男の世界(後編) ◆hqLsjDR84w



「はア……ッ、はァ……、は……ッ、はあ……――――――ガはあ……ッ」

 凱を地面に叩きつけてから数秒後、ハカイダーが地面に降り立つ。
 降り立つとはいえ、エアークラフトが使用できない現状では、重力に身を任せるしかない。
 普段ならば両の足で着地することが出来るだろうが、それに耐えるだけの体力が今のハカイダーにはない。
 いつも通りクールに、余裕たっぷりに、とはいかない。
 凱との戦闘により大幅に体力を消耗し、表情は窺えないが、疲弊しているのは明らかだった。
 それでも、呼吸の荒いままで地面に這いつくばり、勝利の余韻に浸っていた。
 勝利を確信した中で、己を楽しませてくれた四人目の男として、胸中で凱に礼を言う。
 そして、放送の直後に拾った風見のPDAを取り出すと、ミドルポーションを転送しようとし――――PDAをしまいこんだ。
 ハカイダーが立ち上がる。
 全身ががくがくと痙攣しているし、凱から受けた斬撃や打撃の痕が生々しく存在を主張している。

 それでも、立ち上がらなくてはならない。
 何故ならば……

「はあ、はァ……ッ、ハカいっダァアぁアあああア!」

 先程ギロチン落としによって出来上がったクレーターの中央に、砂煙が立ち消えたクレーターの中央に、獅子王凱が立ちすくんでいたから。
 立っている――とは言っても、あれだけの衝撃でも傷一つついていない西洋剣グランドリオンを支えにして、何とか立っているのが現状だ。
 クレーターから脱出するのにも、手間取ってからやっと脱出できた。
 未だ凱のハイパーモードは継続中だ。
 とはいえ、上半身に纏う金色のアーマーにはひびが走り、ホーンクラウンは二本とも折れてしまっている。
 しかし、それでも凱の勇気は、まだ砕けてはいなかった。
 GGG機動部隊隊長として、サイボーグ・ガイとして、勇者として――そして何よりも一人の男として、ハカイダーは止めねばならない。
 その思いが、凱を立ち上がらせる。
 凱の胸部に埋め込まれた、勇気に感応してエネルギーを発生させるGストーンを輝かせる――!

「決、着は、まだ……つい、て、な…………ガぁああッ」

 とは言ってもやはり、凱が満身創痍なのは明らかだ。
 支えにしていた剣を構え前に向けた瞬間に、膝がガクンと曲がった。
 その足を凱は気合で伸ばし、体勢を整える。

「そ、の……よ、う……だ、なァ!!」

 半死半生でありながら闘志を燃やし続ける凱の姿に、同じく半死半生のハカイダーがどこか嬉しそうに右の拳を握り締める。
 フラリフラリと覚束ない足取りの凱、全身ががくがくと痙攣しているハカイダー。
 両者はたっぷり二十秒ほど費やして距離を縮め、やっと互いの間合いすれすれまで到達する。
 互いの乱れた呼吸音だけが、周囲に響く。

「つあああああぁぁああッ!」
「おおおぉぉおおおおおッ!」

 凱が、グランドリオンを凪ぎ下ろす――とは言っても、振ったというくらいの動作だが。
 ハカイダーが、右の拳を突き出した――とは言っても、腕を伸ばしたというくらいの動作だが。
 奇しくも狙った場所は同じだったようで、グランドリオンとハカイダーの拳が激突する。
 苦悶の声をあげながら、両者が力を込める。
 しかし、拮抗は崩れることはない。

「グランドォォォ! リォォォおおおおおン!!」

 凱の搾り出したかのような絶叫が、周囲に響き渡る。
 ウィル・ナイフを扱うときと同じく、叫んだのは握り締める武器の名。
 とはいえ、叫んだだけで状況が変わるなんてことが、ありえるはずがない。
 しかし、現在凱が己の全力を込めて両の手で握り締めている剣の名は『グランドリオン』。
 使い手の精神状態により影響され、形状や威力が大きく変化する伝説の剣。

