩きこんだ。
幾ら速く動けても、素手である以上限りなく接近しなくてはならない。
そこを狙って、パンタローネはありったけの攻撃を叩き込んだのだ。
眼下に移る爆炎、周囲にジョーの姿は見当たらない。
パンタローネは自分の勝利を確信し、胸に強い衝撃を受けた。
よく見ると、胸から腕が生えている。
背中はキッドとロックマンの戦闘において、一番激しく損傷した場所だ。
他の場所より、装甲が脆くなっていてもおかしくは無かった。

「やれやれ、この私とした事が…一本取られ、た――わ」

そう呟くと、パンタローネは意識を失った。

□ □ □

パンタローネを貫いた腕を、引き抜きながらジョーは着地する。
すると、そのまま大の字になって仰向けに倒れた。
加速装置の使い過ぎで、疲労は既に限界にまで達していた。

あの時ジョーは、パンタローネを殴りに行ったのではなく、後ろに回り込んでいたのだ。
グレイ・フォックスとの戦いにおいて、幾ら加速装置といえども、同じ相手に何度も使用すれば、見切られ可能性がある事を学んだ。
案の定、パンタローネは加速装置を発動させると同時にその場から離れ、自分がいるであろう場所にありったけの攻撃を叩き込んできた。
それを逆手に取ったのだ。
そして加速装置を使っての渾身の一撃で、パンタローネを貫いた。

ジョーは泣きそうな笑顔で笑っていた。
疲労で体は動かない。
だが、心は心地よい達成感でいっぱいだった。
キッドの仇は取れた。二人への償いは出来た。
さあ、少し休んだらドロシ―を埋葬してあげよう。
そう思うと、ジョーの顔に幾つかの影がした。
それは幾つもの銀色の杭。

「何…で、誰が?」

ふと、自分を覗き込む一人の少女と目が合った。
次の瞬間、動けないジョーに杭は無慈悲に降り注いだ。

□ □ □

ロックマンがそこに着いた時、あるのは二つの死体だけであった。
パンタローネと栗色の青年を追いかけてここまで来たが、肝心の二人が死んでいる。

「いったいここで――何があったんだ」

パンタローネは胸に穴を空け、そこから銀色の液体を流し死んでいる。
栗色の青年は、右腕に銀色の液体を付着させ、全身を何か貫かれ血を流し死んでいる。
この事からパンタローネを倒したのは、おそらく栗色の青年。
そして、青年も何者かに殺された?
それを照明するかのように、青年の所から赤い――少女位の大きさの足跡が、パンタローネに向かって続いており、パンタローネの傍から赤と銀の混じった足跡が続いている。
おそらく、パンタローネと青年のPDAを回収したのだろう。
足跡は途中で切れており、車輪の跡が残っていた。
これではもう、追いつく事はできないだろう。

パンタローネが死んだ。
悲しいが、これで他の参加者が襲われる事が無くなった安心感もある。
栗色の青年が死んだ
これでもう、事の真相を確かめる事は出来ない。はたして彼は殺しあいに乗っていたのだろうか?

ロックマンは悲しい気持ちで一杯になった。
どうしてみんな、こうも殺しあいに乗ってしまうのだろうと。
もともと心優しいロックマンには、この現実はとても辛かった。

「――キッドの所へ戻ろう」

パンタローネは倒された。
キッドが自分の帰りを待っている。
今は唯一心を通わせれたキッドが恋しい。

ロックマンは来た道を引き返した。

□ □ □

コロンビーヌは、とても上機嫌だった。
さっきまで、ショックで震えていたのが、まるで嘘の様だ。

「まさか、パンタローネが殺れちゃうなんてぇ」

そう言うコロンビーヌは、どこも悲しそうではなかった。
むしろどこか、ワクワクしている様にも見える。

コロンビーヌがショックから立ち直ると、傍にパンタローネはいなかった。
どうやら他の参加者と、戦闘を行っている様だ。
なぜなら、少し離れた所から破壊音が聞こえてくるである。
ショック状態で無防備だった自分が、何故狙われなかったのか、コロンビーヌは不思議でならない。
パンタローネと戦っている青年が、自分を助けようとしている等、コロンビーヌは夢にも思わなかった。

闘っている二人に対して、コロンビーヌはどうしようかと考える。
やはり共闘するなら、パンタローネだ。
信頼はしていないが、長く付き合ってきた分だけ信用できる。
だから、パンタローネを援護しようと思った。
しかし、援護しようと思った途端に、パンタローネは殺れてしまった。

正直な所、何が起きたのかよくわからなかった。
栗色の青年が消えたかと思うと、パンタローネが飛び上がり、自分の真下に集中放火しだした。
すると、いつの間にかパンタローネの背後に回り込んでいた青年が、拳の一撃でパンタローネを貫いたのだ。
なんでパンタローネがあんな所を攻撃したのか、いつの間に青年が背後に回っていたのか
すべて謎だった。

ただ、自分の目にも捉えきれない青年の動きは、明らかに人間のものでは無かった。

『最古の四人』であるパンタローネが負ける。
それは、この殺し合いにおいて、自分達に匹敵又は上回る実力者が存在する事を示している。
コロンビーヌも油断していると、寝首をかかれる事を知った。
幸いパンタローネを倒した青年は、さっきの戦闘で力を使い果たしたのか、あっさり倒す事が出来た。
だが、次もこう上手くいくとは限らない。
だからPDAは回収した。これからの事を考えると、支給品は多いに越したことは無い。