「――ッ!? な……にィ……!?」

 不意に、ハカイダーが声をあげる。
 彼がサブローの姿であったのなら、その表情は驚愕に染まっていたことであろう。
 それも、仕方のないことだ。

 ……突然だが、グランドリオンが稀代の業物であるのは、剣について詳しくはないハカイダーにも分かっていた。
 それほどまでに、ただの剣とはどこか一線を画すような気配を醸し出していた。
 何より、これまで戦闘を行っている間、グランドリオンも数度ハカイダーの攻撃を受けている。
 それでも、亀裂さえ入らなかったのだ。
 それだけでも、ゼロが最初に持っていた日本刀のような、ただの業物でないのは自明であった。
 その考えを確信に至らせたのは、ギロチン落としを受けても、ひび一つ入らなかったときであろうか。

 だが、それだけではハカイダーは驚くことはなかったであろう。
 稀代の業物だからといって、驚くワケがない。
 彼が驚いたのは、別の要因によるもの。
 それは……

(まさか、俺の勇気に応えてくれているのか……グランドリオン?)

 グランドリオンの刀身より放たれし光!
 凱の身に纏うアーマーと同じ色の、そして凱の身体から放たれる光とも同じ色の――――黄金色の輝き!
 使い手の精神状態に呼応するとはいえ、こんなに速く反応があるものなのだろうか?
 それは分からない。
 ただ太陽光が凱のアーマーに反射し、グランドリオンに映っただけなのかもしれない。
 それでも消えかかった凱の勇気を、再び燃え上がらせるのには十分すぎた。

「う……おぉぉおおおお!!」

 凱が残りの力を振り絞って、咆哮する。
 瞬間、それに答えるように、凱の体より発せられる金色の輝きが光を強める。
 そして、グランドリオンから放たれる輝きも、光度を増した。

(ここに来て、勢いが増した……!?)

 ハカイダーが驚愕する。
 そう、これだけ長時間戦闘を続けて、さらに必殺の一撃を受けているのに、今になってグランドリオンに込められた力が増したのだ。
 結果、ハカイダーの拳がゆっくりと押されていき……ついに弾き戻した。
 左の拳を放とうとするハカイダー。
 一方、凱は――――体勢を崩して、横に倒れ掛かってしまった。

「う……っ、らぁああああァぁアアあああ!」

 明らかにバランスの崩れている無理な体勢であるにもかかわらず、腰を捻り回転。
 回転の勢いを使って、半ば無理矢理にハカイダーに蹴りを放つ凱。
 その蹴りは迫るハカイダーの拳の下をすり抜け、黒い装甲に覆われたハカイダーの腹部に叩き込まれた。
 疲弊しきった体から放たれた軽い蹴りだが、同じく疲弊しきった体にはヘヴィすぎる。
 五メートルほど、ハカイダーは後ろに後ずさると、そのまま仰向けに倒れこんだ。
 蹴りを放ったほうの凱も、地面に倒れこんだ。
 同時に、金色の余剰エネルギーが身体から溢れ出るのが止まった。
 ハイパーモードが強制終了した。同時に、戦闘形態も解除された。

 たっぷり一分が経過した頃、凱が立ち上がった。
 グランドリオンを支えとして、だが。それでも、確かに立ち上がった。

 ――決着が、ついた。


 空が青い。
 触感制御装置が、そよぐ風の心地よさを感じる。
 気付けば、勝手にサブローの姿に戻っている。
 腕一本動かない。立つことなど、とても出来ないだろう。

 負けた……な。

 ああ、言い訳などしないさ。
 それも、白骨ムササビに不意打ちを食らって負けたときとは違う。
 紛れもない完敗だ。
 全ての力を出し切っての勝負だった。
 いまミドルポーションを転送して飲み干せば、今の状態の凱を破壊することは出来るだろう。しかし、そんな勝利に意味はない。
 俺は戦闘開始時からある程度ダメージを受けていたが、凱も最初から全身にダメージを負っていたように見えた。
 隠していたつもりかもしれんが、全然隠せていなかったぞ。
 だから、俺と凱は、同じ条件で闘っていたといっていい。
 それで負けたのだ。
 受け入れるとも。

 不意に、一度死んだ時のことを思い出す。
 あの時、俺はひたすら『残念』だった。
 しかし、今は違う。
 ひたすらに、『満足』だ。
 あの時は、キカイダーに倒されなかったのが残念でしかなかったはずなのに。
 今ではそれ以上に、本気を出し切っての勝負に満足してしまっている。

 喜べ、キカイダー。
 お前は知ることはないだろうが、俺を倒すほどの力を持った正義を志す男が、ここにいるぞ。
 お前と同じくらいの力を持った、お前の同志がここにいるんだぞ、キカイダー。


「う……」 

 凱が起き上がったようだ。
 何かを引きずる音も一緒に聞こえる。
 持っていた剣を杖にして、移動しているのか。
 破壊されるのは構わない。
 それでも、一瞬だけでも、俺をここまで楽しませてくれた男と会話をしたい。

「俺の……完、敗だ。
 ……言い、残、す……こと、など……何、も無い。殺、せ……」
「分か、ってい、る……さ。ハカ、イダー、お前、は許せ、ない……
 が、それでも戦……士として、の姿には、敬意、を表する。だか、ら……苦、しま……ぬ、よう、楽、に、介錯を、して、やる」

 しまったな。何も思いつかなかった。
 キカイダーを殺すためだけに存在する俺に、気の利いた台詞など吐けないということか。
 まあ、いいさ。
 凱ほどの男に殺されるのならば、それでいい。
 凱が近付いてくる。一緒に凱の携える剣の引きずられる音も迫ってくる。


 さらばだ、キカイダー。
 今になって、『心残り』が出来てしまった
 さっきは『満足』と思ったが、やはり俺はもう一度お前と――――


 ――――ボン。


 何? 爆発音……?
 近くから聞こえたが、一体?

「ぬ、か……った」

 凱の言葉。それだけ言うと、倒れこんだ音が聞こえた。
 何が起こったんだ? 何か爆薬の臭気を感じる。
 混乱する俺の聴覚が、鬱陶しい声を捉えた。

「何かスッゲェ轟音が聞こえるから来てみたワケよ。そしたら、凄まじい戦闘が行われててだなあ。とにかくビックリしたぞ。
 バケモノ同士の戦闘なんて放っといて、勝手に同士討ちになればいい。一度は、そう思ったんだがなあ」

 こいつは一体何を言っているんだ。凱は何故倒れたんだ。
 首だけを動かして、声のする方――凱がいた方と同じ方向だった――を見ようとする。

「そこで闘ってたのが、俺様が壊し合いに乗ってるって知ってるヤツだったから、頭の良~い俺様はこう思ったのさ。
 『戦闘が終わっても、俺様の企みを知っている方が生きていたら、不意打ちで殺す』ってな」

 こいつは、何を言っている。
 順序だてて説明をしろ。
 理解不能だ。
 やっとのことで、首を持ち上げて声のする方に視線を流す。
 そこにいたのは、倒れている凱。そして、十メートルほど離れた場所に紫色の改造人間。
 凱の背からは煙が立っていた。
 爆薬の臭気の正体だと気付くのは、遅くなかった。
 ここで、紫色の改造人間の言葉を思い出す。

 ――戦闘が終わっても、俺様の企みを知っている方が生きていたら、不意打ちで殺す。

 よく見れば、紫色の改造人間の蜥蜴のような形をした右腕からも、煙が立っている。
 ピキリと、脳内を電撃が走ったかのような感覚に襲われる。点と点が繋がった。

「凱を背後から撃ち殺したということか、貴様ぁアアッ!!!」

 気付けば、絶叫していた。
 こんな力など残されてはいなかったはずなのに、何故突如としてこんな力が沸いてきたのだ。
 満身創痍だったのに、いきなり力が増す……
 思い出すのは近くに倒れる男が、戦闘中に最後に見せた力。


「凱を背後から撃ち殺したということか、貴様ぁアアッ!!!」

 叫ぶハカイダー――いや、サブローに、メガトロンがニィと笑みを浮かべる。
 それが分かったからといって、満身創痍のサブローに何が出来るのか。
 そんな侮蔑の篭った、笑みであった。

「Yes、YES、イエェ~ス。しかしそれが分かったからといって、今のお前に何が出来るんだァ?」

 そう言って、ティラノサウルスの形をした右腕をハカイダーに向けるメガトロン。
 その言葉に、サブローは息を詰まらせる。

(おそらくあの改造人間は、あの右腕から凱を殺った爆弾を射出するのだろう。
 今あの距離で俺に向けているということは、射程距離内に俺がいるということだ。
 PDAからミドルポーションを転送して、一気に飲み干すことは出来ても、間に合わん……)