さてここで疑問が一つ、彼女は一体どうして立ち直れたのか。
それはあることに気が付いたからだ。

勝はエレオノールの事を愛している。
しかし、エレオノールは鳴海の事を愛し、鳴海もエレオノールの事を愛した。
その事を、勝はエレオノールの幸せの為に良しとした。
勝は自ら身を引いたのだ。

ここで一つ質問がある。
勝の隣には、今誰かいるのだろか?
いや、誰もいないはずである。
本来、勝の隣になると思われたエレオノールが、自ら鳴海の隣へ行ってしまった。
それを勝も良しとしている。
なら、空いた勝の隣にコロンビーヌがいても何も問題は無い筈だ。
その事に、コロンビーヌは気が付いてしまったのだ。
それはまるで機械仕掛けの神が、自分に勝の恋人になれと言っているみたいだった。
コロンビーヌは先程まで怒りを抱いていた鳴海に、今は感謝さえしている。
エレオノールを愛してくれてありがとう。
エレオノールに愛されてくれてありがとう。
おかげで自分は、勝に愛してもらえる。

勝は自分の事を、どれだけ愛してくれるだろか?
エレオノールに注げなかった分も、自分に愛を注いでくれるだろうか?
自分はたくさん勝に愛を注ごう。
勝が息絶えるその日まで、ずっと傍で愛してあげるのだ。
そうだ、鳴海とエレオノールが見てて羨ましくなる位、勝に愛を注ぐのだ。

いつか見た恋愛小説にも書いてあった。
恋愛は障害があるほど燃えるものだと。
今の自分が正にその通りだ。
愛しい勝ちゃんと結ばれる為、他の参加者を皆殺しにしなくてはいけない。
まだまだ人数は多いし、先は長い。
しかしちっとも苦痛に感じないのだ、これも愛の力だろうか?

支給品を確認してみると、面白そうなものを見つけた。
たずね人ステッキ。自分の探している人や物の方角に、7割の確率で倒れるらしい。
自分に協力してくれそうな、アルレッキーノに使ってみる事にした。
ステッキの倒れた方向を確認して、タブバイクを発進させた。

機械乙女は殺戮を始める。
ただただ、自らの愛を叶えるために。


【パンタローネ@からくりサーカス破壊確認】
【009(島村ジョー)@サイボーグ009破壊確認】
【残り40人】

【F-5 森林地帯/一日目・早朝】

【コロンビーヌ@からくりサーカス】
[状態]:健康、気分高揚
[装備]:グラーフアイゼン(ハンマーフォルム)@魔法少女リリカルなのはStrikerS
     タブバイク@ゼノサーガシリーズ
[道具]:基本支給品一式×4、PDA(コロンビーヌ、パンタローネ、ジョー、セリオ)
     不明支給品1~7個(確認済み1~7うち1~2は武器には見えない) 、
     床屋セット(鋏、櫛、鏡) 開天珠@封神演義 たずね人ステッキ@ドラえもん
[思考]
基本:殺し合いに勝ち残り、優勝者の報酬として勝の下へ戻る
1:優勝するため他の参加者を殺す。ただし危なくなったら逃走を図る
2:アルレッキーノ、と協力出来るようなら協力する
3:もしアルレッキーのと自分が生き残った場合、自分を優勝させてもらうように懇願する
4:やっぱり人間は殺せない。人形は壊す。お人形みたいな人間も壊す。
[備考]
※参戦時期は死亡後です(原作40巻)
※フランシーヌ人形はサハラ編時の偽者だと確信しています
※全てのゾナハ蟲(コロンビーヌらが吐き出すものも)には以下の制限が掛かっています。
また会場の全域には十分なゾナハ蟲が漂っています。
1:外部には一切の害はありません(ゾナハ病の感染や機械類のダメージなど)
2:コロンビーヌが自分の武器として使用するのには問題なく使用できます
※ゾナハ蟲の制限にはまだ気付いていません
※グラーフアイゼンはシグマによりハンマーフォルムに固定されています
※タブバイクは飛行できません、他にも色々制限されています
※たずね人ステッキがあったかは、次の人に任せます。

【支給品紹介】

【たずね人ステッキ@ドラえもん】
人や物を探しているとき、このステッキを地面に突き立てて手を放すと、目当ての人や物の方向に倒れる。 しかし、その的中率は70パーセント。 三時間につき一回のみ使用することができ、一度使用した相手には使えない。 ちなみに死体にも有効。

【ロックマン@ロックマン】
[状態]:全身にダメージ、右脇腹に打撲(痛みは引いている)、悲しみでいっぱい
[装備]:ブルースシールド@ロックマン、ガトリング砲@サイボーグクロちゃん(弾薬三十~四十パーセント消費)
[道具]:支給品一式、ダンボール@メタルギアソリッド、大型スレッジハンマー@ジョジョの奇妙な冒険 五光石@封神演義
[思考・状況]
基本思考:自分は壊しあいには絶対にのらない。
1:――キッドのところに戻ろう。
2:キッドの親友の王ドラを探す
3:エックスと赤いヘルメットのロボット(ゼロ)を捜して、シグマについて聞く
4:壊しあいを止めるための仲間を集める
5:ロボット同士の壊しあいを止める
[備考]
※キッドの言葉は真実だと思っています(キッドは死んでいなく、自動的に修理される)
※自分達がタイムマシンのようなもので連れてこられたと推測しています


時系列順で読む


投下順で読む



052:決意をこの胸に――(前編) 009(島村ジョー) GAME OVER
052:決意をこの胸に――(前編) パンタローネ GAME OVER
049:真夜中のサーカス コロンビーヌ 071:アルレッキーノ、コロンビーヌの事情(前編)
052:決意をこの胸に――(前編) ロックマン 062:アナタノナキガラヲ…





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