 そうなのである。
 仮にサブローがミドルポーションを飲み干しても、おそらくはメガトロンはサブローがPDAを取り出した瞬間に攻撃を開始する。
 サブローはミドルポーションを飲み終えるまで、動けない。
 しかし、その間もメガトロンの攻撃は迫る。
 となれば、回復が終わった頃には――或いは回復中には、既にメガトロンの攻撃が眼前に届いていることだろう。
 それを分かっているからこそ、サブローは現状を打破する策を考える。

「では、さよならの時間だな!」

 そんな悩みを知ってか知らずか、メガトロンがそう言い放つ。
 サブローは咄嗟にPDAを取り出した。
 それを見たメガトロンはサブローの予想外の行動に焦るものの、撃ってしまえば変わりないとばかりにレーザーとミサイルを射出――

「V3キィィイイイイイック!!」

 ――しようとしたところに突如現れた男の蹴りが迫り、射出を中断して回避をせざるを得なくなった。



 ――――――時は、五分ほど前に遡る。



 風見志郎はやっと治癒を終え、回復ポッドから飛び出した。
 風見がまず思ったのは、『何故周囲の回復ポッドが破壊されているのか』ということだった。
 チンクと凱、そして紫色の恐竜がいないことを不審に思いながら、風見は体の治癒具合を確認する。
 疲労が取れているのは、明らかだった。
 次に、ボイルドとの戦いで受けたダメージ。
 弾丸を撃ち抜かれた頭部と胸部と左肩――塞がっている。問題無いだろう。
 左腰からの出血――止まっている。
 全身に負っていた軽度の火傷――うむ、完治とみていいだろう。
 激しく負傷していた両拳――痛みを感じるが、この程度ならば戦闘に支障は無いはずだ。
 そしてハカイダーショットを放った際の右肘の負傷――腕を伸ばして、戻す。かなり痛みが残っている。戦闘に支障は……分からないな。
 治癒具合を確認すると周囲に目を配り、一枚のメモを発見する。
 その紙には、以下の事柄が記されていた。

 その一:この紙はチンクが轢いてしまった男が、風見志郎に残したということ。
 その二:その男の名は、GGG機動部隊の隊長の獅子王凱といい、壊し合いには決して乗っていないこと。
 その三:出会った紫色の恐竜は、人型に変形する。そして壊し合いに乗っているということ。
 その四:チンクが、サイクロン号に乗って妹達を探しに行ったこと。
 その五:そして獅子王凱が、壊し合いに乗った者を倒すために、現在南側へ移動したということ。

 それらの事柄が記されたメモを読み終えると、風見はどう行動するべきか考えた。
 チンクと合流したいが、サイクロン号に乗って移動しているのならば、追いつけないだろう。
 ならばと、風見はメモをポケットに押し込んで、南側へと走り出した。
 凱はサイクロン号に撥ねられているのだ。
 何かしらの後遺症が残っているかもしれない。
 そう判断し、凱の助っ人となるべく南へと移動を開始したのだ。
 風見が走り出して少し経った時、周囲に轟音が響いた。
 それに不穏な気配を感じた風見は、仮面ライダーV3へと変身して、移動速度をさらにアップさせる。
 目的地は轟音のした方となった。
 ちなみにこの轟音は、ハカイダーのギロチン落としによるものである。

 暫し走り続けたていると、V3の聴覚が叫び声を捉えた。

「凱を背後から撃ち殺したということか、貴様ぁアアッ!!!」

 この言葉に、V3は胸中で舌を打つ。
 凱=獅子王凱が倒れたことを知り、さらに下手人は存命中。
 凱の仲間と思われる叫び声の主だけでも守らんと、V3が全力疾走する。
 そして、やっとV3の複眼が三人の男を捉えた。
 倒れている男――獅子王凱。
 満身創痍の黒服の男――サブロー。
 右腕を黒服の男に向ける、紫色のロボット――メガトロン。
 V3は凱以外の名前を知らなかったが、メガトロンについては凱の残したメモで知っていた。
 だから判断する。
 サブローは先程叫び声をあげた男だと。凱の仲間だと。



 ――――――ここで、時は戻る。



「お前、獅子王凱の知り合いか」

 V3が少し離れた場所にいるメガトロンを見据えながら、サブローに尋ねる。
 サブローはミドルポーションを一気に喉に流し込んでから、それに答える。

「そうなるな。さあ、どけ。奴は俺がやる。お前は、ひっこんでいろ」

 そう言うと、サブローはハカイダーの姿となって、V3の前に出る。
 ミドルポーションを飲用したものの、元々のダメージがひどかったためか、前に一度服したときと違い装甲に刻まれた裂傷は殆ど消えていない。
 またエアークラフト制御装置も壊れたままで、エネルギー以外は回復していないようだ。
 しかしV3が、そのハカイダーのさらに前に出る。

「お前は疲弊しすぎて、ダメージも大きいように見える。あの薬品程度では、殆ど変わっていない」
「分かっている。だからといって、退くわけにはいかん。凱の無念を晴らさなくては、ならない」

 吐き捨てるハカイダー。
 その視線は、はっきりとメガトロンへと向けられていた。
 なんとか引き止めたいが、そうこうしている間にメガトロンに逃げられては困る。
 なので、V3が妥協案を提示する。

「仕方が無い。『共闘』という形でどうだ」

 V3の精一杯の妥協案。
 本当は疲弊した者を戦場に駆り出すなどしたくはないのだが、ハカイダーの言葉からは確固たる決意が感じられた。
 それ故の妥協案。

「巫山戯たことをぬかすな。この俺に、一人の相手に対して二人で戦えと言うのか。
 そんな卑怯な真似をする男だとでも、思っているのかッ!!」

 しかし、ハカイダーはそれに怒りを露にする。
 V3はここまで頑固な奴なのかと、半ば困惑するも、ハカイダーの次の言葉に胸中で笑みを浮かべる。

「――と言いたいところだが、今回ばかりは話が別だ。あいつは凱を背後から撃った。
 それも凱が疲労したところを狙って、だ。そんな輩に決闘の流儀など、必要ない!」

 V3は暫し呆然とするも、再び普段通りの冷静な態度に戻る。

「フン、共に闘ってくれるということか。よろしく頼む」

 そう言って、V3は右手をハカイダーに差し出す。
 一時とはいえ、タッグをの証に握手を求めたのだ。
 しかし、ハカイダーはV3の右手を払いのけると、一言言い放った。

「ただ、アイツを破壊した後には俺と戦ってもらうぞ、仮面ライダー!!」
「何!? 待て、貴様! 何故、貴様が仮面ライダーを知っている!」

 尋ねるV3の複眼には、メガトロンに向かっていくハカイダーの姿が映った。
 ハカイダーの背中はドンドンと小さくなっていく。
 それを見たV3は、意図せずとも勝手に舌打ちを吐き捨てていた。



【G-4 路上/一日目 朝】
【風見志郎@仮面ライダーSPIRITS】
[状態]:両拳に負傷(小)、頭部と胸部と左肩に弾痕(塞がっている)、右肘に負傷(中)、固い決意、やるせない思い、変身中
[装備]:無し
[道具]: PDA紛失
[思考・状況]
基本:殺し合いを破壊し、シグマを倒す。
1:ハカイダー(名前は知らない)とともに、メガトロン(名前は知らない)を倒す。
2:チンクと共に本郷・敬介・茂・村雨・スバル・ギンガ・ノーヴェを探し、合流する。
3:殺し合いに乗った危険人物には容赦しない。
4:可能ならば、ボイルドを仮面ライダーにしたい。そのためには、危険は辞さない覚悟。
5:シグマの真の目的を探る。そのためにエックスと呼ばれた男、赤い男(ゼロ)と接触する。
6:弱者の保護。
7:放送の内容を知りたい。
8:北東へ向い金属を集める)優先順位は低い)。
[備考]
※参戦時期は大首領の門に火柱キックを仕掛ける直前です(原作13巻)。また身体とダブルタイフーンは元通り修復されています
※チンクと情報交換をしました
※なんとなくチンクを村雨、そして昔の自分に重ねている節があります


【ハカイダー@人造人間キカイダー】
[状態]:エアークラフト回路爆破、全身にダメージ(大)、エネルギー消耗(大)、全身に浅い裂傷(行動に支障なし)、
     胸部に真一文字の斬傷、ナイフを収納する箇所喪失、腹・背中にダメージ(極大)、メガトロンへの激しい怒り
[装備]:無し
[道具]:ハカイダーのPDA(支給品一式、スズキ・GSX750S3 KATANA@仮面ライダーSPIRITS)、風見志郎のPDA(支給品一式)
[思考・状況]
基本思考:元の世界へ帰ってキカイダーと決着をつける。
1:メガトロン(名前を知らない)を倒し、凱の無念を晴らす。仮面ライダーV3と共闘してやってもいい。
2:仮面ライダーV3に村雨良の遺言を伝え、その後戦う。
3:とりあえず、修理工場によってみる。可能なら、修理。
4:村雨良の遺言を伝える。そのため、仮面ライダーに会い、破壊する。
5:参加者を全て破壊する(ただし、女子供、弱者には興味が薄い)。
6:日付の変わる頃(二日目00:00)にゼロと決着をつけため、スクラップ工場に再度向かう。
7:シグマを破壊する。
8:キカイダーに迫る、戦士に敬意。
※参戦時期は原作死亡後(42話「変身不能!? ハカイダー大反逆!」後)です。
※血液交換が必要のない身体に改造されています。



 よーし、落ち着け。クールになるのだ、メガトロン。
 お前は、やったら出来る子だからな~。
 落ち着いて、ゆっくり考えろ。
 アラレが早くも壊されちまったのには、困った。計画が崩れちまった。
 何より、あんなに強い奴を壊すなんて驚きだ。
 そんあことを考えていると、戦闘音が聞こえた。
 危険な場所には行きたくはなかったが、戦闘後に勝った奴を殺せる可能性がある。
 何、視力には自信がある。
 ヤバそうならば、近付かないで逃げればいい。
 そう思って、向かってみれば、闘っていた内の片方は、さっきの特撮ヒーロー男。
 直接戦闘は行うつもりじゃあなかったが、正体を知るものを殺せるならば話は別。復讐も、したいからな。
 そう判断して、戦闘が終わるのを待って接近し、そいつにミサイルを撃ち込んでやった。
 そんで、もう一人の滅茶苦茶に強い奴も、邪魔だから殺そうとした。
 そこまではいい。
 状況に応じて、計画を変えていく、ナイスアドリブだ。

 ここからが、不測の事態。

 突如現れた、真っ赤なボディに緑色の服の男。
 そして、先程まで死にかけだった真っ黒な滅茶苦茶に強い奴――ハカイダーとか言われてたか?――。
 どうやら、そいつらが手を組むらしい。
 手を組んでどうするか? 俺様を倒すらしい。
 そう、まずいんだ。
 赤色の蹴りは、結構な威力だった。
 でも、赤色だけならば、どうにかなったやもしれん。
 ハカイダーの方は、もう相手にしたくない。
 戦闘を見てたけど、アイツはヤバイ。とにかくヤバイ。
 地面に人を叩きつけて、クレーター作るとかアホかと。バカかと。
 それでも、さっきまでは死にかけだったからよかった。
 殺せるはずだった。
 それなのに、変な水――支給品なんだろうな。いらんもん配りやがって――を飲むと、少し回復したように見える。

 そりゃあ、逃げたい。
 しかし回復したとはいえ、本調子とはほど遠いように見える。
 胸とか斬られてるし、さっきまでと比べたら確実に動きが鈍いように見える。
 今のうちに倒しとくべきか……? いや、しかしだなぁ……。
 とか迷ってたら、どんどんハカイダーがでかくなってきやがった。
 疲れ目ってやつか? 目をじっくりと凝らしてみる。

 ……アレ? ちょっと、オイ。なんかアイツ、近付いて来てね?



【G-4 路上/一日目 朝】
【メガトロン@ビーストウォーズ】
[状態]:健康
[装備]:無し
[道具]:支給品一式、草薙素子のスペア義体@攻殻機動隊S.A.C、ランダム支給品0~2(確認済)
[思考・状況]
基本思考:優勝しサイバトロンの抹殺。その後シグマも倒す。
0:どうする? どうするんだ、俺様!?
1:己の正体を隠しつつ、場を混乱させる(CV:田中敦子)
2:優勝を目指す、自身による直接戦闘はしばらく避ける。しかし己の正体を知る者を殺せる状況なら、別。
3:チンク達へいつか復讐する






 獅子王凱はメガトロンの砲撃を受けて倒れた後も、意識を落としてはいなかった。
 だが、気合で立とうとしても、それは叶わなかった。
 当然だ。一介のサイボーグならば、既に機能を停止するだけのダメージを受けている。
 意識を落とさなかっただけでも奇跡。立つことなど、まして戦闘など不可能なのは自明。
 朦朧とした意識の中で、凱はただ前を見ていた。
 ハカイダーとメガトロンの方を。
 メガトロンの行動に激昂するハカイダー、それを嘲笑うメガトロン。
 それを見て、凱は思う。

 ――ハカイダーは、まだ更正できるのではないか。

 殺し合いに乗っているらしいが、弱者に危害を与えることはないらしい。
 強者と戦いたいだけらしい。
 戦いたいが為に、参加者を――村雨良を手にかけたのは許せない。
 それでも、ハカイダーは卑怯な行為に怒ることが出来る。
 それこそが、ただの外道とハカイダーの大きな違いだ。
 もしかしたら更正できるのでは……
 そんな考えが、凱の脳内に浮かんでくる。
 機界四天王の一人ピッツァの姿が、凱の脳裏を過ったのだ。
 ……いや、誇り高き三重連太陽系一の戦士ソルダートJと呼ぶべきか。
 しかし、現実はあまりに非情。
 度重なる戦闘で負傷、そして疲弊しきった状態では、制限を除けばほぼ万全のメガトロンには敵わないだろう。
 更正可能でも、更正する前に死んだのでは意味を成さない。
 だからこそ、己の体を意地でも動かそうとする凱。
 だが、動かない。それどころか、目蓋が勝手に落ちてくる。
 凱は己の無力さに舌を打とうとするも、それも出来ない。
 不甲斐なさ――少なくとも、凱自身は己をそう罵った――に情けなくなる凱の瞳に、ハカイダーでもメガトロンでもない介入者が映った。
 ピッタリとした緑の服。風になびく白いマフラー、白い手袋。そして赤いボディ。
 凱はその男を知っていた。チンクという名の少女から聞いていた。

 ――正義を志す者、仮面ライダーV3。

 既に、凱の聴覚はほとんど音を捉えず。
 凱の視界は、靄でもかかったかのようにぼやけてしまっていた。
 それでも、曖昧な聴覚で、はっきりと捉えた。
 曖昧な視界の中で、凱は確かに見据えた。
 仮面ライダーV3と共に、メガトロンを倒さんとするハカイダーの意思を。
 目の前の悪を倒すため、正義と肩を並べるハカイダーの姿を。
 それを見た凱は、フウと息を吐く。
 安心しきったのか、緊張の糸が途切れたのか、その瞬間に彼の意識はプッツリと途絶えた。



【G-4 路上/一日目 朝】
【獅子王凱@勇者王ガオガイガー】
[状態]:疲労(極大)、全身に重度の打撲、アーマーにひび、背中に数多の火傷と裂傷、気絶
[装備]:グランドリオン@クロノトリガー、電磁ナイフ@仮面ライダーSPIRITS(右腕に収納)
[道具]:支給品一式
[思考・状況]
基本思考:シグマを打ち倒し、この殺し合いを止める。戦う力を持たぬ者、傷ついている達を保護し、守り抜く。
0:気絶
1:メガトロン(名前は知らない)を止める。
2:ハカイダーを更正したいが、それが不可能ならば――――?
3:戦闘が終われば、チンクと合流するべく風見と修理工場に戻る。
4:同じ目的を持った仲間を探す。
[備考]
※Zマスター撃破直後からの参戦です。
※チンクから情報を得ました。
※制限の影響により、グランとリオンは出現する事が出来ません
※凱が見た村雨の写真は原作五巻に出てきたものです
※打撲、火傷、裂傷等により、身体の内部に異変が生じているのかは、後続の書き手さんにおまかせします。




時系列順で読む


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076:男の世界(前編) ハカイダー 083:破壊戦士物語
076:男の世界(前編) 獅子王凱 083:破壊戦士物語
076:男の世界(前編) 風見士郎 083:破壊戦士物語
058:光り輝け勇気の力 メガトロン 083:破壊戦士物語





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